JPH0753058B2 - 育苗箱収納棚間の育苗箱移載方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、発芽用収納棚に収納された状態で苗が発芽し
た育苗箱の一部を、緑化用収納棚に移載する育苗箱収納
棚間の育苗箱移載方法に関する。

〔従来技術〕

従来、発芽用収納棚に収納された状態で苗が発芽した育
苗箱の一部を、緑化用収納棚に移すには、人手により、
前記発芽用収納棚から育苗箱を取り出して、この育苗箱
を、別に設置した緑化用収納棚に移して収納していた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、このように、人手によって、育苗箱を発芽用収
納棚から緑化用収納棚に移し替えるには、多くの労力を
必要とし、また、移し替えに必要なスペースが大きいと
いった問題点があった。

本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであっ
て、発芽用収納棚より緑化用収納棚に自動的に育苗箱を
移載できると共に、複数列の各棚列間の育苗箱の移載が
自動的にできて、労力を削減できると共に、移載スペー
スが少なくて済み、省力化並びに省スペース化に貢献で
きる育苗箱収納棚間の育苗箱移載方法を提供することを
主な目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上記目的を達成するために、複数列に並設し
た棚列を有する発芽用の収納棚に対する抜き差し可能に
該収納棚に収納された状態の発芽した育苗箱の一部を、
該収納棚から、該収納棚の育苗箱抜き差し可能方向に並
置され、発芽用の収納棚と同じ列数の棚列を有する空状
態の緑化用収納棚へ、前記育苗箱を緑化用収納棚の方向
へ押出す押出装置により、選択的に押出移載する移載方
法であって、各収納棚を育苗箱の抜き差し方向に、前記
押出装置側方に並置する一方、前記押出装置を前記棚列
の並設方向に移動可能となすと共に該押出装置を上下移
動可能となして、押出装置を上下動することにより発芽
用の収納棚の一の棚列から緑化用の一の棚列へ育苗箱を
選択的に移載し、一列の棚列の移載が完了した後に、押
出装置を前記収納棚に沿って前記並設方向に移動し、順
次、次の棚列の育苗箱を移載して、両収納棚の全棚列に
つき、育苗箱を移載するようにした。

〔作用〕

しかして、上記押出装置により、前記発芽用収納棚より
緑化用収納棚に前記育苗箱の一部を選択的に押し出して
自動的に移載すると共に、押出装置を棚列並設方向に移
動することにより、収納棚の全棚列における育苗箱の移
載を行うのである。

〔実施例〕

以下、本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。

第１図は発芽用及び緑化用ともに、同様に構成される収
納台車45,55の側面図である。収納台車45,55は直方体状
に枠組されており、前後に対向する縦枠材の所定高さ位
置34ヶ所に、幅方向（図面の表裏方向）に延在するよう
にアングルを渡設して棚段Ｔを形成してある。アングル
はウエブを水平にしてこれを内向にして対向させフラン
ジを鉛直にしてある。これによって育苗箱Ｓの抜き差し
が幅方向の両側に可能としてある。斯かる構成の棚列が
前後方向（図面の左右方向）に３列形成されており、各
棚段Ｔには２個の育苗箱が奥行方向に収納できるように
なっている。収納台車45,55の底部４隅にはキャスター4
5a（55a）が設けられている。

第２図は本発明の実施例に使用する装置の平面図、第３
図は同側面図、第４図は同拡大正面図、第５図は収納台
車持ち上げ装置の側面図である。

本装置は、図に示すように、発芽用の収納台車45及び緑
化用の収納台車55を所定位置まで移送して所定位置で固
定するチェーンコンベア91及び92と、該チェーンコンベ
アに沿った方向に移動されると共に上下移動される押出
装置93とを備えたものである。

押出装置93は、昇降可能となった昇降台94上に載置され
ている。該昇降台94はパンダグラフ状の支持部材94a及
び側部にて立設された１本のガイドポール94bにより水
平状態を維持して、支持部材94a内に介装された油圧シ
リンダ94cにより昇降される。また、ガイドポール94bは
台車94t上に立設されている。

ガイドポール94bにはガイドレール（図示せず）が形成
されており、該ガイドレール部には昇降台94に設けられ
た中空の取付部（図示せず）が係合していて、該取付部
の各側部に回転自在に取り付けられたガイドロール（図
示せず）が前記ガイドレール部を挟持してガイドレール
部を転接するように構成されている。

ガイドポール94bを立設した台車94tにはモータ（図示せ
ず）及びこれにて回動されるピニオン95aが設けられ、
該ガイドポール94aを載置した軌道レール96に設けられ
たラック95bと前記ピニオン95aが噛み合わされており、
前記駆動モータの回転駆動により、ピニオン95aとラッ
ク95bを介して前記ガイドポール94aが前記押出装置93と
一体に移動される。

押出装置93は、前記昇降台94上に取り付けられ、発芽用
の収納台車の育苗箱抜き差し方向幅より長いシリンダス
トロークを有するエアーシリンダ93aと、このエアーシ
リンダ93aのロッド進退方向に平行となって両側方に摺
動自在に配されたガイド軸93b、93bと、エアーシリンダ
93aにおけるロッド先端及びガイド軸93b、93bの収納台
車側端部に取り付けられ、その長さが前記収納台車45の
抜き差し方向幅より若干長い押出部材93cとからなり、
エアーシリンダを動作させてロッドを進出させると先端
の押出部材93cにより、発芽用の収納台車45の棚段Ｔよ
り緑化用の収納台車55の棚段Ｔに育苗箱Ｓが移載され
る。エアーシリンダ93aにはそのロッドが所定長進出し
て育苗箱Ｓが発芽用の収納台車45より緑化用収納台車55
の棚段Ｔ内に収納されたことを検出するための、リード
スイッチを用いた育苗箱収納センサ97aが設けられてい
る。

また、ガイドポール94aの移動軌跡上には、棚幅方向検
出用リミットスイッチ97b、97c、97dが設置してある。
このリミットスイッチは移動の正方向と逆方向の二方向
を検出するための一対のスイッチからなっている。

昇降台94の押出装置93配設位置とは反対側には、発芽用
の収納台車45及び緑化用の収納台車55をガイドポール94
aの移動方向に沿って移送すべく、ガイドポール94aの移
動方向と平行となった夫々一対のチェーン91a、91a及び
92a、92aよりなるチェーンコンベア91及び92が配設され
ている。該チェーンコンベア91及び92は、その搬送方向
終端部に配されたモータ（図示せず）にて駆動される。
チェーンコンベア91及び92の始端部には、各収納台車4
5、55の底部がチェーンコンベア91及び92上に載置され
るように各収納台車45、55のキャスター45a、55aを案内
するガイド98a、98bが設けられている。このガイド98a,
98bは導入側が低く、チェーンコンベア91、92側が高く
なっており、また導入側は幅広に、チェーンコンベア9
1,92側は狭幅になっている。

また、前記チェーンコンベア91及び92の終端側側方に
は、定位置検出用のセンサ97e及び97fが配置してある。

また前記緑化用の収納台車55は、第４図に示すように、
その棚段Ｔが前記発芽用の収納台車45より棚一段だけ高
くなるように配置されるようになっている。これにより
発芽用の収納台車45から緑化用の収納台車55へ移された
育苗箱Ｓの存在する棚段Ｔと、発芽用の収納台車45に抜
き残された育苗箱の棚段Ｔとの高さが等しくなる。これ
は、緑化時に育苗箱Ｓに自動放水するノズルの位置が固
定されているので各収納台車45、55の育苗箱Ｓの収納さ
れた棚段Ｔをおなじ段にする必要があるためである。そ
して、これには、第５図に示す持上げ装置60が使われ
る。該持上げ装置はチェーンコンベア51の延設方向と平
行に設置されるものであって、第５図に示すように、二
つの接地車61a、61bの軸部にＬ字杆62a、62bを枢支し、
該Ｌ字杆62a、62bの一端に、前記緑化用の収納台車55の
下面に当接する持上げ用ローラ63a、63bを枢支する一
方、他端に前記二つのＬ字杆62a、62bを連結する連結杆
64を取り付け、該連結杆64の一端にシリンダ65を設けた
ものである。しかして、該シリンダ65を作動させると、
前記Ｌ字杆62a、62bが図にて時計方向に回転し、前記接
地車61a、61bを支点にして上方に持ち上がり、緑化用の
収納台車55を第４図に示す位置に持ち上げるように構成
してある。

また、前記昇降台94の収納台車45側側方には、発光素子
と受光素子とを備えた光センサ97tが設置してあり、該
光センサで収納台車45の棚段を形成するアングルを検知
して、その検知結果に基づいて昇降台94の停止制御が行
われる。光センサとしては、発光素子と受光素子が図示
の位置に設けたセンサ本体内に並設され、該発光素子と
受光素子とを、別設置の制御回路に結線して、発光素子
から光を発し、アングルで反射された光を受光素子で受
けて作動させる形式のもの或いは、制御回路近傍位置に
発光素子と受光素子を設け、該発光素子と受光素子から
光ファイバーを延設して該光ファイバーの先端を昇降台
94に取り付けたセンサ本体内に納めて、該光ファイバー
先端より光を発し、反射してきた光を他方の光ファイバ
ーの先端で捉えて受光素子に伝える構成のものを使用す
る。光センサ97tがアングルを検出すると制御回路のカ
ウンタがこれを計数し、カウンタの計数値が予め設定し
てある数値になると昇降台94駆動用の油圧シリンダ94c
が停止されるようその駆動制御回路を構成している。

また、前記発芽用の収納台車45と緑化用の収納台車55の
対向位置間に一定棚段ごとに設けた案内シュート99…が
棚列ごと３列に設置されている。この案内シュート99は
育苗箱Ｓを移載させ易くするために、発芽用の収納台車
45の棚段Ｔより若干低く位置されると共に緑化用の収納
台車55の棚段Ｔより若干高く位置されている。

また、緑化用の収納台車55はチェーンコンベア92の定位
置において、該チェーンコンベア92の搬送方向に設置さ
れた第５図に示す持上げ装置60により、所定高さ位置ま
で持ち上げられる。

次に、動作について説明する。

発芽された育苗箱Ｓを積んである収納台車45と空状態の
緑化用の収納台車55がガイド98a及び98bからチェーンコ
ンベア91及び92上に載置されると、チェーンコンベア駆
動用のモータが回転され、前記二列の収納台車45及び55
は移動され、定位置までくると定位置検出用のセンサ97
e、97fにてこれが検知され、前記駆動モータが停止され
て、各収納台車45及び55は定位置に固定される。この状
態で持上げ装置60により、緑化用の収納台車55は棚一段
分高い位置に持ちあげられる。

押出装置93を昇降台94上に有するガイドポール94aがピ
ニオン95aのモータ駆動によって移動され、収納台車45
の最前列の棚段Ｔの側方対応位置に、棚幅移動方向検出
用リミットスイッチ97bにて検出されて固定される。こ
のとき、前記昇降台94上の押出装置93は、収納台車45の
最下側から二段目にある。

此の状態で押出装置93におけるエアーシリンダ93aが、
押出装置93cと一体にロッドを進出させるべく動作さ
れ、発芽用の収納台車45の育苗箱Ｓは、発芽用の収納台
車45より、案内シュート99を経て緑化用の収納台車55の
棚列の最下側の棚段Ｔに押し出されて収納される。エア
ーシリンダ93aが所定量進出して育苗箱Ｓが緑化用の収
納台車55の最下側の棚段Ｔに収納されたことを育苗箱収
納センサ97aが検知すると、該エアーシリンダ93aはロッ
ドを退入させるべく動作され、この退入が完了すると、
昇降台94が上昇される。

光センサ97tはこの上昇に伴い棚段Ｔのアングルを検出
してカウンタをカウントアップしていく。そして計数値
が偶数になる都度、昇降台94駆動用の油圧シリンダ94c
が停止され、押出装置93が１段おきに棚段Ｔと対向する
ことになる。

このようにして、押出装置93はつぎに、チェーンコンベ
ア91上に載置された発芽用の収納台車45の最下側より４
段目の棚段Ｔに対向させられる。かかる状態になると、
押出装置93のシリンダ93aのロッド先端の押出部材93cに
より次の育苗箱Ｓを発芽用の収納台車45の棚段より緑化
用の収納台車55の棚段Ｔに押出して該棚段Ｔに収納し、
シリンダ93aが退入して昇降台94を２棚段分上昇させ
る。

このような動作を繰返して、発芽用の収納台車45より緑
化用の収納台車55の棚列の二段ごとの棚段Ｔに一列すべ
て育苗箱Ｓが収納されると、昇降台94を支持するガイド
ーポール94aがピニオン95aのモータ駆動によって前方向
に移動され、棚幅移動方向検出用リミットスイッチ97c
にて、収納台車45に二列目の棚列位置にきたことを検出
されると、その位置で固定される。

この状態で、押出装置93により、今度は発芽用の収納台
車45の最上側の棚段から、順次二段ごとに緑化用の収納
台車55の棚段Ｔに育苗箱Ｓが移載される。そして、この
中央位置の棚列の育苗箱移載が済むと、ガイドポール94
aが前方向に移動され、終端側の棚幅移動方向検出用リ
ミットスイッチ97dにて、収納台車45の三列目（最終
列）の棚列位置にきたことを検出されると、その位置で
固定される。

今度は、押出装置93が下側位置にあるので、発芽用の収
納台車45の最下側より二段目の棚段Ｔより順次、緑化用
の収納台車55の棚段Ｔに育苗箱Ｓが棚二段ごと、押出装
置93により収納される。

上記のようにして、所定棚段ごとに育苗箱Ｓを収納した
各収納台車45及び54は、そのままの状態で、あるいは適
宜場所に移されて、育苗箱Ｓ内の苗を緑化育成される。

なお、押出装置93を昇降台94上に支持したガイドポール
94aの移動手段として、前記ピニオン、ラックの他に、
チェーンコンベアや移動用スクリュー等が適用できる。

また、空状態の緑化用収納台車55を２つ用意して、まず
１つめの緑化用収納台車55に棚２段おきに育苗箱Ｓを移
載し、この移載終了後にこの１つめの緑化用収納台車55
を別位置に移し、２つめの緑化用収納台車55を発芽用収
納台車45の対向位置に配置して、２つめの緑化用収納台
車55に棚２段おき育苗箱Ｓを移載して、２つの緑化用収
納台車55と１つの発芽用収納台車45にそれぞれ棚２段お
きに育苗箱Ｓを収納して緑化育成する。この場合昇降台
94のモータ停止制御をカウンタの計数値が３の倍数或い
は３の係数＋１（又は２）となった処で停止させるよう
に行う。また持上げ装置60は２段階に持上可能なように
構成して収納台車45に残る育苗箱Ｓより２台の緑化用の
収納台車55に移載された育苗箱Ｓの棚段Ｔがすべて等し
くなるようにする。

なお、上記実施例では、持ち上げ装置60により、緑化用
の収納台車55を、一棚段だけ上方に持ち上げるように構
成したが、チェーンコンベア92のスプロケットを持ち上
げるように構成してもよく、また、予めチェーンコンベ
ア92を一棚段だけ上方位置に設置してもよい。

また、上記実施例にあっては、発芽用の収納台車45と緑
化用の収納台車55の棚段Ｔの間に案内シュート99…を配
設したが、この案内シュート99は必ずしも必要でなく、
発芽用の収納台車45の棚段Ｔから緑化用の収納台車55の
棚段Ｔに直接育苗箱Ｓを移載することもできる。

〔発明の効果〕

本発明は、以上述べたように、複数列に並設した棚列を
有する発芽用の収納棚に対する抜き差し可能に該収納棚
に収納された状態の発芽した育苗箱の一部を、該収納棚
から、該収納棚の育苗箱抜き差し可能方向に並置され、
発芽用の収納棚と同じ列数の棚列を有する空状態の緑化
用収納棚へ、前記育苗箱を緑化用収納棚の方向へ押出す
押出装置により、選択的に押出移載する移載方法であっ
て、各収納棚を育苗箱の抜き差し方向に、前記押出装置
側方に並設する一方、前記押出装置93を前記棚列の並設
方向に移動可能となすと共に該押出装置を上下移動可能
となして、押出装置を上下動することにより発芽用の収
納棚の一の棚列から緑化用の一の棚列へ育苗箱を選択的
に移載し、一列の棚列の移載が完了した後に、押出装置
を前記収納棚に沿って前記並設方向に移動し、順次、次
の棚列の育苗箱を移載して、両収納棚の全棚列につき、
育苗箱を移載するものであるから、発芽用収納棚より緑
化用収納棚に自動的に育苗箱を移載できると共に、押出
装置を棚列並設方向に移動することにより、収納棚の全
棚列における育苗箱の移載が自動的にできて、労力を削
減できると共に、移載スペースが少なくて済み、省力化
並びに省スペース化に貢献できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に使用される収納台車の正面
図、第２図は本発明の一実施例に使用される装置の平面
図、第３図は同側面図、第４図は同拡大正面図、第５図
は収納台車持ち上げ装置の側面図である。 45…発芽用の収納台車、55…緑化用の収納台車、93…押
出装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数列に並設した棚列を有する発芽用の収
   納棚に対する抜き差し可能に該収納棚に収納された状態
   の発芽した育苗箱の一部を、該収納棚から、該収納棚の
   育苗箱抜き差し可能方向に並置され、発芽用の収納棚と
   同じ列数の棚列を有する空状態の緑化用収納棚へ、前記
   育苗箱を緑化用収納棚の方向へ押出す押出装置により、
   選択的に押出移載する移載方法であって、各収納棚を育
   苗箱の抜き差し方向に、前記押出装置側方に並置する一
   方、前記押出装置を前記棚列の並設方向に移動可能とな
   すと共に該押出装置を上下移動可能となして、押出装置
   を上下動することにより発芽用の収納棚の一の棚列から
   緑化用の一の棚列へ育苗箱を選択的に移載し、一列の棚
   列の移載が完了した後に、押出装置を前記収納棚に沿っ
   て前記並設方向に移動し、順次、次の棚列の育苗箱を移
   載して、両収納棚の全棚列につき、育苗箱を移載するこ
   とを特徴とする育苗箱収納棚間の育苗箱移載方法。