JPH0757536A - セラミックコンデンサ用誘電体材料 - Google Patents
セラミックコンデンサ用誘電体材料Info
- Publication number
- JPH0757536A JPH0757536A JP5162062A JP16206293A JPH0757536A JP H0757536 A JPH0757536 A JP H0757536A JP 5162062 A JP5162062 A JP 5162062A JP 16206293 A JP16206293 A JP 16206293A JP H0757536 A JPH0757536 A JP H0757536A
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- JP
- Japan
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- dielectric material
- ceramic capacitor
- metal oxide
- temperature
- average particle
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 低温で焼成しても広い温度範囲にわたってセ
ラミックコンデンサの誘電率の変化率を小さくできる。 【構成】 チタン酸バリウムを主成分とし、これに添加
される副成分として金属酸化物を含むセラミックコンデ
ンサ用誘電体材料において、金属酸化物の平均粒径が
0.2μm以下であることを特徴とする。
ラミックコンデンサの誘電率の変化率を小さくできる。 【構成】 チタン酸バリウムを主成分とし、これに添加
される副成分として金属酸化物を含むセラミックコンデ
ンサ用誘電体材料において、金属酸化物の平均粒径が
0.2μm以下であることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックコンデン
サ、特に積層セラミックコンデンサの出発原料に適する
誘電体材料に関するものである。
サ、特に積層セラミックコンデンサの出発原料に適する
誘電体材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高誘電率で温度特性の良好な積層
セラミックコンデンサ用の誘電体材料として、主成分の
チタン酸バリウム(BaTiO3)にマグネシウム(M
g)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、ニオブ(N
b)等の金属の酸化物を副成分として添加したものが用
いられている。副成分の金属酸化物は所定の温度で焼成
することによってチタン酸バリウムの粒界に拡散し、コ
ア・セル構造を形成する。この粒界は低温側にキュリー
点を有するため、チタン酸バリウムの温度特性を平坦に
する働きを有する。
セラミックコンデンサ用の誘電体材料として、主成分の
チタン酸バリウム(BaTiO3)にマグネシウム(M
g)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、ニオブ(N
b)等の金属の酸化物を副成分として添加したものが用
いられている。副成分の金属酸化物は所定の温度で焼成
することによってチタン酸バリウムの粒界に拡散し、コ
ア・セル構造を形成する。この粒界は低温側にキュリー
点を有するため、チタン酸バリウムの温度特性を平坦に
する働きを有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、焼成温度が高
すぎると、粒界層が成長し過ぎてコア・セル構造が崩
れ、誘電体の温度特性が悪くなるため、出来るだけ低温
で焼成が行われているが、焼成温度が低すぎると、焼結
及び拡散反応が遅くなるため密度及び温度特性等にばら
つきが生じることが知られている。そのため、低温で焼
成した場合においても、密度及び温度特性にばらつきの
ない安定した焼成体を得ることのできる誘電体材料の出
現が望まれていた。
すぎると、粒界層が成長し過ぎてコア・セル構造が崩
れ、誘電体の温度特性が悪くなるため、出来るだけ低温
で焼成が行われているが、焼成温度が低すぎると、焼結
及び拡散反応が遅くなるため密度及び温度特性等にばら
つきが生じることが知られている。そのため、低温で焼
成した場合においても、密度及び温度特性にばらつきの
ない安定した焼成体を得ることのできる誘電体材料の出
現が望まれていた。
【0004】本発明の目的は、低温で焼成しても広い温
度範囲にわたってセラミックコンデンサの誘電率の変化
率を小さくすることのできるセラミックコンデンサ用誘
電体材料を提供することにある。
度範囲にわたってセラミックコンデンサの誘電率の変化
率を小さくすることのできるセラミックコンデンサ用誘
電体材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のセラミックコンデンサ用誘電体材料は、チ
タン酸バリウムを主成分とし、これに添加される副成分
として平均粒径が0.2μm以下である金属酸化物を含
むことを特徴とする。
に、本発明のセラミックコンデンサ用誘電体材料は、チ
タン酸バリウムを主成分とし、これに添加される副成分
として平均粒径が0.2μm以下である金属酸化物を含
むことを特徴とする。
【0006】以下、本発明を詳述する。本発明におい
て、主成分のチタン酸バリウムに添加される副成分の金
属酸化物は、従来から使用されているCoO,Nb
2O5,MgO,ZnO,Al2O3,SiO2,及びMn
O等が単独又は組合わされて使用される。金属酸化物の
平均粒径が0.2μmを越えると、この誘電体材料の成
形物を焼成して得られる焼結体の密度が低下し、かつそ
の密度のばらつきが大きくなるため、平均粒径は0.2
μm以下に限定される。
て、主成分のチタン酸バリウムに添加される副成分の金
属酸化物は、従来から使用されているCoO,Nb
2O5,MgO,ZnO,Al2O3,SiO2,及びMn
O等が単独又は組合わされて使用される。金属酸化物の
平均粒径が0.2μmを越えると、この誘電体材料の成
形物を焼成して得られる焼結体の密度が低下し、かつそ
の密度のばらつきが大きくなるため、平均粒径は0.2
μm以下に限定される。
【0007】チタン酸バリウムの平均粒径は好ましくは
0.3〜3μmである。0.3μmより少さくなると、
温度特性が悪くなり、3μmより大きくなると焼結温度
が高くなる。
0.3〜3μmである。0.3μmより少さくなると、
温度特性が悪くなり、3μmより大きくなると焼結温度
が高くなる。
【0008】本発明のセラミックコンデンサ用誘電体材
料を調製するには先ずチタン酸バリウムの粉末及び金属
酸化物の粉末を所定の割合となるように秤量し、湿式ボ
ールミル等を用いて十分に混合する。次いでこの混合物
を脱水し乾燥した後、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルブチラール等のバインダを加えて、顆粒を作り、これ
を所定の形状にプレス成形した後、焼成を行う。この焼
成は1250〜1300℃程度の温度範囲で0.5〜数
時間程度行う。
料を調製するには先ずチタン酸バリウムの粉末及び金属
酸化物の粉末を所定の割合となるように秤量し、湿式ボ
ールミル等を用いて十分に混合する。次いでこの混合物
を脱水し乾燥した後、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルブチラール等のバインダを加えて、顆粒を作り、これ
を所定の形状にプレス成形した後、焼成を行う。この焼
成は1250〜1300℃程度の温度範囲で0.5〜数
時間程度行う。
【0009】
【作用】本発明の誘電体材料を常法に基づいて成形し、
焼成して焼結体の誘電率の温度変化を調べると、広い温
度範囲にわたってその変化率が小さくなる。これは副成
分として添加する金属酸化物の平均粒径が0.2μm以
下と小さいため、主成分のチタン酸バリウムと速やかに
反応し、組成がより均質で、かつ厚さが一定な粒界層を
形成するためと考えられる。また金属酸化物の平均粒径
を0.2μm以下にすることにより、焼結体の密度が大
きくなり、かつその密度のばらつきは小さくなる。
焼成して焼結体の誘電率の温度変化を調べると、広い温
度範囲にわたってその変化率が小さくなる。これは副成
分として添加する金属酸化物の平均粒径が0.2μm以
下と小さいため、主成分のチタン酸バリウムと速やかに
反応し、組成がより均質で、かつ厚さが一定な粒界層を
形成するためと考えられる。また金属酸化物の平均粒径
を0.2μm以下にすることにより、焼結体の密度が大
きくなり、かつその密度のばらつきは小さくなる。
【0010】
【実施例】次に本発明の具体的態様を示すために、本発
明の実施例を説明する。以下に述べる実施例は本発明の
技術的範囲を限定するものではない。 <実施例>出発原料としてBaTiO3(平均粒径0.
5μm),CoO(平均粒径0.2μm)及びNb2O5
(平均粒径0.2μm)を使用し、これらをBaTiO
397モル%−Nb2O52モル%−CoO1モル%の配
合比となるように秤量し、ボールミル中で純水とともに
24時間湿式混合した。次いでこの混合物を脱水し約1
20℃で乾燥した。
明の実施例を説明する。以下に述べる実施例は本発明の
技術的範囲を限定するものではない。 <実施例>出発原料としてBaTiO3(平均粒径0.
5μm),CoO(平均粒径0.2μm)及びNb2O5
(平均粒径0.2μm)を使用し、これらをBaTiO
397モル%−Nb2O52モル%−CoO1モル%の配
合比となるように秤量し、ボールミル中で純水とともに
24時間湿式混合した。次いでこの混合物を脱水し約1
20℃で乾燥した。
【0011】得られた粉末に有機バインダとしてポリビ
ニルアルコール水溶液を加え、成形圧力約200kgf
/cm2で直径15mm、厚さ0.5mmの円板に加圧
成形した。この成形物を1280℃の温度で2時間焼成
した。得られた円板形状の誘電体の両面に銀電極を70
0〜800℃の温度で焼付けて平行平板コンデンサを得
た。このコンデンサの温度による容量変化率(誘電率の
変化率)及び円板形状の誘電体(焼結体)の密度を調べ
た。前者の結果を図1に、後者の結果を表1にそれぞれ
示す。なお、容量変化率(誘電率の変化率)はYHPデ
ジタルLCRメータモデル4274Aを用い、測定周波
数1kHz、測定電圧1.0Vrms、−55℃〜12
5℃の温度範囲にて測定した。
ニルアルコール水溶液を加え、成形圧力約200kgf
/cm2で直径15mm、厚さ0.5mmの円板に加圧
成形した。この成形物を1280℃の温度で2時間焼成
した。得られた円板形状の誘電体の両面に銀電極を70
0〜800℃の温度で焼付けて平行平板コンデンサを得
た。このコンデンサの温度による容量変化率(誘電率の
変化率)及び円板形状の誘電体(焼結体)の密度を調べ
た。前者の結果を図1に、後者の結果を表1にそれぞれ
示す。なお、容量変化率(誘電率の変化率)はYHPデ
ジタルLCRメータモデル4274Aを用い、測定周波
数1kHz、測定電圧1.0Vrms、−55℃〜12
5℃の温度範囲にて測定した。
【0012】<比較例>平均粒径0.2μmの代わりに
平均粒径0.5μmのNb2O5及びCoOを使用したこ
とを除いては、実質的に実施例の方法と同じ方法を繰り
返した。得られた平行平板コンデンサの温度による容量
変化率(誘電率の変化率)及び円板形状の誘電体(焼結
体)の密度を実施例と同様に調べた。前者の結果を図1
に、後者の結果を表1にそれぞれ示す。
平均粒径0.5μmのNb2O5及びCoOを使用したこ
とを除いては、実質的に実施例の方法と同じ方法を繰り
返した。得られた平行平板コンデンサの温度による容量
変化率(誘電率の変化率)及び円板形状の誘電体(焼結
体)の密度を実施例と同様に調べた。前者の結果を図1
に、後者の結果を表1にそれぞれ示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1より明かなように、実施例の焼結体の
平均密度は、比較例の焼結体の平均密度よりも大きく、
かつその密度のばらつき(標準偏差)は比較例よりも実
施例の方が小さいことが判る。また図1より明かなよう
に、比較例の容量変化率が温度によって大きく変動する
のに対して、実施例の容量変化率は広い温度範囲にわた
って小さいことが判る。
平均密度は、比較例の焼結体の平均密度よりも大きく、
かつその密度のばらつき(標準偏差)は比較例よりも実
施例の方が小さいことが判る。また図1より明かなよう
に、比較例の容量変化率が温度によって大きく変動する
のに対して、実施例の容量変化率は広い温度範囲にわた
って小さいことが判る。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、添
加物の金属酸化物の平均粒径を0.2μm以下にするこ
とにより、この誘電体材料の成形物を焼成して得られる
焼結体の密度が大きく、かつその密度のばらつきが小さ
くなる。このため、この誘電体材料を用いれば、広い温
度範囲にわたって誘電率の変化率が小さいセラミックコ
ンデンサを得ることができる。
加物の金属酸化物の平均粒径を0.2μm以下にするこ
とにより、この誘電体材料の成形物を焼成して得られる
焼結体の密度が大きく、かつその密度のばらつきが小さ
くなる。このため、この誘電体材料を用いれば、広い温
度範囲にわたって誘電率の変化率が小さいセラミックコ
ンデンサを得ることができる。
【図1】本発明実施例の誘電体材料及び比較例の誘電体
材料から製造されたセラミックコンデンサ容量変化率
(誘電率の変化率)と温度との関係を示す図。
材料から製造されたセラミックコンデンサ容量変化率
(誘電率の変化率)と温度との関係を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 チタン酸バリウムを主成分とし、これに
添加される副成分として金属酸化物を含むセラミックコ
ンデンサ用誘電体材料において、 前記金属酸化物の平均粒径が0.2μm以下であること
を特徴とするセラミックコンデンサ用誘電体材料。 - 【請求項2】 金属酸化物はCoO,Nb2O5,Mg
O,ZnO,Al2O3,SiO2,及びMnOから選ば
れた少なくとも1種である請求項1記載のセラミックコ
ンデンサ用誘電体材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5162062A JPH0757536A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | セラミックコンデンサ用誘電体材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5162062A JPH0757536A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | セラミックコンデンサ用誘電体材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0757536A true JPH0757536A (ja) | 1995-03-03 |
Family
ID=15747371
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5162062A Withdrawn JPH0757536A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | セラミックコンデンサ用誘電体材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0757536A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11512866A (ja) * | 1995-09-27 | 1999-11-02 | モトローラ・インコーポレイテッド | ハイブリッド・エネルギ蓄積システム |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP5162062A patent/JPH0757536A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11512866A (ja) * | 1995-09-27 | 1999-11-02 | モトローラ・インコーポレイテッド | ハイブリッド・エネルギ蓄積システム |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000905 |