JPH0756017A - 偏光フィルム - Google Patents
偏光フィルムInfo
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- JPH0756017A JPH0756017A JP17155193A JP17155193A JPH0756017A JP H0756017 A JPH0756017 A JP H0756017A JP 17155193 A JP17155193 A JP 17155193A JP 17155193 A JP17155193 A JP 17155193A JP H0756017 A JPH0756017 A JP H0756017A
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Abstract
素のような二色性色素を吸着させて配向させた偏光子と
その片面にトリアセチルセルロース・フィルムを、他の
面にポリカーボネート系樹脂よりなるフィルムあるいは
ポリメチルメタクリレート系樹脂よりなるフィルムを積
層した偏光フィルム。
Description
ィルムに関する。
ーソナルコンピュター、カラー液晶テレビ等に多用され
ている。近年、液晶表示装置は車載用や野外用として高
温多湿の条件下で使用されることが多くなって来てい
る。液晶表示装置の高温多湿雰囲気下における信頼性を
向上させるためには耐湿熱性の高い偏光フィルムが強く
要望されている。また最近では液晶表示素子の白黒表示
あるいはカラー表示が一般的になりつつある。このよう
な表示に対応するために、耐湿熱性に優れると同時に透
過率および偏光度の高い偏光フィルムが要望されてい
る。
は、延伸配向した偏光膜基材フィルムに二色性色素を吸
着させて作製する。偏光フィルムには両面に光学的に透
明で異方性の無いフィルムを保護膜として使用するのが
一般的である。保護膜としてはトリアセチルセルロース
フィルム(以下これを「トリアセテートフィルム」とい
うことがある。)が用いられている。偏光子の基材フィ
ルムとしてはポリビニルアルコール系重合体が一般的に
使用されている。偏光フィルムの一般的な作り方は延伸
したポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着さ
せ、ホウ酸を含む固定水溶液で処理した後、偏光子の両
面にトリアセテートフィルムからなる保護フィルムを張
り合せるという手法が一般的である。染料系偏光フィル
ムの一般的な製法としては一軸延伸フィルムに二色性染
料を吸着させる方法が使用されている。この場合に使用
される高分子フィルムとしてはポリビニルアルコール系
フィルムが好適に用いられている。特にポリビニルアル
コール系フィルムにヨウ素を吸着させた偏光フィルムが
透過率および偏光度の点で最も優れており、偏光フィル
ムとして最も一般的に使用されている。
熱性を向上させるためにトリアセテートフィルムの表面
に防湿性の保護層を設けることが検討されている。ここ
で使用される防湿性の保護層としてはポリメチルメタク
リレート樹脂(以下「PMMA」と略記する)やポリエ
ステル樹脂等のコート層、あるいはSiO2等の無機の
蒸着膜などである。しかしPMMAのコートについて
は、薄い均一なコートが難しく、防湿性を高めるために
コート層の厚さを厚くするとPMMAのコート層に亀裂
が生じる場合がある。また、PMMAのコート層とトリ
アセテートフィルムとの接着性が弱いなどの問題点があ
る。ポリエステル樹脂をコート層に用いると前記PMM
Aをコート層に用いた場合と同様のトラブルが生じる他
に光線の透過率が低下したり、干渉縞が発生するなど偏
光フィルムとして実用上の問題点がある。無機の蒸着膜
を使用する方法は熱あるいは水分に対するトリアセテー
トフィルムと無機の蒸着膜の膨張率の差が大きいため無
機の蒸着膜に亀裂が発生するため好ましい方法ではな
い。加えてトリアセテートフィルムは吸水率が高いため
無機質物質の蒸着を実施することが極めて困難である。
系偏光フィルムは耐湿熱性が悪いという問題点がある。
例えば80℃、90%相対湿度(RH)の雰囲気下にお
ける耐湿熱性をヨウ素を吸着させた偏光フィルムで試験
した場合(偏光子の両面をトリアセテートフィルムで保
護したもの)、偏光フィルムをクロスニコルの状態に設
置し(放置前の偏光度99.9%)、上記の条件で観察
を行なったところ100時間で偏光度が75%まで低下
し、さらに250時間で偏光度が1.8%まで低下し
た。上記の結果において示されるように従来の偏光フィ
ルムの耐湿熱性は極めて乏しかった。また、偏光フィル
ムの耐湿熱性を向上させるために、前記のように種々の
方法が提案されている。しかしながら、これらの方法に
は種々の問題点を有している。本発明はこのような問題
点を解決し、偏光特性および耐湿熱性に優れた偏光フィ
ルムを提供することを目的とする。
決するために鋭意検討した結果、ポリビニルアルコール
系基材フィルムに二色性色素を吸着配向させた偏光子の
両面に透明な保護フィルムを接着した偏光フィルムにお
いて、片側の保護フィルムとして無配向なトリアセテー
トフィルムを使用し、もう一方の側の保護フィルムとし
てポリカーボネート系樹脂よりなるフィルムあるいはポ
リメチルメタクリレート系樹脂よりなるフィルムを使用
した偏光フィルムを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
合にはトリアセテートフィルムを液晶素子のガラス面に
接着して使用する(ポリカーボネート系樹脂フィルムあ
るいはポリメチルメタクリレート系樹脂フィルムは偏光
子の外側に設置される)。本発明の偏光フィルムを液晶
表示装置に実際に使用する場合には図1に示すような使
用方法を用いる。すなわち液晶を封入したガラスセルの
上下に2枚の偏光フィルムを設置する場合、2枚の偏光
フィルムともポリカーボネート系樹脂フィルムあるいは
ポリメチルメタクリレート系樹脂フィルムがガラス面の
側にならないように設置する。
系樹脂フィルムあるいはポリメチルメタクリレート系樹
脂フィルムは複屈折性を有するフィルムであるが、偏光
子の外側に設置されることによりポリカーボネート系樹
脂フィルムあるいはポリメチルメタクリレート系樹脂フ
ィルムの有する複屈折性は液晶表示装置には何等悪影響
をおよぼさない。したがって本発明において使用される
ポリカーボネート系樹脂フィルムあるいはポリメチルメ
タクリレート系樹脂フィルムの複屈折率はいかなる値で
あっても良く、また複屈折率の均一性も問題にはならな
い。本発明の偏光フィルムは、従来の偏光フィルム(ポ
リビニルアルコール系偏光子の両側にトリアセテートフ
ィルムの保護フィルムを設置したもの)と比較して耐湿
熱性が大幅に優れている理由は、ポリカーボネート系樹
脂フィルムあるいはポリメチルメタクリレート系樹脂フ
ィルムの吸水率がトリアセテートフィルムの吸水率と比
較して大幅に小さいためであると推定される。吸水率が
小さいためにフィルムを通して水分の透過率が低く、こ
のことが本発明の偏光フィルムの耐湿熱性を高めている
理由であると思われる。本発明においてはもう一方の保
護フィルムであるトリアセテートフィルムはガラス面の
側に設置されるために、この面からの水分の侵入はほと
んど無い。
系樹脂フィルムあるいはポリメチルメタクリレート系樹
脂フィルムの作製方法は特に限定されるものではない。
すなわち押し出し法によるフィルム、溶媒キャスト法に
よるフィルム、カレンダー法によるフィルムなどのいず
れを使用しても良い。本発明においては1軸延伸フィル
ムあるいは2軸延伸フィルムを使用しても良いが、これ
らのフィルムは押し出し直後のフィルムに比較し表面精
度が乏しくなる傾向があるため好ましくない。最も好ま
しいフィルムは押し出しフィルムである。押し出しフィ
ルムは価格が安く生産できるので良い。
ト系樹脂よりなるフィルムはガラス転移点(Tg)が1
10℃以上であって、吸水率(23℃水中、24時間の
条件で測定した値)が0.3%以下のものを使用するの
が良い。より好ましくはTgが120℃以上であって、
吸水率が0.2%以下のものを使用するのが良い。本発
明において使用されるポリメチルメタクリレート系樹脂
よりなるフィルムはガラス転移点(Tg)が90℃以上
であって、吸水率(23℃水中、24時間の条件で測定
した値)が0.5%以下のものを使用するのが良い。よ
り好ましくはTgが95℃以上であって、吸水率が0.
3%以下のものを使用するのが良い。
ト系樹脂よりなるフィルムはポリスチレン系樹脂あるい
はPMMA系樹脂等の他の透明樹脂と混合して使用して
も良い。また本発明において使用されるポリメチルメタ
クリレート系樹脂よりなるフィルムはポリブチルアクリ
レート系樹脂等の耐衝撃性を向上させる他の透明樹脂を
混合して使用しても良い。他の透明樹脂と混合して使用
する場合には混合することによって透明性が低下しない
ようにしなければならない。他の樹脂と混合する場合に
は50重量%以上をポリカーボネート系樹脂あるいはポ
リメチルメタクリレート系樹脂にするのが良い。すなわ
ち、他の樹脂の混合量は5重量%以上50重量%未満が
良い。ポリカーボネート系樹脂あるいはポリメチルメタ
クリレート系樹脂の混合割合を50重量%未満にした場
合には、ポリカーボネート系樹脂の有する高い耐熱性お
よび良好なフィルム強度が消失する場合があり、ポリメ
チルメタクリレート系樹脂の有する高い透明性が消失す
る場合がある。
ト系樹脂は主にビスフェノール骨格を有する直鎖状ポリ
カーボネート又は共重合ポリカーボネート等である。具
体的には4,4´−ジヒドロキシジフェニルアルカン又
はこれらのハロゲン置換体からホスゲン法またはエステ
ル交換法によって得られるものである。より具体的には
4,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4´−
ジヒドロキシジフェニルエタン、4,4´−ジヒドロキ
シジフェニルブタン等を挙げることができる。 本発明において使用されるポリメチルメタクリレート系
樹脂はメチルメタクリレート(以下、MMAと略称す
る)を主成分とする重合体であり、PMMA、MMA単
位を含有する共重合体、PMMAあるいはMMA単位を
含有する共重合体と他のポリマーをブレンドしたものが
使用できる。MMA単位を含有する共重合体にはMMA
とアルキルアクリレートとの共重合体が良好に使用でき
る。アルキルアクリレートとしてはメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート等を1〜30重量%共重合した共重合体
が使用できる。MMA−無水マレイン酸−スチレン3元
共重合体、MMA−メチルメタアクリルアミド共重合体
等の耐熱アクリル樹脂も使用できる。PMMAあるいは
MMA単位を含有する共重合体には各種添加剤を配合し
たものを使用してもよい。ポリメチルメタクリレート系
樹脂に添加する各種添加剤としては紫外線吸収剤(紫外
線防止剤)等を添加するのが良い。
あるいはポリメチルメタクリレート系樹脂よりなるフィ
ルムと偏光子を接着するために用いる接着剤はポリビニ
ルアルコール系接着剤を用いるのが良い。保護フィルム
と偏光子を接着する場合に接着層が独立に存在する場合
には界面が2面存在することによる反射光の増加および
干渉縞が発生する可能性があるために好ましくない。接
着層の屈折率をポリカーボネート系樹脂よりなるフィル
ムあるいはポリメチルメタクリレート系樹脂よりなるフ
ィルムに一致させることにより接着層の存在を光学的に
は消すことができるが、ポリカーボネート系樹脂フィル
ムは通常複屈折率を有するために複屈折率までも考慮し
た接着剤を選定することは困難であり、ポリメチルメタ
クリレート系樹脂フィルムはアクリル系粘着剤を使用し
て接着した場合には屈折率を完全に合わせることができ
なかった。このような理由のために接着剤としてはポリ
ビニルアルコール系接着剤を用いるのが良い。
あるいはポリメチルメタクリレート系樹脂よりなるフィ
ルムをポリビニルアルコール系接着剤を使用し偏光子に
接着する場合にはポリカーボネート系樹脂よりなるフィ
ルムあるいはポリメチルメタクリレート系樹脂よりなる
フィルムの偏光子に対する接着性が乏しいという問題点
がある。この点を改良するためにポリカーボネート系樹
脂あるいはポリメチルメタクリレート系樹脂に他の透明
樹脂を混合することにより接着性を高めるか、あるいは
ポリカーボネート系樹脂よりなるフィルムあるいはポリ
メチルメタクリレート系樹脂よりなるフィルムにコロナ
放電処理あるいは真空中におけるプラズマ処理などの表
面処理を施す事により接着性を高めるのが良い。フィル
ムに表面処理を施す事により偏光子に対する接着性を大
幅に改良することができる。また、ポリカーボネート系
樹脂とポリメチルメタクリレート系樹脂との混合物のフ
ィルムに表面処理を施すことが偏光子との接着性が向上
するので良い。
れるポリメチルメタクリレート系樹脂としてはメチルメ
タクリレートを主体とする重合体であるが、ポリカーボ
ネート系樹脂との接着性を改良するためにアクリル酸エ
ステル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ト
リブロモフェニル等との共重合体として使用することが
良い。
よりなるフィルムの厚さは10μm以上300μm以下
にするのが良い。より好ましくは40μm以上120μ
m以下にするのが良い。フィルムの厚さが薄い場合には
偏光子の寸法を保持するための性能が低下するために好
ましくない。また厚い場合には得られる偏光フィルムが
硬くなりすぎるため好ましく無い。本発明で使用される
ポリメチルメタクリレート系樹脂よりなるフィルムの厚
さは10μm以上2mm以下にするのが良い。より好ま
しくは40μm以上1.2mm以下にするのが良い。フ
ィルムの厚さが薄い場合には偏光子の寸法を保持するた
めの性能が低下するために好ましくない。また厚い場合
には得られる偏光フィルムが硬くなりすぎるために好ま
しくない。ポリメチルメタクリレート系樹脂フィルムの
厚さが0.4mm以上の場合には、ポリメチルメタクリ
レート系樹脂フィルムが偏光子の保護板になると同時に
結晶表示素子そのものの保護板として機能するという特
徴も有するので良い。
としてはトリアセテートフィルムを使用しなければなら
ない。トリアセテートフィルムは光学的に透明であると
同時にポリカーボネート系樹脂よりなるフィルムと偏光
子を接着する場合において使用する水を蒸発させるため
にも必要である。偏光子とトリアセテートフィルムとの
接着はポリビニルアルコール系接着剤を使用する。
ラス面に接着して使用するが、ガラス面に接着する場合
に使用する接着剤としてはアクリル系粘着剤を用いるの
が良い。
アルコール系フィルムとしては、例えばポリビニルアル
コールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリ
ビニルアセタールフィルム、ポリビニルブチラールフィ
ルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム
等のフィルムである。該ポリビニルアルコール系基材フ
ィルムはフィルムを構成する樹脂のケン化度を85%以
上にするのが良い。特に好ましくは90%以上、最も好
ましくは95%以上にするのが良い。85%以下の場合
には延伸性と染色性が劣るので好ましく無い。
は、分子内で可視光領域における吸光係数の異る光学軸
を2つ以上有するものであれば特に限定されない。例え
ばI3 -、I5 -等のヨウ素、コンゴーレッド等の二色性染
料、ポリエン等を使用することができる。あるいはこれ
らを組み合わせて使用しても良い。これらの中でもヨウ
素は、高偏光度および高透過率の偏光フィルムを得るこ
とができるので好ましい。
フィルムを一軸延伸した後に二色性色素を染色するかあ
るいは延伸前のフィルムをあらかじめ二色性色素で染色
した後に一軸延伸を行なうのも良い。ポリビニルアルコ
ール系フィルム中への二色性色素の吸着は、例えばポリ
ビニルアルコール系フィルムを二色性色素を含む液体に
浸漬処理することにより行なうが、二色性色素を溶解す
る液体としては水、エタノール、メタノール、エチレン
グリコールおよびこれらの混合溶媒を使用するのが良
い。二色性色素は0.05%〜5%の濃度で使用するの
が良い。
のが良い。また二色性色素をポリビニルアルコール系フ
ィルムに吸着させた後に架橋剤を含む溶液中で処理して
も良い。この場合に使用する架橋剤としては、ほう酸、
ほう砂、ジルコニウム化合物等が用いられる。二色性色
素の吸着および架橋剤による架橋処理温度は30〜11
0℃の温度で行なうのが良い。
ルコールフィルムを用いて説明する。本発明の偏光フィ
ルムの偏光子はポリビニルアルコールの未延伸フィルム
を水中において3〜6倍に延伸し、この後にヨウ素を含
むヨウ化カリウム水溶液に浸漬し、さらにヨウ化カリウ
ムを含むホウ酸の水溶液中で処理することにより得るこ
とができる。またヨウ素を含むヨウ化カリウム水溶液に
ポリビニルアルコールの未延伸フィルムを浸漬した後に
該水溶液中において3〜6倍に延伸し、ヨウ化カリウム
を含むホウ酸水溶液中で処理することにより得ることが
できる。得られた偏光子の両面に保護層を形成して偏光
フィルムを得る。
明する。 参考例 重合度1900、ケン化度99.5%のポリビニルアル
コール30部を水70部に溶解し、ポリビニルアルコー
ル濃度が30重量%の溶液を得た。この溶液をポリエチ
レンテレフタレートフィルムに流延後乾燥し、膜厚が7
5μmのポリビニルアルコール原反フィルムを得た。
の原反フィルムを水中に浸漬した後に縦一軸に5倍延伸
を行なった。このフィルムの緊張状態を保持したままヨ
ウ素0.5重量%、ヨウ化カリウム5%からなる水溶液
に浸漬し二色性色素を吸着させた。さらに、ほう酸10
%、ヨウ化カリウム10%からなる50℃の水溶液で5
分間架橋処理を行なった。この架橋処理は緊張状態で行
なった。このようにして偏光子を得た。
脂タフロンA3000をTダイから280℃の温度で押
し出し厚さ80μmのポリカーボネートフィルムを得
た。このフィルムの吸水率は0.09%であった(23
℃水中、24時間の条件で測定)。また樹脂のTgは1
37℃であった。このフィルムにコロナ放電処理を行な
った。
ィルムをポリビニルアルコール系接着剤を用いて接着し
た。接着剤の溶媒としては水を使用した。偏光子のもう
一方の側に厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィ
ルム(富士写真フィルム製、フジタック)をポリビニル
アルコール系接着剤を用いて接着した。このようにして
偏光フィルムを得た。
偏光度は99.9%であった。この偏光フィルムの断面
を光学顕微鏡を用いて観察したところ、接着剤層は観察
されず、偏光フィルムは実質的に3層構造であった。
(保護フィルム2層、偏光子1層)。
アクリル系粘着剤を塗布しガラス板に接着した。このよ
うな状態で耐湿熱性の評価を行なった。
時間と偏光フィルムをクロスニコルの状態に設置した場
合における偏光度との関係を測定した。初期の偏光度は
99.9%であった。放置200時間において偏光度は
99.0%に低下した。放置時間と偏光度との関係を図
2の符号1の実線で示した。放置後270時間において
ポリカーボネートフィルムと偏光子が剥離したためこの
時点で試験を中止した。
201)に準じて測定した(400nm〜700nmの
波長域において10nm毎に測定した分光透過率から算
出した)。偏光度は下記の式より求めた値である。 偏光度=[(H1−H2)/(H1+H2)]1/2 H1;平行透過率(2枚の偏光フィルムの配向方向が同
一方向になるようにした場合の透過率) H2;垂直透過率(2枚の偏光フィルムの配向方向が直
交した場合の透過率)
は実施例1と同様にして偏光フィルムを作製した。この
偏光フィルムの単独透過率は40%であって偏光度は9
9.9%であった。偏光フィルムを実施例1と同様にア
クリル系粘着剤を用いてガラス板に接着した。このよう
な状態で80℃、90%RHの雰囲気における耐湿熱性
を評価した。初期における偏光度は99.9%であった
が100時間後に偏光度は75%まで低下した。放置2
50時間において偏光度は1.8%まで低下した。この
時点で試験を中止した。放置時間と偏光度の関係を図2
中、符号3の破線で示した。ポリカーボネート系樹脂よ
りなるフィルムを使用した場合と比較し耐湿熱性は大幅
に劣っていた。
000を80重量%、(株)クラレ製PMMA系樹脂L
−16(メチルメタクリレートとメタクリル酸トリブロ
モフェニルの共重合体)20重量%とを280℃の温度
で均一に混合した。得られた混合物は完全に透明であっ
た。この樹脂を280℃の温度でTダイから押し出し厚
さ80μmの透明フィルムを得た。このフィルムの吸水
率は0.17%であった。このフィルムにコロナ放電処
理を行なった。
同様にして偏光フィルムを作製した。この偏光フィルム
の単独透過率は39%であって偏光度は99.9%であ
った。偏光フィルムの断面を観察したところ、実質的に
3層構造であった。トリアセチルセルロースフィルムの
表面にアクリル系粘着剤を塗布しガラス板に接着した。
この状態で実施例1と同様にして耐湿熱性の評価を行な
った。初期の偏光度は99.9%であった。放置200
時間において偏光度は99.0%に低下した。放置40
0時間において98.2%、放置1000時間において
96.2%まで偏光度が低下した。1000時間におい
て試験を中止した。この結果を図2に符号2の一点鎖線
で示した。ポリカーボネート系フィルムと偏光子との剥
離は無かった。
ート3重量%からなる共重合体75重量%にポリエチル
アクリレート25重量%を混合して造粒を行なった。こ
の混合樹脂の軟化温度は98℃、Tgは105℃であっ
た。この樹脂を60mmφのスクリュー押し出し機を用
いて300mm幅のTダイからシリンダー温度250
℃、ダイ温度250℃の条件で押し出すことにより、厚
さ0.8mmのPMMA系樹脂よりなるフィルムを得
た。この原反フィルムを230℃の一対の加圧ロールに
よりバンク成型を行なうことにより、厚さ0.5mmの
外観良好なフィルムを得た。このフィルムの吸水率は
0.2%であった(23℃水中、24時間の条件で測定
を行なった。実施例1で得られた偏光子の片面に上記の
PMMA系樹脂よりなるフィルムをポリビニルアルコー
ル系接着剤を使用して接着した。接着剤の溶媒としては
水を使用した。偏光子のもう一方の側に厚さ80μmの
トリアセチルセルロース(富士写真フィルム社製、フジ
タック)をポリビニルアルコール系接着剤を用いて接着
した。このようにして偏光フィルムを得た。この偏光フ
ィルムの単独透過率は40%、偏光度は99.9%であ
った。この偏光フィルムの断面を光学顕微鏡を用いて観
察したところ、接着剤層は観察されず、偏光フィルムは
実質的に3層構造であった(保護フィルム2層、偏光子
1層)。トリアセチルセルロースフィルムの表面にアク
リル系粘着剤を塗布しガラス板に接着した。このような
状態で耐湿熱性の評価を行なった。80℃、90%RH
の雰囲気に放置し放置時間と偏光度との関係を測定し
た。初期の偏光度は99.9%であった。放置時間と偏
光度との関係は、実施例1と同様であった。放置後20
0時間までは高い偏光度を示した。しかし放置後220
時間においてPMMA系フィルムと偏光子が剥離したた
めこの時点で試験を中止した。
りなるフィルムの表面を親水化するためにプラズマ処理
を行なった。処理ガスは酸素を使用した。酸素流量27
リッター/hr、真空度0.15torr、電圧900
0V、処理時間180秒の条件で酸素プラズマによる表
面処理を行なった。この処理によりフィルム表面のぬれ
指数は54(dyne/cm)に増加した。処理前のぬ
れ指数が39(dyne/cm)であったことを考慮す
ればプラズマ処理によってPMMA系樹脂よりなるフィ
ルムの表面の親水性は大幅に向上した。このフィルムを
用いた以外は実施例3と同様にして偏光フィルムを得
た。この偏光フィルムの耐湿熱性を実施例3と同様な方
法で測定した。放置時間と偏光度の関係は実施例2と同
様であった。この偏光フィルムは放置1000時間経過
時点でも良好な偏光度を保持していた。
ムは一方の面の保護フィルムとしてポリカーボネート系
樹脂フィルムあるいはポリメチルメタクリレート系樹脂
フィルムを用いているので、従来の偏光フィルム(ポリ
ビニルアルコール系偏光子の両側に保護フィルムとして
トリアセチルセルロースフィルムを設けたもの)に比較
して耐湿熱性が大幅に優れている。
明の偏光フィルム2枚を設置した説明図である。
に放置し放置時間と偏光フィルムをクロスニコルの状態
に設置した場合における偏光度との関係を示したグラフ
である。
チルメタクリレート系樹脂フィルム b: 偏光子 c: トリアセチルセルロース・フィルム d: 粘着剤層 e: ガラス板 f: 液晶 1: 実施例1によって得られた偏光フィルム 2: 実施例2によって得られた偏光フィルム 3: 比較例1によって得られた偏光フィルム
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコール系基材フィルムに
二色性色素を吸着配向させた偏光子の両面に透明な保護
フィルムを接着した偏光フィルムにおいて、片側の保護
フィルムがトリアセチルセルロースフィルムであり、も
う一方の側の保護フィルムがポリカーボネート系樹脂よ
りなるフィルムであることを特徴とする偏光フィルム。 - 【請求項2】 ポリカーボネート系樹脂よりなるフィル
ムがポリカーボネート系樹脂とポリメチルメタクリレー
ト系樹脂との混合樹脂のフィルムであることを特徴とす
る請求項1記載の偏光フィルム。 - 【請求項3】 ポリビニルアルコール系基材フィルムに
二色性色素を吸着配向させた偏光子の両面に透明な保護
フィルムを接着した偏光フィルムにおいて、片側の保護
フィルムがトリアセチルセルロースフィルムであり、も
う一方の側の保護フィルムがポリメチルメタクリレート
樹脂よりなるフィルムであることを特徴とする偏光フィ
ルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17155193A JP3602555B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-07-12 | 液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13616493 | 1993-06-07 | ||
JP5-136164 | 1993-06-07 | ||
JP17155193A JP3602555B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-07-12 | 液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0756017A true JPH0756017A (ja) | 1995-03-03 |
JP3602555B2 JP3602555B2 (ja) | 2004-12-15 |
Family
ID=26469816
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17155193A Expired - Lifetime JP3602555B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-07-12 | 液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3602555B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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