JPH0760051B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は強制通風方式のもので、冷凍室と冷蔵室の他
に、独立した扉を設けた低温室を備えた冷蔵庫に関す
る。

従来の技術 近年、魚肉類等の生鮮食品の保鮮を目的として、家庭用
の冷蔵庫に従来の冷蔵室とは別に、独立した扉を有し、
専用のダンパーサーモ等によって独立温度制御を可能と
した低温室を設けるものが主流になりつつある。以下、
その一例を第３図と第４図により説明する。図におい
て、１は冷蔵庫本体で、外箱2,内箱３及びこれら両箱2,
3間に充填された断熱材４により構成されている。５は
第１の区画壁で、内部に冷却器6,強制通風用の送風機７
を収めた冷却室８を構成しており、上部に冷凍室９を区
画形成している。10は第２の区画壁で、前記第１の区画
壁の下方に位置し、下部に冷蔵室11を区画形成してい
る。12は前記第１の区画壁５と第２の区画壁10との間に
区画形成した低温室であり独立した専用の扉13を備えて
いる。14は前記冷却器６で冷却された冷気を前記送風機
７で前記冷凍室9,冷蔵室11,低温室12に導くためのダク
トである。15,16は夫々前記ダクト14の前記冷蔵室11,低
温室12の入口に設けた冷気量調節用のダンパーサーモで
ある。又、17,18は前記ダンパーサーモ15,16を収めたコ
ントロールパネルである。そして、19,20は前記コント
ロールパネル16内に形成して前記ダンパーサーモ15と連
通し、前記冷蔵室11に開放する冷気吐出風路であり、21
は前記第１の区画壁５の底面に形成して前記ダンパーサ
ーモ16と連通し、前記低温室12の天面前方に導いた冷気
吐出風路である。22は前記冷気吐出風路21の前面で前記
低温室12に開口した冷気吐出口である。23は前記冷蔵室
11の冷気戻り風路であり、前記低温室12の両側壁を介し
て前記冷却室８内に連通している。又、24は前記低温室
12の戻り冷気の冷気吸込口で直接前記冷却室８内に連通
している。

かかる構成において、冷却器６で冷却された冷気は送風
機７によってダクト14を通じて冷凍室９へ、又ダンパー
サーモ15で適量に制御された後、冷気吐出風路19,20を
介して冷蔵室11へ、更にダンパーサーモ16で適量に制御
された後、冷気吐出風路21を通じ冷気吐出口22より低温
室12内の前方を中心として吐出される。そして冷蔵室11
は冷蔵温度帯に、低温室12は生鮮食品の保鮮に適した温
度帯（例えば−３〜０℃）に冷却維持される。ここで、
低温室12の冷気吐出口22を主として前方に集中させるの
は、扉13からの外気熱の侵入等の影響で室内の前方の温
度分布が高目になり、室内全体に前後方向で温度むらが
生じるため、これを矯正するために温度の高い前方を重
点的に冷却するものである。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このような低温室12の構成においてはそ
の保鮮温度を例えばパーシャルフリージング（約−３
℃）がチルド（約０℃）に調節する事は可能であるが、
常にいずれかの温度帯に限定した保鮮機能しか提供出来
ず、例えばパーシャルフリージングに設定した場合には
チルド食品は凍結する危険性があるために収納できず、
逆にチルドに設定した場合にはパーシャルフリージング
で魚，肉類を微凍結保存するのに比べて保鮮度が低下し
てしまう不都合があり、食品の収納に対して自由度が不
足していた。

本発明は、上記した従来の問題点を解消するものであ
り、低温室における収納食品の選択の自由度をひろげ、
使い勝手を向上させることを目的としている。

問題点を解決するための手段 上記問証点を解決するために本発明は、低温室内を仕切
板によって上下に仕切り、且つその下段には前面に内扉
を設けて区画することによって上段に第１の低温室，下
段に第２の低温室を構成し、これら２室に夫々専用のダ
ンパーサーモを備えるとともに、第１の低温室に対して
は天板内を前方まで導いた冷気吐出風路を設け、第２の
低温室に対しては仕切板と一体に形成して前方まで導い
た冷気吐出風路を設けるものである。

作用 本発明は上記した構成によって、低温室内を区画した上
下２室を夫々のダンパーサーモによって個別に温度制御
が出来、設定温度帯を区分すれば生鮮食品の所望温度に
よる区分管理が可能となる。又、同時に上下２室ともに
室内天面前方から冷気が供給されるため、室内前部の高
目の温度むらがともに解消される。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図と第２図に従い説明す
る。尚、従来と同一構成については同一符号を付し、そ
の詳細な説明を省略し、異なる部分についてのみ述べ
る。

図において、25は第１の区画壁５の下方に位置した第２
の区画壁であり、その下部に冷蔵室26を区画形成してい
る。27は第１の低温室、28はこの第１の低温室27の下部
に形成した第２の低温室であり、前記第１の区画壁５と
前記第２の区画壁25の間の空間を仕切板29によって上下
に仕切っている。また30は前記第２の低温室28の前面開
口部に設けた内扉で、これら仕切板29,内扉30により前
記第１の低温室27と第２の低温室28は区画されている。
そして31は前記第１の低温室27と第２の低温室28の相方
に対向して本体１に取付けた外扉である。次に、32は冷
却器６で冷却された冷気を送風機７によって冷凍室9,前
記冷蔵室26,第１の低温室27,第２の低温室28の各室に導
くためのダクトであり、33,34,35は夫々前記ダクト32の
前記冷蔵室26,第１の低温室27,第２の低温室28の入口に
設けたダンパーサーモである。36は前記ダンパーサーモ
33を収めて前記冷蔵室26の後方に取付けたコントロール
パネルであり、37は前記ダンパーサーモ34,35を収めて
前記第１の低温室27及び第２の低温室28の後方に取付け
たコントロールパネルである。38,39は前記コントロー
ルパネル36内に形成して前記ダンパーサーモ33と連通し
た冷気吐出風路であり、先端を前記冷蔵室26内に開放し
ている。40は前記第１の区画壁５の底面に形成した第１
の冷気吐出風路で、前記ダンパーサーモ34に連通し、前
記第１の低温室27の天面前方にまで導かれている。41は
前記第１の冷気吐出風路40の前面部に集中して開口した
第１の冷気吐出口である。又、42は前記仕切板29と一体
に形成した第２の冷気吐出風路で、前記ダンパーサーモ
35に連通し、前記第２の低温室28の天面前方にまで導か
れている。43は前記第２の冷気吐出風路42の前面部に集
中して開口した第２の冷気吐出口である。44は前記冷蔵
室26の空気戻り風路であり、前記第１の低温室27及び第
２の低温室28の両側壁を介して冷却室８内に連通してい
る。45は前記第１の低温室27の戻り冷気の冷気吸込口で
前記冷却室８に直接連通している。又、46は前記第２の
低温室28の戻り冷気の冷気吸込口で、前記冷蔵室26から
の冷気戻り風路44内に合流し、前記冷却室８内に戻るよ
う構成している。

かかる構成において冷却器６で冷却された冷気は、送風
機７によってダクト32を通じて冷凍室９へ、ダンパーサ
ーモ33で適量に制御された後、冷気吐出風路38,39を介
して冷蔵室26へ、ダンパーサーモ34で適量に制御された
後、第１の冷気吐出風路40を通じて第１の冷気吐出口41
より第１の低温室27内の前方を中心として吐出され、更
に、ダンパーサーモ35で適量に制御された後、第２の冷
気吐出風路42を通じて第２の冷気吐出口43より第２の低
温室28内の前方を中心として吐出される。その後、冷蔵
室26を冷却した冷気は冷気戻り風路44を介して冷却室８
に戻され、第１の低温室27を冷却した冷気は冷気吸込口
45より冷却室８に、又、第２の低温室28を冷却した冷気
は冷気吸込口46より前記冷蔵室26からの冷気戻り風路44
に合流して冷却室８に戻される。こうして冷凍室９は冷
凍温度に、冷蔵室26は冷蔵温度帯に冷却維持され、第１
の低温室27,第２の低温室28は生鮮食品の保鮮に適した
温度帯（例えば−３〜０℃）の範囲内で収納食品の適性
に合わせた温度（例えば約−３℃のパーシャルフリージ
ングや約０℃のチルド）に個別に温度制御が成される。
そして、第１の低温室27,第２の低温室28ともに温度分
布の高い室内前方を重点的に冷却されるため、室内前後
の温度むらが矯正され温度分布が均一化される。

発明の効果 以上の説明より明らかな様に、本発明によると次のよう
な効果を得ることが出来る。

（１）低温室内が２室に区画され夫々に独立温度制御が
出来るため、生鮮食品類の温度適性に合わせて保鮮温度
帯の範囲内で各室を温度区分出来、食品の収納範囲がひ
ろがるとともに、最適温度での保存で夫々に保鮮度や安
全性が高まる。

（２）２つの低温度ともに室内天面の前方より重点的に
吐出冷気が供給されるため、必然的に温度分布の高くな
る室内前部が良く冷却されて温度むらが矯正され、室内
全体の温度分布が均一化されるため、温度管理範囲を厳
しく要求される低温保鮮に対して極めて有効に作用す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す冷蔵庫の縦断面図、第
２図は同第１図の冷蔵庫の正面図、第３図は従来例を示
す冷蔵庫の縦断面図、第４図は同第３図の冷蔵庫の正面
図である。 ５……第１の区画壁、６……冷却器、７……送風機、８
……冷却室、９……冷凍室、25……第２の区画壁、26…
…冷蔵室、27……第１の低温室、28……第２の低温室、
29……仕切板、30……内扉、31……外扉、32……ダク
ト、33,34,35……ダンパーサーモ、40……第１の冷気吐
出風路、42……第２の冷気吐出風路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体上部に形成した冷凍室と、本体下部に
   形成した冷蔵室と、前記冷凍室の下部に設けて冷却器及
   び強制通風用の送風機を収納する冷却室を備えた第１の
   区画壁と、前記冷蔵室の上部に設けた第２の区画壁と、
   前記第１の区画壁と前記第２の区画壁の間に形成され、
   内部を上下に仕切る仕切板によってその上部に形成した
   第１の低温室と、前記仕切板の下部に形成し、その前面
   開口部に設けた内扉によって区画した第２の低温室と、
   前記第１の低温室と前記第２の低温室の相方に対向して
   設けた外扉と、前記冷却器により冷却した冷気を前記冷
   凍室と冷蔵室と、前記第１の低温室及び第２の低温室に
   導くダクトと、前記ダクトの前記冷蔵室と前記第１の低
   温室及び第２の低温室の入口に夫々設けて冷気量を調節
   するダンパーサーモと、前記ダンパーサーモと連通して
   前記第１の区画壁の底面に形成し、前記第１の低温室の
   天面前方に導いた第１の冷気吐出風路と、前記ダンパー
   サーモと連通して前記仕切板に一体に形成し、前記第２
   の低温室の天面前方に導いた第２の冷気吐出風路とより
   成る冷蔵庫。