JP4765196B2 - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車輪のホイールシリンダにブレーキ液圧を供給する液圧ブレーキ装置に関し、特にマスタシリンダに加え補助液圧源及び調圧手段を備えた液圧ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくともブレーキ操作部材の操作に応じてマスタピストンを前進駆動しリザーバのブレーキ液を昇圧してブレーキ液圧を出力するマスタシリンダと、マスタピストンの後方に配置されパワー室を形成するパワーピストンと、リザーバのブレーキ液を所定の圧力に昇圧して液圧を出力する補助液圧源と、補助液圧源に接続されるとともにリザーバに接続され補助液圧源の出力液圧を所定の圧力に調圧して前記パワー室に供給する調圧手段と、マスタピストンとパワーピストンとの間に配設されるとともにブレーキ液圧反力をパワーピストン及び調圧手段に伝達するリアクションディスクとを備えた液圧ブレーキ装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の液圧ブレーキ装置においては、ブレーキペダルを緩操作してブレーキ液圧を微妙に制御できる制御性とブレーキペダルを急操作してブレーキ液圧を急昇圧できる高応答性とが求められ、調圧手段のチューニングによって制御性と高応答性との両立を図っている。しかしながら、調圧手段のチューニングは、車種毎に異なるため、複数の調圧手段を用意しておく必要があり、液圧ブレーキ装置がコストアップするという問題があった。
【0004】
本発明は、調圧手段のチューニングを必要としない低コストの液圧ブレーキ装置を提供することを、その技術的課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、請求項1に記載のように、少なくともブレーキ操作部材の操作に応じてマスタピストンをシリンダハウジング内で前進駆動しリザーバのブレーキ液を昇圧してブレーキ液圧を出力するマスタシリンダと、前記マスタピストンの後方に配置され、その後方に前記シリンダハウジングとの間にパワー室を形成するパワーピストンと、前記リザーバのブレーキ液を所定の圧力に昇圧して液圧を出力する補助液圧源と、前記補助液圧源に接続されるとともに前記リザーバに接続され、前記ブレーキ操作部材の操作に応じて前進駆動されて前記補助液圧源の出力液圧を所定の圧力に調圧して前記パワー室に供給する調圧手段とを備え、前記調圧手段により前記パワー室に供給される液圧により前記パワーピストンが前進駆動され前記マスタピストンを助勢する液圧ブレーキ装置において、前記調圧手段の前方に前記調圧手段の前進駆動によりその容積が減少する圧力ダンパ室が設けられ、前記圧力ダンパ室は、オリフィスを介して前記リザーバに接続されていることを特徴とする液圧ブレーキ装置を構成した。
【0006】
請求項1にかかる発明によれば、調圧手段の前方に圧力ダンパ室が設けられ、圧力ダンパ室がオリフィスとを介してリザーバに接続されているため、調圧手段のオーバーストロークが防止されて、ブレーキペダルを緩操作してブレーキ液圧を微妙に制御できる高い制御性が確保される。また、高い制御性は、調圧手段のチューニングを行わずに確保されるため、低コストの液圧ブレーキ装置が得られる。
【0007】
次に、請求項2に記載のように、前記圧力ダンパ室から前記リザーバへのブレーキ液の流通を許容する逆止弁が前記オリフィスと並列に設けられていることを特徴とする液圧ブレーキ装置が好ましい。
【0008】
請求項2にかかる発明によれば、調圧手段の前方に圧力ダンパ室が設けられ、圧力ダンパ室がオリフィスとを介してリザーバに接続されているため、調圧手段のオーバーストロークが防止されてブレーキペダルを緩操作してブレーキ液圧を微妙に制御できる高い制御性が確保される。さらに,ブレーキペダルが急操作されて圧力ダンパ室内が所定圧以上になると、逆止弁が作動してブレーキ液がリザーバにバイパスされて調圧手段の作動が阻害されないため、高応答性が確保される。しかも、高い制御性と高応答性は、調圧手段のチューニングを行わずに確保されるため、低コストの液圧ブレーキ装置が得られる。
【0009】
次に、請求項3に記載のように、前記調圧手段は、前記パワーピストン内に摺動自在に嵌挿されたスプール弁からなることを特徴とする液圧ブレーキ装置が好ましい。
【0010】
請求項3にかかる発明によれば、簡単に高精度が得られるスプールを用いてスプール弁が構成され、このスプール弁によって調圧手段が構成されている。このため、低コストの調圧手段が得られ、ひいては低コストの液圧ブレーキ装置が得られる。
【0011】
次に、請求項4に記載のように、前記パワーピストンと前記スプール弁に形成された前方フランジの後端部との間に前記補助液圧源または前記リザーバに選択的に接続される加圧室が設けられ、前記加圧室が前記液圧源に接続されたときには、前記スプール弁が前記ブレーキ操作部材に対して独立して前方に付勢されることを特徴とする液圧ブレーキ装置が好ましい。
【0012】
請求項4にかかる発明によれば、パワーピストンとスプール弁に形成された前方フランジの後端部との間に形成された加圧室に補助液圧源の液圧が供給されると、スプール弁がブレーキ操作部材に対して独立して作動し、パワー室に所定の液圧が供給されてパワーピストン及びマスタピストンが前進してブレーキ液圧を発生させる。すなわち、ドライバのブレーキ操作なしにブレーキ液圧を発生させる自動作動ブレーキを行うことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態により具体的に説明する。図1及び図2は、本発明の第1実施形態にかかる液圧ブレーキ装置を示すもので、ブレーキペダル11(ブレーキ操作部材)に加えられた踏力が第1入力ロッド12及び第2入力ロッド13を介してブレーキ作動力として伝達され、液圧助勢部HBによって助勢されたブレーキ作動力が、マスタシリンダMCからのブレーキ液圧としてポート21d、21eから液圧レギュレータPR(たとえばアンチロックブレーキシステム)を介して各車輪に装着されたホイールシリンダFL、FR、RL、RRに供給されるように構成されている。なお、図1に全体構成を示し、図2に初期位置(静止時)の液圧助勢部HBを拡大して示す。また、以下の説明において、前方とは図1乃至図3において左方向を示し、後方とは図1乃至図3において右方向を示す。
【0014】
図1に示すように、ボディ21と、ボディ21の前方開口部にOリングS9と固定リング72によって液密的に固定された前方キャップ22と、ボディ21の後方開口部にOリングS5と固定リング71によって液密的に固定された後方キャップ24と、ボディ21の内孔嵌挿されたスリーブ23とによってシリンダハウジングが形成されている。
【0015】
後方キャップ24には、ベロースS21を介してロッドストッパ25が螺合固定されている。後方キャップ24、ベロースS21、ロッドストッパ25、第2入力ロッド13、後述する第3ピストン33及びシールカップS1とによって、ドレン室R8が形成されている。ドレン室R8は、後方キャップ24に設けられた連通路24a及びボディ21に形成された連通路21cを介して、常にリザーバ7に連通している。
【0016】
第1ピストン31、第2ピストン32、第3ピストン33及び第4ピストンからなるパワーピストン30が、シールリングS11、S12を介して液密的且つ摺動自在にスリーブ23の内孔に嵌挿されている。
【0017】
第1ピストン31は、OリングS3を介して液密的且つ摺動自在にボディ21の内孔に嵌挿されていて、第1ピストン31、OリングS3、ボディ21の内孔、OリングS4及び後述するマスタピストン36によって、第1液圧室R1が形成されている。
【0018】
第1液圧室R1は、ポート21g、第1逆止弁C1及びポート21iを介して第1パワー室R3(パワー室)に接続されるとともに、ポート21a及び第2逆止弁C2を介してリザーバ7に接続されている。さらに、第1液圧室R1は、ポート21d及び液圧レギュレータPRを介して後輪のホイールシリンダRL、RRに接続されている。また、ポート21dと液圧レギュレータPRとの間の管路には、液圧センサD2が接続されている。
【0019】
第2ピストン32は、シールリングS11、S12を介して液密的且つ摺動自在にスリーブ23の内孔に嵌挿されていて、第2ピストン32の後端面と後方キャップ24の前方開口底部との間に第1パワー室R3が形成されている。
【0020】
第3ピストン33は、第1ピストン31が第2ピストン32に圧入固定される際に、第4ピストン34を介して前方外向フランジ33aが第1ピストン31の内向フランジと当接して係合固定されている。また、第3ピストン33は、シールカップS1を介して液密的且つ摺動自在に後方キャップ24の内孔に嵌挿されている。
【0021】
パワーピストン30の前方には、マスタピストン36が、シールカップS2及びOリングS4を介して液密的且つ摺動自在にボディ21の前方内孔に嵌挿されていて、マスタピストン36、OリングS4、シールカップS2、ボディ21の前方内孔、OリングS9及び前方キャップ22によって、第2液圧室R2が形成されている。マスタピストン36と前方キャップ22との間には、スプリング52が介装され、マスタピストン36を後方に付勢している。また、マスタピストン36と第1ピストン31との間には、スプリング51が介装され、パワーピストン30を後方に付勢している。
【0022】
第2液圧室R2は、マスタピストン36に設けられたピストンポート36a及びポート21bを介してリザーバ7に接続されているとともに、ポート21e及び液圧レギュレータPRを介して前輪のホイールシリンダFL、FRに接続されている。
【0023】
第2入力ロッド13の前方には、第4ピストン34の内孔に摺動自在に嵌挿されるとともにその後端部が第2入力ロッド13の前方球面部13aに当接するスプール14が配設されている。
【0024】
スプール14の外周面には、全周にわたって第1グルーブ14a及び第2グルーブ14bが形成されている。第1グルーブ14aのスプールエッジ14a1及び第2グルーブ14bのスプールエッジ14b1と孔34aとによってスプールバルブが形成され、図2に示す初期位置においては、第1グルーブ14aと孔34aとが連通状態にあり、第2グルーブ14bと孔34aとが非連通状態にある。
【0025】
また、第1グルーブ14aは、スプール14の内孔14c及び第2入力ロッド13の連通溝13bを介して常にドレン室R8に連通されるとともに、第2グルーブ14bは、孔34b、孔32b、第2ピストン32の外周面32aとスリーブ23の内周面23aとの間の環状通路、孔23b及びポート21fを介して補助液圧源ASを構成するアキュムレータACに常に接続されている。なお、補助液圧源ASは、前述したアキュムレータAC、液圧ポンプHP、液圧ポンプHPを駆動する電動モータM及び液圧センサD1から構成される。
【0026】
さらに、孔34aは、第4ピストン34に軸方向に設けられるとともに孔34bと交叉しない孔34c及び第3ピストン33のフランジ33aに設けられた孔33bを介して、常に第1パワー室R3に連通されているとともに、第1パワー室R3から環状通路R7を介して、常にポート21iに連通されている。
【0027】
スプール14の前方フランジの開口部には、孔61aとオリフィス61bが形成された円板61が圧入され、円板61の開口部の後方には、ボール63及びスプリング64が配置されている。孔61a、ボール63及びスプリング64によって、円板61の前方側から後方側へのブレーキ液の流通を許容する逆止弁60が形成される。また、スプール14は、スプリング65によって後方に付勢され、スプール14の後端部が第2入力ロッド13の前方球面部13aと当接するようになっている。
【0028】
スプール14の前方フランジの後端面と第4ピストン34との間には、第2パワー室R6(加圧室)が形成されている。第2パワー室R6は、孔34d、連通路R5及びポート21hを介するとともに、電磁弁V1、V2を介して補助液圧源またはドレン室R8に選択的に接続される。
【0029】
第1ピストン31の前方開口部には、第1液圧室R1及び第2液圧室R2に発生したブレーキ液圧による液圧反力を第1ピストン31及びスプール14に伝達するためのリアクションディスク41が液密的に挿入されている。リアクションディスク41の前方の第1ピストンの前方開口部には、スプリング51を着座させるためのリテーナ42が嵌挿されている。
【0030】
第1ピストン31の後方開口部には、前方に樹脂製カバー15が一体的に形成された力伝達部材16が嵌挿されている。第1液圧室R1及び第2液圧室R2にブレーキ液圧が発生した場合に、リアクションディスク41が第1ピストンの後方開口部に膨出し、ブレーキ液圧による液圧反力が力伝達部材16を介してスプール14に伝達されるものである。
【0031】
スプール14の前方フランジと力伝達部材16との間には、圧力ダンパ室R4が形成されている。スプール14が前進して圧力ダンパ室R4の容積が減少すると、圧力ダンパ室R4内のブレーキ液は、オリフィス61b、スプール14の内孔14c及び第2入力ロッド13の連通溝13bを介して、ドレン室R8及びリザーバ7に流出することになる。したがって、圧力ダンパ室R4内のブレーキ液がオリフィス61bを通過する際の粘性抵抗及びスプリング65が圧縮されることによる弾性抵抗によって、スプール14の前進運動に対して適度の抵抗力が加わり、スプール14の振動やオーバーストロークが防止される。すなわち、スプール14の振動やオーバーストロークをするために、スプール14の第1グルーブ14a、スプールエッジ14a1、第2グルーブ14b、スプールエッジ14b1及び孔34aの寸法形状の車種毎のチューニングが不要となる。
【0032】
また、スプール14の前進運動速度が速く、圧力ダンパ室R4内の液圧が所定圧より大きくなる場合には、所定のセット荷重に設定されたスプリング64が圧縮させられることによりボール63が孔61aの後方開口部から離座し、オリフィス61bの通路面積より大きい連通経路が形成される。このため、圧力ダンパ室R4内のブレーキ液は、大きな粘性抵抗を受けることなくドレン室R8及びリザーバ7に流出することが可能となる。したがって、圧力ダンパ室R4の容積が急激に減少する場合でも、圧力ダンパ室R4内のブレーキ液が円滑にドレン室R8側に流出するため、スプール14の速い前進運動が阻害されることがない。すなわち、スプール14の速い前進運動が阻害されることを防止するために、スプール14の第1グルーブ14a、スプールエッジ14a1、第2グルーブ14b、スプールエッジ14b1及び孔34aの寸法形状の車種毎のチューニングが不要となる。
【0033】
次に、図1及び図2に基づいて、本発明の第1実施形態の通常ブレーキ操作時の作動を説明する。
【0034】
ブレーキペダル11が踏み込まれると、ブレーキペダル11に連結された第1入力ロッド12及び第2入力ロッド13が前進し、第2入力ロッド13の前進に伴ってスプール14がパワーピストン30に対して相対的に前進する。
【0035】
スプール14がパワーピストン30に対して相対的に前進すると、スプール14の第1グルー部14aと孔34aとの連通が断たれるとともに、スプール14の第2グルー部14bのスプールエッジ14b1が孔34aとオーバラップし、第2グルー部14bが孔34aと連通する。第2グルー部14bと孔34aとの連通によって、第1パワー室R3は、孔33b、孔34c、孔34a、第2グルーブ14b、孔32b、第2ピストン32の外周面32aとスリーブ23の内周面23aとの間の環状通路、孔23b及びポート21fを介してアキュムレータACに連通される。その結果、アキュムレータACに蓄圧された所定圧の高圧ブレーキ液が第1パワー室R3に供給され、パワーピストン30が高圧ブレーキ液によってパワーアシストされるかたちでボディ21及びスリーブ23に対して相対的に前進する。
【0036】
このとき、第1逆止弁C1の後方側は、ポート21iを介してパワー室に連通され、第1逆止弁C1の前方側は、ポート21gを介して第1液圧室R1に連通されているが、アキュムレータACに蓄圧されたブレーキ液の液圧は、常に第1液圧室R1に発生する液圧よりも大きくなるように設定されているため、第1逆止弁C1は、閉状態を保つ。また、第2逆止弁C2は、第1液圧室R1側からリザーバ7側へのブレーキ液の流通を禁止するため、上記のようにパワーピストン30がパワーアシストされるかたちでボディ21及びスリーブ23に対して相対的に前進すると、第1液圧室R1内のブレーキ液は、ポート21d及び液圧レギュレータPRを介して後輪のホイールシリンダRL、RRに供給されて昇圧し、ブレーキ力が発生する。
【0037】
同時に、パワーピストン30の前進力は、スプリング51を介してマスタピストン36に伝達されてマスタピストン36が前方に押圧されるとともに、第1液圧室R1内に発生した液圧によってマスタピストン36が前方に押圧される。マスタピストン36の前進により、ピストンポート36aがシールカップS2によって閉塞され、第2液圧室R2内のブレーキ液は、ポート21e及び液圧レギュレータPRを介して前輪のホイールシリンダFL、FRに供給されて昇圧し、ブレーキ力が発生する。
【0038】
第1液圧室R1及び第2液圧室R2内に発生したブレーキ液圧による液圧反力によって、リテーナ42及びリアクションディスク41が後方に押圧される。後方に押圧されたリアクションディスク41は、第1ピストン31の後方開口部内に膨出し、力伝達部材16を介してスプール14、第2入力ロッド13及び第1入力ロッド12を後方に押し戻すことになる。このとき、リアクションディスク41が受ける液圧反力は、力伝達部材16の受圧面積と第1ピストン31の受圧面積(OリングS3でシールされるシール面積)との比(=1:i、i≧1)で力伝達部材16に伝達されるため、あたかもペダル踏力がi倍増幅されてパワーピストン30から出力されるかたちになる。すなわち、パワーピストン30、第1パワー室R3及び補助液圧源ASによって、液圧ブースタが形成される。
【0039】
上記の通常ブレーキ操作時において、ドライバがブレーキ力ひいては車両減速度を微小増大させるべくペダル踏力を微妙に増大させた場合、スプール14が第1ピストン31に対して前進し、圧力ダンパ室R4の容積が減少する。スプール14が前進して圧力ダンパ室R4の容積が減少すると、圧力ダンパ室R4内のブレーキ液は、オリフィス61b、スプール14の内孔14c及び第2入力ロッド13の連通溝13bを介して、ドレン室R8及びリザーバ7に流出することになる。すなわち、圧力ダンパ室R4内のブレーキ液がオリフィス61bを通過する際の粘性抵抗及びスプリング65が圧縮されることによる弾性抵抗によって、スプール14の前進運動に対して適度の抵抗力が加わり、スプール14の振動やオーバーストロークが防止され、上記した液圧ブースタの出力が精密にコントロール可能となる。
【0040】
また、上記の通常ブレーキ操作時において、ドライバがブレーキ力ひいては車両減速度を急激に増大させるべくペダル踏力を急激に増大させた場合、すなわちスプール14の前進運動速度が速く、圧力ダンパ室R4内の液圧が所定圧より大きくなる場合には、所定のセット荷重に設定されたスプリング64が圧縮させられることによりボール63が孔61aの後方開口部から離座し、オリフィス61bの通路面積より大きい連通経路が形成される。このため、圧力ダンパ室R4内のブレーキ液は、大きな粘性抵抗を受けることなくドレン室R8及びリザーバ7に流出することが可能となる。すなわち、圧力ダンパ室R4の容積が急激に減少する場合でも、圧力ダンパ室R4内のブレーキ液が円滑にドレン室R8側に流出するため、スプール14の速い前進運動が阻害されることがなく、上記した液圧ブースタの高い出力応答性が保たれる。
【0041】
次に、本発明の第1実施形態の自動作動ブレーキ時の作動を説明する。
【0042】
自動作動ブレーキ時には、電磁弁V1が閉とされるとともに電磁弁V2が開とされる。また、ブレーキペダル11が踏まれていないため、スプール14の第2グルーブ14bが孔34aから遮断され、アキュムレータACと第1パワー室R3とが非連通状態になっている。
【0043】
一方、アキュムレータACは、電磁弁V2、ポート21h、連通路R5及び孔34dを介して第2パワー室R6に連通されて第2パワー室R6に液圧が供給されるため、スプール14がスプリング65のばね力及びオリフィス61bで発生する粘性抵抗に抗して前進する。そして、スプール14の第2グルーブ14bが孔34aと連通し、アキュムレータACと第1パワー室R3とが連通状態になる。そして、アキュムレータACに蓄圧された所定圧の高圧ブレーキ液が第1パワー室R3に供給され、パワーピストン30が高圧ブレーキ液によってパワーアシストされるかたちでボディ21及びスリーブ23に対して相対的に前進するが、その後の作動は、通常ブレーキ操作時と同様であるため、説明を省略する。
【0044】
次に、本発明の第2実施形態を図3に基いて説明する。
【0045】
図3において、図1及び図2における部材及び部位と同一乃至均等なものは、図1及び図2と同じ番号をもって示し、重複した説明を省略する。
【0046】
第2実施形態においては、スプール114の前方フランジの開口部には、オリフィス162が形成された第1力伝達部材116が嵌挿されるとともに、前方フランジの開口部と第1力伝達部材116との間をシールするシールカップ163が装着されている。シールカップ163は、シールカップ163の後方側から前方側へのブレーキ液の流通は禁止するが、シールカップ163の前方側が所定圧以上になった場合には、シールカップ163の前方側から後方側へのブレーキ液の流通を許容する。すなわち、シールカップ163は、逆止弁160を構成する。
【0047】
また、第1力伝達部材116及びスプール114は、スプリング165によって後方に付勢され、スプール114の後端部が第2入力ロッド13の前方球面部13aと当接するようになっている。
【0048】
第1入力伝達部材116とリアクションディスク41との間で第1ピストン31の後方開口部には、樹脂製カバー15が一体的に形成された第2力伝達部材216が嵌挿されている。第1液圧室R1及び第2液圧室R2にブレーキ液圧が発生した場合に、リアクションディスク41が第1ピストン31の後方開口部に膨出し、ブレーキ液圧による液圧反力が第2力伝達部材216及び第1力伝達部材116を介してスプール114に伝達されるものである。
【0049】
スプール114の前方フランジと第2力伝達部材216との間には、圧力ダンパ室R104が形成されている。スプール114が前進して圧力ダンパ室R104の容積が減少すると、圧力ダンパ室R104内のブレーキ液は、オリフィス162、第1力伝達部材116の孔116a及び第2入力ロッド13の連通溝13bを介して、ドレン室R8及びリザーバ7に流出することになる。すなわち、圧力ダンパ室R104内のブレーキ液がオリフィス162を通過する際の粘性抵抗及びスプリング165が圧縮されることによる弾性抵抗によって、スプール114の前進運動に対して適度の抵抗力が加わり、スプール114の振動やオーバーストロークが防止される。
【0050】
また、スプール114の前進運動速度が速く、圧力ダンパ室R104内の液圧が所定圧より大きくなる場合には、所定の開弁圧に設定されたシールカップ163の外側シールが内側に倒れこみ、オリフィス162の通路面積より大きい連通経路が形成される。このため、圧力ダンパ室R104内のブレーキ液は、大きな粘性抵抗を受けることなくドレン室R8及びリザーバ7に流出することが可能となる。すなわち、圧力ダンパ室R104の容積が急激に減少する場合でも、圧力ダンパ室R104内のブレーキ液が円滑にドレン室R8側に流出するため、スプール114の速い前進運動が阻害されることがない。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、調圧手段のチューニングを必要としない低コストの液圧ブレーキ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる液圧ブレーキ装置の全体図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】本発明の第2実施形態にかかる液圧ブレーキ装置の一部拡大図である。
【符号の説明】
7 リザーバ
11 ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)
14 スプール(調圧手段)
30 パワーピストン
31 第1ピストン(パワーピストン)
32 第2ピストン(パワーピストン)
33 第3ピストン(パワーピストン)
34 第4ピストン(パワーピストン)
36 マスタピストン
41 リアクションディスク
60、160 逆止弁
61b、162 オリフィス
AS 補助液圧源
AC アキュムレータ(補助液圧源)
D1 液圧センサ(補助液圧源)
HP 液圧ポンプ(補助液圧源)
M 電動モータ(補助液圧源)
MC マスタシリンダ
R3 第1パワー室(パワー室)
R4 圧力ダンパ室
R6 第2パワー室(加圧室)

Claims (4)

  1. 少なくともブレーキ操作部材の操作に応じてマスタピストンをシリンダハウジング内で前進駆動しリザーバのブレーキ液を昇圧してブレーキ液圧を出力するマスタシリンダと、前記マスタピストンの後方に配置され、その後方に前記シリンダハウジングとの間にパワー室を形成するパワーピストンと、前記リザーバのブレーキ液を所定の圧力に昇圧して液圧を出力する補助液圧源と、前記補助液圧源に接続されるとともに前記リザーバに接続され、前記ブレーキ操作部材の操作に応じて前進駆動されて前記補助液圧源の出力液圧を所定の圧力に調圧して前記パワー室に供給する調圧手段とを備え、前記調圧手段により前記パワー室に供給される液圧により前記パワーピストンが前進駆動され前記マスタピストンを助勢する液圧ブレーキ装置において、前記調圧手段の前方に前記調圧手段の前進駆動によりその容積が減少する圧力ダンパ室が設けられ、前記圧力ダンパ室は、オリフィスを介して前記リザーバに接続されていることを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  2. 請求項1において、前記圧力ダンパ室から前記リザーバへのブレーキ液の流通を許容する逆止弁が前記オリフィスと並列に設けられていることを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  3. 請求項1において、前記調圧手段は、前記パワーピストン内に摺動自在に嵌挿されたスプール弁からなることを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  4. 請求項3において、前記パワーピストンと前記スプール弁に形成された前方フランジの後端部との間に前記補助液圧源または前記リザーバに選択的に接続される加圧室が設けられ、前記加圧室が前記液圧源に接続されたときには、前記スプール弁が前記ブレーキ操作部材に対して独立して前方に付勢されることを特徴とする液圧ブレーキ装置。
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