JPH076014U - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JPH076014U
JPH076014U JP3622793U JP3622793U JPH076014U JP H076014 U JPH076014 U JP H076014U JP 3622793 U JP3622793 U JP 3622793U JP 3622793 U JP3622793 U JP 3622793U JP H076014 U JPH076014 U JP H076014U
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hydraulic pressure
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JP3622793U
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弘治 金内
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株式会社ユニシアジェックス
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部供給液圧失陥によるフェイル時における
フェイルセーフ機能を発揮しつつ、ABS作動時におけ
る車輪ロック解除機能を十分に発揮させることができる
と共に、フェイル時における液圧剛性を確保し、かつ、
液圧制御弁の小型化及びコストの低減化が可能なブレー
キ液圧制御装置の提供。 【構成】 大径側にマスタシリンダ圧を受圧して摺動す
る段差プランジャ81の受圧面積差により増圧された小
径側のシリンダ液圧を液圧制御弁7a,7bにおけるド
レーンポート11b側に接続されたフェイル時倍力装置
8と、液圧制御弁7a,7bにおけるドレーンポート1
1bとドレーンタンクTとの間のドレーン流路16に介
装されていて、外部液圧供給源6からの供給液圧を受圧
することでドレーン流路16を開くと共に供給液圧の低
下によりドレーン流路16を閉じる切換弁装置9と、を
備えている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、各車輪のホイールシリンダに供給される液圧を制御して制動力を任 意に制御可能なブレーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブレーキ液圧制御装置としては、例えば、特開平4−87867号公報 に記載のものが知られている。
【0003】 この従来のブレーキ液圧制御装置は、ブレーキ操作に基づいてマスタシリンダ 圧を発生させるマスタシリンダと、マスタシリンダ圧より高い液圧を供給する外 部液圧供給源と、外部液圧供給源からの供給液圧を液圧源としてその摺動により 出力液圧を調圧するスプールとマスタシリンダ圧を受圧することで出力液圧増圧 方向にスプールを作動させる増圧用アクチュエータとしての第2プランジャとブ レーキペダル操作時の液圧剛性を低減させる大径の第1プランジャ(ストローク アキュムレータ)と出力液圧減圧方向にスプールを作動させるアンチスキッド制 御(以後、ABSと略称する)用アクチュエータとしてのソレノイドとを有する 液圧制御弁と、該液圧制御弁からの出力液圧とマスタシリンダ圧とが接続されて いて出力液圧の非発生時にはマスタシリンダ圧を直接ホイールシリンダに供給す ると共に出力液圧の発生時には段差プランジャの受圧面積差に基づいて増圧され た出力液圧をホイールシリンダに供給するフェイルセーフ機能を有するブレーキ 圧合成器とを備えたものであった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のブレーキ液圧制御装置にあっては、以下に列 挙するような問題点があった。 上述のように、アンチスキッド制御による減圧作動時においては、ブレーキ圧 合成器に供給されていた出力液圧が減圧されるため、それまで受圧面積差に基づ いて押圧摺動されていたブレーキ圧合成器の段差プランジャが元に戻ることから 、マスタシリンダとホイールシリンダとの間の油路が連通された状態となり、こ のため、アンチスキッド制御による減圧作動時においても、ホイールシリンダ圧 をマスタシリンダ圧以下には減圧することができなくなり、従って、車輪ロック 解除機能を十分に発揮させることができなくなる。
【0005】 また、外部供給液圧失陥によるフェイル時においては、ブレーキ圧合成器の増 圧機能が働かなくなる。
【0006】 さらに、第1プランジャが常にストロークアキュムレータとして機能する構造 であるため、外部供給液圧失陥によるフェイル時においても、ブレーキペダル操 作時の液圧剛性が低下してしまう。
【0007】 また、ペダルストロークを確保するストロークアキュムレータの役目をなす第 1プランジャを各液圧制御弁にそれぞれ備える必要があることから、液圧制御弁 が大型化すると共に、コスト高となる。
【0008】 本考案は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、外部供給液圧失陥 によるフェイル時におけるフェイルセーフ機能を発揮しつつ、ABS作動時にお ける車輪ロック解除機能を十分に発揮させることができると共に、フェイル時に おける液圧剛性を確保し、かつ、液圧制御弁の小型化及びコストの低減化が可能 なブレーキ液圧制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本考案のブレーキ液圧制御装置では、ブレーキ 操作に基づいてマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、マスタシリン ダ圧より高い液圧を供給する外部液圧供給源と、外部液圧供給源からの供給液圧 が接続される液圧供給ポートとドレーンタンクに接続されるドレーンポートのい ずれかを出力ポート側に接続することによって出力液圧を調圧可能なスプールと 出力液圧減圧方向にスプールを押圧付勢するリターンスプリングとマスタシリン ダ圧を受圧することで出力液圧増圧方向にスプールを作動させる増圧用アクチュ エータと出力液圧の受圧による反力で出力液圧減圧方向へスプールを押し戻す反 力ピストンと制御信号に基づいて出力液圧減圧方向にスプールを作動させる減圧 用アクチュエータとを有する液圧制御弁と、液圧制御弁からの出力液圧を受圧す ることで車輪の制動を行なうホイールシリンダと、大径側にマスタシリンダ圧を 受圧して摺動する段差プランジャの受圧面積差により増圧された小径側のシリン ダ液圧を液圧制御弁におけるドレーンポート側に接続されたフェイル時倍力装置 と、液圧制御弁におけるドレーンポートとドレーンタンクとの間の流路に介装さ れていて、外部液圧供給源からの供給液圧を受圧することで流路を開くと共に供 給液圧の低下により流路を閉じる切換弁装置と、を備えた手段とした。
【0010】
【作用】
本考案のブレーキ液圧制御装置では、上述のように構成されるので、外部液圧 供給源からの液圧が正常に供給される正常時においては、切換弁装置では外部液 圧供給源からの供給液圧を受圧することで、液圧制御弁におけるドレーンポート とドレーンタンクとの間の流路を開いた状態とするもので、これにより、液圧制 御弁が正常に作動し、即ち、ブレーキ操作に基づいて発生するマスタシリンダ圧 に応じてホイールシリンダに供給される出力液圧が調圧される。
【0011】 一方、正常時においては、フェイル時倍力装置では、その小径側のシリンダ液 圧が液圧制御弁のドレーンポート側に接続されていて、大気圧状態となっている ことから、大径側にマスタシリンダ圧を受圧して段差プランジャが摺動すること で、ブレーキ操作時の石踏み感を解消するストロークアキュムレータとしての機 能を発揮することができるもので、これにより、液圧制御弁の小型化及びコスト の低減化が可能となる。
【0012】 また、外部液圧供給源からの供給液圧が低下するフェイル時においては、切換 弁装置では、外部液圧供給源からの液圧供給がなくなることで、液圧制御弁にお けるドレーンポートとドレーンタンクとの間の流路を閉じた状態とするもので、 これにより、フェイル時倍力装置では、マスタシリンダ圧を受圧して摺動する段 差プランジャの受圧面積差に基づいて増圧された小径側のシリンダ液圧が、液圧 制御弁のドレーンポートから出力ポートを経由してホイールシリンダに供給され るもので、従って、フェイル時においても十分な制動力を発生させることができ る。そして、この時、フェイル時倍力装置では、ストロークアキュムレータとし ての機能は発揮しない状態となるため、ブレーキ操作時における液圧剛性を低下 させることはない。
【0013】 また、アンチスキッド制御による減圧作動時においては、制御信号に基づいて 駆動される減圧用アクチュエータにより、出力液圧減圧方向にスプールを作動さ せるもので、この時、フェイル時倍力装置における小径側のシリンダ液圧は、前 述のように大気圧状態となっていることで、マスタシリンダ圧以下に出力液圧を 減圧することができる状態となっており、これにより、車輪ロック解除機能を十 分に発揮させることができるようになる。
【0014】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面により詳述する。 まず、実施例の構成について説明する。
【0015】 図1は本考案実施例のブレーキ液圧制御装置を示す全体構成図あり、この図に 示すように、この実施例のブレーキ液圧制御装置は、ブレーキペダル2aの操作 量に応じたマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダ2と、各車輪のブレー キ装置に設けられるホイールシリンダ3と、外部液圧供給源6と、従動輪用液圧 制御弁7a,7aと、駆動輪用液圧制御弁7b,7bと、従動輪用及び駆動輪用 の各1個づつのフェイル時倍力装置8と、切換弁装置9と、ブレーキコントロー ラ13とを有している。
【0016】 前記外部液圧供給源6は、液圧ポンプ6aと、逆流防止用チェック弁6bと、 高圧液貯蔵用アキュムレータ6cと、リリーフ弁6dで構成されている。
【0017】 次に、前記従動輪用液圧制御弁7a,7aについて説明すると、図において1 はバルブボディであって、このバルブボディ1には、バルブ穴11が穿設されて いる。そして、このバルブ穴11には、液圧供給ポート11aとドレーンポート 11bが形成されると共に、両ポート11a,11b間位置には出力ポート11 cが形成されている。
【0018】 そして、前記液圧供給ポート11aは、液圧供給液路14を介して外部液圧供 給源6に接続され、ドレーンポート11bは、ドレーン液路16を介してドレー ンタンクTに接続されていて、大気圧となっており、出力ポート11cは、出力 液路17を介してホイールシリンダ3に接続されている。尚、前記液圧供給液路 14の途中には、外部液圧供給源6から液圧制御弁7a方向を順方向とする逆止 弁14aが介装されている。
【0019】 前記バルブ穴11にはバルブスプール4が摺動可能に内蔵されている。このバ ルブスプール4には、液圧供給ポート11aと出力ポート11c間、または出力 ポート11cとドレーンポート11bとの間を連通させるための環状連通溝4a が形成されていて、両ポート11a,11bとの間に可変絞りs,tが形成され ている。
【0020】 即ち、このバルブスプール4が、図面右方向に摺動すると、可変絞りtが遮断 されて可変絞りsが開かれることにより、出力ポート11cの液圧が増加する方 向に変化し、一方、バルブスプール4が、以上とは逆に図面左方向に摺動すると 、可変絞りtが開き可変絞りsが遮断される。これにより、出力ポート11cの 出力液圧が減少する方向に変化する。
【0021】 前記バルブスプール4の図面右端部には、バルブスプール4を出力液圧減圧方 向に押圧付勢するリターンスプリング4dが設けられている。
【0022】 また、バルブスプール4の図面左端部には、マスタシリンダ圧導入口67から 導入されたマスタシリンダ圧の受圧による摺動で、バルブスプール4を出力液圧 増圧方向に摺動させる増圧用アクチュエータとしてのパイロットピストン65が 設けられ、さらに、バルブスプール4の図面左端部外周位置には、通電により発 生する吸引力により、該バルブスプール4を出力液圧減圧方向に摺動させる減圧 用アクチュエータとしてのABS用ソレノイド5aが設けられている。
【0023】 また、バルブスプールの図面右側端面軸心部には、出力液圧の受圧による反力 でバルブスプール4を出力液圧減圧方向に押し戻す反力ピストン64が設けられ ている。
【0024】 次に、前記駆動輪用液圧制御弁7b,7bは、前記従動輪用液圧制御弁7aに 、トラクションコントロールシステム(以後、TCSと略称する)用ソレノイド 5bが追加された構造となっている。 即ち、バルブスプール4の図面右端部外周位置には、通電により発生する吸引 力により、該バルブスプール4を出力液圧増圧方向に摺動させるTCS用ソレノ イド5bが設けられている。
【0025】 前記フェイル時倍力装置8は、従動輪側と駆動輪側とにそれぞれ1個づつ設け られるもので、段差プランジャ81の大径側にマスタシリンダ圧供給液路15が 接続されるマスタシリンダ圧室82が形成され、また、段差プランジャ81の小 径側にドレーン液路16に接続されたホイールシリンダ圧室83が形成されてい る。そして、ホイールシリンダ圧室83内には、段差プランジャ81をマスタシ リンダ圧室82方向に押圧付勢するスプリング84が設けられている。
【0026】 前記切換弁装置9は、図2にその詳細を示すように、両端部に大径ピストン部 9aと小径ピストン部9bとが形成された段付きピストン9cと、大径ピストン 部9aが摺動自在に収容される大径シリンダ室9d,大径ピストン部9aの外側 端面側に形成されていてドレーンタンクTに連通される小径室9e,小径ピスト ン部9bが摺動自在に収容されると共に小径ピストン部9bの外側端面側が各液 圧制御弁7a,7bのドレーンポート11bに連通される小径シリンダ室9f, 大径ピストン部9aと小径ピストン部9bとの間に形成されていて液圧供給液路 14における逆止弁14aよりは上流側において外部液圧供給源6に接続される 中間室9gを有するバルブボディ9hと、小径室9e内に設けられていて段付き ピストン9cを小径シリンダ室9f方向に押圧付勢するスプリング9jと、段付 きピストン9cに形成されていて小径シリンダ室9fと小径室9eとの間を連通 する連通孔9kと、段付きピストン9cの小径シリンダ室9f方向への摺動によ り連通孔9kを閉じる方向に作用するチェック弁9mとを備えた構造となってい る。
【0027】 即ち、この切換弁装置9は、液圧制御弁7a,7bにおけるドレーンポート1 1bとドレーンタンクTとの間を接続するドレーン流路16の途中に介装されて いて、図2の(イ) に示すように、外部液圧供給源6からの供給液圧を中間室9g に受圧することで段付きピストン9cをスプリング9jの付勢力に抗して小径室 9e方向に摺動させ、これによりチェック弁9mを開弁してドレーン流路16を 開くと共に、図2の(ロ) に示すように、供給液圧の低下によりスプリング9jの 付勢力で段付きピストン9cを小径シリンダ室9f方向へ押圧摺動させ、これに よりチェック弁9mを閉弁してドレーン流路16を閉じるように作用する。
【0028】 次に、図1に戻り、前記ブレーキコントローラ13は、車速センサ18及び車 輪回転センサ19からの入力信号に基づき、ABS用ソレノイド5aの駆動制御 を行なうABS制御部、及び、TCS用ソレノイド5bの駆動制御を行なうTC S制御部を備えている。
【0029】 次に、実施例の作用を説明する。 (イ)非制動時 外部液圧供給源6が正常に作動している正常時においては、図1及び図2の(イ ) に示すように、切換弁装置9の中間室9gに供給液圧を受圧してチェック弁9 mが開弁し、これにより、ドレーン流路16が開かれた状態となっている。
【0030】 そして、ブレーキペダル2aを踏まない状態では、マスタシリンダ圧が0とな るため、両液圧制御弁7a,7bでは、リターンスプリング4dのセット力によ って、バルブスプール4が図面左方向に押圧摺動されていて、出力ポート11c の出力液圧がOとなっている。
【0031】 従って、各ホイールシリンダ3への供給液圧もOであってブレーキ装置が不作 動の状態となっている。
【0032】 (ロ)制動時 上述のように、外部液圧供給源6が正常に作動している正常時において、ブレ ーキペダル2aを踏み込むと、マスタシリンダ2のマスタシリンダ圧がその踏力 に応じて上昇し、両液圧制御弁7a,7bでは、この液圧をマスタシリンダ圧導 入口67を経由してパイロットピストン65が受圧し、該パイロットピストン6 5を、図面右左方向に押圧摺動させるため、この押圧力により、リターンスプリ ング4dのセット力に抗してバルブスプール4を図面右方向に押圧摺動させるも ので、これにより、出力ポート11cの出力液圧を上昇させて、各ホイールシリ ンダ3への供給液圧が増加する。
【0033】 一方、この出力ポート11cの出力液圧は、反力ピストン64で受圧され、該 反力ピストン64の受圧反力でバルブスプール4を図面左方向に押し戻す。
【0034】 即ち、バルブスプール4は、パイロットピストン65の押圧力と、反力ピスト ン64の受圧反力+リターンスプリング4dのセット力とが釣り合う位置に配置 されるもので、マスタシリンダ圧に比例した出力液圧(制動力)が得られる。
【0035】 そして、上述のように、外部液圧供給源6が正常に作動している正常時におい ては、フェイル時倍力装置8は、その段差プランジャ81の小径側であるホイー ルシリンダ圧室83がドレーン液路16の切換弁装置9を介してドレーンタンク Tに連通されることで、大気圧状態となっているため、段差プランジャ81の大 径側であるマスタシリンダ圧室82にマスタシリンダ圧を受圧することで段差プ ランジャ81がスプリング84の付勢力に抗してホイールシリンダ圧室83側に 押圧摺動されるもので、これにより、正常時においては、フェイル時倍力装置8 がブレーキペダル2a操作時の石踏み感を解消するストロークアキュムレータと しての機能を発揮することになる。このため、この実施例では、マスタシリンダ 圧の最大時でも段差プランジャ81がフルストロークしないようにスプリング8 4の強さが設定されている。
【0036】 (ハ)フェイル時 外部液圧供給源6の異常発生により、供給液圧が0になると、両液圧制御弁7 a,7bからの出力液圧も増圧することができない状態となっている。そして、 両液圧制御弁7a,7bでは、リターンスプリング4dの付勢力で、バルブスプ ール4が図面左方向に押圧摺動されていて、出力ポート11cがドレーンポート 11b側と連通された状態となっており、これにより、フェイル時倍力装置8の ホイールシリンダ圧室83が、液圧制御弁7a,7bを介してホイールシリンダ 3と連通された状態となっている。
【0037】 一方、液圧制御弁7a,7bにおけるドレーンポート11bとドレーンタンク Tとの間を接続するドレーン流路16の途中に介装された切換弁装置9は、図2 の(ロ) に示すように、中間室9gに対する供給液圧が低下することでスプリング 9jの付勢力により段付きピストン9cを小径シリンダ室9f方向へ押圧摺動さ せ、これによりチェック弁9mを閉弁してドレーン流路16を閉じた状態となっ ている。
【0038】 そこで、この状態でブレーキペダル2aを踏み込むと、その踏力に応じて上昇 したマスタシリンダ2のマスタシリンダ圧は、フェイル時倍力装置8のマスタシ リンダ圧室82に供給されることで、段差プランジャ81をスプリング84のセ ット力に抗して図面右方向に押圧摺動させ、これにより、ホイールシリンダ3に 連通されたホイールシリンダ圧室83の液を加圧するもので、即ち、マスタシリ ンダ圧に対し段差プランジャ81の大径部と小径部の断面積比の倍率で増幅した 状態でホイルシリンダ3の液圧を上昇させ、これにより、強い制動力を発生させ ることができる。
【0039】 尚、マスタシリンダ圧は、液圧制御弁7a,7bにおけるマスタシリンダ圧導 入口67にも供給されており、これをパイロットピストン65が受圧することで 、バルブスプール4を図面右方向に押圧する力が作用するが、反力ピストン64 側にはフェイル時倍力装置8で増幅されたホイールシリンダ液圧が作用すること から、その受圧反力によってバルブスプール4を図面左方向に押圧摺動させた状 態に維持させることができる。
【0040】 (ニ)ABS作動時 急制動時や雪道等の低μ路での制動時においては、制動装置による車輪の制動 摩擦抵抗よりも路面に対するタイヤの摩擦抵抗が小さくなってタイヤがスリップ し、車輪がロックされた状態となる。
【0041】 そこで、ブレーキコントローラ13のABS制御部では、車速センサ18で検 出された車速と、車輪回転センサ19で検出された車輪回転数とから、タイヤの スリップ状態が検出されると、そのスリップ量に応じ、両液圧制御弁7a,7b のABS用ソレノイド5aに駆動電流が印加されるもので、これにより、バルブ スプール4を図面左方向に摺動させる吸引力が発生する。
【0042】 即ち、ブレーキ操作により発生するパイロットピストン65の押圧力と、反力 ピストン64の受圧反力+リターンスプリング4dのセット力+吸引力と、が釣 り合う位置にバルブスプール4が配置され、つまり、吸引力の分だけバルブスプ ール4が図面左方向に引き戻されるもので、これにより、出力液圧(ホイールシ リンダ3に対する供給液圧)が減少し、車輪の制動力が減少することで、車輪の スリップ量が減少する。
【0043】 そして、ブレーキコントローラ13のABS制御部では、検出スリップ量と予 め設定された適正なスリップ量(制動力)とが常に比較されていて、検出スリッ プ量が適正なスリップ量になるように、ABS用ソレノイド5aに対する印加電 流値の増減変更制御が行なわれる。
【0044】 さらに、外部液圧供給源6が正常に作動している正常時においては、前述のよ うに、フェイル時倍力装置8における小径側のホイールシリンダ圧室83は、前 述のように大気圧状態となっていることから、液圧制御弁7a,7bにおける出 力液圧をマスタシリンダ圧以下に減圧することができる状態となっており、この ため、ABS制御時における車輪ロック解除機能を十分に発揮させることができ るようになる。
【0045】 (ホ)TCS作動時 車両の急発進時や急加速時においては、アクセルの踏み込みによりエンジンの トルクが急増するため、このエンジンのトルクが駆動輪側タイヤの路面に対する 摩擦抵抗に打ち勝ってタイヤのスリップ現象が生じる。即ち、車速よりも車輪の 回転速度が大きくなり、そのまま放置すると操縦が不安定な状態となる。
【0046】 そこで、ブレーキコントローラ13のTCS制御部では、車速センサ18で検 出された車速と、車輪回転センサ19で検出された車輪回転数とから、タイヤの スリップ状態が検出されると、そのスリップ量に応じ、駆動輪用の液圧制御弁7 bのTCS用ソレノイド5bに駆動電流が印加される。
【0047】 このように、TCS用ソレノイド5bに駆動電流が印加されると、その発生吸 引力の分だけバルブスプール4が図面で右方向に吸引摺動されるもので、これに より、ブレーキ操作がないにも係らず、出力液圧(ホイールシリンダ3に対する 供給液圧)が増加して車輪の制動力が発生し、車輪のスリップ量が減少する。
【0048】 そして、ブレーキコントローラ13のTCS制御部では、検出スリップ量と予 め設定された適正なスリップ量(駆動力)とが常に比較されていて、検出スリッ プ量が適正なスリップ量になるように、TCS用ソレノイド5bに対する印加電 流の増減変更制御が行なわれる。
【0049】 以上説明したように、本実施例のブレーキ液圧制御装置では、以下に述べるよ うな効果が得られる。 外部供給液圧失陥によるフェイル時においては、フェイル時倍力装置8の作 動によりフェイルセーフ機能を発揮しつつ、ABS作動時においては、フェイル 時倍力装置8の作動を停止させることで、車輪ロック解除機能を十分に発揮させ ることができるようになる。
【0050】 外部供給液圧失陥によるフェイル時においても、フェイル時倍力装置8の作 動により、倍力機能を発揮させることができる。
【0051】 外部供給液圧が正常に供給される正常時においては、フェイル時倍力装置8 がストロークアキュムレータとしての機能を発揮するため、液圧制御弁の小型化 及びコストの低減化が可能である。
【0052】 フェイル時倍力装置8は、フェイル時においてはストロークアキュムレータ として機能しないことから、ブレーキペダル2a操作時における液圧剛性を確保 することができるようになる。
【0053】 次に、図3に示す切換弁装置の他の実施例について説明する。 尚、この実施例の切換弁装置9’は、そのチェック弁構造が前記実施例とは異 なるだけであるため、前記実施例の切換弁装置9と同様の構成部分には同一の符 号を付けてその説明を省略し、構造の相違点についてのみ説明する。
【0054】 即ち、この実施例の切換弁装置9’は、その小径シリンダ室9fに、液圧制御 弁7a,7bのドレーンポート11bに接続するための連通孔9nの他に、ドレ ーンタンクTへの連通孔9pが形成されると共に、前記連通孔9nと軸方向に対 向する小径ピストン部9bの端面に、段付きピストン9cの摺動によって連通孔 9pを開閉するチェック弁9rが突出形成された構造としたものである。
【0055】 以上、本考案の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施 例に限られるものではなく本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があって も本考案に含まれる。
【0056】
【考案の効果】
以上説明してきたように、本考案ブレーキ液圧制御装置にあっては、大径側に マスタシリンダ圧を受圧して摺動する段差プランジャの受圧面積差により増圧さ れた小径側のシリンダ液圧を液圧制御弁におけるドレーンポート側に接続された フェイル時倍力装置と、液圧制御弁におけるドレーンポートとドレーンタンクと の間の流路に介装されていて、外部液圧供給源からの供給液圧を受圧することで 流路を開くと共に供給液圧の低下により流路を閉じる切換弁装置とを備えた構成 としたことで、以下に列挙するような効果が得られる。
【0057】 外部供給液圧失陥によるフェイル時においては、フェイル時倍力装置の作動 によりフェイルセーフ機能を発揮しつつ、ABS作動時においては、フェイル時 倍力装置の作動を停止させることで、車輪ロック解除機能を十分に発揮させるこ とができるようになる。
【0058】 外部供給液圧失陥によるフェイル時においても、フェイル時倍力装置の作動 により、倍力機能を発揮させることができる。
【0059】 外部供給液圧が正常に供給される正常時においては、フェイル時倍力装置が ストロークアキュムレータとしての機能を発揮するため、液圧制御弁の小型化及 びコストの低減化が可能になる。
【0060】 フェイル時倍力装置は、フェイル時においてはストロークアキュムレータと して機能しないことから、ブレーキペダル操作時における液圧剛性を確保するこ とができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例のブレーキ液圧制御装置を示す全
体構成図である。
【図2】実施例装置における切換弁装置を示す拡大断面
図であり、(イ) は正常時の作動状態で、(ロ) は外部供給
液圧失陥時の作動状態をそれぞれ示している。
【図3】切換弁装置の他の実施例を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
2 マスタシリンダ 3 ホイールシリンダ 4 バルブスプール 4d リターンスプリング 5a ABS用ソレノイド(減圧用アクチュエータ) 6 外部液圧供給源 7a 従動輪用液圧制御弁 7b 駆動輪用液圧制御弁 8 フェイル時倍力装置 9 切換弁装置 11a 液圧供給ポート 11b ドレーンポート 11c 出力ポート 16 ドレーン液路(流路) 64 反力ピストン 65 パイロットピストン(増圧用アクチュエータ) 81 段差プランジャ T ドレーンタンク

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作に基づいてマスタシリンダ
    圧を発生させるマスタシリンダと、 マスタシリンダ圧より高い液圧を供給する外部液圧供給
    源と、 外部液圧供給源からの供給液圧が接続される液圧供給ポ
    ートとドレーンタンクに接続されるドレーンポートのい
    ずれかを出力ポート側に接続することによって出力液圧
    を調圧可能なスプールと出力液圧減圧方向にスプールを
    押圧付勢するリターンスプリングとマスタシリンダ圧を
    受圧することで出力液圧増圧方向にスプールを作動させ
    る増圧用アクチュエータと出力液圧の受圧による反力で
    出力液圧減圧方向へスプールを押し戻す反力ピストンと
    制御信号に基づいて出力液圧減圧方向にスプールを作動
    させる減圧用アクチュエータとを有する液圧制御弁と、 液圧制御弁からの出力液圧を受圧することで車輪の制動
    を行なうホイールシリンダと、 大径側にマスタシリンダ圧を受圧して摺動する段差プラ
    ンジャの受圧面積差により増圧された小径側のシリンダ
    液圧を液圧制御弁におけるドレーンポート側に接続され
    たフェイル時倍力装置と、 液圧制御弁におけるドレーンポートとドレーンタンクと
    の間の流路に介装されていて、外部液圧供給源からの供
    給液圧を受圧することで流路を開くと共に供給液圧の低
    下により流路を閉じる切換弁装置と、 を備えたことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
JP3622793U 1993-07-01 1993-07-01 ブレーキ液圧制御装置 Pending JPH076014U (ja)

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