JPH0756831B2 - 高周波加熱電力制御方法 - Google Patents
高周波加熱電力制御方法Info
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- JPH0756831B2 JPH0756831B2 JP27734287A JP27734287A JPH0756831B2 JP H0756831 B2 JPH0756831 B2 JP H0756831B2 JP 27734287 A JP27734287 A JP 27734287A JP 27734287 A JP27734287 A JP 27734287A JP H0756831 B2 JPH0756831 B2 JP H0756831B2
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Description
【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、局部加熱に用いる高周波加熱装置において、
直流入力、発振素子の動作損失、電気回路の損失、及
び、被加熱物の熱損失の計測により、加熱に必要な有効
熱出力に応じた直流入力を投入するようにした制御方法
に関する。
直流入力、発振素子の動作損失、電気回路の損失、及
び、被加熱物の熱損失の計測により、加熱に必要な有効
熱出力に応じた直流入力を投入するようにした制御方法
に関する。
B.発明の概要 本発明による高周波加熱電力制御方法は、発振回路への
直流入力Piを、高圧線とコモン線間に接続した分圧器
から得た直流電圧と、コモン線に挿入したシャントから
得た直流電流とから演算により求め、 発振素子の動作損失WOSCを、分圧器から得た素子間電
圧と、発振素子とコモン線間に取付けた変流器から得た
素子に流れる電流とから演算により求め、 電気回路損失WEを、タンク回路のコンデンサの高圧側
端子とコモン線間に接続した分圧器から得たコンデンサ
電圧、あるいはタンク回路のコモン線部分に取付けた変
流器から得たタンク回路電流とを用い、コンデンサ電圧
あるいはタンク回路電流の略2乗に比例係数を掛ける式
から演算より求め、 熱損失WHを、前記分圧器から得たコンデンサ電圧ある
いは前記変流器から得たタンク回路電流を用い、コンデ
ンサ電圧あるいはタンク回路電流の略2乗に比例係数を
掛ける式から演算により求め、 所要の有効熱出力PNに対し、PN=Pi−(WOSC+
WE+WH)となるように、直流入力Piを制御するこ
とにより、 有効熱出力PNを精密に制御することができ、且つ、電
圧、電流の計測に際し、高電圧による検出回路の破壊、
更には不時の人身事故を防止することができるものであ
る。
直流入力Piを、高圧線とコモン線間に接続した分圧器
から得た直流電圧と、コモン線に挿入したシャントから
得た直流電流とから演算により求め、 発振素子の動作損失WOSCを、分圧器から得た素子間電
圧と、発振素子とコモン線間に取付けた変流器から得た
素子に流れる電流とから演算により求め、 電気回路損失WEを、タンク回路のコンデンサの高圧側
端子とコモン線間に接続した分圧器から得たコンデンサ
電圧、あるいはタンク回路のコモン線部分に取付けた変
流器から得たタンク回路電流とを用い、コンデンサ電圧
あるいはタンク回路電流の略2乗に比例係数を掛ける式
から演算より求め、 熱損失WHを、前記分圧器から得たコンデンサ電圧ある
いは前記変流器から得たタンク回路電流を用い、コンデ
ンサ電圧あるいはタンク回路電流の略2乗に比例係数を
掛ける式から演算により求め、 所要の有効熱出力PNに対し、PN=Pi−(WOSC+
WE+WH)となるように、直流入力Piを制御するこ
とにより、 有効熱出力PNを精密に制御することができ、且つ、電
圧、電流の計測に際し、高電圧による検出回路の破壊、
更には不時の人身事故を防止することができるものであ
る。
C.従来の技術 高周波加熱においては、直流電源から発振回路に直流電
力を供給し、高周波電力を、ワークコイルまたは接触子
等の加熱子を介して被加熱物に加える。発振素子として
は、電子管や半導体素子が使用されている。
力を供給し、高周波電力を、ワークコイルまたは接触子
等の加熱子を介して被加熱物に加える。発振素子として
は、電子管や半導体素子が使用されている。
この種の発振回路では、従来、20KHz以上のものにあっ
ては、周波数が高く、電力が大きいため、加熱動作時の
高周波電力値を生産現場で簡単に計測できる手段がな
い。
ては、周波数が高く、電力が大きいため、加熱動作時の
高周波電力値を生産現場で簡単に計測できる手段がな
い。
従って、発振回路への直流入力値と、被加熱物に加わる
高周波電力値との関係を、高周波加熱の実積値から統計
的処理により求め、この関係に基づいて直流入力値を計
測し、制御していた。
高周波電力値との関係を、高周波加熱の実積値から統計
的処理により求め、この関係に基づいて直流入力値を計
測し、制御していた。
D.発明が解決しようとする問題点 しかし、従来は直流入力値と高周波電力値との関係を統
計的処理により得ていたため、溶接や熱処理等に必要な
有効熱出力を被加熱物に精度良く加えることができな
い。
計的処理により得ていたため、溶接や熱処理等に必要な
有効熱出力を被加熱物に精度良く加えることができな
い。
特に、自動化に際しては、 (イ) 例えば同一の溶接ライン(装置)、同一の熱処
理ライン(装置)内では、発振素子の発振効率、電気回
路損失を固定して考えられるので、被加熱物が少々変っ
ても実績値の統計的処理により何とか対応できるが、 (ロ) ラインや装置が異なる場合、あるいは被加熱物
が大幅に変った場合には、発振効率、電気回路損失更に
は被加熱物の熱損失が異なるから、過去の直流入力値と
高周波電力値との関係は適用できず、改めて実績値を積
重ねるという面倒な作業を要する。
理ライン(装置)内では、発振素子の発振効率、電気回
路損失を固定して考えられるので、被加熱物が少々変っ
ても実績値の統計的処理により何とか対応できるが、 (ロ) ラインや装置が異なる場合、あるいは被加熱物
が大幅に変った場合には、発振効率、電気回路損失更に
は被加熱物の熱損失が異なるから、過去の直流入力値と
高周波電力値との関係は適用できず、改めて実績値を積
重ねるという面倒な作業を要する。
本発明は、上述した従来技術の欠点に鑑み、直流入力、
発振素子の動作損失、電気回路の損失、及び、被加熱物
の熱損失を計測することにより、必要な有効熱出力に応
じた直流入力を投入できる制御方法を提供することを目
的とし、更に、上記各項目の計測に際し、検出回路が高
電圧により破壊しないように、また、不時の人身事故が
起らないように計測できることを目的とする。
発振素子の動作損失、電気回路の損失、及び、被加熱物
の熱損失を計測することにより、必要な有効熱出力に応
じた直流入力を投入できる制御方法を提供することを目
的とし、更に、上記各項目の計測に際し、検出回路が高
電圧により破壊しないように、また、不時の人身事故が
起らないように計測できることを目的とする。
E.問題点を解決するための手段 本発明による高周波加熱電力制御方法は、発振回路への
直流入力Piを、高圧線とコモン線間に接続した分圧器
から得た直流電圧と、コモン線に挿入したシャントから
得た直流電流とから演算により求め、 発振素子の動作損失WOSCを、分圧器から得た素子間電
圧と、発振素子とコモン線間に取付けた変流器から得た
素子に流れる電流とから演算により求め、 電気回路損失WEを、タンク回路のコンデンサの高圧側
端子とコモン線間に接続した分圧器から得たコンデンサ
電圧、あるいはタンク回路のコモン線部分に取付けた変
流器から得たタンク回路電流とを用い、コンデンサ電圧
あるいはタンク回路電流の略2乗に比例係数を掛ける式
から演算より求め、 熱損失WHを、前記分圧器から得たコンデンサ電圧ある
いは前記変流器から得たタンク回路電流を用い、コンデ
ンサ電圧あるいはタンク回路電流の略2乗に比例係数を
掛ける式から演算により求め、 所要の有効熱出力PNに対し、PN=Pi−(WOSC+
WE+WH)となるように、直流入力Piを制御するこ
とを特徴とする。
直流入力Piを、高圧線とコモン線間に接続した分圧器
から得た直流電圧と、コモン線に挿入したシャントから
得た直流電流とから演算により求め、 発振素子の動作損失WOSCを、分圧器から得た素子間電
圧と、発振素子とコモン線間に取付けた変流器から得た
素子に流れる電流とから演算により求め、 電気回路損失WEを、タンク回路のコンデンサの高圧側
端子とコモン線間に接続した分圧器から得たコンデンサ
電圧、あるいはタンク回路のコモン線部分に取付けた変
流器から得たタンク回路電流とを用い、コンデンサ電圧
あるいはタンク回路電流の略2乗に比例係数を掛ける式
から演算より求め、 熱損失WHを、前記分圧器から得たコンデンサ電圧ある
いは前記変流器から得たタンク回路電流を用い、コンデ
ンサ電圧あるいはタンク回路電流の略2乗に比例係数を
掛ける式から演算により求め、 所要の有効熱出力PNに対し、PN=Pi−(WOSC+
WE+WH)となるように、直流入力Piを制御するこ
とを特徴とする。
F.作 用 上記構成において、各種損失が明確になり、所要の有効
熱出力に応じた精確な直流入力が投入される。また、電
圧・電流の検出回路が片側コモンの簡単な構成となり、
高電圧による検出回路の破壊及び不時の人身事故を防止
する。
熱出力に応じた精確な直流入力が投入される。また、電
圧・電流の検出回路が片側コモンの簡単な構成となり、
高電圧による検出回路の破壊及び不時の人身事故を防止
する。
G.実施例 第1図〜第9図を参照して本発明の一実施例を説明す
る。
る。
第1図は高周波加熱装置の電力制御系を示し、直流電源
1を商用交流電源2とサイリスタ式コンバータ3とで構
成し、コンバータ3を自動電力調整器(APR)4で調整
して発振回路5に直流電力を入力するようにしてある。
発振回路5には電子管6を発振素子として用いている
が、半導体素子を用いても良い。
1を商用交流電源2とサイリスタ式コンバータ3とで構
成し、コンバータ3を自動電力調整器(APR)4で調整
して発振回路5に直流電力を入力するようにしてある。
発振回路5には電子管6を発振素子として用いている
が、半導体素子を用いても良い。
7は自動設定器であり、所要熱出力計算器8から与えら
れる所要の有効熱出力値PNと、損失計算器9から与え
られる発振素子6の動作損失WOSC、電気回路損失
WE、及び、被加熱物10の熱損失WHとから、自動電力
調整器4に対する設定値PSETを決定する。
れる所要の有効熱出力値PNと、損失計算器9から与え
られる発振素子6の動作損失WOSC、電気回路損失
WE、及び、被加熱物10の熱損失WHとから、自動電力
調整器4に対する設定値PSETを決定する。
自動電力調整器4は、減算器11から与えられる偏差値P
SET−Piがゼロとなるように、コンバータ3を制御す
る。Piは発振回路5の直流入力であり、直流入力計算
器12が直流電圧EPと直流電流IPとからPi=EP・
IPとして求める。
SET−Piがゼロとなるように、コンバータ3を制御す
る。Piは発振回路5の直流入力であり、直流入力計算
器12が直流電圧EPと直流電流IPとからPi=EP・
IPとして求める。
以上の制御により、PSET=PN+WOSC+WE+WHで
あるから、 PN=Pi−(WOSC+WE+WH) となるように、所要の有効熱出力PNに応じた直流入力
Piが投入される。第2図にPiとPN、WOSC、
WE、WHの関係を示す。
あるから、 PN=Pi−(WOSC+WE+WH) となるように、所要の有効熱出力PNに応じた直流入力
Piが投入される。第2図にPiとPN、WOSC、
WE、WHの関係を示す。
なお、所要熱出力計算器8は、被加熱物10、例えばパイ
プ(本例では電縫管)の形状、寸法、材料等の条件13を
設定することにより、周知の如く、所要熱出力を自動的
に計算する。14は手動設定器であり、スイッチ15により
自動設定器7の代りに設定値PSETを減算器11に与え
る。
プ(本例では電縫管)の形状、寸法、材料等の条件13を
設定することにより、周知の如く、所要熱出力を自動的
に計算する。14は手動設定器であり、スイッチ15により
自動設定器7の代りに設定値PSETを減算器11に与え
る。
発振回路5は電子管6と、タンク回路16と、グリッド正
帰還用コンデンサ17,18と、直流カット用コンデンサ19
と、各々グリッドバイアス用のチョークコイル20と、グ
リッド抵抗21と、バイパスコンデンサ22とからなる。チ
ョークコイル23は直流電源1へ高周波電流を流さないた
めのものである。
帰還用コンデンサ17,18と、直流カット用コンデンサ19
と、各々グリッドバイアス用のチョークコイル20と、グ
リッド抵抗21と、バイパスコンデンサ22とからなる。チ
ョークコイル23は直流電源1へ高周波電流を流さないた
めのものである。
タンク回路16は2つのコンデンサCT1,CT2と、1つのコ
イルLTとをπ型に接続したものである。
イルLTとをπ型に接続したものである。
タンク回路16のコイルLTにコイル24を結合して、整合
用トランス25とし、このトランス25に加熱子26としてワ
ークコイルを接続してある。
用トランス25とし、このトランス25に加熱子26としてワ
ークコイルを接続してある。
第1図の発振回路5において、回路の共通接地線(コモ
ン線)27を使用して、各種電圧、電流を検出するように
してある。即ち、 (1) 発振回路5に印加された直流電圧EPを検出す
るため、コモン線27と高圧線28との間に分圧器29を接続
してある。
ン線)27を使用して、各種電圧、電流を検出するように
してある。即ち、 (1) 発振回路5に印加された直流電圧EPを検出す
るため、コモン線27と高圧線28との間に分圧器29を接続
してある。
(2) また、発振回路5に流れる全直流電流IPを検
出するため、コモン線27の電源寄り部分にシャント30を
挿入してある。
出するため、コモン線27の電源寄り部分にシャント30を
挿入してある。
(3) 更に、発振素子6の瞬時動作電圧ePを検出す
るため、プレートとコモン線27との間に分圧器31を接続
してある。
るため、プレートとコモン線27との間に分圧器31を接続
してある。
(4) 更にまた、発振素子6に流れる瞬時動作電流i
Pを検出のため、カソードとコモン線27との間に高周波
変流器(RFCT)32を取付けてある。
Pを検出のため、カソードとコモン線27との間に高周波
変流器(RFCT)32を取付けてある。
(5) 更に、電気回路損失WEを求めるため、タンク
回路16のコンデンサCT1の端子間(一方の端子はコモン
線27と同じ)に分圧器33を接続し、コンデンサ瞬時電圧
eCを検出するようにしてある。なお、コモン線27のう
ち、タンク回路16のコンデンサCT1,CT2間の部分に、高
周波変流器34を取付けてタンク回路瞬時電流iTを検出
するようにしても良い。
回路16のコンデンサCT1の端子間(一方の端子はコモン
線27と同じ)に分圧器33を接続し、コンデンサ瞬時電圧
eCを検出するようにしてある。なお、コモン線27のう
ち、タンク回路16のコンデンサCT1,CT2間の部分に、高
周波変流器34を取付けてタンク回路瞬時電流iTを検出
するようにしても良い。
以上の如く例えば抵抗器式分圧器29,31,33、シャント30
及び高周波変流器32,34を発振回路5に設置することに
より、各々を共通接地線27を持ったまま片側コモンで構
成することができ、非接地系となるような絶縁が不要と
なり、構造が簡単になる。特に、高圧回路の電流検出に
あっては、異常時の絶縁破壊による検出回路の破壊、更
には不時の人身事故を防止できる。
及び高周波変流器32,34を発振回路5に設置することに
より、各々を共通接地線27を持ったまま片側コモンで構
成することができ、非接地系となるような絶縁が不要と
なり、構造が簡単になる。特に、高圧回路の電流検出に
あっては、異常時の絶縁破壊による検出回路の破壊、更
には不時の人身事故を防止できる。
次に、直流入力Pi、発振素子6の動作損失WOSC、電
気回路損失WE、及び、熱損失WHの計測について説明
する。
気回路損失WE、及び、熱損失WHの計測について説明
する。
〔I〕 直流入力Piの計測: 分圧器29で検出した直流電圧EP(ボルト)と、シャン
ト30で検出した直流電流IP(アンペア)より、 Pi=EP・IP (ワット) ……式(1) として求まる。これを直流入力計算器12が演算する。
ト30で検出した直流電流IP(アンペア)より、 Pi=EP・IP (ワット) ……式(1) として求まる。これを直流入力計算器12が演算する。
〔II〕 発振素子6の動作損失WOSCの計測: 発振素子6の瞬時動作電圧eP(本実施例ではプレート
瞬時電圧)と、瞬時動作電流iP(同じくプレート瞬時
電流)とは、それぞれ直流成分と高周波成分とを持つ。
eP,iPをそれぞれ分圧器31と高周波変流器32で検出す
ることにより、実効値eP(eff.),iP(eff.)からW
OSC=eP(eff.)・iP(eff.)となり、更には、 として求まる。これを損失計算器9が演算する。実効値
は、 として求まる。但し、Tは周期である。
瞬時電圧)と、瞬時動作電流iP(同じくプレート瞬時
電流)とは、それぞれ直流成分と高周波成分とを持つ。
eP,iPをそれぞれ分圧器31と高周波変流器32で検出す
ることにより、実効値eP(eff.),iP(eff.)からW
OSC=eP(eff.)・iP(eff.)となり、更には、 として求まる。これを損失計算器9が演算する。実効値
は、 として求まる。但し、Tは周期である。
〔III〕 電気回路損失WEの計測: まず、電気回路損失WEはコイル損失と伝送損失からな
り、無負荷時(ワークコイル26に被加熱物10が結合して
いない状態)における発振回路5の高周波出力PHF1に
等しい。従って、無負荷時の直流入力をPi1、無負荷時
の発振素子動作損失をWOSC1とすれば、 WE=PHF1=Pi1−WOSC1 …式(3) である。
り、無負荷時(ワークコイル26に被加熱物10が結合して
いない状態)における発振回路5の高周波出力PHF1に
等しい。従って、無負荷時の直流入力をPi1、無負荷時
の発振素子動作損失をWOSC1とすれば、 WE=PHF1=Pi1−WOSC1 …式(3) である。
一方、電気回路損失WEは、タンク回路電流の実効値I
Tの1.8乗ないし2.2乗に比例する。従って、分圧器33に
よってコンデンサ瞬時電圧eCを検出する場合は、その
実効値ECより、 WE=KE・(ω・CT1・EC)α …式(4) となる。但し、KEは比例係数、αは1.8〜2.2の間の指
数であり、これらは後述の如く定める。ωは角周波数、
CT1はコンデンサ容量である。あるいは、高周波変流器
34によってタンク回路瞬時電流iTを検出する場合は、
その実効値ITより、 WE=KE・IT α …式(5) となる。
Tの1.8乗ないし2.2乗に比例する。従って、分圧器33に
よってコンデンサ瞬時電圧eCを検出する場合は、その
実効値ECより、 WE=KE・(ω・CT1・EC)α …式(4) となる。但し、KEは比例係数、αは1.8〜2.2の間の指
数であり、これらは後述の如く定める。ωは角周波数、
CT1はコンデンサ容量である。あるいは、高周波変流器
34によってタンク回路瞬時電流iTを検出する場合は、
その実効値ITより、 WE=KE・IT α …式(5) となる。
従って、式(3)によって無負荷高周波出力PHF1を複
数設定し、それぞれにおける実効コンデンサ電圧EC、
あるいは実効タンク回路電流ITを計測することによ
り、KEとαとが求まる。即ち、式(4)の両辺ともLo
gに採れば、 LogPHF1=LogKE+α・Log(ω・CT1・EC) …式
(6) となり、LogPHF1とLog(ω・CT1・EC)の直角座標に
計測値をプロットして直線近似することにより、直線の
傾きからαが得られ、直線と座標軸logPHF1の切片から
KEが得られる。
数設定し、それぞれにおける実効コンデンサ電圧EC、
あるいは実効タンク回路電流ITを計測することによ
り、KEとαとが求まる。即ち、式(4)の両辺ともLo
gに採れば、 LogPHF1=LogKE+α・Log(ω・CT1・EC) …式
(6) となり、LogPHF1とLog(ω・CT1・EC)の直角座標に
計測値をプロットして直線近似することにより、直線の
傾きからαが得られ、直線と座標軸logPHF1の切片から
KEが得られる。
同様に、式(5)の両辺ともにlogに採れば、 LogPHF1=LogKE+αLogIT …式(7) となるので、LogPHF1とLogITの直角座標に計測値をプ
ロットして直接近似することにより、直線の傾きからα
が得られ、座標軸LogPHF1の切片からKEが得られる。
ロットして直接近似することにより、直線の傾きからα
が得られ、座標軸LogPHF1の切片からKEが得られる。
このようにして定まったKE及びαを用いて、前出の式
(4)または式(5)を用いて、損失計算器9が実負荷
時の電気回路損失WEを演算する。
(4)または式(5)を用いて、損失計算器9が実負荷
時の電気回路損失WEを演算する。
なお、αの値は主に、電流、電圧の波形、回路定数な
ど、装置の条件により変化する。
ど、装置の条件により変化する。
〔IV〕 熱損失WHの計測: 熱損失WHは、ダミー負荷、即ち被加熱部への通電回路
を形成しない負荷を用いることにより、計測する。
を形成しない負荷を用いることにより、計測する。
即ち、第3図に示すようにワークコイル26を有する誘導
式の高周波加熱装置にあっては、第4図に示すようにダ
ミー負荷10Dとして、切れているパイプを用いる。
式の高周波加熱装置にあっては、第4図に示すようにダ
ミー負荷10Dとして、切れているパイプを用いる。
ワークコイル26にダミーのパイプ10Dを結合すると、ダ
ミーパイプ10Dに加わる電力が熱損失WHであり、外周
パイプ損失と内周パイプ損失の和である。
ミーパイプ10Dに加わる電力が熱損失WHであり、外周
パイプ損失と内周パイプ損失の和である。
従って、熱損失WHは、ダミー負荷時の高周波出力P
HF2からその時の電気回路損失WE2を引いた電力とな
る。
HF2からその時の電気回路損失WE2を引いた電力とな
る。
WH=PHF2−WE2 また、PHF2は、ダミー負荷時の直流入力Pi2とその時
の発振素子動作損失WOSC2の差である。
の発振素子動作損失WOSC2の差である。
PHF2=Pi2−WOSC2 更に、電気回路損失WE2は前出の式(4)または式
(5)で求まる。従って、 WH=Pi2−WOSC2−WE2 …式(8) 一方、熱損失WHも、電気回路損失と同様、タンク回路
電流の実効値ITの1.8乗ないし2.2乗に比例する。
(5)で求まる。従って、 WH=Pi2−WOSC2−WE2 …式(8) 一方、熱損失WHも、電気回路損失と同様、タンク回路
電流の実効値ITの1.8乗ないし2.2乗に比例する。
従って、分圧器33によってコンデンサ瞬時電圧eCを検
出する場合は、前出の式(4)と同様、 WH=KH・(ω・CT1・EC)β …式(9) また、高周波変流器34によってタンク回路瞬時電流iT
を検出する場合は、前出の式(5)と同様、 WH=KH・IT β …式(10) となる。但し、KHは比例係数、βは1.8ないし2.2の指
数である。
出する場合は、前出の式(4)と同様、 WH=KH・(ω・CT1・EC)β …式(9) また、高周波変流器34によってタンク回路瞬時電流iT
を検出する場合は、前出の式(5)と同様、 WH=KH・IT β …式(10) となる。但し、KHは比例係数、βは1.8ないし2.2の指
数である。
KHとβの選定は、電気回路損失の計測におけるKEと
αの選定と同様、式(8)によってダミー負荷時の熱損
失WHを複数設定し、それぞれにおける実効コンデンサ
電圧EC、あるいは実効タンク回路電流ITを計測する
ことによりlogを採って求める。
αの選定と同様、式(8)によってダミー負荷時の熱損
失WHを複数設定し、それぞれにおける実効コンデンサ
電圧EC、あるいは実効タンク回路電流ITを計測する
ことによりlogを採って求める。
このようにして定まったKH、βを用いて、前出の式
(9)または式(10)により、損失計算器9が実負荷時
の熱損失WHを演算する。
(9)または式(10)により、損失計算器9が実負荷時
の熱損失WHを演算する。
なお、比例定数KHは、コイルの諸元、被加工物10の材
質、成形寸法、肉厚等に依存する。
質、成形寸法、肉厚等に依存する。
以上、〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕で説明した計
測方法に基づき、第3図に示す如く被加熱物としてのパ
イプ10をワークコイル26に挿入した状態で、直流入力P
i、発振素子6の動作損失WOSC、電気回路損失WE、
及び、熱損失WHを計測して、有効熱出力PNが PN=Pi−(WE+WOSC+WH) となるように直流入力Piの投入を制御し、パイプ10の
V字状エッジ部を加熱し溶融接合する。
測方法に基づき、第3図に示す如く被加熱物としてのパ
イプ10をワークコイル26に挿入した状態で、直流入力P
i、発振素子6の動作損失WOSC、電気回路損失WE、
及び、熱損失WHを計測して、有効熱出力PNが PN=Pi−(WE+WOSC+WH) となるように直流入力Piの投入を制御し、パイプ10の
V字状エッジ部を加熱し溶融接合する。
以上の実施例では発振素子6として電子管を用いたが、
半導体素子を用いる場合も同様である。
半導体素子を用いる場合も同様である。
また、ダミー負荷による損失計測に通電部を形成しない
第4図に示す切れたパイプ10Dを用いたが、被加熱物10
が第5図(a)のような通電回路を形成させたり、第6
図(a)に示す板状のものにおける通電回路を形成する
場合には、熱の発生を極力少なくして加熱電力を少なく
するように、第5図の例では銅管Cuをはさみ込んで水を
通したり(第5図(b))、第6図の例では板の両側に
銅管Cuを密着させて水を通すことにより(第6図
(b))、有効加熱電力を抑制して負荷損失分を得るよ
うにしている。
第4図に示す切れたパイプ10Dを用いたが、被加熱物10
が第5図(a)のような通電回路を形成させたり、第6
図(a)に示す板状のものにおける通電回路を形成する
場合には、熱の発生を極力少なくして加熱電力を少なく
するように、第5図の例では銅管Cuをはさみ込んで水を
通したり(第5図(b))、第6図の例では板の両側に
銅管Cuを密着させて水を通すことにより(第6図
(b))、有効加熱電力を抑制して負荷損失分を得るよ
うにしている。
更に、上記実施例では、ワークコイル26を加熱子に用い
る誘導式の装置について説明したが、第7図〜第9図に
示す接触子35を有する接触式装置の場合も、誘導式と同
様に各種電力、損失を求めることができる。但し、接触
式の場合はパイプ10、ダミーパイプ10Dいずれでもパイ
プ外周には電流が流れないので、熱損失WHは内周パイ
プ損失のみとなる。
る誘導式の装置について説明したが、第7図〜第9図に
示す接触子35を有する接触式装置の場合も、誘導式と同
様に各種電力、損失を求めることができる。但し、接触
式の場合はパイプ10、ダミーパイプ10Dいずれでもパイ
プ外周には電流が流れないので、熱損失WHは内周パイ
プ損失のみとなる。
ここで、電力、損失計測の演算について説明すると、ア
ナログ式演算、デジタル式演算いずれも良い。アナログ
式演算の場合は演算回路をIC化でき、安価になる。デジ
タル式演算の場合は、各種検出器(29〜34)の出力波形
を高速デジタル・ストレージ計器で数Hz分ストレージ
し、マルチプレクサを介してデジタルメモリに記憶し、
その後、波形データの転送、演算をデジタル演算器で行
う。このようなデジタル演算方式は、一般に、発振回路
の電圧や電流の計測は、周波数が高い程困難であるため
に、適用される発振回路は10KHz以上500KHz kHz程度の
範囲のものと想定できる。このため、デジタルメモリに
記憶される波形のデータとしては、500kHzの半波長が1/
2×500kHz=10-6sec=1000nsecとなるので、例えば100n
sec好ましくは50nsec程の分解能のデジタルメモリを使
用すれば、測定誤差もなく充分となる。
ナログ式演算、デジタル式演算いずれも良い。アナログ
式演算の場合は演算回路をIC化でき、安価になる。デジ
タル式演算の場合は、各種検出器(29〜34)の出力波形
を高速デジタル・ストレージ計器で数Hz分ストレージ
し、マルチプレクサを介してデジタルメモリに記憶し、
その後、波形データの転送、演算をデジタル演算器で行
う。このようなデジタル演算方式は、一般に、発振回路
の電圧や電流の計測は、周波数が高い程困難であるため
に、適用される発振回路は10KHz以上500KHz kHz程度の
範囲のものと想定できる。このため、デジタルメモリに
記憶される波形のデータとしては、500kHzの半波長が1/
2×500kHz=10-6sec=1000nsecとなるので、例えば100n
sec好ましくは50nsec程の分解能のデジタルメモリを使
用すれば、測定誤差もなく充分となる。
H.発明の効果 以上説明したように、本発明によれば所要の有効熱出力
を精密に制御することができ、外乱による変化に対応で
き非定常使用条件下での制御が可能となり、無駄のない
最適で正確な加熱ができて製品の品質を維持できるなど
の効果がある。また、検出回路が片側コモンであるため
簡単な構成となり、更に高電圧による電圧、電流の検出
回路の破壊及び不時の人身事故を防止できる。
を精密に制御することができ、外乱による変化に対応で
き非定常使用条件下での制御が可能となり、無駄のない
最適で正確な加熱ができて製品の品質を維持できるなど
の効果がある。また、検出回路が片側コモンであるため
簡単な構成となり、更に高電圧による電圧、電流の検出
回路の破壊及び不時の人身事故を防止できる。
第1図ないし第9図は本発明の実施例で、第1図は制御
のための全体の制御回路図、第2図は直流入力と、損失
及び有効熱出力の関係を示す図、第3図は実負荷状態説
明図、第4図はダミー負荷状態説明図、第5図(a),
(b)、第6図(a),(b)はそれぞれ他の例の実負
荷とダミー負荷との加熱状態説明図、第7図は接触式の
場合のダミー負荷の加熱を示す斜視図、第8図は第7図
の説明図、第9図は接触式によるエッジ部の加熱状態説
明図である。 図面中、 1は直流電源、 4は自動電力調整器(APR)、 5は発振回路、 6は発振素子(電子管)、 7は自動設定器、 8は所要熱出力計算器、 9は損失計算器、 10は被加熱物、 10Dはダミー負荷、 12は直流入力計算器、 16はタンク回路、 CT1はそのコンデンサ、 26はワークコイル、 27はコモン線、 28は高圧線、 29,31,33は分圧器、 30はシャント、 32,34は高周波変流器、 35は接触子である。
のための全体の制御回路図、第2図は直流入力と、損失
及び有効熱出力の関係を示す図、第3図は実負荷状態説
明図、第4図はダミー負荷状態説明図、第5図(a),
(b)、第6図(a),(b)はそれぞれ他の例の実負
荷とダミー負荷との加熱状態説明図、第7図は接触式の
場合のダミー負荷の加熱を示す斜視図、第8図は第7図
の説明図、第9図は接触式によるエッジ部の加熱状態説
明図である。 図面中、 1は直流電源、 4は自動電力調整器(APR)、 5は発振回路、 6は発振素子(電子管)、 7は自動設定器、 8は所要熱出力計算器、 9は損失計算器、 10は被加熱物、 10Dはダミー負荷、 12は直流入力計算器、 16はタンク回路、 CT1はそのコンデンサ、 26はワークコイル、 27はコモン線、 28は高圧線、 29,31,33は分圧器、 30はシャント、 32,34は高周波変流器、 35は接触子である。
Claims (1)
- 【請求項1】発振回路への直流入力Piを、高圧線とコ
モン線間に接続した分圧器から得た直流電圧と、コモン
線に挿入したシャントから得た直流電流とから演算によ
り求め、 発振素子の動作損失WOSCを、分圧器から得た素子間電
圧と、発振素子とコモン線間に取付けた変流器から得た
素子に流れる電流とから演算により求め、 電気回路損失WEを、タンク回路のコンデンサの高圧側
端子とコモン線間に接続した分圧器から得たコンデンサ
電圧、あるいはタンク回路のコモン線部分に取付けた変
流器から得たタンク回路電流とを用い、コンデンサ電圧
あるいはタンク回路電流の略2乗に比例係数を掛ける式
から演算より求め、 熱損失WHを、前記分圧器から得たコンデンサ電圧ある
いは前記変流器から得たタンク回路電流を用い、コンデ
ンサ電圧あるいはタンク回路電流の略2乗に比例係数を
掛ける式から演算により求め、 所要の有効熱出力PNに対し、PN=Pi−(WOSC+
WE+WH)となるように、直流入力Piを制御するこ
とを特徴とする高周波加熱電力制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27734287A JPH0756831B2 (ja) | 1987-11-04 | 1987-11-04 | 高周波加熱電力制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27734287A JPH0756831B2 (ja) | 1987-11-04 | 1987-11-04 | 高周波加熱電力制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01120788A JPH01120788A (ja) | 1989-05-12 |
JPH0756831B2 true JPH0756831B2 (ja) | 1995-06-14 |
Family
ID=17582189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27734287A Expired - Lifetime JPH0756831B2 (ja) | 1987-11-04 | 1987-11-04 | 高周波加熱電力制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0756831B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5434389A (en) * | 1993-12-08 | 1995-07-18 | Tocco, Inc. | Device for monitoring current in an induction heating coil |
JP7260785B2 (ja) * | 2019-09-02 | 2023-04-19 | 日本製鉄株式会社 | 電縫管溶接装置及び電縫管溶接方法 |
-
1987
- 1987-11-04 JP JP27734287A patent/JPH0756831B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01120788A (ja) | 1989-05-12 |
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