JPH0757805B2 - 重合体非水分散液の製造法 - Google Patents

重合体非水分散液の製造法

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JPH0757805B2
JPH0757805B2 JP20006287A JP20006287A JPH0757805B2 JP H0757805 B2 JPH0757805 B2 JP H0757805B2 JP 20006287 A JP20006287 A JP 20006287A JP 20006287 A JP20006287 A JP 20006287A JP H0757805 B2 JPH0757805 B2 JP H0757805B2
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淳啓 酒井
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、メラミン樹脂硬化型塗料のバインダー成分の
硬化促進剤およびタレ止め剤あるいはアルミ配向調整剤
として使用可能な、安定で微細な分散粒子径を有する重
合体非水分散液の製造法に関するものである。
(従来の技術) 重合体非水分散液、特に架橋重合体粒子の非水分散液の
調整法は、近年特に塗料や接着剤の分野において注目さ
れている技術である。架橋重合体粒子は有機媒体に不溶
性であり、その結果、塗料に添加した場合、塗料に構造
粘性を与え、塗料のタレ止め剤およびメタリック塗料に
おけるアルミ配向調整剤として有効であることは公知で
ある(特開昭61-42580号公報、特開昭56-76447号公
報)。架橋重合体粒子を調整するにあたっては、単官能
エチレン系モノマーと多官能エチレン系モノマーとの共
重合を利用するのが一般的であるが、重合中の粒子間架
橋反応を抑制するためには、非極性媒体中での合成は非
常に困難であり、その結果架橋重合体粒子の非水分散液
の調整には、まず架橋重合体粒子を水性媒体中乳化重合
などで合成し、然る後に分散媒を水系から非水系に転換
する手法が一般に行われている。この粒子の分散媒を水
系から非水系に転換する手段として従来用いられてきた
ものは、例えば噴霧乾燥法によりエマルションを乾燥さ
せ、粉末として粒子を単離したのち溶剤中に再分散させ
る方法(特開昭58-129065号公報)、あるいはエマルシ
ョンに水との共沸溶剤を加え、共沸脱水を行う方法(特
開昭56-76447号公報)などが公知である。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これらの方法を用いた場合水系エマルシ
ョンから非水系分散液に転換することは可能であって
も、乳化重合の際に用いられた界面活性剤が除去されて
いないため、このものを塗料に添加しても塗膜内に界面
活性剤の親水基部分が残存するため、塗膜の耐水性が低
下し実用上問題がある。
また、噴霧乾燥法は、特殊な設備を必要とするため一般
的な調製法とは言い難く、また、共沸脱水を利用する手
法も、脱水中ヒーターの局部加熱による粒子のスケール
付着が無視できないことである。
一方近年、有機微粒子の分野では、粒子を単なる構造材
料としてではなく、いわゆる機能材料として個々の粒子
に機能性を付与する技術に関心が集められている。塗料
の分野でもそれは例外ではなく、例えば、粒子表面にス
ルホン酸基を導入し、粒子に塗膜の硬化促進機能を付与
する試み(特開昭61-4761号公報)はその代表的な例の
一つである。ところが、上記公開特許公報に開示されて
いる手法は、分子中スルホン酸基を有するモノマーを他
のモノマーと共重合させるものであり、この手法を用い
る限り、スルホン酸基含有モノマーが高極性物質である
ことから、該モノマーの水相中でのホモポリマーの生成
は避けられず、その結果、粒子の分散安定性に悪影響を
及ぼすという問題点があった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは前述の問題点を解決すべく、架橋重合体粒
子の水系分散体を非水系分散体に転換する手法につき鋭
意研究を重ねた結果、架橋重合体粒子の水系分散体を従
来法より簡便かつ有効に非水系に転換する相転換のみな
らず、粒子に塗膜の硬化促進機能、特に酸触媒硬化促進
機能をも付与する重合体非水分散液の製造法を見出し本
発明を達成するに至った。
すなわち本発明の重合体非水分散液の製造法は重合体非
水分散液を製造するに当り、 (a)単官能エチレン系モノマーと多官能エチレン系モ
ノマーの混合物の重量の0.5〜80重量%が多官能エチレ
ン系モノマーである混合物を、有機スルホン酸塩系、あ
るいは有機硫酸塩系の界面活性剤の存在下で乳化重合さ
せることにより得た水性重合体分散液に、水の溶解度が
5重量%以下であるアルコール系溶剤あるいはケトン系
溶剤のいずれか一方もしくは両方を加えた後、酸性化合
物を添加し、系の温度を60〜90℃に保持し、懸濁状態の
まま前記有機スルホン酸塩系あるいは有機硫酸塩系の界
面活性剤を完全に有機スルホン酸化合物あるいは有機硫
酸化合物に転換し、次に60℃以下に冷却し静置すること
により二層分離させ、該懸濁液に含まれる総水分の95重
量%以上を除去する工程と; (b)前記工程(a)の、分離水を除去した後の重合体
非水分散液に、オルトカルボン酸エステルを加えた後加
温することにより残留した微量水分を除去するか、ある
いは、760mmHg以下において50〜100℃の温度範囲で共沸
蒸溜を行うことより残留した微量水分を除去する工程 とから成ることを特徴とする。
次に本発明の重合体非水分散液の製造法の各工程を更に
細分化するに、本発明は、 (1)乳化重合による水性重合体分散液の製造と、 (2)水性重合体分散液の酸性化合物による処理と、 (3)二層分離による水分の除去 とから成る工程a)と、オルトカルボン酸エステルの添
加による残留水分の除去もしくは760mmHg以下における
共沸蒸溜による残留水分の溜去から成る工程b)とから
構成される。
以下、上記の各工程について詳述する。
a−1)乳化重合による水性重合体分散液の製造 本発明における水性重合体分散液の製造のための乳化重
合は、公知の方法、すなわち界面活性剤および重合開始
剤を含む加熱水にモノマー混合液を徐々に添加する方法
により実施される。この乳化重合に適用できる単官能エ
チレン系モノマーとしては、通常のラジカル重合に用い
られるものならば特に制限はなく、各種のものを使用す
ることができるが、ただし、分子中にスルホン酸基を含
有するエチレン系モノマー、例えば2−スルホエチルメ
タクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸等は水中でホモポリマーを作り易く好まし
くない。以下に該適用モノマーの代表的なものを例示す
る。
(1)(メタ)アクリル酸エステル C1〜C18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル 例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、is
o−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト (2)ビニル芳香族モノマー スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、 (3)ヒドロキシル基含有モノマー 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、 (4)α,β−エチレン性不飽和酸 (メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、 (5)その他 (メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、
ジアセトンアルコール(メタ)アクリルアミド、ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミドなどがある。
これらの単官能エチレン系モノマーは1種または2種以
上用いることができる。
多官能エチレン系モノマーは少なくとも2個のエチレン
系不飽和二重結合を含み、水中での乳化重合において重
合体非水分散液を最終的に構成するような有機溶剤に不
溶な架橋重合体粒子を与えるような化合物であれば、い
かなるものであっても良く、例えば、ジビニルベンゼ
ン、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アク
リロキシプロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリ
ロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロール
メタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテト
ラ(メタ)アクリレート、プレポリマーエポキシおよび
ウレタン(メタ)アクリレートなどであるが、本発明は
これらに限定されるものではない。
これらの多官能エチレン系モノマーは、1種または2種
以上用いることができるが、その使用量は、単官能エチ
レン系モノマーと多官能エチレン系モノマーの合計重量
の0.5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%の範囲が望
ましい。0.5重量%未満の場合には粒子の架橋密度が低
下し、耐溶剤膨潤性に劣り、80重量%をこえる場合に
は、重合中粒子間架橋反応が起こり、安定な水性重合体
分散液が得られない。
乳化重合に用いる界面活性剤としては、酸性化合物の添
加により親水基が容易にスルホン酸基あるいは硫酸基に
転換されうる界面活性剤、すなわち有機スルホン酸塩系
あるいは有機硫酸塩系の界面活性剤が適用される。有機
スルホン酸塩系界面活性剤としては、エステル系スルホ
ン酸塩、アミド系スルホン酸塩、エーテル系スルホン酸
塩、アルキルアリルスルホン酸塩類等があり、その中に
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルコハ
ク酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸等が含まれ
る。有機硫酸塩系界面活性剤としては、高級アルコール
硫酸エステル塩類、ポリエチレングリコールエーテル硫
酸エステル塩類、アミド系硫酸エステル塩、エステル系
硫酸エステル塩等があり、その中に、ラウリル硫酸ナト
リウム、ラウリル硫酸カリウム、アルキルアリルポリエ
ーテル硫酸ナトリウム等が含まれる。
乳化重合に使用する重合開始剤としては、有機過酸化
物、無機過酸化物、アゾ系重合開始剤、およびレドック
ス重合開始剤などがある。有機過酸化物としては、例え
ば、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオ
キシド、ジt−ブチルペルオキシド、無機過酸化物とし
ては、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム、過酸化水素、アゾ系重合開始剤として
は、例えば2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)
二塩酸塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、レ
ドックス重合開始剤としては、例えば過酸化水素−第一
鉄塩、過硫酸塩−酸性亜硫酸ナトリウム、クメンヒドロ
ペルオキシド−第一鉄塩、ベンゾイルペルオキシド−N.
N−ジメチルアニリン等であるが、本発明における乳化
重合は重合開始剤の種類によって特に制限を受けるもの
ではない。
a−2)水性重合体分散液の酸による処理 工程a−1)により得られた水性重合体分散液に、まず
有機溶剤を加え、然る後に酸性化合物を添加して得られ
る懸濁液を60〜90℃に保持することにより、前記工程a
−1)で使用された界面活性剤は完全に有機スルホン酸
化合物あるいは有機硫酸化合物に転換される。使用に供
される有機溶剤は、水の溶解度が5重量%以下であるア
ルコール系溶剤あるいはケトン系溶剤である必要があ
る。すなわち他の溶剤、例えば脂肪族系炭化水素等の非
極性溶剤を用いた場合には有機相が塊状に凝固し、界面
活性剤の該有機酸化合物への転換反応が円滑に進行せ
ず、エステル系溶剤を用いた場合には、工程a−3)で
示される水分離が困難になる。一方、アルコール系溶剤
あるいはケトン系溶剤で水の溶解度が5重量%を越える
ものを用いた場合は、工程a−3)における水分離が困
難になるか、または工程(b)に示される脱水作業に不
利な要因となる。
水の溶解度が5重量%以下のアルコール系溶剤として
は、例えば2−エチル−1−ブチルアルコール、3−ヘ
プチルアルコール、1−オクチルアルコール、2−オク
チルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、1−
ノニルアルコール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル
アルコール、1−デシルアルコール、1−ウンデシルア
ルコール、1−ドデシルアルコールなどがあり、ケトン
系溶剤としては例えばメチルn−プロピルケトン、メチ
ルiso−プロピルケトン、ジエチルケトン、メチルn−
ブチルケトン、メチルiso−ブチルケトン、メチルn−
ペンチルケトン、ジn−プロピルケトン、ジiso−ブチ
ルケトン、エチルn−ブチルケトンなどがあるが、、本
発明はこれらに限定されるものではない。
これらの溶剤の1種あるいは2種以上用いて該水性重合
体分散液の酸処理を行うことができるが、用いられる溶
剤の量は、工程a−3)における水分離に支障をきたさ
ぬ程度に充分加えるべきである。
添加する酸性化合物は、界面活性剤を有機スルホン酸化
合物あるいは有機硫酸化合物に転換しうるものでなけれ
ばならず、その例として塩酸、硫酸等の鉱酸、またはp
−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸等の有機スルホン酸化合物等が用いられる。さ
らに塗膜の硬化促進機能を持たせる観点から、粒子にア
ミンブロック化酸触媒の機能を付与することは好まし
く、該酸性化合物として鉱酸のアミン塩溶液、例えばピ
リジン塩酸塩水溶液等を添加してもよい。またその添加
量は、系中に存在する界面活性剤のすべてを完全に有機
スルホン酸化合物もしくは有機硫酸化合物に転換するに
足る量でなくてはならない。
酸性化合物を添加した懸濁液は、60〜90℃に保持され
る。60℃未満では工程a−3)での水分離に悪影響、す
なわち分離効率の低下につながり、90℃を越える場合に
は水の共沸が始まるおそれがあるので好ましくない。
a−3)二層分離による水の除去 工程a−2)より得られる懸濁液を冷却し、静置するこ
とにより、系は溶剤層と水層との二層に分離し、界面活
性剤のスルホン酸塩型からスルホン酸への転換または硫
酸塩型から硫酸への転換により、粒子表面における水へ
の親和性の低下した、重合体樹脂粒子は溶剤層に容易に
分散される。一方、分離した水層を除去することによ
り、該懸濁液に含まれている総水分の95重量%以上が除
去される。
(b)残留微量水分の除去 工程a−3)より得られる重合体樹脂粒子の分散した溶
剤相中に存在している残留微量水分は、該溶剤相にオル
トカルボン酸エステルを加えた後加温するか、もしくは
水よりも高い沸点を有する溶剤を加えた後760mmHg以下
で共沸蒸溜することにより除去される。
オルトカルボン酸エステルとしては、例えば、オルトギ
酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オル
ト酢酸エチルなどがある。オルトカルボン酸エステルは
水と反応し、アルコールとカルボン酸エステルが生成す
る。
また、下層の水溶液を除去して得られる重合体分散液中
にはごく微量の水分しか残存しないので、760mmHg以下
において50〜100℃の温度範囲で共沸蒸溜を行うことに
より、重合体の融合を引き起すことなく効率良く残留微
量水分を除去することが可能である。共沸蒸溜により残
存する微量水分を除去する際には、重合体非水分散液の
温度を50〜100℃の範囲に保つことが肝要であり、望ま
しくは、70〜100℃の範囲で共沸蒸溜を行うべきであ
る。50℃以下で行なった場合には水を十分に除去するま
でに長時間を必要とし効率が悪く、また100℃以上の温
度において共沸蒸溜を行なえば、重合体粒子同士の融合
が起り易くなるため適さない。共沸蒸溜を50〜100℃の
温度範囲内で行うためには、常圧下(760mmHg)におけ
る水との共沸点がこの温度範囲にある溶剤を用いるか、
あるいは、共沸点が100℃を越える場合は系を減圧状態
にし、共沸点を50〜100℃の温度範囲内に下げて共沸蒸
溜を行うことが必要である。このようにして共沸点を調
整しながら共沸蒸溜により残留水分を除去するために用
いることのできる溶剤としては、前記a−2)工程の水
性重合体分散液の酸による処理に於て使用したアルコー
ル系あるいはケトン系溶剤をそのまま共沸蒸溜用溶剤と
して用いることができる。また、これら以外にも上記ア
ルコール系あるいはケトン系溶剤に含まれなかった種類
のアルコール系あるいはケトン系溶剤、芳香族系溶剤、
エステル系溶剤を用いることが可能であり、かかるアル
コール系溶剤としては、例えば、n−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、
n−ペンチルアルコール、2−ペンチルアルコール、3
−ペンチルアルコール、2−メチル−1−ブチルアルコ
ール、n−ヘキシルアルコール、ケトン系溶剤として
は、例えば、メチルエチルケトン、芳香族系溶剤として
は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エステル
系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピ
ル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブ
チル、酢酸sec−ブチルなどがあるが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
(実施例) 次に水性重合体分散液の製造例、実施例、比較例、およ
び応用例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。な
お、各例中、「%」、「部」はいずれも「重量%」、
「重量部」を示す。
製造例1 水性重合体分散液Aの製造 攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた
14つ口フラスコに、脱イオン水457部、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム4部を仕込み、温度を80℃
に保持しながら攪拌し、均一な界面活性剤水溶液を得
た。これに過硫酸カリウム1.5部を脱イオン水50部に溶
解した液を添加し、然る後に、メチルメタクリレート83
部、n−ブチルメタクリレート42部、エチレングリコー
ルジメタクリレート14部からなる混合液を、上記界面活
性剤水溶液攪拌のもと、2時間を要して滴下した。滴下
終了後、さらに過硫酸カリウム1.5部を脱イオン水50部
に溶解した液を添加し、80℃で2時間攪拌を続けること
により、固形分20%の水性重合体分散液を得た。この分
散粒子はアセトンに不溶であり、平均粒子径は0.07μm
であった。
製造例2 水性重合体分散液Bの製造 製造例1に記載したと同じ装置に、脱イオン水455部、
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム6部を仕込み、温
度を80℃に保持しながら攪拌し、均一な界面活性剤水溶
液を得た。これらに過硫酸カリウム1.5部を脱イオン水5
0部に溶解した液を添加し、然る後に、スチレン28部、
n−ブチルメタクリレート63部、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート20部、エチレングリコールジメタクリレ
ート28部からなる混合液を、上記界面活性剤水溶液攪拌
のもと、2時間を要して滴下した。滴下終了後、さらに
過硫酸カリウム1.5部を脱イオン水50部に溶解した液を
添加し、80℃に2時間攪拌を続けることにより、固形分
20%の水性重合体分散液Bを得た。この分散粒子はアセ
トンに不溶であり、平均粒子径は0.04μmであった。
実施例1および2 表1に示す配合に基づき、攪拌機、温度計、還流冷却器
を備えた14つ口フラスコに、水性重合体分散液Aお
よびメチルイソブチルケトン(実施例1)あるいは、2
−エチルヘキシルアルコール(実施例2)を仕込み、80
℃に昇温した後1N−ピリジン塩酸塩水溶液を添加し、温
度を80℃に保持しながら懸濁状態で1時間攪拌した。そ
の後この懸濁液を60℃に冷却し、静置することにより、
懸濁液は水層と有機層に分離した。この水層を分離除去
した時の重量および水の分離率を表1に示した。また有
機層にオルトギ酸エステル72部を添加した後、80℃に2
時間攪拌して重合体非水分散液を得た。これらの分散液
の特性値を表1に示した。
実施例3および4 表1に示す配合に基づき、攪拌機、温度計、水分離器、
還流冷却器を備えた14つ口フラスコに、水性重合体
分散液Bおよびメチルイソブチルケトン(実施例3)あ
るいは、2−エチルヘキシルアルコール(実施例4)を
仕込み、80℃に昇温した後ピリジン塩酸塩水溶液を添加
し、温度を80℃に保持しながら懸濁状態で1時間攪拌し
た。その後、この懸濁液を60℃に冷却し、静置すること
により、懸濁液は水層と有機層に分離した。この水層を
分離除去した時の重量および水の分離率を表1に示し
た。さらに、有機層にトルエン20部を添加し、共沸蒸溜
による脱水を1時間行ない重合体非水分散液を得た。こ
れらの分散液の特性値を表1に示した。
比較例1 ピリジン塩酸塩水溶液の添加を省略した以外は実施例1
に準じた方法で水性重合体分散液Aを処理したが、その
処理により得られた懸濁液は静置しても二層に分離せ
ず、安定なエマルションのままであった。
比較例2 メチルイソブチルケトンの代りにエチルシクロヘキサン
を用いた以外は実施例1に準じた方法で水性重合体分散
液Aを処理したが、その処理により得られた懸濁液は静
置しても二層に分離せず、安定なエマルションのままで
あった。
応用例1 実施例1で得られた重合体非水分散液33部に、アクリル
樹脂溶液としてジョンクリル500(ハイソリッド型塗料
用アクリル樹脂溶液、固形分60%、ジョンソン・アンド
・ジョンソン社製、商品名)117部、硬化剤としてサイ
メル303(低核体メラミン樹脂、固形分99%、三井東圧
化学(株)製、商品名)30部、表面調製剤としてモダフ
ロー(モンサント社製、商品名)0.5部を混合して得ら
れた塗料をキシレン/n−ブタノール=80/20(%)のシ
ンナーにてフォードカップNo.4(20℃)で25秒の粘度に
調整したクリヤー塗料を得た。
塗料試験板としては、日本テストパネル工業(株)製冷
間圧延鋼板に日本油脂(株)製「アクアNo.4200、商品
名」を乾燥膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃
で20分間焼付け、さらに、中塗塗料として、日本油脂
(株)製「エピコNo.1500CPシーラーTX-100、商品名」
を乾燥膜厚が35μmになるように塗布し、140℃で30分
間焼付けたものを使用した。得られた塗装試験板にクリ
ヤー塗料をエアスプレーし、140℃で30分間焼付けるこ
とにより、乾燥膜厚が40μmの平滑で透明な硬化塗膜を
得た。この硬化塗膜は鉛筆硬度Hであり、アセトンラビ
ングテストにおける耐溶剤性は良好であった。
応用例2 実施例1で得られた重合体非水分散液33部にアクリル樹
脂溶液としてアクリディックA-413-70S(固形分70%、
大日本インキ化学工業(株)製、商品名)100部、硬化
剤としてスーパーベッカミンJ820(ブチル化メラミン樹
脂、固形分60%、大日本インキ化学工業(株)製、商品
名)46部、表面調製剤としてモダフロー(モンサント社
製、商品名)0.5部を混合して得られた塗料をキシレン/
n−ブタノール=80/20(%)のシンナーにてフォードカ
ップNo.4(20℃)で25秒の粘度に調製したクリヤー塗料
を得た。
得られたクリヤー塗料を応用例1と同様の塗装試験板に
エアスプレーし、140℃で30分間焼付けることにより、
乾燥膜厚が40μmの試験片を得た。得られた試験片を80
℃の熱水に4時間浸したところ、際立った塗膜のふくれ
は生ぜず、耐水性は良好であった。
応用比較例1 水性重合体分散液Aに500部に対し、本発明による処理
工程をとらずに、直接トルエン300部を加え、共沸脱水
することにより得られた重合体非水分散液(固形分25
%)40部を用いて、応用例2に示した手法でクリヤー塗
料を調製した後、応用例1と同様の塗装試験板にエアス
プレーしたのち、140℃で30分間焼付けることにより、
乾燥膜厚が40μmの試験片を得た。得られた試験片を80
℃の熱水に4時間浸したところ、塗膜に小さなふくれが
多数発生し、耐水性が劣った。
応用例3 実施例1で得られた重合体非水分散液33部を用いて、応
用例2と同様にして得られた塗料をキシレン/n−ブタノ
ール=80/20(%)のシンナーにてフォードカップNo.4
(20℃)で25秒の粘度に調製したクリヤー塗料を得た。
得られたクリヤー塗料を垂直に立てたブリキ板上にエア
スプレーし、室温下垂直のまま10分間セッティングし、
垂直に立てたまま140℃で30分間焼付乾燥したところ塗
料のタレ限界膜厚は38μmであった。
応用比較例2 重合体粒子を用いない以外は、応用例3に示したものに
準ずるクリヤー塗料を調製、希釈し、応用例3で行った
ものと同様の塗装試験を施したところ、塗料のタレ限界
膜厚は28μmであり、重合体粒子を含む応用例3で示し
た塗料よりもたれやすいことがわかった。
応用例4 実施例3で得られた重合体非水分散液64部に、アクリル
樹脂溶液としてアクリディックA-413-70S(固形分70
%、大日本インキ化学工業(株)製、商品名)66部、硬
化剤としてスーパーベッカミンJ820(ブチル化メラミン
樹脂、固形分60%、大日本インキ化学工業(株)製、商
品名)46部、アルミニウムペーストとしてsap510N(固
形分65%、昭和アルミパウダー(株)製、商品名)10部
を混合し、1コート型メタリック塗料とした。このメタ
リック塗料をシンナーとして酢酸n−ブチルでフォード
カップNo.4(20℃)で20秒の粘度に希釈し、乾燥膜厚と
して40μmになるようにリン酸処理鋼板上にエアスプレ
ーし、140℃で30分間焼付けることにより、鉛筆硬度
F、60度鏡面光沢度92のメタリック感およびつやのある
硬化塗膜が得られた。
(発明の効果) 以上、各実施例に示した様に、本発明の重合体非水分散
液の製造法は、重合体樹脂粒子の媒体を水系から非水系
に転換するにあたり、極めて簡便かつ有効な方法を提供
するものである。この優れた水系から非水系への相転換
法の実現を至らしめた主たる要因は、界面活性剤を酸性
化合物で処理することにより、粒子の水との親和性を低
下させ得たこと、および、非水系における粒子の分散媒
体に、水の溶解度の低い極性溶剤を使用したことであ
る。事実、比較例1では界面活性剤の酸処理工程を省略
したため、界面活性剤による粒子の分散安定化機能は持
続し水分離が促進されず、安定なエマルションを形成し
た。また、比較例2では粒子の非水系媒体として非極性
溶剤を使用したことが水分離の進行の妨げとなった。
さらに、本発明により得られる重合体樹脂粒子は界面活
性剤を酸性化合物で処理し、水との親和性を低下させて
いるため、これを塗料に用いた場合、塗膜の耐水性は良
好である(応用例2)。さらに、表面に有機硫酸基ある
いは有機スルホン酸基が存在しているため、塗膜の硬化
反応を促進する機能を有し、該重合体樹脂粒子はハイソ
リッド型塗料の酸触媒として有効である(応用例1)。
また、該重合体樹脂粒子は、架橋型粒子に本来備わって
いる性質すなわち塗料に構造粘性を付与する機能も当然
有しており、この粒子を塗料に添加した場合、塗料のた
れ止め剤(応用例3)や、メタリック塗料のアルミ配向
調製剤(応用例4)として有効である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体非水分散液を製造するに当り、 (a)単官能エチレン系モノマーと多官能エチレン系モ
    ノマーの混合物の重量の0.5〜80重量%が多官能エチレ
    ン系モノマーである混合物を、有機スルホン酸塩系、あ
    るいは有機硫酸塩系の界面活性剤の存在下で乳化重合さ
    せることにより得た水性重合体分散液に、水の溶解度が
    5重量%以下であるアルコール系溶剤あるいはケトン系
    溶剤のいずれか一方もしくは両方を加えた後、酸性化合
    物を添加し、系の温度を60〜90℃に保持し、懸濁状態の
    まま前記有機スルホン酸塩系あるいは有機硫酸塩系の界
    面活性剤を完全に有機スルホン酸化合物あるいは有機硫
    酸化合物に転換し、次に60℃以下に冷却し静置すること
    により二層分離させ、該懸濁液に含まれる総水分の95重
    量%以上を除去する工程と; (b)前記工程(a)の、分離水を除去した後の重合体
    非水分散液に、オルトカルボン酸エステルを加えた後加
    温することにより残留した微量水分を除去するか、ある
    いは、760mmHg以下において50〜100℃の温度範囲で共沸
    蒸溜を行うことより残留した微量水分を除去する工程 とから成ることを特徴とする重合体非水分散液の製造
    法。
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