JPH0753592A - エレファマイシン耐性変異体 - Google Patents

エレファマイシン耐性変異体

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JPH0753592A
JPH0753592A JP26428891A JP26428891A JPH0753592A JP H0753592 A JPH0753592 A JP H0753592A JP 26428891 A JP26428891 A JP 26428891A JP 26428891 A JP26428891 A JP 26428891A JP H0753592 A JPH0753592 A JP H0753592A
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elfamycin
protein
gene
streptomyces
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JP26428891A
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Rudolf Gijsbertus Marie Luiten
ヘイスベルテュス マリー ライテン ルドルフ
Richard Kerkman
ケルクマン リヒャルト
Leendert Bosch
ボッシュ レーンデルト
Erik Vijgenboom
ヴェイヘンボーム エリック
Pieter Wilhelmus H Heinstra
ウィルヘルムス ヘンドリックス ヘインストラ ピーテル
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Gist Brocades NV
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/36Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Actinomyces; from Streptomyces (G)

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伸長因子Tuのエルファマイシン耐性変異体
を利用してエルファマイシン産生放線菌、特にモシマイ
シン産生ストレプトミセスのエルファマイシン感受性を
低下させる。 【構成】エルファマイシンの制限因子をたんぱく質EF
−Tuをコードする遺伝子tufをエルファマイシン耐
性のたんぱく質EF−TuRをコードする遺伝子tuf
Rに変異させることにより除去する。 【効果】遺伝子tufRを発現する宿主細胞はエルファ
マイシンに対する耐性の増加を示した。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明はエルファマイシン産生放
線菌、エルファマイシン産生放線菌のたんぱく質EF−
Tu(伸長因子Tu)、該たんぱく質をコードするDN
A配列tu、該DNA配列を含む複製可能なベクターお
よび該ベクターでトランスホームした放線菌に関する。
【従来の技術】エルファマイシンは一群の抗生物質であ
り、モシマイシン(またはキロマイシンとして知られて
いる)、ジヒドロモシマイシン、N−メチルモシマイシ
ン(オーロドックスとしても知られている)、キロスリ
シン、アズジマイシン、エフロトマイシンおよびパルボ
マイシンなどが属する。これらは放線菌目に属するバク
テリアから産生される。特に英国特許1325200の
対象物質である抗生物質モシマイシンは、ストレプトミ
セスコリナス(Streptomyces colli
nus)、ストレプトミセスジアスタトクロモゲネス
(Streptomyces diastatochr
omogenes)、ストレプトミセスフラジェ(St
reptomyces fradiae)および特に
ストレプトミセスラモシシマス(Streptomyc
es ramocissimus)などストレプトミセ
ス属に属するバクテリアによって産生される。実際に
は、上記バクテリアによるエルファマイシン、特にモシ
マイシンの産生レベルは極めて低く、これらの商業的利
用を魅力のないものにしている。モシマイシンを含むエ
ルファマイシンの抗生作用はEF−Tuの阻害によるも
のであることが知られている(H.ウォルフ(Wol
f)等、Proc.Natl Acod.Sci、US
A、75(1978)5324−5328)。ポリペプ
チド鎖伸長因子(EF)は細胞のたんぱく質合成に必須
である。EF−Tuと呼ばれるものは、大腸菌などのグ
ラム陰性菌や放線菌目に属するものなどのグラム陽性菌
を含む全ての原核細胞で生産されている。生物種が異な
るとそのEF−Tuは似てはいるが同じものではない。
EF−TuをコードするDNA配列はtuf遺伝子と呼
ばれる。さらにC.グロックナー(Gloeckne
r)およびH.ウォルフ(Wolf)(FEMS Mi
crobiology Letters、25(198
4)121−124)によりストレプトミセス属のテス
トした全てのモシマイシン産生株が無細胞たんぱく質合
成系において比較的低濃度のエルファマイシンに感受性
を示すことが発見された。一方この著者等はキロスリシ
ン産生ストレプトミセスシナノメウス(Strepto
myces cinnanomeus)およびエフロト
マイシン産生ストレプトミセスラクタムデュランス(S
treptomyces lactamdurans)
(最近ノカルジアラクタムデュランス(Nocardi
a lactamduransと改名された)から単離
したEF−Tuは内在する抗生物質ばかりでなくモシマ
イシンに対しても耐性であることを発見し、エルファマ
イシン産生株のEF−Tuの自分自身のエルファマイシ
ンに対する感受性がそれらの産生能の制限因子となって
いることを示した。彼等は、ストレプトミセスシナモメ
ウス(Streptomyces cinnanome
us)およびストレプトミセスラクタムデュランス(S
treptomyces lactamdurans)
などの株は細胞内の高レベルの抗生物質に耐性であるこ
とから生産性の高い変異体を作製するのに適していると
推定した。本来エルファマイシン感受性のEF−Tuを
エルファマイシンに対する耐性が増加したEF−Tuに
する化学的変異化合物を用いた突然変異誘発はF.フィ
ッシャー(Fischer)等により、膜透過性を変化
させた大腸菌の実験株について報告されており(Pro
c.Natl.Acod.Sci.USA74(197
7)4341−4345)、またJ.A.M.ウァン・
デ・クランデルト(Van de Klundert)
等によっても報告されている(FEBS letter
81(1977)303−307)。前者の著書はこ
の大腸菌変異体は元の大腸菌と比べて増殖能力(エルフ
ァマイシン非存在下)を欠失していることを報告してい
る。大腸菌EF−Tuのエルファマイシン耐性の増加に
導く変異は、部位375のアラニンのバリンまたはスレ
オニンのいずれかへの置換によるものであることが分っ
た(F.J.デュイスターウィンケル(Duister
winkel)等、EMBOJ.(1984)113
−120)。その他にエルファマイシン耐性EF−Tu
たんばく質は別のグラム陰性菌からは報告されていな
い。グラム陽性菌枯草菌のエルファマイシン耐性EF−
Tuが同定されたが分子レベルでの特徴は分っていない
(I.スミス(Smith)およびP.パレス(Par
ess)、J.Bacteriol、135(197
8)1107−1117)。放線菌、特にストレプトミ
セス特にモシマイシン産生ストレプトミセス、特にスト
レプトミセスラモシシマス(Streptomyces
ramocissimus)についてそのような変異
に関する報告はない。エルファマイシンに対する耐性の
増加に等く大腸菌の化学的突然変異誘発に関する上記2
つの報告において、大腸菌は2つの別個のtuf遺伝子
に由来する非常に近い関係にあるが別個の2つのEF−
Tuたんばく質を有していることが示されている。エル
ファマイシンは感受性EF−Tuをリボゾームに不可逆
的に結合させることによりその活性を阻害するので、大
腸菌のエルファマイシン耐性変異体は2つのEF−Tu
たんぱく質について両方が変異しかつ活性をもつもの、
あるいは、2つのうち1つが変異し、かつ活性をもつも
のでもう1つが非活性のものであるという理論的基盤に
従っている。このことはインビトロ実験で確認された。
ストレプトミセス、特にストレプトミセスラモシシマス
(Streptomyces ramocissimu
s)の場合、本発明者は3個の非常に近い関係にあるt
uf遺伝子を同定した。さらに研究することでこれらの
1つは主にストレプトミセスの増殖性菌糸体で発現され
ることが分った。他の両遺伝子のたんぱく質産物は主要
EF−Tu種の量の約5パーセントを構成する。このこ
とは特にストレプトミセスラモシシマス(Strept
omyces ramocissimus)で観察され
る。同様のたんぱく質パターンがストレプトミセスコリ
ナス(Streptomyces collinus)
およびストレプトミセスゴルジニエンシス(Strep
tmyces goldiniensis)に見られ
た。大腸菌とは対照的に、ストレプトミセスは胞子形成
に向けて複雑な形態学的および生化学的分化を行う能力
を有している。それゆえ、胞子形成およびひきつづく発
芽の際、少数の不活性なEF−Tu種は主要な活性EF
−Tuとなると考えられる。この分化的発現は発生的に
調節される遺伝子群の転写を指令する枯草菌(R.ロシ
ック(Losick)等、Ann.Rev.Genet
ics20(1986)625−699)およびS.コ
リカラー(Coelicolor)A3(2)(M.
J.バトナー(Buttner)、Molecular
Microbiol.,(1989)1653−1
659)で観察される種々のシグマ因子の発現と類似し
ている。EF−Tuコード遺伝子の分化的発現には発生
相の特定の必要事項に翻訳機械を適用することが要求さ
れる。成長菌糸体における2つのマイナーEF−Tuの
発現レベルが低くても大腸菌における状態に類似してメ
ジャーEF−Tuたんぱく質がエルファマイシン耐性と
するとしてもこれらのマイナーEF−Tuがエルファマ
イシン感受性を優性としてしまう。したがってエルファ
マイシン耐性の発現型が明確な場合のエルファマイシン
感受性EF−Tu対エルファマイシン耐性EF−Tuの
相対的レベルは分らない。しかし、本発明の目的に関す
るストレプトミセス、特にストレプトミセスラモシシマ
ス(Streptomyces ramocissim
us)は1つのメジャーEF−Tuを有すると考えられ
ている。現在、エルファマイシン産生放線菌、特にモシ
マイシン産生放線菌、より特別にはストレプトミセスラ
モシシマス(Streptomyces ramoci
ssimus)に属するもののエルファマイシン感受性
EF−Tuを修正してこのたんばく質にこのバクテリア
によって生産されるエルファマイシンに対する耐性を付
与することが可能であることが分った。このことは突然
変異誘発によって行うことが可能である。特に、本発明
者はエルファマイシン感受性EF−Tuをコードする本
来のtuf遺伝子をエルファマイシンに対する耐性を増
加した新しいたんぱく質EF−TuRをコードする新し
いtufR遺伝子に修正する部位特異的突然変異誘発技
術を用いた突然変異誘発を行った。それゆえ本発明はエ
ルファマイシン産生放線菌から誘導され、かつ突然変異
誘発、特に突然変異誘発によってエルファマイシン耐性
としたことを特徴とするたんぱく質EF−TuRを提供
する。さらに本発明は前記たんぱく質EF−TuRをコ
ードする種々のDNA配列tufRを提供する。またさ
らに本発明は前記DNAを含むベクターを提供する。こ
れらのベクターは複製可能であり、および、またはエル
ファマイシン産生放線菌の染色体DNA配列に組込み得
る。さらに本発明はDNA配列tufの代りにDNA配
列tufRを含むエルファマイシン産生放線菌を提供す
る。この放線菌は実質的にエルファマイシン耐性が増加
している。エルファマイシンに対するEF−Tuたんぱ
く質の耐性の増加はエルファマイシン産生における制限
因子を除去する。エルファマイシン耐性tuf遺伝子の
発現はトランスホームした株の増殖に影響することが分
った。さらに本発明は前記DNA配列、ベクターおよび
放線菌の調製法を提供する。 〔発明の詳細な説明〕エルファマイシン産生種は放線菌
に見られる。ストレプトミセスを用いることが好まし
い。モシマイシン産生ストレプトミセスの例としてはス
トレプトミセスコリナス(Streptomyces
collinus)、ストレプトミセスジアスタトクロ
モゲネス(Streptomyces diastat
ochromogenes)、ストレプトミセスフラジ
ェ(Streptomycesfradiae)および
ストレプトミセスラモシシマス(Streptomyc
es ramocissimus)がある。S.ラモシ
シマス(ramocissimus)を用いるのが最も
好ましい。 伸長因子Tu(EF−Tu)は多くの方法
で単離し得る。たとえば段階的硫酸アンモニウム沈殿、
ゲル濾過、およびイオン交換クロマトグラフィーなど当
分野でよく知られている一般的たんぱく質精製技術を組
合せて使用し得る。EF−Tuたんぱく質の精製に関す
るこの方法の採用はD.ミラー(Miller)および
H.ウェイスバック(Weissbach)(Arc
h.Biochem,Biophys.141(197
0)26−37)、K.−I.アライ(Arai)等
(J.Biol,Chem.247(1972)702
9−7037)およびR.レバーマン(Leberma
n)等(Anal,Biochem.104(198
0)29−36)に報告されている。EF−Tuの好ま
しい単離操作を以下に示す。S.ラモシシマス(ram
ocissimus)の培養後遠心で菌糸体を回収す
る。この菌糸体を懸濁し超音波処理する。リボゾームを
除く分両遠心後、たんぱく質をアフィニティークロマト
グラフィーでさらに精製する(G.ヤコブソン(Jac
obson)およびJ.ローゼンバッシュ(Rosen
busch)、FEBS Lett.79(1977)
8−10)。この目的にはGDP−AH−セファロース
が特に有用である。精製後このたんぱく質のGDP交換
分析(H.ウェイスバック(Weissbach)等、
Arch.Biochem,Biophys.137
(1970)262−269)および、たとえばC.グ
ロックナー(Gloeckner)およびH.ウォルフ
(Wolf)(上述)によって報告されている無細胞抽
出物におけるEF−Tu依存ペプチド合成を促進する能
力による特徴を明らかにした。さらにアミノ酸組成およ
び(部分的)アミノ酸配列の決定による特性化を行っ
た。単離EF−Tuのエルファマイシン感受性はエルフ
ァマイシン結合実験(G.チナリ(Chinali)
等、Eur.J.Biochem.75(1977)5
5−65)およびEF−Tu依存ペプチド合成(C.グ
ロックナー(Gloeckner)およびH.ウォルフ
(Wolf)上述)に関する実験でテストした。また別
の直接的エルファマイシン結合検定が開発された。これ
は非変性PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)
によりエルファマイシンの存在下EF−Tuたんばく質
の移動度の変化によりEF−Tuたんぱく質のエルファ
マイシン結合能を観察し得るものである。エルファマイ
シンがEF−Tu、GDPに結合すると、EF−Tu、
GDP二者複合体よりもさらに負に荷電した三者複合体
が形成する(B.クラール(Kraal)等1989、
“グアニンヌクレオチド結合たんぱく質”、121−1
29、プレナムプレス、ニューヨーク)、結果的にたと
えばオーロドックスを用いた大腸菌野生型EF−Tuへ
のエルファマイシンの結合は非変性ポリアクリルアミド
ゲル中での移動距離を増加させる。エルファマイシン結
合によるペプチド合成阻害およびその直接的観察を用い
たこれら両方法はEF−Tu機能に関するエルファマイ
シン結合の効果を測定するよい方法である。もし、EF
−Tuのエルファマイシン耐性が確立されねばならない
ならこれらの検定法は重要である。エルファマイシンに
対する耐性を増加させたEF−Tu変異体を得るにはい
くつかの方法がある。これはたとえばエチルメタンスル
ホネートやN−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグ
アニジンなどの化学物質、またはUV照射により行ない
得る。高エルファマイシン耐性物の選択で高エルファマ
イシン耐性のEF−Tuを含む株を得る。このことは、
該たんぱく質の単離およびそのエルファマイシン結合実
験、および先に述べたEF−Tu依存ペプチド合成実験
で行い得る。突然変異誘発を行う別の方法はEF−Tu
をコードする遺伝子のクローニングを行うものである。
この方法では化学的(R.メイヤース(Myers)
等、Science 229(1985)242−24
7)または酵素的手法(P.レトバラ(Lehtova
ara)等、Protein Engineering
(1988)63−68)により本遺伝子をランダム
に変異させることも、また本遺伝子の1つ以上の特異的
領域/ヌクレオチドに突然変異誘発を集中させることも
可能である(部位特異的突然変異誘発)。部位特異的突
然変異誘発は本発明の好ましい態様である。EF−Tu
をコードする遺伝子をクローニングするには関連するエ
ルファマイシン産生種から染色体DNAを単離し、適当
なベクターに挿入する。ベクターにはプラスミド、ファ
ージ、およびコスミドなどが使用し得る。必要ならば発
現ベクターも使用できる。tuf遺伝子を含むクローン
はあらかじめ決定されているたんぱく質またはその一部
の配列に従って合成した合成プローブとのハイブリダイ
ゼーションで選択し得る。2つの遺伝子に十分な類似性
があるならハイブリダイゼーションプローブとして別の
種から単離したtuf遺伝子も使用し得る。たんぱく質
レベルで80%の一致があるならハイブリダイゼーショ
ンよる相同遺伝子の検出に十分なDNAレベルでの一致
があると考えられる。ハイブリダイゼーションにより発
見されかつ伸長因子活性を有するたんぱく質をコードす
る別の種も本発明の範囲に含まれる。発現ベクターにお
けるクローニングではEF−Tuに対して特異的抗体を
用いて得られるDNAライブラリーのスクリーニングも
可能である。S.ラモシシマス(ramocissim
us)の染色体DNAを単離し(D.ホップウッド(H
opwood)等、(1985)“ストレプトミセスの
遺伝子操作”、ラボラトリーマニュアル、ジョンインス
ファンデーション、ノルウェー)pUC8またはpUC
18などのプラスミドにクローン化することが好まし
い。1つのtuf遺伝子の選択はハイブリダイゼーショ
ンプローブとして大腸菌tufA遺伝子のHpaI/N
ruIフラグメントを用いて行う(T.ヨコタ(Yok
ota)等、Gene.33(1980)25−3
1)。最近ではプローブとして最初のS.ラモシシマス
(ramocissimus)tuf遺伝子を用いた。
このようにして3個のtuf遺伝子が検出、クローン化
され、ついでサンガー法でシーケンシングされた(Pr
o.Natl.Acad.Sci.USA、74(19
77)5463−5467)。ノーザンブロッティング
実験で、これら3個の配列から誘導される特異的プロー
ブを用いることにより、S.ラモシシマス(ramoc
issimus)の増殖の際に唯一のtuf遺伝子の転
写が検出された。この主要な機能性S.ラモシシマス
(ramocissimus)tuf遺伝子(Srtu
f1)は2.8kbBgl II染色体制限フラグメン
トに局在することが分った。さらに特異的抗体を用い
て、Srtuf1遺伝子によってコードされているたん
ぱく質は他の2つの遺伝子にコードされているたんぱく
質より約20倍も多いことが発見された。後者の遺伝子
はSrtuf2およびSrtuf3と呼ばれ各々3.0
kbBamHIフラグメントおよび4.2kbPstI
フラグメントにコードされている。SrEF−Tu1の
エルファマイシン耐性の改良を試すため、Stuf遺伝
子の部位特異的突然変異誘発を行った。別の種のEF−
Tu配列との比較からどのアミノ酸が重要か予測するこ
とができる。これを行う別の方法にはこのたんぱく質の
三次元構造の解析、インヒビター実験または酵素的メカ
ニズム実験がある。このようにして得られた情報から特
定の変異を提案し得る。先に述べたエルファマイシン耐
性大腸菌株について大腸菌EF−Tuたんぱく質の部位
375のアミノ酸アラニンのバリンまたはスレオニンに
よる置換でエルファマイシンに対する耐性が増加したE
F−Tu分子が生成することが発見された(F.ドゥイ
スターウィンケル(Duisterwinkel)等、
FEBSLetters13(1981)89−93、
F.ドゥイスターウィンケル(Duisterwink
el)等、EMBO J.(1984)113−12
0)。S.ラモシシマス(ramocissimus)
のEF−Tuたんぱく質をコードするDNAに同様の変
異を導入するのにいくつかの方法を採用できる。好まし
い態様では、ギャップ二本鎖突然変異誘発(W.クレー
マー(Kramer)等、Nucl、Acid、Re
s.12(1984)9441−9456)と組合せて
pMa−Cベクター系および大腸菌宿主wk6およびw
k6muts株(P.スタンセンス(Stanssen
s)等、Nucl.Acids Res.17(198
9)4441−4454)を用いた。特別に合成したオ
リゴヌクレオチドプローブを設計し、S.ラモシシマス
(ramocissimus)由来のEF−Tuの部位
378のアラニンをバリン(A378V)、スレオニン
(A378T)、プロリン(A378P)またはフェニ
ルアラニン(A378F)に変異するのに用いた。別の
変異としては部位378における別のアミノ酸の導入ま
たは部位360のグルタミン酸のフェニルアラニンへの
変異がある。修正したたんぱく質を得るため適当な宿主
中で変異遺伝子を発現させる。例としては大腸菌および
S.ラモシシマス(ramocissimus)におけ
る発現がある。SrEF−Tu変異体A378Vおよび
A378Tのエルファマイシンに対する感受性はインビ
トロ実験でテストした。各クローン化遺伝子のエルファ
マイシン耐性EF−Tuをコードする大腸菌株へのトラ
ンスホーメーション後、S.ラモシシマス(ramoc
issimus)EF−Tuおよびその変異体を発現さ
せた。これらトランスホーマントの無細胞抽出物をC.
グロックナー(Gloeckner)およびH.ウォル
フ(Wolf)(上述)の方法の修正法を用いて翻訳装
置のエルファマイシン耐性についてテストした。SrE
F−Tu変異体A378VおよびA378Tはエルファ
マイシン濃度160mg/lで50%の残存活性を示し
た。親SrEF−Tuはすでに1.6mg/lで50%
残存活性に到達した。それゆえ、上記検定法でテストし
た場合、エルファマイシン耐性EF−Tuたんぱく質は
少なくとも2mg/mlのエルファマイシン濃度で残存
活性50%のたんぱく質であると考えられる。得られた
全てのEF−Tu変異体をエルファマイシン結合による
非変性PAGEによる移動度変化で観察する直接的結合
実験でテストした。この検定において各EF−Tu変異
体(A378V、A378T、A378PおよびA37
8F)はエルファマイシンを結合し得ないことが分っ
た。この変異遺伝子をモシマイシン産生宿主に導入し
た。好ましい態様における宿主はS.ラモシシマス(r
amocissimus)である。この変異遺伝子は染
色体に組込まれることが望ましい。この目的のため、t
uf遺伝子座とホモロジーがある組込みベクターを使用
し得る。この遺伝子座で組込みが起これば親遺伝子と変
異遺伝子が置き換わる。また変異遺伝子は選択した別の
遺伝子座、好ましくはコードされるたんぱく質の発現レ
ベルが高い遺伝子座で染色体に挿入することも可能であ
る。このたんぱく質の高発現レベルのためにはプラスミ
ド上での存在も可能であり、有利なこともある。後者2
つの場合(tuf遺伝子とは別の遺伝子座でのtufR
遺伝子の挿入およびプラスミドにコードされるtuf
R)、親遺伝子がたとえばその全部または一部の欠失ま
たはその調節遺伝子配列の欠失などの変異で失活してい
ることが重要である。染色体Srtuf1遺伝子がtu
fRと置換したS.ラモシシマス(ramocissi
mus)株は成長菌糸体増殖相においてエルファマイシ
ン耐性レベルが5倍以上増加していることが分った。さ
らに、胞子化および胞子の発芽の際の外来エルファマイ
シンに対する耐性も等しく増加していた。エルファマイ
シン耐性ストレプトミセス(Streptomyce
s)とはその胞子が少なくとも0.2gエルファマイシ
ン/l、好ましくは0.2〜1.0gエルファマイシン
/lの条件下、酵母抽出物4g/l、麦芽抽出物10g
/lおよびグルコース4g/lを含むYMG培地中で発
芽、増殖することを特徴とする株と定義する。大腸菌と
は対照的に、エルファマイシン耐性ストレプトミセスラ
モシシマス(Streptomyces ramoci
ssimus)の増殖速度に関するEF−Tu変異の促
進効果は見られなかった。ここに示されているように、
本発明のEF−TuRたんぱく質は高エルファマイシン
耐性の株に生成する。エルファマイシン産生は増加する
であろうし、少なくともエルファマイシン産生が増加し
ていると見積られればこの修正たんぱく質を含む株はエ
ルファマイシン産生を増加し得るであろう。以下に示す
実施例は本発明を説明するものであり、その範囲を制限
するものではない。特定しないかぎり実施例においては
宿主として大腸菌を用いた組換えDNAの作製および操
作に関する全ての方法は、T.マニアチス(Nania
tis)等によって報告されている標準的方法で行った
(1982、モレキュラークローニング、ラボラトリー
マニュアル、コールドスプリングハーバーラボラトリ
ー、コールドスプリングハーバー、N.Y.)。
【実施例】
【実施例1】 S.ラモシシマス由来の伸長因子Tu(SrEF−T
u)の単離および特性 S.ラモシシマス(ramocissimus)CBS
190.69を液体S培地(M.オカニシ(Okani
shi)等、J.Gen.Microbiol80(1
974)389−400)中30℃で72時間培養し
た。遠心で菌糸体を収穫し、氷冷標準バッファ(10m
Mトリス/HCl pH7.8、60mM NH
l、10mM酢酸マグネシウム、1mMDTT、0.1
%PMSF)に懸濁した。このサスペンジョンを0℃で
45秒間10回の超音波処理を行った。処理の間に15
秒間の冷却を行った。超音波処理サスペンジョンを30
000gで15分間遠心した。このS−30抽出物中に
なお存在するリボゾームを10000g3時間の遠心で
ペレット化した。この遠心の上清をS.ラモシシマス
(ramocissimus)菌糸体のS−100フラ
クションとした。SrEF−TuはGDP−AH−セフ
ァロースのアフィニティークロマトグラフィーで精製し
た(G.ヤコブソン(Jacobson)およびJ.ロ
ーゼンバッシュ(Rosenbusch)、上述)。こ
の操作でSDS−PAGEで単一と判断される成分たん
ぱく質調製物が得られる。このたんぱく質は見かけ上、
50kDの分子量の移動度を示すが、大腸菌EF−Tu
は45kDの移動度を示す。この精製たんぱく質はGD
P交換実験(H.ワイスバッハ(Weissbach)
等、上述)によるたんぱく質の分析および大腸菌リボゾ
ームを用いたEF−Tu依存のポリ(U)依存ポリフェ
ニルアラニン合成の促進能によりS.ラモシシマス(r
amocissimus)EF−Tu(SrEF−T
u)と同定された。エルファマイシン結合実験(G.チ
ナリ(Chinali)等、上述)およびSrEF−T
uに依存するインビトロポリ(U)翻訳システムのエル
ファマイシン添加による阻害は両方ともSrEF−Tu
がエルファマイシン感受性であることを示している(実
施例5、およびC.グロックナー(Gloeckne
r)およびH.ウォルフ(Wolf)上述参照)。この
精製SrEF−Tuを用い標準法に従ってウサギのポリ
クローナル抗体を調製した。
【実施例2】 S.ラモシシマスtuf遺伝子の同定、単離および特徴 S.ラモシシマス(ramocissimus)CBS
190.69染色体DNAを単離するのに用いた操作は
基本的にD.ホップウッド(Hopwood)等(上
述)によって報告されたものである。制限酵素で切断し
たこのDNAのサザンブロッティング実験は、大腸菌t
ufAプローブ(HpaI/NruIフラグメント、
T.ヨコタ(Yokota)等、上述)が約3.0kb
のBglIIフラグメントに強くハイブリダイズするが
3.0kbBamHIフラグメントおよび4.2kbP
stIフラグメントには強くはないが非常に特異的にハ
イブリダイズすることを示した。強くハイブリダイズす
るDNAフラグメントをクリーニングするために、S.
ラモシシマス(ramocissimus)染色体DN
AをBglIIで完全に消化し、各々BamHI消化し
たプラスミドpUC8(V.ビエイラ(Vieira)
およびJ.メシング(Messing)Gene19
(1982)259−268)およびpUC18(C.
ヤニッシュ−ペラン(Yanisch−Perron)
等、Gene.33(1985)103−119)とラ
イゲーションした。トランスホーメーション用宿主には
大腸菌JM101株を用いた(J.メシング(Mess
ing)、Recombinant DNA Tech
nical Bulletin(1979)43−4
8)。sib選択操作を用いてS.ラモシシマス(ra
mocissimus)tuf配列の存在についてトラ
ンスホーマントプールのスクリーニングを行った。この
操作ではサザンハイブリダイゼーションによる最初の選
択をトランスホーマントプールから単離したプラスミド
について行った。ポジティブプールのサイズを順次減ら
し、各ステップでそのプールの全プラスミド集団をサザ
ンハイブリダイゼーションでスクリーニングする。最終
的に単一トランスホーマントから単離したプラスミドを
解析する。S.ラモシシマス(ramocissimu
s)tuf遺伝子を単離するためのsib選択操作で、
各々50〜70個のトランスホーマントの11個のプー
ルからプラスミドDNAを単離しアガロースゲルで電気
泳動した。これらDNA調製物の大腸菌tufAプロー
ブによるサザンハイブリダイゼーションで1つのポジテ
ィブプールが明らかになった。プールサイズの連続的減
少で2.8kbのBglII挿入物を含む1つのポジテ
ィブ組換えプラスミドpUC18が得られた(第2a
図) 完全な2.8kbフラグメントはサンガー(Sange
r)等(上述)のチェーンターミネーション法およびベ
クターとしてM13mp18またはM13mp19ファ
ージ(C.ヤニッシュ−ペラン(Yanisch−Pe
rron)上述)を用いて両鎖ともシーケンシングし
た。その配列解析でN末端メチオニンを含む397個の
アミノ酸からなるたんぱく質をコードする1191bp
のオープンリーディングフレームが明らかになった(第
1図、SEQID1)。このオープンリーディングフレ
ームに由来するたんぱく質配列は大腸菌EF−Tuと7
4%のホモロジーを示した。pUSrT1にクローン化
した遺伝子はS.ラモシシマス(ramocissim
us)EF−Tuをコードする遺伝子SrtufIであ
ると考えた。同様に、ハイブリダイゼーションプローブ
としてSrtuf1遺伝子を用いてSrtuf2遺伝子
を有する3.0kbBamHIフラグメントおよびSr
tuf3遺伝子を有する4.2kb PstIフラグメ
ントをクローン化し、そのコード領域のヌクレオチド配
列を決定した。Srtuf2およびSrtuf3のコー
ド配列およびそれらから誘導される産物SrEF−Tu
2およびSrEF−Tu3のアミノ酸配列を各々SEQ
ID2およびSEQID3としてリストした。SrEF
−Tu2は大腸菌EF−Tuと同じアミノ酸残基を74
%の割合で持ち、またSrEF−Tu3は64%の割合
で有していた。
【実施例3】 大腸菌におけるSrtuf1遺伝子の異種発現 S.ラモシシマス(ramocissimus)EF−
Tuたんばく質の独立した同定および特性化のため、ク
ローン化したSrtuf1遺伝子を大腸菌JM101で
発現させた。発現は大腸菌プラスミドpUC18上の誘
導可能なlacプロモーターの下流にSrtuf遺伝子
を置くことにより可能となる。Srtuf遺伝子を含む
pUSrT1のNvuI/XbaIフラグメントを単離
し、SmaI/XbaI消化pUC18とライゲーショ
ンしてから大腸菌JM101にトランスホーメーション
してプラスミドpUSrT1−1を得る(第2b図)。
pUSrT1−1でトランスホームした大腸菌JM10
1の増殖およびlacプロモーターの誘導は、100μ
g/mlアンピシリンおよび0.5mM IPTGを補
ったLB培地中37℃で16時間このトランスホーマン
トを培養することにより行った。これらの細胞の全たん
ぱく質はSDS−PAGEで分析した。これでこのトラ
ンスホームした大腸菌中に新しいたんぱく質種が存在す
ることが明らかになった。このたんぱく質は精製したS
rEF−Tuと共に泳動し、かつウエスタンブロッティ
ング実験でSrEF−Tu抗体(実施例1参照)と強く
反応する。このようにしてこの実験でpUSrT1−1
上に存在する遺伝子が同定され、Srtuf1遺伝子
は、SrEF−Tu1と呼ばれるたんぱく質をコードし
ていることが明らかになった。SrEF−Tu1の精製
のため、大腸菌JM101/pUSrT1−1細胞のS
−100フラクションを調製し(実施例1)、25μM
となるようにGDPを添加して安定化してからGDP−
AHセファロースカラムに通した。このような条件下で
大腸菌EF−Tuはこのカラムに結合し、一方SrEF
−Tu1たんぱく質は通過する。ついでこのGDP安定
化溶出物をタイマトリックスREd−Aカラム(アミコ
ン)にかけた。非結合たんぱく質の除去後、このカラム
に0〜1.5M NaClの直線塩濃度勾配を流し、約
0.45M NaClのところでSrEF−Tu1を溶
出させた。
【実施例4】 Srtuf1の部位特異的突然変異誘発 Srtuf1遺伝子の部位指定突然変異誘発のため、p
Ma−cベクターシステムおよび大腸菌宿主株WK6お
よびWK6mutS(P.スタンセンス(Stanss
ens)等、上述)をギャップ二本鎖突然変異誘発操作
(W.クレーマー(Kramer)等、上述)と組合せ
て用いた。pUSrT1をEcoR1およびHind
IIIで消化し、Srtuf遺伝子を含むフラグメント
をEcoR1およびHind III消化pMa6およ
びpMc6にライゲーションして各々プラスミドpMa
SrT1およびpMcSrT1を得た(第3図)。pM
a6およびpMc6はβ−ラクタマーゼ遺伝子内のPs
tI部位を欠くpMa5−8およびpMc5−8(P.
スタンセンス(Stanssens)等、上述)の誘導
体である。突然変異誘発および変異体選択の操作は基本
的にP.スタンセンス(Stanssens)等(上
述)の方法に従がいプラスミドpMaSrT1およびp
McSrT1を用いて行った。簡単に云うと、ファージ
M13Ko7でpMcSrT1含有大腸菌JM101を
感染させることによりプラスミドpMcSrT1から一
本鎖DNAを調製した。ギャップ二本鎖を作るため、一
本鎖pMcSrT1をpMaSrT1の大きい方のMl
uI/XbaIフラグメントおよび合成オリゴヌクレオ
チド1(SEQ ID4)または合成オリゴヌクレオチ
ド2(SEQID5)のいずれかと合わせSrEF−T
u1たんぱく質の部位378(アラニン)をバリンもし
くはスレオニンに変異させた。この変異たんぱく質を各
々SrEF−TuA378VおよびA378Tと命名し
た。DNAポリメラーゼI(ラージフラグメント)およ
びT4DNAリガーゼを用いたギャップ充填およびライ
ゲーション後このサンプルを大腸菌WK6mutSにト
ランスホームし、アンピシリン耐性で選択した。次にプ
ラスミドDNAをプールしたWK6mutSトランスホ
ーマントから単離し、大腸菌WK6株に導入した。さら
に個々のアンピシリン耐性WK6トランスホーマントを
上述した方法でM13Ko7に感染させ一本鎖のプラス
ミドDNAを得た。ヌクレオチド配列解析(実施例2)
を用いて目的の変異を含むクローンを同定し、また突然
変異誘発の際にギャップ内に二次的変異が導入されてい
ないことを確認した。各々の目的変異を含むプラスミド
を回収し、pMaSrT1VおよびpMaSrT1Tと
命名した(第3図)。同様に各々変異オリゴヌクレオチ
ド3(SEQ ID6)および4(SEQID7)を用
いて変異A378P(プロリン)およびA378F(フ
ェニルアラニン)を導入した。これらの実験で得たプラ
スミドはpMaSrT1PおよびpMaSrT1Fと命
名した。
【実施例5】 インビトロペプチド合成検定におけるSrEF−Tu変
異体A378VおよびA378Tの性質 変異体Srtuf遺伝子を発現させるためpUSrT1
−1の大きい方のMluI/XbaIフラグメントをp
MaSrT1VまたはpMaSrT1Tの小さい方のM
luI/XbaIフラグメントとライゲーションし、各
々プラスミドpUSrT1V−1およびpUSrT1T
−1を得た。プラスミドpUSrT1−1、pUSrT
1V−1およびpUSrT1T−1を大腸菌PM145
5(tufA、tufBi:Mu、rpoB、recA
56;P.ファンデルメイデ(van der Mei
de)等、Eur.J.Biochem.130(19
83)409−417)にトランスホームした。この株
はエルファマイシン耐性EF−Tuをコードする唯1つ
の活性tuf遺伝子を有している。各大腸菌PM145
5トランスホーマントを実施例3で述べたように増殖さ
せ、基本的に実施例1に述べた方法でS−30抽出物を
調製した。この抽出物1mlを15〜20cm長(10
mlピペット)の10mlセファデックスG−25カラ
ム(2gセファデックスG−25)にかけた。このカラ
ムを標準バッファ(実施例1)で溶出し、5滴づつのフ
ラクション(500〜700μl)を採取した。260
nmに吸収をもつ最初の4フラクションを回収した。こ
の粗プールフラクションを以下に示すようにインビトロ
ポリ(U)依存ポリ(Phe)合成の促進に使用した。
0℃で40mMトリス酢酸pH7.6、10mM酢酸マ
グネシウム、60mMNHCl、5mMβ−メルカプ
トエタノール、1mM ATP、0.025mM GT
P、2.5mMホスホフェノールピルベート、0.25
μg/mlピルベートキナーゼ、0.8mg/mltR
NA、0.1mg/mlポリ(U)、95μMフェニル
アラニン、および3μCi/mlH−フェニルアラニ
ン(57Ci/m mol)を含むインキュベーション
混合物を調製した。このインキュベーション混合物0.
6mlに0.12mlの粗抽出物を加えた。つづいて、
50μlのサンプルを37℃でインキュベートした。こ
のインキュベート混合物を以下に示すように処理した。
150μlの100mM NaOHを加え、さらに37
℃で5分間インキュベーションを続けた。次に、800
μlの5%トリクロロ酢酸(TCA)を加え、このサン
プルを0℃で5分間冷やした。沈殿をGFCフィルター
(ワットマン)で濾過し、5%TCAで3回洗浄し、次
に96%エタノールで1回洗浄した。このフィルターを
80℃で30分間乾燥し、各フィルターに2mlのキシ
レンシンチレーション液を添加した。H−フェニルア
ラニンの取込みを液体シンチレーションカウンターで分
析した。別の実験では、第4図に示したようにエルファ
マイシン濃度またはインキュベーション時間を変化させ
た。最初の実験結果を第4a図に示す。先に述べたS−
30抽出物を用いたパラレルポリ(U)合成実験におい
て、インキュベーション混合物に量を変化させてモシマ
イシンを添加した。反応時間は10分間一定とした。S
rEF−Tu変異株A378VおよびA378Tは両方
とも160mg/lモコマイシン存在下のインビトロポ
リ(phe)合成において50%の残存活性を示した
が、一方、S.ラモシシマス(ramocissimu
s)CBS190.69由来の親SrEF−Tuは1.
6mg/lモシマイシン濃度ですでに50%の残存活性
が見られた(第4a図)。第2の実験では16mg/l
モシマイシン濃度で40分間にわたりポリ(Phe)合
成を調べた。このインキュベーション間にSrEF−T
u変異体A378VおよびA378T両方によって行な
われたH−フゥニルアラニン取込みはモシマイシンを
含まないパラレルインキュベーションに比べて80%の
効率で進行することが分った。コントロール実験では親
SrEF−Tuを含むS−30抽出物は16mg/lの
モシマイシン存在下で無モシマイシン反応の20%の最
高効率を示した(第4b図)。
【実施例6】 非変性PAGEによるSrEF−Tu変異株A378
V、A378T、A378PおよびA378Fのエルフ
ァマイシン結合の観察 エルファマイシン結合能の直接的観察のため、基本的に
実施例3で示した方法で変異たんぱく質を大腸菌JM1
01で発現させた。つづいてGDP安定化S−30、S
−100または精製SrEF−Tuサンプルを調製し、
37℃で15分間、25μMオーロドックスとインキュ
ベートした。これらのサンプルおよびオーロドックスを
含まないコントロールサンプルを非変性10%ポリアク
リルアミドゲルにより電気泳動した。SrEF−Tuの
検出はSrEF−Tu抗体を用いたウェスタンブロッテ
ィング法で行った(実施例1)。野生型S.ラモシシマ
ス(ramocissimus)EF−Tuはゲル中で
の三者複合体による移動度増加で示されるようにエルフ
ァマイシンに結合するようであるが(第5図)、変異体
SrEF−Tuたんぱく質A378V、A378T、A
378PおよびA378Fはエルファマイシンとの前処
理によってその移動度に変化はなかった。このように本
実験でエルファマイシン耐性はおそらく変異体SrEF
−Tuたんぱく質へのエルファマイシンの結合の減少に
よるものであることが確められた。
【実施例7】 遺伝子置換ベクターpMTST1VΔSおよびpMTS
T1TΔSの構築 親染色体Srtuf遺伝子を置換し得るプラスミドpM
TST1VΔSおよびpMTST1TΔSを得るため、
いくつかの中間体構築物を調製した。 pUt18:プラスミドpIJ702(E.カッツ(K
atz)等、J.Gen.Microbiol.129
(1983)2703−2714)をBclIで消化
し、チオストレプトン耐性遺伝子を含む1.05kbフ
ラグメントを精製し、BamHI−消化したpUC18
にライゲーションした。大腸菌JM101へのトランス
ホーメーションで目的のプラスミドpUt18を得た
(第6a図)。 pStT1V−1およびpStT1T−1:pUt18
をSmaIおよびHind IIIで消化し、チオスト
レプトン耐性遺伝子を含む1.1kbフラグメントを精
製した。pUSrT1V−1およびpUSrT1T−1
をEcoRIおよびHindIIIで消化し、変異した
Srtuf遺伝子を含む1.9kbフラグメントを精製
した。精製した両フラグメントをpvuIIおよびEc
oRIで消化したpSP70と合わせ、ライゲーション
した後大腸菌JM101にトランスホーメーションし
た。上述の要素3つ全てを含むプラスミドを同定し、各
々pStT1V−1およびpStT1T−1と命名した
(第6a図)。 pStT1VΔS−1およびpStT1TΔS:変異S
rtuf遺伝子の上流領域および5′コード領域をEc
oRIおよびSmaIによる消化でプラスミドpStT
1V−1およびpStT1T−1から欠失させ、それに
つづいてDNAポリメラーゼ(ラージフラグメント)に
よる粘着EcoRI末端の平滑化、ライゲーション、お
よび大腸菌JM101へのトランスホーメーションを行
った。目的とする構築物が得られ、これらをpStT1
VΔSおよびpStT1TΔSと命名した(第7a
図)。 pMTST1VΔSおよびpMTST1TΔS:各々p
StT1VΔSおよびpMT660(A.バーチ(Bi
rch)およびJ.クラム(Cullum)、J.Ge
n.Microbiol 131(1985)1299
−1303)のPstI/PvuII消化から生じるよ
り大きいフラグメントをライゲーションし大腸菌JM1
01にトランスホームした。こうしてプラスミドpMT
ST1VΔSが得られる。同様に、pSt1TΔSから
出発してプラスミドpMTST1TΔSを構築した(第
7b図)。
【実施例8】 S.ラモシシマスtuf1遺伝子のエルファマイシン耐
性EF−Tuたんぱく質をコードする変異tuf1遺伝
子による置換 元のS.ラモシシマス(ramocissimus)E
F−Tuコード遺伝子を変異エルファマイシン耐性EF
−Tu変異体遺伝子A378VおよびA378Tで還元
するため、以下の組成:NaNO0.3g/l、K
HPO・3HO0.2g/l、MgSO・7H
O0.2g/l、CaCl・2HO0.005g/
1、FeSO・7HO0.01g/l、znSO
・7HO0.01g/l、CuSO・5H00.
005g/l、MnSO・4HO0.04g/l、
L−メチオニン0.1g/l、L−ロイシン0.1g/
l、L−チロシン0.5g/l、グルコース10g/
l、および寒天20g/lの胞子化培地を用い、S.ラ
モシシマス(ramocissimus)CBS19
0.69の新鮮な胞子を調製した。S−培地(実施例
1) での培養から始めてその0.5mlを胞子化プレ
ートに広げ30℃で5日間インキュベートした。基本的
にD.ホップウッド(Hopwood)等(上述)の方
法に従い胞子を単離し、0.5%グリシンを含むYMG
培地(酵母抽出物4g/l、麦芽抽出物10g/l、グ
ルコース4g/l)の接種に用いた。この培養物のリゾ
チーム処理でプロトプラストを得、これをD.ホップウ
ッド(Hopwood)等(上述)の方法に従がいプラ
スミドpMTST1VΔSおよびpMTST1TΔSで
トランスホームした。つづいてこのトランスホームした
プロトプラストを再生培地にプレーティングし30℃で
インキュベートした。再生培地は等容量の胞子化培地お
よび安定剤培地を混合して調製した。安定剤培地はNa
NO3g/l、KHPO・3HO0.085g
/l、KSO0.25g/l、FeSO・7H
O0.01g/l、微量元素溶液0.1ml、トリス
3.03g/l、NaCl2.92g/l、スクロース
103g/l、グルコース10g/l、MgCl・6
O 5g/l、CaCl・2HO1.5g/l
および寒天20g/lを含み、4N HClでpH7.
2に調整したもの。微量元素溶液の組成は以下のとおり
である;Fe(NHSO・6HO0.25g
/l、ZnSO・7HO0.05g/l、MnCl
・4HO0.04g/l、CuSO・5H
0.015g/l、CoCl・6HO0.015g
/l、HBO0.005g/l、NaMoO・2
O0.0055g/l、KI0.01g/l(4N
HClでpH3.0に調整)。24時間後、再生プレ
ートに20μg/mlチオストレプトンを含む3ml軟
寒天を重層し(D.ホップウッド(Hopwood)
等、上述)、30℃で5日間インキュベートした。2μ
gチオストレプトンを含む胞子化培地にチオストレプト
ン耐性コロニーをストリークし、個々のコロニーを2μ
g/mlチオストレプトンを含むYMG培地中30℃で
培養した。つづいて各培養物からプラスミドDNAを単
離し、制限酵素地図の解析からトランスホームしたプラ
スミドpMTST1VΔSおよびpMTST1TΔSの
同定および組込みを確認した。好ましくは本来のSrt
uf1部位とプラスミド内の変異SrtufR配列の相
同組換えにより、S.ラモシシマス(ramociss
imus)CBS190.69の染色体へのプラスミド
pMTST1VΔSの組込みを起こすため温度感受性p
MT660レプリコンを利用した。選択したトランスホ
ーマントをチオストレプトン2μg/mlの存在下、3
7℃での液体培地培養および胞子化を数サイクル(少な
くとも3サイクル)繰り返し、細胞由来の遊離して複製
するプラスミドを除き、プラスミドの染色体組込み体を
選択した。この操作で得た胞子を希釈し、プレーティン
グ後37℃でインキュベーションした。個々のコロニー
をピックアップし、2μg/mlチオストレプトンを含
むYMG中、37℃で増殖してからプラスミドDNAの
ないことをチェックした。次に全DNAをプラスミドフ
リーコロニーから単離し、BglIIIで消化後サザン
ブロッティングで解析した。組込みは染色体の2.8k
bバンドの消失および1.2および9.2kb両バンド
の出現で観測した(第8b図)。染色体Srtuf1遺
伝子座に組込まれた1つのプラスミドコピーを有する株
をチオストレプトンを含まないYMGで増殖し、ついで
非選択胞子化培地にプレーティングした。つづいて2μ
g/mlチオストレプトンを含む胞子化培地への単一コ
ロニーのレプリカプレーティングで染色体の分子内相同
組換え(プラスミド組込みの逆過程)によりプラスミド
配列を失ったチオストレプトン感受性株を同定した。
0.5g/lモシマイシンを含む液体YMG培地中およ
び0.1g/lモシマイシンを含む固体胞子化培地上の
両方でエルファマイシン耐性を示すチオストレプトン感
受性株の選択でA378V変異以外は本来のS.ラモシ
シマス(ramocissimus)CBS190.6
9と同一の染色体Srtufを保存しているS.ラモシ
シマス(ramocissimus)R1V株が得られ
た(第8c図)。同様に、プラスミドpMTST1TΔ
Sを用いて変異A378T以外本来のSrtufを有す
るS.ラモシシマス(ramocissimus)R1
Tを得た。
【実施例9】 S.ラモシシマスR1V株のエルファマイシン耐性 S.ラモシシマス(ramocissimus)R1V
株の胞子、菌糸体およびプロトプラストについて増殖に
関する最小モシマイシン阻害濃度を測定した。S.ラモ
シシマス(ramocissimus)R1V株および
コントロールS.ラモシシマス(ramocissim
us)CBS190.69株の胞子を各々25mlYM
G培地および0〜1g/lの濃度のモシマイシンを含む
振とうフラスコに5.10胞子/mlとなるよう接種
した。これを30℃で5日間インキュベーションした。
第1表はこの実験結果を示している。コントロール株の
場合0.15g/lのモシマイシンで胞子の発芽(およ
び/または増殖)が阻害されたがS.ラモシシマス(r
amocissimus)R1V株の胞子はモシマイシ
ン濃度0.75g/lまで発芽および増殖を示した。同
様の結果は0〜1g/lのモシマイシンを含む固体培地
(HI寒天、ディフコ)でも得られた。各寒天プレート
当り約200コロニー形成単位となるようS.ラモシシ
マス(ramocissimus)R1V株およびS.
ラモシシマス(ramocissimus)CBS19
0.69株の胞子を希釈した。このプレートは30℃で
5日間インキュベートした。コントロールのS.ラモシ
シマス(ramocissimus)CBS190.6
9株の場合、0.1g/l以上のモシマイシン濃度では
コロニーは出現しなかった。逆に、S.ラモシシマス
(ramocissimus)R1V株の胞子は少なく
とも0.75g/lまで定量的に発芽しコロニーを形成
した。各株の胞子をモシマイシンを含まないYMG培地
中で前培養した菌糸体で置換しても基本的に同じ結果が
得られた。16時間培養物1mlのプレーティングで
S.ラモシシマス(ramocissimus)R1V
株およびコントロールS.ラモシシマス(ramoci
ssimus)CBS190.69は各々0.75およ
び0.15g/lの最小阻害濃度を示すことが分った。
実施例7で述べたように調製したS.ラモシシマス(r
amocissimus)CBS190.69株および
S.ラモシシマス(ramocissimus)R1V
株のプロトプラストを用いた別のテストを行った。プロ
トプラストは細胞内成分と外部培地間の防御バリヤーを
形成する細胞壁を欠くことからこれらは胞子や菌糸体よ
りもエルファマイシンに対しかなり高い感受性を示す。
そこで0〜0.1g/lモシマイシンを含む再生培地
(実施例7)にプロトプラストをプレーティングした。
これらの条件下でS.ラモシシマス(ramociss
imus)CBS190.69のプロトプラストはモシ
マイシン濃度0.02g/l以下でのみ再生し得た。ま
た0.1g/lまでのモシマイシン存在下でのS.ラモ
シシマス(ramocissimus)R1Vの再生は
モシマイシンなしの条件下と同じ効率で起っている(第
2表)
【実施例10】 S.ラモシシマスR1V株から単離したEF−TuRの
分析 S.ラモシシマス(ramocissimus)R1V
株は実際に主要EF−Tu種として変異Srtuf1遺
伝子を発現していることを確認するため基本的に実施例
1で述べられている方法に従がいS.ラモシシマス(r
amocissimus)R1V株の培養物からS−1
00抽出物を調製した。つづいて、この抽出物を実施例
6に概説されている直接的エルファマイシン結合検定で
試験した。第9図に示したこの実験結果はS.ラモシシ
マス(ramocissimus)R1V株の主要EF
−TuはCBS190.69株のものとは逆に採用した
条件下でエルファマイシンオーロドックスを結合し得な
いことを示した。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図式中では以下に示す略号および記号を使用した。 bla :アンピシリン耐性遺伝子(不活性な場合はb
la−) bla:bla−における翻訳終止コドンの位置 cat :クロラムフェニコール耐性遺伝子(不活性な
場合はcat−) cat:cat−における翻訳終止コドンの位置 tsr :チオストレプトン耐性遺伝子 ori322:プラスミドpBR322由来の複製オリ
ジン orif1:ファージf1由来の複製オリジン rep660:プラスミドpMT660由来の複製オリ
ジン Srtuf:S.ラモシシマス(ramocissim
us)tuf遺伝子、この遺伝子の3′コード領域のみ
が存在する場合はSrtuf3′ plac :大腸菌lacオペロンプロモーター。
【図1】S.ラモシシマス(ramocissimu
s)tuf 1のDNA配列およびこれから誘導した
S.ラモシシマス(ramocissimus)EF−
Tu1たんぱく質のアミノ酸配列(SEQ ID N
O:1で示される) EF−TuRは部位378のアミノ酸アラニンがバリン
またはスレオニンで置換されていることを特徴とする。
tuf R遺伝子は、部位378のアラニンをコードす
るコードがバリン、スレオニン、プロリンまたはフェニ
ルアラニンをコードするコドンに変化したことを特徴と
する。
【図2】S.ラモシシマス(ramocissimu
s)tuf 1のDNA配列およびこれから誘導した
S.ラモシシマス(ramocissimus)EF−
Tu1たんぱく質のアミノ酸配列(SEQ ID N
O:1で示される) EF−TuRは部位378のアミノ酸アラニンがバリン
またはスレオニンで置換されていることを特徴とする。
tufR遺伝子は、部位378のアラニンをコードする
コードがバリン、スレオニン、プロリンまたはフェニル
アラニンをコードするコドンに変化したことを特徴とす
る。
【図3】a.プラスミドpUSrTlの地図 b.発現プラスミドpMaSrT1の地図。プラスミド
pMaSrT1V、pMaSrT1T、pMaSrT1
PおよびpMaSrT1Fにおいては、Ala378は
各々バリン、スレオニン、プロリン、およびフェニルア
ラニンに置換している。
【図4】a.プラスミドpMaSrT1の地図。プラス
ミドpMaSrT1V、pMaSrT1T、pMaSr
T1PおよびpMaSrT1Fにおいて、Ala378
は各々バリン、スレオニン、プロリンおよびフェニルア
ラニンに置換している。 b.プラスミドpMcSrT1の地図。
【図5】種々の濃度のモシマイシン存在下インビトロポ
リフェニルアラニン合成系におけるSrEF−Tuおよ
びSrEF−Tu変異体A378VおよびA378Tの
残存活性を示すグラフを表す図である。
【図6】16mg/lモシマイシンの存在下、インビト
ロポリフェニルアラニン合成系におけるSrEF−Tu
およびSrEF−Tu変異体A378VおよびA378
TによるH−フェニルアラニン取り込みの時間経過を
示すグラフを表す図である。
【図7】a.エルファマイシン結合検定による変異体S
rEF−Tu1たんぱく質A378VおよびA378T
の電気泳動による分析結果を示す写真である。レーン1
および2:野生型SrEF−Tu、レーン3および4:
SrEF−TuA378T、レーン5および6:SrE
F−TuA378V。レーン2、4および6において指
示されたSrEF−Tuたんぱく質は25μMオーロド
ックスで前処理されている。 b.エルファマイシン結合検定による変異体SrEF−
Tu1たんぱく質A378PおよびA378Fの電気泳
動による分析結果を示す写真である。レーン1および
2:野生型SrEF−Tu、レーン3および4:SrE
F−TuA378F、レーン5および6:SrEF−T
uA378P。レーン2、4および6において指示され
たSrEF−Tuたんぱく質は25μMオーロドックス
で前処理されている。
【図8】a.プラスミドpUt18の地図。 b.プラスミドpStT1−1の地図。プラスミドpS
tT1V−1およびpStT1T−1においてAla3
78は各々バリンおよびスレオニンに置換している。
【図9】a.プラスミpStT1ΔSの地図。プラスミ
ドpStT1VΔSおよびpStT1TΔSにおいてA
la378は各々バリンおよびスレオニンで置換されて
いる。 b.プラスミドpMTST1ΔSの地図。プラスミドp
MTST1VΔSおよびpMTST1TΔSにおいて、
Ala378は各々バリンおよびスレオニンで置換され
ている。
【図10】a.S.ラモシシマス(ramocissi
mus)CBS190.69染色体tuf遺伝子の地
図。 b.プラスミドpMTST1VΔSが相同組換えで組込
まれたS.ラモシシマス(ramocissimus)
tuf遺伝子の地図。 c.S.ラモシシマス(ramocissimus)R
1V染色体tufR遺伝子の地図。
【図11】エルファマイシン結合に関するS.ラモシシ
マス(ramocissimus)R1V株由来のSr
EF−Tuの電気泳動による分析結果を示す写真であ
る。サンプルは以下に示すようにゲルにロードした。レ
ーン1および2:大腸菌JM101〔pUSrT1−
1〕から単離した野生型SrEF−Tu、レーン3およ
び4:S.ラモシシマス(ramocissimus)
CBS190.69から単離したSrEF−Tu、レー
ン5および6:S.ラモシシマス(ramocissi
mus)R1V株から単離したSrEF−Tu。レーン
1、4および6において指示されたたんぱく質は25μ
Mオーロドックスで前処理した。
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月30日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図6】
【図2】
【図11】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図10】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/21 C12R 1:465) (C12P 21/02 C12R 1:465) (72)発明者 リヒャルト ケルクマン オランダ国 2021ベーカー ハールレム シェッペルスストラート 60 (72)発明者 レーンデルト ボッシュ オランダ国 2341エルエル ウーヘストヘ ースト ホフブラウケルラーン 56 (72)発明者 エリック ヴェイヘンボーム オランダ国 2651イックスペー ベルケル アン ローデンレイス ローゼノールト 62 (72)発明者 ピーテル ウィルヘルムス ヘンドリック ス ヘインストラ オランダ国 3571イェーハー ユトレヒト エイクマンラーン 241

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エルファマイシン産生放線菌から入手可
    能であり、かつエルファマイシン耐性を提供することを
    特徴とするたんぱく質EF−TuR。
  2. 【請求項2】 前記エルファマイシンがモシマイシン
    (キロマイシン)であることを特徴とする請求の範囲1
    記載のたんぱく質EF−TuR。
  3. 【請求項3】 ポリ(U)依存ポリフェニルアラニン合
    成を目的とした無細胞系でテストする場合モシマイシン
    を1リットル当り少なくとも2mg、好ましくは1リッ
    トル当り少なくとも160mgを含む培地中で50%の
    残存活性を有することを特徴とする請求の範囲1または
    2のいずれか1項記載のたんぱく質EF−TuR。
  4. 【請求項4】 前記放線菌がストレプトミセス、好まし
    くはストレプトミセスラモシシマス、より好ましくはス
    トレプトミセスラモシシマスCBS190.69である
    ことを特徴とする請求の範囲1乃至3のいずれか1項記
    載のたんぱく質EF−TuR。
  5. 【請求項5】 添付図の第1図記載のアミノ酸配列の少
    なくとも80%に対応する配列を含む請求の範囲1乃至
    4のいずれか1項記載のたんぱく質EF−TuR。
  6. 【請求項6】 相同的たんぱく質中の部位378または
    該部位に相当する前位のアラニンがバリン、スレオニ
    ン、プロリンまたはフェニルアラニンのいずれかに置換
    したことを特徴とする請求の範囲5記載のたんぱく質E
    F−TuR。
  7. 【請求項7】 請求の範囲1乃至6のいずれか1項記載
    のたんぱく質EF−TuRをコードするDNA配列tu
    fR。
  8. 【請求項8】 相同的遺伝子中部位378または該部位
    に相当する部位のアラニンをコードするコドンがバリ
    ン、スレオニン、プロリンまたはフェニルアラニンのい
    ずれかをコードするコドンに置換したことを特徴とする
    第1図に示した請求の範囲7記載のDNA配列tuf
    R。
  9. 【請求項9】 請求の範囲7または8のいずれか1項記
    載のDNA配列を含むベクターで、好ましくは該ベクタ
    ーがプラスミドであるもの。
  10. 【請求項10】 添付図の第2図、第3図、第6図およ
    び第7図で示されるpMaSrT1V、pMaSrT1
    T、pMaSrT1P、pMaSrT1F、pUSrT
    1V−1、pUSrT1T−1、pUSrT1P−1、
    pUSrT1F−1、pStT1V−1、pStT1T
    −1、pStT1VΔS、pStT1TΔS、pMTS
    T1VΔSまたはpMTST1TΔSであることを特徴
    とするプラスミドベクター。
  11. 【請求項11】 請求の範囲7または8のいずれか1項
    記載のDNA配列tufRを含むエルファマイシン産生
    放線菌。
  12. 【請求項12】 前記エルファマイシンがモシマイシン
    であることを特徴とする請求の範囲11記載のエルファ
    マイシン産生放線菌。
  13. 【請求項13】 前記DNA配列tufRがDNA配列
    tufを置換して染色体中に組込まれていることを特徴
    とする請求項11または12のいずれか1項記載のエル
    ファマイシン産生放線菌。
  14. 【請求項14】 ストレプトミセスであることを特徴と
    する請求の範囲11乃至13のいずれか1項記載のエル
    ファマイシン産生放線菌。
  15. 【請求項15】 胞子が少なくとも0.2g/l、好ま
    しくは0.2〜1.0g/lのモシマイシンの存在下酵
    母抽出物4g/l、麦芽抽出物10g/lおよびグルコ
    ース4g/lを含むYMG培地中で発芽および増殖する
    ことを特徴とするモシマイシン産生ストレプトミセス。
  16. 【請求項16】 ストレプトミセスラモシシマス種に属
    することを特徴とする請求の範囲15記載のストレプト
    ミセス。
  17. 【請求項17】 変異たんぱく質SrEF−TuA37
    8Vをコードする遺伝子を発現するストレプトミセスラ
    モシシマスCBS190.69由来のストレプトミセス
    ラモシシマスR1V株。
  18. 【請求項18】 請求の範囲1乃至6のいずれか1項記
    載のエルファマイシン耐性EF−TuRを発現するエル
    ファマイシン産生放線菌の作製法で、 (1)エルファマイシン産生放線菌からの遺伝子tuf
    のクローニング、 (2)該遺伝子の部位特異的突然変異誘発によるエルフ
    ァマイシン感受性EF−Tuをコードする遺伝子tuf
    のエルファマイシン耐性EF−TuRをコードする遺伝
    子tufRへの改変、 (3)遺伝子tufRまたはその一部を含むベクターの
    構築、 (4)該ベクターを導入することによるエルファマイシ
    ン産生放線菌のトランスホーメーション、 (5)染色体のtuf部位に該ベクターが組込まれたト
    ランスホーマントのエルファマイシン耐性による選択。 以上(1)乃至(5)のステップを含む方法。
  19. 【請求項19】 エルファマイシン産生可能で、かつ少
    なくとも0.2g/l、好ましくは0.2〜1.0g/
    lの濃度のエルファマイシンに耐性を示す放線菌の発酵
    を含むエルファマイシンの製造法。
  20. 【請求項20】 前記エルファマイシンがモシマイシン
    であることを特徴とする請求の範囲19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記放線菌がストレプトミセス、好ま
    しくはストレプトミセスラモシシマスであることを特徴
    とする請求の範囲19または20のいずれか1項記載の
    方法。
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