JPH0756015B2 - 制御された特性変化を示す熱溶融型接着剤 - Google Patents

制御された特性変化を示す熱溶融型接着剤

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JPH0756015B2
JPH0756015B2 JP2094929A JP9492990A JPH0756015B2 JP H0756015 B2 JPH0756015 B2 JP H0756015B2 JP 2094929 A JP2094929 A JP 2094929A JP 9492990 A JP9492990 A JP 9492990A JP H0756015 B2 JPH0756015 B2 JP H0756015B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は、塗布後の冷却時に制御された特性変化を示し
得る新種の熱溶融型接着剤に関するものである。この接
着剤は高品質の永久接合の形成に使用可能であり、また
“一時的な接合”の形成に使用可能である。永久接合
は、その接着剤で形作られた構造物の機械的な一体性を
維持するのに充分な高粘着力、高引張強度、高剥離強
度、および高剪断強度を示し得る。このような接着剤
は、例えば複合製品の構築、またはフルオロカーボンも
しくは高度のクレー充填面のような固着させにくい表面
上への構築のような、種々の構築への適用に使用可能で
ある。一時的な接合は、最初は剥離および剪断に対して
強い粘着力を形成するが、経時により剪断強度は大きい
が剥離強度の小さな脆い接着剤に変化するように処方さ
れた接着剤によって形成される。このような接着剤は、
開封が容易なケースやカートンの密封用接着剤、缶やボ
トルのラベル貼付用接着剤、パレット組立用(palletiz
ing)接着剤等を含むあらゆる最終的な用途において使
用可能である。
〔発明の背景〕
先行技術における熱可塑性熱溶融型接着剤は、典型的に
は熱可塑性ポリマー、粘着付与剤、ワックスまたは可塑
性オイル、および他の任意成分を含んでいる。近年の熱
溶融型接着剤の発達は、その大部分が、この接着性の基
礎物質として用いられる熱可塑性ポリマーに集中してい
る。多くの発明は、新しい熱可塑性ポリマーないし接着
剤組成物における新しい特性の発見、または公知の接着
剤における新しい用途の発見に基づいている。極めて多
種多様の文献が、例えばエチレン/酢酸ビニル、エチレ
ンメタクリル酸エステル、アタクティックポリプロピレ
ン、A−B−A型ブロック共重合体、A(BA)nA型ブロ
ック共重合体等色々な熱可塑性ポリマーに向けられてい
る。そのような文献を簡単に集め以下に示す; カイストの接着剤便覧(Handbook of Adhesive);ファ
ンノストラントラインホルト社刊。
バタスビー他の米国特許第3,318,977号;この特許はポ
リエチレン、イソブチレンゴム、粘着付与性樹脂、およ
びエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む熱可塑性接着剤
について教示している。
ミークス他の米国特許第3,971,977号;この特許は接着
ラミネートに用いる架橋可能なエチレン酢酸ビニル共重
合体樹脂について教示している。
タフト他の米国特許第3,982,051号;この特許は熱溶融
型のカーペット裏材用接着剤に用いるエチレン/酢酸ビ
ニル、および/またはアクリル酸アルキル共重合体を含
む熱溶融型接着剤について教示している。
ボッグスの米国特許第4,299,930号;この特許は変性ポ
リエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、および他の
物質を含む熱溶融型接着剤について教示している。
イーストマンの米国特許第4,293,473号;この特許はポ
リビニルアルコールまたはエチレンビニルアルコール共
重合体について教示している。これらの樹脂はセルロー
ス、紡糸接合ポリオレフィン、アルミフォイルおよび他
の基材を接合するための、結晶性溶媒をベースとした接
着剤系の中に用いられる。
フラナガン他の米国特許第4,345,349号;この特許はA
−B−A型ブロック共重合体、エチレン酢酸ビニル重合
体、および他の標準的な熱溶融成分の組合せにより、製
本用の接着剤を生成することが教示されている。
タンクレド他の米国特許第4,497,936;この特許は熱溶融
型接着剤として、エチレン酢酸ビニル共重合体をオレフ
ィン系ゴムと組み合わせることを教示している。
これら代表的な先行技術の刊行物中で開示されている接
着剤は、溶融液体として塗布され、周囲の温度にまで冷
却されたとき固体になる接着剤である。塗布されたこの
接着剤の塊は、一度冷却されると、剥離強度、剪断強
度、コールドフロー、またはG′としても知られる貯蔵
弾性率について比較的安定した特性に達する。換言すれ
ば、接着剤は冷却により物理状態に関して急速に近平衡
状態に達する。その結果、冷却されると直ちに、各物性
は急速に広く一般的な値に達するのである。ここで、熱
溶融型接着剤が冷却されて熱溶融型接着剤の“周囲の状
態(ambient state)”に近い平衡特性に達した直後に
おけるこの状態について説明する。
慣習的な先行技術による加工片または製品の製造におい
ては、この熱溶融接着剤を温度を高めて接着位置に直接
押し出すのが典型的である。他方の基材は、接着剤がま
だ溶融状態もしくは液体である間に、比較的迅速にこの
接着剤と接合されなくてはならない。さもなければ、接
着剤は冷えて硬くなり、溶融物が他方の基材を濡らして
接合を形成することが不可能になってしまう。この溶融
状態の接着剤が高温溶融状の滴の形で多孔性基材上に押
し出されると、この接着剤は1以上の多孔性基材を濡ら
すかまたはその中に浸透し、冷却された接着剤の塊の中
に繊維を閉じ込めることによって、基材と他の基材とを
接着させることができる。このような熱溶融技術におい
て、溶融状態の接着剤は物質が低溶融粘度および低弾性
率を保持できるように充分な熱を保持している。従っ
て、冷却前には加工片の成分に浸透してこれを濡らすこ
とができ、これによって接合の安定性を確保することが
可能になる。このような接着剤の冷却時には、その特性
が急速に最終的な周囲の状態に達し、そして一度最終値
に達すると、ほとんどの部分で周囲の温度での接着混合
物として安定した値が示される。しかしながら、このよ
うな接着剤には、適切な接着が確実に行われるように、
接着剤の温度が上昇されている間に接合を形成しなけれ
ばならないという欠点がある。この欠点によって、これ
らの接着剤の感熱基材に対する使用が妨げられる。
感圧接着剤は、熱可塑性エラストマーを基礎に発展して
きており、多くの特許がエラストマーを基礎とした接着
剤に向けられている。そのような特許を簡単に集め以下
に示す; コリンズ他の米国特許第4,136,699号;この特許は、熱
溶融型感圧接着剤を位置固定または構築物質として用い
た使い捨て製品について教示している。このような接着
剤は、典型的には製造中の構築物質上に高温で押し出さ
れる。
チェン他の米国特許第4,460,364号;この特許は、衛生
用品の製造に用いられる熱溶融型感圧接着剤について教
示している。
シュミットJr.他の米国特許第4,526,577号;この特許
は、マルチラインの押出接着技術を使った使い捨て貼り
合わせシートの製造において、スチレン−ブタジエン−
スチレン型のブロック共重合体を用いることを教示して
いる。
パレッティ他の米国特許第4,627,847号;この特許もま
た、熱溶融型接着剤の使用および使い捨て製品の構成に
ついて教示している。
エラストマーを基礎とした生成物は感圧特性を示すもの
として発展してきている。これらのタイプの生成物は冷
却後に接着状態を形成し得るが、一般的には接着剤が周
囲の状態に達した後にコールドフローをおこさない。こ
れらのエラストマーを基礎とした感圧生成物は、冷却さ
れそして周囲の状態に達した後に、機械的な接合の形成
または物理的に多孔性基材の繊維を閉じ込めることがで
きない。これらは接着剤の感圧性に起因して、表面接合
(surface bonds)を形成する傾向にある。
塗布および冷却後変化する特性を有する接着剤によっ
て、重要な利点が提供される。ある適用において、初期
接着強度は重要であるが、経時後の接着強度は減衰する
ことが好ましい。また他の適用においては、流動性が重
要であるが、経時後の組成物は固体状であることが好ま
しい。さらに他の適用においては、初期接着強度は重要
ではないが、最終接着強度の高いことが重要である。
従って、この産業分野において、塗布後に重要な特性に
ついてその変化が制御され得る接着剤が要望されてい
る。換言すれば、接着剤の塗布および冷却後に充分に時
間が経過するまで、1ないしそれ以上の物性に関して最
終平衡状態に達しない接着剤が要望されている。
1つの側面において、弾性率の変化が制御されることに
よって、重要な長所が提供される。このような接着剤の
塗布および冷却後の弾性率は、溶融状態と最終弾性率と
の中間の状態であり、典型的な比較先行技術の熱溶融型
接着剤の弾性率よりもかなり低い。このような弾性率
(G′)の変化または増加の制御された接着剤は、塗布
後の初期において、種々の加工片の構築を助ける重要な
コールドフローを起こすことができる。このようなコー
ルドフローによって接着剤が組織(fabric)内に流入
し、接着剤の塊の中に構成物質が物理的に閉じ込められ
ることができる。その結果、接着剤がその弾性率の潜在
値に達したときに完全な接着状態が形成される。このよ
うなコールドフローはまた、繊維の閉じ込めが伴われな
いときでも、急速でかつ強い表面のぬれをひきおこし、
非多孔性表面に強い接着状態を形成可能である。さら
に、この接着状態は多くの接着破壊機構の影響(接着強
度を減衰させそして排除し得る水分または他の組成物の
存在を含む)に顕著に抵抗することが可能である。経時
後、この弾性率は強粘着性の接合を形成する最終の高い
平衡値にまで増加する。
近年、製造工程中で加工片または基材上に噴霧可能な熱
溶融型接着剤についての研究が増えている。噴霧式接着
剤の使用は、生産性を向上できる点で知られている。従
来の噴霧式接着剤は、直径0.01″(0.0254cm)から0.0
4″(0.1016cm)の狭い複数のオリフィスから、実質的
に円形の断面形状を有する繊維状、糸状、フィラメント
状またはこれら複数の形状で塗布される。この噴霧され
た接着剤繊維は、繊維の質量または体積に比してかなり
大きな表面積を有する。その結果、噴霧された接着剤の
繊維はその雰囲気に接触することにより極めて急速に冷
却される。噴霧式接着剤は、もし幾分余熱があったとし
ても、加工片と接触してかなり速くその周囲の温度に到
達する。ここで周囲の温度とは、その雰囲気の温度およ
び構築場所における加工片の温度を意味する。このこと
は、押し出された熱溶融型接着剤が塗布後も暫くの間は
充分な熱量を保持することと比べて著しく対照的であ
る。従来のほとんどの噴霧式接着剤は、250゜F(121
℃)以上の温度の加熱気流を必要とする。この温度は、
該接着剤に使われるブロック共重合体中に含まれるスチ
レンのガラス転移点(Tg)以上である。この温度は、塗
布されるまで接着剤を溶融状態に維持するために必要と
される。このような噴霧式接着剤の塗布において、加工
片の温度とその製造場所(塗布装置は含まない)の温度
は典型的には実質上違わない。従来の噴霧式接着剤は、
この方式で塗布された結果として、加工片への塗布後に
典型的には固体のメッシュまたはウェブを形成する。オ
ーバーラッピング方式では、接着剤は移動するウェブに
向けて塗布されるから、典型的には連続的なストリップ
または層をなすような接着剤の重畳した円または楕円が
形成される。
他の見地からすると、接着強度が制御されている接着剤
は、容易に開離の可能なパレット組立用接着剤およびカ
ートン密封用接着剤において重要であり得る。このよう
な適用において、最初の剥離および剪断強度はその部品
を適切に固定するのに重要である。組立の後は、接着剤
には組立の完全性を維持するのに充分な剪断強度だけが
必要とされる。使用場所において、カートン用接着剤お
よびパレット組立用接着剤は、カートンの開封またはパ
レットの解体が容易な小さな剥離強度を有するのが好ま
しい。
〔発明の簡単な説明〕
我々が見出した新規な接着剤組成物は、粘着付与剤およ
び芳香族可塑剤の調合物を含むものである。この粘着付
与剤および芳香族可塑剤は、塗布後に変化する特性を接
着剤に与えるように精選された選択的融和性に使って選
ばれている。この接着剤においてその1ないしそれ以上
の物性は、塗布および冷却時に、その後少なくとも5分
後までは最終および平衡値(周囲の状態)に達しない。
ここで最終値または平衡値とは、広く大半の特性変化と
接着剤塊の大半の変化がおこった後の物性値を意味す
る。
本発明の接着剤は、どのような任意量の熱可塑性ポリマ
ーを有することも可能である。この接着剤は、典型的な
ポリマーの含有率においては最初に塗布されたときに低
弾性率であるが、一方最終の接着状態ではかなり高い平
衡弾性率、剥離強度、および剪断強度を示す。ポリマー
を含まない場合ないしポリマーの相対濃度が低い場合、
最初の接着状態は、基材を固定しケースまたはカートン
密封用接着剤として働くのに充分な粘着性、剥離強度、
および剪断強度を有する。平衡時には剥離強度は弱くな
っているものの、多くのラベルピックアップまたはケー
スおよびカートン用接着剤塗布用として充分な弾性率を
有する。これらのポリマー含有量が低い接着剤の低剥離
強度および脆弱性は、結果としてパレットから容易に開
離するパレット組立用接着剤および開封の容易なケース
またはカートン用接着剤となり、これらは一時的な接合
として知られている。
この接着剤の塗布および冷却後、弾性率すなわちG′の
制御された増加がおこり得る。この弾性率増加の度合
は、接着剤の塗布および冷却直後の弾性率(G′)の少
なくとも10倍である。本発明の新しい接着剤組成物は、
粘着付与剤と可塑剤の組成により調製することができ
る。ここでの弾性率の増加は、可塑剤と粘着付与剤の組
合せおよびそれらの融和性およびこれらの量を変えるこ
とによって、塗布後の特に必要な時間で一定の状態に達
するように制御可能である。すなわち、塗布後2,3分以
内、または60分以内、または4時間を超えて等、求めら
れた時間で最大弾性率に達することが可能になる。しか
しながら、本発明の接着剤は、典型的には接着剤を被加
工片に塗布し冷却した後、少なくとも5分から10分後ま
でには最終の弾性率に達しないことが明らかである。本
発明の接着剤は、従来の熱溶融型接着剤の性質に起因す
る束縛なしに適用が可能である。本発明の接着剤は、そ
の温度が250゜F(121℃)以下で適用されることが可能
であるが、接着剤温度は150゜F(66℃)以下が好まし
く、さらには125゜F(51.7℃)以下が最も好ましい。
適度の“クリープ性”または“コールドフロー”の特性
を有する熱溶融型接着剤は、25℃から50℃の温度範囲で
流動する傾向が幾分あるだろう。しかし弾性率(G′)
の値の変化の制御によって示されるように、この傾向は
制御されるはずである。
以下は、貯蔵弾性率(G′)の値を例示するためのもの
である。これらの値は、塗布および冷却直後(表中−塗
布時の弾性率)、および弾性率が最終平衡値にまで増加
した後(表中−安定状態の弾性率)に測定および記録さ
れたものである。
特性 25〜50℃および0.01〜0.25Hzの値 塗布時の弾性率(G′) 4×104〜50×104dynes/cm2 高い安定状態の弾性率(G′)40×104〜35×106dynes/
cm2 弾性率の増加が制御されたサンプルに関するテスト方法 この方法は、熱溶融型接着剤のサンプルにおける弾性率
の増加が遅延および制御される現象を証明および測定す
るために開発されたものである。
材料および装置 (1)レオメトリックレオロジカル動的分光計型式TC−
2000.(RDS) (2)半径1.25cmの使い捨てプレート (3)リリースペーパーまたはテフロン板 この貯蔵弾性率(G′)の語およびその他は粘弾性また
はレオロジー特性に関係のある性質であり、例えば損失
正接(タンデルタ)、損失弾性率(G″)および損失コ
ンプライアンス(J″)には相関があり、これらは既定
の動力学的手法により定義される。これらのレオロジー
特性は、レオメトリックレオロジカル分光計/型式TC−
2000.の25cmの平行固定板の間に置かれた厚さ約2.5mmの
サンプルについて測定される。
サンプルの最初の処理手順 (1)サンプルをオーブン中に置き350゜F(177℃)で2
0〜30分間溶融する。
(2)接着剤の集まりをリリースペーパー上に流下させ
る。(泡が発生しないように行う。) (3)サンプル中の泡の無い部分を取りだし、RDSの使
い捨てプレート上に置く。余分な接着剤を剃刀の刃また
は鋏のいずれかで切り除く。プレートにサンプルの名称
を記し、底部にも記す。
(4)下部のサンプルホルダーに上記のサンプルを据え
付け、セットスクリューを固定する。
(5)もう一つ使い捨てプレートを上側の固定部に据え
付け、セットスクリューを固定する。
(6)両方のプレートにそれらが固定部中のどこで一直
線上になっていたかが分かるように標識を付す。これ
は、RDS固定部上のスリット下で直接プレート上にライ
ンを入れることにより行う。
(7)上部プレートがサンプルにちょうど接触するよう
に、電機子(armature)を下部に移動させる。基準値
(normal force)を監視し、針のふれがあまりおこらな
いように充分にサンプルを接触させる。
(8)温度を90〜100℃に上昇させ、サンプルを溶融す
る。この温度は、サンプルの軟化点により異なるであろ
う。サンプルを見ながらこれが固定部から滴となって落
ちない限界まで軟化させる。
(9)サンプルを10分間置き、平衡状態にする。
(10)スタートボタンを押し、経時によるテストを開始
する。
(11)直ちに温度を25℃に合わせる。
(12)RDS部を監視し、時間間隔と温度間隔とを読みと
っていることを確認する。また基準値の目盛が、最適読
み目盛上の緑色の部分の間にとどまっていることも確認
する。基準値は25%を超えていないことを確認する。こ
れより大きい値では、変換器(transducer)が損傷をう
ける可能性がある。
(13)運転が終了したとき、初めに上部を固定している
セットスクリューを離すことによってサンプルを取り除
く。サンプルのプレートから固定部を吊り上げて離すと
き、基準値が25%以内であることを確認する。ここでも
基準値が25%を超えると、変換器が損傷をうける。
(14)このサンプルに上部プレート上での運転時間を記
す。
RDSのセッティング 初期設定(Darl) パージ温度 空気圧40psi(2.8kg/cm2)以上 (アイスバス内のコイル)90〜 110℃で10分間平衡状態にする。
(条件はサンプルに依る。)その 後、経時テストに入り直ちに25℃ にセットする 速度 1rad/sec ひずみ 1% 経時のパラメーター トータル時間:90分測定時間:60分 テスト部の形状 間隔:2〜4mm 半径:1.25cm プリント G′,G″,タンデルタ、温度, トルク,時間 サンプルの次の処理手順 (1)サンプルを下側のテスト固定部に据え付け、固定
部上にあるラインでプレート上の整列マーク列に確認し
て並べる。セットスクリューを固定する。
(2)上側の固定部を下方に移動し、ホルダー内でサン
プルと接触させる。変換器が損傷をうけないように、基
準値が25%を超えていないか確認する。セットスクリュ
ーを固定する。
(3)上下間隔は、Daylの測定で用いたものと同じセッ
ティングで行う。
(4)30分間経過中に一定温度(25℃)で適切な状態に
する。
Daylの条件 パージ温度 空気圧40psi(2.8kg/cm2)以上 (アイスバス内のコイル) 温度 25℃,一定 経時のパラメーター トータル時間:30分測定時間:3分 テスト部の形状 間隔:測定および記録の組み直し は行わない。最初のセッティング の記録を用いる 半径:1.25cm 〔発明の詳細な記述〕 この接着剤は、典型的に粘着付与性樹脂(これは典型的
特徴として脂肪族、または芳香族、または脂肪族−芳香
族である)、固体可塑剤と、任意に有効量の熱可塑性ポ
リマーおよび任意のオイルとを含む。この成分は、この
接着剤が上述のような特性変化を示すような比率で選択
される。特性変化の速度は、適切な粘着付与性樹脂また
は樹脂のブレンドと可塑剤とを、望ましい弾性率が制御
された時間内、すなわち塗布後10分以上から1時間また
は6時間もしくはそれ以上で、その最大値に達するよう
な、粘着付与剤と可塑剤との比率で選択することにより
制御される。
これらの成分が協同し、改良された特性をもつ接着剤を
形成することが見出された。この接着剤は塗布温度にお
いては低粘度である。この接着剤は風乾時間(open tim
e)が長く、有用な粘度分布と、優れたウェットおよび
ドライでの接着強度とを有する。
これらの接着剤の典型的な組成を以下の表1と表2に示
した。
粘着付与性樹脂 本発明の接着剤は、熱可塑性ポリマーと組合せた粘着付
与性樹脂および可塑剤を含有する。本発明の接着剤に有
用な粘着付与性樹脂には、ロジン誘導体、芳香族粘着付
与性樹脂木材樹脂、脂肪族粘着付与性樹脂、芳香族−脂
肪族の混合粘着付与性樹脂が含まれる。このロジン誘導
体にはトールオイルと、トールオイル誘導体と、ロジン
エステル樹脂と、天然および合成テルペンとが含まれ
る。芳香族または脂肪族またはそれらが混合された粘着
付与性樹脂とを含有するロジン誘導体を含む。粘着付与
性樹脂は、可塑剤との融和性の特定の度合によって選択
される。
本発明の芳香族系および芳香族−脂肪族系の接着剤組成
物を形成するのに有用な芳香族モノマーは、実質的な芳
香族特性と重合可能な不飽和基とを含有するどのような
モノマーからも調製が可能である。そのような芳香族モ
ノマーの典型例としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、メトキシスチレン、t−ブチルス
チレン、クロロスチレン等を含むスチレン性モノマー
類、インデン、メチルインデンを含むインデンモノマー
類、およびその他のモノマー類とが含まれる。脂肪族モ
ノマーは典型的には天然および合成テルペンで、C5およ
びC6のシクロヘキシルまたはシクロペンチル不飽和基を
含み、それらは多種の実質的には脂肪環である置換基を
付加的に含むことが可能である。脂肪族粘着付与性樹脂
は、生成樹脂が脂肪族の特徴を示すような充分な脂肪族
モノマーを含むフィードストリームを重合することによ
って合成される。そのようなフィードストリームは、他
の脂肪族不飽和モノマーを含むことがあり得る。それは
例えば1,3−ブタジエン、シス−1,3−ペンタジエン、ト
ランス−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ブタジ
エン、2−メチル−2−ブテン、シクロペンタジエン、
ジシクロペンタジエン、テルペンモノマー、およびその
他である。混合された脂肪族−芳香族の混合樹脂は、脂
肪族と芳香族両方の特徴を有する樹脂を生成するよう
に、充分な芳香族モノマー、充分な脂肪族モノマー、お
よび任意に他のC3〜C8の不飽和モノマーを含む。
本発明の接着剤組成物は、粘着付与剤としてのロジンお
よびロジン誘導体を含むことが可能である。ロジンはパ
イナップルの木のオレオ樹脂(oleo tree)中で自然発
生し、典型的には生木から湧き出るオレオ樹脂質から、
古い切り株から、およびクラフト紙の製造における副生
成物のトールオイルから誘導される。これが得られた
後、ロジンは水素化、脱水素化、重合、エステル化、お
よびその他の処理が可能である。ロジンは、典型的にゴ
ム質ロジン、木材ロジン、およびトールオイルロジンと
して分類される。この物質は、変性させないで使われ、
さらに多価アルコールの形で使うことができ、そしてそ
の分子本来の不飽和性により重合も可能である。この物
質は、商業的に入手可能であり、通常の混合技術を用い
て上記の接着剤組成物中に混合することが可能である。
上記のようなロジン誘導体の粘着付与性樹脂の代表的に
例には、トールオイル、またはゴム質ロジンまたは、木
材ロジン、またはそれらの混合物のペンタエリトルトー
ルエステルが含まれる。
上記のような脂肪酸樹脂の代表的な例には、天然テルペ
ン樹脂、水素化された炭素数9(C9)の合成樹脂、水素
化された炭素数5(C5)の合成樹脂、分岐および非分岐
状の炭素数5(C5)の合成樹脂、およびそれらの混合物
が含まれる。
上記のような芳香族−脂肪族の粘着付与性樹脂はの代表
的な例には、スチレン化されたテルペン樹脂、またはス
チレン化された炭素数5(C5)の樹脂、またはそれらの
混合物が含まれる。
急速な特性変化またはゆっくりとした特性変化をするこ
の接着剤の傾向は、その組合された粘着付与剤と可塑剤
との融和性に関係がある。この成分間、主として可塑剤
を伴った粘着付与剤(または粘着付与剤混合物)間の融
和性の変化は、平衡(周囲の状態)値に至る特性変化の
速度に変動を生じさせる。粘着付与剤(または粘着付与
剤混合物)と可塑剤との間により融和性のある混合物
は、特性変化(例えば弾性率の増加)が急速ではない傾
向がある。融和性の小さな混合物では、より急速な特性
変化がもたらされる。換言すれば、芳香族の可塑剤と共
に脂肪族粘着付与性樹脂多量成分および芳香族粘着付与
性樹脂を含む系においては、脂肪族粘着付与性樹脂比率
の増加が、弾性率の増加速度の増大につながるであろ
う。溶解性因子のデータが、融和性について考慮する手
引きになる。より近い溶解性因子を有する組成物はより
融和性のある傾向があり、一方それらの因子に大きな違
いがあればより融和性が小さくなる傾向があるだろう。
さらに、これらの物質の化学的性質によって、望ましい
融和性を得るための成分の選択を助成することが可能で
ある。粘着付与剤中の芳香族性が強くなると本発明の芳
香族可塑剤との融和性も強くなる傾向にあるが、一方脂
肪族性が強くなると本発明の芳香族可塑剤との融和性は
弱まるであろう。
可塑剤 可塑剤は、広義には典型的な有機組成物である。この組
成物は、押出加工性または弾力性または機能性または伸
長性を改良するため、ゴムおよび他の樹脂に加えられる
ことができる。普通の接着剤における典型的な可塑剤
は、典型的な周囲の温度で液体である可塑性オイルであ
る。本発明で使われる可塑剤は、典型的には周囲温度で
は固体組成物であり、軟化点は少なくとも45℃である。
この可塑剤組成物は、少なくとも60℃の軟化点を有する
のが好ましい。軟化点の上昇により(60〜130℃)、高
温での耐熱性の改善または接合劣化の防止を助成するこ
とが可能である。
本発明で使われるある有用な種類の可塑剤は、ベンゼン
ジカルボン酸の脂環式エステルまたは芳香族エステルを
含む。このような可塑剤は、脂環式アルコールまたは芳
香族アルコールからエステルを生成することによって調
製される。これらのアルコールは、例えばシクロヘキサ
ノールまたはフェノールまたはナフトールまたは5〜12
の炭素原子を有する他の1価アルコール化合物である。
このエステル化合物は、ジカルボン酸化合物(典型的な
ものとしてはフタル酸)から生成される。この可塑剤に
使うことの可能なフタル酸は、1,2−ベンゼンジカルボ
ン酸、または1,3−ベンゼンジカルボン酸(イソフタル
酸)、または1,4−ベンゼンジカルボン酸(テレフタル
酸)である。この種の好ましい可塑剤には、ジシクロヘ
キシルフタレートまたはジフェニルフタレートが含まれ
る。最も好ましくは、ジシクロヘキシルオルトフタレー
トが使われる。
2種類目の有用な可塑剤には、1〜10の水酸基を有する
多官能性アルコールの芳香族カルボン酸エステルが含ま
れる。この種の可塑剤の組成物で使うことのできる多官
能性アルコールには、少なくとも2個の水酸基と少なく
とも分子中に2個の炭素原子を有する化合物が含まれ
る。好ましい水酸基化合物の特別例には、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコ
ール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、グルコ
ース、フルクトース、スクロース、マンニトール、トリ
メチロールエタン、1,4−シクロヘキセンジメタノー
ル、ペンタエリトリトール、2,2−ジメチル−1,3−プロ
パンジオール、2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,
3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、およ
び他の有用な多官能性水酸基化合物が含まれる。本発明
のこの種のエステル可塑剤化合物を生成するために上記
の多官能性アルコールと共用可能な芳香族酸には、典型
的に少なくとも1個の芳香族基と少なくとも1個のカル
ボキシル官能基を有する芳香族カルボン酸が含まれる。
代表的な酸には、安息香酸、ナフトエ酸、および4−メ
チル安息香酸が含まれる。こうして得られる有用な可塑
剤の典型的な例には、トリエチレングリコールトリベン
ゾエート、トリメチロールエタントリベンゾエート、グ
リセロールトリベンゾエート、スクロースベンゾエー
ト、ペンタエリトリトールテトラベンゾエート、2,2−
ジメチル−1,3−プロパンジオールジベンゾエート、ト
リエチレングリコールジベンゾエート、グリセロールト
リベンゾエート、2−ヒドロキシメチル−2−メチル−
1,3−プロパンジオールトリベンゾエートペンタエリト
リトールテトラベンゾエート、ネオペンチルグリコール
ジベンゾエート、これらの混合物、およびその他が含ま
れる。
最も好ましい可塑剤は、60℃の軟化点を有する固体で、
これはシクロヘキサンジメタノールジベンゾエート化合
物を含むこの種の可塑剤に属する。1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールジベンゾエート(シスおよびトランス異
性体を含む)はこの例として挙げられ、接着剤の物性の
変動および変化を最も強く制御する。
本発明で用いられる3種類目の有用な可塑剤は、芳香族
スルホン酸から作られるスルホンアミド類を含む。この
ような可塑剤は、一般的には化学構造式:R−Ar−SO2−N
R2で表される範囲に含まれる。ここで各Rは、水素、1
〜12の炭素原子を有する脂肪族基、および同様な環状脂
肪族基の中からそれぞれ独立に選ばれる。各Rは、典型
的には水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、エチルヘキシル基、ネオペンチル基、シクロヘキシ
ル基、デオデシル基等であり得る。この中でRは、メチ
ル基またはエチル基またはシクロヘキシル基であること
が好ましい。このようなスルホンアミド可塑剤は、ホル
ムアルデヒトをこのスルホンアミド可塑剤の縮合するこ
とによって生成される樹脂状物質の形でも使うことが可
能である。
熱可塑性ポリマー基剤 本発明の新しい接着剤の製造に使用可能な熱可塑性ポリ
マー基剤は、均一な溶融体および固体を形成するように
粘着付与剤、可塑剤、およびオイル成分との充分な融和
性を有する熱可塑性ポリマーである。高ポリマー含有率
の接着剤において、熱可塑性の物質は、接着剤に充分な
粘着力を与える。この粘着力は接着剤が塗布されその弾
性率が最大になった後も粘着に充分な接着性のある接合
塊を形成するためのである。
低ポリマー含有率の物質において、そのポリマーは、粘
度を抑えて初期接合を生じるように作用する。この可塑
化された低ポリマー含有率の系では、初期ガラス転移点
(Tg)が低下し結果的にはうまく機能して充分な初期粘
着性を有する組成物になる傾向がある。平衡状態に達し
た後は、このガラス転移点はもはや制御されることはな
く、接着剤は固化して幾分使用に耐える塊となり得る。
あらゆる入手可能な熱可塑性物質のどのようなもので
も、本発明の組成物に用いることができる。このような
熱可塑剤の例として、以下のようなエチレンをベースに
したポリマーがある。例えば、エチレン/酢酸ビニル、
エチレンアクリレート、エチレンメタクリレート、エチ
レンアクリル酸メチル、エチレンメタクリル酸メチル
(以上各共重合体)、エチレンと不飽和結合を1ないし
2個有する1〜6種類のモノマーとの共重合体、ポリア
ミド、ポリブタジエンゴム、ポリエチレンテレフタレー
トやポリブチレンテレフタレート等のようなポリエステ
ル、熱可塑性ポリカーボネート、アタクティックポリエ
チレンやアタクティックポリプロピレンを含むアタクテ
ィックポリ−α−オレフィン、およびその他;熱可塑性
ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、アクリロ
ニトリルとブタジエンやスチレン等のような他のモノマ
ーとの共重合体、ポリメチルペンテン、ポリフェニレン
スルフィド、芳香族ポリウレタン;スチレン−アクリロ
ニトリルゴム、アクリロニトリルゴム、スチレン−ブタ
ジエンゴム、ポリエチレンテレフタレートエラストマ
ー、アクリロニトリル−ブタジエンスチレンエラストマ
ーがある。またA−B型、A−B−A型、A−(B−
A)n−B型、(A−B)n−Y型のブロック共重合体
(ここでAにはポリビニル芳香族ブロックが含まれ、B
にはゴム状の中間ブロックが含まれる)およびその他も
使うことができる。これらのポリマーの芳香族の特性
は、以下で議論する芳香族可塑剤との融和性を提供し、
そして接着剤組成物の弾性率を制御するため使われる上
記の粘着剤、または粘着剤混合物との間に制御された融
和性を提供する。好ましいポリマーは、接着剤の生成に
使われたとき、その接着剤が強い粘着力を維持できるよ
うに充分な分子量を有するべきである。
さらに、好ましくは約5〜50重量%の酢酸ビニルを有し
かつメルトインデックスが少なくとも10であるエチレン
酢酸ビニル熱可塑性ポリマーは、本発明における用途に
とって好ましいことが見出された。エチレン/酢酸ビニ
ルポリマーは芳香族の特性を全く有していないが、それ
らはここで開示される最終用途に適用されるとき、制御
された物性変化を有する矛盾のない(ポリマーに芳香族
特性がある場合と一致する)熱溶融型接着剤を生成す
る。
エチレン/酢酸ビニル熱可塑性共重合体の場合、本発明
の可塑剤と粘着付与剤の化合中におこる特性変化によ
り、このエチレン/酢酸ビニルを基礎とした物質は最初
流動体になる。これはガラス転移点が実質的には低下し
ているからであり、該ガラス転移点は上記物質が流動体
ではなくなる温度に達するまで時間と共に緩やかに上昇
する。これらの系において、接着剤の剥離強度は経時的
に実質上低下することがあり得る。一般的には、処方に
依存して10分後または3時間後または6時間後、この剥
離強度は約1lb./インチ(約178.6g/cm)以下に低下す
る。
本発明に有用な他の好ましいポリマーには、直鎖状A−
B−A型ブロック共重合体、直鎖状A−(B−A)n−
B型マルチブロック共重合体、および式(A−B)n−
Y型のラジアルまたはテレブロック共重合体が含まれ
る。但しここでAにはポリスチレンブロック、Bには実
質的にゴム状のポリブタジエンまたはポリイソプレンブ
ロック、Yには多価化合物がそれぞれ含まれ、nは少な
くとも3の整数である。この中間ブロックは、熱安定性
を改良するために、残った不飽和部分を除去する水素化
または他の後処理によって、後処理されることが可能で
ある。この共重合体構造のA−B−A型ブロックにおい
て、Aすなわち末端ブロックの大きさおよび量は、その
ポリマーの15〜51重量%程度であるべきと考えられる。
このポリマーの総スチレン含有量はポリマーの51重量%
程度であり得る。そしてこのポリマーは任意特性のため
2個以上のAブロックを有し得るので、最も大きいAブ
ロックは約20重量%以下、最も好ましくは15重量%以下
とする。S−B−S(スチレン−ブタジエン−スチレ
ン)共重合体において、好ましい分子量は約50,000〜12
0,000であり、そして好ましいスチレン含有率は約20〜3
5重量%である。S−I−S(スチレン−イソプレン−
スチレン)共重合体において、好ましい分子量は約100,
000〜150,000であり、そして好ましいスチレン含有率は
約14〜30重量%である。上記ブタジエン中間ブロックを
水素化すると、典型的にエチレン−ブチレン中間ブロッ
クであると考えられるゴム状中間ブロックが形成され
る。
このようなブロック共重合体は、シェルケミカルカンパ
ニー、エニケム社、およびフィナ社より入手可能であ
る。マルチブロック(multiblock)またはテーパードブ
ロック(tapered block)共重合体(A−(B−A)n
−B型)は、スチレオン840Aおよび845の商標でファイ
アストーン社から入手可能である。
本発明の接着剤組成物は、他の融和性のあるポリマー、
充填剤、顔料、染料、油、触媒、抑制剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、ワックス、および他の慣用的な添加剤を
含み得る。
本発明の接着剤を使う組立方法において、この接着剤
は、これを高温(典型的には約250゜F(約121℃)以上
および典型的には275〜400゜F(134.8〜204℃)の範囲
内)で供給できるスプレーヘッド、または印刷用輪転
機、または押出機のような塗工機で塗布される。押出塗
工機は、どのような任意の幅でも接着剤の滴を塗布する
ことができる。ここで選ばれる幅とは、典型的には最小
限の接着剤の塗布で高品質の接着強度を得るものであ
る。上記の印刷用輪転機は、高接着強度を得るのに充分
な付加量を最小限の接着剤の塗布で、接着剤を表面にパ
ターン塗布する。上記のスプレーヘッドは約0.01〜0.04
インチ(約0.0254〜0.102cm)の範囲にある開口部を有
する。典型的な接着剤スプレー機の操作条件下では、噴
射された接着剤繊維の直径は、操作条件に応じてスプレ
ー開口部の大きさから約0.001インチ(約0.00254cm)程
度の範囲になり得る。
最終用途および求められる最終接着強度に応じて、接着
剤は0.5〜10mg/平方インチ(0.078〜1.55mg/cm2)の範
囲で塗布されることが可能である。押出接着剤は、直線
1インチあたり約15mgまたはそれ以上の割合で塗布され
る。好ましくは、本発明の接着剤の独自の特性のため、
この接着剤は0.5〜10mg/平方インチ(0.078〜1.55mg/cm
2)の塗布量で使われることが可能である。
シガレットカートンの密封において、本発明のポリマー
含有率の低い接着剤組成物は滴状または不連続な点状で
カートン表面に沿って押出される。このカートンは、カ
ートンのはめ込み部分をカートン表面上に押出された接
着剤上に接合させることによって閉じられる。このよう
な低ポリマー含有率の接着剤は製造中はカートンの形を
維持するが、貯蔵されそして接着剤組成物の平衡値に到
達した後、このカートンは容易に手で開かれる。なぜな
らこの接着剤は脆くなっており、そしてその接合はかな
りの剪断強度はあるものの剥離強度が低くなっているた
めである。
同様に、パレット組立用接着剤の用途においては、少量
の接着剤がパレット組立品中に置かれたユニットに塗布
される。この少量の接着剤は、パレットの組立中は機械
的にパレットの一体性を保持する。そして経時後は平衡
値に達して接着剤の剥離強度が実質上減衰し、パレット
は使用位置で容易に分解される。
同様に、本発明の低ポリマー含有率の接着剤を使い、剥
離可能な札を容器に貼付することが可能である。このよ
うな札は、瓶詰およびラベル貼付の間全く形を変えずに
容器に付着している。このようなラベルは、一度容器が
分配されそして分配地域で購入されるときには、容易に
剥離される。なぜなら、この接着剤は低い平衡剥離強度
に達しており、札を傷付けることなく容器から容易に剥
がされるためである。
本発明の接着剤組成物、特に高ポリマー含有率の組成物
は、使い捨て製品の製造に使うことができる。この高ポ
リマー含有率の接着剤は、冷却後の弾性率が低いため使
い捨て製品の不織部に浸透することが可能である。この
接着剤は、高い平衡弾性率に達する前には柔軟な液体物
質のようである。この高ポリマー含有率の接着剤は弾性
率が低いためその物質は優れたぬれ性を示し、かなり完
全な高品質の接着状態をもたらす。この本発明の接着剤
は初期弾性率が低いため、作業者は比較的低い温度で高
ポリマー含有率の接着剤を噴射することができるように
なる。なぜならこの物質は、最終平衡弾性率に達する以
前に充分な流動性を保持しているからである。これは、
多孔性基材へ浸透し続けるのに充分な流動性を保持する
ために、典型的にかなり高い温度で使われる従来の熱溶
融型スプレーとは全く対照的なことである。
本発明の接着剤を使った使い捨て用品の製造において
は、2つの塗布形態が好ましい。1つの形態は、織物、
例えば接着剤に対して浸透性のあるティッシュ、または
織布もしくは不織布、または他の物質上にこの接着剤を
噴射するものである。このような噴霧型接着剤は、浸透
性のあるティッシュ、または不織布もしくは織布の繊維
に浸透し、このシートを接着剤内に埋め込み、吸収層ま
たは裏層またはフィルムのような基材に接着させる。あ
るいは、本発明の接着剤を直接裏面シートまたはフィル
ムに塗布し、このフィルム上の接着剤にティシュまたは
織布もしくは不織布または他の物質を適用することがで
きる。この接着剤は、織物中の細孔または穴に浸透して
機械的な接合を形成できるように充分な流動性を維持し
ている。ティッシュフラッフ(tissue fluff)の吸収性
コアの製造において、典型的にかこのフラッフはティッ
シュによって包み込まれる。このティッシュ層はフラッ
フの回りを包み込み、さらに重包することもできる。接
着剤は、ティッシュ外包の重包部に噴射されて内部に浸
透し、最下部のティッシュをフラッフに接着させる。こ
のフラッフは外包部(ティッシュ部分)への接着により
その寸法安定性が確実なものとなる。
さらに詳しくいえば、この噴射可能な本発明の熱溶融型
接着剤組成物は、有効量の粘着付与剤および望ましい程
度の融和性を示すのに充分な固体可塑剤および有効量の
熱可塑性ポリマー基剤を含み、これらは噴射および冷却
後少なくとも一つの物性において変化を示すことの可能
な独特な性質を有する効果的な接着剤を形成する。
本発明の熱溶融型接着剤は、通常の熱溶融製造装置で作
られる。本発明の熱溶融型接着剤の製造において、熱可
塑性ポリマーが、典型的には粘着付与剤または可塑剤物
質またはそれらの混合物のいずれかを含む溶融物に加え
られる。このような付加物は、このポリマーの混合を促
進し滑らかで均一な混合物をとたらす。このような製造
管理では、粘着付与剤または可塑剤またはそれらの一部
分のいずれかが不活性気体下(任意に酸化防止剤を伴
う)で製造装置に加えられ、そして溶融するまで加熱お
よび撹拌される。熱可塑性ポリマーは、この混合物が程
よい時間で均一で滑らかな混合物を形成するような速度
で上記の溶融物に加えられる。この接着剤の製造におい
て使われる酸化防止剤物質は、このポリマーの添加の前
もしくは後にまたは同時に、上記の溶融物に加えられ
る。一旦接着性成分と共存するポリマーの滑らかな混合
物が形成されれば、この熱溶融型接着剤の残りの成分は
作業に都合の良い速度で加えられることが可能であ
る。。また一旦全ての接着剤成分の均一な混合物が形成
されれば、この接着剤は取り出され、ドラム、ブロッ
ク、ピロー、ペレット、顆粒等を含む使い易い形で包装
されることが可能である。以下の実施例には、本発明の
接着剤の製造に関する追加情報が提供されており、また
最良の態様が含まれている。
実施例1 窒素を充填し350゜Fになるまで加熱したシグマブレード
ミキサー中へ、スチレン化されたテルペンの粘着付与性
樹脂(ゾナタック1010)約49.5部と酸化防止剤(イルガ
ノックス1010)約0.5部とを加えた。このミキサーを、
上記の酸化防止剤が溶融状の粘着付与性樹脂と充分混合
するまで運転した。この粘着付与性樹脂中にスチレン
(クラトンD−1122、シェルケミカル社)を37重量%含
有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体25部を加えた。この共重合体が上記樹脂中に完全に添
加され、均一な溶融物が得られた後、1,4−ジクロロヘ
キセンジメタノールジベンゾエート(ベンゾフレックス
352)を25部加えた。このシグマブレードミキサーは含
有物が滑らかな溶融混合物になるまで運転され、その後
この物質を取り出し包装した。
実施例2 実施例1の方法に従って、以下の組成物を混合し熱溶融
型接着剤を生成した: 実施例3 実施例1の方法に従って、以下の組成物を混合し熱溶融
型接着剤を生成した: 実施例4 実施例1の方法に従って、以下の組成物を混合し熱溶融
型接着剤を生成した: 実施例5 リガルレッツ1094の代わりにペルマリン603を用いるこ
とを除き、実施例4の操作を繰り返し実施した。
実施例6 実施例2の方法に従って以下の組成物を混合し熱溶融型
接着剤を生成した: 実施例7 リガルレッツ1094の代わりにペルマリン603を用いるこ
とを除き、実施例6の操作を繰り返し実施した。
実施例8 実施例2の方法に従って、以下の組成物を混合し熱溶融
型接着剤を生成した: 実施例9 ゾナタック501の代わりにペルマリン603を用いることを
除き実施例8の操作を繰り返し実施した。
実施例10 実施例8の方法に従って、以下の組成物を混合し熱溶融
型接着剤を生成した: 実施例11 実施例1の方法に従って、以下の組成物を混合し熱溶融
型接着剤を生成した: 実施例12 一般的に実施例1の方法に従う一時的なパレット組立用
熱溶融型接着剤 以下の組成物を混合し熱溶融型接着剤を生成した。
実施例13 一般的に実施例1の方法に従う一時的なパレット組立用
熱溶融型接着剤 以下の組成物を混合し熱溶融型接着剤を生成した。
実施例13の生成物を調製し、そしてこれを波状板紙基材
の上に直径約3/16″(約0.476cm)の一様な直線状で押
し出した。5分の風乾時間経過後、追加の波型板紙基材
片を上記の接着剤の線上に置いた。この追加基材層をロ
ーラーを用いて圧縮した。これらの基材片は、1時間お
いて接着線より剥がされた。かなりの剥離力が適用され
たとき、この基材はかなりの力と接着剤の歪みを伴って
のみ取り除かれていた。4時間後、極僅かな剥離力でか
つ繊維の分裂または接着剤の歪みも全くなしに、この基
材は剥がされた。
第2の実験は実施例13の接着剤を用いて行った。直径3/
16″(約0.476cm)の滴を波型基材に滴下し、もう1枚
の波型シートをこの滴と接触させた。この2番目の波型
シートにはブレードで印をつけておき、90゜のフラップ
にしておいた。こうして組立てられた基板の内部に剥離
試験機を備え付け、300ft/min.(91.44m/min.)でこの
基板を引き離した。これと同じ基板をもう1組作ってお
いた。最初の1組は接着後1時間以内でテストを行い、
約6〜10lb./インチ(1072〜1786g/cm)の強い繊維接着
を示した。2組目は接着後15時間で引き離したが、約1
〜1.5lb./インチ(178.6〜267.9g/cm)で接着は剥がさ
れた。
これらのデータが明らかに示す通り、熱可塑性ブロック
共重合体または粘着付与剤または粘着付与性混合体と可
塑剤の選択は、接着剤の貯蔵弾性率に対し充分かつ重要
な制御を成し得る。
上記の粘着付与剤/可塑剤、オイルの配合をそれぞれ調
製し、これらの物質の融和性の冷却後の弾性率変化にお
けるに対する効果について測定した。加熱または冷却の
サイクルにおける本例およびその特性変化を示差走査熱
量法(differential scanning calorimetry−DSC)を用
いて調べた(DSC1〜6)。DSCは、例えば硬化、溶融、
結晶化等の熱転移に関連した熱的変化を追跡する技術で
ある。最初に各サンプルについて4回の走査を行った。
まず第1に、−40℃から150℃までの範囲を1分間に10
℃の割合で動的加熱走査を行った。第2操作では、150
℃から−40℃まで1分間に5℃の割合でプログラム化さ
れた冷却走査を行った。第3操作では、第2操作が終了
した物質について再び−40℃から150℃までの範囲を1
分間に10℃の割合にて再加熱走査した。その後、このサ
ンプルを150℃から1分間に200℃の割合で急速に冷却
し、この急冷却されたサンプルを第4の加熱操作として
−40℃から150℃までの範囲を1分間に10℃の割合にて
行った。
第1操作はこのサンプルの溶融のプロファイルであり、
これは以前の(このサンプルの)冷却履歴に関係する結
晶成長によってひきおこされた弾性率の変化を反映する
ものである。第2操作は、このサンプルのゆっくりとし
た冷却に伴う結晶化を追う試みである。第3操作は、上
記のゆっくりとした冷却がサンプルに及ぼす影響を測定
するために行ったものである。第4操作は、結晶化を制
限する目的でサンプルを急速に冷却し無定形状態にした
後行われたものである。FIG1〜4は、DSC6(ベゾフレッ
クス352が100%の場合)に関して上述の4操作を示した
ものである。これらの操作は、ベンゾフレックス352が
通常条件で容易に結晶化することを示している。以下の
その他の図は組成物における粘着付与剤およびオイルの
存在が結晶形成に及ぼす影響を示すために、混合物質を
走査したものである。
FIG5〜9図は、DSC1〜5の第1操作のプロファイルを表
すものである。各走査は2箇所のガラス転移と1箇所の
融解吸熱を示している。この生成物質に関する曲線は、
2つのガラス転移温度の存在と、溶融に必要な総溶融量
と走査中のピーク温度とによってベンゾフレックス単独
の曲線から分別される。明らかに、この物質は動的な形
態で加熱されたとき純粋な可塑剤の物質とは実質的に違
った形態で溶融する。
第2のDSC走査では(このプログラム化された冷却走査
を示す図は全く示されていない)、どのような熱溶融サ
ンプルも全く結晶化を示さない。このことは、ベンゾフ
レックス352のFIG2で示された結晶化とはっきりと対照
をなすものである。
FIG10〜14は、上記で議論されたDSC操作における吸熱融
解のピークの直前の発熱結晶化のピークを示している。
これらの走査は低温結晶化(cold crystallization)現
象を示している。低温結晶化とは、分子、一般的に高分
子がその結晶化温度を通過するように充分迅速に冷却さ
れ、そして無定形状態で凍結または過冷却されたときに
見られる現象である。これらの系は、熱力学的に特別な
配列をとり易い傾向にあり、加熱によって結晶構造が再
構成されるために充分なエネルギーおよび移動度が存在
するような温度に達する。上記の発熱は、このような低
温結晶化を示すものである。ここでの低温結晶化は、上
記の樹脂とオイルの配合によって結晶化が相当妨害され
ることを証明し、サンプルが周囲の状態に達した後経時
的な弾性率の変化に影響を与える。この熱溶融サンプル
が25℃で充分結晶化し充分な弾性率に達するのに必要な
期間を測定するために、このサンプルを150℃から25℃
まで1分間に200℃の割合で急冷した。そして、25℃に
おいてあらゆる時間、すなわち1分間、1.5時間、2時
間、および5時間の結晶化を行った。それぞれの結晶化
時間の後に各サンプルについて走査し融解のプロファイ
ルをとり、それぞれの曲線を評価した。FIG15および16
は、この走査中の低温結晶化発熱(のピーク)で明らか
なように、サンプルDSC1および2が5時間後でさえも充
分結晶化しないことを示している。一方サンプルDSC3
は、1時間後で完全な結晶化を示していた。FIG17は、
このサンプルDSC3(結晶化1時間後)の吸熱ピークの前
に低温結晶化発熱がないことを示している。
FIG18および19は、サンプルDSC4が1〜1.5時間の間に結
晶化することを示している。FIG18での結晶化1時間後
の曲線は、サンプルが充分に結晶化しない発熱(ピー
ク)を示しているが、一方FIG19(結晶化1.5時間後)は
充分な結晶化を示している。
FIG20は、サンプルDSC5が1時間後で充分結晶化するこ
とを示している。これらの曲線より、結晶化時間および
それに関連した弾性率の増加時間は、注意深く成分を混
合しそして成分の均衡を調節することによってその制御
が可能であることが明らかである。
上記の明細書、実施例、およびデータは、本発明の特定
の実施例および望ましい態様を理解する基礎を提供する
ものである一方、本発明はその意図および範囲から逸脱
することなく種々の態様で実施が可能である。よって、
本発明は冒頭の特許請求の範囲に帰するものである。
【図面の簡単な説明】
第1〜20図は、本分実施例中のサンプルDSC1〜6を示差
走査熱量法によって走査した各操作時におけるプロファ
イルを示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリストファー・エム・ライアン アメリカ合衆国、ミネソタ州 55013、チ サゴ・シテイー、トウーハンドレッドフィ フテイーシックスス・ストリート 1130 (56)参考文献 特開 昭62−212482(JP,A) 特開 昭56−106984(JP,A)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)i)ベンゼンジカルボン酸の脂環式
    エステル若しくは芳香族エステル、又はii)芳香族カル
    ボン酸の脂環式ポリエステルを含む可塑剤を約5〜50重
    量%と、 (b)芳香族樹脂、芳香族−脂肪族樹脂、脂肪族樹脂お
    よびロジンからなる群から選ばれる粘着性付与剤を約20
    〜80重量%と、 (c)熱可塑性ポリマーを約0.1〜55重量%と を含有する熱溶融型接着剤組成物であって、 該組成物は、塗布および冷却の後少なくとも5分間は、
    貯蔵弾性率(G′)、剥離強度および剪断強度の中から
    選ばれた一つの物性に関して、最終平衡値に達しない組
    成物。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性ポリマーが約0.1〜15重量%
    の濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性ポリマーが約10〜40重量%の
    濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記熱可塑性ポリマーがブロック共重合体
    を含む、請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】前記ブロック共重合体がA−B−A型(但
    し、Aはスチレンのブロックを含み、Bはゴム状のブロ
    ックを含む)である、請求項4に記載の組成物。
  6. 【請求項6】前記熱可塑性ポリマーがエチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体を含む、請求項2に記載の組成物。
  7. 【請求項7】前記可塑剤は軟化点が少なくとも約60℃の
    化合物である、請求項1に記載の組成物。
  8. 【請求項8】前記可塑剤がシクロヘキサンジメタノール
    ジベンゾエート化合物である、請求項7に記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】可塑剤がシス型およびトランス型異性体の
    混合物を含む、請求項8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】組成物が塗布および冷却された少なくと
    も5分後に、接着剤の貯蔵弾性率が、最初に冷却された
    ときの組成物の弾性率の少なくとも10倍に増加する、請
    求項3に記載の組成物。
  11. 【請求項11】塗布直後における組成物の初期剥離強度
    が少なくとも6lb./インチ(1071.6g/cm)で、かつ組成
    物の最終平衡剥離強度が1lb./インチ(178.6g/cm)未満
    である、請求項6に記載の組成物。
  12. 【請求項12】塗布後少なくとも300分間は、物性値が
    平衡状態での最終値に達しない、請求項1に記載の組成
    物。
  13. 【請求項13】(a)シクロヘキサンジメタノールジベ
    ンゾエート可塑剤化合物を、約5〜40重量%と、 (b)芳香族樹脂、芳香族−脂肪族樹脂および脂肪族樹
    脂からなる群から選ばれた粘着付与剤を約20〜80重量%
    と、 (c)熱可塑性エチレン−酢酸ビニル共重合体を約0.1
    〜15重量%とを含有する熱溶融型接着剤であって、 塗布後の少なくとも30分間は、最終平衡接着剥離強度に
    達しない剤組成物。
  14. 【請求項14】(a)シクロヘキサンジメタノールジベ
    ンゾエート可塑剤を約5〜40重量%と、 (b)芳香族樹脂、芳香族−脂肪族樹脂および脂肪族樹
    脂からなる群から選ばれた粘着付与剤を約20〜80重量%
    と、 (c)熱可塑性ブロック共重合体を約5〜35重量% とを含有する熱溶融型接着剤組成物であって、 塗布後少なくとも5分間は、貯蔵弾性率(G′)、剥離
    強度および剪断強度からなる群から選ばれた少なくとも
    一つの物性が最終平衡値に達しない組成物。
  15. 【請求項15】前記ブロック共重合体がA−B−A型
    (但し、Aはスチレンのブロックを含み、Bはゴム状の
    ブロックを含む)である請求項16に記載の組成物。
  16. 【請求項16】前記粘着性付与剤がロジンエステル樹脂
    を含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
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