JPH075653B2 - ポリオレフインの製造方法 - Google Patents

ポリオレフインの製造方法

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JPH075653B2
JPH075653B2 JP60275135A JP27513585A JPH075653B2 JP H075653 B2 JPH075653 B2 JP H075653B2 JP 60275135 A JP60275135 A JP 60275135A JP 27513585 A JP27513585 A JP 27513585A JP H075653 B2 JPH075653 B2 JP H075653B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な触媒系の存在下で、少なくとも1種のオ
レフィンを重合させることからなるポリオレフィンの製
造方法に関する。
〔従来の技術〕
オレフィンの低圧重合に遷移金属化合物および有機金属
化合物からなる触媒系を用いることはすでに知られてい
る。また、高活性型触媒として、無機または有機マグネ
シウム化合物と遷移金属化合物との反応物を1成分とし
て含有する触媒系も知られている。
特公昭52-15110号および特公昭52-27677号においては、
極めて高い耐衝撃性を有するポリオレフィンを製造しう
る重合法が提示されており、そこではマグネシウム金属
と水酸化有機化合物またはマグネシウムなどの酸素含有
有機化合物、遷移金属の酸素含有有機化合物、およびア
ルミニウムハロゲン化物を反応させて得られる触媒成分
(A)と有機金属化合物の触媒成分(B)とからなる、
極めて活性の高い触媒系が使用されている。
しかし、これらの触媒の存在下で得られる重合体粒子
は、平均粒径が小さかったり、粒度分布が広かったりし
て、重合体粒子中に含まれる微細粒子の割合が多く、粉
体特性の点ではいまだ不十分なものであった。
すなわち、上述のような粒度分布を有していると、ポリ
オレフィンを製造する際、重合,重合体スラリーからの
粒子分離,粉体乾燥,粉体移送などの工程で諸々のトラ
ブルを引き起こし、時には長期にわたる連続生産が不可
能になったりする。また、多段重合法によって重合体を
得る場合、重合体粒子の粒度分布が広いと、乾燥以降の
添加剤配合段階や輸送段階において粉体の分級が起き易
く、粒径毎に物性が異なるため品質上に及ぼす悪影響も
無視できないときがある。
さらに、本発明者らは、先に特公昭52-15110号などに開
示した触媒成分(A)の原料に加えて、ケイ素化合物を
使用することにより、重合体の粒径を大きくできること
を見い出し、特開昭56-155205号として特許出願したが
粒度分布の改善までには至っていない。
また、上記先願特許の技術による触媒の重合活性は、い
まだ充分とはいえず製品の色相に改良の余地があった。
さらに、先願の技術では、狭い分子量分布を有する重合
体の製造に適するものの、用途に応じて分子量分布を調
節するには難があり、特に、単独重合で分子量分布を広
げるべく触媒製造条件を選定すると、粉体特性が顕著に
悪化する傾向があった。しかも、多段重合法によって重
合体を得る場合、先願技術による製品は、成形加工の段
階で成形加工性が悪く、例えば、フィルム成形時にはダ
イから押し出される溶融体が、固化する過程で不安定と
なるためフィルム製品にシワやタルミが生じたり、フィ
ッシュアイ,ゲル等が多く外観を損うという欠点を有し
ていた。また、中空成形時にはバリ取りと呼ばれる成形
体からの不用部の剥離作業が容易でなかったり、また、
ピンチオフ部で肉厚が薄くなるため成形品の強度が不足
するなど、成形加工性および製品品質が不十分であっ
た。
遷移金属化合物およびマグネシウム化合物を含む触媒を
使用して成形加工性のすぐれた重合体を製造することは
既に提案されている。例えば、特開昭59-115310号に
は、マグネシウム化合物およびチタン化合物を反応させ
た触媒と有機アルミニウム化合物としてClとAlの原子比
Cl/Alが1<Cl/Al≦2の範囲から選ばれる塩素含有有機
アルミニウム化合物とからなる触媒系によるエチレンの
2段重合が提案されている。しかしながらこの方法によ
る触媒系を使用した場合、本発明者らの知見によれば活
性が極めて悪く、又、粒子特性、特に嵩密度が悪いとい
う難点を有していた。さらに、一般に重合体の分子量の
調節のために、分子量調節剤が用いられるが、これらの
方法による触媒系を使用した場合、実用の範囲内の分子
量を得るためには、多量の分子量調節剤を必要とすると
いう欠点をも有していた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで本発明者らは、極めて高い触媒活性の発現,重合
体粒子の粉体特性の改善,分子量分布の広狭による粉体
特性の変動の防止、さらには、成形加工性,製品の外観
等の改良を目的とし鋭意検討を行なった結果、先の特公
昭52-15110号などに開示した触媒成分(A)の原料、す
なわちマグネシウムとチタンを含む均一溶液(以下、Mg
-Ti溶液という)の調製、有機アルミニウム化合物によ
る部分的な還元、次いでポリシロキサンまたはアルコキ
シシランとの反応、さらにはハロゲン化アルミニウムと
の反応を各々特定な条件下で実施することにより得られ
る固体触媒成分(A)と、塩素とアルミニウムの原子比
が0<Cl/Al≦1の範囲から選ばれる塩素含有有機アル
ミニウム化合物または混合物から成る触媒成分(B)と
を組み合わせることにより行うオレフィン重合は、極め
て高い触媒活性を示すと共に、得られる重合体粒子は優
れた粉体特性を有し、さらには成形加工性,製品の色
相,外観の極めて優れたものが得られることを見い出
し、本発明を完成させるに至った。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、 (A)(i)金属マグネシウムとアルコールからなる群
より選んだ少なくとも1員と、 (ii)少なくとも1種のチタンの酸素含有有機化合物と
を含有する均一溶液に、 (iii)少なくとも1種の有機アルミニウム化合物を反
応させ、次いで (iv)少なくとも1種のポリシロキサンまたはアルコキ
シシランを反応させた後、さらに (v)少なくとも1種のハロゲン化アルミニウム化合物
を反応させて得られた固体触媒成分(A)と、 (B)塩素含有有機アルミニウム化合物および混合物か
ら選んだ少なくとも1種の触媒成分(B) とからなる触媒系の存在下で、少なくとも1種のオレフ
ィンを重合させることからなるポリオレフィンの製造方
法において、固体触媒成分(A)の調製に使用するマグ
ネシウムのグラム原子(Mg),チタン化合物中のチタン
のグラム原子(Ti),アルコキシ基アルコキシ基を含む
ポリシロキサンまたはアルコキシシランを使用の際のポ
リシロキサンまたはアルコキシシラン中のアルコキシ基
のグラム当量(S)、およびハロゲンのグラム原子
(X)が、次の2つの式 2≦Mg/Ti≦200 および 1≦P≦10 (P=Mg/Ti+Mg×X/4・Ti+2・Mg+S) を満足するように選び、かつ触媒成分(B)として使わ
れる塩素含有有機アルミニウム化合物または混合物中の
塩素とアルミニウムの原子比が、0<Cl/Al≦1の範囲
を満足するように選ぶことを特徴とするポリオレフィン
の製造方法である。
〔作用〕
本発明において調製し使用する固体触媒成分(A)が優
れた性質を有する理由は定かでないが、 Mg-Ti溶液と有機アルミニウム化合物(iii)、さらにポ
リシロキサンまたはアルコキシシラン(iv)を反応させ
て得られる反応物が、触媒粒子形成を完結させる目的で
実施される次のハロゲン化アルミニウム化合物(v)と
の反応の際に、粒子形成の核の役割を果たし、粒子形状
の良好な固体触媒成分(A)が得られ、かつ高活性化が
達成されるものと考えられる。また、成形加工性,製品
の色相,外観の改良は、特定な条件下で得られる固体触
媒成分(A)と触媒成分(B)の働きによって成し遂げ
られるものと考えられる。
Mg-Ti溶液と単に有機アルミニウム化合物(iii)との反
応による反応生成物は、触媒成分(A)としての価値は
低い。例えば特公昭52-15110号では、マグネシウムとチ
タンを含む組成物にトリアルキルアルミニウムを反応さ
せただけの場合には重合活性を示さないことが記述され
ている。
本発明において、Mg-Ti溶液に対して有機アルミニウム
化合物(iii)とポリシロキサンまたはアルコキシシラ
ン(iv)そしてハロゲン化アルミニウム化合物(v)を
3段階で反応させることにより、著しい効果が生じるこ
とは驚くべきことといえる。なかんずくポリシロキサン
またはアルコキシシランの使用により優れた粉体特性が
発現される。
本発明において固体触媒成分(A)の調製に用いる反応
剤である前記(i)の金属マグネシウムとアルコールか
らなる群としては、以下のものがあげられる。
金属マグネシウムとしては各種の形状、わなわち粉末,
粒子,箔またはリボンなどのいずれの形状のものも使用
できる。
アルコール類としては、1〜18個の炭素原子を有する直
鎖または分岐鎖脂肪族アルコール,脂環式アルコールま
たは芳香族アルコールが使用できる。例としては、メタ
ノール,エタノール,n−プロパノール,i−プロパノー
ル,n−ブタノール,i−ブタノール,n−アミルアルコー
ル,i−アミルアルコール,n−ヘキサノール,2−エチルペ
ンタノール,2−エチルヘキサノール,n−オクタノール,i
−オクタノール,1−デカノール,1−ドデカノール,n−ス
テアリルアルコール,シクロペンタノール,シクロヘキ
サノール,エチレングリコールなどがあげられる。アル
コール類を単独で使用することはもちろん良いが、特
に、2〜18個の炭素原子を有する直鎖脂肪族アルコール
と3〜18個の炭素原子を有する分岐鎖脂肪族アルコール
との混合物の使用が好適である。その場合、直鎖脂肪族
アルコールと分岐鎖脂肪族アルコールの量比は、好まし
くは10:1〜1:10の範囲、特に好ましくは3:1〜1:3の範囲
である。
加うるに、本発明で述べる固体触媒成分(A)を得る場
合、反応を促進する目的から、金属マグネシウムと反応
したり、付加化合物を生成したりするような物質、例え
ばヨウ素,塩化第2水銀,ハロゲン化アルキル,有機酸
エステルおよび有機酸などのような極性物質を、単独ま
たは2種以上添加することが好ましい。
前記(ii)の反応剤であるチタンの酸素含有有機化合物
としては、一般式〔TiOa(OR2)bmで表わされる化合物
が使用される。ただし、該一般式においてR2は炭素数1
〜20、好ましくは1〜10の直鎖または分岐鎖アルキル
基,シクロアルキル基,アリールアルキル基,アリール
基およびアルキルアリール基などの炭化水素基を表わ
し、aとbとは、a≧0でb>0でチタンの原子価と相
容れるような数を表わし、mは整数を表わす。なかんず
く、aが0≦a≦1でmが1≦m≦6であるような酸素
含有有機化合物を使うことが望ましい。
具体的な例としては、チタンテトラエトキシド,チタン
テトラ−n−プロポキシド,チタンテトラ−i−プロポ
キシド,チタンテトラ−n−ブトキシド,ヘキサ−i−
プロポキシジチタネートなどがあげられる。いくつかの
異なる炭化水素基を有する酸素含有有機化合物の使用
も、本発明の範囲に入る。これらチタンの酸素含有有機
化合物は単独または2種以上の混合物として使用する。
前記(iii)の反応剤である有機アルミニウム化合物と
しては、一般式▲R1 3▼Alまたは▲R1 n▼AlY3-nで表わ
されるものが使用される。ただし、該一般式において、
R1は同一または異なる1〜20個、好ましくは1〜8個の
炭素原子を有するアルキル基を表わし、Yは1〜20個、
好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基,
アリールオキシ基,シクロアルキル基またはハロゲン原
子を表わし、またnは1≦n<3の数を表わす。
上記有機アルミニウム化合物は、単独または2種類以上
の混合物として使用することができる。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチル
アルミニウム,トリ−i−ブチルアルミニウム,ジエチ
ルアルミニウムクロライド,エチルアルミニウムセスキ
クロライド,i−ブチルアルミニウムジクロライド,ジエ
チルアルミニウムエトキシドなどがあげられる。
前記(iv)の反応剤としてポリシロキサンまたはアルコ
キシシランが用いられる。
ポリシロキサンとしては、一般式 (式中、R3およびR4は炭素数1〜12のアルキル基,アリ
ール基などの炭化水素基,水素,ハロゲン,炭素数1〜
12のアルコキシ基,アリロキシ基,脂肪酸残基などのケ
イ素に結合しうる原子または残基を表わし、R3およびR4
は同種,異種のいずれもでよく、pは通常2〜10,000の
整数を表わす)で表わされる繰返し単位の1種または2
種以上を、分子内に種々の比率,分布で有している鎖
状,環状あるいは三次元構造を有するシロキサン重合物
(ただし、すべてのR3およびR4が水素あるいはハロゲン
である場合は除く)があげられる。
具体的には、鎖状ポリシロキサンとしては、例えばヘキ
サメチルジシロキサン,オクタメチルトリシロキサン,
ジメチルポリシロキサン,ジエチルポリシロキサン,メ
チルエチルポリシロキサン,メチルヒドロポリシロキサ
ン,エチルヒドロポリシロキサン,ブチルヒドロポリシ
ロキサン,ヘキサフェニルジシロキサン,オクタフェニ
ルトリシロキサン,ジフェニルポリシロキサン,フェニ
ルヒドロポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサ
ン,1,5−ジクロロヘキサメチルトリシロキサン,1,7−ジ
クロロオクタメチルテトラシロキサン,ジメトキシポリ
シロキサン,ジエトキシポリシロキサン,ジフェノキシ
ポリシロキサンなどがあげられる。
環状ポリシロキサンとしては、例えばヘキサメチルシク
ロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン,デカメチルシクロペンタシロキサン,2,4,6−トリメ
チルシクロトリシロキサン,2,4,6,8−テトラメチルシク
ロテトラシロキサン,トリフェニルトリメチルシクロト
リシロキサン,テトラフェニルテトラメチルシクロテト
ラシロキサン,ヘキサフェニルシクロトリシロキサン,
オクタフェニルシクロテトラシロキサンなどがあげられ
る。
三次元構造を有するポリシロキサンとしては、例えば上
記の鎖状または環状のポリシロキサンを加熱などにより
架橋構造をもつようにしたものなどをあげることができ
る。
これらのポリシロキサンは、取扱上液状であることが望
ましく、25℃における粘度が1〜10000センチストーク
ス、好ましくは1〜1000センチストークスの範囲である
ことが望ましい。しかし、液状に限る必要はなく、シリ
コーングリースと総括的に呼ばれるような固形物であっ
てもさしつかえない。
アルコキシシランとしては、具体的にトリメチルメトキ
シシラン,ジメチル・ジエトキシシラン,テトラメトキ
シシラン,ジフェニルジエトキシシラン,テトラメチル
ジエトキシジシラン,ジメチル・テトラエトキシジシラ
ンなどがあげられる。
上記の有機ポリシロキサンまたはアルコキシシランは単
独で用いてもよく、また2種以上を混合あるいは反応さ
せて使用することもできる。
前記(v)の反応剤であるハロゲン化アルミニウム化合
物としては、一般式▲R6 z▼AlX3-zで示されるものが使
用される。ただし、該一般式においてR6は1〜20個、好
ましくは1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基を表わ
し、Xはハロゲン原子を表わし、zは0≦z<3の数を
表わし、好ましくは0≦z≦2の数を表わす。またR6
直鎖または分岐鎖アルキル基,シクロアルキル基,アリ
ールアルキル基,アリール基およびアルキルアリール基
から選ばれることが好ましい。
上記ハロゲン化アルミニウム化合物は、単独または2種
以上の混合物として使用することができる。
ハロゲン化アルミニウム化合物の具体例としては、例え
ば、三塩化アルミニウム,ジエチルアルミニウムクロラ
イド,エチルアルミニウムジクロライド,i−ブチルアル
ミニウムジクロライド,トリエチルアルミニウムと三塩
化アルミニウムの混合物などがあげられる。
本発明に用いる固体触媒成分(A)は、上記の反応剤
(i),(ii)を反応させて得た反応生成物に、反応剤
(iii)、次いで反応剤(iv)さらに反応剤(v)を反
応させることにより調製することができる。
これらの反応は、液体媒体中で行うことが好ましい。そ
のため特にこれらの反応剤自体が操作条件下で液状でな
い場合、または液状反応剤の量が不十分な場合には、不
活性有機溶媒の存在下で行うべきである。不活性有機溶
媒としては、当該技術分野で通常用いられるものはすべ
て使用できるが、脂肪族,脂環族もしくは芳香族炭化水
素類またはそれらのハロゲン誘導体あるいはそれらの混
合物があげられ、例えばイソブタン,ヘキサン,ヘプタ
ン,シクロヘキサン,ベンゼン,トルエン,キシレン,
モノクロロベンゼンなどが好ましく用いられる。
本発明において固体触媒成分(B)の調製に使用する反
応剤の使用量は、マグネシウムのグラム原子(Mg),チ
タン化合物中のチタンのグラム原子(Ti),ポリシロキ
サンまたはアルコキシシラン中のアルコキシ基のグラム
当量(S)、およびハロゲンのグラム原子(X)が、次
の2つの式を満足するような割合で選ばれる。
2≦Mg/Ti≦200、好ましくは5≦Mg/Ti≦50および1≦
P≦10 (P=Mg/Ti+Mg×X/4・Ti+2・Mg+S)の範囲で選ば
れる。この範囲内で調製された固体触媒成分(A)を触
媒成分(B)と組合せ、オレフィンを重合することによ
り、極めて高い触媒活性で、適度な分子量分布を有し、
しかも粉体特性の優れた重合体が得られ、さらには、成
形加工性に優れ色相,外観の極めて良好な製品が得られ
る。この範囲をはずれてMg/Tiが大きすぎると、触媒調
製の際に均一なMg-Ti溶液を得ることが困難になった
り、重合の際に触媒の活性が低くなる。逆に小さすぎて
も触媒の活性が低くなるため、製品が着色し色相が悪化
するなどの問題を生ずる。また、P値が範囲外にあると
触媒活性が低くなったり、粉体特性の向上が望まれない
結果となる。しかも成形加工の際には成形加工性が悪か
ったり、またゲル,フィッシュアイの多発を招いたり、
製品のフィルムやシートの外観を損うという結果とな
る。
前記(iii)の有機アルミニウム化合物▲R1 3▼Alまた
は▲R1 n▼AlX3-n(該式中、nは1≦n<3である)中
のAlのグラム原子(以下、Al(iii)という)にnを乗
じたもの(▲R1 3▼Alの場合は、Alのグラム原子×3で
ある)と前記(ii)のチタン化合物中のTiのグラム原子
との原子比は、 好ましくは、 の範囲になるように使用量を選ぶことが好ましい。この
範囲をはずれて が大きすぎると触媒活性が低くなり、小さすぎると粉体
特性の向上が望まれないという結果となる。
前記(iv)のポリシロキサンまたはアルコキシシラン中
のSiのグラム原子と前記(i)のマグネシウム化合物中
のMgのグラム原子との原子比は1/20≦Mg/Si≦100、好ま
しくは1/5≦Mg/Si≦10の範囲になるように使用量を選ぶ
ことが好ましい。この範囲をはずれてMg/Siが大きすぎ
ると粉体特性の改良が不十分である。逆に小さすぎると
触媒の活性が低いという結果となる。
前記(v)のハロゲン化アルミニウム化合物の使用量
は、前記有機アルミニウム化合物(iii)中のAlのグラ
ム原子(Al(iii))とハロゲン化アルミニウム化合物
(v)中のAlのグラム原子(以下、Al(v)という)の
原子比が1/20≦Al(iii)/Al(v)≦10、好ましくは の範囲になるように選ぶことが好ましい。
の原子比がこの範囲をはずれると、粉体特性の向上が望
まれない結果となる。
各段階の反応条件は特に臨界的ではないが、−50〜300
℃、好ましくは0〜200℃なる範囲の温度で、0.5〜50時
間、好ましくは1〜6時間、不活性ガス雰囲気中で常圧
または加圧下で行われる。
かくして得た固体触媒成分(A)は、そのまま使用して
もよいが、一般には過または傾斜法により残存する未
反応物および副生成物を除去してから、不活性有機溶媒
で数回洗浄後、不活性有機溶媒中に懸濁して使用する。
洗浄後単離し、常圧あるいは減圧下で加熱して不活性有
機溶媒を除去したものも使用できる。
本発明において、触媒成分(B)としては、塩素とアル
ミニウムの比が0<Cl/Al≦1の範囲から選ばれる塩素
含有有機アルミニウム化合物および混合物が用いられ
る。塩素含有有機アルミニウム化合物としては、ジアル
キルアルミニウムモノクロライドがあげられる。具体的
には例えばジエチルアルミニウムモノクロライド,ジイ
ソプロピルアルミニウムモノクロライド,ジイソブチル
アルミニウムモノクロライド,ジオクチルアルミニウム
モノクロライドなどがあげられる。混合物を用いる場
合、その一成分として用いられる化合物としては、トリ
アルキルアルミニウム,ジアルキルアルミニウムモノク
ロライド,アルキルアルミニウムジクロライドなどがあ
げられる。これらの化合物をClとAlの原子比Cl/Alが後
述する範囲内となるように適当な割合で混合することに
より用いられる。具体的な化合物としては、例えばトリ
エチルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジ
エチルアルミニウムモノクロライド,ジイソプロピルア
ルミニウムモノクロライド,ジイソブチルアルミニウム
モノクロライド,ジオクチルアルミニウムモノクロライ
ド,エチルアルミニウムセスキクロライド,エチルアル
ミニウムジクロライド,イソブチルアルミニウムジクロ
ライドなどがあげられる。塩素含有有機アルミニウム化
合物および混合物は、塩素とアルミニウムの原子比が0
<Cl/Al≦1の範囲、好ましくは0.3≦Cl/Al≦1の範囲
から選ばれている。
この範囲をはずれてCl/Al比が大きすぎると、重合活性
が低く、かつ分子量が極めて大きくなり、実用にそぐわ
ない結果となる。また、この範囲をはずれてCl/Al比が
小さすぎると粉体特性、および成形加工性の改良が望め
ないことがある。
また、プロピレンなどの高級α−オレフィンの立体規則
性重合においては、上記成分に加えて立体規則性向上剤
を使用することもできる。立体規則性向上剤としては、
通常、有機酸エステルが用いられる。
該有機酸エステルとしては、脂肪族カルボン酸エステ
ル,芳香族カルボン酸エステルがあげられる。具体的に
は、脂肪族カルボン酸エステルとしては、炭素原子数2
〜18を有する、酢酸エチル,酢酸プロピル,酢酸ブチ
ル,プロピオン酸エチル,プロピオン酸ブチルおよび酪
酸エチルなどをあげることができる。芳香族カルボン酸
エステルとしては、炭素原子数8〜24を有する、安息香
酸メチル,安息香酸エチル,トルイル酸メチル,トルイ
ル酸エチル,アニス酸メチルおよびアニス酸エチルなど
をあげることができる。なかでも芳香族カルボン酸エス
テルが好ましい。
本発明によるオレフィンの重合は、いわゆるチーグラー
法の一般的な反応条件で行うことができる。すなわち、
連続式またはバッチ式で重合体の融点未満の反応温度、
好ましくは20〜110℃の温度で液相中あるいは気相中で
重合を行う。重合圧力としては特に限定はないが、加圧
下特に1.5〜50kg/cm2Gの使用が適している。重合を不活
性溶媒の存在下に行う場合には、不活性溶媒としては、
通常使用されていかなるものも使用しうる。特に4〜20
個の炭素原子を有するアルカンまたはシクロアルカン、
例えばイソブタン、ペンタン,ヘキサン,シクロヘキサ
ンなどが適している。
本発明のポリオレフィンの製造方法において重合させる
オレフィンとしては、一般式R−CH=CH2のα−オレフ
ィン(式中、Rは水素または1〜10個、特に1〜8個の
炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の置換・非置換アル
キル基を表わす)をあげることができる。具体的には、
エチレン,プロピレン,1−ブテン,1−ペンテン,4−メチ
ル−1−ペンテン,1−オクテンなどがあげられる。ま
た、上記α−オレフィンの2種以上の混合物あるいはα
−オレフィンとブタジェン,イソプレンなどのジェン類
との混合物を使用して共重合を行うこともできる。特に
エチレン,エチレンとエチレン以外の上記のα−オレフ
ィンとの混合物、またはエチレンとジエン類との混合物
を使用することが好ましい。
また、本発明をエチレンの重合において多段重合方式に
採用すると、特にその効果を発揮する。ここでいう多段
重合方式とは、重合体について比較的に低分子量成分を
得る工程および比較的に高分子量成分を得る工程からな
る複数の重合工程で製造する方式である。このような多
段重合の好適な例は、特開昭56-161405号公報に詳細に
示されている。すなわち例えば、前段の重合は、高分子
量の重合体を生成させる重合工程および低分子量の重合
体を生成させる重合工程の少なくとも2個の重合工程で
並列的に行う。次に後段の重合は、前段の各重合工程に
おいて生成した重合体を含んだままの反応混合物を混ぜ
合わせ新たな1体の反応混合物となし、その存在下に上
記の各重合工程で生成させた重合体の分子量に対して中
央に位置する分子量を持った重合体を生成させる重合工
程で行う。
各段の生成比率は、高分子量成分の重合工程においては
25〜70wt%、低分子量成分の重合工程においては25〜70
wt%および中央に位置する分子量の重合工程においては
5〜50wt%の範囲内で選ぶことが好ましい。また例え
ば、前段工程で低分子量成分を生成した後に、後段工程
において高分子量成分を生成することも、逆に高分子量
成分を生成した後に低分子量成分を生成することも可能
である。このときの両成分の生成比率は、高分子量成分
の重合工程においては30〜70wt%低分子量成分の重合工
程においては30〜70wt%の範囲内で選ぶことが好まし
い。
本発明において生成重合体の分子両は公知の手段、すな
わち適当量の水素を反応系内に存在させるなどの方法に
より調節することができる。例えば、エチレン重合の場
合、水素濃度は、エチレン濃度に対し水素分圧/エチレ
ン分圧の比率で、通常0.001〜20で、ことに多段重合で
は低分子量成分の工程で0.01〜20,高分子量の工程では
0〜0.1に選ばれる。ここで低分子量成分,高分子量成
分の両分子量は、それらの平均分子量が目的重合体のそ
れに一致すること、およびそれらの分子量差が目的重合
体の分子量分布の幅の合うことを目標として選ぶことが
必要である。
本発明の実施にあたり、触媒成分(A)の使用量は、溶
媒1当たり、または反応器1当たり、チタン原子0.
001〜2.5ミリモルに相当する量で使用することが好まし
く、条件により一層高い濃度で使用することもできる。
成分(B)の塩素含有有機アルミニウム化合物または混
合物は、溶媒1当たり、または反応器1当たり、0.
02〜50ミリモル、好ましくは0.2〜5ミリモルの濃度で
使用する。
また、有機酸エステルを使用する場合は、触媒成分
(B)の塩素含有有機アルミニウム化合物または混合物
1モルに対して0.01〜1モル、好ましくは0.05〜0.7モ
ルの範囲内で使用する。
重合工程において使用する反応器は、当該技術分野で通
常用いられるものであれば適宜使用することができる。
例えば、攪はん槽型反応器または循環式反応器を用い
て、重合操作を連続方式,半回分方式および回分方式の
いずれかの方式で行うことができる。
〔発明の効果〕
本発明の効果は、第1の重合体の粉体特性が顕著な点に
ある。すなわち、本発明によれば、粒度分布が極めて狭
く、かつ微細粒子含量が少なく、さらに適度な大きさの
平均粒径を有する嵩密度の高い重合体を得ることができ
る。これらのことは工業的に極めて大きな意義を有す
る。すなわち、重合工程においては、重合装置内での付
着物の生成が阻止され、重合体の分離,乾燥工程におい
ては、重合体スラリーの分離・過が容易となり、重合
体の微細粒子の系外への飛散が防止される。加えて流動
性の向上により乾燥効率が向上する。また、移送工程に
おいては、サイロ内でブリッジなどの発生がなく、移送
上のトラブルが解消される。さらに、一定の品質を有す
るポリマーを供給することが可能となる。
本発明の第2の効果は、単独重合において適度な分子量
分布を有する重合体が得られ、かつその調節を容易に行
なうことができることである。多段重合において、広い
分子量分布をもつ重合体が得られることは周知のことで
あるが、単独重合で広い分子量分布の重合体を得る場
合、粉体特性の悪化が顕著であった。本発明によれば、
そのような場合においても粉体特性の悪化が少なく、高
い衝撃強度を有する重合体を得ることができる。
本発明の第2の効果は、適度な分子量分布に調節が容易
であり、かつ、分子量分布の変動による粉体特性の悪化
が少なく、高い衝撃強度を有する重合体を得ることがで
きる。
本発明の第3の効果は、触媒活性が高いこと、すなわ
ち、固体触媒成分(A)の単位重量当たりに得られる重
合体の重量が著しく多いことである。またTi重量当たり
の活性も極めて高く、したがって重合体の成形時に劣化
や着色などの問題を避けることができる。
本発明の第4の効果は、成形加工性が良好なことであ
る。特に、多段重合法に用いた場合には効果が顕著であ
り、結果的に製品として仕上がった押出成形品や中空成
形品の外観が極めて良好となり、また中空成形品のバリ
取りが容易となり、ピンチオフ部の形状も良好となる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例により示すが、本発明はこれらの
実施例によってなんら限定されるものではない。なお、
実施例および比較例において、HLMI/MIは高負荷メルト
インデックス(HLMI,ASTM D-1238条件Fによる)とメル
トインデックス(MI,ASTM D-1238条件Eによる)との比
であり、分子量分布の尺度である。HLMI/MI値が小さい
と分子量分布が狭いと考えられる。
活性は、固体触媒成分(A)1g当たりの重合体生成量
(g)を表わす。Ti活性は固体触媒成分(A)中のTi含
量1g当たりの重合体生成量(g)を表わす。重合体粒子
の粒径分布の広狭は重合体粒子を篩によって分級した結
果を確率対数紙にプロットし、近似した直線より公知の
方法で幾何標準偏差を求め、その常用対数(以下、σと
いう)で表わした。また、平均粒径は前記の近似直線の
重量積算値50%に対応する粒径を読み取った値である。
成形加工評価は、重合体粒子をスクリュー口径25mmφの
単軸押出機にて押出樹脂温度200℃にてペレット化した
サンプルによって評価した。バランスフィルム成膜成形
評価は、スクリュー径25mmφ,ダイス直径30mmφのバラ
ンスフィルム成形機にて評価した。フィッシュアイ(以
下E.E.という)は、ブロー比4.0で成膜成形したところ
の厚み30μのフィルムで目視により測定した。成形加工
性は、バランスフィルム成膜成形時の安定性(バブルの
ユレ、歪みの度合)の目視評価により判定した。
また、中空成形品の評価は、スクリュー径30mmφのバラ
ンス成形機にて300cc丸瓶を成形し、その表面肌の状
態,バリ取りの難易,ピンチオフ部の最小肉厚を目視に
より評価した。
比較例1 (イ)〔固体触媒成分(A)の調製〕 攪拌装置を備えた1.6lのオートクレーブに、n−ブタノ
ール37g(0.50モル),2−エチルヘキサノール65g(0.50
モル)を入れ、これにヨウ素0.55g,金属マグネシウム粉
末11g(0.45モル)およびチタンテトラブトキシド15g
(0.044モル)を加え、さらにヘキサン450mlを加えた後
80℃まで昇温し、発生する水素ガスを排除しながら窒素
シール下で1時間攪拌した。引き続き120℃まで昇温し
て1時間反応を行い、Mg-Ti溶液を得た。
内容積500mlのフラスコにMg-Ti溶液のMg換算0.048モル
を加え45℃に昇温してジエチルアルミニウムクロライド
(0.048モル)のヘキサン溶液を1時間かけて加えた。
すべてを加えた後60℃で1時間攪拌した。次にメチルヒ
ドロポリシロキサン(25℃における粘度約30センチスト
ークス)5.6ml(ケイ素0.096グラム原子)を加え、還流
下に1時間反応させた。45℃に冷却後、i−ブチルアル
ミニウムジクロライドの50%ヘキサン溶液80mlを2時間
かけて加えた。すべてを加えた後、70℃で攪拌を行っ
た。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で15回洗浄を行っ
た。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分(A)
のスラリー(固体触媒成分(A)12.6gを含む)を得
た。その一部を採取し、上澄液を除去して窒素雰囲気下
で乾燥し、元素分析したところ、Tiは3.6重量%であっ
た。
(ロ)〔エチレンの重合〕 内容積2lのステンレススチール製電磁攪拌型オートクレ
ーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2lを仕込み、内
温を80℃に調節した。その後、触媒成分(B)として、
トリ−i−ブチルアルミニウム46mg(0.23ミリモル)と
ジエチルアルミニウムクロライド113mg(0.94ミリモ
ル)の混合物および前記(イ)で得た固体触媒成分
(A)14mgを含有するスラリーを順次添加した。オート
クレーブ内圧を1kg/cm2Gに調節した後、水素を4kg/cm2
を加え、次いでオートクレーブ内圧が11.0kg/cm2Gにな
るように、連続的にエチレンを加えながら1.5時間重合
を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスを追い出して
ポリエチレンを取り出し、過により溶媒から分離して
乾燥した。
その結果、メルトインデックス0.47g/10分,HLMI/MI48,
嵩密度0.44g/cm3のポリエチレン420gが得られた。固体
触媒成分(A)1g当たりの生成量(以下、活性という)
は30000g/gに相当する。又、Ti 1g当たりの活性(以
下、Ti活性という)は833kg/gと極めて高かった。また
平均粒径は290μであり、粒径が105μ以下の微細粒子の
割合(以下、微細粒子含量という)は3.0重量%、そし
てσは0.10であった。
比較例2〜4 比較例1の(イ)において用いたn−ブタノールの代わ
りに、比較例2では、1−デカノール(0.50モル)とi
−プロパノール(0.50モル)、比較例3では、1−ドデ
カノール(0.50モル)とi−プロパノール(0.50モ
ル)、および比較例4ではn−ブタノール(0.50モル)
と2−メチルペンタノール(0.50モル)を使用する以外
は、比較例1と同様な方法で固体触媒成分(A)を調製
した。
得られた各固体触媒成分(A)と触媒成分(B)を用い
てエチレンの重合を実施したが、触媒成分(B)として
比較例2ではトリ−i−ブチルアルミニウム157mg(0.7
9ミリモル)とエチルアルミニウムセスキクロライド94m
g(0.38ミリモル)との混合物を、比較例3ではジエチ
ルアルミニウムクロライド141mg(1.2ミリモル)を、比
較例4ではトリエチルアルミニウム111mg(0.97ミリモ
ル)とi−ブチルアルミニウムジクロライド32mg(0.21
ミリモル)との混合物を用いること以外、比較例1の
(ロ)と同様の条件でエチレンを重合した。結果を表1
に示した。
比較例5〜7 固体触媒成分(A)の製造に用いる反応剤の使用量を変
化させた。すなわち、比較例1ではi−ブチルアルミニ
ウムジクロライドの50%ヘキサン溶液80mlを用いたが、
この量を比較例5では143ml(0.38モル)使用した以外
は、固体触媒成分(A)の製造に関する他の条件はすべ
て比較例1と同様な方法で固体触媒成分(A)を調製し
た。
比較例6および比較例7は、各々チタンテトラブトキシ
ドの使用量を変化させた。すなわち、比較例6ではチタ
ンテトラブトキシド15g(0.044モル)用いたが、この量
を比較例6では8g(0.024モル)比較例7では4g(0.012
モル)使用し、又、n−ブタノールの代わりにn−オク
タノールを使用しHg-Ti溶液を得た。次いで固体触媒成
分(A)の製造に関する他の条件は、すべて比較例1と
同様の条件で固体触媒成分(A)を調製した。
得られた各固体触媒成分(A)と、触媒成分(B)とし
てトリ−i−ブチルアルミニウム23mg(0.12ミリモル)
とジエチルアルミニウムクロライド121mg(1.0ミリモ
ル)との混合物を用いること以外、比較例1の(ロ)と
同様の条件でエチレンを重合した。結果を表1に示し
た。比較例8 比較例1と同様の装置を用い、反応剤としてn−ブタノ
ール70g(0.94モル),ヨウ素0.55g,金属マグネシウム
粉末11g(0.45モル)およびチタンテトラブトキシ306g
(0.90モル),ヘキサン450mlを使用し、比較例1と同
様にの条件で反応を行い、Mg-Ti溶液を得た。
内容積500mlのフラスコにMg-Ti溶液のMg換算0.050モル
を加え、45℃に昇温して、i−ブチルアルミニウムジク
ロライドの50%ヘキサン溶液158mlを2時間かけて加え
た。すべてを加えた後、70℃1時間攪拌を行った。生成
物にヘキサンを加え、傾斜法で15回洗浄を行った。かく
して、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分(A)のスラリ
ーを得た。元素分析したところ、Tiは18.7重量%であっ
た。
得られた固体触媒成分(A)と触媒成分(B)としてト
リ−i−ブチルアルミニウムを用いること以外、比較例
1の(ロ)と同様の条件でエチレンの重合を行った。
活性は13000g/g,Ti活性は70kg/gと低かった。また、微
細粒子含量は1.0重量%と少なかったものの、嵩密度は
0.25g/cm3と低く、さらにσも0.35と大きく、粒子は不
揃いであった。
比較例9 比較例1の反応剤の使用量を変化させた。すなわち、チ
タンテトラブトキシド37g(0.11モル)を使用すること
以外、比較例1と同様の条件でMg-Ti溶液を得た。このM
g-Ti溶液を使用し固体触媒成分(A)を調製した。固体
触媒成分(A)についても、i−ブチルアルミニウムジ
クロライドの50%ヘキサン溶液23ml(0.062モル)使用
すること以外、比較例1の固体触媒成分(A)の調製と
同様の条件で調製し、固体触媒成分(A)のスラリーを
得た。元素分析の結果、Tiは6.9重量%であった。
得られた固体触媒成分(A)と触媒成分(B)としてト
リ−i−ブチルアルミニウムを用いること以外、比較例
1の(ロ)と同様の条件でエチレンを行った。
活性は各実施例と比較し6400g/gと低く、Ti活性も93kg/
gと低かった。また、嵩密度0.32g/cm3,微細粒子含量1
2.7重量%,σ0.21と粉体特性は実施例より劣る結果を
示した。
比較例10 比較例1において調製した固体触媒成分(A)と触媒成
分(B)として、エチルアルミニウムセスキクロライド
290mg(1.2ミリモル)を用いること以外、比較例1の
(ロ)と同様の条件でエチレンを重合した。
活性は1300g/gと極めて低く、Ti活性も36kg/gと低かっ
た。MIは分子量が極めて高く測定できなかった。結果は
表1に示した。
実施例1 比較例1で調製した固体触媒成分(A)を用いて、多段
重合法でエチレンの重合を行った。すなわち、内容積5l
のステンレススチール製電磁攪はん型反応器2基を用
い、一方の反応器にヘキサン3l仕込み、内温を85℃に調
節した後、触媒成分(B)としてトリ−i−ブチルアル
ミニウム349mg(1.8ミリモル)とジエチルアルミニウム
クロライド849mg(7.0ミリモル)との混合物および固体
触媒成分(A)200mgを加えた。窒素ガスによって反応
器内圧を1kg/cm2Gに調節した後、水素分圧19.0kg/cm2
加え、さらに全圧が25kg/cm2Gになるように連続的にエ
チレンを加えて65分間重合を行い低分子量重合体を製造
した。
他方の反応器には、ヘキサン3lを仕込み、触媒成分
(B)として、トリ−i−ブチルアルミニウム349mg
(1.8ミリモル)とジエチルアルミニウムクロライド849
mg(7.0ミリモル)との混合物および固体触媒成分
(A)100mgを加えた。窒素ガスによって反応器内圧を1
kg/cm2Gに調節した後、水素分圧0.1kg/cm2を加え、さら
に全圧が4.0kg/cm2Gになるように連続的にエチレンを加
えて65分間重合を行い高分子量重合体を製造した。
次に、これらの重合体を含む各反応混合物を、接続管を
通して内容積10lの攪はん型反応器に圧送した。この反
応器の気相を窒素で置換した後、内温を80℃,内圧を1.
0kg/cm2Gとし、水素分圧1.2kg/cm2を加え、さらに全圧
が5.2kg/cm2Gとなるようにエチレンを連続的に供給して
45分間重合を行い、反応混合物をろ過乾燥した。得られ
た重合体は3590gであった。また各段の生成量はエチレ
ン流量により把握した結果、生成比率は、前段の低分子
量重合体については40wt%同じく高分子量重合体につい
ても40wt%および後段については20wt%であった。
得られた重合体粒子をスクリュー径25mmφの押出機にて
ペレット化したところ、このペレットのMIは0.069,HLMI
/MIは178であった。このペレットをスクリュー径25mmφ
のインフレーション成膜機により樹脂温215℃,ブロー
比4.0,フィルム厚み30μで評価を行った。その結果、ネ
ック径が細く、バブルのユレ,歪がなく極めて安定した
状態で成膜成形できた。製品の色相は極めて良好であ
り、また直径0.2mm以上のF.Eが72個/m2と極めて少な
く、外観上も申し分のない結果が得られた。
実施例2 比較例7で調製した固体触媒成分(A)を用いて、2段
重合法でエチレンの重合を行った。
内容積10lのステンレススチール製、電磁攪はん型反応
器内を十分窒素で置換し、ヘキサン6.0lを仕込み、内温
を85℃に調節した。その後、触媒成分(B)として、ト
リ−i−ブチルアルミニウム119mg(0.6ミリモル)とジ
エチルアルミニウムクロライド639mg(5.3ミリモル)と
の混合物および比較例7で調製した固体触媒成分(A)
150mgを加えた。窒素ガスによって反応器内を1kg/cm2G
に調節した後、水素16.0kg/cm2を加えて全圧が20kg/cm2
Gになるように連続的にエチレンを加えながら、60分間
重合を行い低分子量重合体を製造した。
次に、この反応器の気相を窒素で置換し、内温を75℃,
内圧を1.0kg/cm2Gとし、水素分圧1.0kg/cm2を加え、さ
らに全圧が5.0kg/cm2Gとなるように、連続的にエチレン
を供給し45分間重合を行い、反応混合物をろ過乾燥し
た。得られた重合体は2250gであった。また各段の生成
量はエチレン流量により把握した結果、生成比率は、前
段の低分子量重合体については50wt%、および後段の高
分子量重合体についても50wt%であった。
得られた重合体粒子を実施例1と同様の方法でペレット
化し、成膜を行なった。結果は表2に示した。
比較例11 比較例8で調製した固体触媒成分(A)および触媒成分
(B)としてトリ−i−ブチルアルミニウムを用いるこ
と以外、実施例1と同様の条件で多段重合を行った。こ
の結果、得られたポリエチレンは1780gであった。ま
た、ペレットのMIは、0.035,HLMI/MIは148で成膜時のバ
ブル状態は不安定であり、横ユレや歪が発生した。また
製品の色相は、黄味がかかっており、実施例1の結果よ
り明らかに劣っていた。また、シワ,タルミが生じてお
り、製品の外観も悪かった。
比較例12 比較例9で調製した固体触媒成分(A)および触媒成分
(B)としてトリ−i−ブチルアルミニウムを用いるこ
と以外、実施例2と同様の条件で2段重合を行った。結
果は表2に示した。
実施例3 実施例2の2段重合法において、重合条件を変更した。
すなわち、低分子量重合体の製造においては、水素を1
0.8kg/cm2,全圧を13.7kg/cm2Gにする事以外は、実施例
2と同様の方法を用いた。また高分子量重合体の製造に
おいては、内温を80℃,水素を0.8kg/cm2,全圧を4.5kg
/cm2Gにする事以外は、実施例2と同様の方法を用い、
重合体粒子を得た。スクリュー口径25mmφの押出機でペ
レット化し、スクリュー口径30mmφのブロー成形機にて
300cc丸瓶を成形し評価した。その結果、成形瓶の色相
は良好であり、また表面肌も良好な状態を呈していた。
バリ取りも容易であり、ピンチオフ部を切断し断面を観
察したところ、凹凸も少なく良好であった。
比較例13 比較例8で調製した固体触媒成分(A)および触媒成分
(B)としてトリ−i−ブチルアルミニウムを用いるこ
と以外、実施例3と同様の条件で重合体粒子を得た。得
られた重合体粒子は、実施例3と同様の方法で評価し
た。結果は表3に示した。
実施例4 内容積2lのステンレススチール製電磁攪拌式オートクレ
ーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2lを仕込み、内
温を70℃に調節した。その後、触媒成分(B)としてト
リエチルアルミニウム55mg(0.48ミリモル)とエチルア
ルミニウムセスキクロライド30mg(0.12ミリモル)との
混合物、安息香酸エチル45mg(0.3ミリモル)および比
較例1で得られた固体触媒成分(A)40mgを含有するス
ラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を1kg/cm2G
に調節した後、水素を1kg/cm2加え、次いでオートクレ
ーブ内圧が11.0kg/cm2Gになるように、連続的にプロピ
レンを加えながら1.5時間重合を行った。重合終了後、
未反応ガスを追い出してポリプロピレンを取り出し、
過により溶媒から分離して乾燥した。
その結果、MFR(メルトフローレート、ASTM D-1238条件
Lによる)は2.6嵩密度0.36g/cm3のポリプロピレン76g
が得られた。活性は1900g/gに相当する。又、Ti活性は5
2.8kg/gであった。重合体粒子の平均粒径は210μであ
り、微細粒子含量2.3重量%、そしてσは0.13であっ
た。また、重合体粒子の沸とうヘプタン抽出より求めた
I.Iは、92.4%であった。
実施例5 (イ)〔固体触媒成分(A)の調製〕 攪拌装置を備えた1.6lのオートクレーブに、n−ブタノ
ール70.3g(0.95モル)を入れ、これにヨウ素0.5g、金
属マグネシウム粉末11g(0.45モル)およびチタンテト
ラブトキシド61.2g(0.18モル)を加え、さらにヘキサ
ン450mlを加えた後80℃まで昇温し、発生する水素ガス
を排除しながら窒素シール下で1時間撹拌した。引き続
き120℃まで昇温し1時間反応を行い、Mg-Ti溶液を得
た。
内容積500mlのフラスコにMg-Ti溶液のMg換算0.05モルを
加え45℃に昇温して、トリ−i−ブチルアルミニウム
(0.05ミリモル)を1時間かけて加えた。すべてを加え
た後60℃で1時間撹拌した。次にテトラエトキシシラン
11.2ml(0.05モル)を加え、還流下に1時間反応させ
た。45℃に冷却後、i−ブチルアルミニウムジクロライ
ドの50%ヘキサン溶液80ml(0.22モル)を2時間かけて
加えた。すべてを加えた後、70℃で1時間撹拌を行っ
た。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で15回洗浄を行っ
た。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分(A)
のスラリー(固体触媒成分(A)8.5gを含む)を得た。
その一部を採取し、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾
燥し、元素分析したところ、Tiは10.3wt%であった。
(ロ)重合 内容積10lのステンレススチール製電磁撹拌型反応器内
を十分窒素で置換し、ヘキサン6.0lを仕込み内温を80℃
に調節した。その後、触媒成分(B)としてトリ−i−
ブチルアルミニウム0.12g(0.6mmol)とジエチルアルミ
ニウムクロライド0.64g(5.3ミリモル)との混合物およ
び上記成分(A)150mgを添加した。反応器内を窒素ガ
スによって1kg/cm2Gに調節した後、水素16.0kg/cm2を加
えて全圧が20kg/cm2Gになるようにエチレンを加えなが
ら60分間重合を行い低分子量重合体を製造した。
次に、この反応器の気相を窒素で置換し、内温を75℃、
内圧を1.0kg/cm2Gとし、水素分圧1.0kg/cm2を加え、さ
らに全圧が5.0kg/cm2Gとなるように連続的にエチレンを
供給し45分間重合を行い、反応混合物をろ過乾燥した。
得られた重合体は、2230gであった。また各段の生成量
はエチレン流量により把握した結果、生成比率は、全段
の低分子量重合体については50wt%、および後段の高分
子量重合体についても50wt%であった。
得られた重合体粒子をスクリュー径25mmφの押出機にて
ペレットのMIは0.07、HLMI/MIは190であった。このペレ
ットをスクリュー径25mmφのインフレーション成膜機に
より樹脂温215℃、ブロー比4.0、フィルム厚み30μで評
価を行った。その結果、ネック径が細く、バブルのユ
レ、歪がなく極めて安定した状態で成膜成形できた。製
品の色相は極めて良好であり、また直径0.2mm以上のF.E
(フィッシュアイ)が60個/m2と極めて少なく、外観上
も申し分のない結果であった。
比較例14 実施例5で調製した固体触媒成分(A)を用いて、1段
階のみ重合を行い成膜評価を実施した。
すなわち、内容積10lのステンレススチール製電磁撹拌
型反応器内を十分窒素で置換し、ヘキサン6.0lを仕込み
内温を80℃に調節した。その後、触媒成分(B)として
トリ−i−ブチルアルミニウム0.12g(0.6mmol)とジエ
チルアルミニウムクロライド0.64g(5.3ミリモル)との
混合物および実施例13で調製した固体触媒成分(A)15
0mgを添加した。反応器内を窒素ガスによって1kg/cm2G
に調節した後、水素3.0kg/cm2を加えて全圧が10kg/cm2G
になるようにエチレンを加えながら90分間重合を行い重
合体を製造した。ろ過乾燥により得られた重合体は、18
90gであった。
得られた重合体粒子をスクリュー径25mmφの押出機にて
ペレットのMIは0.07、HLMI/MIは52であった。このペレ
ットをスクリュー径25mmφのインフレーション成膜機に
より樹脂温215℃、ブロー比4.0、フィルム厚み30μで評
価を行った。その結果、バブルのユレ、歪がひどく安定
した状態で成膜成形ができなかった。また製品は、外観
上肌荒れがひどいものであった。
実施例6 実施例5の2段重合法において、重合条件を変更した。
すなわち、低分子量重合体の製造法においては、水素1
0.08kg/cm2、全圧13.7kg/cm2Gにすること以外は、実施
例5と同様の方法を用いた。また高分子量重合体の製造
においては、内温を80℃、水素を0.8kg/cm2、全圧を4.5
kg/cm2Gにすること以外は、実施例5と同様の方法を用
い、重合体粒子を得た。重合体粒子は2510g得られ、ス
クリュー径25mmφの押出機でペレット化し、スクリュー
径30mmφのブロー成形機にて300cc丸瓶を成形し評価し
た。その結果、成形瓶の色相は良好であり、また表面肌
も良好な状態を呈していた。バリ取りも容易であり、ピ
ンチオフ部を切断し断面を観察したところ、凹凸も少な
く良好であった。
実施例7 (イ)〔固体触媒成分(A)の調製〕 実施例5で調製したMg−Ti溶液を用い、ケイ素化合物と
してジフェニルジエトキシシラン使用することで固体触
媒成分(A)を調製した。
すなわち内容積500mlのフラスコに実施例5のMg-Ti溶液
のMg換算0.05モルを加え45℃に昇温して、トリ−i−ブ
チルアルミニウム(0.05モル)を1時間かけて加えた。
すべてを加えた後60℃で1時間撹拌した。次にジフェニ
ルジエトキシシラン13.2ml(0.05モル)を加え、還流下
に1時間反応させた。45℃に冷却後、i−ブチルアルミ
ニウムジクロライドの50%ヘキサン溶液80ml(0.22モ
ル)を2時間かけて加えた。すべてを加えた後、70℃で
1時間撹拌を行った。生成物にヘキサンを加え、傾斜法
で15回洗浄を行った。かくして、ヘキサンに懸濁した固
体触媒成分(A)のスラリー(固体触媒成分(A)8.8g
を含む)を得た。
その一部を採取し、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾
燥し、元素分析したところ、Tiは9.8wt%であった。
(ロ)重合 内容積10lのステンレススチール製電磁撹拌型反応器内
を十分窒素で置換し、ヘキサン6.0lを仕込み内温を85℃
に調節した。その後、触媒成分(B)としてトリ−i−
ブチルアルミニウム0.12g(0.6mmol)とジエチルアルミ
ニウムクロライド0.64g(5.3ミリモル)との混合物およ
び上記成分(A)150mgを添加した。反応器内を窒素ガ
スによって1kg/cm2Gに調節した後、水素16.0kg/cm2を加
えて全圧が20kg/cm2Gになるようにエチレンを加えなが
ら60分間重合を行い低分子量重合体を製造した。
次に、この反応器の気相を窒素で置換し、内温を75℃、
内圧を1.0kg/cm2Gとし、水素分圧1.0kg/cm2を加え、さ
らに全圧が5.0kg/cm2Gとなるように連続的にエチレンを
供給し45分間重合を行い、反応混合物をろ過乾燥した。
得られた重合体は、2130gであった。また各段の生成量
はエチレン流量により把握した結果、生成比率は、全段
の低分子量重合体については50wt%、および後段の高分
子量重合体についても50wt%であった。
得られた重合体粒子をスクリュー径25mmφの押出機にて
ペレットのMIは0.06、HLMI/MIは210であった。このペレ
ットをスクリュー径25mmφのインフレーション成膜機に
より樹脂温215℃、ブロー比4.0、フィルム厚み30μで評
価を行った。その結果、ネック径が細く、バブルのユ
レ、歪がなく極めて安定した状態で成膜成形できた。製
品の色相は極めて良好であり、また直径0.2mm以上のF.E
(フィッシュアイ)が70個/m2と極めて少なく、外観上
も申し分のない結果であった。
実施例8 (イ)〔固体触媒成分(A)の調製〕 攪拌装置を備えた1.6lのオートクレーブに、n−ブタノ
ール70g(0.94モル)を入れ、これにヨウ素0.55g、金属
マグネシウム粉末11g(0.45モル)およびヘキサ−i−
プロポキシジチタネート42g(0.09モル)を加え、さら
にヘキサン450mlを加えた後80℃まで昇温し、発生する
水素ガスを排除しながら窒素シール下で1時間撹拌し
た。ひき続き120℃まで昇温し1時間反応を行い、Mg-Ti
溶液を得た。
内容積500mlのフラスコにMg-Ti溶液のMg換算0.06モルを
加え45℃に昇温して、トリ−i−ブチルアルミニウム
(0.05ミリモル)を1時間かけて加えた。すべてを加え
た後60℃で1時間撹拌した。次にメチルヒドロポリシロ
キサン(25℃における粘度約30センチストークス)2.8m
l(ケイ素0.05グラム原子)を加え、還流下に1時間反
応させた。45℃に冷却後、i−ブチルアルミニウムジク
ロライドの50%ヘキサン溶液90ml(0.24モル)を2時間
かけて加えた。すべてを加えた後、70℃で1時間撹拌を
行った。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で15回洗浄を
行った。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分
(A)のスラリー(固体触媒成分(A)9.3gを含む)を
得た。
その一部を採取し、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾
燥し、元素分析したところ、Tiは8.1wt%であった。
(ロ)重合 内容積10lのステンレススチール製電磁撹拌型反応器内
を十分窒素で置換し、ヘキサン6.0lを仕込み内温を85℃
に調節した。その後、触媒成分(B)としてトリ−i−
ブチルアルミニウム0.12g(0.6mmol)とジエチルアルミ
ニウムクロライド0.64g(5.3ミリモル)との混合物およ
び上記成分(A)150mgを添加した。反応器内を窒素ガ
スによって1kg/cm2Gに調節した後、水素16.0kg/cm2を加
えて全圧が20kg/cm2Gになるようにエチレンを加えなが
ら60分間重合を行い低分子量重合体を製造した。
次に、この反応器の気相を窒素で置換し、内温を75℃、
内圧を1.0kg/cm2Gとし、水素分圧1.0kg/cm2を加え、さ
らに全圧が5.0kg/cm2Gとなるように連続的にエチレンを
供給し45分間重合を行い、反応混合物をろ過乾燥した。
得られた重合体は、2080gであった。また各段の生成量
はエチレン流量により把握した結果、生成比率は、全段
の低分子量重合体については50wt%、および後段の高分
子量重合体についても50wt%であった。
得られた重合体粒子をスクリュー径25mmφの押出機にて
ペレットのMIは0.07、HLMI/MIは200であった。このペレ
ットをスクリュー径25mmφのインフレーション成膜機に
より樹脂温215℃、ブロー比4.0、フィルム厚み30μで評
価を行った。その結果、ネック径が細く、バブルのユ
レ、歪がなく極めて安定した状態で成膜成形できた。製
品の色相は極めて良好であり、また直径0.2mm以上のF.E
(フィッシュアイ)が70個/m2と極めて少なく、外観上
も申し分のない結果であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は触媒調製工程をあらわすフローチャートであ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(i)金属マグネシウムとアルコー
    ルからなる群より選んだ少なくとも1員と、 (ii)少なくとも1種のチタンの酸素含有有機化合物と
    を含有する均一溶液に、 (iii)少なくとも1種の有機アルミニウム化合物を反
    応させ、次いで (iv)少なくとも1種のポリシロキサンまたはアルコキ
    シシランを反応させた後、さらに (v)少なくとも1種のハロゲン化アルミニウム化合物
    を反応させて得られた固体触媒成分(A)と、 (B)塩素含有有機アルミニウム化合物および混合物か
    ら選んだ少なくとも1種の触媒成分(B) とからなる触媒系の存在下で、少なくとも1種のオレフ
    ィンを多段重合させることからなるポリオレフィンの製
    造方法において、固体触媒成分(A)の調製に使用する
    マグネシウムのグラム原子(Mg),チタン化合物中のチ
    タンのグラム原子(Ti),ポリシロキサンまたはアルコ
    キシシラン中のアルコキシ基のグラム当量(S)、およ
    びハロゲンのグラム原子(X)が、次の2つの式 2≦Mg/Ti≦200 および 1≦P≦10 (P=Mg/Ti+Mg×X/4・Ti+2・Mg+S) を満足するように選び、かつ触媒成分(B)として使用
    する塩素含有有機アルミニウム化合物または混合物中の
    塩素とアルミニウムの原子比が、0<Cl/Al≦1の範囲
    を満足するように選ぶことを特徴とするポリオレフィン
    の製造方法。
  2. 【請求項2】有機アルミニウム化合物(iii)が一般式R
    1 3Al(式中、R1は1〜20個の炭素原子を有するアルキル
    基を表わす)で示される化合物である特許請求の範囲第
    (1)項記載の方法。
  3. 【請求項3】有機アルミニウム化合物(iii)が一般式R
    1 nAlY3-n(式中、R1は1〜20個の炭素原子を有するアル
    キル基を表わし、Yはアルコキシ,アリールオキシもし
    くはシクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表わし、
    nは1≦n<3なる数を表わす)で示される化合物であ
    る特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  4. 【請求項4】アルコールとして2〜18個の炭素原子を有
    する直鎖脂肪族アルコールと3〜18個の炭素原子を有す
    る分岐鎖脂肪族アルコールとの混合物より選んだ少なく
    とも1員を使用する特許請求の範囲第(1),(2)ま
    たは(3)項記載の方法。
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