JPH0755902B2 - アルド−スリダクタ−ゼ阻害剤 - Google Patents
アルド−スリダクタ−ゼ阻害剤Info
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- JPH0755902B2 JPH0755902B2 JP61248389A JP24838986A JPH0755902B2 JP H0755902 B2 JPH0755902 B2 JP H0755902B2 JP 61248389 A JP61248389 A JP 61248389A JP 24838986 A JP24838986 A JP 24838986A JP H0755902 B2 JPH0755902 B2 JP H0755902B2
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- methanol
- aldose reductase
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアルドースリダクターゼ阻害作用を有し、白内
障、網膜症、神経障害、腎障等の糖尿病における各種合
併症の治療に有用なアルドースリダクターゼ阻害剤に関
するものである。
障、網膜症、神経障害、腎障等の糖尿病における各種合
併症の治療に有用なアルドースリダクターゼ阻害剤に関
するものである。
[従来の技術および問題点] 近年、白内障、網膜症、腎症等の糖尿病における各種合
併症の成因として、グルコースの代謝経路であるポリオ
ール経路を介した細胞内ソルビトールの蓄積が注目され
ている。ホリオール経路は、グルコース、ガラクトース
等のアルドースがソルビトール、ガラクチトール等のポ
リオールを介してフルクトース等のケトースに変換され
る代謝経路であり、免疫組織化学的手法により全身諸臓
器に広く存在することが明らかになつてきた。
併症の成因として、グルコースの代謝経路であるポリオ
ール経路を介した細胞内ソルビトールの蓄積が注目され
ている。ホリオール経路は、グルコース、ガラクトース
等のアルドースがソルビトール、ガラクチトール等のポ
リオールを介してフルクトース等のケトースに変換され
る代謝経路であり、免疫組織化学的手法により全身諸臓
器に広く存在することが明らかになつてきた。
この経路の第1段階であるアルドース−ポリオール間の
変換を触媒する酵素をアルドースリダクターゼといい、
この酵素がポリオール経路の律速酵素と考えられてい
る。このアルドースリダクターゼを阻害し、ソルビトー
ルの産生や蓄積を低下させることが、糖尿病患者におけ
る合併症の治療に有効であるという報告がなされてい
る。
変換を触媒する酵素をアルドースリダクターゼといい、
この酵素がポリオール経路の律速酵素と考えられてい
る。このアルドースリダクターゼを阻害し、ソルビトー
ルの産生や蓄積を低下させることが、糖尿病患者におけ
る合併症の治療に有効であるという報告がなされてい
る。
そこで、アルドースリダクターゼ阻害作用を有する薬剤
の開発が望まれていた。
の開発が望まれていた。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は、種々の生薬についてアルドースリダクタ
ーゼ阻害作用に関する研究を行つた結果、甘草(Glycyr
rhiza uralensis FISHER, Glycyrrhiza glabra LINNE v
ar. glandulifera REGEL et HERDERまたはその他同属植
物の根およびストロン)に強いアルドースリダクターゼ
阻害作用があること見い出し、次いで、甘草の活性成分
について研究を進めた結果、一般式で表される化合物が
極めて強いアルドースリダクターゼ阻害作用をすること
を見い出し本発明を完成させた。すなわち本発明は、一
般式 [式中Rは、水素原子、グルコースまたはアピオグルコ
ース基を示す。] で表される化合物(以下、一般式の化合物と称する。)
を有効成分とするアルドースリダクターゼ阻害剤であ
る。
ーゼ阻害作用に関する研究を行つた結果、甘草(Glycyr
rhiza uralensis FISHER, Glycyrrhiza glabra LINNE v
ar. glandulifera REGEL et HERDERまたはその他同属植
物の根およびストロン)に強いアルドースリダクターゼ
阻害作用があること見い出し、次いで、甘草の活性成分
について研究を進めた結果、一般式で表される化合物が
極めて強いアルドースリダクターゼ阻害作用をすること
を見い出し本発明を完成させた。すなわち本発明は、一
般式 [式中Rは、水素原子、グルコースまたはアピオグルコ
ース基を示す。] で表される化合物(以下、一般式の化合物と称する。)
を有効成分とするアルドースリダクターゼ阻害剤であ
る。
一般式の化合物には、以下に示す化合物がある。
これらの化合物を得るためには、例えば、次のような方
法がある。
法がある。
甘草を、水、アルコール類または、水とアルコール類の
混合溶媒で抽出し、抽出液から除去した残渣を、順次、
水、水−メタノール(1:1)、メタノールを溶出溶媒と
して、セフアデツクスLH−20等のセフアデツクス、ダイ
ヤイオンHP−20等のポーラスポリマー等を担体に用いた
カラムクロマトグラフイーに付し、それぞれの画分を得
る。次いで、水−メタノール(1:1)溶出部、メタノー
ル溶出部をそれぞれ水、メタノール、エタノール、エー
テル、アセトン、クロロホルム、ベンゼン、水−酢酸−
メタノール混合液から選ばれる少なくともひとつを溶出
溶媒として、セフアデツクスLH−20等のセフアデツク
ス、MCIゲルCHP20P等のポーラスポリマー、セルロー
ス、シリカゲルまたは逆相系シリカゲル等を担体に用い
たカラムクロマトグラフイーに数回付し、薄層クロマト
グラフイーで目的成分を確認しながら分画することによ
り得ることができる。場合により、メタノール、エタノ
ール、水等の適当な溶媒を用いて再結晶することにより
精製してもよい。
混合溶媒で抽出し、抽出液から除去した残渣を、順次、
水、水−メタノール(1:1)、メタノールを溶出溶媒と
して、セフアデツクスLH−20等のセフアデツクス、ダイ
ヤイオンHP−20等のポーラスポリマー等を担体に用いた
カラムクロマトグラフイーに付し、それぞれの画分を得
る。次いで、水−メタノール(1:1)溶出部、メタノー
ル溶出部をそれぞれ水、メタノール、エタノール、エー
テル、アセトン、クロロホルム、ベンゼン、水−酢酸−
メタノール混合液から選ばれる少なくともひとつを溶出
溶媒として、セフアデツクスLH−20等のセフアデツク
ス、MCIゲルCHP20P等のポーラスポリマー、セルロー
ス、シリカゲルまたは逆相系シリカゲル等を担体に用い
たカラムクロマトグラフイーに数回付し、薄層クロマト
グラフイーで目的成分を確認しながら分画することによ
り得ることができる。場合により、メタノール、エタノ
ール、水等の適当な溶媒を用いて再結晶することにより
精製してもよい。
イソリクイリチゲニンは、レスアセトフエノンとp−ヒ
ドロキシベンズアルデヒドとを縮合させて得ることもで
き、また、相当する配糖体を硫酸などの酸で加水分解す
ることによつても得ることができる。
ドロキシベンズアルデヒドとを縮合させて得ることもで
き、また、相当する配糖体を硫酸などの酸で加水分解す
ることによつても得ることができる。
一般式の化合物の製造の具体例を示すと次の如くであ
る。
る。
具体例1 甘草1.4kgを10の水で抽出し、抽出液より水を除去し
て、水エキス400gを得た。この水エキスを再び、水1
に溶解した後、セフアデツクスLH−20(フアルマシア
製)のカラムクロマトグラフイーに付し、順次、水、水
−メタノール(1:1)、メタノールで溶出した。このメ
タノール溶出部を再度セフアデツクスLH−20のカラムク
ロマトグラフイーに付し、水−メタノール混合溶媒系で
濃度勾配をかけて溶出し、フラクシヨン5[水−メタノ
ール(4:6)溶出部]及びフラクシヨン6[水−メタノ
ール(3:7)溶出部]を得た。このフラクシヨン5をMCI
ゲルCHP20P(三菱化成製)のカラムクロマトグラフイー
に付し、水−メタノール混合溶媒で溶出し、60%メタノ
ールで溶出する画分を減圧下で濃縮し、水−メタノール
から結晶化して、Rf値0.50[薄層プレート:キーゼルゲ
ル60F254、展開溶媒:クロロホルム−メタノール(3:
1)、発色試薬:10%硫酸(橙色)]の黄色針状結晶を得
た。この化合物の理化学的性質は文献[R.Puri,R.Sesha
dri,J.Sic.Ind.Res.,13,475(1954)]記載のイソリク
イリチンの性質と一致した。
て、水エキス400gを得た。この水エキスを再び、水1
に溶解した後、セフアデツクスLH−20(フアルマシア
製)のカラムクロマトグラフイーに付し、順次、水、水
−メタノール(1:1)、メタノールで溶出した。このメ
タノール溶出部を再度セフアデツクスLH−20のカラムク
ロマトグラフイーに付し、水−メタノール混合溶媒系で
濃度勾配をかけて溶出し、フラクシヨン5[水−メタノ
ール(4:6)溶出部]及びフラクシヨン6[水−メタノ
ール(3:7)溶出部]を得た。このフラクシヨン5をMCI
ゲルCHP20P(三菱化成製)のカラムクロマトグラフイー
に付し、水−メタノール混合溶媒で溶出し、60%メタノ
ールで溶出する画分を減圧下で濃縮し、水−メタノール
から結晶化して、Rf値0.50[薄層プレート:キーゼルゲ
ル60F254、展開溶媒:クロロホルム−メタノール(3:
1)、発色試薬:10%硫酸(橙色)]の黄色針状結晶を得
た。この化合物の理化学的性質は文献[R.Puri,R.Sesha
dri,J.Sic.Ind.Res.,13,475(1954)]記載のイソリク
イリチンの性質と一致した。
具体例2 具体例1で得たフラクシヨン6を具体例1と同様にMCI
ゲルCHP20Pカラムクロマトグラフイーに付し、水−メタ
ノール(4:6)溶出部を得た。これを更に、セルロース
(アビセル,旭化成製)カラムクロマトグラフイーに付
し、2%酢酸−メタノール(95:5)で溶出し、最初の2
で溶出する画分を減圧下で濃縮し、水−メタノールか
ら再結晶することにより、Rf値0.25[薄層プレート:キ
ーゼルゲル60F254、展開溶媒:クロロホルム−メタノー
ル(3:1)、発色試薬:10%硫酸(橙色)]の黄色針状結
晶を得た。この化合物の理化学的性質は文献[V.I.Litv
inenko,Farmatsevt.Zh.(Kiev),18.20(1963)]記載
のリクラシドの性質と一致した。
ゲルCHP20Pカラムクロマトグラフイーに付し、水−メタ
ノール(4:6)溶出部を得た。これを更に、セルロース
(アビセル,旭化成製)カラムクロマトグラフイーに付
し、2%酢酸−メタノール(95:5)で溶出し、最初の2
で溶出する画分を減圧下で濃縮し、水−メタノールか
ら再結晶することにより、Rf値0.25[薄層プレート:キ
ーゼルゲル60F254、展開溶媒:クロロホルム−メタノー
ル(3:1)、発色試薬:10%硫酸(橙色)]の黄色針状結
晶を得た。この化合物の理化学的性質は文献[V.I.Litv
inenko,Farmatsevt.Zh.(Kiev),18.20(1963)]記載
のリクラシドの性質と一致した。
具体例3 レスアセトフエノン1.5g及びp−ヒドロキシベンズアル
デヒド(1.2g)をエタノール4mlに溶解し、これに50%
(w/v)水酸化カリウム溶液30mlを加え、水浴上で2時
間加熱した。反応液を氷水中に注ぎ、濃塩酸でpH1〜2
とし、生じた黄色結晶を濾取し、水洗後乾燥した。これ
を水−エタノールから再結晶して融点192〜3℃、Rf値
0.26[薄層プレート:キーゼルゲル60F254、展開溶媒:n
−ヘキサン−酢酸エチル(3:2)、発色試薬:10%硫酸
(橙色)]の黄色針状結晶を得た。この化合物の理化学
的性質は文献[R.Puri,R.Seshadri,J.Sic.Ind.Res.,13,
475(1954)]記載のイソリクイリチゲニンの性質と一
致した。
デヒド(1.2g)をエタノール4mlに溶解し、これに50%
(w/v)水酸化カリウム溶液30mlを加え、水浴上で2時
間加熱した。反応液を氷水中に注ぎ、濃塩酸でpH1〜2
とし、生じた黄色結晶を濾取し、水洗後乾燥した。これ
を水−エタノールから再結晶して融点192〜3℃、Rf値
0.26[薄層プレート:キーゼルゲル60F254、展開溶媒:n
−ヘキサン−酢酸エチル(3:2)、発色試薬:10%硫酸
(橙色)]の黄色針状結晶を得た。この化合物の理化学
的性質は文献[R.Puri,R.Seshadri,J.Sic.Ind.Res.,13,
475(1954)]記載のイソリクイリチゲニンの性質と一
致した。
次に、一般式の化合物がアルドースリダクターゼ阻害作
用を有することを実験例を挙げて説明する。
用を有することを実験例を挙げて説明する。
実験例1 <アルドースリダクターゼ活性の測定> 6週齢のウイスター(Wistar)系雄系ラツトをエーテル
麻酔下に致死させ、直ちに水晶体を摘出し、−20℃にて
保存した。
麻酔下に致死させ、直ちに水晶体を摘出し、−20℃にて
保存した。
水晶体は0.5mMフエニルメチルスルホニルフロリドを含
む135mMナトリウム−カリウム−リン酸緩衝液(pH7.0)
にてホモジナイズして、30,000rpmで30分間遠心した。
その上清をアルドースリダクターゼ活性測定の検体とし
た。また、以上の操作はすべて4℃で行い、検体は0℃
で保存した。
む135mMナトリウム−カリウム−リン酸緩衝液(pH7.0)
にてホモジナイズして、30,000rpmで30分間遠心した。
その上清をアルドースリダクターゼ活性測定の検体とし
た。また、以上の操作はすべて4℃で行い、検体は0℃
で保存した。
アルドースリダクターゼ活性の測定はデユフラン(Dufr
ane)らの方法[Biochemical Medicine,32,99−105(19
84)参照]により行つた。すなわち、100mM硫酸リチウ
ム、0.03mM NADPH(還元型nicotinamide adenine dinuc
leotide phosphate)、および基質として0.1mM DL−グ
リセルアルデヒドまたは20mMグルコースを含むように調
製した135mMナトリウム−カリウム−リン酸緩衝液(pH
7.0)800μに、上記の検体100μおよび上記具体例
1〜3で得た化合物をそれぞれエタノールに1×10-3mg
/mlの終濃度となるように溶解させた薬物溶解液100μ
をそれぞれ加え、30℃にて30分間反応させた。次に、0.
5N塩酸0.3mlを加えて反応を停止させ、10mMイミダゾー
ルを含む6N水酸化ナトリウム1mlを添加することによ
り、前記の反応によつて生じたNADP(酸化型nicotinami
de adenine dinucleotide phosphate)を蛍光物質に変
換して、60分後にその蛍光強度を測定した。蛍光強度
は、室温で分光光度計RF−510(株式会社島津製作所
製)用いて励起波長360nm、蛍光波長460nmの条件で測定
した。また、具体例1〜3で得た化合物の溶解液を加え
るかわりにエタノールを加える以外は上記と同様にして
反応させて測定した蛍光強度をコントロール値とした。
ane)らの方法[Biochemical Medicine,32,99−105(19
84)参照]により行つた。すなわち、100mM硫酸リチウ
ム、0.03mM NADPH(還元型nicotinamide adenine dinuc
leotide phosphate)、および基質として0.1mM DL−グ
リセルアルデヒドまたは20mMグルコースを含むように調
製した135mMナトリウム−カリウム−リン酸緩衝液(pH
7.0)800μに、上記の検体100μおよび上記具体例
1〜3で得た化合物をそれぞれエタノールに1×10-3mg
/mlの終濃度となるように溶解させた薬物溶解液100μ
をそれぞれ加え、30℃にて30分間反応させた。次に、0.
5N塩酸0.3mlを加えて反応を停止させ、10mMイミダゾー
ルを含む6N水酸化ナトリウム1mlを添加することによ
り、前記の反応によつて生じたNADP(酸化型nicotinami
de adenine dinucleotide phosphate)を蛍光物質に変
換して、60分後にその蛍光強度を測定した。蛍光強度
は、室温で分光光度計RF−510(株式会社島津製作所
製)用いて励起波長360nm、蛍光波長460nmの条件で測定
した。また、具体例1〜3で得た化合物の溶解液を加え
るかわりにエタノールを加える以外は上記と同様にして
反応させて測定した蛍光強度をコントロール値とした。
アルドースリダクターゼはNADPHを補酵素として、DL−
グリセルアルデヒドあるいはグルコースをポリオールに
変換する酵素であり、この反応に伴つてNADPHはNADPに
変化する。従つてNADPが少なければ、アルドースリダク
ターゼが阻害されていることになる。
グリセルアルデヒドあるいはグルコースをポリオールに
変換する酵素であり、この反応に伴つてNADPHはNADPに
変化する。従つてNADPが少なければ、アルドースリダク
ターゼが阻害されていることになる。
その結果を、阻害度(%)および50%阻害濃度(IC50)
として、第1表に示す。
として、第1表に示す。
実験例2 <赤血球中ソルビトールの定量> 通常人前腕部静脈から採取し、ヘパリン処理した血液よ
り得た赤血球を冷生理食塩水で3回洗浄し、更にヘマト
クリツト値が30%前後となるように浮遊した。28mMグル
コースと上記具体例1で得た化合物をそれぞれ0.05、0.
025、0.01、0.005および0.001mg/mlの終濃度になるよう
にエタノールあるいはDMSO(ジメチルスルフオキシド)
を用いて溶解し、更に酸素95%、二酸化炭素5%で平衡
化したクレブスリンガー重炭酸イオン緩衝液(bicarbon
ate buffer)4mlに、上記赤血球浮遊液1mlを加えて、37
℃でインキユベートした。60分後に6%冷過塩素酸を加
えて反応を止め、4℃で3,000rpm10分間遠心して除蛋白
した。その上清に2.5M炭酸カリウムを加えて中和した
後、これを検体としてMaloneらの方法によりソルビトー
ル濃度を測定した。
り得た赤血球を冷生理食塩水で3回洗浄し、更にヘマト
クリツト値が30%前後となるように浮遊した。28mMグル
コースと上記具体例1で得た化合物をそれぞれ0.05、0.
025、0.01、0.005および0.001mg/mlの終濃度になるよう
にエタノールあるいはDMSO(ジメチルスルフオキシド)
を用いて溶解し、更に酸素95%、二酸化炭素5%で平衡
化したクレブスリンガー重炭酸イオン緩衝液(bicarbon
ate buffer)4mlに、上記赤血球浮遊液1mlを加えて、37
℃でインキユベートした。60分後に6%冷過塩素酸を加
えて反応を止め、4℃で3,000rpm10分間遠心して除蛋白
した。その上清に2.5M炭酸カリウムを加えて中和した
後、これを検体としてMaloneらの方法によりソルビトー
ル濃度を測定した。
すなわち、1.0ml中に50mMのグリシン緩衝液(pH9.4)お
よび0.2mMのNAD(酸化型nicotinamide adenine dinucle
otide)と0.64ユニツトのソルビトールデヒドロゲナー
ゼを含むように調製した反応混合液に、前記のようにし
て除蛋白した検体0.5mlを加えて反応させた。この反応
によって生じたNADH(還元型nicotinamide adenine din
ucleotide)を蛍光物質とし、その蛍光強度を測定し、
ソルビトール量の指標とした。この反応は細胞内のソル
ビトールとNADをソルビトールデヒドロゲナーゼによつ
て、D−フルクトースとNADHに変換する反応であるか
ら、反応後のNADHが多ければ、ソルビトールの含有量が
多いということになる。
よび0.2mMのNAD(酸化型nicotinamide adenine dinucle
otide)と0.64ユニツトのソルビトールデヒドロゲナー
ゼを含むように調製した反応混合液に、前記のようにし
て除蛋白した検体0.5mlを加えて反応させた。この反応
によって生じたNADH(還元型nicotinamide adenine din
ucleotide)を蛍光物質とし、その蛍光強度を測定し、
ソルビトール量の指標とした。この反応は細胞内のソル
ビトールとNADをソルビトールデヒドロゲナーゼによつ
て、D−フルクトースとNADHに変換する反応であるか
ら、反応後のNADHが多ければ、ソルビトールの含有量が
多いということになる。
なお、具体例1で得た化合物を反応時に添加せず、反応
終了後に添加する以外は、上記と同様にして反応させて
測定した蛍光強度をコントロール値として、IC50値
(M)を求めた。
終了後に添加する以外は、上記と同様にして反応させて
測定した蛍光強度をコントロール値として、IC50値
(M)を求めた。
その結果、IC50は2.9×10-5Mであつた。
以上の結果から、本発明のアルドースリダクターゼ阻害
剤はアルドースリダクターゼの活性を阻害し、赤血球中
のソルビトールの蓄積を減少させることが認められ、糖
尿病の合併症の予防または治療に有効であることが期待
される。
剤はアルドースリダクターゼの活性を阻害し、赤血球中
のソルビトールの蓄積を減少させることが認められ、糖
尿病の合併症の予防または治療に有効であることが期待
される。
次に、具体例1〜3で得た化合物の経口投与での急性毒
性試験をddY系マウスおよびウイスター(Wistar)系ラ
ツトを用いて行つたところ、具体例1〜3で得た化合物
は1g/kgの経口投与で死亡例はなかつた。
性試験をddY系マウスおよびウイスター(Wistar)系ラ
ツトを用いて行つたところ、具体例1〜3で得た化合物
は1g/kgの経口投与で死亡例はなかつた。
このように、一般式の化合物は極めて毒性が低く、安全
性の高いものである。
性の高いものである。
本発明における実験データおよび急性毒性試験の結果か
ら考えて、本発明の薬剤の有効投与量は患者の年令、体
重、疾患の程度によつても異なるが、通常成人で一般式
の化合物重量として1日量120〜600mgを症状に合わせて
1日3回程度に分けての服用が適当と認められる。
ら考えて、本発明の薬剤の有効投与量は患者の年令、体
重、疾患の程度によつても異なるが、通常成人で一般式
の化合物重量として1日量120〜600mgを症状に合わせて
1日3回程度に分けての服用が適当と認められる。
次に用例を示して具体的に説明するが、本発明はこれに
より制限されるものではない。
より制限されるものではない。
用例1 上記の具体例1で得た化合物100gを無水ケイ酸20gと混
合し、これにトウモロコシデンプン75gを加え、さらに
混合した。この混合物に10%ハイドロキシプロピルセル
ロース・エタノール溶液を100ml加え、常法通りねつ和
し、押し出し、乾燥し、篩別することにより20〜50メツ
シユの粒子の顆粒剤を得た。
合し、これにトウモロコシデンプン75gを加え、さらに
混合した。この混合物に10%ハイドロキシプロピルセル
ロース・エタノール溶液を100ml加え、常法通りねつ和
し、押し出し、乾燥し、篩別することにより20〜50メツ
シユの粒子の顆粒剤を得た。
この顆粒剤は、症状に合わせて1回量80〜400mg(具体
例1で得た化合物の重量として40〜200mgに相当)とし
て1日3回服用する。
例1で得た化合物の重量として40〜200mgに相当)とし
て1日3回服用する。
用例2 具体例2で得た化合物40gを無水ケイ酸20gと混合し、こ
れに微結晶セルロース10g、ステアリン酸マグネシウ
ム、乳糖50gを加え混合し、この混合物を単発式打錠機
にて打錠して径7mm、重量120mgの錠剤を製造した。
れに微結晶セルロース10g、ステアリン酸マグネシウ
ム、乳糖50gを加え混合し、この混合物を単発式打錠機
にて打錠して径7mm、重量120mgの錠剤を製造した。
本錠剤1錠は、具体例2で得た化合物40mgを含有する。
本錠剤は、1回1〜5錠、1日3回服用する。
本錠剤は、1回1〜5錠、1日3回服用する。
用例3 具体例3で得た化合物40mgを乳糖100mgと混合し、No.0
のゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を得た。
のゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を得た。
本カプセル剤は、症状に合わせて1回1〜5カプセルを
1日3回服用する。
1日3回服用する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/99
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 [式中Rは、水素原子、グルコースまたはアピオグルコ
ース基を示す。] で表される化合物を有効成分とするアルドースリダクタ
ーゼ阻害剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61248389A JPH0755902B2 (ja) | 1986-10-21 | 1986-10-21 | アルド−スリダクタ−ゼ阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61248389A JPH0755902B2 (ja) | 1986-10-21 | 1986-10-21 | アルド−スリダクタ−ゼ阻害剤 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP61248389A Expired - Lifetime JPH0755902B2 (ja) | 1986-10-21 | 1986-10-21 | アルド−スリダクタ−ゼ阻害剤 |
Country Status (1)
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- 1986-10-21 JP JP61248389A patent/JPH0755902B2/ja not_active Expired - Lifetime
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