JPH0757065B2 - 位相弁別方法 - Google Patents

位相弁別方法

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JPH0757065B2
JPH0757065B2 JP28441988A JP28441988A JPH0757065B2 JP H0757065 B2 JPH0757065 B2 JP H0757065B2 JP 28441988 A JP28441988 A JP 28441988A JP 28441988 A JP28441988 A JP 28441988A JP H0757065 B2 JPH0757065 B2 JP H0757065B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、位相弁別方法、特に系統の電気量を周期的に
サンプリングして、A/D変換後に数値演算を行うデジタ
ル形保護リレー用の位相弁別方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、この種の方法として、第3図に示すものがある。
第3図は例えば電気協同研究第41巻第4号第47頁第(4
・22)式に示されるもので、30゜毎にサンプリングされ
たデータにより、一方の電圧V1と他方の電圧V2の位相差
が90゜以下であるか否かを判定するフローチャートを示
したものである。本方式では、弁別位相が90゜である点
からcos90゜=0となり、V1、V2の大きさにより判定条
件が変化しないため非常にシンプルなものとなってい
る。
なお、本説明中サンプリングタイミングとしては一般的
デジタルリレーで使用されている30゜を使用する。また
tに対しt−3は90゜前データを意味し、V1、V2は大き
さ、v1、v2は瞬時値(サンプル値)を示す。
図中、v1tとv2tの乗算手段(1)、v1t−3とv
2t−3の乗算手段(2)、乗算手段(1)、(2)の出
力の加算手段(3)、加算手段(3)の出力の判定手段
(4)が示されている。
次に動作について説明する。
1t=V1sinωt、v2t=V2sin(ωt−θ)とすると、
1t−3=V1sin(ωt−90゜)、v2t−3=V2sin(ω
t−990゜−θ)となる。ここで乗算手段(1)の出力
は、V1V2sinωtsin(ωt−θ)、乗算手段(2)の出
力はV1V2sin(ωt−90゜)sin(ωt−90゜−θ)とな
り、加算手段(3)の出力は V=V1V2{sinωtsin(ωt−θ)+sin(ωt−90゜)sin(ωt−90゜−
θ)}=V1V2cosθ [なぜならsin(ωt−90゜) =−cosωt,sin(ωt−90゜−θ) =−cos(ωt−θ)であるからである] よって、θ>90゜ではV<0、θ<90゜ではV>0
となり、判定手段(4)によりθの判定による位相弁別
が可能となる。
ところが、本方式によると、θ=90゜以外の位相弁別に
おいては、V1V2の値によりV1・V2cosθの値が変化する
ため、フローチャートはもう少し複雑な形となる。
この構成を第4図に示す。第4図においてv1t +v
1t−3 の演算手段(5)、V2t +V2t−3 の演算
手段(6)、演算手段(5)、(6)の出力の積を得る
乗算手段(7)及び乗算手段(7)の出力の平方根をと
る演算手段(8)が余分に設けられ、演算手段(7)の
出力にcosθで決まる弁別値を乗じたものと加算手段
(4)の出力を比較判定する判定手段(9)が設けられ
ている。
次に動作について説明する。弁別する位相差θ=90゜
以外の場合には、加算手段(4)の出力V=V1V2cos
θについてcosθの大きさのみを抽出して判定する必要
があるが、一般にV1V2cosθ/V1V2=cosθとして cosθと比較判定する方式は除算が入るため、誤差が
増大するので、比較判定数cosθに対し、V1、V2の大
きさを乗じ、加算手段(4)の出力V1V2cosθとV1V2cos
θとを比較するのが普通である。第4図において、演
算手段(5)、(6)は各々入力V1t、V2tに対し、V1
2=v1t +v1t+3 2, V2 2=v2t +v2t−3 [なぜなら、sin2ωt+sin2(ωt−90゜) =sin2ωt+cos2ωt =1であるからである] により大きさを求めている。この大きさは2乗値となっ
ているため、乗算手段(7)により積V1 2・V2 2を求めた
後、演算手段(8)により平行方根√V1 2V2 2=V1V2を求
めてから、判定手段(9)により加算手段(4)の出力
が比較判定数cosθに対し、V1V2cosθ>V1V2cosθ
の比較判定を行う。
[発明が解決しようとする課題] 従来の位相弁別方法は、以上のように構成されていたの
で、弁別すべき位相角θ=90゜以外の判定の場合は、
平方根演算を行わなければならず、演算処理時間が多く
かかり、他の方法として、別の振幅値演算を行ったとし
ても、余分な処理時間が必要となり、デジタルリレーの
CPU負担が大きく、リレー収納要素数が制約される等の
問題があった。
この発明は、かかる問題点を解決することを課題として
なされたもので、平方根演算をすることなく位相弁別す
ることができる方法を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る位相弁別方法は、一方の電気量と他方の
電気量との2つの電気量についてサイン演算を行う過程
と、同様にコサイン演算を行う過程と、弁別すべき値の
サイン値と前記コサイン演算値との積から、弁別すべき
値と前記のサイン演算値の絶対値との積を減算した値が
正か負かを判別して、位相角が弁別値より大であるか小
であるかを判定する過程とを有するものである。
[作用] この発明によれば、平方根演算することなしに位相弁別
が達成されるので、デジタルリレーのCRU負担が軽減さ
れる。
[実施例] 次に、第1図及び第2図a〜第2図cに示すこの発明の
一実施例によって、この発明を更に詳細に説明する。
第1図に示すフローチャートにおいて、v1tとv2t−3
の乗算手段(10)、v1t−3とv2tとの乗算手段(1
1)、乗算手段(10)の解と乗算手段(11)の解とを減
算する減算手段(12)、減算手段(12)の絶対値をとる
演算手段(13)、加算手段(3)の出力に弁別値θ
り求まるsinθを乗する乗算手段(14)、演算手段(1
3)の出力に弁別値θより求まるcosθを乗する乗算
手段(15)及び乗算手段(14)の解から乗算手段(15)
の解を減算した結果が正か否かを判定する判定手段(1
6)が示されている。また、第2図a〜第2図cは本発
明による乗算手段(14)と乗算手段(15)の出力の関係
を弁別値θについて示した図である。
第1図において、乗算手段(10)の出力解は、V1、V2si
nωt・sin(ωt−90゜−θ)、 乗算手段(11)の出力解は、V1V2sin(ωt−90゜)sin
(ωt−θ)であるので、サイン演算値である減算手段
(12)の出力解は、 V=V1V2{sinωt・sin(ωt−90゜−θ)−sin
(ωt−90゜)sin(ωt−θ)}=V1V2sinθ [なぜならsin(ωt−90゜)=cosωt、sin(ωt−9
0゜−θ)=−cos(ωt−θ)であるからである] となる。ここで、一般に弁別値θは正の数が使用され
るので、弁別値θのサイン値sinθは正であるの
で、上記サイン演算値Vは、演算手段(13)において
絶対値|V1V2sinθ|として出力される。また、コサイン
演算値Vと弁別値θのサイン値sinθとの積は、
乗算手段(14)の出力解sinθV1V2cosθとして得られ、
サイン演算値Vの絶対値と弁別値θのコサイン値co
との積は、乗算手段(15)の出力解cosθ|V1V2s
inθ|として得られ、判定手段(16)においてこれらの
値の差である sinθV1V2cosθ−cosθ|V1V2ginθ| が正の値であるか負の値であるかが判定される。
ここで、V1V2は共通値であるので、上式は、sinθcos
θ−cosθ|sinθ|>0を判定することと同意であ
り、弁別値θは、予め与えられる数であるので、この
式の各項は、第2図aから第2図cに示されるように、
θ=θの点を境に大きさの関係が逆転するので、正負
の判定によりθ>θであるかθ<θであるかの判定
が可能であることが理解される。
なお、この発明の要点は、 sinθcosθ−cosθ|sinθ|>0の判定により位相
弁別する点にあるので、この式の全体をcosθで割っ
た形、 tanθV1V2cosθ−|V1V2sinθ|>0 又はsinθで割った形、 V1V2cosθ−|V1V2sinθ|cosθ>0 として判定しても同様な効果を奏することができるのは
当然である。
また、V1V2cosθやV1V2sinθの値を求める方法として
は、電気協同研究第41巻第4号の第45頁に記載の各方式
その他を用いることができる。
[発明の効果] この発明は以上説明した通り、位相弁別のために平行根
演算のない方法にしたので、演算処理時間が格段に高速
化され、リレー収納要素数の追加が可能となるので、装
置が安価になり、かつ高速度のものを提供できる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示すフローチャート、第
2図aは弁別値90゜の時の関係図、第2図bは弁別値60
゜の時の関係図、第2図cは弁別値45゜の時の関係図、
第3図は従来方法の弁別値90゜の場合のフローチャー
ト、第4図は従来方法の弁別値が90゜以外の場合のフロ
ーチャートである。 図において、(1)、(2)、(10)、(11)は乗算手
段、(3)は加算手段、(12)は減算手段、(13)は演
算手段、(14)、(15)は乗算手段、(16)は判定手段
である。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の電気量と他方の電気量の積と、90゜
    前の一方の電気量と90゜前の他方の電気量の積との和の
    演算値を算出すると共に、一方の電気量と90゜前の他方
    の電気量との積と、90゜前の一方の電気量と他方の電気
    量との積の差を取ってその絶対値を算出した後、前記和
    の演算値と弁別すべき値のサイン値との積の値と、前記
    絶対値と弁別すべき値のコサイン値との積の値との差を
    演算してその値の正負によって、系統間の電気量の位相
    差が弁別値より大であるか小であるかを判別するデジタ
    ル形保護リレー用の位相弁別方法。
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