JPH0752040B2 - 吸収冷凍機 - Google Patents

吸収冷凍機

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JPH0752040B2
JPH0752040B2 JP15712486A JP15712486A JPH0752040B2 JP H0752040 B2 JPH0752040 B2 JP H0752040B2 JP 15712486 A JP15712486 A JP 15712486A JP 15712486 A JP15712486 A JP 15712486A JP H0752040 B2 JPH0752040 B2 JP H0752040B2
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豪夫 石河
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は臭化リチウム水溶液その他の塩類溶液を吸収液
に用いる吸収冷凍機や吸収ヒートポンプ(以下、この種
の吸収冷凍機という)の改良に関する。
(ロ)従来の技術 この種の吸収冷凍機においては、効率の良い運転を行な
うために臭化リチウム水溶液等の吸収液の濃度を高める
ようにしている。そのため、運転を休止させる際に直ち
に吸収液の循環を止めると濃度の高い吸収液が溶液熱交
換器や発生器などに残留し、これが外気で冷却されて結
晶化し、翌日の運転再開の阻害要因となる。それ故、こ
の種の吸収冷凍機においては、例えば特開昭54−53341
号公報や実公昭54−622号公報などにみられるように、
運転の停止ボタン(停止スイッチ)を押して発生器の加
熱を止めてからしばらくの間吸収液用ポンプを作動させ
つつ吸収液の稀釈運転を行なった後運転を休止する制御
装置の備えられたものが、従来、実用化されている。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 上記のような従来の吸収冷凍機においては、通常、その
制御装置により発生器や溶液熱交換器内の吸収液の濃度
を低くした後運転を休止することになるので翌日の運転
を安全に開始できるものの、停電によって運転が停止し
た場合には停電と同時に吸収液用ポンプの作動が止まる
と共に制御装置の機能も停止して吸収液の稀釈運転が行
なわれない。その結果、濃度の高い吸収液が発生器や溶
液熱交換器などに残留することになる。そして停電後再
び送電されるまでの時間が長い場合、発生器や溶液熱交
換器内の吸収液が結晶化温度近くまで冷えてしまうた
め、再送電時にそのまま運転を再開すると吸収液が結晶
化してその流路の一部を閉塞するおそれもあり、再送電
後の運転に支障を来す問題点があった。
本発明は、この問題点に鑑み、停電後の再送電時におけ
る運転を安全に行ない得るこの種の吸収冷凍機の提供を
目的としたものである。
(ニ)問題点を解決するための手段 本発明は、上記の問題点を解決する手段として、蒸発器
の冷媒液溜め内の冷媒液位を検出する液面センサーと、
吸収液循環路の温度を検出する温度センサーと、液面セ
ンサー及び温度センサーから信号を入力して吸収冷凍機
の運転が停電により停止した後再び送電された際に液面
センサーの検出液位が設定値以上であって温度センサー
の検出温度が設定値以下である場合、吸収液の稀釈運転
を行なった後に運転を再開させる制御装置とを備えた吸
収冷凍機を提供するものである。
(ホ)作用 本発明によるこの種の吸収冷凍機においては、その作用
(働き)として、停電後の再送電により運転を再開する
際に蒸発器内に冷媒液が設定された限度以上に蓄積され
た液面センサーがオフしていると共に管路や溶液熱交換
器や発生器など吸収液の循環路内における吸収液が設定
された温度以上になり温度センサーがオフしている場
合、すなわち、吸収液が結晶しやすい状態になっている
場合、これを稀釈した後に運転を再開させるので、吸収
液の結晶のおそれが少なく、安全に運転を再開できる。
(ヘ)実施例 第1図は本発明によるこの種の吸収冷凍機の一実施例を
示す概略構成図で、この図の実施例はこの種の吸収冷凍
機を冷凍機として用いたものである。第1図において、
(1)は高温発生器、(2)は低温発生器、(3)は凝
縮器、(4)は蒸発器、(5)は吸収器、(6)、
(7)は低温、高温溶液熱交換器、(PR)は冷媒液用ポ
ンプ(PA)は吸収液用ポンプで、これら機器は冷媒の流
れる管(8)、(9)、冷媒液の流下する管(10)、冷
媒液の還流する管(11)、(12)、稀釈の送られる管
(13)、(14)、中間液の流れる管(15)、(16)およ
び濃度の流れる管(17)、(18)により接続されて従来
のこの種の吸収冷凍機と同様の冷媒〔水〕および吸収液
〔臭化リチウム水溶液〕の循環路を構成している。
(19)は高温発生器(1)の燃焼加熱室、(20)、(2
0)……は燃焼ガスの流れ管、(21)は低温発生器
(2)の加熱器、(22)は凝縮器(3)に内蔵した冷却
器、(23)は蒸発器(4)に内蔵した冷水器、(24)は
吸収器(5)に内蔵した冷却器であり、また、(25)は
負荷側熱交換器、(26)は冷却塔、(B)はバーナーで
ある。そして、(27)はバーナー(B)への燃料供給用
の管、(28)、(29)は冷水器(23)と負荷熱交換器
(25)とを結ぶ管、(30)、(31)、(32)は冷却器
(24)、(22)および冷却塔(26)を結ぶ管であり、
(PW)は管(28)に備えた冷水用ポンプ、(PC)は管
(30)に備えた冷却水用ポンプ、(SC)は管(30)に備
えた温度センサーである。また、(SR)は蒸発器(4)
の冷媒液溜め(31)用の液面センサーである。なお、
(F)は冷却塔(26)用の送風機であり、(THC)は送
風機(F)用のサーモスタットである。
(E)は電源であり、(C1)は従来の吸収冷凍機に備え
られている制御装置と同様の機能を有する運転制御盤で
ある。また、(C2)は制御器である。(SA)は低温溶液
熱交換器(6)の濃液流路側に備えた温度センサーであ
り、このセンサーの信号は温度調節器(THA)に送られ
る。そし、停電後の再送電時に液面センサー(SR)の感
知液位が設定液位以上であって温度センサー(SR)の感
知温度が温度調節器(THA)の設定温度以下である場
合、これらセンサーの信号を受ける制御器(C2)により
バーナー(B)の作動を停止させて先ず吸収液の稀釈運
転を行なった後、バーナー(B)を再び作動させて運転
を再開するようになっている。
第2図は電源(E)、運転制御盤(C1)および制御器
(C2)とポンプ(PR)、(PA)、(PW)、(PC)、バー
ナー(B)、送風機(F)、液面センサー(SR)および
送風機(F)用サーモスタット(THC)とを結んだ制御
装置の一例を示した電気回路図である。
第2図において、(SW)は吸収冷凍機の運転と停止とを
切換えるスイッチ、(R1)、(R2)、(R3)、(R4)、
(R5)はそれぞれ補助リレー用の励磁コイル(以下、リ
レー用コイルという)、(SR1)、(SR2)、(SR3)、
(SR4)、(SR5)はそれぞれリレー用コイル(R1)、
(R2)、(R3)、(R4)、(R5)の中にオンとなる一方
で非励磁中にオフとなる補助リレー用接片(以下、リレ
ー用接片という)であり、(−SR1)はリレー用コイル
(R1)の励磁中にオフとなる一方で非励磁中にオンとな
るリレー用接片である。
(T1)、(T2)および(T3)はタイマーで、これらタイ
マーに通電されるとそれぞれ定められた時間(以下、設
定時間という)の積算動作を行ない、また、通電されな
くなるとリセットされて再通電時には積算動作を再開す
るようになっている。
(ST1)、(ST2)はそれぞれタイマー(T1)、(T2)に
連動するタイマー用接片で、これらタイマー用接片はタ
イマーの非通電中にはオンとなっており、タイマーに通
電されてその作動が開始されてから設定時間経過後(以
下、タイムアップ後という)にオフとなり〔なお、タイ
ムアップ後の通電中にはオフのままとなっている。〕、
タイマーへの通電が断たれると再びオンに戻るようにな
っている。
また、(−ST3)はタイマー(T3)に連動するタイマー
用接片で、このタイマー用接片はタイマーの非通電中に
はオフとなっており、タイマーに通電されてそのタイム
アップ後にオンとなり〔なお、タイムアップ後の通電中
にはオンのままとなっている。〕、タイマーへの通電が
断たれると再びオフに戻るようになっている。
なお、ここにおいて非励磁、非通電とはそれぞれ励磁さ
れていない状態、通電されていない状態をいう。
(BF)はバーナー(B)の燃焼装置、(MPR)、(M
PA)、(MPW)および(MPC)はそれぞれ冷媒液用ポンプ
(PR)、吸収液用ポンプ(PA)、冷水用ポンプ(PW)お
よび冷却水用ポンプ(PC)のモーターコイル、(MF)は
送風機(F)のモーターコイルであり、(SPW)、
(SPC)はそれぞれモーターコイル(MPW)、(MPC)の
励磁中にオンとなる一方で非励磁中にオフとなる接片で
ある。
また、(SMPW)、(SMPC)および(SMF)はそれぞれ冷
水用ポンプ(PW)、冷却水用ポンプ(PC)および送風機
(F)の過負荷防止のためのオーバーロードリレー用接
片、(STHC)は送風機(F)用のサーモスタット(T
HC)の設定温度以下でオフとなる接片であり、(SSR
は液面センサー(SR)の設定液位未満になるとオンにな
る一方で設定液位以上になるとオフになる接片である。
また、(STHA)は温度センサー(SA)の感知温度が温度
調節器(THA)の設定温度を越えるとオンになる一方で
設定温度以下になるとオフになる接片である。
そして、(a0)〜(a13)、(b1)〜(b12)、(d1)〜
(d3)、(e1)〜(e3)、(f1)〜(f5)、(g)、
(h)、(i1)、(i2)および(j0)〜(j3)は回路の
接点である。
次に、このように構成された吸収冷凍機(以下、本機と
いう)において、先ず、本機の運転始動時と休止時との
動作〔この動作は従来の吸収冷凍機とほぼ同じであ
る。〕を説明し、次いで停電後再送電された際における
動作例を説明する。
<運転始動時における動作> スイッチ(SW)が運転側にオンされることによって接点
(a7)、(a8)、(a12)、(b7)間が通電され、リレ
ー用コイル(R1)が励磁される。なお、スイッチ(SW)
がオンされた際には、タイマー用接片(−ST3)がタイ
ムアップ後の通電中のタイマー(T3)に連動してオンの
ままとなっているので、リレー用コイル(R5)が励磁さ
れていてリレー用接片(SR5)がオンの状態になってい
る。
スイッチ(SW)がオンされてリレー用コイル(R1)が励
磁されると、リレー用接片(SR1)がオンとなって接点
(d1)、(h)、(i1)、(e1)間が通電され、モータ
ーコイル(MPW)が励磁して冷水用ポンプ(PW)が作動
する。また、モーターコイル(MPW)が励磁すると、接
片(SPW)がオンとなって接点(d2)、(e2)間が通電
され、モーターコイル(MPc)が励磁して冷却水用ポン
プ(Pc)が作動する。かつまた、モーターコイル(M
Pc)が励磁すると、接片(SPc)がオンとなって接点(d
3)、(e3)間が通電され、モーターコイル(MF)が励
磁して送風機(F)が作動する。
一方、接片(SPc)および(SPW)がオンになると、接点
(a6)、(b6)間が通電されてリレー用コイル(R3)が
励磁し、リレー用接片(SR3)がオンとなる。その結
果、接点(a10)、(g)、(f5)、(b12)間、接点
(a10)、(g)、(f4)、(b11)間および接点
(a10)、(g)、(f3)、(b10)間が通電〔なお、リ
レー用接片(SR1)は既にオンとなっている。〕されて
モーターコイル(MPA)、(MPR)が励磁すると同時に燃
焼装置(BF)が作動し、吸収液用ポンプ(PA)、冷媒液
用ポンプ(PR)およびバーナー(B)が作動する。
このようにして、本機の運転始動時の動作が完了する。
なお、リレー用接片(−SR1)がリレー用コイル(R1
の励磁により既にオフとなっていてタイマー(T1)は非
通電中であるため、タイマー用接片(ST1)はオンのま
まとなっている。したがって、リレー用コイル(R2)の
励磁によりリレー用接片(SR2)もオンとなり、接点(a
11)、(f1)間も通電される。なおまた、送電中、タイ
マー(T3)がタイムアップしていて接片(−ST3)はオ
ンのままになっており、接点(a4)、(j2)間が通電さ
れている。また、接点(a5)、(j3)間もリレー用コイ
ル(R5)の自己保持により通電される。
<運転休止時における動作> スイッチ(SW)が停止側へ切換えられてオフとなること
により、リレー用コイル(R1)が非励磁となってリレー
用接片(SR1)がオフとなるため、接点(f3)、(b10
間が非通電となり、燃焼装置(BF)が停止してバーナー
(B)の作動が止まる。一方、この時点では、接点(a
11)、(f1)、(g)、(b8)間、接点(a11)、
(f1)、(f4)、(b11)間および接点(a11)、
(f1)、(f5)、(b12)間は通電されたままであり、
かつ、接点(d1)、(h)、(i1)、(i2)、(e1
間、接点(d2)、(e2)間および接点(d3)、(e3)間
も通電されたままであるので、ポンプ(PR)、(PA)、
(PW)および(PC)ならびに送風機(F)に作動し続
け、吸収液の稀釈運転が行なわれる。
また、スイッチ(SW)が停止側へ切換えられてリレー用
コイル(R1)が非励磁になると、リレー用接片(−
SR1)がオンするため、タイマー(T1)の作動が開始さ
れる。そして、タイマー(T1)のタイムアップ後〔例え
ば20分後〕にタイマー用接片(ST1)がオフとなり、リ
レー用コイル(R2)が励磁しなくなってリレー用接片
(SR2)がオフとなる。その結果、接点(a11)、
(f1)、(g)、(b8)間が通電されなくなると同時に
接点(f4)、(b11)間、接点(f5)、(b12)間および
接点(d1)、(e1)間も通電されなくなり、ポンプ
(PR)、(PA)および(PW)が停止し、稀釈運転が終了
する。なお、この時点で接点(f2)、(b9)間も通電さ
れなくなってタイマー(T1)は非通電となるためにタイ
マー用接片(ST1)が再びオンに戻るものの、既にリレ
ー用接片(SR1)、(SR2)がオフとなっているためにリ
レー用コイル(R2)は励磁せず、接点(a10)、(g)
間および接点(a11)、(f1)間は通電されない。
次いで、運転始動時とは逆の動作が行なわれてポンプ
(PC)、送風機(F)が順に停止し、本機の運転が休止
される。
<停電後再び送電された際における動作> 本機の運転中に停電した時には回路のすべてが非通電と
なり、本機のすべての構成機器の動作が停止する。
先ず、停電の際、タイマー(T2)、(T3)は非通電とな
るため、これらのそれぞれの設定時間の積算動作を再送
電時に開始できるようにこれらタイマー(T2)、(T3
がリセットされる。かつまた、タイマー(T3)が非通電
であるためタイマー用接片(−ST3)はオフとなる一
方、タイマー(T2)が非通電であるためタイマー用接片
(ST2)はオンとなる。
次いで、しばらくの後に再び送電された際、液面センサ
ー(SR)の感知液位が設定液位よりも低いとき、あるい
は、温度センサー(SA)の感知温度が温度調節器(TH
A)の設定温度よりも高いとき、接片(SSR)あるいは
接片(STHA)はオンのままであるので、リレー用コイル
(R5)が励磁してリレー用接片(SR5)がオンとなり、
接点(a7)、(a8)、(a12)、(b7)間が通電〔な
お、スイッチ(SW)は運転側へオンされたままになって
いる。〕されて運転始動時と同様の動作が繰返された
後、そのまま運転が続けられる。
一方、再送電の際に液面センサー(SR)の感知液位が設
定液位以上であるとき接片(SSR)はオフとなってお
り、なおかつ、温度センサー(SA)の感知温度が温度調
節器(THA)の設定温度以下であるときには接片
(STHA)はオフとなるので、リレー用コイル(R5)は励
磁しない。しかし、再送電の時点において、タイマー用
接片(ST2)がオンとなっていてリレー用コイル(R4
は励磁しているので、リレー用接片(SR4)がオンとな
っており、接点(a7)、(a8)、(a9)、(b7)間が通
電されている。このため、運転始動時における動作と同
様に、先ず冷水用ポンプ(PW)が作動し、次いで冷却水
用ポンプ(PC)、送風機(F)が順に作動し、さらに燃
焼装置(BF)および冷媒液用ポンプ(PR)ならびに吸収
液用ポンプ(PA)が作動を開始する。
そして、タイマー(T2)のタイムアップ後〔再送電の時
から例えば1秒後〕にタイマー用接片(ST2)がオフと
なり、リレー用コイル(R4)が非励磁となる。リレー用
コイル(R4)が非励磁になるとリレー用接片(SR1)が
オフになるた、運転休止時における動作と同様、接点
(f3)、(b10)間が非通電となって燃焼装置(BF)が
停止する一方でポンプ(PR)、(PA)、(PW)および
(PC)ならびに送風機(F)が作動し続け、吸収液の稀
釈運転が開始される。なお、本機においては、タイマー
(T2)がタイムアップする時点〔再送電後1秒間経過す
る時点〕までは燃焼装置(BF)が作動するものの、この
燃焼装置が作動してからバーナー(B)が燃焼し始める
までに通常1分以上の時間を要するため、実際には高温
発生器(1)は加熱されない。また、仮に加熱されたと
しても、その時間はきわめて短かいので運転への影響は
ほとんどない。
また、リレー用コイル(R4)が非励磁となってリレー用
接片(SR4)がオフとなるに伴ないリレー用コイル
(R1)が非励磁になるとリレー用接片(−SR1)がオン
になるため、運転休止時における動作と同様、タイマー
(T1)が作動してこのタイマーがタイムアップするまで
の時間〔20分間〕、吸収液の稀釈運転が行なわれる。
そして、タイマー(T1)のタイムアップの時点〔再送電
時から約20分経過した時点〕にタイマー(T3)もタイム
アップし、タイマー用接片(−ST3)がオンとなって接
点(a4)、(j2)、b4)間が通電され、再びリレー用コ
イル(R5)が励磁してリレー用接片(SR5)がオンとな
る。その結果、再び接点(a7)、(a8)、(a12)、(b
7)間が通電され、運転始動時と同様の動作が行なわれ
て本機の運転が再開される。
このように、本機においては、停電後に再送電された
際、蒸発器(4)の冷媒液溜め(31)の液位が設定液位
以上になっている場合、言い代えれば、蒸発器(4)内
の冷媒液の蓄積量が設定された限度以上に多くなってい
て低温溶液熱交換器(6)における濃液の濃度が所定の
限度〔例えば60%〕以上となっていると共にその温度が
所定の限度〔例えば30℃〕以下となっている場合にはそ
のまま直ちに運転を再開させることなく、濃度の高い吸
収液の稀釈運転を20分間行なってから運転を再開させる
制御機構が配設されているので、吸収液の結晶化のおそ
れを軽減して安全に運転を再開することができる。特
に、本機は自家発電設備を有する病院その他の場所で用
いるのに有用であり、また、停電時間がせいぜい5分な
いし10分程度と短かい現在の電力事情からみても本機の
実用的価値は高い。
なお、本機の制御機構は、図に示した回路に限定される
ものではなく、例えばマイクロコンピューターを用いた
ものであっても良い。また、本機においては、吸収液用
ポンプ(PA)を作動させて稀釈運転を行なっている際に
冷媒液用ポンプ(PR)や冷却水用ポンプ(PC)などを必
ずしも作動させなくても良い。さらにまた、本発明を一
重効用の吸収冷凍機(または吸収ヒートポンプ)に適用
し得ることは勿論である。また、温度調節器(THA)の
設定温度は温度センサー(SA)の配備箇所に応じて適宜
選定される。
(ト)発明の効果 以上のとおり、本発明によるこの種の吸収冷凍機におい
ては、その運転中に停電して再び送電された際、蒸発器
の冷媒液溜めの冷媒液面が高く設定値以上であり、溜ま
っている冷媒液の量が多く、その分吸収液循環路内の吸
収液の濃度が高いと同時に、吸収液循環路の吸収液の温
度が設定値以下である場合、液位センサー及び温度セン
サーから信号を入力した制御装置が動作し、吸収液が稀
釈された後に運転が再開されるので、この際にそのまま
運転が再開されて直ちに吸収液の濃縮が行なわれる従来
のこの種の吸収冷凍機にくらべ、吸収液の結晶化のおそ
れが小さく、運転の再開をより一層安全に行ない得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるこの種の吸収冷凍機の一実施例を
示す概略構成説明図、第2図は本発明によるこの種の吸
収冷凍機に備えた制御機構の電気回路の一例を示した回
路系統図である。 (1)……高温発生器、(2)……低温発生器、(5)
……吸収器、(6)……低温溶液熱交換器、(7)……
高温溶液熱交換器、(B)……バーナー、(C1)……運
転制御盤、(C2)……制御器、(PA)……吸収液用ポン
プ、(SA)……温度センサー、(SR)……液面センサ
ー、(THA)……温度調節器、(MPA)……モーターコイ
ル、(T1)、(T2)、(T3)……タイマー、(SW)……
スイッチ、(R1)、(R2)、(R3)、(R4)、(R5)…
…リレー用コイル、(ST1)、(ST2)、(−ST3)……
タイマー用接片、(SR1)、(−SR1)、(SR2)、
(SR3)、(SR4)、(SR5)……リレー用接片、
(SSR)、(STHA)……接片、(E)……電源。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】臭化リチウム水溶液などの塩類溶液を吸収
    液に用いる吸収冷凍機において、蒸発器の冷媒液溜め内
    の冷媒液位を検出する液面センサーと、吸収液循環路の
    温度を検出する温度センサーと、液面センサー及び温度
    センサーから信号を入力して吸収冷凍機の運転が停電に
    より停止した後再び送電された際に液面センサーの検出
    液位が設定値以上であって温度センサーの検出温度が設
    定値以下である場合、吸収液の稀釈運転を行なった後に
    運転を再開させる制御装置とを備えたことを特徴とする
    吸収冷凍機。
  2. 【請求項2】前記吸収液循環路の温度が濃液用流路の温
    度である特許請求の範囲第1項に記載の吸収冷凍機。
  3. 【請求項3】前記濃液用流路の温度が溶液熱交換器の温
    度である特許請求の範囲第2項に記載の吸収冷凍機。
  4. 【請求項4】前記溶液熱交換器の温度が低温溶液熱交換
    器の温度である特許請求の範囲第3項に記載の吸収冷凍
    機。
  5. 【請求項5】前記吸収液循環路の温度が発生器の吸収液
    温度である特許請求の範囲第1項に記載の吸収冷凍機。
  6. 【請求項6】前記発生器が低温発生器である特許請求の
    範囲第5項に記載の吸収冷凍機。
  7. 【請求項7】前記発生器が高温発生器である特許請求の
    範囲第5項に記載の吸収冷凍機。
  8. 【請求項8】前記吸収液用流路の温度が中間液用流路の
    温度である特許請求の範囲第1項に記載の吸収冷凍機。
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