JPH0753316A - 抗菌剤 - Google Patents

抗菌剤

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JPH0753316A
JPH0753316A JP21687793A JP21687793A JPH0753316A JP H0753316 A JPH0753316 A JP H0753316A JP 21687793 A JP21687793 A JP 21687793A JP 21687793 A JP21687793 A JP 21687793A JP H0753316 A JPH0753316 A JP H0753316A
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JP
Japan
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styrene
formula
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antibacterial
tri
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Application number
JP21687793A
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English (en)
Inventor
Akihiko Kanazawa
昭彦 金澤
Takeshi Endo
剛 遠藤
Tomiki Ikeda
富樹 池田
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】広い抗菌スペクトルを有し、低濃度でかつ短時
間の接触で十分な抗菌効果を有する抗菌剤を提供する。 【構成】一般式1のビニルベンジルホスホニウム系化合
物、例えば4−(2−トリn−ブチルホスホニオエチ
ル)スチレンクロライド、該化合物を単独重合または他
の共重合可能な単量体との共重合により得られる重合体
を有効成分とする抗菌剤。 (R、RおよびRはH、C1〜18の直鎖状また
は分岐状のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒ
ドロキシ基またはアルコキシ基で置換されたアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を、Xはアニオン
を、nは2以上の整数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌剤に関するもので
ある。さらに詳しくは、本発明はビニルベンジルホスホ
ニウム塩単量体又は該ビニルベンジルホスホニウム塩系
単量体をそれ自体または他の単量体と重合して得られた
重合体を有効成分とする優れた抗菌作用を有する抗菌剤
に関するものである。
【0002】
【従来技術】現在、工業、農業、食品等の様々な分野で
実に多種類の抗菌剤が使用されている。従来から使用さ
れてきた抗菌剤の大部分は、少なからず高い毒性を持っ
た合成殺菌剤であったが、最近では、抗菌剤の毒性の低
下を目的とした研究が進展し、水に不溶で毒性をほとん
ど示さない、ポリマ−型の固定化抗菌剤が開発されてい
る。この固定化殺菌剤は、様々な物質の表面に殺菌機能
を付与することが可能であり、例えば繊維の表面に固定
された防菌防臭繊維をはじめとして多くの分野において
利用されている。
【0003】ポリマー型の固定化抗菌剤は、ポリビニ
ル、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリエ
ステルおよびポリアミド等のポリマーにペンダント型に
抗菌剤を固定したものが報告されている。例えば、ポリ
ビニル鎖には、アルキルピリジニウム塩およびアルキル
ジメチルベンジルアンモニウム塩が固定され、ポリアク
リレート鎖とポリメタクリレート鎖には、ビグアナイド
類が固定され,またポリエステル鎖およびポリアミド鎖
にはアルキルピリジニウム塩が固定されている。これら
の中で、実用化あるいは研究中の固定化抗菌剤のほとん
どが四級アンモニウム塩系である。
【0004】ホスホニウム塩系固定化抗菌剤としては、
例えば、最近ポリビニルベンジルホスホニウム塩が提案
されている。(WO92/14865) また、ホスホニウム塩化合物は、種々の含窒素化合物と
同様に、細菌類、真菌類、藻類に対して広い活性スペク
トルをもっている(特開昭57−204286号、特開
昭63−60903号公報、特開昭62−114903
号,特開平1−93596号公報、特開平2−2400
90号)ことから、生物学的活性化学物質として知られ
ている。
【0005】しかしながら、上記ポリビニルベンジルホ
スホニウム塩は低濃度での抗菌活性が未だ十分ではな
い。また、他のホスホニウム塩も短時間の接触で十分な
抗菌効果を示していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来技術では未だ解決されていない、低濃度で十分な抗菌
効果を有する抗菌剤を提供することを目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明が提供
しようとする抗菌剤は下記一般式(1)
【0008】
【化2】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、水素原子、炭素原子
数1〜18の直鎖状まは分岐状のアルキル基、アリール
基、アラルキル基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基で
置換されたアルキル基、アリール基またはアラルキル基
を表わし、X-はアニオンを表わし、nは2以上の整数
を表す)で示されるビニルベンジルホスホニウム系単量
体を有効成分とする、抗菌剤を提供するものである。
【0009】また本発明は、前記一般式(1)で表され
るビニルベンジルホスホニウム塩系単量体を、それ自体
または他の共重合可能な単量体とともに重合して得られ
た重合体を有効成分とする、抗菌剤を提供するものであ
る。
【0010】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に係る一つの特徴は、上記一般式(1)で表され
るビニルベンジルホスホニウム塩系単量体を有効成分と
する抗菌剤に関するものである。上記一般式(1)式に
おいて、式中のR1 〜R3 の具体例としては、メチル、
エチル、ブチル、プロピル、ペンチル、ヘキシル、ヘプ
チル、オクチル,ドデシル等のアルキル基;フェニル、
トリル、キシリル等のアリール基;ベンジル、フェニチ
ル等のアラルキル基;前記アルキル基、アリール基、ア
ラルキル基をヒドロキシル基、アルコキシ基で置換した
基等が挙げられ、中でも好ましくは、ヘプチル、オクチ
ル等のアルキル基、フェニル、トリル等のアリ−ル基、
さらに好ましくは、アルキル基であるのがよい。また、
1 、R2 およびR3 は、同一の基であっても、そうで
なくともよい。
【0011】R1 〜R3 がメチル、エチル、ブチルのよ
うな低級アルキル基である場合は、水溶性であり、また
アルコ−ル等の有機溶媒にも溶解する。逆に、R1 〜R
3 が、ペンチル、ヘキシル、オクチルのような高級アル
キル基になるほど水に対する溶解度が減少する。
【0012】nは2以上の整数を表し、例えばエチレ
ン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、
ヘキサメチレン等のアルキレン基を表し、好ましくはn
が2〜18であり、さらに好ましくは2〜6である。
【0013】X- は、アニオンであり、例えばフッ素、
塩素、臭素またはヨウ素のハロゲンイオン;ギ酸、酢
酸、蓚酸等のカルボキシルイオン;硫酸イオン;リン酸
イオン;メチルまたはジメチルリン酸;エチルまたはジ
エチルリン酸;フッ化アンチモンイオン;フッ化リンイ
オン;フッ化ヒ素イオン;フッ化ホウ素イオン;過塩素
酸イオン等が挙げられ、中でもハロゲンイオンが好まし
い。
【0014】X- をフッ化アンチモンイオン、フッ化リ
ンイオン、フッ化ヒ素イオン、フッ化ホウ素イオン、過
塩素酸イオンとした場合は、ホスホニウム塩のR1 〜R
3 をいずれの基にしても、水に不溶となる。つまり、本
発明の抗菌剤は、(1)式中のR1 〜R3 およびX-
変えることにより水溶性、水分散性、不溶性殺菌剤とし
て使用目的に応じて抗菌剤を設計できる。
【0015】上記(1)式に係るビニルベンジルホスホ
ニウム塩系単量体において、R1 〜R3 が3つとも同種
よりもその1つが異種のもの、また、同種または異種を
問わず、炭素数が6以上、特にアルキル基にあっては、
オクチル基以上の大きなものの方がより抗菌活性が高く
なる傾向にある。また、nが2以上の場合、R1 〜R3
のアルキル基が同じ基であっても、抗菌活性が高くなり
特に高濃度よりも低濃度で優れた抗菌活性を示すように
なる。すなわち、 活性基であるホスホニウム塩基とポリ
マーの主鎖との距離を長くすることにより低濃度で抗菌
活性がより高くなると考えられる。
【0016】次に、一般式(1)で示されるビニルベン
ジルホスホニウム塩を更に具体的に示すと、例えば4−
(2−トリn−ブチルホスホニオエチル)スチレンクロ
ライド、4−(2−トリn−オクチルホスホニオエチ
ル)スチレンクロライド、4−(2−オクタデシルジメ
チルホスホニオエチル)スチレンクロライド、4−(3
−トリn−ブチルホスホニオプロピル)スチレンクロラ
イド、4−(3−トリn−オクチルホスホニオプロピ
ル)スチレンクロライド、4−(4−トリn−ブチルホ
スホニオブチル)スチレンクロライド、4−(4−トリ
n−オクチルホスホニオブチル)スチレンクロライド、
4−(5−トリn−ブチルホスホニオペンチル)スチレ
ンクロライド、4−(6−トリn−ブチルホスホニオヘ
キシル)スチレンクロライド、4−(7−トリn−ブチ
ルホスホニオヘプチル)スチレンクロライド、4−(2
−トリn−ブチルホスホニオエチル)スチレンブロマイ
ド、4−(3−トリn−ブチルホスホニオプロピル)ス
チレンブロマイドを挙げることができるが、これらに限
定されるものではない。
【0017】次に本発明に係る抗菌剤のもう一つの特徴
は、上記一般式(1)で表されるビニルベンジルホスホ
ニウム塩系単量体をそれ自体または他の共重合可能な単
量体とともに重合して得られた重合体を有効成分とする
抗菌剤である。かかる一般式(1)に示されるビニルベ
ンジルホスホニウム塩系単量体の重合体の抗菌効果は、
前記ビニルベンジルホスホニウム塩系単量体と同様に、
式中におけるホスホニウム塩のR1 〜R3 がアルキル基
の場合、その長さに影響を受け、またnは2以上の場
合、低濃度で優れた抗菌活性を示す。また、 抗菌活性は
重合度が高くなる程、高くなる傾向になる。前記ポリマ
ーの重合度は特に限定する必要はないけれども、2以上
であればよく、多くの場合5以上、好ましくは10〜2
00の範囲である。
【0018】次に、一般式(1)で示されるビニルベン
ジルホスホニウム塩系単量体と共重合可能な単量体とし
ては、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブ
チレン、ジイソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アミド、ビ
ニルアルコール、ビニル酢酸、アクリロニトリル、ビニ
ルスルホン酸塩、N−ビニル−2−ピロリドン、マレイ
ン酸、フマール酸、スチレン、ビニルトルエン、桂皮
酸、ビニルチオフェン、ビニルピリジン又はビニルイミ
ダゾールなどが挙げられ、これらは1種又は2種以上で
あってもよい。
【0019】本発明に係る抗菌剤は、ビニルベンジルホ
スホニウム塩系単量体の物性の如何によって水溶性又は
油溶性のいずれも採りうるので、その使用にあっては、
用途目的に応じてその化合物自体を直接粉体として使用
することは勿論、所望の溶媒又は粉体などの担体により
水溶性、水和剤、乳化剤又は粉剤などの任意の製剤で提
供することができる。
【0020】また、製剤においては、担体のほかに、必
要に応じ例えば、界面活性剤、結合剤、色材、分散剤、
湿潤剤等の助剤や他の有機又は無機抗菌剤を配合しても
差し支えない。
【0021】本発明の抗菌剤の製造方法 本発明の抗菌剤であるビニルベンジルホスホニウム系単
量体またはその重合体は、いかなる方法で製造してもよ
いが、工業的な製法として以下にその一例を示す。
【0022】(ビニルベンジルホスホニウム系単量体の
合成)一般式(1)で表されるビニルベンジルホスホニ
ウム系単量体は、例えば下記一般式(2)の合成経路に
より製造するこができる。
【0023】
【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、X- 、nは前記と同義であ
る)
【0024】で表されるトリオルガノホスフィンとを反
応させることにより、本発明の抗菌剤が得られる。上記
の反応は、有機溶媒の存在下において、反応温度25〜
110℃、好ましくは溶媒の沸点で1時間以上行うのが
よい。また、スチレン誘導体は、トリオルガノホスフィ
ンに対し、等モルから1〜2倍モル使用するのがよい。
反応終了後、析出した沈殿を濾過し、摂取すれば、本発
明のビニルベンジルホスホニウム塩系単量体が得られ
る。好適な有機溶媒としては、n−ヘキサン、トルエン
等があげられるが、その使用量は特に制限されない。
【0025】(ビニルベンジルホスホニウム系単量体の
重合法)前記で得られたビニルベンジルホスホニウム塩
系単量体を溶媒に溶解した後、これに重合開始剤を添加
する。溶媒としては、例えば水、エタノール、ジメチル
ホルムアミド、ベンゼンまたはこれらの混合物を用いる
ことができる。重合開始剤としては、例えば2,2−ア
ゾビスイソブチリニトリル、過酸化ベンゾイル、t−ビ
チルハイドロパーオキサイド等を挙げることができる。
反応温度および反応時間は、 重合開始剤の種類により変
化するが、例えば反応温度は20〜150℃、好ましく
は40〜100℃、反応時間は0.5時間以上、好まし
くは1〜24時間である。
【0026】また、反応は、不活性雰囲気下で行うのが
好ましい。反応終了後、反応混合物を大量のアセトン、
テトラヒドロフラン、n−ヘキサン等中に注入し析出す
る沈殿を採取すれば、本発明に係る重合体が得られる。
なお、重合度は、専ら薬剤の種類と反応条件で支配さ
れ、抗菌力としては高い重合度のほうが好ましいが、特
に制限する必要はない。従って、重合度が2以上であれ
ばよく、好ましくは約10〜5000の範囲である。
【0027】また、他の製造方法としては、下記一般式
(3)
【化4】 (式中n、Xは前記と同義である)で表されるスチレン
誘導体を重合させた後、ポリマー鎖中の官能基をトリオ
ルガノホスフィンで置換させる方法があるが、より均一
な重合体を得るためには、前者の方法で本発明の抗菌剤
を合成するのがよい。
【0028】本発明の抗菌剤は、様々な細菌類、真菌
類、藻類、ウイルス等に有効な幅広い抗菌活性スペクト
ルを示し、特に細菌類に体しては顕著である。しかも、
熱に対して第四級アンモニム塩や他の有機化合物に比較
しても安定であり、例えばオクチル基をもつビニルベン
ジルホスホニウム塩系単量体にあっては、分解温度が3
50℃付近と高いものであり、また化学的にも安定性が
あるものである。
【0029】本発明に係る抗菌剤の抗菌活性(MIC)
は、ビニルベンジルホスホニウム塩単量体の種類、製剤
あるいは各種の菌類の種類や環境によって一様ではない
けれども、抗菌剤の濃度が低濃度である0.1ppm〜
10ppmの範囲で発揮される。
【0030】本発明に係る抗菌剤は、製剤の形態によっ
て各種の産業分野、例えば製紙におけるスライム防止又
はコントロ−ル材、水、油脂、エマルジョン、紙、木
材、ゴム、プラスチックス、繊維、フィルム、塗料等の
防腐、抗菌性の機能を付与させることができる。
【0031】本発明に係る抗菌剤は、他のポリマ−材料
へグラフト重合化させて抗菌化させることができる。例
えば、増感剤としてベンゾフェノンを用い、高圧水銀灯
を用いるなどの光グラフト重合反応させてポリプロピレ
ンの如きポリマ−基材表面に抗菌性を付与させることも
できる。
【0032】
【実施例】以下、本発明によって本発明をさらに説明を
する。本発明の(1)式の抗菌剤の合成
【0033】(モノマーの合成) 実施例1 トリn−ブチルホスフィン24.3g(0.120モ
ル)、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.2
0gをトルエン50mlに溶解し、 窒素気流中激しく攪
拌しながら4−(2−クロロエチル)スチレン10.0
g(0.060モル)を室温で滴下した。滴下終了後、
100℃で一昼夜攪拌した。析出した結晶を濾過すると
4−(2−トリn−ブチルホスホニオエチル)スチレン
クロライド15.5gを得た。(収率70%)
【0034】実施例2 実施例1のトリn−ブチルホスフィンを15.7g
(0.775モル)と4−(2−クロロエチル)スチレ
ンの代わりに4−(3−クロロプロピル)スチレン7.
0g(0.387モル)を使用した他は、実施例1と同
様に行った結果、4−(3−トリn−ブチルホスホニオ
プロピル)スチレンクロライド11.1gを得た。(収
率75%)
【0035】(ポリマ−の合成) 実施例3 4−(2−トリn−ブチルホスホニオエチル)スチレン
クロライド2.0g(0.0542モル)を水20ml
に溶解し、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパ
ン)塩酸塩40mgを加えて脱気封管した。これを60
℃で6時間放置して重合させた後、大過剰のジエチルエ
ーテルに注ぎ込み析出する沈殿を濾過し、採取した。得
られたポリマーはメタノールに溶解し、大過剰のジエチ
ルエーテルに注ぎ込み再沈殿させ精製した結果、ポリ
[4−(2−トリn−ブチルホスホニオエチル)スチレ
ンクロライド]1.5gが得られた。得られたポリマー
の重合度は62であった。
【0038】実施例4 実施例3の4−(2−トリn−ブチルホスホニオエチ
ル)スチレンクロライドの代わりに4−(3−トリn−
ブチルホスホニオプロピル)スチレンクロライド2.0
g(0.0522モル)を使用した他は、実施例3と同
様に行った結果、ポリ[4−(3−トリn−ブチルホス
ホニオプロピル)スチレンクロライド]1.3gが得ら
れた。得られたポリマーの重合度は63であった。
【0039】(抗菌活性試験)グラム陽性菌の代表とし
て、スタフィロコッカス・オ−レウス(Staphylococcus
aureus )IFO12732、およびグラム陰性菌の代表として
エシエリア・コリ(Escherichia coli)IFO3806に対し
て、表1〜表2に示した濃度および作用時間で、実施例
1〜4により得られた各種のビニルベンジルホスホニウ
ム塩系単量体及びその重合体を作用させた。得られた抗
菌活性の結果を、表1〜表2に示す。なお、抗菌活性の
評価は、所定量の菌を摂取し接触させて、その後の菌数
を測定する溶液希釈法で行った。接触時間に対し、菌数
の減少が著しいほど殺菌活性が強いことを示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によって、広い抗菌スペクトルを
有し、且つ低濃度で十分な抗菌効果を有する抗菌剤が得
られる。これらの抗菌剤は、例えば外用殺菌剤、繊維、
布等の衛生加工用抗菌剤、塗料及び建築材料、プール、
工業用水等の抗菌剤として用いることができる。また、
同時に帯電防止性、難燃性、防汚性も付与することがで
きる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (式中、、RおよびR は、水素原子、炭素原子
数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基
で置換されたアルキル基、アリール基またはアラルキル
基を表し、Xはアニオンを表し、nは2以上の整数を
表す。)で示されるスチレン系ホスホニウム塩単量体
有効成分とする、抗菌剤。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌剤に関するもので
ある。さらに詳しくは、本発明はスチレン系ホスホニウ
ム塩単量体又は該スチレン系ホスホニウム塩単量体を、
それ自体または他の単量体と重合して得られた重合体を
有効成分とする優れた抗菌作用を有する抗菌剤に関す
るものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【化2】 (式中、、RおよびR は、水素原子、炭素原子
数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、アラル
キル基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基で置換された
アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、X
はアニオンを表し、nは2以上の整数を表す。)で示
されるスチレン系ホスホニウム塩単量体を有効成分とす
る、抗菌剤を提供するものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】また本発明は、前記一般式(1)で表され
スチレン系ホスホニウム塩単量体を、それ自体または
他の共重合可能な単量体とともに重合して得られた重合
体を有効成分とする、抗菌剤を提供するものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に係る一つの特徴は、上記一般式(1)で表され
スチレン系ホスホニウム塩単量体を有効成分とする抗
菌剤に関するものである。上記一般式(1)式におい
て、式中のR〜Rの具体例としては、メチル、エチ
ル、ブチル、プロピル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル,ドデシル等のアルキル基;フェニル、ト
リル、キシリル等のアリール基;ベンジル、フェニチル
等のアラルキル基;前記アルキル基、アリール基、アラ
ルキル基をヒドロキシル基、アルコキシ基で置換した基
等が挙げられ、中でも好ましくは、ヘプチル、オクチル
等のアルキル基、フェニル、トリル等のアリール基、さ
らに好ましくは、アルキル基であるのがよい。また、R
、RおよびRは、同一の基であっても、そうでな
くともよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】上記(1)式に係るスチレン系ホスホニウ
ム塩単量体において、R〜Rが3つとも同種よりも
その1つが異種のもの、また、同種または異種を問わ
ず、炭素数が6以上、特にアルキル基にあっては、オク
チル基以上の大きなものの方がより抗菌活性が高くなる
傾向にある。また、nが2以上の場合、R〜Rのア
ルキル基が同じ基であっても、抗菌活性が高くなり特に
高濃度よりも低濃度で優れた抗菌活性を示すようにな
る。すなわち、活性基であるホスホニウム塩基とポリマ
ーの主鎖との距離を長くすることにより低濃度で抗菌活
性がより高くなると考えられる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】次に、一般式(1)で示されるスチレン系
ホスホニウム塩単量体を更に具体的に示すと、例えば4
−(2−トリn−ブチルホスホニオエチル)スチレンク
ロライド、4−(2−トリn−オクチルホスホニオエチ
ル)スチレンクロライド、4−(2−オクタデシルジメ
チルホスホニオエチル)スチレンクロライド、4−(3
−トリn−ブチルホスホニオプロピル)スチレンクロラ
イド、4−(3−トリn−オクチルホスホニオプロピ
ル)スチレンクロライド、4−(4−トリn−ブチルホ
スホニオブチル)スチレンクロライド、4−(4−トリ
n−オクチルホスホニオブチル)スチレンクロライド、
4−(5−トリn−ブチルホスホニオペンチル)スチレ
ンクロライド、4−(6−トリn−ブチルホスホニオヘ
キシル)スチレンクロライド、4−(7−トリn−ブチ
ルホスホニオヘプチル)スチレンクロライド、4−(2
−トリn−ブチルホスホニオエチル)スチレンブロマイ
ド、4−(3−トリn−ブチルホスホニオプロピル)ス
チレンブロマイドを挙げることができるが、これらに限
定されるものではない。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】次に本発明に係る抗菌剤のもう一つの特徴
は、上記一般式(1)で表されるスチレン系ホスホニウ
ム塩単量体をそれ自体または他の共重合可能な単量体と
ともに重合して得られた重合体を有効成分とする抗菌剤
である。かかる一般式(1)に示されるスチレン系ホス
ホニウム塩単量体の重合体の抗菌効果は、前記スチレン
系ホスホニウム塩単量体と同様に、式中におけるホスホ
ニウム塩のR〜Rがアルキル基の場合、その長さに
影響を受け、またnは2以上の場合、低濃度で優れた抗
菌活性を示す。また、抗菌活性は重合度が高くなる程、
高くなる傾向になる。前記ポリマーの重合度は特に限定
する必要はないけれども、2以上であればよく、多くの
場合5以上、好ましくは10〜200の範囲である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】次に、一般式(1)で示されるスチレン系
ホスホニウム塩単量体と共重合可能な単量体としては、
例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレ
ン、ジイソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭
化ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル、(メタ)アクリル酸アミド、ビニルア
ルコール、ビニル酢酸、アクリロニトリル、ビニルスル
ホン酸塩、N−ビニル−2−ピロリドン、マレイン酸、
フマール酸、スチレン、ビニルトルエン、桂皮酸、ビニ
ルチオフェン、ビニルピリジン又はビニルイミダゾール
などが挙げられ、これらは1種又は2種以上であっても
よい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】本発明に係る抗菌剤は、スチレン系ホスホ
ニウム塩単量体の物性の如何によって水溶性又は油溶性
のいずれも採りうるので、その使用にあっては、用途目
的に応じてその化合物自体を直接粉体として使用するこ
とは勿論、所望の溶媒又は粉体などの担体により水溶
性、水和剤、乳化剤又は粉剤などの任意の製剤で提供す
ることができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】本発明の抗菌剤の製造方法 本発明の抗菌剤であるスチレン系ホスホニウム塩単量体
またはその重合体は、いかなる方法で製造してもよい
が、工業的な製法として以下にその一例を示す。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】(スチレン系ホスホニウム塩単量体の合
成)一般式(1)で表されるスチレン系ホスホニウム塩
単量体は、例えば下記一般式(2)の合成経路により製
造するこができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】(スチレン系ホスホニウム塩単量体の重合
法)前記で得られたスチレン系ホスホニウム塩単量体
溶媒に溶解した後、これに重合開始剤を添加する。溶媒
としては、例えば水、エタノール、ジメチルホルムアミ
ド、ベンゼンまたはこれらの混合物を用いることができ
る。重合開始剤としては、例えば2,2−アゾビスイソ
ブチリニトリル、過酸化ベンゾイル、t−ビチルハイド
ロパーオキサイド等を挙げることができる。反応温度お
よび反応時間は、重合開始剤の種類により変化するが、
例えば反応温度は20〜150℃、好ましくは40〜1
00℃、反応時間は0.5時間以上、好ましくは1〜2
4時間である。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】本発明の抗菌剤は、様々な細菌類、真菌
類、藻類、ウイルス等に有効な幅広い抗菌活性スペクト
ルを示し、特に細菌類に体しては顕著である。しかも、
熱に対して第四級アンモニム塩や他の有機化合物に比較
しても安定であり、例えばオクチル基をもつスチレン系
ホスホニウム塩単量体にあっては、分解温度が350℃
付近と高いものであり、また化学的にも安定性があるも
のである。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】本発明に係る抗菌剤の抗菌活性(MIC)
は、スチレン系ホスホニウム塩単量体の種類、製剤ある
いは各種の菌類の種類や環境によって一様ではないけれ
ども、抗菌剤の濃度が低濃度である0.1ppm〜10
ppmの範囲で発揮される。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】(抗菌活性試験)グラム陽性菌の代表とし
て、スタフィロコッカス・オーレウス(Staphyl
ococcus aureus)IFO12732、お
よびグラム陰性菌の代表としてエシエリア・コリ(Es
cherichia coli)IFO3806に対し
て、表1〜表2に示した濃度および作用時間で、実施例
1〜4により得られた各種のスチレン系ホスホニウム塩
単量体及びその重合体を作用させた。得られた抗菌活性
の結果を、表1〜表2に示す。なお、抗菌活性の評価
は、所定量の菌を摂取し接触させて、その後の菌数を測
定する溶液希釈法で行った。接触時間に対し、菌数の減
少が著しいほど殺菌活性が強いことを示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、水素原子、炭素原子
    数1〜18の直鎖状まは分岐状のアルキル基、アリール
    基、アラルキル基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基で
    置換されたアルキル基、アリール基またはアラルキル基
    を表わし、X-はアニオンを表わし、nは2以上の整数
    を表す。)で示されるビニルベンジルホスホニウム塩系
    単量体を有効成分とする、抗菌剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(1)で表され
    るビニルベンジルホスホニウム塩系単量体を、それ自体
    または他の共重合可能な単量体とともに重合して得られ
    た重合体を有効成分とする、抗菌剤。
JP21687793A 1993-08-10 1993-08-10 抗菌剤 Pending JPH0753316A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0781566A2 (en) 1995-12-26 1997-07-02 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Organic solvent-soluble mucopolysaccharide, antibacterial antithrombogenic composition and medical material

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0781566A2 (en) 1995-12-26 1997-07-02 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Organic solvent-soluble mucopolysaccharide, antibacterial antithrombogenic composition and medical material

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