JPH0755856B2 - スピネル構造からなるクリンカーおよび耐火物 - Google Patents

スピネル構造からなるクリンカーおよび耐火物

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JPH0755856B2
JPH0755856B2 JP1192008A JP19200889A JPH0755856B2 JP H0755856 B2 JPH0755856 B2 JP H0755856B2 JP 1192008 A JP1192008 A JP 1192008A JP 19200889 A JP19200889 A JP 19200889A JP H0755856 B2 JPH0755856 B2 JP H0755856B2
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彰 兼安
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一郎 多喜田
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宇部化学工業株式会社
黒崎窯業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、スピネル構造からなるクリンカー、および、
それを耐火材料として含む耐火物に関する。
[発明の背景] 近年、製鋼業、窯業などの技術分野において、スピネル
(MgAl2O4)クリンカーを、耐火材料として使用するこ
とが検討されている。
従来公知のスピネルクリンカーは、MgOとAl2O3とのモル
比が1:1である化学量論的組成を有するスピネルか、あ
るいは、MgOとAl2O3とのモル比が化学量論的組成に非常
に近い組成のスピネル構造からなるクリンカーであり、
耐スラグ溶損性に優れているが、耐スポーリング性は充
分とは言えない。そこで、上記スピネルクリンカーを耐
火材料に使用する場合には、膨張収縮率の小さいアルミ
ナクリンカーと併用することにより、耐スポーリング性
の確保を図ることが一般的である。
例えば、特開昭64−87577号公報には、アルミナクリン
カー50〜90wt%、粒径1mm以下のMgO・Al2O3系スピネル
クリンカー5〜40wt%、アルミナセメント3〜25wt%よ
りなることを特徴としたアルミナ−スピネル質耐火物が
開示されている。上記公報の記載によれば、耐スラグ浸
透性に優れる1mm以下の微粒のスピネルクリンカーとア
ルミナクリンカーとを組合せることにより、耐用性に優
れた耐火物が得られるとされている。
ところが、本発明者の検討によれば、アルミナクリンカ
ーは耐スラグ溶損性が低く、特開昭64−87577号公報に
開示されているスピネルクリンカーを含む耐火物は、該
耐火物のアルミナ含有量が増加するに従って、耐スラグ
溶損性が低減する傾向がある。
そこで、耐スポーリング性に優れているとともに、耐ス
ラグ溶損性にも優れたクリンカーおよび耐火物の開発が
望まれる。
一方、スピネルおよびスピネル構造からなる鉱物につい
ては従来からよく研究されており、MgOおよびAl2O3から
なる鉱物相の状態をMgOおよびAl2O3の組成と温度との関
係で示した図として、D.M.Royらの提出したマグネシア
−アルミナ系相平衡状態図(D.M.Roy,et al.,J.Amer.Ce
ram.Soc.,36[5]149(1953))が知られている。上記
の相平衡状態図を添付した図面の第1図に示す。
第1図において、「スピネル」とはスピネル構造からな
る鉱物相が単相で存在することを、「スピネル+コラン
ダム」とは化学量論的組成のスピネル相とコランダム相
とが混在することを、「スピネル+液相」とはスピネル
構造からなる鉱物相と該鉱物相が溶融した液相とが混在
することを、「コランダム+液相」とはコランダム相と
該コランダム相が溶融した液相とが混在することを、そ
して、「液相」とはMgOおよびAl2O3が溶融した液相が単
相で存在することを、それぞれ示している。
上記相平衡状態図から、約600〜2100℃の温度範囲で
は、MgOに対して化学量論的組成よりも過剰のAl2O3を含
有する、例えば全組成の約75〜90重量%がAl2O3である
スピネル構造からなる鉱物が安定に存在する領域がある
ことがわかる。
しかしながら、上記相平衡状態図はまた、高温度領域に
て上記安定に存在する領域の過剰のAl2O3を含むスピネ
ル構造からなる鉱物をその組成のまま冷却した場合に
は、コランダム相を生じて化学量論的組成のスピネル相
との混合物になることを示している。
[発明の目的] 本発明の目的は、優れた耐スポーリング性および優れた
耐スラグ溶損性を有するクリンカー、および、耐火物を
提供することにある。
[発明の要旨] 本発明者は、MgOに対して等モルより過剰のAl2O3を含む
混合物を1700℃以上の高温で焼成したのち急冷すること
により、従来公知のスピネルクリンカーと同等の耐スラ
グ溶損性と、従来公知のスピネルクリンカーより優れた
耐スポーリング性とを有するクリンカーが得られること
を見出した。
本発明者は、上記クリンカーに関してさらに検討を重
ね、上記クリンカーが化学量論的組成より過剰のAl2O3
を含み、実質的にスピネル構造からなること、および、
原料のアルミナ成分およびマグネシア成分にカルシア成
分を加えて焼成することにより、上記クリンカーのスピ
ネル構造を有する結晶が粗大化するとともに、嵩密度が
高くなり、該クリンカーの耐スラグ溶損性を向上できる
こと、および、該クリンカーを耐火材料として用いるこ
とにより従来より優れた耐スラグ溶損性を有し耐スポー
リング性に優れた耐火物が得られることを見出し、本発
明を完成した。
従って本発明は、焼成物基準で、全体の80重量%以上90
重量%未満のAl2O3、9.95重量%以上18.5重量%以下のM
gO、および、0.05重量%以上1.50重量%以下のCaOを含
み、スピネル構造からなり、そのスピネル構造の結晶の
平均結晶径が50μm以上であることを特徴とするクリン
カーにある。
本発明はまた、上記クリンカーを耐火材料として含む耐
火物にもある。
本発明のクリンカーの好ましい態様は次の通りである。
(1)上記クリンカーの嵩密度が、理論密度の90%以上
であること。
(2)上記クリンカーの嵩密度が、理論密度の92%以上
であること。
本発明の耐火物の好ましい態様は次の通りである。
(1)上記耐火物が、上記クリンカーを耐火材料全体の
5重量%以上含むこと。
(2)上記耐火物が、上記クリンカーのみを耐火材料と
して含むこと。
[発明の効果] 本発明により、化学量論的組成より過剰のAl2O3を含
み、実質的にスピネル構造からなるクリンカーが得られ
る。
上記クリンカーは、化学量論的組成より過剰のAl2O3
含むスピネル構造からなるので、従来公知のスピネルク
リンカーより耐スポーリング性に優れている。さらに、
上記クリンカーは、スピネル構造を有する結晶がよく成
長して大きな平均結晶径を有するようにされており、嵩
密度が高いので、従来公知のスピネルクリンカーより優
れた耐スラグ溶損性を有している。
したがって、上記クリンカーを耐火材料として使用する
ことにより、耐スポーリング性に優れ、従来公知の耐火
物より優れた耐スラグ溶損性を有する耐火物を有利に製
造することができる。
[発明の詳細な記述] 本発明のクリンカーは、焼成物基準で、全体の80重量%
以上90重量%未満のAl2O3、9.95重量%以上18.5重量%
以下のMgO、および、0.05重量%以上1.50重量%以下のC
aOを含み、実質的にスピネル構造からなり、そのスピネ
ル構造の結晶の平均結晶径が50μm以上であることを特
徴とする。上記クリンカーは、耐火材料に使用した場合
に該耐火物の耐スラグ溶損性を向上させるために、該ク
リンカーに含まれるスピネル構造を有する結晶がよく成
長していることが好ましく、上記結晶の平均結晶径は50
μm以上である。また、上記クリンカーは、耐火材料に
使用した場合に溶鋼およびスラグとの接触面積を低減さ
せるために気孔率が低く、嵩密度が高いことが好まし
い。クリンカーにおいては一般に気孔率と嵩密度との間
に相関関係があり、嵩密度が高いほど気孔率は低くなる
ことが知られている。上記クリンカーは、嵩密度が理論
密度の90%以上であることが好ましく、さらに92%以上
であることが好ましい。
上記理論密度は、化学量論的組成のスピネル(MgO・Al2
O3=142.27)の理論密度を3.58g/cm3、格子定数を8.08
Åとして、次の式(I)から求められる値である。な
お、化学量論的組成を有する結晶鉱物の理論密度は、一
般に、その結晶の有する結晶構造、格子定数、該結晶を
構成する鉱物の式量、および構成原子の原子量から、計
算により求めることができる。
ρ0:試料のスピネル構造を有する結晶の理論密度 M0:(MgxAly)O・Al2O3で表わされる試料の式量、ただ
し、x+y=1とする a0:試料の格子定数 上記クリンカーは、以下に述べる製造方法により有利に
製造することができる。
まず、アルミナ成分、マグネシア成分、およびカルシア
成分を、焼成物基準で、Al2O3が全体の80重量%以上90
重量%未満、MgOが9.95重量%以上18.5重量%以下、お
よび、CaOが0.05重量%以上1.50重量%以下の組成とな
るように混合する。
焼成物において、Al2O3とMgOとが上述の割合となるよう
に混合することにより、化学量論的組成より過剰のAl2O
3を含むスピネル構造からなるクリンカーが得られる。
また、アルミナ成分およびマグネシア成分に、さらにカ
ルシア成分をCaOが上述の範囲となるように添加、混合
することにより、上記クリンカーにおいてスピネル構造
を有する結晶がよく成長し、嵩密度が大くなるという効
果が得られる。上記クリンカーの組成において、CaOが
0.05重量%未満のときには上記効果が得られにくく、1.
50重量%よりも多いときにはクリンカーの耐スラグ溶損
性が低下することがある。
上記アルミナ成分は、灼熱基準でAl2O3を95重量%以上
含んでいることが好ましく、99重量%以上含んでいるこ
とがさらに好ましい。上記アルミナ成分として、例え
ば、市販のアルミナクリンカー、バイヤー法により製造
された水酸化アルミニウムおよび該水酸化アルミニウム
を焼成して得られた酸化アルミニウム、天然ボーキサイ
トおよびその焼成物、各種アルミニウム塩などを挙げる
ことができる。
また、上記アルミナ成分は、平均粒径が通常2〜50μm
の範囲に、さらに2〜15μmの範囲に調整されているこ
とが好ましい。アルミナ成分の平均粒径が2μm未満の
場合には、得られるクリンカーの嵩密度は高くなるもの
の該クリンカーに含まれるスピネル構造を有する結晶が
局部的に異常結晶成長を生じるなど、均一な結晶成長を
制御しにくくなる傾向があり、50μmを超える場合に
は、得られるクリンカーの嵩密度が低くなる傾向があ
る。
上記マグネシア成分としては、例えば、市販のマグネシ
アクリンカー、水酸化マグネシウムおよびそれを仮焼し
て得られた酸化マグネシウム、天然マグネサイトおよび
それを仮焼して得られた酸化マグネシウム、各種マグネ
シウム塩などを挙げることができる。
上記カルシア成分としては、例えば、石灰石またはドロ
マイト、その焼成物、およびその仮焼物の水和物、およ
び、各種カルシウム塩などを挙げることができる。
上記アルミナ成分、マグネシア成分、および、カルシア
成分の混合は、通常の粉粒体の混合あるいは混練に使用
される従来公知の装置を用いて行なうことができる。上
述の成分の混合に際しては、全粉粒体成分の3〜15重量
%の範囲にて水を添加することが好ましい。上述の範囲
の量にて水を添加することにより、次工程の造粒または
成形を有利に行なうことができる。上述の水の添加は、
水を単独で添加してもよいが、カルシア成分に消石灰を
使用して、該消石灰に水を添加して石灰乳にして用いて
もよい。
次に、上述の操作で得られた混合物を、乾燥または仮焼
したのち、造粒または成形する。上記混合物の造粒また
は成形は、従来公知の装置を用いて行なうことができ
る。また、成形操作を行なう場合には、0.3〜3.5トン/c
m2の成形圧にて成形することが好ましい。
次いで、上述の操作で得られた造粒物または成形物を17
00℃以上、好ましくは1750℃以上1900℃以下の温度範囲
に0.2〜2時間保持して焼成したのち、50℃/分以上の
速度で200〜600℃の範囲の温度まで冷却することによ
り、前述の組成で実質的にスピネル構造からなるクリン
カーが得られる。上記焼成は、工業的規模で行なう場合
にはロータリーキルンを用いて行なうことが好ましい
が、小規模に製造する場合には酸素−プロパン炉等の装
置を用いて行なってもよい。
前述の組成を有する混合物を上記温度範囲で焼成するこ
とにより、該温度範囲にて、化学量論的組成よりも過剰
のAl2O3を含むスピネル構造を有する鉱物が存在するこ
とは、第1図から明らかである。上記鉱物は、化学量論
理的組成を有するスピネル結晶相にさらにAl2O3が侵入
して、固溶体を形成している単一相と考えられている。
前述の相平衡状態図によれば、上記鉱物を冷却すると、
化学量論的組成よりも過剰のAl2O3が上記固溶体から離
溶してコランダム相を形成し、第1図に示されるような
化学量論的組成のスピネル相とコランダム相とが混在す
る相に移行することが示されている。
ところが、本発明者の検討により、上記鉱物を焼成後直
ちに50℃/分以上の速度で冷却することにより、化学量
論的組成より過剰のAl2O3を含み実質的にスピネル構造
からなるクリンカーが、実用上充分な安定性で得られる
ことが判明した。上記クリンカーは、上記固溶体の組成
および構造を実質的に維持していると考えられる。上記
クリンカーのスピネル構造に含まれるAl2O3の含有量
は、該クリンカーのX線回折の結果から格子定数を算出
することにより求められる。上記クリンカーの格子定数
は、8.05〜7.96Åの範囲にある。スピネル構造に含まれ
るAl2O3の含有量と該スピネル構造の結晶格子の関係に
ついては、Reed.J.S.の「スピネルマトリックスにおけ
る転移金属イオンの構造の一考察」(Reed.J.S.,“An I
nvestigation of the Constitution of Transition Met
al Ions in Spinel Matrix",Alfred Univ.Monthly Rep
t.,No.347,May,1965)に記載がある。
本発明クリンカーは、化学量論的組成より過剰のAl2O3
を含むので従来公知のスピネルクリンカーに比較して熱
膨張率が小さく、耐スポーリング性に優れている。ま
た、平均結晶径の大きな結晶のスピネル構造からなるの
で、従来公知のスピネルクリンカーより優れた耐スラグ
溶損性を有している。さらに、上記耐スラグ溶損性は、
本発明のクリンカーにおいて、該クリンカーに含まれる
スピネル構造を有する結晶の平均結晶径、および、該ク
リンカーの嵩密度の理論密度に対する割合が前述の範囲
にある場合に特に顕著に優れている。
本発明の耐火物は、上記スピネル構造からなるクリンカ
ーを、耐火材料として含むことを特徴とする。
上記スピネル構造からなるクリンカーを上記耐火材料と
して使用する場合には、該クリンカーを粉砕し、得られ
た粒子または粉末を適当に粒度配合して用いることが好
ましい。粒度配合して用いることにより、粒子が最密充
填されやすくなり、緻密な耐火物が得られる。
上記耐火物は、スピネル構造からなるクリンカーを耐火
材料全体の5重量%以上含んでいることが好ましく、さ
らに、スピネル構造からなるクリンカーのみを耐火材料
として使用することが好ましい。
上記耐火材料としては、高アルミナ貢岩類の仮焼物、ボ
ーキサイト類の仮焼物または焼結品、シリマナイト類、
合成ムライト、溶融または焼結アルミナ、活性アルミ
ナ、ダイアスポアー類、バイヤー法による酸化アルミニ
ウム、およびバン土貢岩などのアルミナ質材料;海水マ
グネシアクリンカー、マグネサイト鉱、およびその焼結
品ならびに電融品などのマグネシア質材料;電融または
焼結スピネルクリンカーなどのスピネル質材料などを挙
げることができる。
上記耐火物は、上述の耐火材料のほかに、バインダー、
微粉状シリカ、粘土、炭化珪素および黒鉛などの副資材
を含んでいてもよい。
上記耐火物用バインダーとしては、 (1)コロイダルシリカ、気化性シリカ、ゲル状シリカ
などの無定形シリカ;アルミナセメント、ポルトランド
セメントなどの水硬性セメント;リン酸ソーダ、珪酸ソ
ーダ、硝酸カリウムなどのアルカリ金属塩;リン酸アル
ミ、硫酸マグネシウム、リン酸カルシウムなどのアルカ
リ土類金属塩、および、正リン酸などの無機系バインダ
ー、 (2)タール・ピッチ系の炭素結合材、フェノール樹
脂、および、フラン樹脂などの有機系バインダー、およ
び、 パルプ廃液、苦汁などを挙げることができる。
本発明の耐火物は、実質的にスピネル構造からなるクリ
ンカーを耐火材料として含んでいるので、耐火物として
の熱膨張率を緩和することができ優れた耐スポーリング
性が得られる。
さらに、本発明の耐火物が含有する実質的にスピネル構
造からなるクリンカーは、該クリンカー自体の優れた耐
スラグ溶損性に加えて、化学量論的組成よりも過剰のAl
2O3を含有していることにより、耐火物全体のAl2O3含有
量を変えることなく耐火材料として使用されるアルミナ
クリンカーの量を低減することができるので、従来公知
の耐火物より優れた耐スラグ溶損性が得られる。
次に本発明の実施例を示す。
[実施例1] アルミナ成分としてバイヤー法で製造された市販酸化ア
ルミニウム粉末(Al2O399.6重量%含有、平均粒径5.7μ
m)を、マグネシア成分として水酸化マグネシウムを主
成分とする混合物(組成:MgO98.2重量%、CaO0.9重量
%、SiO20.18重量%、Fe2O30.08重量%、Al2O30.08重量
%、B2O30.40重量%、いずれも灼熱基準)を用意した。
また、カルシア成分として、石灰乳(CaO12重量%含
有)を用意した。
上記アルミナ成分97g、マグネシア成分18g、および、石
灰乳(CaO12重量%含有)5gを充分に混合したのち、水
分率が約6%になるまで乾燥した。次いで、上記混合物
を2.0トン/cm2の成形圧で20φ×20mmの円柱状ペレット
に成形した。上記成形物を酸素−プロパン炉中にて1800
℃で1時間保持して焼成したのち、直ちに炉から取り出
し、300℃まで24分間で冷却して、クリンカーを製造し
た。
得られたクリンカーは、X線回折(粉末)の結果から、
離溶して生じたコランダム結晶は認められず、主として
スピネル構造を有する結晶からなることが確認された。
上記クリンカーの化学組成、見掛気孔率、嵩密度、嵩密
度の理論密度に対する割合、および、該クリンカーに含
まれるスピネル構造を有する結晶の平均結晶径を第1表
に示す。
尚、比較のためにMgO:Al2O3=30:70(重量比)の市販焼
結スピネルクリンカーの上記各物性も第1表に示す。
各実施例、および比較例において得られたクリンカーの
化学組成、見掛気孔率、嵩密度、嵩密度の理論密度に対
する割合、および、該クリンカーに含まれるスピネル構
造を有する結晶の平均結晶径は、次の様にして求めた値
である。
化学組成:日本学術振興会第124委員会試験法分科会に
おいて決定された「学振法1マグネシアクリンカーの化
学分析法(1981年版耐火物手帳参照)」に準じて測定し
た。
見掛気孔率:日本学術振興会第124委員会試験法分科会
において決定された「学振法2マグネシアクリンカーの
見掛気孔率、見掛比重およびかこ比重の測定方法(1981
年版耐火物手帳参照)」に準じて測定した。
嵩密度:日本学術振興会第124委員会試験法分科会にお
いて決定された「学振法2マグネシアクリンカーの見掛
気孔率、見掛比重および比重の測定方法(1981年版耐火
物手帳参照)」に準じ次式により求めた。尚、上記「か
さ比重」は嵩密度と同義に用いられている用語である。
嵩密度=W1S/W3−W2 W1:クリンカーの乾燥重量(g) W2:白灯油で飽和した試料の白灯油中での重量(g) W3:白灯油で飽和した試料の重量(g) S:測定温度における白灯油の密度(g/cm3) 理論密度:前述の式(I)から、化学量論的組成のスピ
ネル(MgO・Al2O3=142.27)の密度を、3.58g/cm3、格
子定数を8.08Åとして、算出した。
嵩密度の理論密度に対する割合:上記嵩密度および理論
密度から次式によって求めた。
嵩密度の理論密度に対する割合 =嵩密度/理論密度×100(%) 平均結晶径:クリンカーを研削研磨し、その研磨面をり
ん酸にてエッチングし、反射顕微鏡にて観察した。次
に、代表的と見なされる部分3ヶ所の写真を倍率50倍に
て撮影し、これらを3倍に引伸して印画紙に焼きつけ
た。3枚の写真中のスピネル結晶全ての結晶径を測定
し、この値をFallman法(J.of Metals,447,1953)に準
じ、1.57倍して、これらの平均値をもってスピネル結晶
の平均結晶径とした。
次に、上記クリンカーを粉砕して得られた粒子および粉
末のうち、粗中粒(粒子径5〜1mm)40重量部、微粒
(粒子径1mm未満)10重量部、および、微粉50重量部を
配合し、さらにフェノール樹脂5重量部を添加し、オイ
ルプレスを用いて成形圧2トン/cm2にて成形し1500℃で
焼成したのち50mm×50mm×195mmの大きさに切削して、
耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を次の様にして試験し、測定・観察し
た。
耐スラグ溶損性:戸田超耐火物(株)製、回転スラグ浸
食試験機を用い、転炉スラグ(CaO/SiO2=3.0)を浸食
材として、1650℃×1時間を1サイクルとして10サイク
ル行なった後、耐火物に対するスラグ浸食量(mm)とス
ラグ浸潤量(mm)とを測定し、その合計量(mm)をスラ
グ溶損量とした。スラグ溶損量が少ないほど耐スラグ溶
損性に優れている。
耐スポール性:戸田超耐火物(株)製、回転スラグ浸食
試験機を用い、転炉スラグ(CaO/SiO2=3.0)を浸食材
として、1650℃×1時間を1サイクルとして5サイクル
行ない、さらに、1650℃に0.5時間急熱したのち500℃に
急冷する操作を5サイクル行なったのち、サンプルの切
断面を観察し、スラグ浸潤層と未浸潤層との間の亀裂発
生の有無、その程度を、下記の基準で判定した。
AA:亀裂なし BB:微亀裂あり CC:大亀裂あり [比較例1] 各成分の使用量を、アルミナ成分97g、マグネシア成分1
8g、および、石灰乳(CaO12重量%含有)17gとした以外
は実施例1と同様にして、クリンカーを製造した。
得られたクリンカーは、X線回折(粉末)の結果から、
離溶して生じたコランダム結晶は認められず、主として
スピネル構造を有する結晶からなることが確認された。
上記クリンカーの化学組成、見掛気孔率、嵩密度、嵩密
度の理論密度に対する割合、および、該クリンカーに含
まれるスピネル構造を有する結晶の平均結晶径を第1表
に示す。
次に、上記クリンカーを用いた以外は実施例1と同様に
して、耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第2表に示す。
上記耐火物はカルシア含有量が多いため、第2表から明
らかなように耐スラグ溶損性に劣っていた。
[比較例2] 耐火物の骨材として、実施例1で得られたクリンカーに
変えて、市販焼結アルミナクリンカーの粗中粒(粒子径
5〜1mm)40重量部、微粒(粒子径1mm未満)10重量部、
および、微粉50重量部を粒度配合した配合物65重量部
と、市販焼結スピネルクリンカー(MgO:Al2O3=3:7)の
粗中粒(粒子径5〜1mm)40重量部、微粒(粒子径1mm未
満)10重量部、および、微粉50重量部を粒度配合した配
合物35重量部とを配合して、耐火材料中のMgOとAl2O3
の組成比が実施例1で得られたクリンカーと同じになる
様にした耐火材料を用いた以外は、実施例1と同様にし
て耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第2表に示す。
[実施例2] 実施例1で用いたたアルミナ成分を、Al2O3含有量99.6
重量%、平均粒径2.1μmの市販酸化アルミニウム粉末
に変え、該アルミナ成分96gと、実施例1で用いたもの
と同じマグネシア成分16g、および、石灰乳(CaO12重量
%含有)2gを用いた以外は、実施例1と同様にしてクリ
ンカーを製造した。
得られたクリンカーは、X線回折(粉末)の結果から、
離溶して生じたコランダム結晶は認められず、主として
スピネル構造を有する結晶からなることが確認された。
上記クリンカーの化学組成、見掛気孔率、嵩密度、嵩密
度の理論密度に対する割合、および、該クリンカーに含
まれるスピネル構造を有する結晶の平均結晶径を第1表
に示す。
次に、上記クリンカーを用いた以外は実施例1と同様に
して、耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第2表に示す。
[実施例3] 実施例1で用いたアルミナ成分を、平均粒径65μmの市
販酸化アルミニウムを振動ボールミルを用いて粉砕して
製造した、Al2O3含有量99.6重量%、平均粒径4.2μmの
酸化アルミニウム粉末に変え、該アルミナ成分96gと、
実施例1で用いたものと同じマグネシア成分16g、およ
び、石灰乳(CaO12重量%含有)3gを用いた以外は、実
施例1と同様にしてクリンカーを製造した。
得られたクリンカーは、X線回折(粉末)の結果から、
離溶して生じたコランダム結晶は認められず、主として
スピネル構造を有する結晶からなることが確認された。
上記クリンカーの化学組成、見掛気孔率、嵩密度、嵩密
度の理論密度に対する割合、および、該クリンカーに含
まれるスピネル構造を有する結晶の平均結晶径を第1表
に示す。
次に、上記クリンカーを用いた以外は実施例1と同様に
して、耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第2表に示す。
[比較例3] 実施例1で用いたアルミナ成分を、平均粒径65μmの市
販酸化アルミニウムを振動ボールミルを用いて粉砕して
製造した、Al2O3含有量99.6重量%(灼熱基準)、平均
粒径37μmの酸化アルミニウム粉末に変え、該アルミナ
成分95gと、実施例1で用いたものと同じマグネシア成
分16g、および、石灰乳(CaO12重量%含有)6gを用いた
以外は、実施例1と同様にしてクリンカーを製造した。
得られたクリンカーは、X線回折(粉末)の結果から、
離溶して生じたコランダム結晶は認められず、主として
スピネル構造を有する結晶からなることが確認された。
上記クリンカーの化学組成、見掛気孔率、嵩密度、嵩密
度の理論密度に対する割合、および、該クリンカーに含
まれるスピネル構造を有する結晶の平均結晶径を第1表
に示す。
次に、上記クリンカーを用いた以外は実施例1と同様に
して、耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第2表に示す。
[比較例4] 実施例1で用いたアルミナ成分を、Al2O380.6重量%、M
gO0.18重量%、CaO0.27重量%の化学組成(それぞれ灼
熱基準)を有し平均粒径9μmの天然ボーキサイト粉末
75gと実施例1で用いたものと同じアルミナ成分35gとの
混合物に変え、該アルミナ成分と、実施例1で用いたも
のと同じマグネシア成分18g、および、石灰乳(CaO12重
量%含有)3gを用いた以外は、実施例1と同様にしてク
リンカーを製造した。
得られたクリンカーは、X線回折(粉末)の結果から、
離溶して生じたコランダム結晶は認められず、主として
スピネル構造を有する結晶からなることが確認された。
上記クリンカーの化学組成、見掛気孔率、嵩密度、嵩密
度の理論密度に対する割合、および、該クリンカーに含
まれるスピネル構造を有する結晶の平均結晶径を第1表
に示す。
次に、上記クリンカーを用いた以外は実施例1と同様に
して、耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第2表に示す。
[実施例4] 実施例1で得られたクリンカーを粉砕して得られた粒子
および粉末のうち、粗中粒(粒子径5〜1mm)30重量
部、微粒(粒子径1mm未満)40重量部、および、微粉30
重量部を配合して耐火材料とし、さらにフェノール樹脂
5重量部を添加し、オイルプレスを用いて成形圧2トン
/cm2にて成形し1700℃で焼成したのち50mm×50mm×195m
mの大きさに切削して、耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を次の様にして試験し、測定・観察しし
た。
耐スラグ溶損性:戸田超耐火物(株)製、回転スラグ浸
食試験機を用い、転炉スラグ(CaO/SiO2=3.0)を浸食
材として、1700℃×1時間を1サイクルとして10サイク
ル行なった後、耐火物に対するスラグ浸食量(mm)とス
ラグ浸潤量(mm)とを測定し、その合計量(mm)をスラ
グ溶損量とした。スラグ溶損量が少ないほど耐スラグ溶
損性に優れている。
耐スポール性:戸田超耐火物(株)製、回転スラグ浸食
試験機を用い、転炉スラグ(CaO/SiO2=3.0)を浸食材
として、1700℃×1時間を1サイクルとして5サイクル
行ない、さらに、1700℃に0.5時間急熱したのち500℃に
急冷する操作を5サイクル行なったのち、サンプルの切
断面を観察した。評価方法は、前述の実施例1と同じで
ある。
耐スラグ溶損性および耐スポール性の試験結果を第3表
に示す。
[比較例5] 実施例4において、実施例1で得られたクリンカーを市
販焼結スピネルクリンカーに変えた以外は、実施例4と
同様にして耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例6と同様にして試験した。結果
を第3表に示す。
[実施例5] 実施例1で得られたクリンカーを粉砕して得られた粒子
および粉末のうち、粗中粒(粒子径5〜1mm)26重量
部、微粒(粒子径1mm未満)34重量部、微粉24重量部、
市販海水マグネシアクリンカーの粗中粒(粒子径5〜1m
m)4重量部、微粒(粒子径1mm未満)6重量部、およ
び、微粉6重量部を配合して耐火材料とし、さらにフェ
ノール樹脂5重量部を添加し、オイルプレスを用いて成
形圧2トン/cm2にて成形し1700℃で焼成したのち50mm×
50mm×195mmの大きさに切削して、耐火物(レンガ)を
製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例4と同様にして試験した。結果
を第4表に示す。
[比較例6] 実施例5において、実施例1で得られたクリンカーを、
市販焼結アルミナクリンカーの粗中粒(粒子径5〜1m
m)16重量部、微粉(粒子径1mm未満)24重量部、微粉24
重量部、市販焼結スピネルクリンカーの粗中粒(粒子径
5〜1mm)10重量部、および、微粒(粒子径1mm未満)10
重量部を配合した耐火材料に変えた以外は、実施例5と
同様にして耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例4と同様にして試験した。結果
を第4表に示す。
[実施例6] 実施例1で得られたクリンカーを粉砕して得られた粒子
および粉末のうち、粗中粒(粒子径5〜1mm)10重量
部、微粒(粒子径1mm未満)15重量部、微粉15重量部、
市販海水マグネシアクリンカーの粗中粒(粒子径5〜1m
m)10重量部、微粒(粒子径1mm未満)15重量部、微粉15
重量部、市販焼結スピネルクリンカーの粗中粒(粒子径
5〜1mm)10重量部、および、微粒(粒子径1mm未満)10
重量部を配合して耐火材料とし、さらにフェノール樹脂
5重量部を添加し、オイルプレスを用いて成形圧2トン
/cm2にて成形し1700℃で焼成したのち50mm×50mm×195m
mの大きさに切削して、耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例4と同様にして試験した。結果
を第5表に示す。
[比較例7] 実施例6において、実施例1で得られたクリンカーを市
販焼結アルミナクリンカーに変えた以外は、実施例6と
同様にして耐火物(レンガ)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例4と同様にして試験した。結果
を第5表に示す。
[実施例7] 実施例1で得られたクリンカーを粉砕して得られた粒子
および粉末のうち、粗中粒(粒子径5〜1mm)42重量
部、微粒(粒子径1mm未満)8重量部、および、微粉40
重量部を配合した耐火材料に、バインダーとしてアルミ
ナセメント10重量部を配合し、さらに水7重量部を添加
して充分に混練したのち、50mm×50mm×195mmの大きさ
の成形体に鋳込みを行ない、室温にて48時間養生し、11
0℃で24時間乾燥して、耐火物(流し込み材)を製造し
た。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第6表に示す。
[比較例8] 実施例7において、実施例1で得られたクリンカーを市
販焼結アルミナクリンカーに変えた以外は、実施例7と
同様にして耐火物(流し込み材)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第6表に示す。
[実施例8] 実施例7において、耐火材料の配合を、実施例1で得ら
れたクリンカーを粉砕して得られた粒子および粉末のう
ち、粗中粒(粒子径5〜1mm)42重量部、微粒(粒子径1
mm未満)8重量部、微粉15重量部、および、市販焼結ス
ピネルクリンカーの微粉25重量部とした以外は、実施例
7と同様にして耐火物(流し込み材)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第7表に示す。
[比較例9] 実施例8において、実施例1で得られたクリンカーを市
販焼結アルミナクリンカーに変えた以外は、実施例8と
同様にして耐火物(流し込み材)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第7表に示す。
[実施例9] 実施例7において、耐火材料の配合を、実施例1で得ら
れたクリンカーを粉砕して得られた粒子および粉末のう
ち、粗中粒(粒子径5〜1mm)42重量部、微粒(粒子径1
mm未満)8重量部、市販焼結アルミナクリンカーの微粉
15重量部、および、市販焼結スピネルクリンカーの微粉
25重量部とした以外は、実施例7と同様にして耐火物
(流し込み材)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第8表に示す。
[実施例10] 実施例7において、耐火材料の配合を、実施例1で得ら
れたクリンカーを粉砕して得られた粒子および粉末のう
ち、粗中粒(粒子径5〜1mm)42重量部、市販焼結アル
ミナクリンカーの微粒(粒子径1mm未満)8重量部、微
粉15重量部、および、市販焼結スピネルクリンカーの微
粉25重量部とした以外は、実施例7と同様にして耐火物
(流し込み材)を製造した。
上記耐火物を試験用サンプルとし、耐スラグ溶損性およ
び耐スポール性を実施例1と同様にして試験した。結果
を第8表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、マグネシアおよびアルミナからなる鉱物相の
状態を、マグネシアおよびアルミナの組成と温度との関
係で示した、マグネシア−アルミナ系相平衡状態図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 彰 山口県宇部市大字小串1985番地 宇部化学 工業株式会社内 (72)発明者 原田 正博 福岡県北九州市八幡東区帆柱1丁目2―21 (72)発明者 多喜田 一郎 福岡県北九州市八幡西区大畑町18―9― 304 (72)発明者 古田 和浩 福岡県北九州市門司区大字畑1537 (72)発明者 渡辺 勲 福岡県北九州市八幡東区西本町4―15―7 (56)参考文献 「耐火物とその応用」昭和54年5月15日 耐火物技術協会 発行 P.248〜251 Journal of the Ame rican Ceramic Socie ty Vol.57 No.7 P.283〜 286

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼成物基準で、全体の80重量%以上90重量
    %未満のAl2O3、9.95重量%以上18.5重量%以下のMgO、
    および、0.05重量%以上1.50重量%以下のCaOを含み、
    スピネル構造からなり、そのスピネル構造の結晶の平均
    結晶径が50μm以上であることを特徴とするクリンカ
    ー。
  2. 【請求項2】焼成物基準で、全体の80重量%以上90重量
    %未満のAl2O3、9.95重量%以上18.5重量%以下のMgO、
    および、0.05重量%以上1.50重量%以下のCaOを含み、
    スピネル構造からなり、そのスピネル構造の結晶の平均
    結晶径が50μm以上であるクリンカーを耐火物材料とし
    て含むことを特徴とする耐火物。
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「耐火物とその応用」昭和54年5月15日耐火物技術協会発行P.248〜251
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