JPH0753808A - 3−メチルブテン−1重合体組成物およびその製造方法 - Google Patents

3−メチルブテン−1重合体組成物およびその製造方法

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JPH0753808A
JPH0753808A JP5218074A JP21807493A JPH0753808A JP H0753808 A JPH0753808 A JP H0753808A JP 5218074 A JP5218074 A JP 5218074A JP 21807493 A JP21807493 A JP 21807493A JP H0753808 A JPH0753808 A JP H0753808A
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polymer
methylbutene
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parts
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JP5218074A
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English (en)
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Sadanori Suga
禎徳 菅
Eiji Tanaka
栄司 田中
Nobuo Enokido
信夫 榎戸
Katsuharu Shibata
克治 柴田
Kunihiro Takenaka
邦博 竹中
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】特に寸法安定性および表面平滑性に優れた繊維
材料強化3メチルブテン−1(3MB1)重合体組成物
を提供する。 【構成】特定範囲のメルトインデックス及び融解熱を有
する3MB1重合体、特定範囲のメルトインデックスを
有するグラフト変性3MB1重合体、繊維材料の各成分
を含有し、上記の繊維材料が一定範囲の重量平均繊維長
で分散されている組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3メチルブテン−1重
合体組成物およびその製造方法に関するものであり、詳
しくは、機械的特性、耐熱性の他、特に、寸法安定性お
よび表面平滑性に優れた3メチルブテン−1重合体組成
物およびその製造方法に関するものである。以下、3メ
チルブテン−1を「3MB1」と略記する。
【0002】
【従来の技術】3MB1重合体は、それ自体、ポリオレ
フィン中、最も高い部類に属する融点、剛性、強度を示
し、ポリオレフィン樹脂の特長である優れた電気絶縁
性、高周波領域での低損失性、非吸湿性、耐薬品性に加
えて高い耐熱性を活かし、種々の用途への適用が考えら
れる。
【0003】ところで、電気製品、建材部材、自動車部
品、各種機械部品などの成形品の中には、一層優れた剛
性、強度、耐熱性、寸法安定性、表面平滑性などを必要
とするものがある。斯かる用途に対しては、3MB1重
合体単独では適用困難であるため、例えば、特開昭60
−208342号公報などにより、特定量の繊維強化材
料を配合した組成物が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公開公報に記載された3MB1重合体組成物は、剛性、
強度、熱変形温度に関してはある程度改良されている
が、成形品の寸法安定性は十分ではない。また、上記の
組成物は、配合された繊維強化材料によって成形品の表
面平滑性が悪く、精密成形などの観点から満足し得るも
のではない。本発明は、斯かる実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、特に、寸法安定性および表面平滑
性に優れた繊維材料強化3MB1重合体組成物およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、下記の特性を有する3メチルブテン−1重合
体(A)及びグラフト変性3メチルブテン−1重合体
(B)と繊維強化材料(C)とを含有し、(A)及び
(B)の合計量に対し、(A)の割合は90〜99.9
重量%、(B)の割合は0.1〜10重量であり、繊維
強化材料(C)は、(A)及び(B)の100重量部当
たり60〜100重量部の割合で含有され且つ重量平均
繊維長が200〜450μmの範囲で分散していること
を特徴とする3メチルブテン−1重合体組成物に存す
る。 (A):温度320℃、荷重2.16kgの条件下で測
定したメルトインデックスが0.1〜100g/10分
の範囲で且つ示差走査熱量計で測定した融解熱が30J
/g以上である。 (B):温度320℃、荷重2.16kgの条件下に測
定したメルトインデックスが1〜1000g/10分の
範囲で且つα、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
組成単位のグラフト量が0.1〜5重量%の範囲であ
る。
【0006】本発明の第2の要旨は、上記の3メチルブ
テン−1重合体組成物の製造方法であって、スクリュー
径が20mm以上の2軸押出機を用い、スクリュー回転
数150〜300回転/分の条件下、3メチルブテン−
1重合体(A)及びグラフト変性3メチルブテン−1重
合体(B)を混練しつつ、繊維強化材料(C)をサイド
フィード法により供給することを特徴とする3メチルブ
テン−1重合体組成物の製造方法に存する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本
発明の組成物について説明する。本発明において用いら
れる3MB1重合体(A)は、3MB1単独重合体に限
定されず、3MB1と共重合可能な他のα−オレフィン
との共重合体であってもよい。
【0008】上記の共重合体に用いられる他のα−オレ
フィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、
1−ペンテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセン、ビニルシクロヘキサ
ン、スチレン等の炭素数2〜18のα−オレフィンが挙
げられる。そして、共重合体は、所謂ランダム共重合体
であってもブロック共重合体であってもよいが、共重合
体中の3MB1以外の他のα−オレフィンの含有量は、
通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下とされ
る。そして、他のα−オレフィンの含有量の下限は通常
0.05重量%である。
【0009】共重合体中の他のα−オレフィンの含有量
が上記の範囲を超える場合は、3MB1重合体が本来的
に有する高融点、高剛性などの特徴が失われて好ましく
ない。しかも、後述する他のオレフィン重合体とのブレ
ンド系においては、当該他のオレフィン重合体の使用割
合との兼ね合いから、3MB1重合体(A)に要求され
る30J/g以上の融解熱を達成することが困難とな
る。
【0010】上記の3MB1単独重合体および共重合体
は、単独で用いてもブレンドして用いてもよい。また、
本発明の組成物においては、3MB1重合体(A)に他
のオレフィン重合体をブレンドして用いることも出来
る。この場合、オレフィン重合体の量は、3MB1重合
体(A)に対して通常30重量%以下の割合で用いられ
る。
【0011】3MB1重合体(A)は、温度320℃、
荷重2.16kgの条件下で測定したメルトインデック
ス(MI)が0.1〜100g/10分の範囲で且つ示
差走査熱量計で測定した融解熱が30J/g以上でなけ
ればならない。MIが上記の範囲未満の場合は、組成物
の成形性が著しく低下し、また、MIが上記の範囲を超
える場合は、組成物の衝撃強度が低下して実用に耐えな
い。
【0012】3MB1重合体(A)は、例えば、必要に
応じて溶媒を用い、遷移金属化合物および周期律第1族
ないし第3族金属の有機金属化合物の存在下、3MB1
又は3MB1と他のα−オレフィンとを重合することに
よって得られる。共重合法としては、所謂ランダム共重
合法の他、重合反応の途中で共重合モノマーの量を変更
する2段階ランダム共重合も用いられる。
【0013】溶媒としては、脂肪族、脂環式または芳香
族炭化水素が挙げられ、具体的には、ブタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン等を例示する
ことが出来る。重合温度は通常0〜150℃であり、ま
た、必要に応じ、水素の様な分子量調節剤を用いてもよ
い。
【0014】触媒としての遷移金属化合物および周期律
表第1族ないし第3族金属の有機金属化合物は、特に制
限はなく、オレフィンの重合に公知の触媒を用いること
が出来る。好ましい触媒は、Mg、Ti、ハロゲン及び
電子供与性化合物(エーテル、エステル等)を含有する
固体触媒成分と有機アルミニウム化合物との組み合わせ
から成る触媒である。上記の固体触媒成分の詳細は、特
開昭52−98076号公報、同53−24378号公
報、同53−85877号公報、同53−117083
号公報、同59−6204号公報、同59−11306
号公報などに記載されている。
【0015】また、アルミニウムの原子比で0.15以
下であって且つ錯化剤を含有する固体三塩化チタン触媒
成分と有機アルミニウム化合物、殊にアルミニウムジア
ルキルモノハライド及び必要に応じて電子供与性化合物
との組み合わせから成る触媒も好適に用いられる。上記
の固体三塩化チタン触媒成分の詳細は、特公昭55−8
45号公報、同55−8452号公報、同55−845
1号公報、同54−24871号公報、同55−391
65号公報、同55−1405号公報、同53−449
58号公報などに記載されている。
【0016】本発明において用いられるグラフト変性3
MB1重合体(B)は、前記の3MB1重合体(A)
(3MB1単独重合体および共重合体)にα、β−不飽
和カルボン酸、その酸無水物またはその誘導体をグラフ
トすることによって得られる。特に、α、β−不飽和カ
ルボン酸またはその酸無水物がグラフトされた変性3M
B1重合体が好適に用いられる。
【0017】α、β−不飽和カルボン酸またはその酸無
水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル等を挙げることが出来るが、特に、無水マレイン
酸が好ましい。グラフト反応は、特に制限されず、公知
の方法に従って行うことが出来る。
【0018】グラフト変性3MB1重合体(B)は、温
度320℃、荷重2.16kgの条件下に測定したMI
が1〜1000g/10分の範囲、好ましくは3〜30
0g/10分で且つα、β−不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体組成単位のグラフト量が0.1〜5重量%、好
ましくは0.3〜3重量%の範囲でなければならない。
【0019】グラフト変性3MB1重合体(B)が上記
の特性を満足しない場合は、3MB1重合体(A)と後
述の繊維強化材料(C)との接着不良、3MB1重合体
(A)に対するグラフト変性3MB1重合体(B)の相
溶性不良、ブリード現象などが発生する。
【0020】本発明において用いられる繊維強化材料
(C)としては、ガラス繊維(以下、「GF」と略記す
る。)、カーボン繊維、チタン酸カリウム繊維、ロック
ウール繊維、ボロン繊維、アラミド繊維などが挙げられ
るが、特に、GFが好ましい。
【0021】繊維強化材料(C)は、一般に平均直径が
2〜15μmのものが用いられるが、目的に応じ、更に
細いもの又は太いものを使用することが出来る。本発明
の組成物においては、繊維強化材料(C)は、重量平均
繊維長が200〜450μmの範囲で分散していること
が重要であり、繊維長は、斯かる観点から選択すること
が必要である。分散時の重量平均繊維長が上記の範囲未
満の場合は、力学的特性面で十分な強度、熱変形温度、
寸法安定性を有する成形品が得られず、また、上記の範
囲を超える場合は、成形品の表面平滑性が損なわれる。
【0022】GFとしては、原料ガラスとしてEガラス
を用いた繊維が好ましい。また、GFの表面処理剤とし
ては、シラン系、ボラン系などが知られているが、シラ
ン系ではアリルシラン、ビニルシラン、アミノシラン、
エポキシシラン等のカップリング剤を用いたものが好ま
しい。GFの結束剤としては、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル系
樹脂などの結束剤が好ましい。
【0023】本発明の組成物は、上記の3MB1重合体
(A)及びグラフト変性3MB1重合体(B)と繊維強
化材料(C)とを含有する。そして、(A)及び(B)
の合計量に対し、(A)の割合は90〜99.9重量
%、(B)の割合は0.1〜10重量であり、繊維強化
材料(C)は、(A)及び(B)の100重量部当たり
60〜100重量部の割合で含有されていることが必要
である。
【0024】繊維強化材料(C)の含有量が上記の範囲
未満の場合は、十分な機械的特性と耐熱性を有する組成
物は得られず、また、成形品の成形収縮率および異方性
の改良効果が小さい。一方、繊維強化材料(C)の含有
量が上記の範囲を超える場合は、成形品の表面平滑性が
損なわれる。
【0025】ところで、3MB1重合体は、融点が高い
ため、必然的に成形温度が高くなり、成形中の重合体の
劣化に伴う分子量の低下は避け得ない。従って、成形中
の劣化を可能な限り防止するため、適切な安定剤を選択
して用いるのが好ましい。斯かる安定剤としては、日本
チバガイギー社製の商品「イルガノックス1010」と
「イルガホスP−EPQ」が好適であり、特に、両者を
組み合わせて用いるのが好ましい。
【0026】また、本発明の組成物には、従来公知の安
定剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、タル
ク、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、水酸化マグネ
シウム、硫酸バリウム、活性白土、マイカ、ゼオライ
ト、珪灰石、グラスビーズ等の各種の充填剤を添加して
もよい。
【0027】次に、本発明の組成物の製造方法について
説明する。本発明の製造方法は、スクリュー径が20m
m以上の2軸押出機を用い、スクリュー回転数150〜
300回転/分の条件下、3メチルブテン−1重合体
(A)及びグラフト変性3メチルブテン−1重合体
(B)を混練しつつ、繊維強化材料(C)をサイドフィ
ード法により供給することを特徴とする。
【0028】単軸押出機またはスクリュー径が20mm
以下の2軸押出機を用いた場合は、十分な混練強度が得
られず、十分な力学物性の組成物が得られない。また、
スクリュー径が20mm以上の2軸押出機を用いてもス
クリュー回転数が150回転/分未満の場合は、混練強
度が不十分なため、表面平滑性が良好な成形品を与える
組成物は得られない。
【0029】一方、スクリュー回転数が300回転/分
を超える場合は、組成物中の繊維強化材料(C)の重量
平均繊維長が200μm未満となり、得られる組成物の
力学物性が低下する。また、繊維強化材料(C)をサイ
ドフィード法により供給しない場合、組成物中の繊維強
化材料(C)の重量平均繊維長が制御出来ず、得られる
組成物の力学物性が低下する。
【0030】本発明の組成物は、高剛性、高強度、高熱
変形温度であり、特に、寸法安定性および表面平滑性に
優れた成形品を与えるため、特に、電気電子分野、自動
車分野を初めとする各種の分野において有用である。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例にお
いて、3MB1重合体組成物のペレット化は、スクリュ
ー径が30mmの2軸押出機を用い、スクリュー回転数
200回転/分、290℃〜320℃の温度で行った。
また、試験片作成の際の射出成形機の成形条件は、次の
表1に示す通りである。
【0032】
【表1】 シリンダー温度 :290〜320℃ 射出圧力 :310〜620kg/cm2 射出速度 :50〜100mm/sec 金型温度 :100℃
【0033】また、物性の評価は、次の方法に従って行
った。すなわち、MIは、ASTMD 1238に準拠
し、温度320℃、荷重2.16kgの条件で測定し
た。融解熱は、示差走査熱量計(デユポン社製「990
0型」)を用い、最初16℃/分の速度で335℃まで
昇温し、10分間保持して試料を十分に融解して熱履歴
を除去した後、16℃/分の速度で略30℃まで降温
し、その後、再度、16℃/分の速度で昇温して融解熱
を測定した。
【0034】曲げ弾性率および曲げ強度は、ASTM
D 790に準拠し、熱変形温度はASTM D 64
8に準拠して測定した。重量平均繊維長は、上記の押出
混練して得たペレットをるつぼに入れて重合体を完全に
燃焼させた後、残留の繊維強化材料を画像処理して算出
した。
【0035】成形収縮率および異方性は、100mm×
100mm×3mmの平板金型を備え、フィルムゲート
1.5mm射出成形機を用い、前記に示した特定の射出
圧力および射出速度で成形して平板を得、樹脂の流れ方
向(MD)と樹脂の流れに垂直方向(TD)の平板の寸
法を万能投影機(Nikon profile projector V-16E)によ
り測定し、金型原寸に対する収縮率を算出した。また、
MDとTDとの収縮率の差(TD−MD)を異方性の尺
度とした。そして、表面平滑性は、目視判断により行
い、3段階で評価した(○:良好、△:やや不良、×:
不良)。
【0036】参考例1 <三塩化チタン均一溶液の製造(A)>乾燥アルゴン置
換した容量500mlの四つ口フラスコに精製トルエン
150mlと四塩化チタン90mmolを仕込み、更
に、ジ−n−ブチルエーテル90mmolを添加した。
多少の発熱を伴い、四塩化チタンとジ−n−ブチルエー
テルとが反応してトルエンに均一溶解し、橙黄色の均一
溶液が得られた。当該溶液を撹拌下25℃に保持しなが
ら、ジエチルアルミニウムモノクロライド45mmol
をトルエン20mlに溶解した溶液を徐々に添加したと
ころ、濃橙色の三塩化チタンの均一溶液が得られた。
【0037】<三塩化チタンの沈澱生成と触媒の製造
(B)>上記(A)行程で得られた三塩化チタンの均一
溶液を95℃に昇温したところ、昇温途中より紫色の三
塩化チタンの沈澱生成が認められた。95℃で60分攪
拌後、沈澱をろ別してn−ヘプタン100mlで5回洗
浄し、微粒状紫色三塩化チタン触媒錯体を得た。元素分
析の結果、この触媒錯体は、式:TiCl3 (AlCl
3 )0.004〔(nC4 9 )2O〕0.05で表さ
れる組成を有していた。
【0038】製造例1 <3MB1〜ブテン−1共重合体の製造>容量25リッ
トル(L)のステンレス製反応器中で参考例1で得た固
体三塩化チタン触媒錯体を用いて3MB1とブテン−1
の共重合を行った。先ず、十分に乾燥、窒素置換した反
応器に7.0mmolのジイソブチルアルミニウムモノ
クロライド、8.0kgの液化3MB1を装入した後、
70℃に昇温し、窒素により参考例1で得られた固体三
塩化チタン触媒錯体9.05gを圧入して重合を開始し
た。
【0039】逐時的にブテン−1を供給しながら重合を
行い、3.5時間後、イソブチルアルコール300ml
を圧入して重合を停止した。ブテン−1の供給量は23
7gであった。また、分子量調節剤として、水素を15
分間欠で合計0.13mol供給した。
【0040】次いで、余剰の未反応単量体を追い出し、
その後、ノルマルヘキサン8.0kgを導入し、50℃
で30分撹拌したのち静置し、上澄み液を抜き出し、重
合体中の触媒成分を洗浄除去した。この操作を5回繰り
返した後、重合体100重量部当たり、「イルガフォス
P−EPQ」と「イルガノックス1010」を各0.2
重量部ずつ添加して乾燥し、白色粉末状3MB1〜ブテ
ン−1共重合体4.3kgを得た。この共重合体の融解
熱は54.3J/g、320℃におけるMIは17g/
10分あった。
【0041】製造例2 <3MB1共重合体の変性>製造例1で得た3MB1〜
ブテン−1共重合体の粉末400gをオルト−ジクロル
ベンゼン1.2Lに懸濁し、開始剤として、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3(日本油脂社製「パーヘキシン25B」)を6g、
無水マレイン酸を20g添加し、165℃に昇温した後
72分撹拌してグラフト反応を行い、グラフト変性3M
B1共重合体を得た。
【0042】その後、アセトンを加えて未反応の無水マ
レイン酸と「パーヘキシン25B」を除去し、次いで、
重合体100重量部当たり、「イルガフォスP−EP
Q」と「イルガノックス1010」を各0.2重量部ず
つ添加し乾燥した。得られたグラフト変性3MB1〜ブ
テン−1共重合体の無水マレイン酸のグラフト量は1.
01重量%、320℃におけるMIは127g/10分
であった。
【0043】実施例1 製造例1で得た3MB1〜ブテン−1共重合体粉末
(A)2328gに、製造例2で得たグラフト変性3M
B1重合体〜ブテン−1共重合体(B)粉末72gを混
合して原料樹脂混合物を得た。前記の2軸押出機を用
い、スクリュー回転数200回転/分、混練温度310
℃の条件下、上記の原料混合物をを混練しつつ、GFと
して、旭ファイバーグラス社製「CS03MA486
A」(表面処理剤:アミノシラン系、結束剤:エポキシ
系、GF長:3mm、GF径:13μm)をサイドフィ
ード法により供給してペレットを造粒した。
【0044】GFの供給量は、上記樹脂量に対して16
00gとした。ペレット中のGF含有量は、(A)及び
(B)の合計量100重量部当たり66.8重量部であ
り、ペレット中のGFの重量平均繊維長は325μmで
あった。住友重機械工業社製射出成形機「SYCAPネ
オマット75」を用い、上記のペレットから試験片を作
成し、機械的強度、熱変形温度、成形収縮率及び異方
性、表面平滑性を測定した。結果を表2に示す。
【0045】実施例2 実施例1において、GFの供給量2130gに変更した
以外は、実施例1と同様にしてペレットを造粒した。ペ
レット中のGF含有量は、(A)及び(B)の合計量1
00重量部当たり88.8重量部であり、ペレット中の
GFの重量平均繊維長は315μmであった。以下、実
施例1と同様に射出成形を行い、物性を測定した。結果
を表2に示す。
【0046】実施例3 実施例1において、GFを旭ファイバーグラス社製「C
S03JA486A」(表面処理剤:アミノシラン、結
束剤:エポキシ、GF長:3mm、GF径:10μm)
に変更した以外は、実施例1と同様にしてペレットを造
粒した。ペレット中のGF含有量は、(A)及び(B)
の合計量100重量部当たり65.3重量部であり、ペ
レット中のGFの重量平均繊維長は330μmであっ
た。以下、実施例1と同様に射出成形を行い、物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0047】実施例4 実施例3において、スクリュー回転数を160回転/分
に変更以外は、実施例3と同様にしてペレットを造粒し
た。ペレット中のGF含有量は、(A)及び(B)の合
計量100重量部当たり65.7重量部であり、ペレッ
ト中のGFの重量平均繊維長は410μmであった。以
下、実施例1と同様に射出成形を行い、物性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0048】実施例5 実施例3において、GFの供給量を2400gに変更し
た以外は、実施例3と同様にしてペレットを造粒した。
ペレット中のGF含有量は、(A)及び(B)の合計量
100重量部当たり98.8重量部であり、ペレット中
のGFの重量平均繊維長は340μmであった。以下、
実施例1と同様に射出成形を行い、物性を測定した。結
果を表2に示す。
【0049】比較例1 実施例1において、GFの供給量を780gに変更した
以外は、実施例1と同様にしてペレットを造粒した。ペ
レット中のGF含有量は、(A)及び(B)の合計量1
00重量部当たり32.5重量部であり、ペレット中の
GFの重量平均繊維長は320μmであった。以下、実
施例1と同様に射出成形を行い、物性を測定した。結果
を表3に示す。
【0050】比較例2 実施例1において、3MB1〜ブテン−1共重合体粉末
(A)の量を2400gに変更し、グラフト変性3MB
1重合体〜ブテン−1共重合体(B)を無添加とした以
外は、実施例1と同様にしてペレットを造粒した。ペレ
ット中のGF含有量は、(A)100重量部当たり6
6.3重量部であり、ペレット中のGFの重量平均繊維
長は332μmであった。以下、実施例1と同様に射出
成形を行い、物性を測定した。結果を表3に示す。
【0051】比較例3 実施例2において、サイドフィード法によるGFの供給
を止め、GFを原料樹脂混合物と共に一括供給した以外
は、実施例2と同様にしてペレットを造粒した。ペレッ
ト中のGF含有量は、(A)及び(B)の合計量100
重量部当たり89.1重量部であり、ペレット中のGF
の重量平均繊維長は95μmであった。以下、実施例1
と同様に射出成形を行い、物性を測定した。結果を表3
に示す。
【0052】比較例4 実施例2において、スクリュー回転数を70回転/分に
変更した以外は、実施例2と同様にしてペレットを造粒
した。ペレット中のGF含有量は、(A)及び(B)の
合計量100重量部当たり88.7重量部であり、ペレ
ット中のGFの重量平均繊維長は790μmであった。
以下、実施例1と同様に射出成形を行い、物性を測定し
た。結果を表3に示す。なお、本比較例においては、造
立したペレットの毛羽立ちが多く、射出成形時ペレット
の食い込み不良を来たし、成形が困難であった。
【0053】比較例5 実施例1において、GFの供給量を2760gに変更し
た以外は、実施例1と同様にしてペレットを造粒した。
ペレット中のGF含有量は、(A)及び(B)の合計量
100重量部当たり115.2重量部であり、ペレット
中のGFの重量平均繊維長は325μmであった。以
下、実施例1と同様に射出成形を行い、物性を測定し
た。結果を表3に示す。
【0054】
【表2】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 4 5 <組成物> 3MB1共重合体(重量部) 97 97 97 97 97 変性3MB1共重合体(重量部) 3 3 3 3 3 GF(重量部) 66.8 88.8 65.3 65.7 98.8 GF(種類) A A B B B <押出機回転数(rpm)> 200 200 200 160 200 <重量平均GF長(μm )> 325 315 330 410 340 <物性評価> 表面平滑性 ○ ○ ○ ○ ○ 曲げ弾性率(Kg/cm2) ×102 855 974 914 935 995 曲げ強度(Kg/cm2) ×10 119 122 121 131 135 熱変形温度(℃) 240 250 245 249 249 成形収縮率(%) TD 0.89 0.60 0.50 0.39 0.45 成形収縮率(%) MD 0.10 0.11 0.11 0.10 0.11 異方性(TD-MD) 0.79 0.49 0.39 0.29 0.34 ──────────────────────────────────── (注)GFの重量部は3MB1重合体と変性3MB1重合体の合
計量:100重量部当たりの量を表す。また、GFの種
類は次り通りである。A:「CS03MA486A」、
B:「CS03JA486A」
【0055】
【表3】 ──────────────────────────────────── 比 較 例 1 2 3 4 5 <組成物> 3MB1共重合体(重量部) 97 100 97 97 97 変性3MB1共重合体(重量部) 3 0 3 3 3 GF(重量部) 32.5 66.3 89.1 88.7 115.2 GF(種類) A A A A A <押出機回転数(rpm)> 200 200 200 70 200 <重量平均GF長(μm )> 320 332 95 790 325 <物性評価> 表面平滑性 ○ △ △ × × 曲げ弾性率(Kg/cm2) ×102 612 652 866 − 975 曲げ強度(Kg/cm2) ×10 62 74 116 − 139 熱変形温度(℃) 178 180 228 − 251 成形収縮率(%) TD 1.30 0.95 1.95 − 0.35 成形収縮率(%) MD 0.75 0.24 0.25 − 0.10 異方性(TD-MD) 0.55 0.71 1.70 − 0.25 ──────────────────────────────────── (注)GFの重量部は3MB1重合体と変性3MB1重合体の合
計量:100重量部当たりの量を表す。また、GFの種
類は次り通りである。A:「CS03MA486A」
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、機械的特
性、耐熱性の他、特に、寸法安定性および表面平滑性に
優れた成形品を得ることが出来る3MB1重合体組成物
が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 23/20 51:06) (72)発明者 榎戸 信夫 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 柴田 克治 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 竹中 邦博 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の特性を有する3メチルブテン−1
    重合体(A)及びグラフト変性3メチルブテン−1重合
    体(B)と繊維強化材料(C)とを含有し、(A)及び
    (B)の合計量に対し、(A)の割合は90〜99.9
    重量%、(B)の割合は0.1〜10重量であり、繊維
    強化材料(C)は、(A)及び(B)の100重量部当
    たり60〜100重量部の割合で含有され且つ重量平均
    繊維長が200〜450μmの範囲で分散していること
    を特徴とする3メチルブテン−1重合体組成物。 (A):温度320℃、荷重2.16kgの条件下で測
    定したメルトインデックスが0.1〜100g/10分
    の範囲で且つ示差走査熱量計で測定した融解熱が30J
    /g以上である。 (B):温度320℃、荷重2.16kgの条件下に測
    定したメルトインデックスが1〜1000g/10分の
    範囲で且つα、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
    組成単位のグラフト量が0.1〜5重量%の範囲であ
    る。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の3メチルブテン−1重
    合体組成物の製造方法であって、スクリュー径が20m
    m以上の2軸押出機を用い、スクリュー回転数150〜
    300回転/分の条件下、3メチルブテン−1重合体
    (A)及びグラフト変性3メチルブテン−1重合体
    (B)を混練しつつ、繊維強化材料(C)をサイドフィ
    ード法により供給することを特徴とする3メチルブテン
    −1重合体組成物の製造方法。
JP5218074A 1993-08-10 1993-08-10 3−メチルブテン−1重合体組成物およびその製造方法 Withdrawn JPH0753808A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024014514A1 (ja) * 2022-07-14 2024-01-18 株式会社クラレ 溶融混錬組成物の製造方法及び溶融混錬組成物

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