JPH0752518A - 輪転謄写印刷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 外周に製版原紙４を保持した印刷ドラム７と
これに接離するプレスローラ９とで印刷材料１１を挾持
し、印刷ドラム７の内側に設けたインクローラ１４より
供給されたインク１７を用いて、製版原紙４に記録され
ている情報を印刷材料１１に印刷する輪転謄写印刷機１
において、印刷ドラム７の内側に塗布ローラ１６を設
け、これを印刷ドラム７とインクローラ１４のいずれに
も接触しない第１の位置と、印刷ドラム７とインクロー
ラ１４に接触して回転し、インクローラ１４に保持され
ているインクを印刷ドラム７に供給する第２の位置に移
動するようにした。 【効果】 印刷前に印刷ドラム７にインク１７が塗布さ
れるので、第１枚目の用紙に対する印刷時にはすでに十
分なインク１７が製版原紙４に対して供給され、当該第
１枚目の印刷は適正な濃度を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は輪転謄写印刷機に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、輪転謄写印刷機として、多数の小
孔を有する薄肉金属板を円筒状に成形した印刷ドラム
と、この印刷ドラムの外周に接離するプレスローラと、
上記印刷ローラの内側にこれと非接触状態に配設された
インクローラと備えたものが知られている。

【０００３】この種の輪転謄写印刷機では、印刷ドラム
の外周に印刷情報を記録した製版原紙が保持され、印刷
ドラムを介してプレスローラをインクローラに圧接し、
これら印刷ドラムとプレスローラとの間に供給された用
紙を挾持搬送しつつ、上記インクローラより印刷ドラム
に供給されたインクを用いて、上記印字情報を用紙に印
刷するようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記輪
転謄写印刷機では、印刷ドラムに新たに保持された製版
原紙を用いて印刷する場合、第１枚目の用紙が給紙され
るまでにインクローラより印刷ドラムに十分なインクが
供給できず、第１枚目の印刷濃度が薄くなるという問題
点があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するためになされたもので、多数の小孔を有する薄膜
金属板を円筒状に成形した印刷ドラムと、該印刷ドラム
の外側にその外周面と所定の間隔を置いて対向するプレ
スローラと、上記印刷ドラムの内側にその内周面と所定
の間隔をおいて対向するインクローラとを有し、上記印
刷ドラムの外周に製版原紙を装着し、上記プレスローラ
を印刷ドラムを介してインクローラに圧接し、上記イン
クローラより供給されたインクを用いて、上記プレスロ
ーラと印刷ドラムとの間に供給された印刷材料に上記製
版原紙に記録されている情報を印刷する輪転謄写印刷機
において、上記印刷ドラムの内側に塗布ローラを設け、
該塗布ローラを、印刷ドラムとインクローラのいずれに
も接触しない第１の位置と、上該印刷ドラムとインクロ
ーラに接触して回転し、インクローラに保持されている
インクを印刷ドラムに供給する第２の位置に移動するよ
うにしたものである。

【０００６】

【作用および効果】上記構成の輪転謄写印刷機では、第
１枚目の印刷材料に対して印刷が開始される前に、塗布
ローラを印刷ドラムとインクローラに接し、インクロー
ラから塗布ローラを介して印刷ドラムにインクが供給で
きる。したがって、第１枚目の印刷材料が供給され、こ
れが印刷ドラムとプレスローラに挾持されると、上記塗
布ローラより供給されたインクを用いて即座に印刷が可
能になる。

【０００７】

【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。図１は輪転謄写印刷機（以下「印刷
機」という。）１の概略構成を示し、この印刷機１では
原稿台２に載置された原稿（図示せず）が原稿読取部３
で読み取られる。製版原紙４は原紙ロール５より供給さ
れ、原稿読取部３で読み取った原稿情報がサーマルヘッ
ド６で記録される。印刷ドラム７は多数の小孔を有する
薄肉金属板を円筒状に加工して形成されており、矢印ａ
方向に回転しながら製版原紙４を外周に保持する。製版
原紙４が装着された印刷ドラム７には、その内部に設け
たインク塗布装置８よりドラム外周面と製版原紙４との
間にインクが供給される。プレスローラ９は外周部がゴ
ム等の弾性体で構成され、印刷ドラム７に接離可能に配
設されており、給紙装置１０より印刷材料である用紙１
１が製版原紙４とタイミングをとって供給されると印刷
ドラム７に圧接し、製版原紙４に記録されている印刷情
報を用紙１１に印刷する。印刷が終了するとプレスロー
ラ９は印刷ドラム７から離間し、用紙１１は排紙トレイ
１２に排出される。そして、所定枚数の印刷が終了する
と製版原紙４が印刷ドラム７より剥離されて原紙回収部
１３に回収される。

【０００８】上記インク塗布装置８は、図２に示すよう
に、インクローラ１４、スキージローラ１５、塗布ロー
ラ１６を備えている。上記インクローラ１４は金属で構
成されており、印刷ドラム７の内周面と所定の距離を置
いて回動自在に支持されている。スキージローラ１５も
金属で構成されており、印刷ドラム７の内周面から離間
し、インクローラ１４の外周面に接している。また、ス
キージローラ１５の外周面には高い寸法精度で細かい溝
が形成されている。塗布ローラ１６は少なくとも外周部
がスポンジ、不織布、ゴム等の弾性体で覆われており、
図示しない軸に回動自在に支持され、印刷ドラム７及び
インクローラ１４と離間した点線で示す待機位置（第１
の位置）と、印刷ドラム７及びインクローラ１４の両方
に接触した実線で示す動作位置（第２の位置）に移動で
きるようにしてある。

【０００９】このような構成を有するインク塗布装置８
は、図示しないインクタンクよりインク１７が供給さ
れ、インクローラ１４とスキージローラ１５との間にイ
ンク溜まり１８を形成する。また、インクローラ１４と
スキージローラ１５の回転により、スキージローラ１５
の溝部に保持されたインク１７がインクローラ１４の外
周面に転写される。塗布ローラ１６は待機位置から動作
位置へ移動して印刷ドラム７とインクローラ１４の両方
に接触し、インクローラ１４からインク１７を受け取っ
て印刷ドラム７の印刷領域に塗布する。また、印刷ドラ
ム７へのインク供給が終了すると、動作位置から待機位
置に退避する。したがって、その後印刷ドラム７の外周
に製版原紙４が装着されると、この製版原紙４にはすぐ
にインク１７が供給され、印刷ドラム７とこの印刷ドラ
ム７を介してインクローラ１４に圧接するプレスローラ
９とで挾持された第１枚目の用紙１１に必要な濃度をも
って記録情報が印刷される。

【００１０】なお、図２では塗布ローラ１６は反時計回
り方向（インクローラ１４と同一方向）に回転するよう
に記載しているが、回転方向は印刷ドラム７から受ける
摩擦力（回転力）とインクローラ１４から受ける摩擦力
（回転力）のいずれが大きいかによって決まり、印刷ド
ラム７から受ける摩擦力の方がインクローラ１４より受
けるそれよりも大きいときには図示するように反時計回
り方向に回転し、逆にインクローラ１４から受ける摩擦
力の方がインクローラ１４から受けるそれよりも大きい
ときには時計回り方向に回転する。ただし、図２に示す
ように、塗布ローラ１６は反時計回り方向に回転するよ
うに構成するのが好ましい。その理由は、塗布ローラ１
６をインクローラ１４と同一方向に回転すると、塗布ロ
ーラ１６の掻取作用に基づいてインクローラ１４の外周
に保持されているインク１７が殆ど塗布ローラ１６に供
給され、それにより印刷ドラム７に対して素早く必要量
のインク１７を供給できるからである。

【００１１】また、塗布ローラ１６は印刷ドラム７また
はインクローラ１４との摩擦によって従動回転するもの
としたが、駆動力によって回転するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 輪転謄写印刷機の概略構成を示す断面図であ
る。

【図２】 インク塗布装置の断面図である。

【符号の説明】

１…輪転謄写印刷機、４…製版原紙、７…印刷ドラム、
８…インク塗布装置、９…プレスローラ、１１…用紙
（印刷材料）、１４…インクローラ、１５…スキージロ
ーラ、１６…塗布ローラ、１７…インク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の小孔を有する薄膜金属板を円筒状
   に成形した印刷ドラムと、該印刷ドラムの外側にその外
   周面と所定の間隔を置いて対向するプレスローラと、上
   記印刷ドラムの内側にその内周面と所定の間隔をおいて
   対向するインクローラとを有し、上記印刷ドラムの外周
   に製版原紙を装着し、上記プレスローラを印刷ドラムを
   介してインクローラに圧接し、上記インクローラより供
   給されたインクを用いて、上記プレスローラと印刷ドラ
   ムとの間に供給された印刷材料に上記製版原紙に記録さ
   れている情報を印刷する輪転謄写印刷機において、上記
   印刷ドラムの内側に塗布ローラを設け、該塗布ローラ
   を、印刷ドラムとインクローラのいずれにも接触しない
   第１の位置と、上該印刷ドラムとインクローラに接触し
   て回転し、インクローラに保持されているインクを印刷
   ドラムに供給する第２の位置に移動するようにしたこと
   を特徴とする輪転印刷装置。