JPH0753500A - グアニジノ安息香酸誘導体及びこれらを有効成分とする蛋白分解酵素阻害剤 - Google Patents

グアニジノ安息香酸誘導体及びこれらを有効成分とする蛋白分解酵素阻害剤

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JPH0753500A
JPH0753500A JP20232893A JP20232893A JPH0753500A JP H0753500 A JPH0753500 A JP H0753500A JP 20232893 A JP20232893 A JP 20232893A JP 20232893 A JP20232893 A JP 20232893A JP H0753500 A JPH0753500 A JP H0753500A
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Japan
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phenyl
mmol
guanidinobenzoate
carbonyl
formula
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Application number
JP20232893A
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English (en)
Inventor
Yutaka Baba
豊 馬場
Takuji Yamaguchi
山口卓治
Ryoichi Unno
海野良一
Kenji Sugiura
杉浦健児
Hideko Kato
加藤秀子
Motohiro Takeda
武田基宏
Jiyunko Murafuji
村藤潤子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】下記式 〔式中Rは 又は を意味し、Xは酸素又は硫黄を、lは0又は1を、mは
1又は2を、 R1 及びR2 は水素又はメチルを、 R3
水素、アルキル、置換フェニル、アルカノイルヘテロ環
置換アルカノイル又は置換ベンゾイルなどを示す〕で表
される化合物。 【効果】本化合物又はその塩は優れた蛋白分解酵素阻害
作用を有しており、膵炎及び膵炎に随伴する諸症状の予
防又は治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグアニジノ安息香酸誘導
体及びその塩、並びにこれらを有効成分とする蛋白分解
酵素阻害剤に係る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】膵炎は臨床的には急性膵炎
と慢性膵炎とに大別されるが、膵炎の発症機序には膵臓
蛋白分解酵素の活性化が関与すると言われている。発症
から進展もしくはショック,DIC(汎発性血管内血液
凝固症),急性循環不全,多臓器不全等の重症化に至る
過程は複雑であり、その成因は未だ十分に解明されてい
ない。
【0003】これ等膵炎及び膵炎に随伴する諸症状の予
防・治療薬として、従来より蛋白分解酵素(セリンプロ
テアーゼ類)の阻害剤が有効であると言われており、蛋
白分解酵素阻害剤として下記グアニジノ安息香酸誘導体
(A)(メシル酸カモスタット:特開昭 51-70743 号)
及び(B)(メシル酸ナファモスタット:特開昭 57-53
454 号)等が使用されている。
【0004】
【化7】 (A)
【0005】
【化8】 (B)
【0006】しかしながら、これらの蛋白分解酵素阻害
効果は必ずしも充分とは言えず、より優れた治療効果を
有する薬剤の開発が望まれている。
【0007】
【課題を解決する手段及び作用】本発明者等は、一連の
グアニジノ安息香酸誘導体の研究を行い、これ等化合物
の薬効評価を行った。その結果グアニジノベンゼンのパ
ラ位にヒドラジド誘導体又は1-アザビシクロ[3.3.0] オ
クタン誘導体を導入した化合物がトリプシン,カリクレ
イン,トロンビン及びプラスミン等のセリンプロテアー
ゼ類の強い阻害作用を有し、膵炎及び膵炎に随伴する諸
症状の優れた予防・治療薬であることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0008】
【発明の構成】即ち、本発明者等は蛋白分解酵素(セリ
ンプロテアーゼ類)を阻害することによる前述の諸疾患
の予防又は治療するのに有用な化合物について幅広い研
究を行ったところ、下記に示すグアニジノ安息香酸誘導
体又はその塩が強力なセリンプロテアーゼ類の阻害活性
を有し、前述の諸疾患の予防又は治療に有効であること
を見出し、本発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明は、一般式(I)
【化9】 (I) {式中Rは式
【0010】
【化10】 又は式
【0011】
【化11】
【0012】から選択され、Xは酸素原子又は硫黄原子
を意味し、l(エル)は0又は1の整数を意味し、[化
10〜11]式中mは1又は2の整数を意味し、 R1 及び R
2 は水素原子又はメチル基を意味し、 R3 は a)水素原子 b) C1 〜 C6 のアルキル基, c)下記式にて示される置換フェニル基
【0013】
【化12】
【0014】([化12]式中 R4 は水素原子, C1 〜 C
6 のアルキル基, C1 〜 C6 のアルコキシ基,ハロゲン
原子又はアミジノ基を意味する)あるいは、 d)式−CORにて示される基(式中 R5 は C1 〜 C6
のアルキル基,又は下記式
【0015】
【化13】 にて示される基([化13]式中 R4 は前記と同じ意味を
有する)
【0016】あるいは式
【化14】 ([化14]式中nは0又は1を示す)にて示される基を
意味する}にて示されるグアニジノ安息香酸誘導体又は
その塩により達成された。
【0017】本発明による上記式Iの化合物において、
ハロゲン原子としては弗素,塩素,臭素及びヨウ素を挙
げることが出来る。 C1 〜 C6 のアルキル基は炭素数1
〜6の直鎖状,枝鎖状又は環状アルキル基を意味してい
る。 C1 〜 C6 のアルコキシ基も同様に炭素数1〜6の
直鎖状、枝鎖状又は環状アルキル基を意味している。化
合物の塩としては医薬として許容し得る塩を意味し、具
体的には塩酸,硫酸炭酸,リン酸等の鉱酸塩,酢酸,シ
ュウ酸,マレイン酸,フマル酸,コハク酸,クエン酸の
ような有機酸塩及びメタンスルホン酸,ベンゼンスルホ
ン酸,p-トルエンスルホン酸等のスルホン酸塩等を挙げ
ることが出来る。
【0018】一般式(I)の化合物は下記2ルートによ
り容易に合成された。 ルートA
【0019】
【化15】
【0020】[式中X,l及びRは前記の意味を有す
る] ルートB
【0021】
【化16】
【0022】[式中 Halはハロゲン原子を意味し、X,
l及びRは前記の意味を有する]
【0023】ルートAはp-グアニジノ安息香酸とフェノ
ール誘導体(又はチオフェノール誘導体)を縮合させる
方法である。本反応は不活性溶剤中、縮合剤の存在下に
行われる。使用される縮合剤としては通常アミド類及び
エステル類の合成に用いられるものなら特に限定され
ず、例えばN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド,1-エ
チル- 3-(3- ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド
のようなカルボジイミド類,カルボニルジイミダゾール
のような活性イミド類及びジフェニルホスフォリルアジ
ド,シアノリン酸ジエチルのようなリン酸誘導体を挙げ
ることが出来る。好ましくはカルボジイミド類である。
尚この反応は必要に応じてN-ヒドロキシコハク酸イミ
ド,1-ヒドロキシベンゾトリアゾールのような活性エス
テル化剤、ピリジン,ピコリン,トリエチルアミン,N-
メチルモルホリン,4-ジメチルアミノピリジンのような
有機アミン及び炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸水
素ナトリウムのような無機塩基と併用することが出来
る。
【0024】使用される不活性溶剤は反応に関与しなけ
れば、特に限定されず、例えばヘキサン,ベンゼン,ト
ルエンのような炭化水素類、ジクロルメタン,クロロホ
ルム1,2-ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素、
エ−テル,テトラヒドロフラン,ジオキサンのようなエ
−テル類 N,N- ジメチルホルムアミド, N,N- ジメチル
アセトアミド,N-メチル-2- ピロリドン,ヘキサメチル
ホスホリルアミド及びジメチルスルホキシドのような非
プロトン性極性溶媒等を挙げることが出来る。好ましく
は非プロトン性極性溶媒である。反応温度は通常-20 〜
100 ℃であり、好ましくは-10 〜40℃である。反応時間
は反応温度によって異なるが、 1時間〜48時間であり、
好ましくは 1〜24時間である。
【0025】ルートBはp-グアニジノ安息香酸の酸ハロ
ゲン化物とフェノール誘導体(又はチオフェノール誘導
体)を縮合させる方法である。この方法において用いる
溶媒としては、例えばエーテル,テトラヒドロフラン等
のエーテル類、ベンゼン,トルエン等の芳香族溶媒、ピ
リジン等の複素環系溶媒及び N,N- ジメチルホルムアミ
ド, N,N- ジメチルアセトアミド,N-メチル-2- ピロリ
ドン,ヘキサメチルホスホリルアミド,ジメチルスルホ
キシド等のような非プロトン性極性溶媒等を挙げること
が出来る。この内好ましくはピリジンであが、ピリジン
以外の溶媒を用いる場合はトリエチルアミン,トリブチ
ルアミン,ピリジン,4-ジメチルアミノピリジン等の有
機塩基又は炭酸ナトリウム,炭酸カルシウム及び水酸化
ナトリウム等の無機塩基を用いる必要がある。反応温度
は通常-20 〜100 ℃であり、好ましくは-10 〜40℃であ
る。反応時間は反応温度によって異なるが、0.5 時間〜
48時間であり、好ましくは 1〜24時間である。
【0026】尚、上記のル−トで合成する場合の原料及
び中間原料は公知であるか、公知の方法又は実験例に示
した方法により容易に製造されるものである。
【0027】
【医薬とする場合の剤型及び投与量】本発明による化合
物又はその塩を有効成分として製剤化する場合の剤型に
格別な制限はなく、したがって錠剤,カプセル剤,散
剤,顆粒剤のような固形製剤となすことも、溶液,懸濁
液,乳剤のような液状製剤となすこともでき、これらの
製剤化は常法により行うことができる。
【0028】固形製剤となす場合にはデンプン,乳糖,
グルコース,燐酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウ
ム,アラビアゴム等の賦形剤を用いることができ、必要
であれば滑沢剤,結合剤,崩壊剤,被覆剤,着色剤等を
用いることができる。
【0029】液状製剤となす場合には安定剤,pH調整
剤,溶解助剤,懸濁化剤,乳化剤,緩衝剤,保存剤等を
用いることができる。
【0030】本発明化合物をこれらの疾患の治療剤とし
て前述した患者に投与する場合は疾患の種類,症状の程
度,患者の年齢,健康状態,体重,同時処置がある場合
ならばその種類,処置頻度,所望の効果の性質などによ
って異なり特に限定はされないが、成人1日あたり約0.
1mg 〜1000mg, 好ましくは約0.5mg 〜500mg を経口もし
くは非経口的に1日1回もしくはそれ以上に投与され
る。特に膵炎の治療剤として用いる場合、投与量は上記
の範囲に包含されるが、通常好ましい例をあげれば成人
1日あたり約0.1mg 〜500mg 、更に好ましくは約1mg 〜
200mg を 1回乃至3回症状に応じて投与することが望ま
しい。
【0031】
【実施例】
(製造例等)以下製造例,薬効薬理試験例及び製剤例に
関して本発明を具体的に説明する。 製造例1 4-[(1-アザビシクロ[3.3.0] オクタン-5- イル) メチル
アミノ] カルボニル] フェニル 4-グアニジノベンゾエ
ート・ 2塩酸塩 (1) N-[(1-アザビシクロ[3.3.0] オクタン-5- イル) メ
チル]-4-ハイドロキシベンズアミド エチル p- ヒドロキシベンゾエート 1.00g(6.02mmol)と
5-アミノメチル-1-アザビシクロ[3.3.0] オクタン 84
0mg(6.02mmol)をトルエン10.0mlに溶解し、アルゴン
下、24時間加熱環流を行い、冷却後析出した結晶を濾取
し、所望の化合物 1.43g(91.4%) 得た。
【0032】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3299,3067,1630,1607,1545,
1510. MSスペクトル (CI/DI) m/z:261(M
+1)+ ,192. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
1.37−1.46(2H,m),1.62−1.90
(6H,m),2.47−2.55(2H,m),2.
88−2.96(2H,m),3.14(2H,d),
6.78(2H,d),7.70(2H,d)7.89
(1H,t).
【0033】(2) 4-[(1-アザビシクロ[3.3.0] オクタン
-5- イル) メチルアミノ] カルボニル] フェニル 4-グ
アニジノベンゾエート・ 2塩酸塩 4-グアニジノ安息香酸塩酸塩 3.00g(13.9mmol)をN,N-ジ
メチルホルムアミド(DMF)12mlに溶解し、-10 〜0
℃に冷却し、ピリジン 15ml ,1-エチル-3-(3- ジメチ
ルアミノプロピル) カルボジイミド塩酸塩 2.66g(13.9m
mol)及び4-ジメチルアミノピリジン 1.72g(13.9mmol)を
加え 5〜10分間攪拌した。この溶液にN-[(1-アザビシク
ロ[3.3.0] オクタン-5- イル) メチル]-4-ヒドロキシベ
ンズアミド 3.62g(13.9mmol)をDMF 12ml に溶解した
溶液を加え、4 〜6℃で18時間攪拌し、更にその後 25
℃で2 時間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を加え、析出した結晶を濾取した(3.81g)。
この結晶 1.0g (2.07mmol)をDMF 10ml に懸濁し、氷
冷攪拌下に10%-塩酸−エ−テル溶液 2.20g( 塩酸: 6.0
3mmol)を滴下した。この溶液をエーテル 200ml溶液の攪
拌下に注ぎ、生じた結晶を濾取し、所望の化合物1.03g
(49.8%)得た。
【0034】融点: 165〜167℃ IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:1738,1
661,1628,1603,1578,1559,1
516 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
1.89−2.09(8H,m),3.14−3.20
(2H,m),3.43−3.51(2H,m),3.
73(2H,d),7.42(2H,d),7.45
(2H,d),8.10(2H,d),8.18(2
H,d),9.26(1H,t).
【0035】製造例2 4-[[2-(4- メトキシフェニル) ヒドラジノ] カルボニ
ル] フェニル 4-グアニジノベンゾエート・メタンスル
ホン酸塩 (1) N'-4- メトキシフェニル-4- ヒドロキシベンゾヒド
ラジド 4-メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩 7.20g(41.2mmol)
をDMF 216mlに溶解し、アルゴン下 0℃で、この溶液
にピリジン 3.3ml(41.2mmol)及び 4- アセトキシベンゾ
イルクロライド 8.20g(41.2mmol: 4-アセトキシ安息香
酸とチオニルクロライドより合成した) のDMF溶液 9
0ml を滴下し、温度を室温にして、更に1時間攪拌し
た。DMFを減圧留去し、残渣に酢酸エチル及び水を加
え、抽出した。有機層を希塩酸及び飽和塩化ナトリウム
水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減
圧留去し、N'-4- メトキシフェニル-4- アセトキシベン
ゾヒドラジドの結晶を 5.00g(40.0%) 得た。この結晶を
0.6%塩酸−エタノール溶液 125mlに溶解し、室温で23時
間攪拌し、溶媒を留去して所望の化合物3.70g(37.2%)得
た。
【0036】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1
:3262,1657,1611,1588,151
0,1440,1264,1021. MSスペクトル (EI/DI) m/z:258(M
+ ),121. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
3.66(3H,s),6.76(4H,s),6.8
4(2H,d)7.77(2H,d),10.08(1
H,s).
【0037】(2) 4-[[2-(4- メトキシフェニル) ヒドラ
ジノ] カルボニル] フェニル 4-グアニジノベンゾエー
ト・メタンスルホン酸塩 4-グアニジノ安息香酸塩酸塩 2.50g(11.4mmol)をN,N-ジ
メチルホルムアミド(DMF)37mlに溶解し、アルゴン
下 0℃で、N'-4- メトキシフェニル-4- ヒドロキシベン
ゾヒドラジド 3.40g(11.4mmol),4-ジメチルアミノピリ
ジン1.40g (11.4mmol)及び1-エチル-3-(3-ジメチルアミ
ノプロピル) カルボジイミド塩酸塩 2.20g(11.4mmol)を
加え、後 0〜5 ℃で2時間攪拌した。DMFを減圧留去
し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、析出
した結晶を濾取した。この結晶をDMF 20ml に懸濁さ
せ、溶液にメタンスルホン酸1.9g(19.8mmol)のDMF
7.6ml溶液を 0〜5 ℃で滴下し、更に塩化メチレンを加
えて攪拌し、生じた結晶を濾取した。この結晶をメタノ
ール−エ−テルより再結晶して所望の化合物 2.90g(49.
2%) 得た。
【0038】融点: 232〜236℃ IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:3318,1
736,1676,1603,1572,1510,1
460,1280,1230,1165,1017. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
2.33(3H,s),3.67(3H,s),6.7
8(4H,s),7.41(2H,d),7.42(2
H,d),7.45(1H,s),8.01(2H,
d),8.17(2H,d),10.36(1H,s)
【0039】製造例3 4-[(2-メチルヒドラジノ) カルボニル] フェニル 4-グ
アニジノベンゾエート・メタンスルホン酸塩 (1)N'-tert- ブトキシカルボニル-N'-メチル-4- ヒドロ
キシベンゾヒドラジド N'- メチル-4- ヒドロキシベンゾヒドラジド 5.00g(24.
7mmol)及びトリエチルアミン 10.3mmol(74.1mmol) をピ
リジン 50ml に溶解し、攪拌下tert- ブトキシカルボニ
ルアジド 4.24(29.0mmol) を滴下した。溶液を70℃で19
時間加熱攪拌した後に溶媒を減圧留去し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (塩化メチレ
ン:メタノール=100:3) で分離精製した。得られた結
晶をn-ヘキサン−塩化メチレンより再結晶して所望化合
物を4.00g(61.0%)得た。
【0040】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3290,2980,1694,1655. MSスペクトル (CI/DI) m/z:267(M
+1)+ ,211. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
1.33(9H,brs), 3.03(3H,s),
6.80(2H,d), 7.67(2H,d),
10.3(1H,brs).
【0041】(2) 4-[(2-メチルヒドラジノ) カルボニ
ル] フェニル 4-グアニジノベンゾエート・メタンスル
ホン酸塩 N'-tert- ブトキシカルボニル-N'-メチル-4- ヒドロキ
シベンゾヒドラジド2.66g(10.0mmol) 及び4-ジメチルア
ミノピリジン2.47g(20.0mmol) をDMF2.7ml に溶解
し、アルゴン下-10 ℃で、この溶液に 4- グアニジノベ
ンゾイルクロライド・塩酸塩 2.34g(10.0mmol)(ピリジ
ン存在下、4-グアニジノ安息香酸・塩酸塩と塩化チオニ
ルから合成した)を加え、溶液を-10 ℃で1時間攪拌し
た。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、
析出した結晶を濾取してN'-tert- ブトキシカルボニル
-N'-メチル-4-(4-グアニジノベンゾイルオキシ) ベンゾ
ヒドラジドの炭酸塩を 3.26g(66.8%) 得た。この結晶3.
0g(6.15mmol) をトリフルオロ酢酸 3.0mlに溶解し、20-
25 ℃で30分間攪拌後、溶媒を減圧留去し、残渣を飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液に加え、析出した結晶を濾取
した。 この結晶をDMFに懸濁させ、メタンスルホン
酸 0.7g(7.3 mmol)を加えて溶解した。この溶液をエ−
テルに注ぎ、析出した結晶を濾取して所望化合物を1.8g
(40.1%) 得た。
【0042】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3454,3157,1740,1671. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
2.36(3H,brs), 2.61(3H,s),
7.39(2H,d), 7.44(2H,d),
7.74(3H,brs),7.93(2H,d),
8.17(2H,d), 10.0(1H,brs). TLC : Rf=0.50 [シリカゲル,展開溶
媒 :酢酸エチル:水:酢酸=3:1:1(V/V)]
【0043】製造例4 4-[(2-フェニルヒドラジノ) カルボニル] フェニル 4-
グアニジノベンゾエート・メタンスルホン酸塩 (1) N'- フェニル-4- ヒドロキシベンゾヒドラジド フェニルヒドラジン塩酸塩 8.20g(56.7mmol)のDMF30
0ml 溶液にアルゴン下ピリジン 4.59ml(56.7mmol) 及び
4- アセトキシベンゾイルクロライド 11.3g(56.7mmol)
のDMF 5ml溶液を 0℃で滴下した。溶液を室温で1.5
時間攪拌後DMFを減圧留去し、N'- フェニル-4- アセ
トキシベンゾヒドラジドを得た。N'- フェニル-4- アセ
トキシベンゾヒドラジドを0.6%- 塩酸−エタノール溶液
150ml に溶解し、室温で 5時間攪拌後、溶媒を減圧留去
した。残渣に水を加え析出した結晶を濾取し、結晶を炭
酸水素ナトリウム水溶液,水及びエーテルの順で洗浄
後、乾燥して所望化合物を5.52g(42.7%)得た。
【0044】融点: 215〜218℃ IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:3260,1
639,1610,1597,1497,1277. MSスペクトル (EI/DI) m/z:228(M
+ ),121. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
6.70(1H,t), 6.77(2H,d),
6.83(2H,d), 7.13(2H,t),
7.70(1H,s), 7.78(2H,d), 1
0.04(1H,s).
【0045】(2) 4-[(2-フェニルヒドラジノ) カルボニ
ル] フェニル 4-グアニジノベンゾエート・メタンスル
ホン酸塩 アルゴン下、 4- グアニジノ安息香酸塩酸塩 2.5g(11.6
mmol) を溶かしたDMF 20ml 溶液に 4- ジメチルアミ
ノピリジン 1.43g(11.6mmol)及び1-エチル-3-(3-ジメチ
ルアミノプロピル) カルボジイミド塩酸塩 4.44g(23.2m
mol)を -5 〜 0℃で加え20分間攪拌後、 N'-フェニル-4
- ヒドロキシベンゾヒドラジド4.34g(17.4mmol) を溶解
したDMF35ml溶液を加えた。溶液を25℃で 2時間攪拌
後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、
析出した結晶を濾取し、N'- フェニル-4-(4-グアニジノ
ベンゾイルオキシ) ベンゾヒドラジドの炭酸塩を 3.66g
得た。この結晶 2.16g(5.57mmol)をDMF 12ml に溶解
しこの溶液にメタンスルホン酸 0.478ml(7.37mmol)を 0
〜 5℃で加え攪拌した。その後、溶液に塩化メチレン 5
0ml を約10℃で加え、放置した。析出した結晶を濾取
し、結晶を酢酸エチル及びエーテルで洗浄後乾燥して所
望化合物2.08g(54.0%) 得た。
【0046】融点: 190〜195℃ IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:3362,3
204,1730,1660,1603,1570,1
205,1059. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
2.34(3H,s), 6.73(1H,t),
6.81(2H,d), 7.16(2H,t),
7.43(2H,d), 7.46(2H,d),
7.73(4H,s), 8.03(2H,d),8.
19(2H,d), 10.4(1H,s).
【0047】製造例5 4-[2-[2-(4- メトキシフェニル) ヒドラジノ]-2-オキソ
エチル] フェニル 4-グアニジノベンゾエート・ 2メタ
ンスルホン酸塩 (1) N'-4- メトキシフェニル-4- ヒドロキシフェニルア
セトヒドラジド 4-アセトキシフェニル酢酸 19.6g(100mmol) 及び塩化チ
オニル 96.0ml(1.3mol)を0.5 時間環流攪拌し、後反応
溶液を減圧留去して 4- アセトキシフェニルアセチルク
ロライドを 21.4g( 定量的)得た。4-メトキシフェニル
ヒドラジン塩酸塩 17.8g(100mmol) 及びピリジン 33.0m
l(400mmol)のDMF 534ml溶液に、アルゴン下攪拌しな
がら 0℃で上記 4- アセトキシフェニルアセチルクロラ
イドのDMF 214ml溶液を滴下した。20〜25℃で反応溶
液を1時間攪拌後、溶媒を減圧留去した。残渣に水及び
エ−テルを加え、析出した結晶を濾取してN'-4- メトキ
シフェニル-4- アセトキシフェニルアセトヒドラジドを
15.5g(48.9%) 得た。この結晶を 2%-塩酸−エタノール
溶液 515g に懸濁させ、20〜25℃で20時間攪拌後、反応
溶液を減圧留去して所望の化合物 12.8g(46.7%) を得
た。
【0048】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3400,3025,1659. MSスペクトル (EI/DI) m/z:272(M
+ ). H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
3.33(2H,s), 3.64(3H,s),
6.62(2H,d), 6.69(2H,d),
6.71(2H,d), 7.09(2H,d),
7.28(1H,brs), 9.17(1H,s)
9.68(1H,brs).
【0049】(2) 4-[2-[2-(4- メトキシフェニル) ヒド
ラジノ]-2-オキソエチル] フェニル4-グアニジノベンゾ
エート・ 2メタンスルホン酸塩 N'-4- メトキシフェニル-4- ヒドロキシフェニルアセト
ヒドラジド 1.74g(6.41mmol),4-ジメチルアミノピリジ
ン 1.47g(12.8mmol)をDMF16.3mlに溶解し、アルゴン
下-10 ℃で4-グアニジノベンゾイルクロライド塩酸塩
1.50g(6.41mmol)を加え、同温にて溶液を 1時間攪拌
後、溶媒を減圧留去した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を加え、析出した結晶を濾取し、得られた結晶
をDMFに懸濁し、過剰のメタンスルフォン酸を加え
た。この溶液をエ−テルに注ぎ、析出した結晶を濾取し
て所望の化合物 1.20g(30.0%) を得た。
【0050】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3418,1732,1661. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
2.35(6H,s), 3.65(2H,s),
3.68(3H,s), 6.64(2H,d),
6.73(2H,d), 7.09(2H,d),
7.22(2H,d), 7.43(2H,d),7.
80(3H,brs), 8.16(2H,d),
9.85(1H, brs), 10.3(1H,
brs). TLC Rf=0.50 (シリカゲル,展開溶媒 酢酸エチ
ル:酢酸:水=5:1:1)
【0051】製造例6 S-4-[2-[2-(4- メトキシフェニル) ヒドラジノ]-2-オキ
ソエチル] フェニル 4-グアニジノベンゼンカルボチオ
エート・ 2メタンスルホン酸塩 (1) N'-4- メトキシフェニル-4- メルカプトフェニルア
セトヒドラジド 4-( アセチルチオ)フェニル酢酸 7.20g(34.3mmol),塩
化チオニル 25.0 ml(343mmol) 及びベンゼン 25.0mmlの
溶液を30分間環流攪拌後、減圧乾固し、4-(アセチルチ
オ)フェニルアセチルクロライド 7.83g (定量的) を得
た。4-メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩 6.00g(34.3m
mol)及びピリジン 11.0ml(137mmol) をDMF 230mlに
溶解し、アルゴン下0 ℃で攪拌しながら4-(アセチルチ
オ)フェニルアセチルクロライド 7.83g(34.3mmol)を溶
かしたDMF78.0ml溶液を滴下した。反応溶液を20〜25
℃で1時間攪拌後、溶液を酢酸エチルで希釈し、この有
機層を水及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸
ナトリウムにて乾燥後溶媒を減圧留去し、残渣をメタノ
ールから再結晶してN'-4-メトキシフェニル4-( アセチ
ルチオ)フェニルアセトヒドラジドの無色の結晶を4.20
g 得た。この結晶 2.60g(7.88mmol)を 2%-塩酸/エタノ
ール−塩化メチレン(1:1)溶液(塩酸:39.4mmol)
に懸濁させ、20〜25℃で18.5時間攪拌後、反応溶液を減
圧下乾固して所望の化合物 2.10g(34.4%) を得た。
【0052】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1
:3281,3025,1661. MSスペクトル (EI/DI) m/z:288(M
+ ). H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
3.41(2H,s), 3.64(3H,s),
5.24(1H,s), 6.62(2H,d),
6.69(2H,d), 7.18(2H,d),
7.24(2H,d), 9.77(1H,brs)
【0053】(2) S-4-[2-[2-(4- メトキシフェニル) ヒ
ドラジノ]-2-オキソエチル] フェニル4-グアニジノベン
ゼンカルボチオエート・ 2メタンスルホン酸塩 N'-4- メトキシフェニル-4- メルカプトフェニルアセト
ヒドラジド 1.70g(5.90mmol)をピリジン20mlに溶解し、
アルゴン下-10 ℃で4-グアニジノベンゾイルクロライド
塩酸塩 1.40g(5.90mmol)を加え、同温にて溶液を 1時間
攪拌後溶液を減圧下に乾固した。残渣に飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液を加え、析出した結晶を濾取し、得られ
た結晶をDMFに懸濁し、過剰のメタンスルフォン酸を
加えた。この溶液をエ−テルに注ぎ、析出した結晶を濾
取して所望の化合物 530mg(14.0%) を得た。
【0054】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3384,1674. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
2.36(6H,s), 3.57(2H,s),
3.65(3H,s), 6.64(2H,d),
6.74(2H,d), 7.42(2H,d),
7.46(4H,s), 7.70(3H,brs),
8.02(2H,d), 9.86(1H,brs),
10.0(1H,brs). TLC Rf=0.55 [シリカゲル,展開溶媒; 酢酸エチ
ル:酢酸:水=5:1:1(V/V)]
【0055】製造例7 4-[[2-(4- メトキシベンゾイル) ヒドラジノ] カルボニ
ル] フェニル 4-グアニジノベンゾエート・メタンスル
ホン酸塩 (1) 4-ヒドロキシ-N'-(4- メトキシベンゾイル) ベンゾ
ヒドラジド 4-ヒドロキシベンゾヒドラジド 17.8g(117mmol) をピリ
ジン 180mlに溶解し、アルゴン下 0℃で攪拌しながら、
4-メトキシベンゾイルクロライド 20.0g(117mmol) を溶
解したピリジン100ml 溶解を滴下した。反応溶液を 0℃
で1時間攪拌後、溶液を減圧下に乾固し、得られた残渣
を0.2N- 塩酸水溶液で洗浄して所望化合物を31.5g(94.0
%)得た。
【0056】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3175,1678,1659. MSスペクトル (EI/DI) m/z:286(M
+ ),135. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
3.83(3H,s), 6.85(2H,d),
7.04(2H,d), 7.80(2H,d),
7.91(2H,d), 10.0(1H,s), 1
0.1(1H,s), 10.2(1H,s).
【0057】(2) 4-[[2-(4- メトキシベンゾイル) ヒド
ラジノ] カルボニル] フェニル 4-グアニジノベンゾエ
ート・メタンスルホン酸塩 4-ヒドロキシ-N'-(4- メトキシベンゾイル) ベンゾヒド
ラジド 5.82g(20.3mmol) をピリジン120ml に溶解し、
アルゴン下0 ℃で4-グアニジノベンゾイルクロライド塩
酸塩 4.76g(20.3mmol)を加え後、20〜25℃で溶液を15時
間攪拌し溶液を減圧下に乾固した。残渣に飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液を加え、析出した結晶を濾取し、得ら
れた結晶をDMFに懸濁し、メタンスルフォン酸973mg
(10.1mmol)を加えた。この溶液をエ−テルに注ぎ、析出
した結晶を濾取して所望の化合物 2.10g(23.2%) を得
た。
【0058】融点:255−258℃ IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:3262,1
746,1690. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
2.36(3H,s), 3.84(3H,s),
7.06(2H,d), 7.45(4H,d),
7.72(4H,brs),7.92(2H,d),
8.03(2H,d), 8.19(2H,d),1
0.1(1H,brs), 10.3(1H,s),
10.5(1H,s).
【0059】 製造例84-[[2-(4- メトキシベンゾイル)-1,2-ジメチル
ヒドラジノ] カルボニル] フェニル 4-グアニジノベン
ゾエート・ 2メタンスルホン酸塩 (1) N,N'- ジメチル-N-(4-メトキシベンゾ) ヒドラジド 4-メトキシ安息香酸 11.6g(76.3mmol)及び1,2-ジメチル
ヒドラジン20.0g(153mmol) を塩化メチレン200ml に懸
濁し、この溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC) 15.7g(76.3mmol) とトリエチルアミン 53.1ml(38
1mmol)を加え、アルゴン下0-5 ℃で15時間攪拌した。析
出した結晶を濾去し、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、有機層を
無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶
媒:クロロホルム)にて分離精製して所望化合物を6.10
g(41.2%)得た。
【0060】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
2957,1609. MSスペクトル (EI/DI) m/z:194(M
+ ),135. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
2.44(3H,d), 3.08(3H,s),
3.79(3H,s), 5.00(1H,s),
6.91(2H,d), 7.52(2H,d).
【0061】(2) 4-ヒドロキシ-N'-(4- メトキシベンゾ
イル)-N,N'- ジメチルベンゾヒドラジド N,N'- ジメチル-N-(4-メトキシベンゾ) ヒドラジド 5.7
7g(29.7mmol)をピリジン 59.0ml に溶解し、アルゴン下
0℃で 4- アセトキシベンゾイルクロライド5.90g(29.7
mmol) を溶解したピリジン83.0mlを滴下し、溶液を同温
にて1時間攪拌した。反応溶液を減圧留去し、残渣を塩
化メチレンで希釈し、0.5N- 塩酸水溶液及び飽和塩化ナ
トリウム水溶液で洗浄後、塩化メチレン層を無水硫酸ナ
トリウムにて乾燥した。溶媒の塩化メチレンを減圧下乾
固して 4- アセトキシ-N'-(4- メトキシベンゾイル)-N,
N'- ジメチルベンゾヒドラジドの結晶を10.5g 得た。こ
の結晶 10.2g(28.7mmol) をメタノール50mlに溶解し、
この溶液にナトリウムメトキシド1.63g(30.2mmol) を加
え、20-25 ℃で15分間攪拌した。反応溶液を減圧留去
し、残渣を酢酸エチルより再結晶して所望化合物を6.0g
(64.8%) 得た。
【0062】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3210,1671. MSスペクトル (EI/DI) m/z:314(M
+ ),135. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
3.13(6H,s), 3.78(3H,s),
6.74(2H,d), 6.94(2H,d),
7.00−7.40(4H,brs).
【0063】(3) 4-[[2-(4- メトキシベンゾイル)-1,2-
ジメチルヒドラジノ] カルボニル] フェニル 4-グアニ
ジノベンゾエート・ 2メタンスルホン酸塩 4-ヒドロキシ-N'-(4- メトキシベンゾイル)-N,N'- ジメ
チルベンゾヒドラジド1.50g(4.78mmol) をピリジン15ml
に溶解し、アルゴン下0 ℃で4-グアニジノベンゾイルク
ロライド塩酸塩 1.20g(5.13mmol)を加え後、20〜25℃で
溶液を1時間攪拌し、溶液を減圧下に乾固した。残渣に
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、析出した結晶を
濾取し、得られた結晶をDMFに懸濁し、メタンスルフ
ォン酸810mg(8.44mmol) を加え、溶解させた。この溶液
をエ−テルに注ぎ、析出した結晶を濾取して所望の化合
物 1.30g(40.9%) を得た。
【0064】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3426,1736,1651. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
2.38(6H,s), 3.16(6H,s),
3.78(3H,s), 6.96−7.45(10
H,m), 7.74(4H,brs), 8.17
(2H,d), 10.16(1H,s). TLC Rf=0.60 [シリカゲル, 展開溶媒; 酢酸エ
チル:酢酸:水=5:1:1(V/V)]
【0065】製造例9 4-[(2-アセチルヒドラジノ) カルボニル] フェニル 4-
グアニジノベンゾエート・メタンスルホン酸塩 (1) N'- アセチル-4- ヒドロキシベンゾヒドラジド 4-ヒドロキシベンゾヒドラジド5.00g(32.9mmol) をピリ
ジン25.0mlに溶解し、アルゴン下-5〜 0℃で攪拌しなが
ら、アセチルクロライド2.58g(32.9mmol) を溶解した塩
化メチレン15.0ml溶液を滴下した。反応溶液を20〜25℃
で1時間攪拌後、溶媒を減圧留去した。残渣に0.5N- 塩
酸水溶液−塩化メチレン(1:1)溶液を加え、30分間
攪拌し、析出した結晶を濾取して所望の化合物5.20g(8
1.5%) を得た。
【0066】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3500−2500,1701. MSスペクトル (EI/DI) m/z:194(M
+ ),121. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
1.90(3H,s), 6.81(2H,d),
7.73(2H,d), 9.60−10.1(3H,
brs).
【0067】(2) 4-[(2-アセチルヒドラジノ) カルボニ
ル] フェニル 4-グアニジノベンゾエート・メタンスル
ホン酸塩 N'- アセチル-4- ヒドロキシベンゾヒドラジド2.00g(1
0.3mmol) をピリジン40.0mlに溶解し、アルゴン下0 〜
5℃で4-グアニジノベンゾイルクロライド塩酸塩 2.41g
(10.3mmol)を加え後、20〜25℃で1時間攪拌した。反応
溶媒を減圧留去し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液を加え、析出した結晶を濾取し得られた結晶をDMF
に懸濁し、メタンスルフォン酸 592mg(6.16mmol)を加え
溶解した。この溶液をエ−テルに注ぎ、析出した結晶を
濾取し、得られた結晶をメタノールより再結晶して所望
の化合物 2.00g(71.9%) を得た。
【0068】融点: 247〜250℃ IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:3500−2
700,1732,1686. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
1.93(3H,s), 2.35(3H,s),
7.30−7.50(4H,m), 7.50−7.9
0(5H,brs), 7.97(2H,d), 8.
17(2H,d), 8.58(1H,brs),8.
70(5H,brs).
【0069】製造例10 4-[[2-[(1-アザビシクロ[3.3.0] オクタン-5- イル) カ
ルボニル] ヒドラジノ]カルボニル] フェニル 4-グア
ニジノベンゾエート・ 2メタンスルホン酸塩 4-ヒドロキシベンゾヒドラジド873mg(5.74mmol) をピリ
ジン23.2mlに溶解し、アルゴン下 0〜 5℃で(1- アザビ
シクロ[3.3.0] オクタン-5- イル) カルボン酸・塩酸塩
1.10g(5.74mmol)及び1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプ
ロピル) カルボジイミド・塩酸塩 1.10g(5.74mmol)を加
え、20〜25℃で3時間攪拌した。反応溶液の温度を 0〜
5℃に冷却して、4-グアニジノベンゾイルクロライド・
塩酸塩 1.34g(5.74mmol)を加え、再び温度を20〜25℃に
し、1時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、残渣に飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、析出した結晶を濾
取し、得られた結晶を水に懸濁し、メタンスルフォン酸
402mg(4.19mmol)を加え、溶解した。この水溶液を凍結
乾燥して所望の化合物 1.34g(36.3%) を得た。
【0070】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1
:3414,1736,1663. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
1.80−3.50(18H,m), 7.44(4
H,m),7.75(4H,brs), 7.99(2
H,d),8.18(2H,d), 10.1(2H,
brs),10.6(1H,brs). TLC Rf=0.13 [シリカゲル,展開溶媒; 酢酸エチ
ル:酢酸:水=3:1:1(V/V)]
【0071】製造例11 4-[[2-[(1-アザビシクロ[3.3.0] オクタン-5- イル) ア
セチル] ヒドラジノ] カルボニル] フェニル 4-グアニ
ジノベンゾエート・ 2メタンスルホン酸塩 (1) N'-[(1- アザビシクロ[3.3.0] オクタン-5- イル)
アセチル]-4-ヒドロキシベンゾヒドラジド・塩酸塩 4-ヒドロキシベンゾヒドラジド518mg(3.40mmol) をピリ
ジン13.7mlに溶解し、アルゴン下 0〜 5℃で(1-アザビ
シクロ[3.3.0] オクタン-5- イル) 酢酸・塩酸塩 700mg
(3.40mmol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド702mg
(3.40mmol)を加え、温度を20〜25℃で3時間攪拌後、反
応溶液を減圧下に乾固した。残渣に水を加え、不溶物を
濾去し、濾液を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒; クロロホル
ム:メタノール:酢酸=10 : 5 : 1)及びアルミナカラ
ムクロマトグラフィ−(展開溶媒; クロロホルム:メ
タノール= 2 : 1)にて分離精製してN'-[(1- アザビシ
ロ[3.3.0]オクタン-5- イル) アセチル]-4-ヒドロキシ
ベンゾヒドラジドの結晶 790mgを得た。この結晶 371mg
(1.22mmol)をエーテル−メタノール( 2 : 1)の混合溶
液30mlに溶解し、温度を 0〜 5℃にして、8.36%-塩酸−
エーテル溶液800mg(1.83mmol)を加え、その後20〜25℃
で1時間攪拌した。この反応溶液を減圧乾固して所望の
化合物 404mg(74.5%) を得た。
【0072】H−NMRスペクトル(DMSO−d6 )
δppm :1.8−2.2(18H,m), 2.77
(2H,s), 3.12(2H, m), 3.54
(2H,m), 6.83(2H,d),7.74(2
H,d), 10.1−10.2(3H,m). TLC Rf=0.11 [シリカゲル,展開溶媒; 酢酸エチ
ル:酢酸:水=3:1:1(V/V)]
【0073】(2) 4-[[2-[(1-アザビシクロ[3.3.0] オク
タン-5- イル) アセチル] ヒドラジノ] カルボニル] フ
ェニル 4-グアニジノベンゾエート・ 2メタンスルホン
酸塩 N'-[(1- アザビシクロ[3.3.0] オクタン-5- イル) アセ
チル]-4-ヒドロキシベンゾヒドラジド・塩酸塩 200mg
(0.59mmol)をピリジン2.4ml に溶解し、アルゴン下 0〜
5℃で4-グアニジノベンゾイルクロライド・塩酸塩 138
mg(0.59mmol) を加え、20〜25℃で1時間攪拌した。反
応溶液を減圧下に留去し、得られた残渣に飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液を加え、析出した結晶を濾取し、得ら
れた結晶を水に懸濁し、メタンスルフォン酸 113mg(1.1
8mmol)を加えて溶解した。この水溶液を凍結乾燥して所
望の化合物 1.71mg (44.3%) を得た。
【0074】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3414,1737,1665. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
1.80−2.30(14H,m), 2.8(2H,
s),3.10(2H,m), 3.50(2H,
m), 7.45(4H,m), 7.75(4H,b
rs), 7.90(2H,d),8.20(2H,
d), 10.1〜10.8(3H,brs). TLC Rf=0.14 [シリカゲル,展開溶媒; 酢酸エチ
ル:酢酸:水=3:1:1(V/V)]
【0075】製造例12 4-[[2-(4- アミジノベンゾイル) ヒドラジノ] カルボニ
ル] フェニル 4-グアニジノベンゾエート・ 2メタンス
ルホン酸塩 (1) N'-(4-アミジノベンゾイル)-4-ヒドロキシベンゾヒ
ドラジド・塩酸塩 4-アミジノ安息香酸・塩酸塩 2.00g(9.97mmol)を塩化チ
オニル 32ml(439mmol)に懸濁させ、攪拌しながらピリジ
ン2.00ml(19.9mmol)を滴下し、70℃で 1時間攪拌した。
反応溶液をエーテル300ml に注ぎ、生じた結晶を濾取
し、この結晶を塩化メチレン 250mlにて洗浄し、4-アミ
ジノベンゾイルクロライド・塩酸塩1.67g(76.4%)得た。
次に、4-ヒドロキシベンゾヒドラジド1.16g(7.60mmol)
をピリジン30.0mlに溶解し、アルゴン下 0〜 5℃で攪拌
しながら、4-アミジノベンゾイルクロライド・塩酸塩1.
67g(7.60mmol) を加え、20〜25℃で1時間攪拌した。反
応溶液を減圧留去し、得られた残渣をメタノールより再
結晶して所望化合物を1.70g(66.9%)得た。
【0076】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3184,1668. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
6.87(2H,d), 7.81(2H,d),
7.97(2H,d), 8.11(2H,d),
9.42(4H,brs),10.1(1H,br
s), 10.1−10.6(2H,brs). TLC Rf=0.50 [シリカゲル, 展開溶媒; 酢酸エ
チル:酢酸:水=3:1:1(V/V)]
【0077】(2) 4-[[2-(4- アミジノベンゾイル) ヒド
ラジノ] カルボニル] フェニル 4-グアニジノベンゾエ
ート・ 2メタンスルホン酸塩 N'-(4-アミジノベンゾイル)-4-ヒドロキシベンゾヒドラ
ジド・塩酸塩 1.08g(3.22mmol)をDMF−ピリジン( 5
: 4)混合溶液 29.3ml[ピリジン(161mmol)]に溶解し、
アルゴン下 0〜 5℃で4-グアニジノベンゾイルクロライ
ド・塩酸塩 753mg(3.22mmol)を加え、20〜25℃で1時間
攪拌した。反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた溶液に
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、析出した結晶を
濾取した。得られた結晶を水に懸濁し、メタンスルフォ
ン酸108mg(1.13mmol) を加え、溶解後凍結乾燥して所望
の化合物 425mg(20.3%) を得た。
【0078】IRスペクトル (νmax KBr )cm-1:
3195,1732,1669. H−NMRスペクトル(DMSO−d6 ) δppm :
2.35(6H,s), 7.40−7.50(4H,
m), 7.73(4H,brs), 7.90−8.
20(8H,m), 9.10−9.40(4H,br
s), 10.1(1H,brs) 10.6−10.
8(2H,brs). TLC Rf=0.31 [シリカゲル, 展開溶媒; ブタノ
ール:酢酸:水=5:1:1(V/V)]
【0079】薬理製剤試験 薬効薬理試験例1 in vitroにおけるセリンプロテアーゼ阻害作用 基質としてトリプシンについてはベンゾイル-L-Arg-7-
アミド-4- メチルクマリン,カリクレインについてはカ
ルボベンゾキシ-L-Phe-L-Arg-7- アミド-4- メチルクマ
リン,プラスミンについては H-D-Val-L-Leu-L-Lys-p-
ニトロアニリドトロンビンについては H-D-Phe-L-Pip-L
-Arg-p- ニトロアニリドを使用した。緩衝液は100mM 塩
化ナトリウムを含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH=8.0)を使
用した。試験化合物を適宜、希釈して緩衝液に加えた
後、酵素溶液を加え37℃でプレインキュベーションを
し、基質を終濃度0.1mM となるように加えた。その後、
37℃で一定時間反応させ、酢酸を加えて反応を停止させ
た。酵素活性はトリプシンとカリクレインについては反
応物である7-アミノ-4- メチルクマリンを励起波長380n
m 、蛍光波長460nm での蛍光測定によって行った。プラ
スミンとトロンビンについては反応物であるp-ニトロア
ニリンを波長405nm の吸光度で測定した。酵素阻害活性
は以下の計算式により求めた。
【0080】トリプシン及びカリクレインの場合 F(1) :被験薬を加えて反応した後の蛍光強度 F(2) :被験薬と反応停止液を加えて反応した後の蛍光
強度 F(1') :被験薬なしに反応した後の蛍光強度 F(2') :被験薬なしに、反応停止液を加えて反応した後
の蛍光強度
【0081】プラスミンとトロンビンの場合 Abs(1) :被験薬を加えて反応した後の吸光度 Abs(2) :被験薬と反応停止液を加えて反応した後の吸
光度 Abs(1') :被験薬なしに反応した後の吸光度 Abs(2') :被験薬なしに、反応停止液を加えて反応した
後の吸光度 以上の計算式をもとに、被験薬の各酵素活性に対する 5
0%阻害濃度 (IC50) を求めた。その結果を表1に示す。
【0082】
【表1】 [蛋白分解酵素阻害活性] 化合物 トリプシン カリクレイン プラスミン トロンビン (nM) (nM) (μM) (μM) 製造例 1の化合物 10 170 0.32 0.65 製造例 2の化合物 5 31 0.042 0.57 製造例 3の化合物 2.1 48 0.26 2.42 製造例 4の化合物 2.4 28 0.11 0.54 製造例 5の化合物 5.3 9.5 0.52 0.90 製造例 6の化合物 10 150 0.23 0.10 製造例 7の化合物 3.4 4.0 0.11 1.6 製造例 8の化合物 7.4 25 0.46 0.54 製造例 9の化合物 3.0 19 0.61 5.2 製造例10の化合物 13 60 0.32 2.8 製造例11の化合物 51 150 1.3 6.7 製造例12の化合物 10 13 0.28 1.9 (対照薬) A 62 >10000 0.90 0.48 B 27 >10000 0.24 0.50 A:メシル酸カモスタット(特開昭51- 70743 の化合物) B:メシル酸ナファモスタット(特開昭57-53453の化合物)
【0083】上記の薬効薬理試験例1からも明らかなよ
うに、本発明化合物は膵炎及び膵炎に随伴する諸症状に
関わるトリプシン,カリクレイン,プラスミン及びトロ
ンビン等のセリンプロテアーゼ族の酵素を強く阻害し、
その作用は対照薬A,Bより強い作用を示した。このよ
うに本発明化合物は急性及び慢性の膵炎の予防及び治療
剤として有用性が高いものであることを示した。
【0084】薬効薬理試験例2(ラットの急性膵炎に対
する効果) ペントバルビタール麻酔した体重180 〜220gのSD系雄
性ラットを開腹した後、膵管内にタウロコール酸ナトリ
ウムとトリプシン混合液を持続注入して膵炎を起こさ
せ、生理食塩水を静脈内投与したコントロール群,本発
明化合物を投与した群及び対照薬(B)[メシル酸ナフ
ァモスタット(特開昭 57-53454号)]を投与した群と
の24時間後の死亡率を比較した結果を第2表に示す。
【0085】
【表2】 [ラットの急性膵炎に対する効果] 化合物 (投与量) 24 時間の死亡率 生理食塩水 83% (コントロール群) 実施例1の化合物 (0.035mg/kg) 60% (0.35 mg/kg) 50% 実施例3の化合物 (0.035mg/kg) 60% (0.35 mg/kg) 60% (対照薬)B (3.5 mg/kg) 70% B:メシル酸ナファモスタット
【0086】本発明化合物は急性膵炎モデルでの実験に
対し顕著な効果を示し、対照薬の(B)(メシル酸ナフ
ァモスタット)より強い効果を示した。このように本発
明化合物は極めて有用性の高いものであることが判明し
た。
【0087】製剤例1(カプセル剤) 下記の諸成分を用いて常法により顆粒を調製し、カプセ
ルに充填してカプセル剤を製造した。 実施例1の化合物 50.0 (mg) 乳糖 61.0 結晶セルロース 80.0 カルシウムカルボキシメチルセルロース 4.0 ステアリン酸マグネシウム 5.0 200.0 mg/ カプセル
【0088】製剤例2(顆粒剤) 下記の諸成分を用いて常法により顆粒剤を製造した。 実施例3の化合物 50.0 (mg) 乳糖 249.0 マンニトール 75.0 コーンスターチ 110.0 ヒドロキシプロピルセルロース 16.0 500.0 mg/ 包
【0089】製剤例3(注射剤) 下記の諸成分を用いて常法により注射剤を製造した。 実施例1の化合物 4.0 (mg) 注射用蒸留水 2.0 ml
【0090】
【発明の効果】本発明により得られた一般式Iの化合物
又はその塩はin vitroの実験においてトリプシン,カリ
クレイン,プラスミン及びトロンビン等の蛋白分解酵素
(セリンプロテアーゼ類)に対し優れた阻害作用を示し
た。またin vivo の急性膵炎ラットでの実験においても
顕著な延命効果がみられた。
【0091】この様に本発明化合物は優れた蛋白分解酵
素阻害作用を有しており、膵炎及びDIC(汎発性血管
内血液凝固症),多臓器不全等の膵炎に随伴する諸症状
の予防又は治療に有効な薬剤として期待される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 グアニジノ安息香酸誘導体及び
これらを有効成分とする蛋白分解酵素阻害剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦健児 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社三 和化学研究所内 (72)発明者 加藤秀子 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社三 和化学研究所内 (72)発明者 武田基宏 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社三 和化学研究所内 (72)発明者 村藤潤子 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社三 和化学研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 にて示されるグアニジノ安息香酸誘導体及びその塩。
    {式中Rは式 【化2】 又は、式 【化3】 から選択され、Xは酸素原子又は硫黄原子を意味し、l
    (エル)は0又は1の整数を意味し、[化2〜3]式中
    mは1又は2の整数を、 R1 及び R2 は水素原子又はメ
    チル基を、 R3 は a)水素原子 b) C1 〜 C6 のアルキル基 c)下記式にて示される置換フェニル基 【化4】 ([化4]式中 R4 は水素原子, C1 〜 C6 のアルキル
    基, C1 〜 C6 のアルコキシ基,ハロゲン原子又はアミ
    ジノ基を意味する)あるいは、 d)式−CORにて示される基(式中 R5 は C1 〜 C
    6 のアルキル基,又は下記式 【化5】 にて示される基([化5]式中 R4 は前記と同じ意味を
    有する)あるいは式 【化6】 ([化6]式中nは0又は1を示す)にて示される基を
    意味する}
  2. 【請求項2】グアニジノ安息香酸誘導体が (1) 4-[(1-アザビシクロ[3.3.0] オクタン-5- イル) メ
    チルアミノ] カルボニル] フェニル 4-グアニジノベン
    ゾエート (2) 4-[[2-(4- メトキシフェニル) ヒドラジノ] カルボ
    ニル] フェニル 4-グアニジノベンゾエート (3) 4-[(2-メチルヒドラジノ) カルボニル] フェニル
    4-グアニジノベンゾエート (4) 4-[(2-フェニルヒドラジノ) カルボニル] フェニル
    4-グアニジノベンゾエート (5) 4-[2-[2-(4- メトキシフェニル) ヒドラジノ]-2-オ
    キソエチル] フェニル4-グアニジノベンゾエート (6) S-4-[2-[2-(4- メトキシフェニル) ヒドラジノ]-2-
    オキソエチル] フェニル4-グアニジノベンゼンカルボチ
    オエート (7) 4-[[2-(4- メトキシベンゾイル) ヒドラジノ] カル
    ボニル] フェニル 4-グアニジノベンゾエート (8) 4-[[2-(4- メトキシベンゾイル)-1,2-ジメチルヒド
    ラジノ] カルボニル] フェニル 4-グアニジノベンゾエ
    ート (9) 4-[(2-アセチルヒドラジノ) カルボニル] フェニル
    4-グアニジノベンゾエート (10)4-[[2-[(1-アザビシクロ[3.3.0] オクタン-5- イ
    ル) カルボニル] ヒドラジノ] カルボニル] フェニル
    4-グアニジノベンゾエート (11)4-[[2-[(1-アザビシクロ[3.3.0] オクタン-5- イ
    ル) アセチル] ヒドラジノ] カルボニル] フェニル 4-
    グアニジノベンゾエート (12)4-[[2-(4- アミジノベンゾイル) ヒドラジノ] カル
    ボニル] フェニル 4-グアニジノベンゾエート から選択される請求項1記載の化合物及びその塩
  3. 【請求項3】請求項1〜2記載の化合物及びその塩を主
    成分とする蛋白分解酵素阻害剤。
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