JPH0753374A - チアゾリン−2−チオン誘導体を含有する肝疾患治療剤 - Google Patents

チアゾリン−2−チオン誘導体を含有する肝疾患治療剤

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JPH0753374A
JPH0753374A JP22646793A JP22646793A JPH0753374A JP H0753374 A JPH0753374 A JP H0753374A JP 22646793 A JP22646793 A JP 22646793A JP 22646793 A JP22646793 A JP 22646793A JP H0753374 A JPH0753374 A JP H0753374A
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JP
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carbon atoms
thione
thiazoline
halogen atom
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Withdrawn
Application number
JP22646793A
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Inventor
Mitsuo Mazaki
光夫 真崎
Tomio Yamakawa
富雄 山川
Chiharu Inoue
千春 井上
Shinichi Yoshida
慎一 吉田
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Nippon Chemiphar Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemiphar Co Ltd
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  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チアゾリジン−2−チオン誘導体を有効成分
として含有する肝疾患治療剤を提供する。 【構成】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基又はアルキニル基を表し、R2 は、ハロゲン原
子;ヒドロキシル基;アルコキシル基;アルキル基;ア
ミノ基;アルキルアミノ基;ジアルキルアミノ基;アル
キルチオ基;ニトロ基;カルボキシル基;又はアルコキ
シカルボニル基を表し、mは0〜5の整数を表わし、m
が2以上の場合二個のR2 は一緒になってアルキレンジ
オキシ基を表わしてもよく、そしてnは0〜4の整数を
表わす)で表わされるチアゾリン−2−チオン誘導体を
有効成分として含有する肝疾患治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チアゾリン−2−チオ
ン誘導体を有効成分として含有する肝疾患治療剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】肝臓は、解毒作用、糖質代謝、脂質代
謝、タンパク質代謝、胆汁の生成分泌、血液凝固因子の
生成、ホルモン調節作用、脂肪、グリコーゲン、タンパ
ク質、ビタミン等の各種生体構成要素の貯蔵など種々の
機能を有している。しかし、これらの機能もウイルス、
薬物、毒物、アルコール、栄養不良、肝循環系障害、胆
管閉塞等の原因により急性的あるいは慢性的に障害を受
け、ウイルス肝炎、薬物の中毒性肝炎、アルコール性肝
炎、うつ血性肝炎、胆汁うつ帯による肝障害、脂肪肝、
黄疸、あるいは最終的には肝硬変などの病気として現わ
れる。
【0003】本発明者らは、上記のような肝疾患のため
の治療剤について研究した結果、一般式(1);
【0004】
【化3】
【0005】(式中、R1 は、ハロゲン原子、ヒドロキ
シル基及び炭素数1〜6のアルコキシル基からなる群か
ら選択された置換基を1〜3個有していてもよい、炭素
数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル
基、炭素数2〜6のアルケニル基若しくは炭素数2〜6
のアルキニル基を表し、R2 は、ハロゲン原子;ヒドロ
キシル基;ハロゲン原子、ヒドロキシル基及び炭素数1
〜6のアルコキシル基からなる群から選択された置換基
を1〜3個有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ
ル基;炭素数1〜6のアルキル基;アミノ基;炭素数1
〜6のアルキルアミノ基;各アルキル基が独立に炭素数
1〜6のアルキル基であるジアルキルアミノ基;炭素数
1〜6のアルキルチオ基;ニトロ基;カルボキシル基;
又は炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基を表し、m
は0〜5の整数を表わし、mが2以上の場合、各R2
同一でも異なっていてもよく、二個のR2 が一緒になっ
て炭素数1〜6のアルキレンジオキシ基を表わしてもよ
く、そしてnは0〜4の整数を表わす)で表わされる新
規なチアゾリン−2−チオン誘導体、及び下記一般式
(2):
【0006】
【化4】
【0007】(式中、R1 は、ハロゲン原子、ヒドロキ
シル基及び炭素数1〜6のアルコキシル基からなる群か
ら選択された置換基を1〜3個有していてもよい、炭素
数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル
基、炭素数2〜6のアルケニル基若しくは炭素数2〜6
のアルキニル基を表し、R2 は、ハロゲン原子;ヒドロ
キシル基;ハロゲン原子、ヒドロキシル基及び炭素数1
〜6のアルコキシル基からなる群から選択された置換基
を1〜3個有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ
ル基;炭素数1〜6のアルキル基;アミノ基;炭素数1
〜6のアルキルアミノ基;各アルキル基が独立に炭素数
1〜6のアルキル基であるジアルキルアミノ基;炭素数
1〜6のアルキルチオ基;ニトロ基;カルボキシル基;
又は炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基を表し、R
4 は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のア
ルキル基部分を含むフェニルアルキル基を表わし、Xは
ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基又はp−トル
エンスルホニルオキシ基を表わし、mは0〜5の整数を
表わし、mが2以上の場合、各R2 は同一でも異なって
いてもよく、二個のR2 が一緒になって炭素数1〜6の
アルキレンジオキシ基を表わしてもよく、そしてnは0
〜4の整数を表わす)で表わされるチアゾリン−2−チ
オン誘導体の塩が、in vivo での四塩化炭素急性肝障害
モデル及びガラクトサミン急性肝障害モデルで、GOT
(グルタミン−オキザロ酢酸トランスアミナーゼ)、G
PT(グルタミン−ピルビン酸トランスアミナーゼ)の
優れた逸脱抑制作用及びプロトロンビン時間延長抑制作
用を有し、肝障害の軽減若しくは治療、又は肝障害に対
する優れた保護作用を有し、肝臓疾患の治療、予防剤と
して有用であることを見出した。
【0008】上記一般式(1)で表わされるチアゾリン
−2−チオン誘導体のうち、一部の化合物は公知であ
る。例えば、3−ベンジル−4−メチルチアゾリン−2
−チオンは、Arch. Pharm., 296, 310-324(1963)に殺菌
剤として有効であることが記載されているが、上記のよ
うな急性肝障害モデルでGOT及びGPTの逸脱抑制作
用を有することは知られていない。また4−メチル−3
−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]チア
ゾリン−2−チオンは、Bull. Chem. Soc.Fr., (9-10,
Pt.2), 2135-2140(1974)に合成法について記載されてい
るが、同様に肝臓疾患の治療、予防剤として有用である
ことは記載されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、チア
ゾリン−2−チオン誘導体又はその塩を有効成分として
含有する肝疾患治療剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1):
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1 は、ハロゲン原子、ヒドロキ
シル基及び炭素数1〜6のアルコキシル基からなる群か
ら選択された置換基を1〜3個有していてもよい、炭素
数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル
基、炭素数2〜6のアルケニル基若しくは炭素数2〜6
のアルキニル基を表し、R2 は、ハロゲン原子;ヒドロ
キシル基;ハロゲン原子、ヒドロキシル基及び炭素数1
〜6のアルコキシル基からなる群から選択された置換基
を1〜3個有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ
ル基;炭素数1〜6のアルキル基;アミノ基;炭素数1
〜6のアルキルアミノ基;各アルキル基が独立に炭素数
1〜6のアルキル基であるジアルキルアミノ基;炭素数
1〜6のアルキルチオ基;ニトロ基;カルボキシル基;
又は炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基を表し、m
は0〜5の整数を表わし、mが2以上の場合、各R2
同一でも異なっていてもよく、二個のR2 が一緒になっ
て炭素数1〜6のアルキレンジオキシ基を表わしてもよ
く、そしてnは0〜4の整数を表わす)で表わされるチ
アゾリン−2−チオン誘導体を有効成分として含有する
肝疾患治療剤。
【0013】他の本発明は、下記一般式(2):
【0014】
【化6】
【0015】(式中、R1 は、ハロゲン原子、ヒドロキ
シル基及び炭素数1〜6のアルコキシル基からなる群か
ら選択された置換基を1〜3個有していてもよい、炭素
数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル
基、炭素数2〜6のアルケニル基若しくは炭素数2〜6
のアルキニル基を表し、R2 は、ハロゲン原子;ヒドロ
キシル基;ハロゲン原子、ヒドロキシル基及び炭素数1
〜6のアルコキシル基からなる群から選択された置換基
を1〜3個有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ
ル基;炭素数1〜6のアルキル基;アミノ基;炭素数1
〜6のアルキルアミノ基;各アルキル基が独立に炭素数
1〜6のアルキル基であるジアルキルアミノ基;炭素数
1〜6のアルキルチオ基;ニトロ基;カルボキシル基;
又は炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基を表し、R
4 は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のア
ルキル基部分を含むフェニルアルキル基を表わし、Xは
ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基又はp−トル
エンスルホニルオキシ基を表わし、mは0〜5の整数を
表わし、mが2以上の場合、各R2 は同一でも異なって
いてもよく、二個のR2 が一緒になって炭素数1〜6の
アルキレンジオキシ基を表わしてもよく、そしてnは0
〜4の整数を表わす)で表わされるチアゾリン−2−チ
オン誘導体の塩を有効成分として含有する肝疾患治療
剤。
【0016】一般式(1)に於いて、R1 で表される炭
素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基等が挙
げられ、炭素数3〜6のシクロアルキル基の具体例とし
ては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル等が挙げられ、炭素数2〜6のアルケニル基の具体例
としては、エテニル基、2−プロペニル基、2−メチル
−2−プロペニル基、3−ブテニル基、3−メチル−2
−ブテニル基等が挙げられ、炭素数2〜6のアルキニル
基の具体例としては、エチニル基、2−プロピニル基、
2−ブチニル基、3−ブチニル基等が挙げらる。また、
これらのアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基
は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子)、ヒドロキシル基及び炭素数1〜6のア
ルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基)からなる群から選択された置換
基を1〜3個有するものであってもよい。このような置
換基を有する上記のアルキル基、アルケニル基及びアル
キニル基の好ましい具体例としては、モノフルオロメチ
ル、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキ
シメチル基、ヒドロキシメチル基、3−フルオロプロピ
ニル基等を挙げることができる。
【0017】一般式(1)に於いて、R2 で表される炭
素数1〜6のアルコキシル基の具体例としては、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ
基、t−ブトキシ基等が挙げられる。このアルコキシ基
は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子)、ヒドロキシル基及び炭素数1〜6のア
ルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基)からなる群から選択された置換
基を1〜3個有していてもよい。
【0018】一般式(1)に於いて、R2 で表される炭
素数1〜6のアルキルアミノ基の具体例としては、メチ
ルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソ
プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルア
ミノ基、sec-ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基等が
挙げられる。また、R2 で表される、各アルキル基が独
立に炭素数1〜6のアルキル基であるジアルキルアミノ
基としては、上記アルキルアミノ基のアルキル基を2個
有するジアルキルアミノ基(アルキル基は同じでも異な
っていてもよい)が挙げられる。
【0019】一般式(1)に於いて、R2 で表される炭
素数1〜6のアルキルチオ基の具体例としては、メチル
チオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピル
チオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブ
チルチオ基、t−ブチルチオ基等が挙げられる。
【0020】一般式(1)に於いて、R2 で表される炭
素数2〜7のアルコキシカルボニル基の具体例として
は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n
−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル
基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニ
ル基、sec-ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボ
ニル基等が挙げられる。
【0021】一般式(1)に於いて、mが2以上の場
合、R2 は同一でも異なっていてもよい。また、mが2
以上の場合、二個のR2 (好ましくは、ベンゼン環の隣
接する炭素原子に結合するR2 )が一緒になって表す炭
素数1〜6のジオキシアルキレン基[−O(CH2 )p
−(但し、pは1〜6の整数である)]の具体例として
は、式−O−CH2 −O−、−O(CH2 )2O−等を有
する基が挙げられる。
【0022】一般式(1)に於て、R1 は、置換基を有
しない炭素数1〜6(特に、炭素数1〜4)のアルキル
基、又はハロゲン原子、ヒドロキシル基及び炭素数1〜
6(特に、炭素数1〜4)のアルコキシル基からなる群
から選択された置換基を1〜3個有する、炭素数1〜6
(特に、炭素数1〜4)のアルキル基であることが好ま
しく、R2 は、置換基を有しない炭素数1〜6(特に、
炭素数1〜4)のアルコキシル基、又はハロゲン原子、
ヒドロキシル基及び炭素数1〜6(特に、炭素数1〜
4)のアルコキシル基からなる群から選択された置換基
を1〜3個有する、炭素数1〜6(特に、炭素数1〜
4)のアルコキシル基であることが好ましい。
【0023】一般式(1)に於いて、mは1〜3の整数
であることが好ましく、nは1であることが好ましい。
【0024】一般式(1)で表されるチアゾリン−2−
チオン誘導体の代表的化合物を下記の表1に示す。な
お、表1に於て、R11、R21、R22、R23、R24、R25
及びnの記号は、下記一般式(1A)に示す記号を表
す。
【0025】
【化7】
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】一般式(1)で表されるチアゾリン−2−
チオン誘導体の代表的化合物としては下記のものが挙げ
られる。 4−メチル−3−(2,3,4−トリメトキシベンジ
ル)チアゾリン−2−チオン。 4−イソプロピル−3−(2,3,4−トリメトキシベ
ンジル)チアゾリン−2−チオン。 4−エチル−3−(2,3,4−トリメトキシベンジ
ル)チアゾリン−2−チオン。 3−(2−メトキシベンジル)−4−メチルチアゾリン
−2−チオン。 4−メチル−3−(3,4,5−トリメトキシベンジ
ル)チアゾリン−2−チオン。 4−プロピル−3−(2,3,4−トリメトキシベンジ
ル)チアゾリン−2−チオン。 3−(2,5−ジメトキシベンジル)−4−メチルチア
ゾリン−2−チオン。 3−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンジル)
−4−メチルチアゾリン−2−チオン。 3−[2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル]−4
−メチルチアゾリン−2−チオン。 4−メチル−3−(2−メチルチオベンジル)チアゾリ
ン−2−チオン。 4−シクロプロピル−3−(2,3,4−トリメトキシ
ベンジル)チアゾリン−2−チオン。 4−メチル−3−(3,4−メチレンジオキシベンジ
ル)チアゾリン−2−チオン。 3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルベ
ンジル)−4−メチルチアゾリン−2−チオン。 3−[2−(2−メトキシエトキシ)ベンジル]−4−
メチルチアゾリン−2−チオン。 3−(2−フルオロメトキシベンジル)−4−メチルチ
アゾリン−2−チオン。 3−(3−フルオロメチルベンジル)−4−メチルチア
ゾリン−2−チオン。 3−(2−メトキシメチルベンジル)−4−メチルチア
ゾリン−2−チオン。 3−(3−メトキシ−6−ニトロベンジル)−4−メチ
ルチアゾリン−2−チオン。 3−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−メチルチア
ゾリン−2−チオン。 3−(1,4−ベンゾジオキサン−6−イル)−4−メ
チルチアゾリン−2−チオン。 4−フルオロメチル−3−(2,3,4−トリメトキシ
ベンジル)チアゾリン−2−チオン。 4−メトキシメチル−3−(2,3,4−トリメトキシ
ベンジル)チアゾリン−2−チオン。 3−(2,5−ジヒドロキシ−3,4,6−トリメチル
ベンジル)−4−メトキシメチルチアゾリン−2−チオ
ン。 3−(2,4−ジメトキシ−3−プロピルオキシベンジ
ル)−4−エトキシメチルチアゾリン−2−チオン。 4−ヒドロキシメチル−3−(2,3,4−トリメトキ
シベンジル)チアゾリン−2−チオン。 4−トリフルオロメチル−3−(2,3,4−トリメト
キシベンジル)チアゾリン−2−チオン。 3−(4−クロロ−2−エトキシベンジル)−4−ビニ
ルチアゾリン−2−チオン。 4−アリル−3−(3−フルオロ−4−メトキシベンジ
ル)チアゾリン−2−チオン。 3−(2−メチルベンジル)−4−(2−プロピニル)
チアゾリン−2−チオン。 3−ベンジル−4−メチルチアゾリン−2−チオン。 4−メチル−3−[2−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)エチル]チアゾリン−2−チオン。 4−メチル−3−[2−(2,3,4−トリメトキシフ
ェニル)エチル]チアゾリン−2−チオン。
【0029】一般式(1)で表されるチアゾリン−2−
チオン誘導体は、例えば、下記に示す合成ルートの合成
法により製造することができる。
【0030】
【化8】
【0031】上記の反応式に於て、R1 、R2 、m及び
nは、一般式(1)に於て定義したものと同じ意味を有
し、R3 は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Mはアル
カリ金属を表し、Zは脱離基を表す。
【0032】上記合成ルートの合成法について以下に説
明する。上記合成法に於ける各単位反応は一般的に知ら
れている反応であり、例えば、Chem. Pharm. Bull., 30
(10), 3548-3554 (1982)に記載されており、上記反応式
に基づいて当業者が容易に一般式(1)で表されるチア
ゾリン−2−チオン誘導体を合成することができる。
【0033】上記反応式に於ける一般式(3)で表され
るアミン化合物は、市販品として入手することができ、
またハライドからフタルイミドを経由するガブリエル反
応により合成することもできる。
【0034】一般式(3)で表されるアミン化合物を、
式R3 OM(但し、R3 は炭素数1〜6のアルキル基を
表し、Mはアルカリ金属を表す)の化合物及び二硫化炭
素と通常溶媒中で反応させることにより、一般式(4)
で表されるジチオカルバミン酸塩を合成する。上記R3
としてはメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル
基等が好ましく、Mとしてはナトリウム、カリウム、リ
チウム等が好ましい。式R3 OMの化合物の代わりに、
トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]−7−ウンデセン(DBU)のような塩基を使用す
ることもできる。この反応の溶媒としては、通常エタノ
ール、メタノール等のようなアルコールが使用される
が、反応に悪い影響を与えないテトラヒドロフラン、ジ
メチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等のような
極性溶媒を使用することもでき、更に二硫化炭素自体を
溶媒として使用することもできる。この反応は通常室温
下で10分間〜1時間の反応時間で十分進行する。低温
下でも反応時間を長くすることにより反応は十分進行す
る。一般式(4)で表わされるジチオカルバミン酸塩は
比較的不安定であるが単離することなく次の反応に使用
することができる。
【0035】一般式(4)で表わされるジチオカルバミ
ン酸塩と一般式R1 −COCH2 Z(但し、R1 は一般
式(1)に於て定義したものと同じ意味を有し、Zは脱
離基を表す)で表わされるケトン化合物とを反応させて
一般式(5)で表わされるチアゾリジン−2−チオン誘
導体を合成する。上記Zで表わされる脱離基としては、
塩素原子、臭素原子のようなハロゲン原子が一般的であ
るが、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホ
ニルオキシ基のような基も使用することができる。この
反応に使用される溶媒は、通常エタノール、メタノール
等のようなアルコールであるが、反応に悪い影響を与え
ない限り他の溶媒であってもよい。この反応は通常氷冷
下で数分乃至数時間の反応時間で行うことができるが、
室温下でも問題なく反応は進行する。
【0036】一般式(5)で表わされるチアゾリジン−
2−チオン誘導体は、安定なものと不安定なものとがあ
る。安定な一般式(5)で表わされるチアゾリジン−2
−チオン誘導体は、単離し精製した後、酸と反応させて
脱水反応させて一般式(1)で表わされるチアゾリン−
2−チオン誘導体を得る。この反応に使用する酸として
は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機の強酸が好ましいが、メ
タンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のような有
機酸であってもよい。この反応は通常室温下で数分間の
反応時間で十分進行する。室温よりも低い又は高い温度
で反応させることもできる。一般式(5)で表わされる
チアゾリジン−2−チオン誘導体が不安定な場合には、
生成したチアゾリジン−2−チオン誘導体が直ちに脱水
反応を起こして一般式(1)で表わされるチアゾリン−
2−チオン誘導体に変わる。従って、一般式(4)で表
わされるジチオカルバミン酸塩から一般式(5)で表わ
されるチアゾリジン−2−チオン誘導体を合成する反応
の生成物として、一般式(5)で表わされるチアゾリジ
ン−2−チオン誘導体と一般式(1)で表わされるチア
ゾリン−2−チオン誘導体との混合物が生成する場合が
ある。この場合には反応系に酸を添加して、残留する一
般式(5)で表わされるチアゾリジン−2−チオン誘導
体を全て一般式(1)で表わされるチアゾリン−2−チ
オン誘導体に変えることができる。
【0037】他の本発明の前記一般式(2)で表わされ
るチアゾリン−2−チオン誘導体の塩は、一般式(1)
で表わされるチアゾリン−2−チオン誘導体を、式R4
−X(但し、R4 は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素
数1〜3のアルキル基部分を含むフェニルアルキル基で
あり、Xはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基又
はp−トルエンスルホニルオキシ基を表わす)で表わさ
れる化合物と反応させることにより製造することができ
る。
【0038】一般式(2)に於て、R1 、R2 、m及び
nは一般式(1)について記載したことと同様であり、
4 としてはメチル基、エチル基、n−ブチル基、t−
ブチル基、ベンジル基、フェネチル基等が好ましく、X
のハロゲン原子としては特に塩素原子、臭素原子及びヨ
ウ素原子が好ましい。従って、一般式(2)で表わされ
るチアゾリン−2−チオン誘導体の塩の代表的な化合物
は、一般式(2)に於てR1 (R11)、R2 (R21〜R
25)及びnが表1に示すようなものでありR4及びXが
上記のような基又は原子である化合物である。
【0039】一般式(1)で表わされるチアゾリン−2
−チオン誘導体と、式R4 −Xで表わされる化合物との
反応は、一般式(1)で表わされるチアゾリン−2−チ
オン誘導体を、式R4 −Xで表わされる化合物中で、室
温乃至還流温度で数時間攪拌することにより行うことが
でき、一般式(2)で表わされるチアゾリン−2−チオ
ン誘導体の塩を高収率で得ることができる。式R4 −X
で表わされる化合物として特に好ましいものは、臭化メ
チル、ヨウ化メチル、臭化ブチル、ヨウ化ブチル、ヨウ
化エチル、塩化ベンジル、臭化ベンジル等である。
【0040】一般式(2)で表わされるチアゾリン−2
−チオン誘導体の塩は、一般式(1)で表わされるチア
ゾリン−2−チオン誘導体に比べて水性媒体への溶解度
が大きいという特徴を有する。
【0041】一般式(2)で表わされるチアゾリン−2
−チオン誘導体の塩の代表的化合物としては、例えば、
4−メチル−3−(2,3,4−トリメトキシベンジ
ル)チアゾリン−2−チオンとヨウ化メチルとの塩であ
る、4−メチル−2−メチルチオ−3−(2,3,4−
トリメトキシベンジル)−1,3−チアゾール−1−イ
ウム ヨ−ダイドを挙げることができる。
【0042】次に、本発明に於ける有効成分であるチア
ゾリン−2−チオン誘導体及びその塩についての薬理実
験結果を示す。薬理実験は、脂質過酸化抑制作用、四塩
化炭素急性肝障害モデルでのGOT、GPTの逸脱抑制
作用及びプロトロンビン時間(PT)延長抑制作用、並
びにD−ガラクトサミン急性肝障害モデルでのGOT、
GPTの逸脱抑制作用及びプロトロンビン時間(PT)
延長抑制作用についてin vivo で行った。なお、プロト
ロンビン時間(PT)は血液凝固系を評価する検査法で
ある。血液凝固因子は主に肝実質細胞で産生され、肝機
能障害によってPTは延長する。従って、PT延長抑制
作用は肝機能低下抑制を意味する。
【0043】実験1。脂質過酸化抑制作用 実験方法 ラット肝臓より調製したミクロソーム(0.5mg、蛋
白)250μlに、被験化合物溶液(ジメチルスルフォ
キシドに溶解)2.5μl、0.5Mトリス−塩酸緩衝
液(pH7.4)147.5μl、20mg/ml A
DP50μl及び5mg/ml β−NADPH50μ
lを加えて混和した後、37℃で60分間インキュベー
トした。5mg/mlブチルヒドロキシトルエン50μ
lを加えて反応を停止し、更に、8.1%ドデシル硫酸
ナトリウム250μl、20%酢酸(pH3.5)1.
75ml及び0.8%チオバルビツール酸(pH3.
5)1.5mlを加えた後、沸騰水浴中で60分間加熱
した。氷水中で冷却後、1,500×gで10分間遠心
分離し、上清の535nmでの吸光度を測定した。過酸
化脂質量はテトラエトキシプロパンを標準物質として作
製した検量線より求めた。脂質過酸化抑制作用は次式か
ら求めた抑制率で表わした。
【0044】
【数1】
【0045】結果 合成例1で得られた化合物の脂質過酸化抑制率は10-4
Mで97.9%であり、10-5Mで68.8%であっ
た。
【0046】四塩化炭素又はD−ガラクトサミン投与に
よる肝細胞の障害時には酵素の遊出が起こり、種々の酵
素活性が血清中に出現する。そのため障害の指標として
血清トランスアミナーゼの活性を測定するのは有効な方
法で、血清トランスアミナーゼにはGOT(グルタミン
酸−オキザロ酢酸トランスアミナーゼ)、GPT(グル
タミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ)があり、肝
障害の指標として測定した。また、PTは肝実質障害の
判定指標として有効であることが認められている指標で
ある(肝胆膵,14(5),741〜748頁(198
7)「注目される肝機能検査法」参照)。
【0047】実験2。四塩化炭素急性肝障害モデルでの
GOT、GPTの逸脱抑制作用及びPT延長抑制作用
【0048】実験方法 24時間絶食した160〜180gの Wistar 系雄性ラ
ットに、被験物質(100mg/kg)を経口投与し絶
水する。被験物質は1%メチルセルロース中に懸濁さ
せ、10ml/kgの用量で投与する。対照群には1%
メチルセルロースを投与する。被験物質を投与して3時
間後にオリーブ油に溶解した四塩化炭素(オリーブ油:
四塩化炭素=1:1)を1ml/kgの用量で経口投与
し、急性肝障害を惹起させる。正常群には四塩化炭素の
かわりにオリーブ油を経口投与する。四塩化炭素を投与
して4時間後に給餌給水を行う。四塩化炭素を投与して
24時間後にラットをエーテル麻酔下に開腹し後大動脈
から採血し、採取血液を3000r.p.m.で15分間遠心
分離した後血漿を採取した。血漿中のGOT、GPTを
オートアナライザー(日立705:karmen法)で測定し
た。GOT及びGPTの増加抑制率(%)は下記式によ
り求めた。
【0049】
【数2】
【0050】また、PTは、上記のようにして腹大静脈
から採取した血漿検体にプロトロンビン時間測定用トロ
ンボプラスチン試薬(シンプラスチン;オルガノンテク
ニカ株式会社)を加え、フィブリン形成の所要時間
(秒)を測定した。PT延長抑制率(%)は下記式によ
り求めた。
【0051】
【数3】
【0052】結果 各合成例で得られた化合物についての測定値を表2に示
す。
【0053】実験3。D−ガラクトサミン(D−Gal
N)急性肝障害モデルでのGOT、GPTの逸脱抑制作
用及びPT延長抑制作用
【0054】実験方法 24時間絶食した180〜200gの Wistar 系雄性ラ
ットに、被験物質(100mg/kg)を経口投与し、
グリチルリチン(40mg/ml)を5ml/kgの用
量で腹腔内投与する。被験物質は1%メチルセルロース
中に懸濁させ、10ml/kgの用量で投与する。対照
群には1%メチルセルロースを投与する。被験物質を投
与して3時間後にD−ガラクトサミン溶液(D−ガラク
トサミンを生理食塩液に溶解し、少量の強水酸化ナトリ
ウム水溶液でpH約7に調整した後160mg/mlの
濃度に調整する)を5ml/kgの用量で皮下投与し、
急性肝障害を惹起させる。正常群にはD−ガラクトサミ
ンのかわりに生理食塩液を皮下投与する。D−ガラクト
サミンを投与して24時間後にラットをエーテル麻酔下
に開腹し後大動脈及び腹大静脈から採血し、採取血液を
実験2に於けると同様にして処理し、GOT及びGPT
の増加抑制率(%)及びPT延長抑制率(%)を得た。
【0055】結果 各合成例で得られた化合物についての測定値を表2に示
す。
【0056】
【表3】
【0057】以上の薬理実験により、本発明に於ける有
効成分であるチアゾリン−2−チオン誘導体が、優れた
in vivo の急性肝障害モデルでのGOT、GPTの逸脱
抑制作用及びPT延長作用を有することが判明した。
【0058】なお、表2に示すように、合成例1の
(1)で合成した4−メチル−3−(2,3,4−トリ
メトキシベンジル)チアゾリン−2−チオンの中間体で
ある4−ヒドロキシ−4−メチル−3−(2,3,4−
トリメトキシベンジル)チアゾリジン−2−チオンを被
験化合物として使用した場合も、優れたin vivo の急性
肝障害モデルでのGOT、GPTの逸脱抑制作用及びP
T延長作用を有することから、4−ヒドロキシ−4−メ
チル−3−(2,3,4−トリメトキシベンジル)チア
ゾリジン−2−チオン(前記一般式(5)で表わされる
化合物)は、経口投与すると胃酸により4−メチル−3
−(2,3,4−トリメトキシベンジル)チアゾリン−
2−チオンに転化して作用するものと考えられる。
【0059】また、一般式(1)により表わされるチア
ゾリン−2−チオン誘導体は、ラット2週反復経口投与
毒性スクリーニングで、500mg/kgでも、顕著な
変化は確認されなかった。
【0060】本発明の肝疾患治療剤は、経口投与及び非
経口投与の何れによっても投与することができ、通常は
製剤的担体と共に製剤組成物の形態とされる。担体とし
ては、使用形態に応じた薬剤を調製するのに通常使用さ
れる増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の希釈剤あるい
は賦形剤が用いられる。また製剤形態としては、注射
剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、錠剤などいずれの形態
でも可能である。投与量は、患者の症状の程度によって
異なるが、通常は本発明におけるピペラジン誘導体を1
日約10mg〜1gを患者に投与すればよい。
【0061】
【実施例】次に、実施例及び本発明に於ける有効成分の
合成例により本発明を更に詳細に説明する。
【0062】[合成例1] 4−メチル−3−(2,3,4−トリメトキシベンジ
ル)チアゾリン−2−チオン
【0063】(1)4−ヒドロキシ−4−メチル−3−
(2,3,4−トリメトキシベンジル)チアゾリジン−
2−チオン 2,3,4−トリメトキシベンジルアミン(1.00
g、5.07ミリモル)をエタノール(10ml)に溶
解し、この溶液に、二硫化炭素(0.31ml、5.1
ミリモル)を添加し、室温で15分間攪拌した。この混
合物に、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液
(1.0g、5.2ミリモル)を添加し、更に室温で1
5分間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣をエタノ
ール(5ml)に溶解し、この溶液を、クロロアセトン
(0.52ml、6.59ミリモル)をエタノール(1
0ml)に溶解させた溶液に氷冷下5分間かけて添加
し、室温で一夜攪拌した。エタノールを減圧留去した
後、残渣に水(10ml)を添加し、クロロホルム(2
0ml×2)で抽出し、更に水(20ml×2)で洗浄
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、生成液から溶
媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精
製した。溶媒を減圧留去して、微褐色結晶として標題化
合物0.861g(収率51.5%)を得た。
【0064】融点:109.0〜112.0℃(分
解)。1 H NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.5
5(3H,s),3.32(2H,s),3.85,
3.87,3.99(9H,each s),4.06(1
H,s),4.95,5.08(2H,each d,J=
15Hz) 6.65(1H,d,J=9Hz),7.24(1H,
d,J=9Hz). IR(KBr)cm-1:3260,3000,294
0,2840,2820,1600,1490,145
0,1420,1400,1380,1370,134
0,1300,1280,1260,1220,120
0,1170,1120,1090,1065,104
0,1010,990,950,930,925,88
5,850,820,800,770,745,71
0,680,640,590,570,530,50
0.
【0065】(2)4−メチル−3−(2,3,4−ト
リメトキシベンジル)チアゾリン−2−チオン 上記(1)で得た4−ヒドロキシ−4−メチル−3−
(2,3,4−トリメトキシベンジル)チアゾリジン−
2−チオン(0.894g、2.71ミリモル)をエタ
ノール(18ml)に溶解し、この溶液に氷冷下で濃塩
酸(18ml)を添加し、20分間攪拌して反応させ
た。反応終了後、反応液に4規定水酸化ナトリウム水溶
液(50ml)を添加して中和し、これからエタノール
を留去して、クロロホルム(25ml×3)で抽出し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶液から溶媒を
減圧留去して、微褐色結晶として標題化合物0.823
g(収率97.4%)を得た。
【0066】融点:102.0〜106.5℃(分
解)。1 H NMR(CD3 OD,400MHz)δ:2.1
6(3H,d,J=2Hz),3.81,3.83,
3.94(9H,each s),5.48(2H,s),
6.48(1H,d,J=8Hz),6.68(1H,
d,J=8Hz),6.57(1H,d,J=1Hz) IR(KBr)cm-1:3400,3090,307
0,2970,2950,2910,2810,159
0,1580,1490,1460,1435,142
0,1400,1370,1355,1315,129
0,1260,1250,1220,1210,119
0,1140,1080,1020,1000,98
0,970,930,900,830,790,76
0,720,700,660,600,500,46
0.
【0067】[合成例2] 4−イソプロピル−3−(2,3,4−トリメトキシベ
ンジル)チアゾリン−2−チオン
【0068】(1)4−イソプロピル−4−ヒドロキシ
−3−(2,3,4−トリメトキシベンジル)チアゾリ
ジン−2−チオン 2,3,4−トリメトキシベンジルアミン(0.986
g、5.00ミリモル)をエタノール(10ml)に溶
解し、この溶液に、二硫化炭素(0.3ml、5ミリモ
ル)を添加し、室温で15分間攪拌した。この混合物
に、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液
(0.965g、5.00ミリモル)を添加し、更に室
温で15分間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣を
エタノール(10ml)に溶解し、この溶液を、1−ブ
ロモ−3−メチル−2−ブタノン(0.825g、5.
00ミリモル)をエタノール(10ml)に溶解させた
溶液に氷冷下攪拌しながら滴下し、0℃で30分間攪拌
し、室温で18時間攪拌した。溶媒を留去した後、残渣
に水を添加し、クロロホルムで抽出した有機層を5%炭
酸カリウム水溶液(10ml)で1回、水(10ml)
で2回、飽和食塩水(10ml)で1回洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキ
サン/酢酸エチル=3/1)により精製した後、溶媒を
減圧留去し、残渣をエタノール(1ml)/n−ヘキサ
ン(1.5ml)で結晶化させた。析出した結晶を濾取
し、n−ヘキサンで洗浄した後、減圧乾燥(40℃)す
ることにより、標題化合物1.07g(収率59.8
%)を白色結晶性粉末として得た。
【0069】融点:105.0〜109.0℃。1 H NMR(CD3 OD,400MHz)δ:0.7
1(3H,d,J=7Hz),1.03(3H,d,J
=7Hz). 2.25(1H,m),3.13(1H,d,J=13
Hz),3.58(1H,d,J=13Hz),3.8
2,3.92(9H,each s),4.89(1H,
d,J=16Hz),5.06(1H,d,J=16H
z),6.69(1H,d,J=9Hz),7.20
(1H,d,J=9Hz).
【0070】(2)4−イソプロピル−3−(2,3,
4−トリメトキシベンジル)チアゾリン−2−チオン 上記(1)で得た4−イソプロピル−4−ヒドロキシ−
3−(2,3,4−トリメトキシベンジル)チアゾリジ
ン−2−チオン(0.630g、1.76ミリモル)を
エタノール(4ml)に溶解し、この溶液に氷冷下で濃
塩酸(4ml)を添加し、室温で20分間攪拌して反応
させた。反応終了後、反応液を再度氷冷し、これに4規
定水酸化ナトリウム水溶液を添加して塩基性にした後、
これから溶媒を減圧留去して、残渣をクロロホルムで抽
出した。抽出液を飽和食塩水(10ml)で1回洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶液から溶
媒を減圧留去し、残渣をエタノール(1ml)/n−ヘ
キサン(1.5ml)で結晶化した。析出した結晶を濾
取し、n−ヘキサンで洗浄した後、減圧乾燥(40℃)
することにより、標題化合物0.535g(収率89.
8%)を白色結晶として得た。
【0071】融点:92.5〜93.5℃。1 H NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.1
5(1H,s),1.16(1H,s),2.74(1
H,m),3.82(3H,s),3.88(6H,
s),5.54(2H,s),6.27(1H,s),
6.49(1H,d,J=9Hz),6.57(1H,
d,J=9Hz), IR(KBr)cm-1:2980,2930,161
0,1580,1500,1470,1350,128
0,1170,1100,1040,990,760.
【0072】[合成例3] 4−エチル−3−(2,3,4−トリメトキシベンジ
ル)チアゾリン−2−チオン
【0073】(1)4−エチル−4−ヒドロキシ−3−
(2,3,4−トリメトキシベンジル)チアゾリジン−
2−チオン 2,3,4−トリメトキシベンジルアミン(1.0g、
5.07ミリモル)をエタノール(10ml)に溶解
し、この溶液に二硫化炭素(0.31ml、5.1ミリ
モル)を添加し、室温で15分間攪拌した。この混合物
に、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液
(1.0g、5.2ミリモル)を添加し、更に室温で1
5分間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣を、1−
ブロモ−2−ブタノン(0.789g、5.07ミリモ
ル)をエタノール(10ml)に溶解させた溶液に氷冷
下5分間かけて添加した。室温で1時間攪拌した後、溶
媒を留去し、残渣に水(10ml)を添加し、クロロホ
ルム(10ml×3)で抽出した。クロロホルム層を、
水(10ml)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を留去して、標題化合物の粗体2.07g
を得た。この粗体をエタノール−ヘキサンで再結晶し、
更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/
酢酸エチル=2/1)により精製した後、溶媒を留去し
て、標題化合物0.815g(収率46.7%)を白色
結晶性粉末として得た。
【0074】融点:106.5〜108℃。1 H NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:0.9
6(3H,t,J=7Hz),1.85(2H,q,J
=7Hz). 3.22(1H,d,J=12Hz),3.41(1
H,d,J=12Hz),3.84,3.86,3.9
8(9H,each s),4.01(1H,s) 4.96(1H,d,J=15Hz),5.04(1
H,d,J=15Hz),6.65(1H,d,J=9
Hz),7.30(1H,d,J=9Hz). IR(KBr)cm-1:3433,3199,298
3,2951,2947,2845,2829,159
9,1497,1456,1454,1408,138
5,1348,1333,1292,1288,125
9,1188,1184,1167,1119,109
5,1061,1034,1016,993,920,
916,818,796,789,698,663,5
84,521,494.
【0075】(2)4−エチル−3−(2,3,4−ト
リメトキシベンジル)チアゾリン−2−チオン 上記(1)で得た4−エチル−4−ヒドロキシ−3−
(2,3,4−トリメトキシベンジル)チアゾリジン−
2−チオン(0.385g)を上記(1)の反応中の再
結晶母液、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離
した上記化合物以外のものと合わせ、混合物から溶媒を
留去した後、残渣をエタノール(10ml)に懸濁さ
せ、この懸濁液に氷冷下で濃塩酸(5ml)を添加し、
25分間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液から
エタノールを減圧留去した後、水(10ml)を加え、
クロロホルム(15ml+10ml+10ml)で抽出
し、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
この溶液から溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で
精製し、更にエタノール−ヘキサンで再結晶して、標題
化合物0.559gを白色結晶性粉末として得た。
【0076】融点:96.5〜97℃。1 H NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:1.1
9(3H,t,J=7Hz),2.44(2H,dq,
J=1Hz,7Hz),3.82,3.89,3.97
(9H,each s),5.50(2H,s),6.23
(1H,s),6.55(1H,d,J=9Hz),
6.58(1H,d,J=9Hz), IR(KBr)cm-1:3103,3001,297
0,2941,2939,2837,1606,158
3,1498,1468,1466,1439,141
9,1373,1365,1360,1352,130
4,1265,1234,1213,1194,114
6,1093,1032,1012,964,931,
906,854,833,793,791,766,7
35,671,559,501.
【0077】[合成例4] 3−(2−メトキシベンジル)−4−メチルチアゾリン
−2−チオン
【0078】(1)4−ヒドロキシ−3−(2−メトキ
シベンジル)−4−メチルチアゾリジン−2−チオン 2−メトキシベンジルアミン(1.5g、10.9ミリ
モル)をエタノール(15ml)に溶解し、この溶液に
二硫化炭素(0.66ml、10.9ミリモル)を添加
し、室温で15分間攪拌した。この混合物に、28%ナ
トリウムメトキシド/メタノール溶液(2.12g、1
1ミリモル)を添加し、更に室温で15分間攪拌した。
溶媒を減圧留去した後、残渣を、クロロアセトン(1.
14ml、14.3ミリモル)をエタノール(10m
l)に溶解させた溶液に氷冷下5分間かけて添加した。
室温で2時間攪拌した後、混合物に水(10ml)を添
加し、エタノールを減圧留去し、残渣をクロロホルム
(15ml×3)で抽出した。クロロホルム層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去して、標題化合
物の粗体3.86gを得た。この粗体をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/
1)により精製し、溶媒を留去した後、エタノール−ヘ
キサンで再結晶し、標題化合物2.27g(収率77.
3%)を白色結晶性粉末として得た。
【0079】1H NMR(CDCl3 ,400MH
z)δ:1.55(3H,d,J=1Hz),3.31
(1H,d,J=12Hz),3.42(1H,d,J
=12Hz),3.57(1H,s),3.90(3
H,s),4.99(1H,d,J=16Hz),5.
17(1H,d,J=16Hz),6.8〜6.9(2
H,m),7.2〜7.3(1H,m),7.37(1
H,d,J=7Hz).
【0080】(2)3−(2−メトキシベンジル)−4
−メチルチアゾリン−2−チオン 上記(1)で得た4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシ
ベンジル)−4−メチルチアゾリジン−2−チオン
(1.28g、4.75ミリモル)をエタノール(12
ml)に懸濁させ、懸濁液に氷冷下で濃塩酸(3ml)
を添加し、20分間攪拌した。反応液に2規定水酸化ナ
トリウム水溶液(17ml)を加えて中和した後、エタ
ノールを減圧留去し、クロロホルム(15ml×3)で
抽出し、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を留去し、残渣をエタノール−ヘキサンから再
結晶して、標題化合物1.10g(収率92.2%)を
白色結晶性粉末として得た。
【0081】融点:111〜112℃。1 H NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:2.1
1(3H,d,J=1Hz),3.89(3H,s),
5.52(2H,s),6.26(1H,s),6.7
8(1H,d,J=7Hz),6.8〜6.9(2H,
m),7.2〜7.3(1H,m), IR(KBr)cm-1:3448,3107,295
6,2927,2914,2883,2833,160
3,1585,1493,1464,1437,142
1,1377,1360,1336,1304,128
6,1252,1219,1184,1140,110
9,1049,1016,1014,989,843,
812,762,760,750,729,727,6
81,619,561,492,467.
【0082】[合成例5] 4−メチル−3−(3,4,5−トリメトキシベンジ
ル)チアゾリン−2−チオン 3,4,5−トリメトキシベンジルアミン(1.24
g、6.29ミリモル)をエタノール(5ml)に溶解
し、この溶液に、二硫化炭素(0.38ml、6.29
ミリモル)を添加し、室温で15分間攪拌した。この混
合物に、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液
(1.22g、6.32ミリモル)を添加し、更に室温
で15分間攪拌した。この溶液を、クロロアセトン
(0.64g、6.92ミリモル)のエタノール(2m
l)溶液に氷冷下で添加し、室温で4時間攪拌した。反
応溶液に濃塩酸(4ml)を加え、室温で30分間攪拌
した後、溶媒を減圧留去し、クロロホルムで抽出した。
抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び水で順次
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧
留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル/ヘキサン=2/1)により精製し、エタ
ノール/ヘキサン=2/1混合溶媒(4.5ml)から
再結晶して、淡橙色結晶として標題化合物1.03g
(収率52.6%)を得た。
【0083】融点:116.5〜121.5℃。1 H NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:2.2
0(3H,d,J=1Hz),3.81,3.82(6
H,3H,each s),5.45(2H,s),6.2
6(1H,d,J=2Hz),6.48(2H,s). IR(KBr)cm-1:3097,1591,151
0,1360,1354,1329,1306,124
2,1213,1171,1128,1011.
【0084】[合成例6] 4−プロピル−3−(2,3,4−トリメトキシベンジ
ル)チアゾリン−2−チオン
【0085】(1)4−ヒドロキシ−4−プロピル−3
−(2,3,4−トリメトキシベンジル)チアゾリジン
−2−チオン 2,3,4−トリメトキシベンジルアミン(1.18
g、6.00ミリモル)をエタノール(10ml)に溶
解し、この溶液に、二硫化炭素(0.36ml、6.0
ミリモル)を添加し、室温で15分間攪拌した。この混
合物に、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液
(1.16g、6.00ミリモル)を添加し、更に室温
で15分間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣をエ
タノール(10ml)に溶解し、この溶液を、1−クロ
ロ−2−ペンタノン(0.724g、6.00ミリモ
ル)のエタノール(10ml)溶液に氷冷攪拌下に滴下
し、同温度で2.5時間攪拌した。溶媒を減圧留去した
後、残渣に水(20ml)を添加し、クロロホルム(2
0ml、10ml×2)で三回抽出した有機層を、5%
炭酸カリウム水溶液(10ml)、水(10ml)及び
飽和食塩水(10ml)で一回ずつ洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。生成液から溶媒を減圧留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−
ヘキサン/酢酸エチル=3/1)により精製した後、溶
媒を減圧留去して、標題化合物1.29g(収率62.
0%)を淡黄色固体として得た。
【0086】1H NMR(CDCl3 ,400MH
z)δ:0.86(3H,t,J=7Hz),1.20
〜1.35,1.43〜1.57(2H,each m),
1.78(2H,m),3.23(1H,d,J=12
Hz),3.40(1H,d,J=12Hz),3.8
5,3.86,3.99(9H,each s),4.02
(1H,s),4.80(1H,d,J=16Hz) 5.02(1H,d,J=16Hz) 6.65(1H,d,J=9Hz),7.31(1H,
d,J=9Hz).
【0087】(2)4−プロピル−3−(2,3,4−
トリメトキシベンジル)チアゾリン−2−チオン 上記(1)で得た4−ヒドロキシ−4−プロピル−3−
(2,3,4−トリメトキシベンジル)チアゾリジン−
2−チオン(0.717g、1.96ミリモル)をエタ
ノール(2ml)に溶解し、この溶液に氷冷下で濃塩酸
(3ml)を添加し、室温で20分間攪拌して反応させ
た。反応終了後再び氷冷して、反応混合液に4規定水酸
化ナトリウム水溶液(6ml)を添加して塩基性にした
後、これから溶媒を留去して、残渣をクロロホルムで抽
出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶
液から溶媒を減圧留去して、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー精製(n−ヘキサン/酢酸エチル=3
/1)した。溶媒をエタノールで置換することによって
析出した結晶を、エタノール(1ml)で再結晶(接
種)し、結晶を減圧乾燥(40℃)することにより、標
題化合物0.579g(収率82.6%)を白色結晶性
粉末として得た。
【0088】融点:80.5〜82.0℃。1 H NMR(CD3 OD,400MHz)δ:0.9
2(3H,t,J=8Hz),1.57(2H,m),
2.43(2H,dt,J=8Hz,1Hz),3.8
1,3.84,3.95(9H,each s),5.49
(2H,s),6.48(1H,d,J=9Hz) 6.55(1H,t,J=1Hz). 6.67(1H,d,J=9Hz) IR(KBr)cm-1:2960,2940,161
0,1580,1500,1470,1420,135
0,1300,1180,1100,1040,100
0,790,510.
【0089】[合成例7] 4−メチル−2−メチルチオ−3−(2,3,4−トリ
メトキシベンジル)−1,3−チアゾール−1−イウム
ヨ−ダイド 合成例1に於けると同様にして合成した4−メチル−3
−(2,3,4−トリメトキシベンジル)チアゾリン−
2−チオン(0.35g、1.12ミリモル)をヨウ化
メチル(3.5ml)に溶解し、室温で一晩攪拌した。
反応液からヨウ化メチルを減圧留去し、残渣にアセトン
/ヘキサン=2/10の混合溶媒(2.4ml)を加
え、析出した結晶を濾取した。結晶をアセトン/ヘキサ
ン=1/10混合溶媒(2.2ml)で洗浄した後、真
空乾燥して標題化合物0.50g(収率98.2%)を
淡黄色結晶として得た。
【0090】融点:117℃。1 H NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:2.5
8(3H,s),2.97(3H,s),3.83,
3.85,3.87(9H,each s),5.44(2
H,s),6.65(1H,d,J=9Hz),6.7
8(1H,d,J=9Hz). IR(KBr)cm-1:3068,2962,283
2,1574,1495,1475,1470,140
5,1281,1103.
【0091】[合成例8] 3−ベンジル−4−メチルチアゾリン−2−チオン ベンジルアミン(1.0g、9.33ミリモル)をエタ
ノール(10ml)に溶解し、この溶液に、二硫化炭素
(0.56ml、9.33ミリモル)を添加し、室温で
15分間攪拌した。この混合物に、28%ナトリウムメ
トキシド/メタノール溶液(1.8g、9.33ミリモ
ル)を添加し、更に室温で15分間攪拌した。この溶液
からメタノールを減圧留去した残りを、クロロアセトン
(0.97ml、12.1ミリモル)のエタノール(1
0ml)溶液に氷冷下で5分間かけて添加した。混合物
を室温で一晩攪拌した後、反応溶液からエタノールの約
半量を減圧留去し、これに氷冷下で濃塩酸(6ml)を
添加して20分間攪拌した。反応溶液を4規定水酸化ナ
トリウム水溶液(18ml)で中和し、エタノールを減
圧留去した後、クロロホルム(20ml+15ml+1
5ml)で抽出した。クロロホルム層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、標題化合物の粗
体を得た。この粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により原点を除
くだけの簡単な精製をした後、溶媒を留去し、残渣をエ
タノール−ヘキサン混合溶媒から再結晶して、標題化合
物0.868g(収率42.0%)を微褐色結晶性粉末
として得た。
【0092】融点:85〜85.5℃。1 H NMR(CDCl3 ,400MHz)δ:2.1
4(3H,d,J=1Hz),5.53(2H,s),
6.24(1H,s),7.19〜7.22,7.25
〜7.35(5H,m). IR(KBr)cm-1:3082,3028,295
4,2918,1591,1589,1495,145
4,1433,1385,1365,1323,131
9,1227,1180,1149,1076,101
6,991,968,841,808,721,69
2,623,609,563,488.
【0093】[合成例9] 4−メチル−3−[2−(2,3,4−トリメトキシフ
ェニル)エチル]チアゾリン−2−チオン 2−(2,3,4−トリメトキシフェニル)エチルアミ
ン(1.5g、7.10ミリモル)をエタノール(15
ml)に溶解し、この溶液に二硫化炭素(0.43m
l、7.10ミリモル)を添加し、室温で20分間攪拌
した。この混合物に、28%ナトリウムメトキシド/メ
タノール溶液(1.37g、7.10ミリモル)を添加
し、更に室温で20分間攪拌した。この溶液からメタノ
ールを減圧留去した後、クロロアセトン(0.854
g、9.23ミリモル)のエタノール(10ml)溶液
に氷冷下で5分間かけて添加した。混合物を室温で一晩
攪拌した後、反応溶液からエタノールを減圧留去し、水
(10ml)を加え、クロロホルム(15ml×3)で
抽出した。クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後、溶媒を留去し、標題化合物の粗体2.73gを
得た。この粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/アセトン=3/1)により精製し、溶媒を
留去し、残渣をエタノール−ヘキサン混合溶媒から再結
晶して、標題化合物1.21g(収率52.4%)を白
色結晶性粉末として得た。
【0094】融点:111.0〜111.5℃。1 H NMR(CD3 OD,400MHz)δ:2.0
8(3H,d,J=1Hz),3.03(2H,t,J
=7Hz),3.80,3.82,3.89(9H,ea
ch s),4.33(2H,t,J=7Hz),6.4
5(1H,s),6.68(1H,d,J=8Hz),
6.82(1H,d,J=8Hz). IR(KBr)cm-1:3448,3442,310
3,2980,2976,2943,2939,291
4,2833,1605,1589,1493,146
8,1446,1431,1417,1371,136
7,1325,1317,1281,1254,123
2,1203,1171,1099,1061,102
2,1001,980,937,897,793,75
2,750,694,474.
【0095】 [実施例1](散剤) 合成例1で得たチアゾリン−2−チオン誘導体 10部 重質酸化マグネシウム 10部 乳 糖 80部 上記の物質を均一に混合して粉末又は細粒状とし散剤と
した。
【0096】 [実施例2](散剤) 合成例1で得たチアゾリン−2−チオン誘導体 10部 合成ケイ酸アルミニウム 10部 リン酸水素カルシウム 5部 乳 糖 75部 上記の物質を均一に混合して粉末又は細粒状とし散剤と
した。
【0097】 [実施例3](顆粒剤) 合成例1で得たチアゾリン−2−チオン誘導体 50部 デンプン 10部 乳 糖 15部 結晶セルロース 20部 ポリビニルアルコール 5部 水 30部 上記の物質を均一に混合捏和後、粉砕造粒して乾燥しふ
るい分けして顆粒剤とした。
【0098】[実施例4](糖衣錠) 実施例3で得られた顆粒剤99部にステアリン酸カルシ
ウム1部を混合し、圧縮成形して直径10mmの錠剤と
した。
【0099】 [実施例5](注射剤) 合成例1で得たチアゾリン−2−チオン誘導体 0.5部 非イオン界面活性剤 2.5部 生理食塩水 97部 上記の物質を加温混合後滅菌して注射剤とした。
【0100】[実施例6](カプセル剤) 実施例1で得られた散剤を市販のカプセル容器に充填し
てカプセル剤とした。
【0101】
【発明の効果】本発明の肝疾患治療剤は肝疾患に対して
優れた効能を有している。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】肝臓は、解毒作用、糖質代謝、脂質代
謝、タンパク質代謝、胆汁の生成分泌、血液凝固因子の
生成、ホルモン調節作用、脂肪、グリコーゲン、タンパ
ク質、ビタミン等の各種生体構成要素の貯蔵など種々の
機能を有している。しかし、これらの機能もウイルス、
薬物、毒物、アルコール、栄養不良、肝循環系障害、胆
管閉塞等の原因により急性的あるいは慢性的に障害を受
け、ウイルス肝炎、薬物の中毒性肝炎、アルコール性肝
炎、うっ血性肝炎、胆汁うっ血帯による肝障害、脂肪
肝、黄疸、あるいは最終的には肝硬変などの病気として
現われる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】以上の薬理実験により、本発明に於ける有
効成分であるチアゾリン−2−チオン誘導体が、優れた
in vivoの急性肝障害モデルでのGOT、GPT
の逸脱抑制作用及びPT延長抑制作用を有することが判
明した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】なお、表2に示すように、合成例1の
(1)で合成した4−メチル−3−(2,3,4−トリ
メトキシベンジル)チアゾリン−2−チオンの中間体で
ある4−ヒドロキシ−4−メチル−3−(2,3,4−
トリメトキシベンジル)チアゾリジン−2−チオンを被
験化合物として使用した場合も、優れたin vivo
の急性肝障害モデルでのGOT、GPTの逸脱抑制作用
及びPT延長抑制作用を有することから、4−ヒドロキ
シ−4−メチル−3−(2,3,4−トリメトキシベン
ジル)チアゾリジン−2−チオン(前記一般式(5)で
表わされる化合物)は、経口投与すると胃酸により4−
メチル−3−(2,3,4−トリメトキシベンジル)チ
アゾリン−2−チオンに転化して作用するものと考えら
れる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】本発明の肝疾患治療剤は、経口投与及び非
経口投与の何れによっても投与することができ、通常は
製剤的担体と共に製剤組成物の形態とされる。担体とし
ては、使用形態に応じた薬剤を調製するのに通常使用さ
れる増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の希釈剤あるい
は賦形剤が用いられる。また製剤形態としては、注射
剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、錠剤などいずれの形態
でも可能である。投与量は、患者の症状の程度によって
異なるが、通常は本発明におけるチアゾリン−2−チオ
誘導体を1日約10mg〜1gを患者に投与すればよ
い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基及び炭
    素数1〜6のアルコキシル基からなる群から選択された
    置換基を1〜3個有していてもよい、炭素数1〜6のア
    ルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2
    〜6のアルケニル基若しくは炭素数2〜6のアルキニル
    基を表し、R2 は、ハロゲン原子;ヒドロキシル基;ハ
    ロゲン原子、ヒドロキシル基及び炭素数1〜6のアルコ
    キシル基からなる群から選択された置換基を1〜3個有
    していてもよい炭素数1〜6のアルコキシル基;炭素数
    1〜6のアルキル基;アミノ基;炭素数1〜6のアルキ
    ルアミノ基;各アルキル基が独立に炭素数1〜6のアル
    キル基であるジアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアル
    キルチオ基;ニトロ基;カルボキシル基;又は炭素数2
    〜7のアルコキシカルボニル基を表し、mは0〜5の整
    数を表わし、mが2以上の場合、各R2 は同一でも異な
    っていてもよく、二個のR2 が一緒になって炭素数1〜
    6のアルキレンジオキシ基を表わしてもよく、そしてn
    は0〜4の整数を表わす)で表わされるチアゾリン−2
    −チオン誘導体を有効成分として含有する肝疾患治療
    剤。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2): 【化2】 (式中、R1 は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基及び炭
    素数1〜6のアルコキシル基からなる群から選択された
    置換基を1〜3個有していてもよい、炭素数1〜6のア
    ルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2
    〜6のアルケニル基若しくは炭素数2〜6のアルキニル
    基を表し、R2 は、ハロゲン原子;ヒドロキシル基;ハ
    ロゲン原子、ヒドロキシル基及び炭素数1〜6のアルコ
    キシル基からなる群から選択された置換基を1〜3個有
    していてもよい炭素数1〜6のアルコキシル基;炭素数
    1〜6のアルキル基;アミノ基;炭素数1〜6のアルキ
    ルアミノ基;各アルキル基が独立に炭素数1〜6のアル
    キル基であるジアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアル
    キルチオ基;ニトロ基;カルボキシル基;又は炭素数2
    〜7のアルコキシカルボニル基を表し、R4 は、炭素数
    1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のアルキル基部分
    を含むフェニルアルキル基を表わし、Xはハロゲン原
    子、メタンスルホニルオキシ基又はp−トルエンスルホ
    ニルオキシ基を表わし、mは0〜5の整数を表わし、m
    が2以上の場合、各R2 は同一でも異なっていてもよ
    く、二個のR2 が一緒になって炭素数1〜6のアルキレ
    ンジオキシ基を表わしてもよく、そしてnは0〜4の整
    数を表わす)で表わされるチアゾリン−2−チオン誘導
    体の塩を有効成分として含有する肝疾患治療剤。
JP22646793A 1993-08-19 1993-08-19 チアゾリン−2−チオン誘導体を含有する肝疾患治療剤 Withdrawn JPH0753374A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100465455B1 (ko) * 2002-06-24 2005-01-13 씨제이 주식회사 2-티옥소티아졸 유도체, 그 제조방법 및 약제학적 조성물

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KR100465455B1 (ko) * 2002-06-24 2005-01-13 씨제이 주식회사 2-티옥소티아졸 유도체, 그 제조방법 및 약제학적 조성물

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