JPH0755714A - 画質検査装置 - Google Patents

画質検査装置

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JPH0755714A
JPH0755714A JP5196131A JP19613193A JPH0755714A JP H0755714 A JPH0755714 A JP H0755714A JP 5196131 A JP5196131 A JP 5196131A JP 19613193 A JP19613193 A JP 19613193A JP H0755714 A JPH0755714 A JP H0755714A
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JP5196131A
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English (en)
Inventor
Kengo Nishigaki
賢吾 西垣
Nobuaki Kakimori
伸明 柿森
Atsuro Nakamura
淳良 中村
Yoshitake Shigeyama
吉偉 重山
Yutaka Iwata
裕 岩田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】画質不良を自動検出判定し、複写機品質の向上
と安定化を図る。 【構成】複写機1でハーフトーンチャート2を複写し搬
出されてきた複写紙3を吸着部7によって吸着した状態
で搬送部6により搬送し、その過程で均一照明するライ
ン光源9で複写紙3を照射しラインセンサカメラ10で
1ラインごとに撮像し、その画像データを画像入力部1
1で濃淡データに変換し、ピーク検出・画質判定部12
により濃淡データに基づいてスジ状画質不良の有無の判
定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機(PPC)で検
査用チャートを複写した複写紙、あるいは液晶表示装置
(LCD)など、本来一様な表面濃度をもつものを検査
対象としてその画質の良否を検査する画質検査装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】このような画質検査は工場において完成
した複写機,液晶表示装置の出荷前検査として行われて
いる。複写機の場合、従来より、ハーフトーンチャート
と呼ばれるグレイの一様な明るさをもった検査用チャー
トを実際に複写し、複写機の各構成部品の不良に応じて
画質不良症状(症状としては種々のものがある)が現れ
る。その1つに複写紙の送り方向に対して平行もしくは
垂直な方向に白色または黒色のスジ状やあるいは帯状の
画質不良がある。液晶表示装置の場合、一様な明るさに
点灯させ、その濃淡ムラを目視検査している。いずれに
しても、検査員は目視観察により、このような画質不良
の検査を他の画質不良と同様に感覚的に行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の場合の検査
員の目視確認による画質検査では、検査員間の判定基準
差や疲労による検査結果のバラツキが生じる。このた
め、画質不良を定量的に検出し、検出結果に基づいて品
質の向上や安定化を図ることが困難であった。また、あ
る程度の熟練も必要である上に、若年労働者の不足もあ
って検査員そのものの確保がむずかしい状況にある。こ
のため、画質検査を安定して行える自動検査装置が強く
望まれている。
【0004】画質不良には、スジ,濃淡ムラ,斑点,線
状,粒状など多岐にわたる画質不良があるが、これらの
画質不良のうち、スジ単独の検査装置については特願平
4−5290号で提案しており、濃淡ムラ単独の検査装
置については特願平4−5433号で提案している。前
者はスジ単独の不良を濃度投影等の画像処理技術を用い
て検出するものである。また、後者は濃淡ムラ単独の不
良を濃度変化等の画像処理技術を用いて検出するもので
ある。
【0005】しかし、これら先行提案例の技術では下記
の問題があり、実用化できないでいた。それは、 それぞれ、スジ単独、濃淡ムラ単独の検査であり、
これら双方の検査を1枚の複写紙で同時的に行おうとす
れば、各検査装置を並列に設置せざるを得ず、コスト高
につく。
【0006】 仮に、並列に設置した場合も、瞬時的
に判断を行う検査員にとって替わるには、数秒で検査を
完了する必要があるが、現在のところ、高速に実行する
方法が提案されていない。
【0007】 複写紙の画質不良は、スジ,濃淡ムラ
だけでなく、斑点をはじめ各種の不良症状があり、これ
らをすべて検査しなければ検査員にとって替わることが
できない。
【0008】また、画質品質は人間の感覚的な基準によ
って主観的に判断されるべきものであるため、その画質
検査も人間の視覚特性に近くなるように行われる必要が
ある。例えば濃度差が線状,粒状の形態を伴って発生す
る場合、濃度差が小さくても、境界付近での濃度勾配が
大きいため濃度差が強調されて感じる。線状,粒状の濃
度変化部分を強調する方法として以下のようなものが知
られている。
【0009】ある画像Pの各画素pxyに対して、sを処
理サイズとして、濃度の最大値および最小値を、 MAX(P,s):max(px+i ,py+j ) MIN(P,s):min(px+i ,py+j ) (i,j=−s,−s+1,……,−1,0,1,…
…,s−1,s)と定義する。
【0010】濃度勾配を近似的に求める方法として、
(MAX(P,s)−MIN(P,s))/(2s−
1)がある。
【0011】周囲に比べて濃度の低い領域検出方法とし
て、(MIN(MAX(P,s))−P があり、周囲に比べて濃度の高い領域検出方法として、 P−(MAX(MIN(P,s))がある。
【0012】一方、これら線状,粒状の画質不良は濃度
変化が集中した場合には、分散した場合に比べて強調さ
れて感じる。すなわち、あまり濃度差がなくても急激に
濃度が変化しかつ集中している場合、画質不良と判断さ
れやすい。例えば、図17の(a)のように、小さくて
濃度差の低い粒状の濃度ムラが1つの場合には画質不良
とはされにくい。しかし、同図(b)のように多く点在
する場合には画質不良とされやすい。一方、同図(c)
のように濃度差が高い粒状の濃度ムラの場合は1つでも
画質不良とされやすい。これは、濃度変化の急峻度と集
中度に敏感に反応するという人間の視覚特性に基づくも
ので、強調による急峻度だけでなく濃度変化箇所の集中
度を考慮し、計測する面積を変え、濃度変化の程度を計
測する必要がある。
【0013】本発明は、上記のような事情に鑑みて創案
されたものであって、第1の目的は、自動的に画質不良
を検出・判定することができ、複写機の複写品質の向上
および安定化を図れる複写機の画質検査装置を提供する
ことにある。第2の目的は、各種画質不良を一括的に検
出することができる複写機の画質検査装置を提供するこ
とにある。第3の目的は、複写紙の送り方向に対して平
行および垂直な方向に現れるスジ状および帯状の画質不
良を自動的に検出することができる複写機の画質検査装
置を提供することにある。第4の目的は、検査対象に現
れる線状,粒状の画質不良を人間の視覚特性を考慮しか
つ自動的に検出することができる液晶表示装置または複
写機の画質検査装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
〔1〕本発明に係る第1の複写機の画質検査装置は、検
査用チャートを複写した複写紙を吸引吸着する吸着部
と、吸着された複写紙を一定速度で搬送する搬送部と、
複写紙上で送り方向に直交する方向の撮像位置に均一な
照明光を照射するライン光源と、前記撮像位置において
複写紙の画像を1ラインごとにピックアップするライン
センサカメラと、前記ラインセンサカメラからの画像デ
ータを濃淡データに変換する画像入力部と、前記濃淡デ
ータからスジ状画質不良の検出を行うピーク検出・画質
判定部とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】〔2〕本発明に係る第2の複写機の画質検
査装置は、検査用チャートを複写した複写紙の画像を1
ラインごとにピックアップするラインセンサカメラと、
前記複写紙とラインセンサカメラとを相対的に移動させ
る移動部と、前記ラインセンサカメラからの画像データ
に基づいて複写紙に各種画質不良があるか否かを検査す
る画像処理部とを備え、前記画像処理部は、前記ライン
センサカメラからの1ラインごとのデータをパイプライ
ン処理して濃度勾配の全体的な総和を求め、その総和を
基準値と比較して各種画質不良の存否を判定する手段を
備えていることを特徴とするものである。
【0016】〔3〕本発明に係る第3の複写機の画質検
査装置は、検査用チャートを複写した複写紙の画像を1
ラインごとにピックアップするラインセンサカメラと、
前記複写紙とラインセンサカメラとを相対的に移動させ
る移動部と、前記移動部を90度回転させるターンテー
ブルと、前記ラインセンサカメラからの画像データを1
ラインごとに濃淡データに変換する手段と、複写紙の全
域にわたる濃淡データの加算平均を算出する手段と、加
算平均に基づいてスジ状および帯状の画質不良の存否を
判定する手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】〔4〕本発明に係る第4の画質検査装置
は、液晶表示装置や複写機の複写紙を検査対象としてそ
の表面の画像を撮像する画像入力部と、前記検査対象と
前記画像入力部とを相対的に移動させる移動部と、前記
画像入力部からの画像データに基づいて検査対象に線
状,粒状の濃度ムラ画質不良があるか否かを検査する画
像処理部とを備え、前記画像処理部は、前記画像データ
を濃淡データに変換する濃淡データ変換部と、前記濃淡
データから線状,粒状の濃度ムラを強調した濃淡強調デ
ータを算出する画像強調処理部と、複数個の最小分割領
域を構成し各最小分割領域における濃淡強調データの累
積値を算出する第1累積値計測部と、その累積値を記憶
する累積値記憶部と、1個以上の最小分割領域から構成
される計測対象領域を順次拡大するとともに各計測対象
領域における累積値を算出する第2累積値計測部と、各
計測対象領域内における累積値と予め設定された累積値
基準値とを比較し累積値が累積値基準値より大きいとき
は検査対象に線状,粒状の濃度ムラ画質不良があると判
定しすべての計測対象領域における累積値が累積値基準
値より小さいときは画質不良はないと判定する判定処理
部とから構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
【作用】
(1)第1の複写機の画質検査装置によると、吸着部に
より吸着され搬送部によって一定速度で搬送される複写
紙に、その送り方向に直交してライン光源より均一に照
明光を照射し、その照射位置を撮像位置としてラインセ
ンサカメラで撮像する。その撮像による画像データを画
像入力部で濃淡データに変換し、ピーク検出・画質判定
部はその濃淡データに基づいてスジ状画質不良の有無を
自動的に判定する。すなわち、検査員の目視検査に頼っ
ていた従来技術に比べると、検査員によってあるいは疲
労の程度によって判定基準にバラツキが生じるといった
ことがなくなり、常に一定の基準をもってスジ状画質不
良を判定するので、複写機の複写品質についての検査精
度が大幅に改善され、検査の信頼性が向上するとともに
安定化する。
【0019】(2)第2の複写機の画質検査装置による
と、ラインセンサカメラは1ラインごとに複写紙を撮像
し、撮像すると同時に同じく1ライン単位で画像データ
を画像処理部へ出力する。ラインセンサカメラはこのよ
うな動作により1枚の複写紙の画像入力と画像処理部へ
の出力を数秒で完了する。画像処理部は入力した画像デ
ータを1ライン単位で入力タイミングに同期してパイプ
ライン処理するから、画像データの入力が完了した時点
で処理も完了しており、速度的に充分である。
【0020】(3)第3の複写機の画質検査装置による
と、複写紙の送り方向と平行および垂直な2方向のそれ
ぞれにおいて、濃淡データの加算平均を求めるから、人
間の視覚特性を利用した状態で、スジ状および帯状の画
質不良を自動的に検出することができる。
【0021】(4)第4の画質検査装置によると、濃淡
強調データの累積値を算出し、その累積値が基準値より
大きいか否かを計測対象領域の大きさを変えながら判定
するので、線状,粒状の濃度ムラ画質不良の判定を、人
間により近い判定基準のもとで正確かつ安定良く行うこ
とができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る複写機の画質検査装置の
実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】第1実施例 図1は第1実施例に係る複写機の画質検査装置の全体構
成図である。複写機1により、グレイの一様な明るさを
もったハーフトーンチャート2を複写すると、もし複写
機に画質不良が全くなければ、複写紙3もグレイの一様
の明るさをもったものとなる。複写機1の搬出部より送
り出されてきた複写紙3は、ガイド4とストッパ5によ
り位置決めされる。ガイド4は、左右に一対あって複写
紙3の幅方向の位置決めを行うもので、紙送り方向に対
して平行に設置され、複写紙3の数種類のサイズに対応
できる幅調整機構をもっている。ストッパ5は、複写紙
3の長手方向の位置決めを行うもので、アクチュエータ
によって駆動されるようになっている。
【0024】搬送部6は、その上面に、複写紙3を吸引
吸着するために縦横両方向に規則的に多数の小さな吸着
口があけられた吸着部7が設けられている。搬送部6
は、ガイド4やストッパ5とともに、それ自体が移動す
るもので、吸着部7に吸引吸着された複写紙3を一定速
度で搬送するように搬送部制御部8により駆動制御され
ている。搬送部6によって一定速度で搬送される複写紙
3上において送り方向に直交する方向の直線状の撮像位
置に対して均一な照度(輝度分布)の照明光を照射する
ライン光源9と、前記の複写紙3上の撮像位置において
複写紙3を撮像するラインセンサカメラ10が、複写紙
3の搬送経路(搬送部6の移動経路)の上方に配置され
ている。ライン光源9による複写紙3上の照射位置とラ
インセンサカメラ10による複写紙3上の撮像位置とは
一致している。ラインセンサカメラ10は、複写紙3の
画像を広エリアで高速に撮像するもので、高分解能を有
している。
【0025】ラインセンサカメラ10の撮像によってピ
ックアップされた1ラインごとの画像は画像信号に光電
変換され、画像入力部11に入力される。ラインセンサ
カメラ10からの一列分の画像信号は一定周期で出力さ
れ、その間、複写紙3は移動するため、複写紙3の全領
域が順次に撮像される。画像入力部11は、入力した画
像信号をディジタル化された256階調の濃淡データに
変換する。この濃淡データは、ラインセンサカメラ10
の分解能に応じた個数のデータ配列である。このデータ
配列である濃淡データを入力したピーク検出・画質判定
部12は、白スジである山ピークおよび黒スジである谷
ピークを検出し、その高さによりスジ状画質不良の有無
を判定する。
【0026】ラインセンサカメラ10による撮像を終え
た複写紙3は搬送部6によってなお搬送され、図中、鎖
線で示す所定の位置まで搬送される。その後、吸着部7
の吸引を解除して複写紙3をフリーの状態にし、次いで
吸着口からのエアーブローに切り換えることにより検査
済みの複写紙3を回収トレー22へと送り込む。
【0027】第2実施例 図2は第2実施例に係る複写機の画質検査装置の全体構
成図である。複写機1によりハーフトーンチャート2が
複写されて送り出されてきた複写紙3は、紙送り方向と
平行になるように一対のガイド4で規制されながら、搬
送部13上の吸着シート14上に送り込まれ、吸着シー
ト14に多数形成された吸着口に吸引吸着される。吸着
シート14は、図示しないモータによって駆動される2
つのローラ15によって無端帯状に回動され、これによ
って複写紙3を搬送する。その搬送経路上には、第1実
施例と同様にライン光源9とラインセンサカメラ10と
が配置されている。ラインセンサカメラ10は、図2で
は図示されていない画像入力部11を介してピーク検出
・画質判定部12に接続されており(図1参照)、第1
実施例と同様の処理によって、スジ状画質不良の有無を
判定するようになっている。
【0028】ラインセンサカメラ10による撮像を終え
た複写紙3は吸着シート14上の所定の位置で吸引を解
除され、フリーの状態となった後、吸着シート14とブ
ローシート20との間に設置された剥離板16によって
吸着シート14から剥離され、ブロー搬送部17へと搬
送される。ブロー搬送部17上で紙送り方向と平行にな
るように設けられたガイド18に沿って送られてくる複
写紙3は、図示しないモータによって駆動される2つの
ローラ19により無端帯状に回動されているブローシー
ト20の上に載置されながら、送られる。そして、ブロ
ーシート20のブロー口からのエアーブローにより、検
査済みの複写紙3はガイド18に沿って回収トレー22
へと送り込まれる。
【0029】第3実施例 図3は第3実施例に係る複写機の画質検査装置の全体構
成図である。複写機1によりハーフトーンチャート2が
複写されて送り出されてきた複写紙3は、紙送り方向と
平行になるように一対のガイド4で規制されながら、円
筒状の吸着ローラ21上に送り込まれる。この吸着ロー
ラ21は、図示しないモータによって一定速度で回転さ
れるようになっているとともに、適当間隔をもって整列
して数ライン分の吸着口が形成されている。複写紙3
は、その吸着口に吸引吸着される。
【0030】吸着ローラ21の上方には、第1実施例と
同様にライン光源9とラインセンサカメラ10とが配置
されている。ラインセンサカメラ10は、図3では図示
されていない画像入力部11を介してピーク検出・画質
判定部12に接続されており(図1参照)、第1実施例
と同様の処理によって、スジ状画質不良の有無を判定す
るようになっている。
【0031】ラインセンサカメラ10による撮像を終え
た複写紙3は、吸着ローラ21の回転に伴って撮像が終
了した1ライン目から順次に吸引が解除されていき、吸
着ローラ21から検査済みの複写紙3を剥離させるため
に吸着口からエアーブローを行って、回収トレー22に
その搬入口から送り込んでいく。
【0032】なお、上記した3つの実施例のいずれにお
いても、ラインセンサカメラ10を1台としているが、
その台数はこれに限定されるものではなく、必要とする
分解能に応じてカメラの台数を決定するものとする。
【0033】第4実施例 図4は第4実施例の複写機の画質検査装置の全体構成図
である。複写機により検査用チャートを複写した複写紙
30を載置して一定速度で送り方向αに向けて搬送する
移動部31があり、この移動部31の上方に、ライン光
源32と、複写紙30を1ラインごとに撮像する画像入
力部としてのラインセンサカメラ33とが配置されてい
る。検査用チャートとしては、グレイの一様な明るさを
もったハーフトーンチャートが用いられる。複写機に画
質不良が全くなければ、複写紙30もグレイの一様の明
るさをもったものとなる。移動部31において複写紙3
0を載置する載置面31aは、複写紙30を捉えたか否
かを検出しやすくするために少なくともその周辺部分が
光を反射しないように黒色とされている。移動部31は
移動制御部34により一定速度で移動するように制御さ
れている。この移動制御部34は中央制御部35によっ
てコントロールされるようになっている。ラインセンサ
カメラ33は一定位置に固定されているので、移動部3
1によって複写紙30が搬送されることによって、複写
紙30とラインセンサカメラ33とは相対的に移動する
ことになる。
【0034】ライン光源32は、移動部31によって一
定速度で搬送される複写紙30上において送り方向αに
直交する方向の直線状の撮像位置に対して均一な照度
(輝度分布)の照明光を照射するものである。ラインセ
ンサカメラ33は、ライン光源32が照射した複写紙3
0の照射位置の画像を撮像により1ラインごとにピック
アップして、ラインごとの画像データを出力するもので
ある。ライン光源32による複写紙30上の照射位置と
ラインセンサカメラ33による複写紙30上の撮像位置
とは一致している。
【0035】ラインセンサカメラ33がピックアップし
た複写紙30についての1ラインごとの画像データは画
像処理部36に送出される。この画像処理部36は、前
記の画像データに基づいて、複写紙30に各種画質不良
が存在するか否かを検査する機能を有している。本実施
例の場合、この画像処理部36は、4段のパイプライン
プロセッサ36a,36b,36c,36dから構成さ
れている。各パイプラインプロセッサはデータ駆動型プ
ロセッサとするのが好ましい。
【0036】以下、パイプライン処理を行う画像処理部
36の動作について図5のフローチャートに基づいて説
明する。まず、ラインセンサカメラ33から送出されて
きた画像データを1ラインごとに入力する(ステップS
1)。1段目のパイプラインプロセッサ36aは、入力
した1ライン分の画像データに対してシェーディング補
正を行う(ステップS2)。これはライン光源32やラ
インセンサカメラ33が有しているムラを修正するもの
である。シェーディング補正方法としてはすでに各種の
方式が実用化されているが、いずれも予め求めておいた
照明分布をマスターデータとして四則演算により補正値
を算出するようになっている。
【0037】2段目のパイプラインプロセッサ36bは
データの圧縮を行う(ステップS3)。例えば、1ライ
ン分の画像データはさらに各画素ごとの濃度データから
構成されるが、このうち、スジ,濃淡ムラ,斑点などの
特殊な画質不良はいずれも共通に、濃度勾配、すなわ
ち、濃度が連続的に変化する領域を伴っている。詳しく
は、スジ,濃淡ムラ,斑点などの各特殊画質不良は、1
ライン単位でみると、それぞれ、図6の(a),
(b),(c)のようになる。そこで、この濃度勾配が
現れている部分を残して、濃度値をすべて0に設定す
る。これによってデータ圧縮が行える。濃度勾配が現れ
ている部分の判定においては、濃度が連続的に変化する
範囲の大きさ、傾きなどはパラメータとして任意の値を
設定しておくものとする。
【0038】3段目のパイプラインプロセッサ36c
は、2段目で圧縮された後のデータについて正規化を行
う(ステップS4)。すなわち、傾きと勾配の長さから
濃度勾配を評価値として用いることができるような形に
変換する。
【0039】4段目のパイプラインプロセッサ36d
は、3段目のパイプラインプロセッサ36cの出力を順
次加算してその総和を求める(ステップS5)。すなわ
ち、1ラインごとに入力し上記のように加工したデータ
について順次加算していく。
【0040】1ラインごとの画像データの入力が完了し
たか否か、すなわち、複写紙30の終端がラインセンサ
カメラ33の撮像位置を通過したか否かを判断し(ステ
ップS6)、まだデータの入力があるときはステップS
1に戻り、データ入力が完了したときは次のステップS
7に進む。
【0041】ステップS1〜ステップS6の繰り返しに
より、1ラインごとの画像データの入力が完了した時点
で4段目のパイプラインプロセッサ36dには濃度勾配
の総和が計算され記憶されている。この総和がある一定
の基準値を超えていれば、画質不良があると判定する。
その基準値については、スジ,濃淡ムラ,斑点などに応
じて予め設定しておく。その判定結果を中央制御部35
に送出し、モニタディスプレイ37に表示する(ステッ
プS7)。ラインセンサカメラ33は、1枚の複写紙3
0の画像データのピックアップと画像処理部36への出
力を2〜5秒で完了する。すなわち、複雑多岐にわたる
各種画質不良をリアルタイムで検出することができる。
【0042】なお、上記と同じ動作を、複写紙30を9
0°回転させて実行すれば、複写紙30上のすべての点
の濃度勾配を求めることができる。また、この実施例で
は、スジ,濃淡ムラ,斑点などの特殊画質不良に共通に
現れる濃度勾配に着目したアルゴリズムを用いたが、1
ライン単位でのパイプライン処理が可能なアルゴリズム
はすべて対応することができる。パイプラインプロセッ
サとして例えば上記のようにデータ駆動型プロセッサを
用いれば、ソフトウェアによる自由な処理が可能な上、
パイプラインの段数を自由に追加できるため、あらゆる
画質不良に対応したアルゴリズムを採用することができ
る。
【0043】第5実施例 図7は第5実施例の複写機の画質検査装置の全体構成図
である。複写機により検査用チャート(ハーフトーンチ
ャート)を複写した複写紙40を載置して一定速度で送
り方向αに向けて搬送する移動部41があり、移動部4
1の下方にこの移動部41を90度の範囲で回転させる
ターンテーブル42が設けられている。
【0044】移動部41の上方には、ライン光源43
と、複写紙40を1ラインごとに撮像する画像入力部と
してのラインセンサカメラ44とが配置されている。移
動部41における複写紙40を載置する載置面41a
は、複写紙40を捉えたか否かを検出しやすくするため
に少なくともその周辺部分が光を反射しないように黒色
とされている。ラインセンサカメラ44は一定位置に固
定されているので、移動部41によって複写紙40が搬
送されることによって、複写紙40とラインセンサカメ
ラ44とは相対的に移動することになる。
【0045】ライン光源43は、移動部41によって一
定速度で搬送される複写紙40上において送り方向αに
直交する幅方向Xに沿った直線状の撮像位置に対して均
一な照度(輝度分布)の照明光を照射するものである。
ラインセンサカメラ44は、ライン光源43が照射した
複写紙40の照射位置の画像を撮像により1ラインごと
にピックアップして、ラインごとの画像データを出力す
るものである。ライン光源43による複写紙40上の照
射位置とラインセンサカメラ44による複写紙40上の
撮像位置とは一致している。
【0046】ラインセンサカメラ44がピックアップし
た複写紙40についての1ラインごとの画像データは画
像処理部45に送出される。この画像処理部45は、前
記の画像データに基づいて、複写紙40にスジ状および
帯状の画質不良が存在するか否かを検査する機能を有し
ている。移動部41をターンテーブル42に設けてある
のは、送り方向αに対して平行なスジ状および帯状の画
質不良を検出するだけでなく、送り方向αに対して垂直
なスジ状および帯状の画質不良をも検出するためであ
る。
【0047】本実施例の場合、前記の画像処理部45
は、濃淡データ変換部46と加算平均算出部47と画質
判定部48とから構成されている。濃淡データ変換部4
6は、ラインセンサカメラ44から入力した画像データ
について、それを、ラインLi(i=1,2……N)ご
との濃淡データCi (X)(i=1,2……N)に変換
するものである。加算平均算出部47は、ラインごとの
濃淡データCi (X)を、複写紙40の全域をカバーす
る範囲(i=1,2……N)で送り方向αに加算平均す
るものであり、その加算平均P(X)は、次式で表され
る。
【0048】
【数1】
【0049】画質判定部48は、加算平均P(X)に基
づいてスジ状および帯状の画質不良が存在するか否かを
判定するものである。
【0050】次に、動作を説明する。まず、移動部41
上にあるハーフトーンチャートが複写された複写紙40
をライン光源43で照射した状態で、移動部41が複写
紙40を送り方向αに送る。そして、ラインセンサカメ
ラ44の撮像により複写紙40の画像データを1ライン
ごとにピックアップする。そのラインごとの画像データ
の平均値を算出し、平均値が所定値以下であれば、まだ
複写紙40を捉えていないものとして、次の画像データ
のピックアップに移る。ラインごとの画像データの平均
値が所定値を超えたと判定したとき、ラインセンサカメ
ラ44はその1ライン分の画像データを画像処理部45
における濃淡データ変換部46に送出する。
【0051】濃淡データ変換部46では、入力した1ラ
イン分の画像データを256階調の濃淡データC
i (X)に変換し、その濃淡データCi (X)を加算平
均算出部47に送出する。加算平均算出部47では、ラ
インセンサカメラ44が複写紙40の終端を捉えるまで
の範囲(i=1,2……N)において、送り方向αに沿
う状態で1ラインごとの濃淡データCi (X)の加算平
均P(X)を算出する。そして、その加算平均P(X)
のデータを画質判定部48に送出する。画質判定部48
は、加算平均P(X)に基づいて複写紙40においてそ
の送り方向αに沿ってスジ状および帯状の画質不良が存
在するか否かを判定する。
【0052】ここで、画質判定部48における判定方法
について説明する。
【0053】人間の視覚はスジや帯を認識する場合、単
に周辺との濃度差つまりコントラストだけで判断するの
ではなく、図8に示すように、コントラストΔP(W)
と、スジおよび帯の幅W(X)を総合的にみて判断して
いるのである。
【0054】実線ΔP(W)=f1 (W)、ΔP(W)
=f2 (W)で示したのは認識できるかどうかの境界線
であり、斜線部の領域D1 ,D2 、すなわち、ΔP
(W)≧f1 (W)、ΔP(W)≧f2 (W)で示され
る領域は、それぞれスジ状の画質不良を判定できる領域
と、帯状の画質不良を判定できる領域とを示している。
つまり、図9の(a)に示すように、ピークにおいて同
じ幅Wであっても、コントラストがΔP1 の小さい方に
は画質不良がなく(OK)、コントラストがΔP2の大
きい方は画質不良となっている(NG:No Good )。ま
た、図9の(b)に示すように、ピークにおいて同じコ
ントラストΔPであっても、幅がW1 の大きい方は目立
ちにくいために画質不良ではなく、幅がW2 の小さいほ
うは目立ちやすいために画質不良となっている。
【0055】したがって、スジ状および帯状の画質不良
を検出判定するためには、加算平均P(X)のそれぞれ
のX(送り方向αに垂直な方向の画素位置)について、
コントラストΔP(X)および幅W(X)を算出し、点
(ΔP(X),W(X))が前記の領域D1 ,D2 内に
あるか否かを検査すればよいことになる。このようにす
ることにより、人間の視覚特性を利用した状態でのスジ
状および帯状の画質不良の検査が高精度かつ迅速に行う
ことができるのである。
【0056】ところで、以上のようにして発見される画
質不良候補の中には、図10の左の下側に示すようにス
ジ状および帯状の画質不良でないものも結果として擬似
不良として含まれることになる。すなわち、上側のスジ
状および帯状の画質不良も、下側の局所的な擬似不良
も、送り方向αに沿って加算平均P(X)をとると、右
側に示すように同じパターンとなる可能性がある。この
擬似不良を取り除く方法として、上記のようにして得ら
れる画質不良候補(ΔP(Xj ),W(Xj ))に対し
て、その元データである濃淡データCi (X)(i=
1,2……N)のiについての分散、すなわち、
【0057】
【数2】
【0058】を算出し、この分散σが所定値以上の場合
は局所的なキズ,汚れとみなして除外すればよい。
【0059】上記の例では、スジ状および帯状が白い場
合の画質不良を対象としたが、それらが黒い場合の画質
不良でも同様に検査することができる。ただし、その場
合は、図9,図10のピークは山状ではなく谷状に形成
されることになる。
【0060】そして、複写紙40についての送り方向α
に沿ったスジ状および帯状の画質不良の検査が終了した
後、ターンテーブル42によって複写紙40を90度回
転させてから同様の処理をすることにより、複写紙40
の互いに直角をなす2方向のそれぞれについてスジ状お
よび帯状の画質不良の検査が行われることになる。
【0061】第6実施例 図11は第6実施例の画質検査装置の全体構成図であ
る。複写機により検査用チャート(ハーフトーンチャー
ト)を複写した複写紙や液晶表示装置などの検査対象5
0を載置して一定速度で送り方向αに向けて搬送する移
動部51があり、この移動部51は移動制御部52によ
って駆動制御されるようになっている。検査対象50は
送り方向αに沿って平行な状態で移動部51上にガイド
されるようになっている。移動部51の上方には、ライ
ン光源53と、検査対象50を1ラインごとに撮像する
画像入力部54とが配置されている。画像入力部54と
してはラインセンサカメラが用いられている。移動部5
1における検査対象50を載置する載置面51aは、検
査対象50を捉えたか否かを検出しやすくするために少
なくともその周辺部分が光を反射しないように黒色とさ
れている。画像入力部54は一定位置に固定されている
ので、移動部51によって検査対象50が搬送されるこ
とによって、検査対象50と画像入力部54とは相対的
に移動することになる。
【0062】ライン光源53は、移動部51によって一
定速度で搬送される検査対象50上において送り方向α
に直交する幅方向Xに沿った直線状の撮像位置に対して
均一な照度(輝度分布)の照明光を照射するものであ
る。画像入力部54は、ライン光源53が照射した検査
対象50の照射位置の画像を撮像により1ラインごとに
ピックアップして、ラインごとの画像データを出力する
ものである。ライン光源53による検査対象50上の照
射位置と画像入力部54による検査対象50上の撮像位
置とは一致しており、その撮像位置の方向は送り方向α
に対して垂直となっている。
【0063】画像入力部54がピックアップした検査対
象50についての1ラインごとの画像は光電変換され、
その画像データは画像処理部55に送出される。この画
像処理部55は、前記の画像データに基づいて、検査対
象50に線状,粒状の濃度ムラ画質不良が存在するか否
かを検査する機能を有している。画像処理部55は次の
構成要素からなっている。
【0064】濃淡データ変換部56は、入力した画像デ
ータをディジタル化して256階調の濃淡データに変換
するものである。この濃淡データは、画像入力部54の
分解能に応じたデータ配列となっている。補正部57
は、ライン光源53や画像入力部54のムラに起因する
影響を補正するものである(補正については特願平4−
5433号を参照)。その補正された濃淡データは濃淡
データ記憶部58に格納されるようになっている。
【0065】図14は濃淡データ記憶部58を説明した
図で、画像入力部54からの1ラインごとの画像データ
列は一定周期で出力され、その間、検査対象50は移動
しているため、検査対象50の表面の全領域を撮像する
ことができ、補正された濃淡データは図14のように画
素配列に対応する状態で記憶される。なお、x方向が検
査対象50の幅方向であり、y方向が送り方向αであ
る。
【0066】画像強調処理部59は、前述の線状,粒状
濃度ムラ強調方法にて濃淡データ記憶部58の濃淡デー
タを処理し、濃淡強調データを出力するものである。第
1累積値計測部60は、濃淡データ記憶部58をx方向
およびy方向において図15で示すように実線Aaと破
線Abで示す2通りの仕方で分割し、それを最小分割領
域となし、各最小分割領域における濃淡強調データの累
積値を算出するものである。その濃淡強調データの累積
値は累積値記憶部61に格納されるようになっている。
【0067】第2累積値計測部62は、累積値記憶部6
1に格納されている濃淡強調データの累積値に基づい
て、1個以上の最小分割領域から構成される計測対象領
域を順次拡大し、任意位置,任意サイズの各計測対象領
域における累積値を算出するものである。判定処理部6
3は、第2累積値計測部62で得られた任意位置,任意
サイズの累積値と予め設定された累積値基準値とを比較
し、各計測対象領域内の累積値が累積値基準値より大き
いときは検査対象50に線状,粒状の濃度ムラ画質不良
があると判定し、すべての計測対象領域における累積値
が累積値基準値より小さいときは画質不良はないと判定
するものである。その判定結果は中央制御部64に受け
渡され、モニタディスプレイ65に表示される。
【0068】次に、この実施例の画質検査装置の画像処
理部55の動作を図12,図13に示すフローチャート
に基づいて説明する。
【0069】まず、初期化としてすべての最小分割領域
の累積値を“0”にクリアし(ステップS11)、ライ
ン番号yを“0”にクリアする(ステップS12)。次
に、検査対象50の移動を開始し(ステップS13)、
濃淡データ変換部56は画像入力部54から1ライン分
の画像データを取り込んで濃淡データに変換し(ステッ
プS14)、補正部57は補正処理を行い(ステップS
15)、補正後の濃淡データの平均値を算出してそれが
所定値以下であるか否かを判断し(ステップS16)、
以下であれば検査対象50がまだ画像入力部54のピッ
クアップ位置に達していないものとしてステップS14
に戻る。所定値を超えているときは検査対象50のピッ
クアップを開始したものとしてステップS17に進む。
【0070】再度、1ライン分の画像データを取り込み
濃淡データに変換し(ステップS17)、補正処理を行
い(ステップS18)、補正後の濃淡データの平均値を
算出してそれが所定値以下であるか否かを判断し(ステ
ップS19)、以下であれば検査対象50が画像入力部
54のピックアップ位置を通過してしまい画像入力が終
了したものとしてステップS21に進むが、所定値を超
えているときは検査対象50のピックアップ中であるも
のとして、濃淡データ記憶部58における該当ライン番
号の位置にそのときの濃淡データを記憶する(ステップ
S20)。そして、ライン番号yをインクリメントして
(ステップS21)、ステップS17に戻る。なお、移
動部51の載置面51aを光を反射しない黒としている
が、検査対象50のエッジを光電センサ等で検出し、そ
の信号で取り込み開始および終了の判定を行ってもよ
い。
【0071】検査対象50の全体の撮像が終了すると、
画像強調処理部59は濃淡データ記憶部58に格納され
ている濃淡データに対して前述の線状,粒状の濃度ムラ
を強調する処理を行い、処理後の濃淡強調データを第1
累積値計測部60に送出する(ステップS22)。第1
累積値計測部60は濃淡強調データに対して図16に示
す各最小分割領域Aij内の累積値を計測する(ステップ
S23)。
【0072】次に、計測対象領域として、最小分割領域
を単位としてサイズ,初期位置を設定する(ステップS
24)。ここで、サイズとは、図16に示すように最小
分割領域を単位とした数であり、位置とは計測対象領域
の最も左上にある最小分割領域位置とする。次に、計測
対象領域に含まれる各最小分割領域での累積値の和を算
出し(ステップS25)、その総和が基準値より大きい
か否かを判断し(ステップS26)、大きいときは線
状,粒状の濃度ムラ画質不良があると判定する(ステッ
プS27)。小さいときは現在のサイズにおいてすべて
の位置での処理が終了したか否かを判断し(ステップS
28)、終了していないときは計測対象領域位置を変え
(ステップS29)、そしてステップS25に戻る。す
べての位置での処理が終了したときは、計測対象領域の
サイズが1から最大まですべてサイズで処理が行われた
か否かを判断し(ステップS30)、終了していないと
きはサイズを変え(ステップS31)、ステップS25
に戻る。計測対象領域位置を全範囲にわたって変え、か
つ、サイズも全範囲にわたって変えても、累積値の総和
が基準値より小さいときは、線状,粒状の濃度ムラ画質
不良がなかったものと判定する(ステップS32)。な
お、図16は図15におけるAaでの分割についてのも
のであったが、当然、Abでの分割についても同様の処
理を行うものとする。濃淡データは256階調以外であ
ってもよいことはいうまでもない。
【0073】
【発明の効果】
(1)本発明に係る第1の複写機の画質検査装置によれ
ば、画像信号による濃淡データに基づいてスジ状画質不
良の有無を自動的に判定するから、判定基準が統一化さ
れ、複写機の複写品質についての検査精度を改善できる
とともに検査の信頼性の向上と安定化とを図ることがで
きる。
【0074】(2)本発明に係る第2の複写機の画質検
査装置によれば、複写紙における各種画質不良に共通に
現れる濃度勾配の総和を1ライン単位でパイプライン処
理するので、画像データの高速処理と画質不良の高速判
定が可能となり、検査員による目視検査に比べて遜色な
い、あるいはそれ以上のレベルで、各種画質不良を自動
的に検出することができる。
【0075】(3)本発明に係る第3の複写機の画質検
査装置によれば、複写紙の送り方向と平行および垂直な
2方向のそれぞれにおいて、濃淡データの加算平均を求
めるから、人間が目視で行っていた検査基準をそのまま
利用でき、また人間の目視検査に近い判定が行え、スジ
状および帯状の画質不良を二次元方向において自動的に
かつ確実に検出することができる (4)本発明に係る第4の画質検査装置によれば、線
状,粒状の濃度ムラ画質不良の判定を、人間により近い
判定基準のもとで正確かつ安定良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る複写機の画質検査装
置の全体構成図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る複写機の画質検査装
置の全体構成図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る複写機の画質検査装
置の全体構成図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る複写機の画質検査装
置の全体構成図である。
【図5】第4実施例の動作説明に供するフローチャート
である。
【図6】第4実施例の動作を説明するもので、1ライン
上に現れるスジ,濃淡ムラ,斑点の濃度変化の例示図で
ある。
【図7】本発明の第5実施例に係る複写機の画質検査装
置の全体構成図である。
【図8】第5実施例においてスジ状および帯状の画質不
良を検出する場合の視覚特性を示すグラフである。
【図9】第5実施例において図8の視覚特性において濃
淡データを判定する例であって、(a)は幅が同一でコ
ントラストの大小によって良・不良が分かれる場合の
図、(b)はコントラストが同一で幅の大小によって良
・不良が分かれる場合の図である。
【図10】第5実施例において画像処理の結果、スジ状
および帯状以外の画質不良が濃淡データとしては結果的
にスジ状および帯状の画質不良と同一になることがある
ことを示す図である。
【図11】第6実施例の画質検査装置の全体構成図であ
る。
【図12】第6実施例の動作説明に供するフローチャー
トである。
【図13】第6実施例の動作説明に供するフローチャー
トである。
【図14】第6実施例において濃淡データ記憶部での画
像データの記録状態のフォーマット図である。
【図15】第6実施例において最小分割領域の分割方法
を示した図である。
【図16】第6実施例において最小分割領域の説明図で
ある。
【図17】濃度差の大小による人間の視覚特性の説明図
である。
【符号の説明】
1……複写機 2……ハーフトー
ンチャート 3……複写紙 4……ガイド 5……ストッパ 6……搬送部 7……吸着部 8……搬送部制御
部 9……ライン光源 10……ラインセン
サカメラ 11……画像入力部 12……ピーク検
出・画質判定部 13……搬送部 14……吸着シー
ト 15……ローラ 16……剥離板 17……ブロー搬送部 18……ガイド 19……ローラ 20……ブローシ
ート 21……吸着ローラ 22……回収トレ
ー 30……複写紙 31……移動部 32……ライン光源 33……ラインセ
ンサカメラ 34……移動制御部 35……中央制御
部 36……画像処理部 36a,36b,36c,36d……パイプラインプロ
セッサ 40……複写紙 41……移動部 42……ターンテーブル 43……ライン光
源 44……ラインセンサカメラ 45……画像処理
部 46……濃淡データ変換部 47……加算平均
算出部 48……画質判定部 50……検査対象 51……移動部 52……移動制御
部 53……ライン光源 54……画像入力
部 55……画像処理部 56……濃淡デー
タ変換部 57……補正部 58……濃淡デー
タ記憶部 59……画像強調処理部 60……第1累積
値計測部 61……累積値記憶部 62……第2累積
値計測部 63……判定処理部 64……中央制御
部 65……モニタディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重山 吉偉 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 岩田 裕 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査用チャートを複写した複写紙を吸引
    吸着する吸着部と、吸着された複写紙を一定速度で搬送
    する搬送部と、複写紙上で送り方向に直交する方向の撮
    像位置に均一な照明光を照射するライン光源と、前記撮
    像位置において複写紙の画像を1ラインごとにピックア
    ップするラインセンサカメラと、前記ラインセンサカメ
    ラからの画像データを濃淡データに変換する画像入力部
    と、前記濃淡データからスジ状画質不良の検出を行うピ
    ーク検出・画質判定部とを備えたことを特徴とする複写
    機の画質検査装置。
  2. 【請求項2】 検査用チャートを複写した複写紙の画像
    を1ラインごとにピックアップするラインセンサカメラ
    と、前記複写紙とラインセンサカメラとを相対的に移動
    させる移動部と、前記ラインセンサカメラからの画像デ
    ータに基づいて複写紙に各種画質不良があるか否かを検
    査する画像処理部とを備え、前記画像処理部は、前記ラ
    インセンサカメラからの1ラインごとのデータをパイプ
    ライン処理して濃度勾配の全体的な総和を求め、その総
    和を基準値と比較して各種画質不良の存否を判定する手
    段を備えていることを特徴とする複写機の画質検査装
    置。
  3. 【請求項3】 検査用チャートを複写した複写紙の画像
    を1ラインごとにピックアップするラインセンサカメラ
    と、前記複写紙とラインセンサカメラとを相対的に移動
    させる移動部と、前記移動部を90度回転させるターン
    テーブルと、前記ラインセンサカメラからの画像データ
    を1ラインごとに濃淡データに変換する手段と、複写紙
    の全域にわたる濃淡データの加算平均を算出する手段
    と、加算平均に基づいてスジ状および帯状の画質不良の
    存否を判定する手段とを備えたことを特徴とする複写機
    の画質検査装置。
  4. 【請求項4】 液晶表示装置や複写機の複写紙を検査対
    象としてその表面の画像を撮像する画像入力部と、前記
    検査対象と前記画像入力部とを相対的に移動させる移動
    部と、前記画像入力部からの画像データに基づいて検査
    対象に線状,粒状の濃度ムラ画質不良があるか否かを検
    査する画像処理部とを備え、前記画像処理部は、前記画
    像データを濃淡データに変換する濃淡データ変換部と、
    前記濃淡データから線状,粒状の濃度ムラを強調した濃
    淡強調データを算出する画像強調処理部と、複数個の最
    小分割領域を構成し各最小分割領域における濃淡強調デ
    ータの累積値を算出する第1累積値計測部と、その累積
    値を記憶する累積値記憶部と、1個以上の最小分割領域
    から構成される計測対象領域を順次拡大するとともに各
    計測対象領域における累積値を算出する第2累積値計測
    部と、各計測対象領域内における累積値と予め設定され
    た累積値基準値とを比較し累積値が累積値基準値より大
    きいときは検査対象に線状,粒状の濃度ムラ画質不良が
    あると判定しすべての計測対象領域における累積値が累
    積値基準値より小さいときは画質不良はないと判定する
    判定処理部とから構成されていることを特徴とする画質
    検査装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009288015A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Mec:Kk 欠陥検査装置及び欠陥検査方法
JP2010048601A (ja) * 2008-08-20 2010-03-04 Canon Chemicals Inc 電子写真装置用のローラの表面検査方法及び表面検査装置

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JP2009288015A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Mec:Kk 欠陥検査装置及び欠陥検査方法
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