JPH0752739Y2 - 車両用成形天井の取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、サンルーフの下方にサンシェード用開口を
形成し、該サンシェード用開口に車両の前後方向に摺動
可能なサンシェードを装着する車両用成形天井の取付構
造に関するものである。

「従来の技術」 従来のサンシェード用開口を形成した車両用の成形天井
ａは、第３図に示すように、まずサンシェードガイドレ
ールｂを、車両ボディｃにタッピングねじｄにより固着
した後、成形天井ａのサンシェード用開口端縁部ａ′
を、サンシェードガイドレールｂの保持部ｂ′の先端と
一致させ、その両方をオープニングトリムｅにより挟持
するようにして取付けるとともに、そのオープニングト
リムｅの上方のサンシェードガイド部ｆにサンシェード
ｇを装着していた。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら上記従来構造のように、車両ボディｃのサ
ンルーフ用開口部の端縁部にサンシェードガイドレール
ｂを組付けた後、このサンシェードガイドレールｂに成
形天井ａを組付けるようにすると、サンシェードガイド
レールｂの組付け誤差と、成形天井ａの組付け誤差とが
累積され、車両ボディｃのサンルーフ用開口部に対する
成形天井ａの組付け誤差が大きくなる。また、サンシェ
ードガイドレールｂが車両ボディｃを基準として取付け
られるため、サンシェードガイドレールｂと成形天井ａ
との間で前記組付け誤差を吸収しなければならないとい
う問題点がある。

この考案は、上記した問題点を解決するためになされた
ものであり、車両ボディに対する成形天井の組付け精度
を高めることができる車両用成形天井の取付構造を提供
することを目的とするものである。

「課題を解決するための手段」 前記目的を達成するための本考案の車両用成形天井の取
付構造は、車両ボディの天井部に形成さたサンルーフ用
開口部の端縁部にサンルーフガイドレールを取付け、該
サンルーフガイドレールに支持されたサンルーフの下方
にサンシェード用開口部を形成し、該サンシェード用開
口に車両の前後方向に摺動可能なサンシェードを装着す
る車両用成形天井の取付構造において、前記サンルーフ
用開口部に対応した位置に、サンシェード用開口が形成
されるとともに、該サンシェード用開口の端縁部に沿っ
てサンシェードを摺動可能に支持するサンシェードガイ
ドレールが装着された成形天井を、前記サンルーフガイ
ドレールと前記サンシェードガイドレールとの連結一体
化により、車両ボディの天井部下面に取付けたことを特
徴とする。

「作用」 上記車両用成形天井の取付構造によれば、成形天井に車
両ボディのサンルーフ用開口部に対応したサンシェード
用開口を形成するとともに、該サンシェード用開口の端
縁部に沿ってサンシェードを摺動可能に支持するサンシ
ェードガイドレールを装着し、車両ボディのサンルーフ
用開口部の端縁部に取付けられたサンルーフガイドレー
ルと成形天井のサンシェード用開口の端縁部に装着され
たサンシェードガイドレールとの連結一体化により、成
形天井を車両ボディの天井部下面に取付ける。

「実施例」 本考案の車両用成形天井の取付構造の一実施例につい
て、添付図面に基づいて説明する。

車両ボディの天井部１には、サンルーフ用開口部２を形
成し、そのサンルーフ用開口部２の端縁部2aにサンルー
フガイドレール３を、取着ボルト４を通してナット５に
より締付け固定する。車両ボディの天井部１から、側部
上部６に亘る内側には、成形天井７が張設される。成形
天井７は、基材８に表皮材９を貼ったもので、その側端
縁部10は前記車両ボディの側部上部６に、クリップ等に
より取付ける。さらに成形天井７の天井部には、サンシ
ェード用開口11を前記サンルーフ用開口部２よりも中央
よりの内側の位置で形成する。サンシェード用開口11の
開口端縁部12は、前記基材８を上方に曲げ、表皮材９の
端部を該基材８の裏面に曲げ返して接着処理するととも
に、ウェルドボルト13を所定位置に固定した金属板製の
リテーナ14を接着剤により一体的に接着固定する。リテ
ーナ14上には、ウェルドボルト13に合致するボルト挿通
孔15を形成したサンシェードガイドレール16を装着し
て、ナット17をウェルドボルト13に螺合して締付固定す
る。さらに、該サンシェードガイドレール16には取付孔
18を形成し、前記車両ボディの天井部１に固定したサン
ルーフガイドレール３の端部の取付部3aに挿通したタッ
ピングねじ19を、前記取付孔18にねじ込んで締付け固定
し、サンシェードガイドレール16とサンルーフガイドレ
ール３とを一体的に連結して、車両ボディの天井部１に
固定する。サンシェードガイドレール16にはガイド用段
部20を形成し、前記成形天井７の基材８の表皮材９と同
じ材質の表皮材21を貼ったサンシェード22の裏面に固定
したサンシェードシュー23をガイドする。またサンシェ
ード22は、図示しない駆動装置により車両の前後方向に
摺動自在として、サンシェード用開口11を開閉する。サ
ンシェード用開口11の上方部のサンルーフ開口部２に
は、ガラスサンルーフ24を装着して、該サンルーフ用開
口部２を覆う。該ガラスサンルーフ24は、サンルーフシ
ュー25の下方部にローラ26を設けるとともに前記サンル
ーフガイドレール３でガイドして、図示しない駆動装置
により車両の前後方向に移動させて、サンルーフ用開口
部２を開閉する。

前記構成になる車両用成形天井の取付構造による成形天
井７の張設の順序を説明する。

まず、車両ボディの内側に張設される成形天井７に、サ
ンルーフ用開口部２に対応して、サンシェード用開口11
を形成する。該サンシェード用開口11の端縁部12に沿っ
て成形天井７の裏面には、金属板製のリテーナ14を接着
剤により接着するとともに、成形天井７の基材８に貼っ
た表皮材９の端部を、該基材８の裏面に曲げ返して接着
処理する。リテーナ14には、ウェルドボルト13が所定位
置に固定されていて、そのウェルドボルト13をサンシェ
ードガイドレール16に形成したボルト挿通孔15に通して
ナット17により、該サンシェードガイドレール16をリテ
ーナ14上に装着する。

このように、予め成形天井７のサンシェード用開口11の
端縁部12の裏面にサンシェードガイドレール16を装着す
る。そして、該サンシェードガイドレール16に形成した
取付孔18に、サンルーフガイドレール３の端部の取付部
3aに挿通したタッピングねじ19をねじ込んで、該サンル
ーフガイドレール３とサンシェードガイドレール16とを
一体的に連結して、車両ボディの天井部１に固定するこ
とにより、成形天井７を車両ボディの内側へ張設する。

リテーナ14のウェルドボルト13の固定位置、サンルーフ
ガイドレール３の取付位置及びサンシェードガイドレー
ル16のボルト挿通孔15及び取付孔18の形成位置等は、予
め機械加工を施すことにより成形することができるの
で、車両ボディの天井部１に張設される成形天井７のサ
ンシェード用開口11の位置及び寸法が大きくばらつくこ
とがない。このため、該サンシェード用開口11に装着さ
れるサンシェード22との間の隙間を小さくすることがで
きる。また、サンシェード用開口11の端縁部12の基材８
の表皮材９を、基材８の裏面に曲げ返して接着処理する
とともに、サンシェードガイドレール16を介して、成形
天井７を車両ボディ天井部１に取付けるようにしている
から、開口端縁部にオープニングトリムを嵌めて外観上
整える必要もない。さらに、サンシェード22の表皮材21
を成形天井７の表皮材９と同材質とすることにより、さ
らに一体感を増して違和感を無くすことができる。

「考案の効果」 本考案は上記構成を有し、車両ボディのサンルーフ用開
口部の端縁部に取付けられたサンルーフガイドレールと
成形天井のサンシェード用開口の端縁部に装着されたサ
ンシェードガイドレールとの連結一体化により、成形天
井を車両ボディの天井部下面に取付けるようにしたた
め、サンルーフ及び該サンルーフが装着される車両ボデ
ィのサンルーフ用開口部に対する成形天井の組付け精度
を向上させることができる。

また、成形天井に車両ボディのサンルーフ用開口部に対
応した位置にサンシェード用開口を形成するとともに、
該サンシェード用開口の端縁部に沿ってサンシェードを
摺動可能に支持するサンシェードガイドレールを装着す
るようにしたため、成形天井を車両ボディの天井部下面
に取付ける前にサンシェードを成形天井に組付けでき、
成形天井のサンシェード用開口に対するサンシェード及
びサンシェードガイドレールの組付け精度も向上させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

添付図面第１図は車両ボディ天井部付近の断面図、第２
図は要部の拡大断面図、第３図は従来例の断面図であ
る。 １……車両ボディの天井部、３……サンルーフガイドレ
ール、７……成形天井、11……サンシェード用開口、12
……開口端縁部、16……サンシェードガイドレール、22
……サンシェード、24……サンルーフ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両ボディの天井部に形成さたサンルーフ
   用開口部の端縁部にサンルーフガイドレールを取付け、
   該サンルーフガイドレールに支持されたサンルーフの下
   方にサンシェード用開口部を形成し、該サンシェード用
   開口に車両の前後方向に摺動可能なサンシェードを装着
   する車両用成形天井の取付構造において、 前記サンルーフ用開口部に対応した位置に、サンシェー
   ド用開口が形成されるとともに、該サンシェード用開口
   の端縁部に沿ってサンシェードを摺動可能に支持するサ
   ンシェードガイドレールが装着された成形天井を、前記
   サンルーフガイドレールと前記サンシェードガイドレー
   ルとの連結一体化により、車両ボディの天井部下面に取
   付けたことを特徴とする車両用成形天井の取付構造。