JPH0755846B2 - 粉末原料焼成装置 - Google Patents

粉末原料焼成装置

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JPH0755846B2
JPH0755846B2 JP61125300A JP12530086A JPH0755846B2 JP H0755846 B2 JPH0755846 B2 JP H0755846B2 JP 61125300 A JP61125300 A JP 61125300A JP 12530086 A JP12530086 A JP 12530086A JP H0755846 B2 JPH0755846 B2 JP H0755846B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、セメント原料や石灰石等の粉末原料を焼成
処理する焼成装置に関し、より詳しくは、この焼成装置
に設けられる多段式熱交換ユニットからの排ガス顕熱を
発電用排熱ボイラで効率良く回収利用すると共に、粉末
原料の予熱を最適の状態で行えるようにしたものに関す
る。
(従来の技術) 従来、例えば、セメント用粉末原料の焼成装置には第2
図から第4図で示すように構成されたものがある。
第2図は第1従来例を示している。
図において、1はセメント用粉末原料を焼成してクリン
カを得るロータリーキルン型の焼成炉、2は焼成炉1か
ら排出されるクリンカを空気流により冷却するクリンカ
冷却機、3は上記焼成炉1から排ガスを導入してこの排
ガスで粉末原料を予熱する予熱装置、4は上記予熱装置
3に粉末原料を供給するスクリューコンベア等の原料供
給装置である。
上記焼成炉1のクリンカ出口側は冷却機2に燃料供給装
置5aを備えた焼成口覆6により接続される。一方、上記
冷却機2には、この冷却機2にクリンカ冷却用の空気を
供給する押込送風機7が接続されると共に、この冷却機
2から高温空気の一部を排出させる排風機8が接続され
る。
一方、上記予熱装置3は上下方向に積重されて互いに連
結された4段の熱交換ユニットH1〜H4を有し、これら各
熱交換ユニットは粉末捕集器たるサイクロンC1〜C4と、
これら各サイクロンに接続されるガスダクト及び原料シ
ュートとでそれぞれ構成されている。即ち、各サイクロ
ンのガス導入口と、このサイクロン下方に位置する他の
サイクロンのガス排出口とが、それぞれガスダクト11a
〜11cにより接続される。また、上記焼成炉1の入口端
覆12と最下段に位置するサイクロンC4のガス導入口とが
ガスダクト13により接続される。更に、最上段に位置す
るサイクロンC1のガス排出口は排ガス誘引通風機14に排
ガスダクト15により接続される。
上記各サイクロンの粉末排出口と、このサイクロン下方
に位置する他のサイクロンのガス導入口側ガスダクトと
が、それぞれ原料シュート17a〜17cにより接続される。
また、最下段のサイクロンC4の粉末排出口が焼成炉1の
入口端覆12に原料シュート18により接続される。更に、
最上段のサイクロンC1のガス導入口側ガスダクト11aに
は、原料供給装置4の第1供給機4aが第1供給シュート
19により接続される。
また、上記最下段のサイクロンC4のガス導入口側ガスダ
クト13と、このサイクロンC4の上方に位置するサイクロ
ンC3からの原料シュート17cとの間に、燃料供給装置5b
を備えた仮焼炉21が介設される。この仮焼炉21は焼成炉
1からの排ガスと燃料を燃焼させた燃焼ガスとで粉末原
料を加熱するものであり、上記燃料の燃焼用空気を供給
するためにこの仮焼炉21と冷却機2とが抽気ダクト22に
より接続される。23は成品コンベヤで、冷却機2で冷却
されて成品となったクリンカを次工程に運搬する。
次に、上記セメント用粉末原料焼成装置の作動状態を説
明する。原料供給装置4によって予熱装置3に送られて
きた粉末原料は、原料供給装置4からの供給シュート19
を通してガスダクト11aに送られ、このガスダクト11a内
の上昇気流に随伴して最上段のサイクロンC1へ送られ
る。そしてサイクロンC1,C2,C3及び原料シュート17a,17
bを経由しながら順次降下し、その間ガスダクト11a,11
b,11cを上昇する熱風によって順次予熱される。この予
熱された粉末原料は第3段サイクロンC3から原料シュー
ト17cを通して仮焼炉21へ供給される。一方、冷却機2
から抽気ダクト22を経由して誘引される高温の燃焼用空
気を用いて燃料供給装置5bから供給される燃料が仮焼炉
21内で燃焼される。この燃料燃焼による熱と、焼成炉1
から仮焼炉21内へ誘引される高温排ガスのもつ顕熱と
で、仮焼炉21内で上記粉末原料が仮焼される。仮焼され
た粉末原料は排ガスと共に仮焼炉21からガスダクト13を
通ってサイクロンC4に入り、次に、原料シュート18から
焼成炉1の入力端覆12を経て焼成炉1へ導入される。
上記焼成炉1には冷却機2からの高温空気と燃料供給装
置5aからの焼成用燃料が導入されており、高温下で焼成
を受けて形成されたクリンカは冷却機2に入って冷却さ
れる。この場合、クリンカ冷却用の空気は押込送風機7
により冷却機2に供給され、クリンカとの間の熱交換で
加熱される。この加熱された高温空気の一部は仮焼炉21
及び焼成炉1での燃焼用空気として回収され、回収され
ない余剰の空気は排風機8によって排出される(図中ガ
スの流れは実線矢印で示し、粉末原料の流れは破線矢印
で示す)。
上記予熱装置3における最上段のサイクロンC1からの排
ガスの温度は、原料の性状や仮焼炉21の有無にもよる
が、上記熱交換ユニットが4段の予熱装置3では350℃
〜400℃程度であり、未だ相当の熱エネルギが残されて
いる。そこでこの排ガス顕熱を更に有効利用することが
なされている。
即ち、排ガスダクト15の中途部に排ガスの排熱利用設備
として排熱ボイラ27が介設される。そして、高温排ガス
との熱交換により蒸気を発生させてこれを発電に利用す
ることにより熱経済性の向上を図っている。
ところで、上記予熱装置3のように熱交換ユニットが4
段以上の場合には、排熱ボイラ27で利用する予熱装置3
からの排ガス温度はそれ程高温でないため、排熱ボイラ
27における発生蒸気の温度及び圧力が充分に上がなず、
タービンでの発電効率は低い。しかも予熱装置3の排ガ
スは一般に原料乾燥用の熱限としても使用されるので、
その余剰分しか排熱ボイラ27での加熱に利用することが
できず、結局利用可能なガス顕熱が不足して発電用ター
ビンの効率が十分に高いものとなっていない。
そこで、排熱ボイラ27で利用する排ガスの熱量不足を補
うため、従来、種々の手段が提案されている。これらの
各手段が設けられた従来例を第3図及び第4図により説
明する。なお、第3図及び第4図はそれぞれ第2、第3
従来例を示し、これら両従来例は上記第1従来例とその
基本構成は同一である。よって、同一構成のものには同
一の符号を付し、その説明は省略する。
第3図は第2従来例で、この出願人の出願に係る特開昭
59−59243号公報に示されている。
即ち、原料供給装置4には第1供給機4aと第2供給機4b
とが設けられ、上記第1供給機4aが最上段のサイクロン
C1のガス導入口側ガスダクト11aに第1供給シュート19
により接続される。一方、上記第2供給機4bは上から2
段目のサイクロンC2のガス導入口側ガスダクト11bに第
2供給シュート29により接続される。
原料供給装置4の粉末原料は、一部が最上段の熱交換ユ
ニットH1を構成するガスダクト11aへ送られ、他は最上
段の熱交換ユニットH1飛ばして次の熱交換ユニットH2
構成するガスダクト11bへ短絡して送られる(以下、原
料短絡供給方式という)。この場合、最上段の熱交換ユ
ニットH1へ供給する原料粉末の減少分に相当して予熱装
置3における熱効率が低下する。この結果、最終的に予
熱装置3から排出される排ガス温度は上昇し、これによ
って、この排ガス顕熱の不足が補われる。
第4図は第3実施例で、この出願人の出願に係る特開昭
59−59241号公報に示されている。
即ち、最下段のサイクロンC4のガス排出口側ガスダクト
11cの中途部と排ガスダクト15の中途部とが短絡ガス導
管31により接続される。この短絡ガス導管31の中途部に
は、集塵器32が介設され、この集塵器32は上記短絡ガス
導管31内を流れる短絡ガスに随伴して飛散する粉末原料
を捕集する。また、上記集塵器32の粉末排出口は、最下
段のサイクロンC4からの原料シュート18に原料シュート
33により接続される。更に、集塵器32のガス排出口側短
絡ガス導管31の中途部にダンパ34が介設される。このダ
ンパ34の開度調整によって、予熱装置3の中途部から排
ガスダクト15への短絡排ガス量を調整できる。
そして、短絡ガス導管31から予熱装置3の上方段を短絡
して抽気した熱ガスは、最上段サイクロンC1から排出さ
れる排ガスと合流し、排熱ボイラ27へ導かれる。(以
下、ガス短絡誘引方式という)。このためガスダクト11
cから抽気される熱ガスは、上記抽気部よりも上方段の
熱交換ユニットにおける粉末原料との熱交換に使用され
ておらず、高温を維持していることになる。よって、こ
れを排ガスダクト15中の排ガスと合流させると、この短
絡ガス量に相当して予熱装置3における熱効率が低下す
る。この結果、排熱ボイラ27へ導入される排ガス温度が
上昇し、排熱ボイラ27への排ガス顕熱の不足が補われ
る。
なお、ガスダクト11cから抽気される熱ガス量は、短絡
ガス導管31の中途部に介設したダンパ34を開閉操作する
ことにより調整される。
上記第2及び第3従来例では、予熱装置3における粉末
原料の予熱効率を若干犠牲にして排ガス温度を高めるた
め、それに伴って焼成炉1もしくは仮焼炉21における燃
料使用量を増加させる必要が生じる。従って、予熱装置
3から排熱ボイラ27へ導入される排ガスは、単に温度的
に上昇するだけでなく、量的にも増加する。この場合、
排ガス温度は原料、もしくは熱ガスの短絡量により調節
することができるため、排熱ボイラ27における回収熱を
大幅に増加させることができると共に、発生蒸気の温度
及び圧力が高くなるのでタービンでの発電効率が著しく
改善されることになる。なお上記焼成装置における燃料
使用量の増加は、排熱ボイラ27における熱回収量の増加
及び発電設備での熱利用効率の向上のために利用される
ため、排熱発電設備を含む焼成装置全体としてのエネル
ギ経済性を向上させることができる。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、上記第2従来例における原料短絡供給方式、
及び第3従来例におけるガス短絡誘引方式のいずれにお
いても、排熱ボイラ27への導入ガス温度を上昇させ、排
熱ボイラ27を含む排熱発電設備の効率を向上させること
ができたが、予熱装置3の作動状態の面では未だ改善の
余地がある。
即ち、両従来例における共通の問題点として、予熱装置
3での原料処理量を一定とすると、これにより予熱装置
3内を通過する排ガス量がほぼ一義的に決定される。こ
のため、排熱ボイラ27に導入する排ガス温度を所望の値
に変更しようとすると、予熱装置3における粉末原料の
予熱に適した通過ガス量に調整することができない。
以下、予熱装置3が4段の熱交換ユニットで構成された
仮焼炉21付の場合について、より詳しく説明する。
予熱装置3から排熱ボイラ27に導入される排ガスの温度
は、ボイラ内水管及び蒸気タービン用羽根車やケーシン
グの材質により決まる耐熱限界他から400℃〜500℃の
間、中でも420℃〜460℃が適当である。このため、第1
従来例に較べて排ガス温度を40℃〜80℃、平均的には約
60℃上昇させる必要がある。予熱装置3が仮焼炉21を付
属しない場合や、5段熱交換式の場合には、第1従来例
のような原料もしくはガスを短絡しない方式での予熱装
置の排ガス温度は一般的に更に低いものである。よっ
て、排熱ボイラ27に導入される排ガスを上記適正温度ま
で上昇させるための温度差は更に大きくなり、以下に述
べる問題はより一層顕著となる。
先ず、第2従来例における原料短絡供給方式では、排熱
ボイラ27に導入される排ガス温度を60℃だけ上昇させよ
うとすると、予熱装置3への供給原料の内、10%〜20%
を第1供給機4aから最上段の熱交換ユニットH1を構成す
るガスダクト11aへ供給し、80%〜90%を第2供給機4b
から2段目の熱交換ユニットH2を構成するガスダクト11
bへ分配して供給する必要がある。この際、この原料短
絡供給方式では仮焼炉21から排出される熱ガスの全量が
予熱装置3内を上昇して通過し、その熱ガス量は焼成装
置での燃料使用量の増加に応じて増えている。
また、予熱装置3内を通過する排ガスは、温度的には粉
末原料の短絡供給により第2段及び第3段熱交換ユニッ
トH2,H3では低下するが、最上段熱交換ユニットH1では6
0℃分だけ上昇する。従って、最上段サイクロンC1での
圧力損失について着目すると、単に処理ガス温度が上昇
するだけでなく、単位処理ガス量の増加及び処理ガス中
の原料濃度の低下も影響して圧力損失が著しく増加す
る。
この結果、第2段、第3段熱交換ユニットH2,H3での温
度低下の影響による圧損低減を差し引いても予熱装置3
全体としての圧力損失が増加する。これに伴って、排ガ
ス誘引通風機14の駆動用動力が増加し、排熱発電設備の
効率改善により余分に発生させた電力の一部を無駄に消
費することになる。
なお、原料を短絡供給しない第1従来例では、通常、最
上段サイクロンC1及び排ガスダクト15には耐火材の内張
りをしていない。しかし、第2従来例のような原料短絡
供給方式による予熱装置3では、最上段サイクロンC1
び排熱ボイラ27に至る排ガスダクト15を高温の熱ガスが
流れるため、この両者に耐火材の内張りが必要となる。
このため、耐火材の内張りを行うと、予熱装置3上部は
荷重増となり、これによって予熱装置3の構成部品用支
持架構の重量が増すという不都合がある。
次に、第3従来例におけるガス短絡誘引方式では、予熱
装置3から排熱ボイラ27に導入される排ガス温度を60℃
だけ上昇させようとすると、最下段熱交換ユニットH4
構成するサイクロンC4のガス出口側ガスダクト11c内を
通過する850℃〜900℃の高温ガス量の20%〜30%を抽気
する必要がある。この場合、高温ガスの抽気位置から上
方の予熱装置3では、単に通過ガス量が減少するのみな
らずガス温度も低下し、例えば、最上段熱交換ユニット
H1では50%〜60℃の温度低下となり、実風量や実風速が
30%〜40%減少する。このため、原料供給装置4や上方
段のサイクロンC1,C2からガスダクト11a〜11cに供給さ
れた粉末原料の一部が下方段のサイクロンから排出され
る上昇ガスに乗り切れないおそれが生じる。この場合に
は、上記各ガスダクト11a〜11cに供給された粉末原料が
下方のサイクロンへ直接落下することとなり、これによ
って予熱装置3の操業状態が不安定になるという不都合
がある。
また、抽気される短絡ガス量が比較的多いため、短絡ガ
スに随伴して飛散する粉末原料捕集用の集塵器32が寸法
的に大きくなり、配置的に難しくなるという不都合もあ
る。
(発明の目的) この発明は、上記のような事情に注目してなされたもの
で、排熱発電設備を含む焼成装置全体としてのエネルギ
経済性を向上させ、かつ、予熱装置内を通過する熱ガス
を予熱に適した量に調整できるようにして、この予熱装
置を良好な状態で作動させることを目的とする。
(発明の構成) 上記目的を達成するためこの発明の特徴とするところ
は、原料供給装置を少なくとも最上段の熱交換ユニット
を含む複数段の熱交換ユニットにそれぞれ連結すると共
に、下方に位置する熱交換ユニットのガスダクト中途部
と排ガスダクトの中途部とを短絡ガス導管により接続
し、この短絡ガス導管の中途部に集塵器を介設した点に
ある。
(実施例) 以下、この発明の実施例を第1図により説明する。な
お、この実施例は前記第1〜第3従来例とその基本構成
は同一である。よって、同一のものには同一の符号を付
し、その説明は省略する。
予熱装置3からの排ガスダクト15上でこの排ガスダクト
15と上記短絡ガス導管31との連結部より最上段のサイク
ロンC1側には、排ガス用のベンチュリ式流量計35や圧力
計36が設けられる。一方、上記排ガスダクト15上で上記
連結部より排熱ボイラ27側には、温度計37が設けられ
る。
そして、この焼成装置を作動させる場合、予熱装置3の
上方段を通過するガス量が予熱装置3の作動状態として
最適となる様に短絡ガス導管31を通して抽気する短絡ガ
ス量を調整すると共に、排熱ボイラ27に導入するガス温
度が最適となる様に原料供給装置4の第2供給機4bから
予熱装置3の下方段に短絡して供給する粉末原料の量的
比率を調整する。
即ち、短絡ガス量が多い程、予熱装置3の上方段を通過
するガス量は減少する。このため、流量計35もしくは圧
力計36の指示値を指針とし、短絡ガス導管31の中途部に
介設したダンパ34を開閉操作することにより上記予熱装
置3の上方段を通過するガス量を調節できる。
また、所定の短絡ガス量の場合最上段サイクロンC1から
の排ガス温度は第1、第2供給機4a,4bから供給する粉
末原料の分配比によって変わるため、ガスダクト11aへ
の供給量比を高めれば排ガス温度は降下し、反対にガス
ダクト11bへの供給量比を高めれば排ガス温度は上昇す
る。従って、温度計37の指示値を指針として第1、第2
供給機4a,4bからの分配比を変えることにより、排熱ボ
イラ27へ導入する排ガス温度を調整できる。
上記方法による予熱装置3の下方段から排ガスダクト15
への短絡熱ガス量と、予熱装置3の最上段と下方段への
原料分配比率との調節により、排熱ボイラ27へ導入する
排ガス温度と予熱装置3内を通過する熱ガス量との両者
を共に調節することができ、排熱発電設備とを共に最適
な状態で作動させることができる。
なお、上記図示の例では、粉末原料を最上段の熱交換ユ
ニットH1を構成するガスダクト11aと次段のガスダクト1
1bとに分配供給しているが、後者については第3段目以
降の熱交換ユニットH3,H4へ分配供給したり、あるいは
最下段の仮焼炉21や焼成炉1へ直接供給しても良い。
また、分配した粉末原料の供給投入位置は各ガスダクト
ではなく、各熱交換ユニットの原料シュート17a〜17cへ
供給したり、あるいはサイクロンC2〜C4へ直接供給して
も良く、これらを複数組合せてもよい。
上記の様に最上段の熱交換ユニットH1以外の熱交換ユニ
ットへ粉末原料を分配供給する位置は種々考えられる
が、図示の例で示す様に原料供給装置4からの第2供給
シュート29を第2段目の熱交換ユニットH2へ接続する場
合には、必要に応じて粉末原料の全量を第2段熱交換ユ
ニットH2へ供給しても良い。この場合には、最上段のサ
イクロンC1は粉末捕集専用に使用される。よって、排熱
ボイラ27へ流入する粉末原料量を最小に抑えることがで
き、このような焼成装置において特に好ましい。
更に、予熱装置3からの熱ガスの抽気位置は図示の例に
限定されず、例えば、ガスダクト11bから抽気したり、
或いは必要に応じて複数個所から抽気しても良い。この
場合、熱ガスの流れの方向における上流側から抽気する
ほど熱ガス温度が高温であるため、一定の排ガス温度に
高めるための抽気量が少なくてすむ。よって、最下段サ
イクロンC4のガス出口側ガスダクト11cから抽気するの
が特に効果的である。
一方、短絡ガス導管31の中途部に集塵器32が設けられて
いるため、この短絡ガス導管31内を熱ガスに随伴して流
れる微粉末を上記集塵器32で捕捉し、原料シュート33を
通して焼成炉1の入口端覆12へ戻すことができる。よっ
て、上記短絡ガスに伴われて粉末原料が予熱装置3から
排ガス系統へ排出するのを防止できる。なお、集塵器32
を直列に複数基配置して、捕集機能を向上させても良
い。
なお、上記焼成装置を使用するに当っては、図示の例の
ように予熱装置3の最下段のサイクロンC4のガス導入口
側ガスダクト13に燃料供給装置5bを備えた仮焼炉21を接
続し、予熱装置3全体の温度変化を上記仮焼炉21の操業
条件の調整によって吸収し、焼成炉1の操業条件を安定
化するのが好ましいが、仮焼炉21を設けていない通常タ
イプの予熱装置や既設の予熱装置に対しても容易に適用
することができる。
更に、熱交換ユニットを構成する粉末捕集器やガスダク
ト等の種類、構造はもとより、排熱ボイラの具体的な構
成等を必要に応じて適宜変更しても良い。
(発明の効果) この発明によれば、原料供給装置を少なくとも最上段の
熱交換ユニットを含む複数段の熱交換ユニットにそれぞ
れ連結すると共に、下方に位置する熱交換ユニットのガ
スダクト中途部と排ガスダクトの中途部とを短絡ガス導
管により接続し、この短絡ガス導管の中途部に集塵器を
介設したため、原料供給装置から最上段の熱交換ユニッ
トとそれより下方段の熱交換ユニットとに供給される粉
末原料の分配比と、予熱装置の下方段熱交換ユニットか
ら排ガスダクトへ流れる短絡熱ガス量とを調整すること
により、予熱装置内を通過するガス量と排熱ボイラへ導
入される排ガス温度とを共に広い範囲で調整することが
できる。よって、予熱装置内を通過する熱ガスを粉末原
料の予熱に適した量として、この予熱装置を良好な状態
で作動させることができ、かつ、排熱ボイラへ導入され
る排ガスの熱をこの排熱ボイラで効果的に回収して、こ
の排熱発電設備を含む焼成装置全体としてのエネルギ経
済性を向上させることができる。
この場合、排熱ボイラに導入する排ガスを、所定温度に
上昇させるための予熱装置の下方段へ短絡して供給する
粉末原料の分配比は、第2従来例に示す原料短絡供給方
式による場合よりも少なくなる。しかも、予熱装置の下
方段から排ガスダクトに短絡して誘引する熱ガス量も第
3従来例に示す排ガス短絡誘引方式による場合よりも少
なくなる。
また、上記の結果、この発明による焼成装置には次のよ
うな効果もある。
(1)予熱装置内通過ガス量の低減に伴って、予熱装置
における圧力損失が低減する。
(2)最上段熱交換ユニット、及び、この熱交換ユニッ
トから短絡ガス導管との連結部までの排ガスダクト内の
ガス温度は第1従来例とほぼ同程度以下となるため、こ
れらには特に耐火材の内張りを必要としない。
(3)短絡ガス量が第3従来例よりも少なくなるため、
集塵器を小型にすることができ、この集塵器の配置は容
易となる (4)短絡ガス導管及び集塵器には高温のガスが通過す
るため、これらには耐火材の内張りが必要となるが、こ
れらの予熱装置内における設置位置が低いため、支持架
構の重量増は僅かである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示す粉末原料焼成装置の系
統図、第2図から第4図は第1〜第3従来例を示しそれ
ぞれ第1図に相当する図である。 1……焼成炉、4……原料供給装置、11a,11b,11c……
ガスダクト、15……排ガスダクト、17a,17b,17c……原
料シュート、21……仮焼炉、27……排熱ボイラ、31……
短絡ガス導管、32……集塵器、C1,C2,C3,C4……サイク
ロン(粉末捕集器)、H1,H2,H3,H4……熱交換ユニッ
ト。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末原料を焼成する焼成炉と、上下方向に
    積重されて互いに連結され上記焼成炉から排ガスを導入
    してこの排ガスで粉末原料を予熱する4段以上の熱交換
    ユニットと、この熱交換ユニットに粉末原料を供給する
    原料供給装置を設け、上記各熱交換ユニットを粉末捕集
    器と、この粉末捕集器に接続されるガスダクト及び原料
    シュートとで構成し、上記熱交換ユニットのうち最上段
    に位置する熱交換ユニットの排ガス出口に発電用排熱ボ
    イラを排ガスダクトにより接続した粉末原料焼成装置に
    おいて、上記原料供給装置を少なくとも最上段の熱交換
    ユニットを含む複数段の熱交換ユニットにそれぞれ連結
    すると共に、下方に位置する熱交換ユニットのガスダク
    ト中途部と排ガスダクトの中途部とを短絡ガス導管によ
    り接続し、この短絡ガス導管の中途部に集塵器を介設し
    たことを特徴とする粉末原料焼成装置。
  2. 【請求項2】原料供給装置を最上段の熱交換ユニット
    と、上から2段目の熱交換ユニットとにそれぞれ連結し
    たことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の粉末
    原料焼成装置。
  3. 【請求項3】最下段の熱交換ユニットを構成する粉末捕
    集器のガス導入口側ガスダクトに燃料供給装置を備えた
    仮焼炉を設けると共に、上記粉末捕集器のガス排出口側
    ガスダクト中途部と排ガスダクトの中途部とを短絡ガス
    導管により接続したことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項もしくは第2項に記載の粉末原料焼成装置。
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