JPH0753534A - ベンジル酸誘導体 - Google Patents
ベンジル酸誘導体Info
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- JPH0753534A JPH0753534A JP5203138A JP20313893A JPH0753534A JP H0753534 A JPH0753534 A JP H0753534A JP 5203138 A JP5203138 A JP 5203138A JP 20313893 A JP20313893 A JP 20313893A JP H0753534 A JPH0753534 A JP H0753534A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 一般式(I):
【化1】
〔式中、Rはアルキルで置換されていてもよい水酸基を
示し、Xは酸素原子、アルキレンまたは式: 【化2】 (式中、R1 は水素原子または鎖状脂肪族炭化水素残基
を示す)で表される基を示す〕で表されるベンジル酸誘
導体またはその酸付加塩、およびそれを有効成分とする
泌尿器官用剤。 【効果】 本発明のベンジル酸誘導体(I)およびその
酸付加塩は、哺乳動物に対して、強力かつ持続性の膀胱
律動収縮の抑制、膀胱三角部の興奮抑制、膀胱の刺激状
態の緩解および膀胱排尿力の保持等の膀胱に対する作用
を有し、しかも低毒性で、またこれを経口投与した場
合、従来のベンジル酸誘導体に比べて経口吸収率が極め
て良好で高い血中濃度が得られ、しかもそれを持続する
ことができる。
示し、Xは酸素原子、アルキレンまたは式: 【化2】 (式中、R1 は水素原子または鎖状脂肪族炭化水素残基
を示す)で表される基を示す〕で表されるベンジル酸誘
導体またはその酸付加塩、およびそれを有効成分とする
泌尿器官用剤。 【効果】 本発明のベンジル酸誘導体(I)およびその
酸付加塩は、哺乳動物に対して、強力かつ持続性の膀胱
律動収縮の抑制、膀胱三角部の興奮抑制、膀胱の刺激状
態の緩解および膀胱排尿力の保持等の膀胱に対する作用
を有し、しかも低毒性で、またこれを経口投与した場
合、従来のベンジル酸誘導体に比べて経口吸収率が極め
て良好で高い血中濃度が得られ、しかもそれを持続する
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は泌尿器官用剤などとして
有用な新規ベンジル酸誘導体に関する。
有用な新規ベンジル酸誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】ベンジル酸系の化合物のなかには、排尿
機能改善作用を有するものがあることが知られている。
しかしながら、かかるベンジル酸誘導体の創製および薬
理学的研究は、未だ十分とは言い難いのが実情である。
機能改善作用を有するものがあることが知られている。
しかしながら、かかるベンジル酸誘導体の創製および薬
理学的研究は、未だ十分とは言い難いのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、極め
て優れた薬理活性、特に膀胱律動収縮の抑制、膀胱三角
部の興奮抑制、膀胱が刺激された状態の緩解および膀胱
排尿力の保持などの膀胱に対する薬理作用を有し、低毒
性であり、さらに経口投与した場合、従来のベンジル酸
誘導体に比べてその経口吸収率が著しく良好であり、血
中濃度が極めて高く、しかも高血中濃度が持続できる新
規ベンジル酸誘導体を提供することである。また、本発
明の他の目的は、優れた泌尿器官用剤、特に排尿機能改
善剤、就中頻尿治療剤を提供することである。
て優れた薬理活性、特に膀胱律動収縮の抑制、膀胱三角
部の興奮抑制、膀胱が刺激された状態の緩解および膀胱
排尿力の保持などの膀胱に対する薬理作用を有し、低毒
性であり、さらに経口投与した場合、従来のベンジル酸
誘導体に比べてその経口吸収率が著しく良好であり、血
中濃度が極めて高く、しかも高血中濃度が持続できる新
規ベンジル酸誘導体を提供することである。また、本発
明の他の目的は、優れた泌尿器官用剤、特に排尿機能改
善剤、就中頻尿治療剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(I):
式(I):
【0005】
【化5】
【0006】〔式中、Rはアルキルで置換されていても
よい水酸基を示し、Xは酸素原子、アルキレンまたは
式:
よい水酸基を示し、Xは酸素原子、アルキレンまたは
式:
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R1 は水素原子または鎖状脂肪族
炭化水素残基を示す)で表される基を示す〕で表される
ベンジル酸誘導体〔以下、ベンジル酸誘導体(I)とい
う〕またはその酸付加塩に関する。また、本発明はベン
ジル酸誘導体(I)またはその酸付加塩を有効成分とし
て含有する泌尿器官用剤に関する。
炭化水素残基を示す)で表される基を示す〕で表される
ベンジル酸誘導体〔以下、ベンジル酸誘導体(I)とい
う〕またはその酸付加塩に関する。また、本発明はベン
ジル酸誘導体(I)またはその酸付加塩を有効成分とし
て含有する泌尿器官用剤に関する。
【0009】本明細書において、各記号および各基はそ
れぞれ次のことを意味する。Rで示される水酸基を置換
してもよいアルキルは、直鎖状、分岐状のいずれでもよ
く、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピ
ル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル等の
炭素数1〜4の低級アルキルが好ましい。
れぞれ次のことを意味する。Rで示される水酸基を置換
してもよいアルキルは、直鎖状、分岐状のいずれでもよ
く、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピ
ル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル等の
炭素数1〜4の低級アルキルが好ましい。
【0010】Xで示されるアルキレンとしては、メチレ
ン(−CH2 −)、エチレン(−CH2 CH2 −)等炭
素数1〜3のものが例示される。
ン(−CH2 −)、エチレン(−CH2 CH2 −)等炭
素数1〜3のものが例示される。
【0011】R1 で示される鎖状脂肪族炭化水素残基と
しては、鎖状アルキル、鎖状アルケニル及び鎖状アルキ
ニルが例示される。該鎖状アルキルとしては、メチル、
エチル、n−プロピル、n−ブチル等の炭素数1〜4の
ものが好ましい。また鎖状アルケニル及び鎖状アルキニ
ルとしては、ビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニ
ル、エチニル、プロピニル、ペンチニル等の炭素数2〜
5のものが好ましい。
しては、鎖状アルキル、鎖状アルケニル及び鎖状アルキ
ニルが例示される。該鎖状アルキルとしては、メチル、
エチル、n−プロピル、n−ブチル等の炭素数1〜4の
ものが好ましい。また鎖状アルケニル及び鎖状アルキニ
ルとしては、ビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニ
ル、エチニル、プロピニル、ペンチニル等の炭素数2〜
5のものが好ましい。
【0012】ベンジル酸誘導体(I)の酸付加塩として
は、薬理学的に許容されうるものであれば特に制限はな
く、具体的には塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸
塩等の無機酸との塩、酒石酸、酢酸、しゅう酸、コハク
酸、フマル酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸、メタ
ンスルホン酸等の有機酸との塩が例示される。
は、薬理学的に許容されうるものであれば特に制限はな
く、具体的には塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸
塩等の無機酸との塩、酒石酸、酢酸、しゅう酸、コハク
酸、フマル酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸、メタ
ンスルホン酸等の有機酸との塩が例示される。
【0013】本発明のベンジル酸誘導体(I)は、たと
えば次のようにして製造される。 (第1法)一般式(II):
えば次のようにして製造される。 (第1法)一般式(II):
【0014】
【化7】
【0015】(式中、Xは前記と同意義)で表される化
合物と一般式(III):
合物と一般式(III):
【0016】
【化8】
【0017】(式中、Rは前記と同意義)で表される化
合物とを反応させる方法。
合物とを反応させる方法。
【0018】当該アシル化反応において、化合物(II
I)は遊離カルボン酸のまま用いてもよいし、その反応
性誘導体として用いてもよい。反応性誘導体としては、
酸ハライド(酸クロライド、酸ブロマイドなど)、酸無
水物、混合酸無水物〔置換リン酸(ジアルキルリン酸な
ど)、炭酸モノアルキルエステル(炭酸モノエチルエス
テルなど)、エステル(シアノメチルエステル、4−ニ
トロフェニルエステルなど)などが例示される。
I)は遊離カルボン酸のまま用いてもよいし、その反応
性誘導体として用いてもよい。反応性誘導体としては、
酸ハライド(酸クロライド、酸ブロマイドなど)、酸無
水物、混合酸無水物〔置換リン酸(ジアルキルリン酸な
ど)、炭酸モノアルキルエステル(炭酸モノエチルエス
テルなど)、エステル(シアノメチルエステル、4−ニ
トロフェニルエステルなど)などが例示される。
【0019】また、この反応において、化合物(II
I)を遊離酸で使用する場合、縮合剤の存在下で反応を
行うのが好ましい。縮合剤の例としては、たとえば、
N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチ
ル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド、N−シクロヘキシル−N’−モルホリノエチルカ
ルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−(4−ジエ
チルアミノシクロヘキシル)カルボジイミドなどのカル
ボジイミド化合物、N,N’−カルボニルジイミダゾー
ル、N,N’−チオニルジイミダゾールのようなアシル
イミダゾール化合物などの縮合剤が挙げられる。これら
の縮合剤を用いた場合、反応はカルボン酸の反応性誘導
体を経て進行すると考えられる。
I)を遊離酸で使用する場合、縮合剤の存在下で反応を
行うのが好ましい。縮合剤の例としては、たとえば、
N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチ
ル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド、N−シクロヘキシル−N’−モルホリノエチルカ
ルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−(4−ジエ
チルアミノシクロヘキシル)カルボジイミドなどのカル
ボジイミド化合物、N,N’−カルボニルジイミダゾー
ル、N,N’−チオニルジイミダゾールのようなアシル
イミダゾール化合物などの縮合剤が挙げられる。これら
の縮合剤を用いた場合、反応はカルボン酸の反応性誘導
体を経て進行すると考えられる。
【0020】本反応は通常不活性溶媒中で行われる。溶
媒としては、具体的にはアセトン、ジオキサン、エーテ
ル、アセトニトリル、クロロホルム、ベンゼン、塩化メ
チレン、塩化エチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンなどの有
機溶媒、およびこれらの混合物が挙げられる。本反応
は、0〜100℃、好ましくは室温から80℃で行われ
る。
媒としては、具体的にはアセトン、ジオキサン、エーテ
ル、アセトニトリル、クロロホルム、ベンゼン、塩化メ
チレン、塩化エチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンなどの有
機溶媒、およびこれらの混合物が挙げられる。本反応
は、0〜100℃、好ましくは室温から80℃で行われ
る。
【0021】(第2法)一般式(I)においてXが式:
【0022】
【化9】
【0023】(式中、R1 は鎖状脂肪族炭化水素残基を
示す)の化合物は、下記の方法を用いても製造すること
ができる。一般式(I−1):
示す)の化合物は、下記の方法を用いても製造すること
ができる。一般式(I−1):
【0024】
【化10】
【0025】(式中、Rは前記と同意義)で表される化
合物と一般式(IV): R2 −Y (IV) 〔式中、R2 は鎖状脂肪族炭化水素を示し、Yはハロゲ
ン(たとえば塩素、臭素、ヨウ素)、トシレート等を示
す〕で表される化合物とを反応させる方法。
合物と一般式(IV): R2 −Y (IV) 〔式中、R2 は鎖状脂肪族炭化水素を示し、Yはハロゲ
ン(たとえば塩素、臭素、ヨウ素)、トシレート等を示
す〕で表される化合物とを反応させる方法。
【0026】本反応は水酸化ナトリウム、水酸化カルシ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、ピリジン、トリエチルアミン等の塩
基の存在下に行うのが好ましく、また反応に悪影響を及
ぼさない溶媒、たとえばトルエン、ベンゼン、メタノー
ル、エタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ア
セトン、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルエチル
ケトン、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、
水等を適宜用い、−10〜130℃で反応を行うことが
できる。なお、式(IV)中、Yで示されるハロゲンが塩
素原子または臭素原子の場合は反応促進のため、ヨウ化
ナトリウム、ヨウ化カリウム等を化合物(IV)1モルに
対し、約0.1〜約2モル存在させてもよい。化合物
(I−1)は一般式(I’):
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、ピリジン、トリエチルアミン等の塩
基の存在下に行うのが好ましく、また反応に悪影響を及
ぼさない溶媒、たとえばトルエン、ベンゼン、メタノー
ル、エタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ア
セトン、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルエチル
ケトン、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、
水等を適宜用い、−10〜130℃で反応を行うことが
できる。なお、式(IV)中、Yで示されるハロゲンが塩
素原子または臭素原子の場合は反応促進のため、ヨウ化
ナトリウム、ヨウ化カリウム等を化合物(IV)1モルに
対し、約0.1〜約2モル存在させてもよい。化合物
(I−1)は一般式(I’):
【0027】
【化11】
【0028】(式中、R3 はアミノ基の保護基)の脱保
護基反応を行うことによっても得られる。アミノ基の保
護基としては、自体公知のものが挙げられ、たとえば、
ホルミル、tert−ブトキシカルボニル、メトキシカルボ
ニル、ジクロロアセチル、トリチル等が挙げられる。
護基反応を行うことによっても得られる。アミノ基の保
護基としては、自体公知のものが挙げられ、たとえば、
ホルミル、tert−ブトキシカルボニル、メトキシカルボ
ニル、ジクロロアセチル、トリチル等が挙げられる。
【0029】(第3法)一般式(I)中、Rが水酸基の
ベンジル酸誘導体(I)は、化合物(III)の反応性誘導
体としてα−クロロジフェニルアセチルクロリド、(α
−アセトキシ)ジフェニルアセチルクロリド、アンヒド
ロ−o−カルボキシベンジル酸等を用いて化合物(II)
と縮合した後、常法により加水分解することによって製
造することができる。
ベンジル酸誘導体(I)は、化合物(III)の反応性誘導
体としてα−クロロジフェニルアセチルクロリド、(α
−アセトキシ)ジフェニルアセチルクロリド、アンヒド
ロ−o−カルボキシベンジル酸等を用いて化合物(II)
と縮合した後、常法により加水分解することによって製
造することができる。
【0030】かくして得られたベンジル酸誘導体(I)
は自体公知の分離精製手段、たとえば、濃縮、抽出、ク
ロマトグラフィー、再沈殿、再結晶などの手段を用いる
ことによって、任意の純度のものとして採取することが
できる。
は自体公知の分離精製手段、たとえば、濃縮、抽出、ク
ロマトグラフィー、再沈殿、再結晶などの手段を用いる
ことによって、任意の純度のものとして採取することが
できる。
【0031】また、ベンジル酸誘導体(I)の酸付加塩
は、自体公知の手段によって製造することができ、当該
酸付加塩は自体公知の手段によって遊離のベンジル酸誘
導体(I)とすることができる。
は、自体公知の手段によって製造することができ、当該
酸付加塩は自体公知の手段によって遊離のベンジル酸誘
導体(I)とすることができる。
【0032】本発明のベンジル酸誘導体(I)およびそ
の酸付加塩は、ヒトをはじめウシ、ウマ、イヌ、マウ
ス、ラット等の哺乳動物の排尿機能改善剤、頻尿治療剤
として有用である。さらにベンジル酸誘導体(I)およ
びその酸付加塩中には水溶性の高いものが多く、たとえ
ば注射剤、リニメント剤等に製剤化しやすい。
の酸付加塩は、ヒトをはじめウシ、ウマ、イヌ、マウ
ス、ラット等の哺乳動物の排尿機能改善剤、頻尿治療剤
として有用である。さらにベンジル酸誘導体(I)およ
びその酸付加塩中には水溶性の高いものが多く、たとえ
ば注射剤、リニメント剤等に製剤化しやすい。
【0033】ベンジル酸誘導体(I)およびその酸付加
塩をたとえば医薬品として使用する場合、経口的または
非経口的に投与することができる。投与形態としては、
たとえば、錠剤、カプセル剤、シロップ剤等の経口投与
形態、溶液、乳剤、懸濁剤等の液状の注射剤、座剤の非
経口剤等形態が例示される。前記投与形態の製剤は通常
の担体、賦形剤、結合剤、安定剤等の製剤上必要な添加
剤を配合し、常套手段で製剤化することによって製造す
ることができる。投与量、投与回数は症状、年令、体
重、投与形態によって変わりうるが、通常は成人に対
し、1日あたり約10〜1000mg、好ましくは20
〜600mgを一回または数回に分けて投与することが
できる。
塩をたとえば医薬品として使用する場合、経口的または
非経口的に投与することができる。投与形態としては、
たとえば、錠剤、カプセル剤、シロップ剤等の経口投与
形態、溶液、乳剤、懸濁剤等の液状の注射剤、座剤の非
経口剤等形態が例示される。前記投与形態の製剤は通常
の担体、賦形剤、結合剤、安定剤等の製剤上必要な添加
剤を配合し、常套手段で製剤化することによって製造す
ることができる。投与量、投与回数は症状、年令、体
重、投与形態によって変わりうるが、通常は成人に対
し、1日あたり約10〜1000mg、好ましくは20
〜600mgを一回または数回に分けて投与することが
できる。
【0034】
【実施例】以下に、ベンジル酸誘導体(I)の有効性を
示す薬理試験の結果を示す。
示す薬理試験の結果を示す。
【0035】試験例1 実験方法:体重約300gの雄性 Hartley系モルモット
を麻酔下に放血屠殺し、膀胱を摘出した。長さ約1c
m、幅約3mmの平滑筋標本を作成し、標本槽中に懸垂
した。標本槽には37℃、95%O2 +5%CO2 混合
ガス通気 Krebs-Henseleit液を満たした。標本の一端を
等尺性張力測定用トランスデューサーに連結し、増幅器
を介し、ペン書きオシログラフ上に張力変化を測定記録
した。なお、静止時負荷張力は1gとした。 結果: 摘出モルモット膀胱平滑筋に対する作用 摘出膀胱標本は、律動性自動運動を示した。実施例1の
化合物は10-6Mで軽度、10-5Mで著明な自動運動増
大作用を示した。Flavoxate は10-5Mで著明な自動運
動増大作用を示した。摘出膀胱標本は、アセチルコリン
(ACh)10-8〜10-3MおよびKCl20〜100
mMの累積適用により濃度依存的な収縮反応を示した。
実施例1の化合物10-6〜10-5Mは、濃度依存的にA
Ch収縮を抑制した。また、10-6MはKCl収縮を軽
度抑制した。
を麻酔下に放血屠殺し、膀胱を摘出した。長さ約1c
m、幅約3mmの平滑筋標本を作成し、標本槽中に懸垂
した。標本槽には37℃、95%O2 +5%CO2 混合
ガス通気 Krebs-Henseleit液を満たした。標本の一端を
等尺性張力測定用トランスデューサーに連結し、増幅器
を介し、ペン書きオシログラフ上に張力変化を測定記録
した。なお、静止時負荷張力は1gとした。 結果: 摘出モルモット膀胱平滑筋に対する作用 摘出膀胱標本は、律動性自動運動を示した。実施例1の
化合物は10-6Mで軽度、10-5Mで著明な自動運動増
大作用を示した。Flavoxate は10-5Mで著明な自動運
動増大作用を示した。摘出膀胱標本は、アセチルコリン
(ACh)10-8〜10-3MおよびKCl20〜100
mMの累積適用により濃度依存的な収縮反応を示した。
実施例1の化合物10-6〜10-5Mは、濃度依存的にA
Ch収縮を抑制した。また、10-6MはKCl収縮を軽
度抑制した。
【0036】実施例1 2,2−ジメチル−3−(4−アリル−1−ピペラジニ
ル)プロピル ベンジレートの製造 2,2−ジメチル−3−(4−アリル−1−ピペラジニ
ル)プロパノール(NPOH)44.7mgをエーテル
3mlに溶解し、α−クロロジフェニルアセチルクロリ
ド61.4mgを加え、アルゴン雰囲気下室温で10時
間攪拌した。反応液に酢酸エチル20mlと飽和重曹水
10mlを加え、有機層を取り、これを水10mlおよ
び飽和食塩水15mlにて順次洗浄した。有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥させた後濃縮し、残留物を薄層ク
ロマトグラフ(プレート、メルク5744、20×20
cmおよび展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)2
枚を用い精製し、2,2−ジメチル−3−(4−アリル
−1−ピペラジニル)プロピル α−クロロジフェニル
アセテート61.6mgを得た。(収率66%) 本化合物39.9mgを水3mlに懸濁し、0.1N−
HCl0.9mlを加え室温にて30分攪拌後、濃縮し
た。残留物をクロロホルム20ml、飽和重曹水1ml
で分配し、有機層をとり水1mlで洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。有機溶媒を留去した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフ(シリカゲル5g、ヘキサン:
酢酸エチル=1:1で溶出)で精製し、式(I−2):
ル)プロピル ベンジレートの製造 2,2−ジメチル−3−(4−アリル−1−ピペラジニ
ル)プロパノール(NPOH)44.7mgをエーテル
3mlに溶解し、α−クロロジフェニルアセチルクロリ
ド61.4mgを加え、アルゴン雰囲気下室温で10時
間攪拌した。反応液に酢酸エチル20mlと飽和重曹水
10mlを加え、有機層を取り、これを水10mlおよ
び飽和食塩水15mlにて順次洗浄した。有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥させた後濃縮し、残留物を薄層ク
ロマトグラフ(プレート、メルク5744、20×20
cmおよび展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)2
枚を用い精製し、2,2−ジメチル−3−(4−アリル
−1−ピペラジニル)プロピル α−クロロジフェニル
アセテート61.6mgを得た。(収率66%) 本化合物39.9mgを水3mlに懸濁し、0.1N−
HCl0.9mlを加え室温にて30分攪拌後、濃縮し
た。残留物をクロロホルム20ml、飽和重曹水1ml
で分配し、有機層をとり水1mlで洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。有機溶媒を留去した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフ(シリカゲル5g、ヘキサン:
酢酸エチル=1:1で溶出)で精製し、式(I−2):
【0037】
【化12】
【0038】で表される標題化合物29.2mgを得
た。(収率77%) 得られた化合物の物性を表1に示す。
た。(収率77%) 得られた化合物の物性を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明のベンジル酸誘導体(I)および
その酸付加塩は、哺乳動物(たとえばヒト、マウス、ラ
ット、イヌ、ネコ、ウサギなど)に対して、強力かつ持
続性の膀胱律動収縮の抑制、膀胱三角部の興奮抑制、膀
胱の刺激状態の緩解および膀胱排尿力の保持等の膀胱に
対する作用を有し、しかも低毒性である。また、本発明
の化合物を経口投与した場合、従来のベンジル酸誘導体
に比べてその経口吸収率が極めて良好で、高い血中濃度
が得られ、しかもそれを持続することができる。
その酸付加塩は、哺乳動物(たとえばヒト、マウス、ラ
ット、イヌ、ネコ、ウサギなど)に対して、強力かつ持
続性の膀胱律動収縮の抑制、膀胱三角部の興奮抑制、膀
胱の刺激状態の緩解および膀胱排尿力の保持等の膀胱に
対する作用を有し、しかも低毒性である。また、本発明
の化合物を経口投与した場合、従来のベンジル酸誘導体
に比べてその経口吸収率が極めて良好で、高い血中濃度
が得られ、しかもそれを持続することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/55 9454−4C (72)発明者 百瀬 和享 東京都大田区田園調布南13番地9号 中銀 田園調布マンシオン 506号室 (72)発明者 宮坂 貞 神奈川県横浜市緑区青葉台1−27−11
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 〔式中、Rはアルキルで置換されていてもよい水酸基を
示し、Xは酸素原子、アルキレンまたは式: 【化2】 (式中、R1 は水素原子または鎖状脂肪族炭化水素残基
を示す)で表される基を示す〕で表されるベンジル酸誘
導体またはその酸付加塩。 - 【請求項2】 一般式(I): 【化3】 〔式中、Rはアルキルで置換されていてもよい水酸基を
示し、Xは酸素原子、アルキレンまたは式: 【化4】 (式中、R1 は水素原子または鎖状脂肪族炭化水素残基
を示す)で表される基を示す〕で表されるベンジル酸誘
導体またはその酸付加塩を有効成分として含有する泌尿
器官用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5203138A JPH0753534A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | ベンジル酸誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5203138A JPH0753534A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | ベンジル酸誘導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0753534A true JPH0753534A (ja) | 1995-02-28 |
Family
ID=16469047
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5203138A Pending JPH0753534A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | ベンジル酸誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0753534A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0995741A1 (en) * | 1997-06-27 | 2000-04-26 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Remedies/preventives for frequent urination/urinary incontinence and tropone derivatives |
-
1993
- 1993-08-17 JP JP5203138A patent/JPH0753534A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0995741A1 (en) * | 1997-06-27 | 2000-04-26 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Remedies/preventives for frequent urination/urinary incontinence and tropone derivatives |
EP0995741A4 (en) * | 1997-06-27 | 2002-11-20 | Nippon Kayaku Kk | MEDICINES FOR THE TREATMENT / PREVENTION OF POLLAKIURIA OR INCONTINENCE AND TROPON DERIVATIVES |
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