JPH0754337Y2 - 動揺止係船装置 - Google Patents
動揺止係船装置Info
- Publication number
- JPH0754337Y2 JPH0754337Y2 JP8321989U JP8321989U JPH0754337Y2 JP H0754337 Y2 JPH0754337 Y2 JP H0754337Y2 JP 8321989 U JP8321989 U JP 8321989U JP 8321989 U JP8321989 U JP 8321989U JP H0754337 Y2 JPH0754337 Y2 JP H0754337Y2
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- Japan
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- ship
- mooring
- sway
- mooring device
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Description
【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、船舶−とくに小型・軽量の船舶−を岸壁に
係留し、その動揺を防止する動揺止係船装置に関するも
のである。
係留し、その動揺を防止する動揺止係船装置に関するも
のである。
[従来の技術] 船舶の係留は、従来、船から繰り出したロープを岸壁の
係船ビットにつなぎ止める方法により行われている。こ
のロープで船の離岸(および岸壁に沿う移動)を防止す
る一方、船と岸壁との間に防舷材を設けることにより接
岸時の衝撃を抑えている。
係船ビットにつなぎ止める方法により行われている。こ
のロープで船の離岸(および岸壁に沿う移動)を防止す
る一方、船と岸壁との間に防舷材を設けることにより接
岸時の衝撃を抑えている。
また最近では、実開昭63−107294号公報に、上記のロー
プに代えて、油圧シリンダで伸長させられる金具を使用
する係船装置が開示されている。
プに代えて、油圧シリンダで伸長させられる金具を使用
する係船装置が開示されている。
[考案が解決しようとする課題] 上記公報の例を含めて、従来の係船方法は、いずれも船
の水平方向の移動防止を目的とするものであり、係留位
置での船の動揺(つまり上下揺れ・縦揺れ・横揺れな
ど)を抑制するものではなかった。通常の気象条件下に
おける港内での船の動揺は一般的にはごく小さく、自由
運動として許容できる範囲にあるからである。
の水平方向の移動防止を目的とするものであり、係留位
置での船の動揺(つまり上下揺れ・縦揺れ・横揺れな
ど)を抑制するものではなかった。通常の気象条件下に
おける港内での船の動揺は一般的にはごく小さく、自由
運動として許容できる範囲にあるからである。
ところが、近年になって運航量が増えてきた水中翼船な
ど、小型・軽量な船舶については、係留中、港内の風波
によってもかなりの動揺をきたす。乗客や積み荷の多い
船の場合には、その乗降・積み降ろしにともなう動揺も
小さくない。そのため、このような船舶が従来の係船装
置にて係留される場合、係留中に乗客が船酔いしたり、
乗降に不安感をもったりすることがある。
ど、小型・軽量な船舶については、係留中、港内の風波
によってもかなりの動揺をきたす。乗客や積み荷の多い
船の場合には、その乗降・積み降ろしにともなう動揺も
小さくない。そのため、このような船舶が従来の係船装
置にて係留される場合、係留中に乗客が船酔いしたり、
乗降に不安感をもったりすることがある。
この考案の目的は、係留中の船舶の動揺を抑制すること
により、小型・軽量な係留船に対しても、乗船中および
乗降時の船酔い・不安感などの不都合を解消する動揺止
係船装置を提供することである。
により、小型・軽量な係留船に対しても、乗船中および
乗降時の船酔い・不安感などの不都合を解消する動揺止
係船装置を提供することである。
[課題を解決するための手段] この考案の動揺止係船装置は、係留岸壁に上下動可能に
設けられて船体側部を回転自在につかむ支持手段と、上
記支持手段の高さ調整手段と、その支持手段の上下動に
一定限度内の制動力を与える制動手段とを備えたもので
ある。
設けられて船体側部を回転自在につかむ支持手段と、上
記支持手段の高さ調整手段と、その支持手段の上下動に
一定限度内の制動力を与える制動手段とを備えたもので
ある。
[作用] この考案の動揺止係船装置では、係留岸壁に上下動可能
に設けられた支持手段が、高さ調整手段により船体の静
止位置に合わせて高さ調整されたうえその側部の被支持
点をつかみ、その状態で制動手段による制動力を受け
る。すなわち、この係船装置にて係留される船は、側部
が上記支持手段につかまれ、その点の上下方向の運動が
規制される。このため、その付近の変位がきわめて軽微
になるほか、被支持点と係船装置の位置や数を適当に定
めることにより、船体の動揺の周期が長くなりストロー
クも小さくなる。
に設けられた支持手段が、高さ調整手段により船体の静
止位置に合わせて高さ調整されたうえその側部の被支持
点をつかみ、その状態で制動手段による制動力を受け
る。すなわち、この係船装置にて係留される船は、側部
が上記支持手段につかまれ、その点の上下方向の運動が
規制される。このため、その付近の変位がきわめて軽微
になるほか、被支持点と係船装置の位置や数を適当に定
めることにより、船体の動揺の周期が長くなりストロー
クも小さくなる。
上記の支持手段は船体側部を回転可能(横揺れ方向)に
つかむものとし、制動手段による制動力も一定限度内に
制限している。これは、仮に、支持手段が被支持点を非
回転(固定)式につかんだり、制動手段が支持手段の上
下動を完全に止めたりして船体への拘束度を大きくする
と、港内風波が激しいときなど、きわめて大きなモーメ
ント等が被支持点に作用し、船体自身の損傷する恐れが
生じるからである。つまり、船体側部の被支持点に対
し、横断面(鉛直面)内でのモーメントを作用させず、
かつ上下動に対する制動力を適度に制限することによっ
て、船体の損傷を避けるのである。
つかむものとし、制動手段による制動力も一定限度内に
制限している。これは、仮に、支持手段が被支持点を非
回転(固定)式につかんだり、制動手段が支持手段の上
下動を完全に止めたりして船体への拘束度を大きくする
と、港内風波が激しいときなど、きわめて大きなモーメ
ント等が被支持点に作用し、船体自身の損傷する恐れが
生じるからである。つまり、船体側部の被支持点に対
し、横断面(鉛直面)内でのモーメントを作用させず、
かつ上下動に対する制動力を適度に制限することによっ
て、船体の損傷を避けるのである。
[実施例] 第1図および第2図はこの考案の一実施例に関するもの
で、第1図は船と動揺止係船装置の正面図(係留中の
図)に油圧回路の一部を付記した図、第2図は船および
動揺止係船装置の一部を斜視して示した図(係留直前の
図)である。第1図のように船1は、船体前部および後
部に、ストラット1b・1dを介して全没型水中翼1cおよび
1eを備える水中翼船である。
で、第1図は船と動揺止係船装置の正面図(係留中の
図)に油圧回路の一部を付記した図、第2図は船および
動揺止係船装置の一部を斜視して示した図(係留直前の
図)である。第1図のように船1は、船体前部および後
部に、ストラット1b・1dを介して全没型水中翼1cおよび
1eを備える水中翼船である。
この実施例では、船1が比較的軽量なうえ旅客の乗降が
多いことから、係留中の動揺を抑制する目的で、単なる
係船ロープに代えて図示の動揺止係船装置2を用いるこ
とにより船1を係留している。係船装置2は、岸壁上で
船1の舷側に沿う前後2カ所に設置され、それぞれか船
1の前部または後部の舷側を拘束するものである。な
お、図のように直接この係船装置2が拘束している船1
上の被支持点1aはラブストレイキと呼ばれ、通常の係留
時には岸壁の防舷材に接触する丸棒状の部分である。
多いことから、係留中の動揺を抑制する目的で、単なる
係船ロープに代えて図示の動揺止係船装置2を用いるこ
とにより船1を係留している。係船装置2は、岸壁上で
船1の舷側に沿う前後2カ所に設置され、それぞれか船
1の前部または後部の舷側を拘束するものである。な
お、図のように直接この係船装置2が拘束している船1
上の被支持点1aはラブストレイキと呼ばれ、通常の係留
時には岸壁の防舷材に接触する丸棒状の部分である。
係船装置2は、つぎの三つの部分より構成している。す
なわち、船1の被支持点1aを直接つかむ支持ブロック11
を含む支持手段10、同ブロック11に連結された油圧シリ
ンダ21などからなる高さ調整手段20、さらに、そのシリ
ンダ21の伸縮に制動力を与えるための油圧回路である制
動手段30−の三部分である。これらのうち高さ調整手段
20は、潮の干満などに基づく船位(被支持点1aの高さ)
にブロック11の高さを合わせるためのもの、また制動手
段30は、被支持点1aをつかんだ状態のブロック11に、そ
の上下動に反する適度な制動力を与えるものである。以
下、各部分の構成および機能について詳しく説明する。
なわち、船1の被支持点1aを直接つかむ支持ブロック11
を含む支持手段10、同ブロック11に連結された油圧シリ
ンダ21などからなる高さ調整手段20、さらに、そのシリ
ンダ21の伸縮に制動力を与えるための油圧回路である制
動手段30−の三部分である。これらのうち高さ調整手段
20は、潮の干満などに基づく船位(被支持点1aの高さ)
にブロック11の高さを合わせるためのもの、また制動手
段30は、被支持点1aをつかんだ状態のブロック11に、そ
の上下動に反する適度な制動力を与えるものである。以
下、各部分の構成および機能について詳しく説明する。
a)支持手段10: 支持ブロック11のほか、そのガイドフレーム12、牽引用
のワイヤ13およびウィンチ14を主要部分とする。
のワイヤ13およびウィンチ14を主要部分とする。
支持ブロック11は、外側面(つまり海寄りの部分)をV
字状に形成して上記の被支持点1aが中央部に入り込める
形状とし、また入り込んだ被支持点1aを拘束する目的
で、第2図のように、上部に2本の油圧シリンダ11b
(油圧回路・配管の図示は省略)を垂設するとともに、
そのロッド端に接続したピン状金具11cを下部の挿通孔1
1dに挿脱可能にした。なお第2図において、11aはブロ
ック11に張り付けた緩衝材、11eはワイヤ13(後述)の
挿通孔、また11fはシャックル13a(後述)を収容する凹
部である。そして支持ブロック11の背面には、回転自在
な車輪11gを上下に向けて4つ取り付けている。
字状に形成して上記の被支持点1aが中央部に入り込める
形状とし、また入り込んだ被支持点1aを拘束する目的
で、第2図のように、上部に2本の油圧シリンダ11b
(油圧回路・配管の図示は省略)を垂設するとともに、
そのロッド端に接続したピン状金具11cを下部の挿通孔1
1dに挿脱可能にした。なお第2図において、11aはブロ
ック11に張り付けた緩衝材、11eはワイヤ13(後述)の
挿通孔、また11fはシャックル13a(後述)を収容する凹
部である。そして支持ブロック11の背面には、回転自在
な車輪11gを上下に向けて4つ取り付けている。
ガイドフレーム12は、第2図のとおり岸壁に対し鉛直に
固設した2本のチャンネル状の縦枠12aと、その上端に
固定した水平板12bとからなる。この縦枠12aの枠内に上
記の車輪11gを納めたので、支持ブロック11はこのフレ
ーム12により上下動を安定されるとともに、それ以外の
方向への移動が止められている。
固設した2本のチャンネル状の縦枠12aと、その上端に
固定した水平板12bとからなる。この縦枠12aの枠内に上
記の車輪11gを納めたので、支持ブロック11はこのフレ
ーム12により上下動を安定されるとともに、それ以外の
方向への移動が止められている。
ワイヤ13は、第2図のようにブロック11の挿通孔11eに
通したうえ、端部にシャックル13aを接続する一方、他
端(基部)側をウィンチ14に巻き付けた。ワイヤ13およ
びウィンチ14の目的は、岸壁に接近した船1をブロック
11に当接するまで引き寄せることである。なお、図の13
bはワイヤ13の経路として岸壁に設けたピット、14aはウ
ィンチ14に付設した補助滑車である。
通したうえ、端部にシャックル13aを接続する一方、他
端(基部)側をウィンチ14に巻き付けた。ワイヤ13およ
びウィンチ14の目的は、岸壁に接近した船1をブロック
11に当接するまで引き寄せることである。なお、図の13
bはワイヤ13の経路として岸壁に設けたピット、14aはウ
ィンチ14に付設した補助滑車である。
b)高さ調整手段20: 上記の支持ブロック11に接続した油圧シリンダ21と、そ
れを伸縮させるための切換弁22および油圧ポンプ23を備
える油圧回路とによって構成している。
れを伸縮させるための切換弁22および油圧ポンプ23を備
える油圧回路とによって構成している。
油圧シリンダ21は、第2図のようにフレーム12の水平板
12b上に本体を鉛直に固定し、その伸縮ロッド21aを、水
平板12bを通してブロック11の上端部に接続した。ロッ
ド21aが伸縮することにより、ブロック11はフレーム12
に案内されながら上下動するので、潮の干満などに拘わ
らず、それを船1の被支持点1aの静止高さに合わせられ
る。
12b上に本体を鉛直に固定し、その伸縮ロッド21aを、水
平板12bを通してブロック11の上端部に接続した。ロッ
ド21aが伸縮することにより、ブロック11はフレーム12
に案内されながら上下動するので、潮の干満などに拘わ
らず、それを船1の被支持点1aの静止高さに合わせられ
る。
切換弁22は、ポンプ23からの作動油の供給路を切り換え
てシリンダ21を伸長または収縮させるもので、第1図の
ように3位置型を使用し、船1の舷側やブロック11を見
やすい位置から操作できるようにした。
てシリンダ21を伸長または収縮させるもので、第1図の
ように3位置型を使用し、船1の舷側やブロック11を見
やすい位置から操作できるようにした。
c)制動手段30: 油圧シリンダ21の圧力が一定値を超えたとき作動油の一
部を逃がすための油圧回路として、第1図のように2個
のリリーフ弁31と2個のチェック弁32、アキュムレータ
33、油圧ポンプ34を備えた部分である。
部を逃がすための油圧回路として、第1図のように2個
のリリーフ弁31と2個のチェック弁32、アキュムレータ
33、油圧ポンプ34を備えた部分である。
上記の切換弁22を図のとおり全閉位置にしたとき、圧力
がリリーフ弁31の設定圧(リリーフ圧)を超えないうち
は、そのリリーフ弁31とチェック弁32の作用でシリンダ
21の伸縮が停止されるが、もし圧力が上記設定圧を超え
ると、高圧側の作動油がリリーフ弁31からリリースされ
るとともに、ポンプ34で蓄圧されたアキュムレータ33か
ら低圧側へ作動油が補給され、設定圧以下に圧力降下す
るまでシリンダ21が伸縮変位する。つまりこの回路(制
動手段30)は、シリンダ21の伸縮すなわちブロック11の
上下動に対し、一定限度内で制動力をはたらかす。な
お、切換弁22が全閉位置でないとき、つまりシリンダ21
を伸縮させて支持ブロック11の高さ調整をする間につい
ては、ブロック11が単体で(船1をつかんでいない状態
で)上下動し、圧力上昇がほとんどないことから、一般
に上記のようにリリーフ弁31の作動することはない。
がリリーフ弁31の設定圧(リリーフ圧)を超えないうち
は、そのリリーフ弁31とチェック弁32の作用でシリンダ
21の伸縮が停止されるが、もし圧力が上記設定圧を超え
ると、高圧側の作動油がリリーフ弁31からリリースされ
るとともに、ポンプ34で蓄圧されたアキュムレータ33か
ら低圧側へ作動油が補給され、設定圧以下に圧力降下す
るまでシリンダ21が伸縮変位する。つまりこの回路(制
動手段30)は、シリンダ21の伸縮すなわちブロック11の
上下動に対し、一定限度内で制動力をはたらかす。な
お、切換弁22が全閉位置でないとき、つまりシリンダ21
を伸縮させて支持ブロック11の高さ調整をする間につい
ては、ブロック11が単体で(船1をつかんでいない状態
で)上下動し、圧力上昇がほとんどないことから、一般
に上記のようにリリーフ弁31の作動することはない。
以上のa)・b)・c)に述べた構成を有するこの動揺
止係船装置2に船1を係留するための操作は、つぎの通
りである。
止係船装置2に船1を係留するための操作は、つぎの通
りである。
入港した船1に対し岸壁からワイヤ13(の先)を投
げ、船1の乗員に、その端部のシャックル13aを舷側の
被支持点1a脇の係止孔1a′に掛けさせる(第2図はこの
状態を示す)。
げ、船1の乗員に、その端部のシャックル13aを舷側の
被支持点1a脇の係止孔1a′に掛けさせる(第2図はこの
状態を示す)。
岸壁では、ウィンチ14を起動しワイヤ13を巻いて船1
を引き寄せながら、高さ調整手段20のポンプ23と切換弁
22とを使って油圧シリンダ21を伸縮させ、支持ブロック
11を船1の被支持点1aの静止高さに一致させる。
を引き寄せながら、高さ調整手段20のポンプ23と切換弁
22とを使って油圧シリンダ21を伸縮させ、支持ブロック
11を船1の被支持点1aの静止高さに一致させる。
被支持点1aがブロック11の中央部に入り込むとシリン
ダ11bを伸ばし、その先端の金具11cを上記係止孔1a′の
両側の係止孔1a″に通したうえブロック11の挿通孔11d
に嵌めて、被支持点1a(ラブストレイキ)をつかむ。こ
れによりワイヤ13の牽引力は不要になるので、ウィンチ
14はアイドル状態にする。
ダ11bを伸ばし、その先端の金具11cを上記係止孔1a′の
両側の係止孔1a″に通したうえブロック11の挿通孔11d
に嵌めて、被支持点1a(ラブストレイキ)をつかむ。こ
れによりワイヤ13の牽引力は不要になるので、ウィンチ
14はアイドル状態にする。
上記が終わると、切換弁22を全閉位置に切り換え
る。これにより、制動手段30の作用で、上述のようにブ
ロック11の上下動に制動力が与えられる。第1図は、こ
うしたまでの操作が完了した状態を表わしている。な
お〜は、船1の前後の被支持点1aに対し、2台の係
船装置2のそれぞれによって同様に行う。
る。これにより、制動手段30の作用で、上述のようにブ
ロック11の上下動に制動力が与えられる。第1図は、こ
うしたまでの操作が完了した状態を表わしている。な
お〜は、船1の前後の被支持点1aに対し、2台の係
船装置2のそれぞれによって同様に行う。
以上により船1は、舷側における被支持点1aが支持ブロ
ック11に拘束されて上下運動が抑制されることになる。
被支持点1aが舷側の前後2カ所にあるので、船1の縦揺
れはとくに顕著に軽減される。また、横揺れその他の動
揺に関しても、船1の片舷が上下に拘束されるだけで動
揺周期が長くなりストロークも小さくなることから、係
留中に乗客(および乗員)が感じる揺れ強さは、かなり
軽減される。
ック11に拘束されて上下運動が抑制されることになる。
被支持点1aが舷側の前後2カ所にあるので、船1の縦揺
れはとくに顕著に軽減される。また、横揺れその他の動
揺に関しても、船1の片舷が上下に拘束されるだけで動
揺周期が長くなりストロークも小さくなることから、係
留中に乗客(および乗員)が感じる揺れ強さは、かなり
軽減される。
ところで、支持ブロック11が船1の被支持点1aをつかん
でいる状態は、船体に直角な鉛直面内における被支持点
1aの自在な回転を許容するものであるが、このようにし
たのは船1の損傷を防止するためである。船1の動揺
(とくに横揺れ)を抑える観点からは、支持ブロック11
が被支持点1aを非回転式につかむのがよいが、その場合
は、拘束力が大きくなりすぎて船1(とくに被支持点1a
付近)が損傷する可能性がある。また、シリンダ21によ
る制動力の強さについても、それが強いほど船1の動揺
抑制には効果があるが、強すぎると上記と同様の問題が
生じるので、シリンダ21の断面寸法やリリーフ弁31の設
定圧は、船1(とくに係止点1a付近)自体の強度や動揺
力の大きさなどを考慮して設定している。
でいる状態は、船体に直角な鉛直面内における被支持点
1aの自在な回転を許容するものであるが、このようにし
たのは船1の損傷を防止するためである。船1の動揺
(とくに横揺れ)を抑える観点からは、支持ブロック11
が被支持点1aを非回転式につかむのがよいが、その場合
は、拘束力が大きくなりすぎて船1(とくに被支持点1a
付近)が損傷する可能性がある。また、シリンダ21によ
る制動力の強さについても、それが強いほど船1の動揺
抑制には効果があるが、強すぎると上記と同様の問題が
生じるので、シリンダ21の断面寸法やリリーフ弁31の設
定圧は、船1(とくに係止点1a付近)自体の強度や動揺
力の大きさなどを考慮して設定している。
なお、船1が出港する際は、シリンダ11bを縮めて金具1
1cを上げ、被支持点1aに対する拘束を解いたうえ、船上
でシャックル13aを外して岸壁へ投げ返しておく。
1cを上げ、被支持点1aに対する拘束を解いたうえ、船上
でシャックル13aを外して岸壁へ投げ返しておく。
ところで、言うまでもなく、この考案の動揺止係船装置
は以上の実施例に限定されるものではない。そこで、本
考案の他の実施態様について、各部分ごとに下記に紹介
する。
は以上の実施例に限定されるものではない。そこで、本
考案の他の実施態様について、各部分ごとに下記に紹介
する。
支持手段:1)船体の被支持点1aをつかむために、油圧
シリンダ(第2図の符号11b)などの駆動源を備えるも
のでなくてもよい。例えば第3図のように、支持ブロッ
ク16に対し、軸16bと一体の円弧状ピン16cを操作レバー
16dにより回動できるよう取り付け、船体の被支持点1a
が凹部16aに入ったのち、このレバー16dを手動操作し、
ピン16cを挿通孔16eに嵌入して被支持点1aをつかむよう
に構成してもよい。
シリンダ(第2図の符号11b)などの駆動源を備えるも
のでなくてもよい。例えば第3図のように、支持ブロッ
ク16に対し、軸16bと一体の円弧状ピン16cを操作レバー
16dにより回動できるよう取り付け、船体の被支持点1a
が凹部16aに入ったのち、このレバー16dを手動操作し、
ピン16cを挿通孔16eに嵌入して被支持点1aをつかむよう
に構成してもよい。
2)この支持手段のうちにワイヤ(図の符号13)やウィ
ンチ(第1図の同14)など、船を引き寄せるための手段
を含むことは必ずしも不可欠ではない。入港した船を、
その側部の被支持点が支持手段の位置に来るまで移動す
るには、従来と同様の係船ロープを用いてもよく、また
操縦容易な小型船であれば自力でその所定位置まで移動
できるからである。
ンチ(第1図の同14)など、船を引き寄せるための手段
を含むことは必ずしも不可欠ではない。入港した船を、
その側部の被支持点が支持手段の位置に来るまで移動す
るには、従来と同様の係船ロープを用いてもよく、また
操縦容易な小型船であれば自力でその所定位置まで移動
できるからである。
3)支持手段のつかむ箇所がラブストレイキ以外の船体
側部であっても、作用・効果は同じである。例えば、船
体側部の前後向き水平軸上にこれと直角に回転自在な取
手を取り付け、この取手を専用の被支持点として使用す
れば、支持手段は、被支持点を回転式につかむ必要がな
くなって構造上の制約がなくなる。また特殊な例とし
て、支持手段を上下に二つ設け、船体側部の上下2カ所
の被支持点をそれらで拘束させることも可能である。こ
の場合、船体の鉛直面内での回転が許容されないので、
拘束力の過大化を避けるためには上下2カ所の被支持点
間のスパンを大きくとる必要がある。
側部であっても、作用・効果は同じである。例えば、船
体側部の前後向き水平軸上にこれと直角に回転自在な取
手を取り付け、この取手を専用の被支持点として使用す
れば、支持手段は、被支持点を回転式につかむ必要がな
くなって構造上の制約がなくなる。また特殊な例とし
て、支持手段を上下に二つ設け、船体側部の上下2カ所
の被支持点をそれらで拘束させることも可能である。こ
の場合、船体の鉛直面内での回転が許容されないので、
拘束力の過大化を避けるためには上下2カ所の被支持点
間のスパンを大きくとる必要がある。
高さ調整手段:1)やはり、油圧シリンダ(図の符号2
1)などを備えるものに限ることはない。支持手段を昇
降させるには、例えば、支持手段に鉛直なラックを取り
付け、それに噛み合うピニオンを岸壁上のモータで駆動
する方法、支持手段をチェーンやワイヤで吊って上げ下
げする方法、または支持手段にモータなどを搭載し、駆
動輪(例えばガイドラックに噛み合うピニオンをもつも
の)を回転させ自走させる方法などがある。ただし制動
手段の機能を生かすために、高さ調整したあと支持手段
の上下動を許容し得るよう、簡単な処置を施す必要があ
る。
1)などを備えるものに限ることはない。支持手段を昇
降させるには、例えば、支持手段に鉛直なラックを取り
付け、それに噛み合うピニオンを岸壁上のモータで駆動
する方法、支持手段をチェーンやワイヤで吊って上げ下
げする方法、または支持手段にモータなどを搭載し、駆
動輪(例えばガイドラックに噛み合うピニオンをもつも
の)を回転させ自走させる方法などがある。ただし制動
手段の機能を生かすために、高さ調整したあと支持手段
の上下動を許容し得るよう、簡単な処置を施す必要があ
る。
2)係船岸壁が、潮の干満に合わせて昇降するエレベー
タステージとして形成され、その上に動揺止係船装置が
設置されている場合は、高さ調整手段は、支持手段を直
接昇降させるものと、同ステージを昇降させる手段と
の、両者によって構成される。つまりその場合、支持手
段に直接連結される高さ調整手段については、ストロー
ク(高さ調整しろ)が短くてよい(上記ステージの昇降
のみで高さを調整するなら、ストロークがゼロでもよ
い)ことになる。
タステージとして形成され、その上に動揺止係船装置が
設置されている場合は、高さ調整手段は、支持手段を直
接昇降させるものと、同ステージを昇降させる手段と
の、両者によって構成される。つまりその場合、支持手
段に直接連結される高さ調整手段については、ストロー
ク(高さ調整しろ)が短くてよい(上記ステージの昇降
のみで高さを調整するなら、ストロークがゼロでもよ
い)ことになる。
制動手段:1)高さ調整手段として油圧シリンダ(図の
符号21)を備える場合でも、その伸縮に制動を加える油
圧回路は、第1図に示した回路に特定されるものではな
い。また、支持手段と岸壁(あるいは図示のフレーム)
との間で上下方向にオイルダンパなどを介設し、高さ調
整の終了後、シリンダの伸縮をフリーに(この場合、シ
リンダ両側への油圧回路をオイルタンクに開放する弁が
必要)したうえ、このダンパで支持手段を制動するのも
よい。
符号21)を備える場合でも、その伸縮に制動を加える油
圧回路は、第1図に示した回路に特定されるものではな
い。また、支持手段と岸壁(あるいは図示のフレーム)
との間で上下方向にオイルダンパなどを介設し、高さ調
整の終了後、シリンダの伸縮をフリーに(この場合、シ
リンダ両側への油圧回路をオイルタンクに開放する弁が
必要)したうえ、このダンパで支持手段を制動するのも
よい。
2)例えば上記の−1)にあげたモータやチェーンな
どを用いて高さ調整する場合、制動手段として、やはり
オイルダンパが使用できるほか、制動力の一定な摩擦ブ
レーキなどを使用することもできる。
どを用いて高さ調整する場合、制動手段として、やはり
オイルダンパが使用できるほか、制動力の一定な摩擦ブ
レーキなどを使用することもできる。
その他:1)2台の動揺止係船装置のうち例えば一方
を、岸壁に沿った軌道上に設置するなど、装置が水平に
移動できるよう構成すれば、長さの異なる(したがって
前後の被支持点間の距離の異なる)船舶の係留および動
揺止も可能である。
を、岸壁に沿った軌道上に設置するなど、装置が水平に
移動できるよう構成すれば、長さの異なる(したがって
前後の被支持点間の距離の異なる)船舶の係留および動
揺止も可能である。
2)船舶一隻につき、本係船装置が必ず2台(またはそ
れ以上)必要なわけではない。例えば、従来と動揺な係
船ロープを併用する場合などは、同ロープにより船首揺
れ(船の動揺のうち水平面内での回転成分)が防止され
るので、この動揺止係船装置が1台でも、その1カ所の
被支持点に対し水平方向に過大なモーメントを作用させ
ずに、船の動揺を抑制できる。また従来の係船ロープを
用いない場合でも、支持手段を水平に長くしてロングス
パンで被支持点をつかむようにすれば、動揺止係船装置
が1台でも、2台に匹敵する作用・効果をなす。
れ以上)必要なわけではない。例えば、従来と動揺な係
船ロープを併用する場合などは、同ロープにより船首揺
れ(船の動揺のうち水平面内での回転成分)が防止され
るので、この動揺止係船装置が1台でも、その1カ所の
被支持点に対し水平方向に過大なモーメントを作用させ
ずに、船の動揺を抑制できる。また従来の係船ロープを
用いない場合でも、支持手段を水平に長くしてロングス
パンで被支持点をつかむようにすれば、動揺止係船装置
が1台でも、2台に匹敵する作用・効果をなす。
3)実施例(図面)に水中翼船をあげたように、本考案
は、港内で動揺しやすい小型・軽量の船舶に対し好適で
あるが、それ以外の船舶にも広く適用できる。
は、港内で動揺しやすい小型・軽量の船舶に対し好適で
あるが、それ以外の船舶にも広く適用できる。
[考案の効果] この考案の動揺止係船装置にはつぎの効果がある。
係留中の船舶の動揺を抑制するので、乗客・乗員は、
船酔いしにくいうえ安心して乗降することができる。
船酔いしにくいうえ安心して乗降することができる。
船に対する拘束力を適度に制限するので、被支持点付
近などの船体に損傷をきたすことがない。
近などの船体に損傷をきたすことがない。
第1図〜第3図はこの考案の実施例に関するもので、第
1図は動揺止係船装置と船の正面図に油圧回路の一部を
付記した図、第2図はその係船装置および船の一部を斜
視した図、そして第3図は、他の実施例としての支持手
段の一部を側方(船の前または後ろ側)から見た図であ
る。 1……船、1a……被支持点、2……動揺止係船装置、10
……支持手段、11・16……支持ブロック、20……高さ調
整手段、21……油圧シリンダ、30……制動手段、31……
リリーフ弁。
1図は動揺止係船装置と船の正面図に油圧回路の一部を
付記した図、第2図はその係船装置および船の一部を斜
視した図、そして第3図は、他の実施例としての支持手
段の一部を側方(船の前または後ろ側)から見た図であ
る。 1……船、1a……被支持点、2……動揺止係船装置、10
……支持手段、11・16……支持ブロック、20……高さ調
整手段、21……油圧シリンダ、30……制動手段、31……
リリーフ弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−39286(JP,A) 特開 昭59−217819(JP,A) 実開 昭51−35893(JP,U) 実開 昭60−24698(JP,U) 実公 昭61−20104(JP,Y2) 実公 昭59−41243(JP,Y2)
Claims (1)
- 【請求項1】係留岸壁に上下動可能に設けられて船体側
部を回転自在につかむ支持手段と、 上記支持手段の高さ調整手段と、 その支持手段の上下動に一定限度内の制動力を与える制
動手段 を備えたことを特徴とする動揺止係船装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8321989U JPH0754337Y2 (ja) | 1989-07-14 | 1989-07-14 | 動揺止係船装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8321989U JPH0754337Y2 (ja) | 1989-07-14 | 1989-07-14 | 動揺止係船装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0321429U JPH0321429U (ja) | 1991-03-04 |
JPH0754337Y2 true JPH0754337Y2 (ja) | 1995-12-18 |
Family
ID=31630702
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8321989U Expired - Lifetime JPH0754337Y2 (ja) | 1989-07-14 | 1989-07-14 | 動揺止係船装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0754337Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4795524B2 (ja) * | 2000-11-06 | 2011-10-19 | シバタ工業株式会社 | 防舷装置 |
KR200452961Y1 (ko) * | 2008-02-28 | 2011-03-29 | 주식회사 씨아이키 | 안경 진열대 |
-
1989
- 1989-07-14 JP JP8321989U patent/JPH0754337Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0321429U (ja) | 1991-03-04 |
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