JP2722603B2 - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JP2722603B2 JP2868189A JP2868189A JP2722603B2 JP 2722603 B2 JP2722603 B2 JP 2722603B2 JP 2868189 A JP2868189 A JP 2868189A JP 2868189 A JP2868189 A JP 2868189A JP 2722603 B2 JP2722603 B2 JP 2722603B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、優れた塗膜外観性を与える塗料組成物に関
するものであり、さらに詳しくは、表面に水素結合を形
成し得る基を有する架橋重合体微粒子と、該架橋重合体
微粒子間を水素結合を介して連結する鎖状オリゴマーを
含有する塗料組成物に関する。
(従来の技術) 近年、塗料の耐久性は格段の進歩を遂げ、高度な性能
が得られるようになってきたが、それに伴い優れた塗膜
外観性がより強く要求されてきている。
かかる要求に対しては、従来より架橋重合体微粒子
(以下単に「粒子」と略記することもある。)を添加す
ることによって塗料の流動性を調節する試みが数多くな
されている。
例えば、特開昭53−133233号公報および特開昭53−13
3234号公報には、非極性溶剤中で両親媒性分散安定剤の
存在下、α,β−エチレン性不飽和単量体を重合析出さ
せて得られる架橋重合体微粒子を用いて塗料のタレ防止
やメタリック塗料の金属顔料を均質に配向させる方法が
開示されている。一方、米国特許第4598111号、第42909
32号、第4477536号各明細書には粒子表面にイオン性基
又は極性基とイオン性基との混合物を有する架橋重合体
微粒子を乳化重合により生成した後非水系に転換し、塗
料中に用いることによってメタリック塗料の金属顔料を
均一に配向させる方法が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、特開昭53−133233号公報および同53−133234
号公報の方法では、架橋重合体微粒子を非極性溶剤中で
合成するため粒子表面の極性が低く、塗料中に添加した
際、粒子が凝集し易い性質を有している。かかる粒子を
添加した塗膜では、厚膜化や金属顔料の均一配向化は可
能となるが、粒子凝集体に基づく凹凸が塗膜表面に現
れ、近年、自動車用塗料等に要求されている様な最高品
質の外観性を得るには不十分である。
また、米国特許第4598111号、第4290932号、第447753
6号各明細書記載の方法では、架橋重合体微粒子の粒子
表面にイオン性基又は極性基とイオン性基との混合物を
持たせ、粒子間相互作用を発揮させることにより流動調
節を行っているが、この際、塗料中にアルコール、ケト
ンまたはエステル等の高極性溶剤を含有する場合、粒子
間相互作用が阻害され、期待する程の流動調節作用を発
揮できなくなる場合がある。また、これら3件の特許の
方法では、粒子間相互作用を十分に発揮するには、硬化
前の塗着膜の不揮発分及び粘度を十分に高くする必要が
あり、例えば自動車ボディのような複雑な形状の被塗物
の場合には、塗装部位により塗着膜の粘性が異なるため
最高品質の外観性を安定して得ることができない。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記のような問題点を解決する方法に
ついて鋭意研究した結果、表面に水酸基、カルボキシル
基、ニトリル基及びアミド基よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の基を有する架橋重合体微粒子と、該粒子
間を相互にそれらの基と水素結合を形成して連結し得る
基を有する鎖状オリゴマー(以下、単に鎖状オリゴマー
と略記することもある。)を塗料中に特定量併用添加す
ることによって、粒子凝集を起こさずに、高極性溶剤使
用塗料中、あるいは低粘度塗料中でも優れた流動調節作
用を発揮できることを見い出し本発明を完成するに至っ
た。
すなわち、本発明は、(A)成分として、水酸基を有
するアクリル樹脂およびポリエステル樹脂よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の架橋されていない樹脂30〜
90重量%、および水酸基と反応し得る架橋剤即ち、アミ
ノ樹脂およびポリイソシアネート化合物よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の化合物10〜70重量%からなる
樹脂固形分(不揮発分)混合物100重量部に対して、表
面に水酸基、カルボキシル基、ニトリル基及びアミド基
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を有する架
橋重合体微粒子(B)を1〜30重量部、および該架橋重
合体粒子間を相互に上記(B)の基と水素結合を形成し
て架橋重合体微粒子を連結し得る基を有する鎖状オリゴ
マー(C)を1〜40重量部含有することを特徴とする塗
料組成物である。
本発明の塗料組成物において優れた塗膜外観性の得ら
れる理由は、塗料中で鎖状オリゴマーが、架橋重合体微
粒子間を水素結合により連結し、粒子による「パールチ
ェイン」構造を効率よく形成することによって安定した
流動調節作用を発揮できるためと考えられる。
本発明に用いられる架橋重合体微粒子は、例えば英国
特許第967051号明細書に記載されているような公知の乳
化重合法によって容易に合成することができるが、この
際、該粒子の平均粒径は0.01〜1.0μmの範囲内にある
ことが好ましい。ここで、平均粒径が0.01μm未満の場
合、塗料中に添加した際、必要以上に塗料粘度が高くな
り、塗着膜の平滑性が損なわれることがあるため好まし
くない。また、1.0μmを越える場合、塗膜表面に粒子
の大きさに基づく数μmオーダーの微細な凹凸の現れる
ことがあるため好ましくない。
本発明に用いられる架橋重合体微粒子が塗料中で有効
な流動調節作用を発揮するには、粒子表面に水素結合を
形成し得る基の存在する必要がある。ここで、架橋重合
体微粒子は例えば特開昭53−133233号公報に記載されて
いるような非水系媒体中での重合も可能であるがこの合
成法では媒体の極性が低いため粒子表面に水素結合を形
成し得る基が配向しにくいので、好ましい方法とは言え
ない。粒子表面に水素結合を形成し得る基の存在する架
橋重合体微粒子を形成させるには次の各成分からなる
α,β−エチレン性不飽和単量体を乳化重合することに
より可能となる。
(a)水素結合を形成し得る基を含有するα,β−エチ
レン性不飽和単量体 …1〜50重量% (b)多官能α,β−エチレン性不飽和単量体…2〜80
重量% (c)(a)および(b)以外のα,β−エチレン性不
飽和単量体 …20〜97重量% ここで、(a)成分(水素結合を形成し得る基を含有
するα,β−エチレン性不飽和単量体)としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
のε−カプロラクトン付加物、(メタ)アクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、(メ
タ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、アリ
ルアルコール等の水酸基、カルボキシル基、ニトリル基
およびアミド基よりなる群から選ばれた少なくとも1種
の基をもつα,β−エチレン性不飽和単量体があげられ
る。(a)成分が全α,β−エチレン性不飽和単量体
中、1重量%未満の場合、粒子間相互作用に基づく流動
調節作用を発揮しにくくなるため、また50重量%を越え
る場合、粒子間相互作用が強くなりすぎ、粒子が凝集し
易くなるため好ましくない。
一方、(b)成分(多官能α,β−エチレン性不飽和
単量体)としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等
があげられる。ここで(b)成分が、全α,β−エチレ
ン性不飽和単量体中、2重量%未満の場合、塗料中で溶
剤膨潤し易くなり、粒子表面上に水素結合を形成し得る
基を固定出来にくくなって期待する程の流動調節作用を
発揮できなくなるため好ましくない。また、80重量%を
越える場合、乳化重合中に凝集粒子が生成し易くなるた
め好ましくない。
さらに、(a)及び(b)成分以外のα,β−エチレ
ン性不飽和単量体としての(c)成分としては、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプ
ロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸
ビニル、スチレン、ビニルトルエン、ブタジエン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フマル酸ジブチル、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等
があげられ、用いる塗料に応じて、相溶性、屈折率、ガ
ラス転移温度等を調節する目的で任意に用いることがで
きる。ここで、(c)成分が20重量%未満の場合、乳化
重合の際に凝集粒子が生成し易くなるため、また97重量
%を越える場合、流動調節作用を十分に発揮できなくな
るため好ましくない。
本発明に用いる架橋重合体微粒子を乳化重合により合
成する際、ソープフリー乳化重合も可能であるが、以下
に例示するような界面活性剤を用いることもできる。
(1)アニオン系界面活性剤 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫
酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、
ジオクチルスルホコハク酸カリウム、ラウロイルメチル
タウリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル硫酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム。
(2)カチオン系界面活性剤 オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸
塩、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキ
サデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデ
シルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オキシ
エチレンドデシルアミン。
(3)非イオン系界面活性剤 ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル。
(4)両性イオン系界面活性剤 ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシ
ン。
界面活性剤の使用量は、使用する界面活性剤の乳化能
に関係するものであり、実験によって最適な界面活性剤
の量に適宜選択する必要があるが、通常使用量は水に対
して0.02〜7重量%、好ましくは0.05〜5重量%の範囲
で乳化重合を行うのが望ましい。
ここで界面活性剤の濃度が水に対し0.02重量%未満で
は、十分な乳化能が発揮されずに凝集、ゲル化などの不
具合が生じ、7重量%を超える場合には、後の非水系転
換時に水分離作業が困難になるか、あるいは塗膜の耐水
性に悪影響を及ぼすことがある。
乳化重合に使用する重合開始剤としては、有機過酸化
物、無機過酸化物、アゾ系重合開始剤およびレドックス
重合開始剤などがある。有機過酸化物としては、例えば
ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、ジt−ブチルペルオキシド等があげられ,無機過酸
化物としては、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等があげられ、ア
ゾ系重合開始剤としては、例えば2,2′−アゾビス(2
−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビス(4
−シアノ吉草酸)等があげられ、レドックス重合開始剤
としては、例えば過酸化水素−第一鉄塩、過硫酸塩−酸
性亜硫酸ナトリウム、クメンヒドロペルオキシド−第一
鉄塩、ベンゾイルペルオキシド−N,N−ジメチルアニリ
ン等があげられるが、本発明における乳化重合は、重合
開始剤の種類によって特に制限を受けるものではない。
このようにして架橋重合体微粒子はラテックスの形態
で得られるが、溶剤型塗料に適用するには水分を除く必
要がある。
この方法としては、噴霧乾燥による方法と非水分散系
に転換する方法の二通りがある。
ところが、噴霧乾燥法では、乾燥の際に架橋重合体微
粒子が凝集しやすく、本発明の効果を発揮しにくくする
ため好ましくない。
一方、非水分散系に転換する方法では、粒子凝集が起
こりにくいためより好ましい方法と言える。この方法と
しては、水系分散液に20℃における水の溶解度が5重量
%以下の有機溶剤を加え、その後に有機酸アミン塩を添
加し静置することにより系は有機層と水層の二層に分離
する。
ここで使用される20℃における水の溶解度が5重量%
以下である有機溶剤は、単一溶剤あるいは混合溶剤のい
ずれも使用可能であるが、単一溶剤系で使用する場合は
アルコール系溶剤あるいはケトン系溶剤を使用するのが
望ましく、他の溶剤、例えば脂肪族系溶剤や芳香族系溶
剤等の非極性溶剤を単独で用いた場合には架橋重合体微
粒子が凝集することがあるため好ましくない。単一溶剤
系として使用可能な20℃における水の溶解度が5重量%
以下のアルコール系溶剤としては、例えば2−エチル−
1−ブチルアルコール、3−ヘプチルアルコール、1−
オクチルアルコール、2−オクチルアルコール、2−エ
チルヘキシルアルコール、1−ノニルアルコール、3,5,
5−トリメチル−1−ヘキシルアルコール、1−デシル
アルコール、1−ウンデシルアルコール、1−ドデシル
アルコールなどがあり、ケトン系溶剤としては例えば、
メチルn−プロピルケトン、メチルiso−プロピルケト
ン、ジエチルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチル
iso−ブチルケトン、メチルn−ペンチルケトン、ジn
−プロピルケトン、ジiso−ブチルケトン、エチルn−
ブチルケトンなどがあるが、本発明はこれらに限定され
るものではなく、またこれらの溶剤を単独でなく2種以
上を任意の割合で混合して用いることもできる。
2種以上の溶剤を混合して用いる場合には、アルコー
ル系溶剤あるいはケトン系溶剤のうち少なくとも一つを
含み、20℃における水の溶解度が5重量%以下になるよ
うに溶剤組成を調整すれば良く、この際使用することの
できる溶剤として、アルコール系溶剤としては前述のア
ルコール系溶剤以外に、例えばn−ブチルアルコール、
n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、se
c−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、2−ペ
ンチルアルコール、3−ペンチルアルコール、2−メチ
ル−1−ブチルアルコール、4−メチル−2−ペンチル
アルコール等があり、ケトン系溶剤としては前述のケト
ン系溶剤以外にメチルエチルケトン等がある。アルコー
ル系溶剤、ケトン系溶剤以外の有機溶剤としては、脂肪
族系溶剤、芳香族系溶剤、エステル系溶剤を用いること
が可能であり、脂肪族系溶剤としては例えば、n−ペン
タン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等があ
る。芳香族系溶剤としては例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等がある。エステル系溶剤としては、例え
ば酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピ
ル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチ
ル等があるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
添加する有機酸アミン塩に使用される有機酸として
は、有機カルボン酸類、有機スルホン酸類、有機リン酸
類等がある。かかる例として、有機カルボン酸類として
は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等があり、有機スルホン
酸類としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等
があり、有機リン酸類としては、モノメチルリン酸、モ
ノエチルリン酸、ジメチルリン酸、ジエチルリン酸等が
ある。一方、アミンとしては、1級アミン、2級アミ
ン、3級アミンのいずれも使用可能であり、かかる例と
して、1級アミンとしては、モノエチルアミン、iso−
プロピルアミン、n−ブチルアミン等があり、2級アミ
ンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタ
ノールアミン等があり、3級アミンとしては、トリエチ
ルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルエタノールア
ミン、ピリジン等があるが、本発明はこれらに限定する
ものではない。
上記の有機酸とアミンとの組合せからなる有機酸アミ
ン塩は所定量の有機酸とアミンを常温で混合することに
より容易に製造される。
上記の非水分散系に転換する方法によると、架橋重合
体微粒子は添加された有機酸アミン塩により、粒子表面
に存在する界面活性剤の電気二重層形成による水中での
電気的安定化が阻害され、有機層に分散される。分散し
た水を除去した後、有機溶剤層中に存在する残留水分
は、該有機溶剤層に、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エ
チル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等のオルト
カルボン酸エステルを加えた後加温して分解するか、常
圧下で共沸蒸留を行うか、あるいは760mmHg未満におい
て50〜100℃の範囲の温度で減圧脱水を行うことにより
完全除去することができる。
ここで、架橋重合体微粒子を非水分散系に転換する
際、粒子表面に固定されている界面活性剤及び重合開始
剤切片を、塩基性または酸性触媒下で加水分解し粒子表
面より除去することも可能である。かかる粒子は、粒子
表面が非イオン性であるため、塗膜性能に何ら悪影響を
及ぼさず、かつ顔料系に用いても粒子凝集を全く起こさ
ないため高品質塗膜を得るには、より有利な方法であ
る。
一方、本発明に用いられる(C)成分である鎖状オリ
ゴマーは、本発明の本発明に用いられる(A)成分中の
水酸基を有するアクリル樹脂および/またはポリエステ
ル樹脂以外の化合物であり、かつ上記の方法により得ら
れた架橋重合体微粒子間を相互に水素結合を形成して連
結できる基を有するものである。この際鎖状オリゴマー
の数平均分子量は、200〜3000の範囲内にあることが好
ましい。ここで、数平均分子量が200未満の場合、及び3
000を越える場合のいずれにおいても、本発明の効果を
十分に発揮できなくなるため好ましくない。また、鎖状
オリゴマーの分子構造は、1分子中に2個以上の末端水
酸基を有し、および/または1分子中に4個以上のエー
テル結合を有すれば良いが、例えば、ポリエチレングリ
コール200、同300、同400、同600、同1000、同1500、同
1540、同2000、ユニオールD−400、同D−700、同D−
1000、同D−1200、同D−2000、同TG−400、同TG−100
0、同TG−2000(商品名、日本油脂(株)製ポリエチレ
ングリコール及びポリプロピレングリコール)等のポリ
エーテル類や、プラクセル205、同208、同212、同220、
同230、同303、同305同308(商品名、ダイセル化学工業
(株)製ポリカプロラクトン)、K−フレックス188
(商品名、キング社製、エステルジオール)等のポリエ
ステル類、およびフレキソレッツUD−320(商品名、キ
ング社製、ウレタンジオール)、ウレタンジオールUP−
14−4(商品名、オート化学工業(株)製、ウレタンジ
オール)等のポリウレタン類は、市販品として容易に入
手することができる。
本発明に用いる(A)成分中のアクリル樹脂およびポ
リエステル樹脂の1種または2種以上の混合物は、架橋
剤と反応し得る官能基として水酸基を有している。
本発明に用いることのできる(A)成分の水酸基と反
応し得る架橋剤としては、例えば、尿素、チオ尿素、メ
ラミン、ベンゾグアナミン等の含窒素化合物のホルムア
ルデヒド縮合物や、該縮合物の低数アルキルエーテル
(アルキル基の炭素数は1ないし4)などのアミノ樹脂
や、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する芳
香族または脂肪族化合物で、例えば、2,4−トリレンジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、シク
ロヘキサン1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート等のポリイソシアネート化合物や、ポリイソ
シアネート化合物をエタノール、ヘキサノールなどのア
ルコール類、フェノール、クレゾールなどのフェノール
性水酸基を有する化合物、アセトオキシム、メチルエチ
ルケトオキシムなどのオキシム類、ε−カプロラタム、
γ−カプロラクタムなどのラクタム類などのブロック剤
で封鎖したブロックイソシアネート化合物などがあげら
れる。
ここで、(A)成分中の水酸基を有するアクリル樹脂
および/またはポリエステル樹脂が30重量%未満の場
合、生成塗膜の耐薬品性が低下するため、また、90重量
%を越える場合は、生成塗膜の耐水性が低下するため好
ましくない。
一方、本発明に用いる(B)成分の架橋重合体微粒子
は、(A)成分の水酸基を有する架橋されていないアク
リル樹脂および/またはポリエステル樹脂および水酸基
と反応し得る架橋剤からなる樹脂固形分混合物100重量
部に対して、1〜30重量部の範囲で添加され、また、
(C)成分の鎖状オリゴマーは1〜40重量部の範囲内で
添加される。ここで、架橋重合体微粒子が1重量部未
満、または鎖状オリゴマーが1重量部未満の場合、本発
明の効果を十分に発揮できないため好ましくない。ま
た、架橋重合体微粒子が30重量部を越えるか、または鎖
状オリゴマーが40重量部を越える場合は、粒子間相互作
用が強く働きすぎ、却って塗膜の平滑性が損なわれるこ
とがあるため好ましくない。
本発明の塗料組成物を塗料化するには、これら各成分
を通常の塗料製造に用いられる分散機器、例えばボール
ミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ニーダ
ー、ペイントシェイカー、ディゾルバー等を用いて、通
常の添加方法で混合することにより製造できる。このと
き、必要に応じて、顔料、染料、ガラスフレーク、アル
ミニウムフレーク等の着色剤の他、塗料に通常用いられ
る添加剤、例えば、顔料分散剤、粘度調節剤、レベリン
グ剤、硬化触媒、ゲル化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカ
ル捕捉剤などを加えることもできる。
以上のようにして得られた塗料は、通常の塗装方法、
たとえばエアスプレー塗り、エアレススプレー塗り、静
電塗り、浸し塗りなどによって通常の被塗物、例えば金
属やその他の無機材料、プラスチックやその他の有機材
料に塗装し、通常の焼付乾燥条件である60〜200℃の温
度で、0.5〜60分間の焼付乾燥時間で、優れた塗膜が得
られる。
(発明の効果) 以上のようにして得られた本発明の塗料組成物は、塗
料中で、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基および/
またはアミド基を表面に有する架橋重合体粒子同士が、
それらの基と水素結合を形成し得る基を有する鎖状オリ
ゴマーを仲立ちとして、効率よく「パールチェイン」構
造を形成するため、安定した流動調節作用を発揮するこ
とができる。従って、粒子同士が塊状に凝集しないため
塗膜表面は平滑であり、高極性溶剤を用いた際、あるい
は低粘度化した際にも有効に流動調節作用を発揮できる
ため、優れた外観品質の塗膜を安定して得ることができ
る。
(実施例) 次に、実施例、比較例によって本発明をさらに詳細に
説明する。なお、例中、部は重量部、%は重量%であ
る。
架橋重合体微粒子の製造 製造例A 界面活性剤水溶液 脱イオン水 380.0部 ラピゾールB90(注1) 5.5部 重合開始剤水溶液−1 脱イオン水 10.0部 過硫酸ナトリウム 0.3部 α,β−エチレン性不飽和単量体混合物 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 40.0部 ジビニルベンゼン(注2) 8.3部 スチレン 11.7部 n−ブチルメタクリレート 40.0部 重合開始剤水溶液−2 脱イオン水 10.0部 過硫酸ナトリウム 0.3部 (注1)ラピゾールB90(日本油脂(株)製、ジ2−エ
チルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムの商品名、有効
成分90%) (注2)ジビニルベンゼン(有効成分60%、残り40%は
エチレンビニルベンゼン) 撹拌装置、還流冷却器、滴下ロート(2本)、窒素導
入管および温度計を備えたフラスコに界面活性剤水溶液
を仕込み、窒素気流下80℃に昇温し重合開始剤水溶液−
1を加えた。再度80℃に昇温した後、フラスコ内の混合
物を80±2℃に保ちながらα,β−エチレン性不飽和単
量体混合物を3時間かけて滴下した。該単量体混合物の
滴下中、滴下開始1時間後から重合開始剤水溶液−2を
2時間で滴下した。α,β−エチレン性不飽和単量体お
よび重合開始剤水溶液−2の滴下終了後、さらに80℃で
2時間重合を行い重合体水系分散液A1を得た。得られた
重合体水系分散液の加熱残分および20℃、60rpmにおけ
るブルックフィールド型粘度計による粘度、およびパシ
フィックサイエンティフィック(Pacific Scientific)
社「ナイコンプ、モデル370」“NICOMP,Model 370"(商
品名)による平均粒径を第1表に示した。
次のこの重合体水系分散液A1、500部にメチルペンチ
ルケトン200部および3規定NaOH水溶液22.7部を仕込み8
5℃まで昇温し、85±2℃で3時間加水分解反応を行っ
た。次いで、温度を80℃まで下げ、3規定塩酸水溶液を
22.7部加えて中和した後、粒子分散安定化樹脂としてア
クリル樹脂Aの溶液(後出)を71.4部加え、10分間撹拌
した後、酢酸トリエチルアミン塩の20%水溶液(後出)
25部を加えて直ちに撹拌を止め静置すると、架橋重合体
微粒子の分散した有機層が上層に、下方には水層が分離
したので下層の水層を除去した。
残った架橋重合体微粒子の分散した有機層に脱イオン
水200部を加え、撹拌下70℃まで昇温し、70℃に至った
時点で酢酸トリエチルアミン塩の20%水溶液を12.5部加
え、直ちに撹拌を止め静置した。再度、架橋重合体微粒
子を分散した有機層が上層に、水層が下層に2層分離し
たので下層の水層を除去した。残った有機層中には、カ
ールフィッシャー水分計により2.6重量%の水分が残留
していた。
次に有機層の温度を50℃まで冷却し、オルト蟻酸メチ
ル70部を滴下ロートより30分間かけて滴下した後、50℃
で30分間反応を続け残存水を分解した。その後、キシレ
ン100部を加え還流冷却器とフラスコの間に新たにディ
ーンスタークトラップを装着し、還流冷却器上部とアス
ピレーターを結合し、加熱撹拌下フラスコ内を減圧状態
とし、300±100mmHg、80±10℃の条件下で265部の溶剤
を留去することによって、重合体非水分散液A2を得た。
得られた重合体非水分散液の加熱残分、20℃における
粘度、平均粒径、およびカールフィッシャー水分計によ
る水分量の測定値を第1表に示した。尚、重合体非水分
散液A2中の架橋重合体微粒子をA3と称す。
アクリル樹脂A 撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および
滴下ロートを備えた反応器にキシレン42部を仕込み、窒
素ガスを導入しながら加熱撹拌し、140℃になったとこ
ろで、下記に示す単量体成分と重合開始剤の混合液を、
140℃一定下で滴下ロートより2時間で等速滴下した。
n−ブチルメタクリレート 36.4部 2−エチルヘキシルメタクリレート 11.7部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 11.1部 アクリル酸 0.8部t−ブチルペルオキシベンゾエート 3.0部 合 計 63.0部 滴下後140℃で2時間保持した後、冷却して内容物を
取り出した。加熱残分60%、重量平均分子量6500。
酢酸トリエチルアミン塩の20%水溶液 脱イオン水80部に酢酸7.5部を溶解しておき、ここに
室温撹拌下でトリエチルアミン12.5部を30分間で添加す
ることにより調整した。
製造例B〜L 製造例Aと同様の装置を用い、第1表B〜Lの配合に
基づき、製造例Aと全く同様にして乳化重合および非水
系転換処理を行うことにより、それぞれ架橋重合体微粒
子B3〜L3を分散した重合体非水分散液B2〜L2を得た。た
だし、製造例I〜Lについては、粒子分散安定化樹脂と
してアクリル樹脂Aの溶液の代わりにポリエステル樹脂
Aの溶液(後出)を用いた。また、乳化重合後の重合体
水系分散液はB1〜L1、非水系転換後の重合体非水分散液
はB2〜L2、架橋重合体微粒子はB3〜L3と称した。
重合体水系分散液B1〜L1の加熱残分、20℃における粘
度、平均粒径および重合体非水分散液B2〜L2の加熱残
分、20℃における粘度、平均粒径、水分量をそれぞれ第
1表に示した。
ポリエステル樹脂A 撹拌装置、温度計、窒素導入管、および還流冷却器を
装着したディーンスタークトラップを備えたフラスコに
下記単量体を仕込み、窒素ガスを通しながら加熱撹拌し
200℃に昇温した。200℃一定下で酸価が10になるまで脱
水反応を行なった後反応を止めて冷却し、100℃になっ
たところでキシレン36部を加えて希釈、冷却して内容物
を取り出した。加熱残分60%、数平均分子量1500、樹脂
酸価10、水酸基価150であった。
ダイズ油脂肪酸 12.0部 イソフタル酸 18.0部 トリメチロールプロパン 16.6部 アジピン酸 7.2部ネオペンチルグリコール 6.2部 合 計 60.0部 注1)界面活性剤 (a)ラピゾールB90:前出 (b)シントレッキスL100(日本油脂(株)製、ラウリ
ル硫酸ナトリウムの商品名、有効分100%) (c)エアロゾルMA80(アメリカンサイアナミッド社
製、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムの商品名、有
効分80%) 注2)重合開始剤 (a)Na2S2O8(過硫酸ナトリウム) (b)K2S2O8 (過硫酸カリウム) (c)(NH42S2O8(過硫酸アンモニウム) 注3)α,β−エチレン性不飽和単量体 (a)成分 HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート HPMA:2−ヒドロキシプロピルメタリクレート AN :アクリロニトリル MAA :メタクリル酸 (b)成分 DVB :ジビニルベンゼン(有効分60%) EGDM:エチレングリコールジメタクリレート 1,6−HDDM:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート DEGDM:ジエチレングリコールジメタクリレート TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート (c)成分 St :スチレン BMA :n−ブチルメタクリレート EHMA :2−エチルヘキシルメタクリレート MMA :メチルメタクリレート CHMA :シクロヘキシルメタクリレート 注4)JIS K 5400 8.2加熱残分による。
注5)ブルックフィールド型粘度計にて測定。
60 rpm,20℃ 注6)パシフィックサイエンティフィック社製 “ナイコンプ、モデル370"(商品名)にて測定 注7)三菱化成工業(株)製、KF−05型水分計により測
定 実施例1〜8 2コート1ベークメタリックへの応用 (A)ベースコート塗料の製造 重合体非水分散液A2〜H2を用いて第2表の組成で塗料
を製造し、シンナー(トルエン/n−ブチルアルコール=
8/2重量比)で塗装粘度(フォードカップNo.4,20℃で14
秒)に希釈した。
(B)クリヤー塗料の製造 重合体非水分散液A2〜H2を用いて第3表の組成で塗料
を製造し、シンナー(キシレン/n−ブチルアルコール=
9/1重量比)で塗装粘度(フォードカップNo.4,20℃で18
秒)に希釈した。
(a)PEG 300 :日本油脂(株)製、ポリエチレングリ
コール300(数平均分子量300のポリエチレングリコー
ル、有効分100%)を示す。
(b)PEG2000 :日本油脂(株)製、ポリエチレングリ
コール2000(数平均分子量2000のポリエチレングリコー
ル、有効分100%)を示す。
(c)D700 :日本油脂(株)製、ユニオールD700
(数平均分子量700のポリプロピレンジオール、有効分1
00%、商品名)を示す。
(d)TG1000 :日本油脂(株)製、ユニオールTG1000
(数平均分子量1000のポリプロピレントリオール、有効
分100%、商品名)を示す。
(e)P−208 :ダイセル化学工業(株)製、プラク
セル208(数平均分子量850のポリカプロラクトンジオー
ル、有効分100%:商品名)を示す。
(f)P−305 :ダイセル化学工業(株)製、プラク
セル305(数平均分子量550のポリカプロラクトントリオ
ール、有効分100%、商品名)を示す。
(g)K−フレックス188:キング社製、エステルジオー
ル、有効分96%、商品名 (h)UD320 :キング社製、フレキソレッツUD320(ウ
レタンジオール、水酸基価350、有効分100%、商品名)
を示す。
5)アルペースト7160N(東洋アルミニウム(株)製、
アルミニウム顔料の商品名、加熱残分65%) 6)PTSA溶液:p−トルエンスルホン酸の20%イソプロピ
ルアルコール溶液 (c)塗膜の作成 リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.4
200(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚20μmと
なるよう電着塗装して175℃で25分間焼付け、さらに中
塗塗料エピコNo.1500CPシーラー(商品名、日本油脂
(株)製)を乾燥膜厚40μmとなるようにエアスプレー
塗装し、140℃で30分間焼付けた試験板に、上記第2表
のベースコート塗料1(A)〜8(A)をそれぞれエア
スプレーにて、インターバル1分3秒、2ステージで乾
燥膜厚15μmになる様に塗装し、20℃で3分間セット
後、上記第3表のクリヤーコート塗料1(B)〜8
(B)をエアスプレー塗装し、垂直に立てたまま140℃
で30分間焼付けした。
いずれの塗膜もメタルむらが認められず、それぞれ第
7表に示す膜厚までタレが認められず、第7表記載の塗
膜外観値のごとく優れた外観品質の塗膜が得られた。
実施例9〜12 1コートソリッドへの応用 (A)塗料の製造 重合体非水分散液I2〜L2を用いて第4表の配合中、架
橋剤を除いてペイントシェイカーに仕込み、粒度が10μ
m以下になるまで分散した。実施例9,10では架橋剤を仕
込んで撹拌し1液型の塗料とし、実施例11,12ではその
まま2液型の塗料とした。
1)前出 2)コロネートEH:日本ポリウレタン工業(株)製、ヘ
キサメチレンジイソシアネート3量体の商品名、(イソ
シアネート基21%、加熱残分100%) 3)鎖状オリゴマー (a)PEG600:日本油脂(株)製、ポリエチレングリコ
ール600(数平均分子量600のポリエチレングリコール、
有効分100%)を示す。
(b)P−308 :ダイセル化学工業(株)製、プラクセ
ル308(数平均分子量850のポリカプロラクトントリオー
ル、有効分100%、商品名)を示す。
(c)K−フレックス188:前出 (d)UP−14−4:オート化学工業(株)製、ウレタンジ
オールUP−14−4(ウレタンジオール、有効分100%、
商品名)を示す。
(B)塗膜の作成 第4表の組成の塗料をシンナー(キシレン/酢酸エチ
ル=9/1重量比)で塗装粘度(フォードカップNo.4,20℃
で20秒)に希釈した。ただし、実施例11,12について、
希釈直前にコロネートEHを添加混合した。
そして、実施例1〜8と同様にして電着塗膜及び中塗
塗膜を作成した試験板に、エアスプレー塗装し、実施例
1〜8の同様の方法にて乾燥させることによって、それ
ぞれ第7表に示す膜厚までタレが認められず、第7表記
載の塗膜外観値のごとく優れた外観品質の塗膜が得られ
た。
比較製造例M(架橋重合体微粒子の製造) (a)α,β−エチレン性不飽和単量体の製造 撹拌機、温度計、還流冷却器をつけたディーンスター
クトラップ、窒素ガス通入管を備えた四つ口フラスコに
12−ヒドロキシステアリン酸1500部を入れ、窒素ガスを
吹き込みながら昇温し、200℃の温度で撹拌し酸価が39
になったところで反応を終了し、放冷後159部のキシレ
ンを加え加熱残分90%の12−ヒドロキシステアリン酸5
モル縮合体溶液を得た。尚、この反応において72部の水
が脱離された。次いで、この12−ヒドロキシステアリン
酸5モル縮合体溶液を用いて下記組成の混合物を、撹拌
機、温度計、還流冷却器、窒素ガス通入管をつけた四つ
口フラスコ中で120℃の温度で撹拌し、加熱残分酸価が
1.0以下になるまでエステル化反応させ、加熱残分80%
のα,β−エチレン性不飽和単量体溶液を得た。
12−ヒドロキシステアリン酸5モル縮合体溶液 1586.67部 グリシジルメタクリレート 142.00部 N,N−ジメチルベンジルアミン 3.93部 ハイドロキノン 1.96部 キシレン 227.94部 (b)両親媒性分散安定剤の製造 次に、撹拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロート
を備えた四つ口フラスコに405.0部の酢酸エチル及び20
3.4部の酢酸n−ブチルを入れ撹拌しながら還流した。
次いで還流下で下記組成の混合物を一定の添加速度で3
時間かけて添加し、更に2時間還流することによって、
加熱残分33%の両親媒性分散安定剤溶液を得た。
前記(a)のα,β−エチレン性不飽和単量体溶液 275.0部 メチルメタクリレート 104.5部 アクリル酸 5.5部 アゾジイソブチロニトリル 6.6部 (c)重合体非水分散液の製造 撹拌機、還流冷却器、および返送凝縮物に液体供給物
を加える装置を備えた四つ口フラスコに下記組成の混合
物を装入した。
ミネラルスピリット 1588.0部 ヘキサン 389.0部 ヘプタン 2080.2部 メチルメタクリレート 236.4部 アゾジイソブチロニトリル 18.7部 上記(b)の両親媒性分散安定剤溶液 88.1部 上記内容物を100℃に昇温し、還流下で1時間保持し
た。次に下記成分を予備混合した後、凝縮器から返送す
る炭化水素中に、一定の添加速度で6時間かけて添加し
た。
メチルメタクリレート 4491.8部 メタクリル酸 45.8部 グリシジルメタクリレート 45.8部 アゾジイソブチロニトリル 60.2部 上記(b)の両親媒性分散安定剤溶液 945.3部 ただし、添加の最後の1時間に3.3部のトリエチレン
ジアミンを上記添加混合物中に追加混合した。添加の完
了後、反応混合物を還流下で3時間保持することによっ
て、平均粒径が200nmの重合体粒子を31.2%含む加熱残
分52%の重合体非水分散液を得た。
(d)補助重合体での粒子の改質 上記工程(c)の装置を備えた四つ口フラスコに下記
成分を装入し、還流温度(115℃)に加熱した。
上記(c)の重合体非水分散液 4747.1部 エチルシクロヘキサン 1638.2部 次に、下記成分を予備混合した後、凝縮器から返送さ
れる炭化水素に一定の添加速度で3時間かけて添加し
た。
メチルメタクリレート 334.2部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 190.6部 メタクリル酸 49.6部 ブチルメタクリレート 369.1部 2−エチルヘキシルアクリレート 381.2部 スチレン 571.2部 t−ブチルペルオキシベンゾエート 90.6部 オクチルメルカプタン 84.7部 上記(b)の両親媒性分散安定剤溶液 149.5部 添加完了後、反応混合物を2時間還流した後、次の溶
剤混合物を加えることにより、架橋重合体微粒子M3を25
%含む加熱残分45%の重合体非水分散液M2を得た。
n−ブチルアルコール 559.0部 キシレン 372.3部 酢酸ブチル 462.7部 比較製造例N(架橋重合体微粒子の製造) エアロゾル18(アメリカンサイアナミッド社製、N−オ
クタデシル−スルホコハク酸ジナトリウムの商品名)3.
00 部 エアロゾルAY65(アメリカンサイアナミッド社製、ジア
ミル−スルホコハク酸ナトリウムの商品名) 1.50 部 重炭酸ナトリウム 0.25 部 脱イオン水(第1) 39.75 部 過硫酸アンモニウム 0.25 部 脱イオン水(第2) 7.25 部 スチレン 11.975部 n−ブチルメタクリレート 11.050部 2−エチルヘキシルアクリレート 9.125部 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 11.050部 アクリル酸 0.95 部 トリメチロールプロパントリアクリレート 3.85 部 還流冷却器、温度計及び撹拌器を備えた5つ口フラス
コに、エアロゾル18、エアロゾルAY65、重炭酸ナトリウ
ム及び第1の脱イオン水を装入した。過硫酸アンモニウ
ム及び第2の脱イオン水を予備混合し、小さな滴下ロー
トに入れた。スチレン、n−ブチルメタクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、アクリル酸、トリメチロールプロパ
ントリアクリレートを予備混合し、別の滴下ロートに入
れた。フラスコ内混合物を87±2℃に加熱し、そのとき
に過硫酸アンモニウム溶液の10%を添加した。α,β−
エチレン性不飽和単量体を2時間30分で連続的にフラス
コに等速滴下し、同時に残りの過硫酸アンモニウム溶液
を3時間で連続的に等速滴下した。過硫酸アンモニウム
溶液を滴下後、室温に冷却し、重合体水系分散液N1を取
り出した。この分散液の加熱残分は48.2%、平均粒径は
153nmであった。
次に以下の操作を行うことにより、重合体水系分散液
N1を非水系に転換した。
n−ブチルアルコール 17.60部 酢酸セロソルブ 17.60部 重合体水系分散液N1 11.37部 t−ブチル−2−エチルヘキサノエート 0.71部 (ミネラルスピリット中50%溶液) プレミックスI プレミックスII 追加触媒 還流冷却器、ディンスタークトラップ、温度計及び撹
拌器を備えた5つ口フラスコにn−ブチルアルコール、
酢酸セロソルブ、重合体水系分散液及びt−ブチル−2
−エチルヘキサノエートを装入した。スチレン、n−ブ
チルメタクリレート及びn−ドデシルメルカプタンを予
備混合し滴下ロートに入れた。(プレミックスI)2−
エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、アクリル酸及びt−ブチル−2−エチルヘ
キサノエートを予備混合し、第2の滴下ロートに入れ
た。(プレミックスII)溶剤、重合体水系分散液及びt
−ブチル−2−エチルヘキサノエートを95℃まで加熱し
還流した。その後プレミックスI及びIIを同時に連続的
に4時間で等速滴下した。α,β−エチレン性不飽和単
量体添加の間、重合体水系分散液から水を共沸蒸留によ
り、ディーンスタークトラップから連続的に除去した。
プレミックスI及びIIの滴下後、直ちにt−ブチル−2
−エチルヘキサノエート及び酢酸セロソルブの混合物を
1時間で等速滴下した。理論量の水が全部除かれるまで
還流した後、冷却し、重合体非水分散液N2を得た。この
重合体非水分散液は、樹脂との合計加熱残分に対して11
%の架橋重合体微粒子N3を含み、特性は平均粒径170n
m、加熱残分56.2%、粘度T及び加熱残分の酸価17.5で
あった。
比較例1〜5 (A)ベースコート塗料の製造 重合体非水分散液C2,M2及びN2を用いて第5表の組成
で塗料を製造し、シンナー(トルエン/n−ブチルアルコ
ール=8/2重量比)で塗装粘度(フォードカップNo.4、2
0℃で14秒)に希釈した。
(B)クリヤー塗料の製造 重合体非水分散液C2,M2及びN2を用いて第6表の組成
で塗料を製造し、シンナー(キシレン/n−ブチルアルコ
ール=9/1重量比)で塗装粘度(フォードカップNo.4,20
℃で18秒)に希釈した。
(C)塗膜の作成 実施例1〜8と同様にして電着塗膜及び中塗塗膜を作
成した試験板に、上記のベースコート塗料1(A)〜5
(A)及びクリヤー塗料1(B)〜5(B)を実施例1
(B)〜5(B)と同様の方法で塗装、乾燥させること
によって、それぞれ第8表に示すタレ限界膜厚及び塗膜
外観値を有する塗膜が得られた。
すなわち、比較例1は、ベースコート及びクリヤー共
に架橋重合体微粒子が樹脂固形分混合物100重量部に対
し1重量部未満の場合であり、また比較例2は、クリヤ
ー中に架橋重合体微粒子間を相互に水素結合を形成して
連結できる基を有する鎖状オリゴマーを含有しない場合
であり、いずれの場合も流動調節作用が不十分であるた
めタレ限界膜厚が実施例3に比べ低く、かつ塗膜外観性
も劣った。さらに、比較例3は、ベースコートにおいて
架橋重合体微粒子が樹脂固形分混合物100重量部に対し3
0重量部を越え、クリヤーにおいて架橋重合体微粒子間
を相互に水素結合を形成して連結できる基を有する鎖状
オリゴマーが40重量部を越える場合であり、流動調節作
用が大きくなりすぎ、却って塗膜外観性が低下した。
一方比較例4は、特開昭53−133233号公報に基づく方
法であり、本発明よりタレ限界膜厚が低く、アルミ配向
性に劣り、又、架橋重合体微粒子が塗膜中で凝集したた
め塗膜表面の凹凸が激しくなり塗膜外観性の点で不十分
であった。また、比較例5は、米国特許第4598111号公
報に基づく方法であり、本発明のような低粘度下で塗装
された場合には、十分な流動調節作用を発揮できなかっ
たため、タレ限界膜厚、塗膜外観性共に劣った。
1)タレ限界膜厚:2コート1ベークメタリックではクリ
ヤーのタレが発生する直前の膜厚 2)アルミ配向性: 良好−アルミニウム顔料の配向性にムラが全く認められ
ない。
やや不良−アルミニウム顔料の配向性に少しムラが認め
られる。
不良−アルミニウム顔料の配向性にムラが顕著に認めら
れる。
3)20°光沢: 20度−20度鏡面光沢度 4)D/I値: 塗膜の鮮映性を示す値(ハンター社ドリゴン変角光沢
計D47R−6Fにより測定)。D/I値の大きい塗膜ほど鮮映
性に優れる。
5)中心線平均粗さ: 塗膜の表面粗さを示す値(東京精密(株)製、サーフ
コム544Aにより測定。カットオフ値0.8mm)。数値の小
さい塗膜ほど平滑。
6)アクリル樹脂M(d) 比較製造例M(d)で粒子の改質のために合成した補
助重合体 7)アクリル樹脂N 比較製造例Nで重合体非水分散液N2の製造時に合成し
たアクリル樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 201/00 C09D 201/00 (56)参考文献 特開 昭60−92365(JP,A) 特開 昭58−113258(JP,A) 特開 平1−172464(JP,A) 特開 平1−501869(JP,A) 特開 昭59−93762(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)水酸基を有するアクリル樹脂および
    ポリエステル樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1
    種の架橋されていない樹脂30〜90重量%、およびアミノ
    樹脂およびポリイソシアネート化合物よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の化合物10〜70重量%からなる樹
    脂組成物100重量部に対して、 (B)架橋重合体微粒子として (a)水酸基、カルボキシル基、ニトリル基およびアミ
    ド基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を有す
    るα,β−エチレン性不飽和単量体1〜50重量%、 (b)多官能α,β−エチレン性不飽和単量体2〜80重
    量%、および (c)上記(a)および(b)以外のα,β−エチレン
    性不飽和単量体20〜97重量% を成分とする乳化重合生成物1〜30重量部及び (C)1分子中に2個以上の末端水酸基を有し、かつ数
    平均分子量が200〜3000の範囲内にある上記(A)の樹
    脂とは異なる鎖状オリゴマー1〜40重量部を含有するこ
    とを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】鎖状オリゴマーが1分子中に更に4個以上
    のエーテル結合を有するものである請求項1記載の塗料
    組成物。
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