JPH0758970A - カラー受像管装置 - Google Patents

カラー受像管装置

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Publication number
JPH0758970A
JPH0758970A JP20092693A JP20092693A JPH0758970A JP H0758970 A JPH0758970 A JP H0758970A JP 20092693 A JP20092693 A JP 20092693A JP 20092693 A JP20092693 A JP 20092693A JP H0758970 A JPH0758970 A JP H0758970A
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JP
Japan
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deflection
horizontal
scanning
picture tube
phosphor screen
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Pending
Application number
JP20092693A
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English (en)
Inventor
Koji Nishimura
孝司 西村
Kazuyuki Kiyono
和之 清野
Toru Takahashi
亨 高橋
Yuji Haraguchi
雄次 原口
Eiji Kanbara
英治 蒲原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】複数個の電子銃14から放出される単電子ビーム
を複数段階に切換えて偏向する複数個の予備偏向装置15
および水平、垂直方向に偏向する複数個の主偏向装置16
を有し、蛍光体スクリーン8 を複数個の領域R1〜R20 に
分割して走査するカラー受像管装置において、各主偏向
装置を、水平方向偏向周波数fH 、走査線本数S、予備
偏向の段数COL、垂直方向偏向周波数fV 、垂直方向の
分割領域数VD 、飛越し走査をおこなう場合n=2、お
こなわない場合n=1として、ほぼ下記数式で与えられ
る偏向周波数で水平方向に偏向するものとした。 fH =(S/n)×COL×(fV /VD ) 【効果】 再生画像のちらつき感をなくし、輝度の低下
や色相の異常などがおこらないようにすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管装置に
係り、特に蛍光体スクリーンを複数個の領域に分割して
走査するカラー受像管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年高品位放送あるいはこれにともなう
大画面をもつ高解像度受像管に対して種々の検討がなさ
れている。一般に受像管の高解像度化を達成するために
は、蛍光体スクリーン上の電子ビームのスポット径を小
さくしなければならない。
【0003】これに対して、従来より電子銃の電極構造
の改良あるいは電子銃自体の大口径化、伸長化などが図
られてきたが、未だ十分な成果が得られていない。これ
は、大形管になるにしたがって、電子銃から蛍光体スク
リーンまでの距離が長くなり、電子レンズの倍率が大き
くなりすぎることが最大の原因である。したがって高解
像度を実現するためには、電子銃から蛍光体スクリーン
までの距離(奥行き)を短縮することが重要である。ま
たこの場合、広角偏向にすると、画面中央と周辺との倍
率差の増大をまねく。そのため、広角偏向にすること
は、高解像度化にとって得策ではない。
【0004】そのため、従来より独立した小形の受像管
装置を複数個配置して高解像度大画面にする手段が、特
開昭48−90428号公報、特開昭49−21019
号公報、実開昭53−117130号公報などに開示さ
れている。この種の方法は、屋外などに配置する分割数
の多い巨大画面表示には有効であるが、画面サイズが4
0インチ程度の中規模の大画面表示の場合は、各領域間
の画面の接続部が目立ち、目障りな画像を再生する。し
たがって、家庭用テレビ受像機として使用する場合や計
算機利用設計(CAD)における図形表示用の端末機と
して使用する場合は、その画面の接続部が致命的な欠陥
となる。
【0005】これに対して、米国特許第3,071,7
06号明細書、実公昭39−25641号公報、特公昭
42−4928号公報、特公昭50−17167号公報
などには、複数個の独立した受像管の蛍光体スクリーン
を一体化した多ネック方式の受像管装置が開示されてい
る。
【0006】この一体化構造の蛍光体スクリーンをもつ
多ネック方式の受像管装置は、上記独立した小形の受像
管装置を複数個配置して大画面にする手段とは異なり、
分割領域間の画面の接続部がなくなり、かなり見易い画
面が得られるようになる。しかし反面、分割走査領域が
近接して隣合うようになるため、輝度、コントラスト、
色相などのわずかな相違が目立つようになる。
【0007】すなわち、一般に人間の目でもって画像を
評価する場合、その絶対評価は難しいが、相対評価は、
非常に敏感に評価することができる。したがって極く近
接して位置する2つの画像については、その色相などの
わずかな差を敏感に識別することができる。そのため、
上記のように分割走査領域が近接して隣合うような場合
は、隣合う領域相互の輝度、コントラスト、色相などを
十分に一致させなければならず、調整の複雑化、調整数
の増加が実用上の大きな弊害となる。これが一体化構造
の蛍光体スクリーンをもつ多ネック方式の受像管装置の
致命的な問題点となる。
【0008】一方、一体化構造の蛍光体スクリーンを分
割走査する受像管装置に対して、現在広く使用されてい
るシャドウマスク方式のカラー受像管のように、ネック
内に3個の電子銃を一体化した3電子銃構体を配置し、
この3電子銃構体から放出される3電子ビームをシャド
ウマスクで選別して、蛍光体スクリーンの3色蛍光体層
に入射させる方式を適用しようとすると、この方式で
は、製造上、各電子銃の電流放射特性(ドライブ特性)
がばらつくため、一体化構造の蛍光体スクリーンを複数
個の領域に分割して走査するための多電子銃の電流放射
特性を一致させることが難しく、分割走査領域間の輝
度、コントラスト、色相などを十分に一致させるために
は、かなり膨大な調整が必要となり、実用上問題とな
る。
【0009】このような問題を解決するカラー受像管装
置として、特開昭62−170137号公報には、一体
化構造の蛍光体スクリーンを複数個の領域に分けて分割
走査するための多電子銃をそれぞれ単電子ビームを放出
する電子銃とし、その各電子銃から放出される単電子ビ
ームを、各電子銃に対応して配置される主偏向装置の偏
向中心面上において、実質的に3本の電子ビームとする
ことにより、色切換えをおこなうものが示されている。
【0010】しかしこのようなカラー受像管装置では、
現行の放送方式により送信されてくる画像信号から、ち
らつき感のないカラー画像を再生することがきわめて難
しい。また画像再生時の走査方式により、輝度が大幅に
劣化する可能性がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、一体化
構造の蛍光体スクリーンを複数個の領域に分割して走査
するカラー受像管装置において、その蛍光体スクリーン
を分割走査するための多電子銃をそれぞれ単電子ビーム
を放出する電子銃とし、その各電子銃から放出される単
電子ビームを、各電子銃に対応して配置される主偏向装
置の偏向中心面上において実質的に3本の電子ビームと
することにより、色切換えをおこなうものが提案されて
いる。しかしこのカラー受像管装置において、蛍光体ス
クリーン上の再生画像を、現行のカラー受像管と同様に
ちらつき感のないものとするすることはきわめて難し
く、また画像再生時の走査方式により、輝度が大幅に劣
化する可能性があるという問題がある。
【0012】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、一体化構造の蛍光体スクリーンを
複数個の領域に分割して走査し、その複数個の領域に分
割して走査するための多電子銃がそれぞれ単電子ビーム
を放出する電子銃からなるカラー受像管装置において、
蛍光体スクリーン上にちらつき感かなく、かつ輝度劣化
のない画像を再生するようにすること、および従来のカ
ラー受像管と同等以上の輝度をもち、それにより軽量で
奥行きが短く、かつ高輝度、高解像度の実用性に富んだ
カラー受像管装置を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】単電子ビームを放出する
複数個の電子銃が分離配置された電子銃部と、その各電
子銃に対応して配置され、各電子銃から放出される単電
子ビームをそれぞれ複数段階に切換えて水平方向に予備
偏向する複数個の予備偏向装置およびこの予備偏向装置
により予備偏向された単電子ビームをそれぞれ水平、垂
直方向に所定の偏向周波数で偏向する複数個の主偏向装
置からなる偏向部と、その複数個の偏向装置により偏向
された各電子ビームによりシャドウマスクを介して水
平、垂直方向に複数個の領域に分割して走査される蛍光
体スクリーンとを備えるカラー受像管装置において、各
主偏向装置を、水平方向偏向周波数をfH 、走査線本数
をS、予備偏向の段数をCOL、垂直方向偏向周波数をf
V 、垂直方向の分割領域数をVD とし、飛越し走査をお
こなう場合n=2、飛越し走査をおこなわない場合n=
1として、ほぼ数2で与えられる偏向周波数
【数2】 で水平方向に偏向するものとした。
【0014】
【作用】上記のように、蛍光体スクリーンを分離配置さ
れた複数個の電子銃から放出される単電子ビームにより
複数個の領域に分割して走査するようにすると、輝度の
向上、カラー受像管装置の奥行きの短縮化、解像度の向
上が得られる。さらに各領域の水平方向の偏向周波数f
H を数2のように設定することにより、再生画像のちら
つき感をなくし、輝度の低下や色相の異常などがおこら
ないようにすることができる。
【0015】すなわち、各領域の水平方向偏向周波数f
H を垂直方向の分割領域数VD に応じて設定できるた
め、画面全体の走査線本数Sを常に送信側の画像信号の
形式で決まる走査線本数に合せることができる。たとえ
ば垂直方向の分割領域数VD =4、3色の色切換えのた
めの予備偏向の段数COL=3(青、緑、赤に対応)、画
面全体の走査線本数S=525本、垂直方向偏向周波数
fV =60Hz で飛越し走査をおこなう場合(n=
2)、水平方向偏向周波数fH =11,81 kHz とな
り、通常テレビ放送で用いられているNTSC方式の水
平方向偏向周波数である15,75 kHz よりも低い値
となる。この偏向周波数fH で水平偏向をおこなうこと
で、各領域の走査線本数は、画面全体の走査線本数Sの
1/4となるが、画面全体の走査線本数Sは、NTSC
方式の走査線本数と同じであり、表示画像の情報量は減
少しない。したがって再生画像のちらつき感、輝度の低
下、色相の異常はおこらない。
【0016】また数2において、垂直方向の分割領域数
VD =3とすると、水平方向偏向周波数fH は、NTS
C方式と同じになる。つまり4分割以上では、NTSC
方式の場合よりも低くなる。このように水平方向偏向周
波数fH を低く設定すると、偏向に要する消費電力を大
幅に削減でき、また主偏向装置の発熱、漏洩磁界も減少
し、カラー受像管装置全体の消費電力の低減、システム
の簡素化が実現できる。また垂直方向の分割領域数VD
=6に設定すると、NTSC方式の水平方向偏向周波数
15,75 kHz で倍速走査である31 kHz の偏向に
相当する走査線本数が得られる。さらに垂直方向の領域
の分割数の制約がなくなり、管内部材の構成などの自由
度を大幅に拡大できる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0018】図1にその一実施例であるカラー受像管装
置を、また図2にその構成を分解して示す。このカラー
受像管装置は、ほぼ矩形状の平坦なガラス製フェースプ
レート1と、このフェースプレート1の周縁部に接合さ
れ、フェースプレート1に対して実質的に垂直に延在す
る側壁2と、この側壁2を介してフェースプレート1と
平行に対向して接合されたほぼ矩形状の平坦なガラス製
リアプレート3と、このリアプレート3に接合された複
数個のファンネル4とからなる真空外囲器5を有する。
その複数個のファンネル4は、リアプレート3に形成さ
れた複数個の開孔6のまわりに接合され、図示例では、
水平方向(X方向)に等間隔に5個、垂直方向(Y方
向)に等間隔に4個、計20個のファンネル4が接合さ
れたものが示されている。
【0019】上記フェースプレート1の内面には、青、
緑、赤に発光するストライプ状の3色蛍光体層と、この
3色蛍光体層間に設けられたブラックストライプとから
なる一体化構造の1個の蛍光体スクリーン8が形成され
ている。この蛍光体スクリーン8に対向して、その内側
にシャドウマスク9が配置されている。このシャドウマ
スク9は、後述する電子ビームにより分割して走査され
る水平および垂直方向に分割された複数の領域に対応す
る部分を、多数の電子ビーム通過孔の形成された有効部
とし、垂直方向には繋がっているが、水平方向には、上
記水平方向の分割領域数に対応した個数(水平方向に5
分割された図示例では5個の分割マスクM1 〜M5 )に
分割されている。そしてこの分割マスクM1 〜M5 は、
それぞれリアプレート4の垂直方向両端部にフリットガ
ラスにより固定された一対の断面コの字形の金属製第1
マスク架設部材10に張力が付与された状態で固定さ
れ、この第1マスク架設部材10の内側およびリアプレ
ート3の垂直方向の中間部にフリットガラスにより固定
された複数個の金属製第2マスク架設部材11により蛍
光体スクリーン8方向に持上げられ、これら第1、第2
マスク架設部材10,11により蛍光体スクリーン8に
対して所定間隔に高精度に保持されている。
【0020】このようにシャドウマスク9を水平方向に
分割すると、電子ビームの衝撃により発熱しても、その
熱が分割された隣接分割マスクに伝わらないので、従来
のカラー受像管装置の場合に生じたシャドウマスクの熱
膨張によるピュリティドリフトを防止できる。なお、垂
直方向には繋がっているが、垂直方向は、蛍光体スクリ
ーン8の3色蛍光体層が垂直方向に長いストライプ状に
形成されているため、シャドウマスクの熱膨張の影響は
受けない。
【0021】また上記各ファンネル4のネック13内に
は、それぞれ単電子ビームを放出する電子銃14が配設
されている。さらにその各ファンネル4の外側に、それ
ぞれ各ネック13内に配設された電子銃14から放出さ
れる単電子ビームを予備偏向する予備偏向磁界を発生す
る予備偏向装置15およびこの予備偏向装置15により
予備偏向された電子ビームをさらに偏向する主偏向磁界
を発生する主偏向装置16が装着されている。
【0022】なお、フェースプレート1とリアプレート
3との間には、これら平坦なフェースプレート1および
リアプレート3に加わる大気圧荷重を支えるため、金属
製柱状支持部材(図示せず)が配置されている。この支
持部材は、蛍光体スクリーン8に当接する先端部が楔状
に形成され、その長さ方向を蛍光体スクリーン8のブラ
ックストライプの長さ方向と一致させて配置され、シャ
ドウマスク9を貫通してフリットガラスによりリアプレ
ート3に固定されている。
【0023】このカラー受像管装置においては、ファン
ネル4の各ネック13内に配設された電子銃14から放
出される単電子ビームを、各ファンネル4の外側に装着
された予備偏向装置15の発生する予備偏向磁界により
複数段階に切換えて水平方向に偏向し、主偏向装置16
の発生する主偏向磁界により水平および垂直方向に偏向
し、シャドウマスク9を介して蛍光体スクリーン8を水
平方向に電子銃14に対応する複数個の領域に分割して
走査する。すなわち図示例では、水平方向に5分割、垂
直方向に4分割された20個の領域R1 〜R20に分割し
て走査する。この分割走査により蛍光体スクリーン8上
に描かれるラスターは、電子銃14や各偏向装置15,
16に印加される信号により繋がり、蛍光体スクリーン
8の全面上に重複や切れ目のない1つの大きなラスター
を描く。
【0024】このようなカラー受像管装置は、つぎのよ
うな方法により製造することができる。
【0025】すなわち、あらかじめフェースプレート1
の内面に蛍光体スクリーン8を形成する。一方、リアプ
レート3の内面の所定位置に第1および第2マスク架設
部材10,11、およびフェースプレート1およびリア
プレート3に加わる大気圧荷重を支えるための柱状支持
部材をフリットガラスの塗布焼結により固定しておく。
そしてシャドウマスク9に張力を加えながら、第1マス
ク架設部材10に溶接する。また各ファンネル4のネッ
ク13内に電子銃14を封止しておく。
【0026】そしてこれら蛍光体スクリーン8の形成さ
れたフェースプレート1、柱状支持部材が固定されかつ
シャドウマスク9の架設されたリアプレート3、電子銃
14の封止されたファンネル4および側壁2を所定の関
係に位置決め配置し、これらをフリットガラスにより一
体に接合する。その後、この一体に組立てられた外囲器
5を排気することにより製造される。
【0027】このカラー受像管装置の製造方法として
は、上記以外にファンネル4をリアプレート3に接合し
たのちに、そのネック13内に電子銃14を封止しても
よく、またあらかじめ側壁2をフェースプレート1やリ
アプレート3に接合しておいてもよく、またリアプレー
ト3に第1マスク架設部材10を固定し、この第1マス
ク架設部材10にシャドウマスク9を取付けたのち、リ
アプレート3に第2マスク架設部材11を固定するな
ど、その他各種方法により製造することができる。
【0028】ここで、前記した複数個の各電子銃14か
ら放出される単電子ビームにより、1個の蛍光体スクリ
ーン8を複数個の領域に分けて分割走査することにより
おこなわれる画像の再生を詳しく説明すると、通常のカ
ラー受像管装置は、電子銃を3電子ビームを放出する電
子銃とし、1個の電子銃から放出される3電子ビームを
蛍光体スクリーンの中央上の1点に集中するようにし、
この3電子ビームを1個の偏向装置(主偏向装置)によ
り水平、垂直方向に偏向して、蛍光体スクリーンの全面
を水平、垂直走査するものとなっている。そしてたとえ
ばNTSC方式の場合は、図3および図4に示すよう
に、送信側A(カメラ側)から送られてくる信号に対応
して受像側B(受像管装置側)では、水平偏向周波数f
H0が15.75 kHz 、垂直偏向周波数fV0が60Hz
で、インターレース(飛越し走査)により525本の走
査線17を描く(走査線数2S0 =525)。実際に
は、帰線期間やオーバースキャンのため、蛍光体スクリ
ーン8上の走査線17は525本とはならないが、説明
上、525本の走査線がすべて現れるとする。
【0029】この場合、1回の垂直走査により再生され
る画像は、インターレースのため、262.5本(走査
線数S0 =262.5)の走査線17により形成され
(フィールド走査)、この画像の形成を1/60秒でお
こなっている。すなわち帰線期間を考慮しないと、1本
の走査線17は、水平方向に1/15750秒の速度で
走査され(ライン走査)、この走査線17を1/60秒
で垂直方向に等間隔で262.5本描く。このフィール
ド走査を2回おこなって完全な1画像を再生する(フレ
ーム走査)。
【0030】3電子ビームを放出する電子銃を有する通
常のカラー受像管装置では、3電子ビームのそれぞれが
青、緑、赤の映像信号を受持ち、かつその各電子ビーム
がシャドウマスクにより色選択されて、蛍光体スクリー
ンの3色蛍光体層にランディングして発光させる。した
がって1回の水平、垂直走査によって再生される画像が
即カラー画像となる。
【0031】しかしこの例のカラー受像管装置のよう
に、電子銃14が単電子ビームを放出するものでは、シ
ャドウマスク9が色選択機能をもっていても、同時に3
色蛍光体層にランディングして発光するようにすること
はできず、一定期間3色のうちのいずれかの色の画像を
再生し、順次色切換えをおこなってカラー画像を再生す
るようにすることが必要である。この場合、任意1色の
画像を再生する期間として、インデックス型カラー受像
管装置のように蛍光体層の配列順ごとにきわめて短い時
間におこなう場合、1回の水平走査ごとにおこなう場
合、1回の垂直走査(フィールド走査)ごとにおこなう
場合、2回の垂直走査(フレーム走査)ごとにおこなう
場合などが考えられる。
【0032】しかしインデックス型カラー受像管装置の
ように蛍光体層の配列順ごとに信号切換えをおこなうこ
とは、きわめて高い周波数を取扱わねばならず、蛍光体
スクリーンからのインデックス信号を正確に映像信号側
にフィードバックしなければならないなどの問題があ
り、実用化が困難である。またフィールド走査やフレー
ム走査ごとに色切換えをおこなうことは、前画面分の信
号(情報)を一旦記憶させて置かなれればならないた
め、大容量のメモリ素子が必要となる。しかも色切換え
時間が長すぎ、ちらつきが発生するなどの問題がある。
【0033】これに対し、先に記載した特開昭62−1
70137号公報に開示されているように1回の水平走
査ごとに色切換えをおこなえば、色切換えは、水平偏向
周波数と同程度となり、回路上の負担が軽くなり、メモ
リ素子も簡単な素子でよいなど、実用性に富んだものと
することができる。
【0034】このように電子銃を単電子ビームを放出す
る電子銃とし、この単電子ビームを放出する複数個の電
子銃を用いて、一体化構造の1個の蛍光体スクリーンを
複数個の領域に分割して走査することによりカラー画像
を再生する場合は、送信側から送られてくる1回の水平
走査分(1ライン分)の信号を先ず記憶させ、この1ラ
イン分の信号を水平方向の分割数に分け(一部オーバー
ラップを含む)、各領域の水平走査を少なくとも3回お
こなう。このとき、図5に示すように、各電子銃14か
ら放出される単電子ビーム18を主偏向装置16の偏向
中心面を通過する前に、予備偏向装置15により3段階
(複数段階)に切換えて水平方向に予備偏向し、偏向中
心面での電子ビーム18の位置19B ,19G ,19R
を異ならしめれば、シャドウマスク9による色選択が可
能となり、上記予備偏向と同期して、青、緑、赤の映像
信号の切換えをおこなうことにより、蛍光体スクリーン
8上にカラー画像を再生することが可能となる。
【0035】この場合、図6に示すように、垂直方向に
もわずかに予備偏向し、3回の水平走査線17B ,17
G ,17R を矢印21で示すように一致させて1本の水
平走査線とする。すなわち垂直方向のコンバーゼンスを
とる(Δl=0)。また水平方向には、映像信号を呼出
しをずらすことにより、コンバーゼンスを調整する。
【0036】この例のカラー受像管装置も、同様に電子
銃14を単電子ビーム18を放出する電子銃とし、その
複数個の電子銃14から放出される各単電子ビーム18
を予備偏向装置15により3段階に切換えて水平方向に
予備偏向し、主偏向装置16の偏向中心面上での各電子
ビーム18の位置19B ,19G ,19R を異ならし
め、この電子ビーム18をシャドウマスク9により選別
し、図7に示すように、一体化構造の1個の蛍光体スク
リーン8を複数個の領域R1 〜R20に分割して走査する
ことによりカラー画像を再生する。
【0037】その予備偏向装置15および主偏向装置1
6の偏向周波数は、つぎのように設定される。
【0038】すなわち、送信側Aからカラー受像管装置
(受像管側B)にNTSC方式の信号が送られてくる場
合は、前述したように蛍光体スクリーン8上に描かれる
画像の走査線本数は、525本で、1フィールドの画像
を走査する期間として1/60秒あればよい。この場
合、図1に示したこの例のカラー受像管装置では、蛍光
体スクリーン8を垂直方向に4分割しているので、各分
割領域での走査線本数は、蛍光体スクリーン8上に表示
される総走査線本数(525本)の1/4となり、13
1.25本となる。すなわち、各分割領域R1 〜R20の
走査線本数は、通常のNTSC方式の走査線本数の1/
4となり、それにともない、ライン走査の期間は4倍と
なる。
【0039】一方、この例のカラー受像管装置は、送信
側Aから送られてくる1回の水平走査分(1ライン分)
の信号をまず記憶させ、この1ライン分の信号を水平方
向の領域の分割数に分け(一部オーバーラップを含
む)、各領域の水平走査を少なくとも3回おこなうこと
によりカラー画像を再生するので、各表示色に対応する
1回のライン走査に必要な期間は、NTSC方式に場合
の1/3となる。したがって各領域の水平方向の走査に
必要な期間(ライン走査期間)は、蛍光体スクリーン8
を垂直方向に4分割することにより4倍となり、単電子
ビームを3段階に切換えてカラー画像を再生するため、
結果的に4/3となる。
【0040】したがってこの例のカラー受像管装置で送
信側AからNTSC方式の信号が送られてくると、水平
方向偏向周波数fH は、 fH =(525本/2)×3段階×(60Hz /4分
割)=11.8 kHz となる。ただし、上式中の最初の括弧内の2は、飛越走
査(インターレース)のときの走査線本数を求めるため
のものである。
【0041】この水平方向偏向周波数fH は、一般的に
は、走査線方数をS、予備偏向の段数をCOL、垂直方向
偏向周波数をfV 、垂直方向の分割領域数をVD とし、
飛越走査をおこなう場合n=2、飛越走査をおこなわな
い場合n=1として、下記数3で表される。
【数3】
【0042】なお、予備偏向装置15の切換え信号は、
この水平方向偏向周波数fH に対応し、図8に示すよう
に、予備偏向信号の切換え期間T1 は、水平方向の偏向
周期と同じであり、その切換え信号の周期T2 は、水平
偏向3回分の周期と同じである。
【0043】したがって上記のように主偏向装置16と
予備偏向装置15の偏向信号を設定することにより、水
平方向偏向周波数fH をNTSC方式の水平方向偏向周
波数よりも下げた状態で、通常のカラー受像管と同様の
画像を再生することができる。また水平方向偏向周波数
fH が下げられるため、主偏向装置16の消費電力を大
幅に低減でき、かつ偏向装置の発熱や漏洩磁界も低減す
ることができる。
【0044】なお、上記実施例では、NTSC方式で蛍
光体スクリーン上に525本の走査線が描かれるとして
説明したが、実際のNTSC方式で蛍光体スクリーン上
に描かれる走査線は、525本よりも少なく、480本
程度であり、各領域の水平方向偏向周波数fH は、蛍光
体スクリーン上に実際に描かれる画像に対応した走査線
を基準にして求められる。また各領域の水平、垂直偏向
に同期信号の期間あるいは他の信号処理のための期間が
必要な場合は、上記走査線本数は、処理に必要な期間に
相当する分だけ増減すればよい。
【0045】また、上記実施例では、NTSC方式の場
合について説明したが、この発明は、NTSC方式ばか
りでなく、PAL、SECAM、HD、HD−MACな
どや倍速度使用の場合にも同様に実施可能である。特に
垂直方向の領域の分割数を増やすことにより、水平方向
偏向周波数を下げることができ、送信側の水平方向偏向
周波数が比較的高いシステムに有効である。
【0046】また、上記実施例では、蛍光体スクリーン
を水平方向に5個、垂直方向に4個、計20個の領域に
分割して走査する場合について説明したが、この発明
は、分割数に関係なく水平方向偏向周波数を最適に設定
できるので、分割数の設定の自由度が高く、管内部材な
どを自由に構成することができる。
【0047】また、上記実施例では、予備偏向装置を電
磁偏向装置で構成したが、この予備偏向装置は、単電子
ビームを放出する電子銃と一体化した静電偏向装置で構
成してもよい。
【0048】
【発明の効果】単電子ビームを放出する複数個の電子銃
が分離配置された電子銃部と、その各電子銃に対応して
配置され、各電子銃から放出される単電子ビームをそれ
ぞれ複数段階に切換えて水平方向に予備偏向する複数個
の予備偏向装置およびこの予備偏向装置により予備偏向
された単電子ビームをそれぞれ水平、垂直方向に所定の
偏向周波数で偏向する複数個の主偏向装置からなる偏向
部と、その複数個の偏向装置により偏向された各電子ビ
ームによりシャドウマスクを介して複数個の領域に分割
して走査される蛍光体スクリーンとを備えるカラー受像
管装置において、各主偏向装置を、ほぼ下記数4で表さ
れる水平方向偏向周波数fH で水平方向に偏向するもの
とすると、蛍光体スクリーンを分離配置された複数個の
電子銃から放出される単電子ビームにより複数個の領域
に分けて分割走査することにより、輝度の向上、カラー
受像管装置の奥行きの短縮化、解像度の向上が得られ
る。
【0049】
【数4】 さらに各領域の水平方向の偏向周波数fH を数4のよう
に設定することにより、再生画像のちらつき感をなく
し、輝度の低下や色相の異常などがおこらないようにす
ることができる。また数4において、垂直方向の分割領
域数VD =3とすると、水平方向偏向周波数fH は、N
TSC方式と同じになり、4分割以上では、NTSC方
式の場合よりも低くなり、4分割以上とすることにより
偏向に要する消費電力を大幅に削減でき、偏向装置の発
熱、漏洩磁界も減少し、カラー受像管装置全体の消費電
力を低減し、システムを簡素化することが可能となる。
また垂直方向の領域の分割数を6に設定すると、NTS
C方式の水平方向偏向周波数15,75 kHz で倍速走
査である31 kHz の偏向に相当する走査線本数が得ら
れる。さらに垂直方向の領域の分割数の制約がなくな
り、管内部材の構成などの自由度が大幅に拡大できる、
などの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の一実施例であるカラー
受像管装置の構成を説明するための図、図1(b)はそ
のB−B断面図である。
【図2】上記カラー受像管装置の構成を説明するための
分解斜視図である。
【図3】蛍光体スクリーンを複数個の領域に分けて分割
走査する場合のNTSC方式による送信側と受像側との
関係を説明するための図である。
【図4】NTSC方式による受像側の走査を説明するた
めの図である。
【図5】上記カラー受像管装置の電子ビームの偏向を説
明するための図である。
【図6】上記偏向による電子ビームのコンバーゼンスを
説明するための図である。
【図7】複数個の分割領域に対するカラー画像の再生を
説明するための図である。
【図8】水平偏向信号と予備偏向信号との関係を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1…フェースプレート 2…側壁 3…リアプレート 4…ファンネル 5…外囲器 8…蛍光体スクリーン 9…シャドウマスク 10…第1マスク架設部材 11…第2マスク架設部材 14…電子銃 15…予備偏向装置 16…主偏向装置 17…走査線 M1 〜M5 …分割マスク R1 〜R20…領域
フロントページの続き (72)発明者 原口 雄次 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内 (72)発明者 蒲原 英治 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単電子ビームを放出する複数個の電子銃
    が分離配置された電子銃部と、上記各電子銃に対応して
    配置され、上記各電子銃から放出される単電子ビームを
    それぞれ複数段階に切換えて水平方向に予備偏向する複
    数個の予備偏向装置およびこの予備偏向装置により予備
    偏向された単電子ビームをそれぞれ水平、垂直方向に所
    定の偏向周波数で偏向する複数個の主偏向装置からなる
    偏向部と、上記複数個の偏向装置により偏向された各電
    子ビームによりシャドウマスクを介して水平、垂直方向
    に複数個の領域に分割して走査される蛍光体スクリーン
    とを備えるカラー受像管装置において、 上記各主偏向装置は、水平方向偏向周波数をfH 、走査
    線本数をS、予備偏向の段数をCOL、垂直方向偏向周波
    数をfV 、垂直方向の分割領域数をVD とし、飛越し走
    査をおこなう場合n=2、飛越し走査をおこなわない場
    合n=1として、ほぼ数1で与えられる偏向周波数 【数1】 で水平方向に偏向するものとしたことを特徴とするカラ
    ー受像管装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997044803A1 (en) * 1996-05-21 1997-11-27 Kabushiki Kaisha Toshiba Cathode body structure, electron gun body structure, grid unit for electron gun, electronic tube, heater, and method for manufacturing cathode body structure
KR20030031353A (ko) * 2001-10-15 2003-04-21 삼성에스디아이 주식회사 빔 인덱스형 음극선관 표시장치

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