JPH0754410Y2 - 鉄骨の耐火被覆材 - Google Patents
鉄骨の耐火被覆材Info
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- JPH0754410Y2 JPH0754410Y2 JP11047691U JP11047691U JPH0754410Y2 JP H0754410 Y2 JPH0754410 Y2 JP H0754410Y2 JP 11047691 U JP11047691 U JP 11047691U JP 11047691 U JP11047691 U JP 11047691U JP H0754410 Y2 JPH0754410 Y2 JP H0754410Y2
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- Japan
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- felt
- fiber
- glass fiber
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、鉄骨建築物等における
鉄骨の耐火性を向上させるための、シート状耐火被覆材
に関するものである。
鉄骨の耐火性を向上させるための、シート状耐火被覆材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄骨建築は法定の耐火構造とするために
その躯体の鉄骨表面を耐火性の断熱材で被覆することが
必要である。このために用いられる耐火性断熱材として
は、鉄骨表面に吹き付けて被覆層を形成させるもの、板
状に成形されたもの、耐熱性無機繊維のフェルト等を用
いて作られた可撓性シート状物などがあり、それぞれ適
所に使い分けられている。このうち、無機繊維のフェル
トを用いたものは、容易に均一な被覆層を形成すること
ができ、吹き付けによるもののように作業環境を悪化さ
せることもないという長所があり、近年、利用が増えて
いる。
その躯体の鉄骨表面を耐火性の断熱材で被覆することが
必要である。このために用いられる耐火性断熱材として
は、鉄骨表面に吹き付けて被覆層を形成させるもの、板
状に成形されたもの、耐熱性無機繊維のフェルト等を用
いて作られた可撓性シート状物などがあり、それぞれ適
所に使い分けられている。このうち、無機繊維のフェル
トを用いたものは、容易に均一な被覆層を形成すること
ができ、吹き付けによるもののように作業環境を悪化さ
せることもないという長所があり、近年、利用が増えて
いる。
【0003】無機繊維のフェルトを用いた耐火被覆材の
一例は実公平3−10241号公報に記載されている。
この耐火被覆材は、ロックウールフェルトまたはグラス
ウールフェルトからなる基材の表面に耐熱性の良いセラ
ミック繊維フェルトを重ね、その上に金網等の網状物を
重ねた上で線材で縫合して全体を一体化した積層シート
構造のものであって、火炎に直接接する可能性のある表
層部には耐熱性のよいセラミック繊維を用い、鉄骨側に
配置される部分は、表層部ほどには温度が上昇しないの
で耐熱性はやや劣るが安価なロックウールやグラスウー
ルを用いている。なお、網状物は全体的な補強のための
ものである。各層は、ニードルパンチ方式または(およ
び)金属線材で縫合されて一体化されている。
一例は実公平3−10241号公報に記載されている。
この耐火被覆材は、ロックウールフェルトまたはグラス
ウールフェルトからなる基材の表面に耐熱性の良いセラ
ミック繊維フェルトを重ね、その上に金網等の網状物を
重ねた上で線材で縫合して全体を一体化した積層シート
構造のものであって、火炎に直接接する可能性のある表
層部には耐熱性のよいセラミック繊維を用い、鉄骨側に
配置される部分は、表層部ほどには温度が上昇しないの
で耐熱性はやや劣るが安価なロックウールやグラスウー
ルを用いている。なお、網状物は全体的な補強のための
ものである。各層は、ニードルパンチ方式または(およ
び)金属線材で縫合されて一体化されている。
【0004】実公平3−10241号の耐火被覆材は、
上述のような積層構造を採用しただけでなく、シート状
被覆材を用いて鉄骨を被覆したとき生じる目地部すなわ
ち被覆材間の突き付け部分において耐火性が低下するの
を防止するための工夫が、積層構造を利用して施されて
いる。すなわち、被覆材の端部の一つからセラミック繊
維フェルトの層および網状物の層を5〜100mmほど延
長突出させて耳部を形成しておき、この耳部を、突き付
けられた相手方被覆材の上に被せることにより目地部を
覆い、目地部に生じ易い間隙を経由する熱伝達を抑制す
る。
上述のような積層構造を採用しただけでなく、シート状
被覆材を用いて鉄骨を被覆したとき生じる目地部すなわ
ち被覆材間の突き付け部分において耐火性が低下するの
を防止するための工夫が、積層構造を利用して施されて
いる。すなわち、被覆材の端部の一つからセラミック繊
維フェルトの層および網状物の層を5〜100mmほど延
長突出させて耳部を形成しておき、この耳部を、突き付
けられた相手方被覆材の上に被せることにより目地部を
覆い、目地部に生じ易い間隙を経由する熱伝達を抑制す
る。
【0005】このため、実公平3−10241号の耐火
被覆材は経済性と実用性能の両面で優れている。しかし
ながら、用いるセラミック繊維が高価であるためより安
価な代替繊維の使用が望まれると共に、近年、セラミッ
ク繊維の飛散が環境に悪影響を及ぼすことが指摘され、
粉塵化し易い状態で建築物に使用するのは望ましくない
とされるようになった。
被覆材は経済性と実用性能の両面で優れている。しかし
ながら、用いるセラミック繊維が高価であるためより安
価な代替繊維の使用が望まれると共に、近年、セラミッ
ク繊維の飛散が環境に悪影響を及ぼすことが指摘され、
粉塵化し易い状態で建築物に使用するのは望ましくない
とされるようになった。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】そこで本考案の目的
は、セラミック繊維を使用せずに優れた耐火性能を有す
る鉄骨用耐火被覆材を提供することにある。
は、セラミック繊維を使用せずに優れた耐火性能を有す
る鉄骨用耐火被覆材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案による耐火被覆材
は、ロックウールまたはグラスウールからなるフェルト
状基材の片面に耐熱性無機繊維フェルトおよび金網が順
次積層され且つ上記耐熱性無機繊維フェルト層および金
網層が積層物の端部の一つから一定の幅で突出している
鉄骨の耐火被覆材において、上記耐熱性無機繊維フェル
トを構成する耐熱性無機繊維の少なくとも一部が、繊維
全体としてはEガラス繊維と実質的に同一のガラス組成
すなわちSiO 2 50〜65重量%、Al 2 O 3 10〜1
6重量%、B 2 O 3 2〜12重量%、CaO+MgO 14
〜21重量%のガラス組成を有するが表層部はSiO2含
有率が80重量%以上のシリカ質ガラスからなる耐熱性
ガラス繊維であることを特徴とするものである。ここで
“表層部”とは、繊維表面から深さ120Åまでの狭い
特定の領域を意味する。
は、ロックウールまたはグラスウールからなるフェルト
状基材の片面に耐熱性無機繊維フェルトおよび金網が順
次積層され且つ上記耐熱性無機繊維フェルト層および金
網層が積層物の端部の一つから一定の幅で突出している
鉄骨の耐火被覆材において、上記耐熱性無機繊維フェル
トを構成する耐熱性無機繊維の少なくとも一部が、繊維
全体としてはEガラス繊維と実質的に同一のガラス組成
すなわちSiO 2 50〜65重量%、Al 2 O 3 10〜1
6重量%、B 2 O 3 2〜12重量%、CaO+MgO 14
〜21重量%のガラス組成を有するが表層部はSiO2含
有率が80重量%以上のシリカ質ガラスからなる耐熱性
ガラス繊維であることを特徴とするものである。ここで
“表層部”とは、繊維表面から深さ120Åまでの狭い
特定の領域を意味する。
【0008】
【作用】本考案で耐熱性無機繊維フェルトを構成する繊
維として用いた耐熱性ガラス繊維は本考案者らが発明し
た新規ガラス繊維であって、セラミック繊維ほど高度の
耐熱性を有するわけではないが、実用上の耐熱限界温度
がEガラス繊維のそれよりも著しく高い。たとえば、E
ガラス繊維からなるマットは約700℃を超える温度で
は繊維の熱変形により急速に収縮して密度の高い塊にな
り、耐火被覆材としての機能を果たさなくなるが、この
新規耐熱性ガラス繊維からなるものは、少なくとも90
0℃で30分間の加熱に耐え、1050℃・30分間の
加熱に耐えるものさえある。したがって、上述のような
積層構造の耐火被覆材の表面層構成材料としては十分な
耐熱性を示し、耐火被覆材全体としてはセラミック繊維
使用品と同等の耐火性能の達成を可能にしている。
維として用いた耐熱性ガラス繊維は本考案者らが発明し
た新規ガラス繊維であって、セラミック繊維ほど高度の
耐熱性を有するわけではないが、実用上の耐熱限界温度
がEガラス繊維のそれよりも著しく高い。たとえば、E
ガラス繊維からなるマットは約700℃を超える温度で
は繊維の熱変形により急速に収縮して密度の高い塊にな
り、耐火被覆材としての機能を果たさなくなるが、この
新規耐熱性ガラス繊維からなるものは、少なくとも90
0℃で30分間の加熱に耐え、1050℃・30分間の
加熱に耐えるものさえある。したがって、上述のような
積層構造の耐火被覆材の表面層構成材料としては十分な
耐熱性を示し、耐火被覆材全体としてはセラミック繊維
使用品と同等の耐火性能の達成を可能にしている。
【0009】この特殊ガラス繊維の主要構成成分のおよ
その含有率を表層部と繊維全体について示すと次のよう
になる。参考値として一般的なEガラス繊維の組成を併
せて示す。 繊維表層部 繊維全体の平均値 Eガラス繊維 SiO2(%) 80以上 50〜65 50〜63 Al2O3(%) 少量 10〜16 12〜16 B2O3(%) 少量 2〜12 8〜13 CaO+MgO(%) 少量 14〜21 15〜20 Na2O+K2O(%) 微量 微量 微量
その含有率を表層部と繊維全体について示すと次のよう
になる。参考値として一般的なEガラス繊維の組成を併
せて示す。 繊維表層部 繊維全体の平均値 Eガラス繊維 SiO2(%) 80以上 50〜65 50〜63 Al2O3(%) 少量 10〜16 12〜16 B2O3(%) 少量 2〜12 8〜13 CaO+MgO(%) 少量 14〜21 15〜20 Na2O+K2O(%) 微量 微量 微量
【0010】このガラス繊維は、耐熱性が上述のように
従来のガラス繊維の水準を超えるものであるが、耐熱性
以外の物性および化学的性質においては、繊維全体の平
均的なガラス組成から期待されるとおり、Eガラス繊維
と同等のものである。したがって、フェルト化や積層の
過程で折れたり粉塵化したりすることはなく、加工は容
易である。
従来のガラス繊維の水準を超えるものであるが、耐熱性
以外の物性および化学的性質においては、繊維全体の平
均的なガラス組成から期待されるとおり、Eガラス繊維
と同等のものである。したがって、フェルト化や積層の
過程で折れたり粉塵化したりすることはなく、加工は容
易である。
【0011】本考案で使用する上記ガラス繊維(以下、
耐熱性ガラス繊維という)は、Eガラス繊維を酸の水溶
液中に適当時間浸漬して繊維表面付近にあるアルカリ土
類金属、アルカリ金属、アルミナ、酸化ホウ素等、シリ
カ以外の成分を溶出させたのち、水洗し加熱乾燥するだ
けで容易に製造することができる。すなわち、原料繊維
を構成するEガラスはきわめて緻密であって酸を浸透さ
せないため、酸によるガラス成分の溶出は繊維表面から
しか起こらず、一部成分が溶出して表層部の組織がルー
ズになることにより初めてその内側への酸の浸透が可能
になるから、酸処理によりごく薄い高シリカ質表面層が
形成され、内部は実質的にもとのEガラスのまま残るの
である。
耐熱性ガラス繊維という)は、Eガラス繊維を酸の水溶
液中に適当時間浸漬して繊維表面付近にあるアルカリ土
類金属、アルカリ金属、アルミナ、酸化ホウ素等、シリ
カ以外の成分を溶出させたのち、水洗し加熱乾燥するだ
けで容易に製造することができる。すなわち、原料繊維
を構成するEガラスはきわめて緻密であって酸を浸透さ
せないため、酸によるガラス成分の溶出は繊維表面から
しか起こらず、一部成分が溶出して表層部の組織がルー
ズになることにより初めてその内側への酸の浸透が可能
になるから、酸処理によりごく薄い高シリカ質表面層が
形成され、内部は実質的にもとのEガラスのまま残るの
である。
【0012】酸処理に使用する酸としては、塩酸が最も
適しており、次いで硝酸が適する。酸処理における繊維
成分の溶出速度は、用いる酸の濃度、処理温度、撹拌の
有無もしくは程度等により異なるので、好適処理時間は
実験的に決定する必要があるが、濃度約9〜12%、温
度約40〜70℃の塩酸を使用する場合、約30分〜数
時間の浸漬処理を行なえばよい。耐熱性無機繊維フェル
ト層を構成する繊維が耐熱性ガラス繊維であることを除
けば、本考案の耐火被覆材は実公平3−10241号の
耐火被覆材と同様にして製造し且つ同様にして使用する
ことができる。
適しており、次いで硝酸が適する。酸処理における繊維
成分の溶出速度は、用いる酸の濃度、処理温度、撹拌の
有無もしくは程度等により異なるので、好適処理時間は
実験的に決定する必要があるが、濃度約9〜12%、温
度約40〜70℃の塩酸を使用する場合、約30分〜数
時間の浸漬処理を行なえばよい。耐熱性無機繊維フェル
ト層を構成する繊維が耐熱性ガラス繊維であることを除
けば、本考案の耐火被覆材は実公平3−10241号の
耐火被覆材と同様にして製造し且つ同様にして使用する
ことができる。
【0013】すなわち、耐熱性ガラス繊維は無機繊維フ
ェルト製造の常法により厚さ約5〜30mmのフェルトと
する。原料繊維は、長繊維でも短繊維でもよい。その場
合、要求される耐火性能を達成可能な範囲で、通常ガラ
ス繊維(言うまでもなく、その中でも耐熱性のよいもの
が好ましい)を混合して使用することができる。ロック
ウールまたはグラスウールからなるフェルト状基材も、
常法により製造された厚さ約20〜80mmのものを使用
する。金網としては、ひし形金網、亀甲金網などを使用
することができる。
ェルト製造の常法により厚さ約5〜30mmのフェルトと
する。原料繊維は、長繊維でも短繊維でもよい。その場
合、要求される耐火性能を達成可能な範囲で、通常ガラ
ス繊維(言うまでもなく、その中でも耐熱性のよいもの
が好ましい)を混合して使用することができる。ロック
ウールまたはグラスウールからなるフェルト状基材も、
常法により製造された厚さ約20〜80mmのものを使用
する。金網としては、ひし形金網、亀甲金網などを使用
することができる。
【0014】上記各層構成材料は、ロックウールまたは
グラスウールからなるフェルト状基材、耐熱性ガラス繊
維フェルト、金網の順に重ね合わせるが、上部2層は、
使用時に隣接する被覆材に突き付けることになる端部の
一方から10〜100mm程度突き出させて、耳部を形成
させる。重ね合わせた3種の材料は金属線材で縫合して
一体化させるが、最上層の網状物は、耳部となる部分お
よびその耳部形成端と反対側の端部(別の耐火被覆材が
突き付けられる端部)の近傍においては、耐熱性ガラス
繊維フェルト層と一体化させなくてもよい。
グラスウールからなるフェルト状基材、耐熱性ガラス繊
維フェルト、金網の順に重ね合わせるが、上部2層は、
使用時に隣接する被覆材に突き付けることになる端部の
一方から10〜100mm程度突き出させて、耳部を形成
させる。重ね合わせた3種の材料は金属線材で縫合して
一体化させるが、最上層の網状物は、耳部となる部分お
よびその耳部形成端と反対側の端部(別の耐火被覆材が
突き付けられる端部)の近傍においては、耐熱性ガラス
繊維フェルト層と一体化させなくてもよい。
【0015】この耐火被覆材を鉄骨表面に取り付けると
きは、基材層を鉄骨側にして、接着剤、溶接ピン、爪立
て金具、クリップ等、任意の固定手段で固定する。耐火
被覆材同士の突き付け目地部は、隣接する耐火被覆材を
隙間なく突き付けた後、一方の被覆材の耳部で他方の被
覆材の端部近傍を覆う。耳部およびその耳部形成端と反
対側の端部の近傍において耐熱性ガラス繊維フェルト層
と金網層とが一体化されていない場合は、耳部の耐熱性
ガラス繊維フェルトを他方の被覆材の金網の下に挿入
し、耳部金網は相手方金網の上に被せる(後記図2の例
参照)。これにより、火災時に加熱された耐火被覆材構
成繊維が収縮しても、目地部が直ちに大きく開いて鉄骨
を火炎にさらす恐れがなくなる。
きは、基材層を鉄骨側にして、接着剤、溶接ピン、爪立
て金具、クリップ等、任意の固定手段で固定する。耐火
被覆材同士の突き付け目地部は、隣接する耐火被覆材を
隙間なく突き付けた後、一方の被覆材の耳部で他方の被
覆材の端部近傍を覆う。耳部およびその耳部形成端と反
対側の端部の近傍において耐熱性ガラス繊維フェルト層
と金網層とが一体化されていない場合は、耳部の耐熱性
ガラス繊維フェルトを他方の被覆材の金網の下に挿入
し、耳部金網は相手方金網の上に被せる(後記図2の例
参照)。これにより、火災時に加熱された耐火被覆材構
成繊維が収縮しても、目地部が直ちに大きく開いて鉄骨
を火炎にさらす恐れがなくなる。
【0016】
【実施例】市販のEガラス繊維(径9μm)を塩酸の9
%水溶液に浸漬し、40℃に加熱して12時間処理する
ことにより、繊維全体の平均的な組成はSiO2 55.2
%、Al2O3 15.3%、CaO+MgO 21.3%、B2
O3 8.2%であってEガラス繊維に酷似する組成であ
るが表層部のSiO2含有率が91.5%である、耐熱性
ガラス繊維を製造した。
%水溶液に浸漬し、40℃に加熱して12時間処理する
ことにより、繊維全体の平均的な組成はSiO2 55.2
%、Al2O3 15.3%、CaO+MgO 21.3%、B2
O3 8.2%であってEガラス繊維に酷似する組成であ
るが表層部のSiO2含有率が91.5%である、耐熱性
ガラス繊維を製造した。
【0017】上記耐熱性ガラス繊維とEガラス繊維の
7:3(重量比)の混合物から厚さ6mmのフェルトを製
造した。得られた耐熱性ガラス繊維フェルトを用いて、
図1の耐火被覆材を製造した。すなわち、耐熱性ガラス
繊維フェルト1を基材2(厚さ30mmのロックウールフ
ェルト)に重ね、さらにその上に亀甲金網3を重ねて金
属線材4で縫合することにより、全体を一体化した。な
お、耐熱性ガラス繊維フェルト1と金網3は、使用時に
隣接する被覆材が突き付けられる端部の一方5aから5
0mm突き出させて耳部6を形成させ、この部分は、耐熱
性ガラス繊維フェルト1と金網3は縫合しなかった。耳
部設置端5aの反対側の端部5bから約50mmの領域7
も、耐熱性ガラス繊維フェルト1と金網3は縫合しなか
った。
7:3(重量比)の混合物から厚さ6mmのフェルトを製
造した。得られた耐熱性ガラス繊維フェルトを用いて、
図1の耐火被覆材を製造した。すなわち、耐熱性ガラス
繊維フェルト1を基材2(厚さ30mmのロックウールフ
ェルト)に重ね、さらにその上に亀甲金網3を重ねて金
属線材4で縫合することにより、全体を一体化した。な
お、耐熱性ガラス繊維フェルト1と金網3は、使用時に
隣接する被覆材が突き付けられる端部の一方5aから5
0mm突き出させて耳部6を形成させ、この部分は、耐熱
性ガラス繊維フェルト1と金網3は縫合しなかった。耳
部設置端5aの反対側の端部5bから約50mmの領域7
も、耐熱性ガラス繊維フェルト1と金網3は縫合しなか
った。
【0018】図2に示したように、この耐火被覆材8
は、鉄骨9の表面に溶接ピン10で固定したとき、隣接
する耐火被覆材8′の端部領域7′を耳部6で覆って突
き付け目地部11を隠蔽し、隙間のない、また基材2や
耐熱性ガラス繊維フェルト1の多少の収縮があっても目
地部11が開いて鉄骨9が露出する恐れのない、完全な
被覆を形成することが可能である。このとき、耐火被覆
材8′側の端部領域7′上の金網3′は一旦ひき剥がさ
れ、該金網3′と耐熱性ガラス繊維フェルト1′との間
に耐火被覆材8の耳部耐熱性ガラス繊維フェルト1が挿
入され、金網3′上に耐火被覆材8の耳部金網3が被せ
られ、重なり合った耳部6と端部領域7′は最後に溶接
ピン10を貫通させることにより連結される。
は、鉄骨9の表面に溶接ピン10で固定したとき、隣接
する耐火被覆材8′の端部領域7′を耳部6で覆って突
き付け目地部11を隠蔽し、隙間のない、また基材2や
耐熱性ガラス繊維フェルト1の多少の収縮があっても目
地部11が開いて鉄骨9が露出する恐れのない、完全な
被覆を形成することが可能である。このとき、耐火被覆
材8′側の端部領域7′上の金網3′は一旦ひき剥がさ
れ、該金網3′と耐熱性ガラス繊維フェルト1′との間
に耐火被覆材8の耳部耐熱性ガラス繊維フェルト1が挿
入され、金網3′上に耐火被覆材8の耳部金網3が被せ
られ、重なり合った耳部6と端部領域7′は最後に溶接
ピン10を貫通させることにより連結される。
【0019】また、上記耐火被覆材について、JIS
A1304「建築構造部分の耐火試験方法」に基づく梁
の耐火1時間加熱試験を行なった結果、平均温度305
℃、最高温度328℃で、基準値(平均温度350℃以
下、最高温度450℃以下)を満足し、良好な耐火性能
を示した。また、ガラス繊維フェルト層の表面に溶融等
の変化は全く認められず、セラミック繊維に近い優れた
耐熱性を示した。
A1304「建築構造部分の耐火試験方法」に基づく梁
の耐火1時間加熱試験を行なった結果、平均温度305
℃、最高温度328℃で、基準値(平均温度350℃以
下、最高温度450℃以下)を満足し、良好な耐火性能
を示した。また、ガラス繊維フェルト層の表面に溶融等
の変化は全く認められず、セラミック繊維に近い優れた
耐熱性を示した。
【0020】
【考案の効果】上述のように、本考案の耐火被覆材は基
材フェルトを耐熱性ガラス繊維のフェルトで覆い、且つ
突き付け端部に耳部を設けて目地を完全に隠蔽するよう
にしたものであるから、最小限度の耐熱性ガラス繊維使
用量で、セラミック繊維使用品とほぼ同等の耐火性能を
発揮する。耐熱性ガラス繊維はEガラス繊維から容易に
製造することができてセラミック繊維よりも安価であ
り、またセラミック繊維よりも加工性に優れ、粉塵飛散
による環境への悪影響も心配がないなど、耐火被覆材構
成材料としてはセラミック繊維よりも多くの有利な性質
を持つから、本考案の耐火被覆材は鉄骨建築の耐火被覆
工事におけるコスト削減と安全性向上に大きな貢献をす
るものである。
材フェルトを耐熱性ガラス繊維のフェルトで覆い、且つ
突き付け端部に耳部を設けて目地を完全に隠蔽するよう
にしたものであるから、最小限度の耐熱性ガラス繊維使
用量で、セラミック繊維使用品とほぼ同等の耐火性能を
発揮する。耐熱性ガラス繊維はEガラス繊維から容易に
製造することができてセラミック繊維よりも安価であ
り、またセラミック繊維よりも加工性に優れ、粉塵飛散
による環境への悪影響も心配がないなど、耐火被覆材構
成材料としてはセラミック繊維よりも多くの有利な性質
を持つから、本考案の耐火被覆材は鉄骨建築の耐火被覆
工事におけるコスト削減と安全性向上に大きな貢献をす
るものである。
【図1】 本考案実施例を示す断面図。
【図2】 図1の実施例の使用状態を示す断面図。
1:耐熱性ガラス繊維フェルト 2:基材(ロックウールフェルト) 3:金網 4:金属線材 6:耳部 8:耐火被覆材 9:鉄骨 10:溶接ピン 11:目地部
Claims (1)
- 【請求項1】 ロックウールまたはグラスウールからな
るフェルト状基材の片面に耐熱性無機繊維フェルトおよ
び金網が順次積層され且つ上記耐熱性無機繊維フェルト
層および金網層が積層物の端部の一つから一定の幅で突
出している鉄骨の耐火被覆材において、上記耐熱性無機
繊維フェルトを構成する耐熱性無機繊維の少なくとも一
部が、繊維全体としてはSiO 2 50〜65重量%、Al
2 O 3 10〜16重量%、B 2 O 3 2〜12重量%、Ca
O+MgO 14〜21重量%のガラス組成を有するが表
層部はSiO2含有率が80重量%以上のシリカ質ガラス
からなる耐熱性ガラス繊維であることを特徴とする鉄骨
の耐火被覆材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11047691U JPH0754410Y2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 鉄骨の耐火被覆材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11047691U JPH0754410Y2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 鉄骨の耐火被覆材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0552016U JPH0552016U (ja) | 1993-07-09 |
JPH0754410Y2 true JPH0754410Y2 (ja) | 1995-12-18 |
Family
ID=14536683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11047691U Expired - Lifetime JPH0754410Y2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 鉄骨の耐火被覆材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0754410Y2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2008031800A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Sekisui Chem Co Ltd | ダクト |
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-
1991
- 1991-12-18 JP JP11047691U patent/JPH0754410Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0552016U (ja) | 1993-07-09 |
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