JPH0754124Y2 - 縦型ポンプ式液体噴出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、縦型ポンプ式の液体噴出容器に関するもので
ある。

「従来の技術」 上記のような液体噴出容器として、例えば第２図及び第
３図に示すようなものが知られている（本出願人による
実開昭60−168567号公報等参照）。

これは、容器体口頚部２に螺合させた第１リングキャッ
プ３の支持により容器体１内へ垂設された、玉弁式の吸
込弁４付きシリンダ５と、該シリンダ５内へ、ステム６
下端に付設した筒状ピストン７を、上方付勢状態にかつ
上下動自在に収装させると共に、シリンダ５上方へ起立
するステム６上端にノズル８付き押下げヘッド９を付設
した、玉弁式の吐出弁10付き作動部材11とを有する。図
示例では、シリンダ５の上部外面に周設した外向きフラ
ンジ状部12が、第１リングキャップ３の頂壁下面と容器
体１の口頸部頂面とで、口頸部頂面側にパッキン13を配
して、挟持されている。また、吐出弁10はステム６の上
部内に付設されている。

そして、上記シリンダ５内に装着された棒状内装部材14
の棒部15上部を筒状ピストン７の筒孔16内を貫通させ
て、該棒部15上端に付設した大外径部15a下面を上記筒
孔16の上端開口縁へ水密に圧接させている。なお、上記
棒状内装部材14は、外向きフランジ部17を下端に付設さ
せた透孔18付き短筒部19の上端から肩部20を介して上記
棒部15を起立させたもので、シリンダ５容積を縮小して
ポンプ効率を高めるためのものである。

従って、押下げヘッド９の押下げ時には、吸込弁４と吐
出弁10との間のポンプ室Ａ容積が縮小されることから、
加圧されたポンプ室Ａ内液体が吐出弁10を押し開いてノ
ズル８を通って外部に噴出される。

押下げ解放時には、ポンプ室Ａ容積が拡大されることか
ら、ポンプ室Ａ内の負圧化により吐出弁10が閉弁する一
方吸込弁４が開弁し、容器体１内液体がポンプ室Ａ内に
吸入されて再度のヘッド押下げに備える。なお、この
際、第２図に示すように、棒状内装部材14の大外径部15
a下面が筒状ピストン筒孔16の上端開口縁へ水密に圧接
して、容器転倒時に、ポンプ室Ａ内液体及び容器体１内
液体（吸込弁開弁により）が開弁状態にある吐出弁10を
通って外部に漏出するのが防止できるようになってい
る。

また、容器輸送時等においては、第３図に示すように、
押下げヘッド９の下面から垂下するステム接続用筒部21
を、シリンダ５の上端開口部へ固着させた第２リングキ
ャップ22の内周面に螺合させることにより、押下げヘッ
ド９が不用意に押下げられて液体が噴出するのを防止で
きると共に、輸送時等において容器が嵩張るのを防止で
きるようになっている。さらに、この際、筒状ピストン
筒孔16の下端開口縁が棒状内装部材14の肩部20上面へ水
密に圧接して、容器転倒時に、容器体１内液体が開弁状
態にある吸込弁４を通って外部に漏出するのが防止でき
るようになっている。

なお、図中23は容器体内負圧化防止用透孔、24はステム
上方付勢用のコイルスプリングで、25は吸上げパイプで
ある。また、各部材はパッキン13、コイルスプリング2
4、吸込弁４及び吐出弁10の各ボール弁体を除きすべて
合成樹脂材で成形製作される。従来のこの種容器は、作
動部材を押し下げ螺着させておくことが出来るため、開
封前の運搬，保管時には嵩張らず、また、開封後の非使
用時には不用意なヘッドの押下げによる無駄な液の漏出
を防止でき、更に、使用に当たっては、作動部材の螺脱
により容易に使用可能となるという様々な利点を有する
ものである。

「考案が解決しようとする問題点」 ところが、上記のような従来の液体噴出容器にあって
は、容器陳列時等において、容器体１に貼付したレッテ
ル等に対応して押下げヘッド９のノズル８の向きを所定
方向へセットできるように、第１リングキャップ３をシ
リンダ５及び第２リングキャップ22等と別体に形成し
て、その組付け時には、第２リングキャップ22に押下げ
ヘッド９を螺合させた状態でシリンダ５を容器体１内に
セットしつつ第１リングキャップ３を容器体口頸部２に
螺合させていた。

そのため、押下げヘッドを螺脱する時に、場合によって
は、第２リングキャップが固着されたシリンダが第１リ
ングキャップと共に回動し、第１リングキャップが容器
体口頸部から不用意に外れるという不具合があると共
に、第１リングキャップの螺合により組付け作業が煩雑
化し、生産性低下によりコストアップを招来していた。

そこで本考案は、簡単な構造変更により、押下げヘッド
の螺脱時における第１リングキャップの不用意な抜脱を
防止できると共に、組付け作業の簡略化が図れる縦型ポ
ンプ式液体噴出容器を提供することを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するため、本考案に係る縦型ポンプ式液
体噴出容器は、容器体口頸部部２に嵌合させた第１リン
グキャップ３の支持により、容器体１内へ垂設された吸
込弁４付きシリンダ５と、該シリンダ内へ、ステム６下
端に付設した筒状ピストン７を、上方付勢状態にかつ上
下動自在に収装させると共に、シリンダ上方へ起立する
ステム上端にノズル８付き押下げヘッド９を付設した吐
出弁10付き作動部材11とを有し、上記シリンダの上端開
口部へ固着させた第２リングキャップ22の内周面に、上
記押下げヘッドの下面から垂下するステム接続用筒部21
を、付勢に抗して上記作動部材を押下げして螺合させた
縦型ポンプ式液体噴出容器において、上記シリンダ５と
第１リングキャップ３とを一体形成し、上記口頚部外周
下部と第１リングキャップ３内面下部とを周方向複数設
けた係合突子27と係合溝29との係合により上下動可能且
つ回動不能に係合させ、上記口頚部２外面上部に周設し
た第１係合突条26下面に、上記第１リングキャップ周壁
3a内面上部に周設した第２係合突条28を乗り越え係合さ
せたことを特徴とする。

「作用」 シリンダ５に予め固着された第２リングキャップ22に押
下げヘッド９を、付勢に抗して上記作動部材11をシリン
ダ５に対して押下げして螺合した後、シリンダ５を容器
体口頸部２内に、押下げヘッド９のノズル８の向きを容
器体１へ貼付したレッテル等に対応させて挿入しつつ、
シリンダ５に一体形成の第１リングキャップ周壁3aを容
器体口頚部２の外面へ上方より嵌合させる。この際、口
頚部２外周下部の各係合突子27が周壁3a内周下部の各係
合溝29に嵌合して回動不能かつ上下動可能に嵌合し、ま
た、容器体口頚部２外面上部の第１係合突条26下面に、
周壁3a内面上部の第２係合突条28を乗り越え係合させて
上方への抜け出しを不能に固定している。

従って、シリンダ５等を容器体１に対して所定の向きに
ワンハンドかつワンタッチで組み付けることができる。

押下げへっド９を螺脱する時は、第２リングキャップ22
が固着されたシリンダ５に対して、容器体口頚部２に第
１リングキャップ３を回動不能に固定させているため、
従来例のようにシリンダ等が不用意に回動することな
く、スムーズに螺脱できる。

「実施例」 以下添付図面に基づいて、本考案の一実施例を説明す
る。

第１図において、５は容器体１に装着された吸込弁４付
きシリンダ、11は上記シリンダ５内を上下動するステム
６の下端に筒状ピストン７をかつ上端にノズル８付き押
下げヘッド９をそれぞれ付設してなる吐出弁10付き作動
部材で、14は上記シリンダ５内に装着された棒状内装部
材であり、第２図及び第３図と同様である。

そして、本実施例では、上記シリンダ５と第１リングキ
ャップ３とを一体形成して、第１リングキャップ３の周
壁3aを上記容器体口頸部２の外面へ、口頸部２上方から
の打設により固着させている。

図示例では、容器体口頸部２の上部外面に第１係合突条
26が周設されると共に、口頸部２の下半部外面に係合突
子27が周方向に所定間隔離間して複数縦設されている。
一方、第１リングキャップ周壁3aの中間部内面に、上記
第１係合突条26下面へ強制乗越え（打設）により係合さ
せた、キャップ抜止め用の第２係合突条28が周設される
と共に、周壁3aの下半部内面に、上記係合突子27を嵌合
させた、キャップ回動防止用の係合溝29が周方向に所定
間隔離間して複数縦設されている。

その他の構成は第２図及び第３図と同様なので、第２図
及び第３図と同一部材には同一符号を付して詳しい説明
は省略する。

「考案の効果」 以上説明した如く本考案容器は、シリンダ５と第１リン
グキャップ３とを一体に形成し、容器体口頚部外周下部
と第１リングキャップ３内面下部とを周方向複数設けた
係合突子27と係合溝29との係合により上下動可能且つ回
動不能に係合させ、上記口頚部２外面上部に周設した第
１係合突条26下面に、第１リングキャップ周壁3a内面上
部に周設した第２係合突条28を乗り越え係合させたの
で、ノズルの位置決め機能を維持しつつシリンダ等を容
器体へワンハンドかつワンタッチで組付けることが出
来、組付け性の向上と部品点数の削減によりコストダウ
ンが図れるとともに、押下げヘッドの螺脱時における第
１リングキャップの不用意な抜脱を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部半断面図、第２図
及び第３図は異なった作用状態を示す従来例の要部半断
面図である。 ５…吸込弁付きシリンダ 11…吐出弁付き作動部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器体口頚部２に嵌合させた第１リングキ
   ャップ３の支持により、容器体１内へ垂設された吸込弁
   ４付きシリンダ５と、該シリンダ内へ、ステム６下端に
   付設した筒状ピストン７を、上方付勢状態にかつ上下動
   自在に収装させると共に、シリンダ上方へ起立するステ
   ム上端にノズル８付き押下げヘッド９を付設した吐出弁
   10付き作動部材11とを有し、上記シリンダの上端開口部
   へ固着させた第２リングキャップ22の内周面に、上記押
   下げヘッドの下面から垂下するステム接続用筒部21を、
   付勢に抗して上記作動部材を押下げて螺合させた縦型ポ
   ンプ式液体噴出容器において、上記シリンダ５と第１リ
   ングキャップ３とを一体形成し、上記口頚部外周下部と
   第１リングキャップ３内面下部とを周方向複数設けた係
   合突子27と係合溝29との係合により上下動可能且つ回動
   不能に係合させ、上記口頚部２外面上部に周設した第１
   係合突条26下面に、上記第１リングキャップ周壁3a内面
   上部に周設した第２係合突条28を乗り越え係合させたこ
   とを特徴とする縦型ポンプ式液体噴出容器。