JPH0751571A - 水素化反応用触媒、該触媒の製造法及び該触媒を用いた3−アミノメチル−3,5,5−トリアルキルシクロヘキシルアミンの製造法 - Google Patents

水素化反応用触媒、該触媒の製造法及び該触媒を用いた3−アミノメチル−3,5,5−トリアルキルシクロヘキシルアミンの製造法

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JPH0751571A
JPH0751571A JP5200790A JP20079093A JPH0751571A JP H0751571 A JPH0751571 A JP H0751571A JP 5200790 A JP5200790 A JP 5200790A JP 20079093 A JP20079093 A JP 20079093A JP H0751571 A JPH0751571 A JP H0751571A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 ルテニウム化合物をコバルト塩上に担持した
触媒前駆体で、これら2金属の塩のアニオン根として、
触媒前駆体の全重量に対して1−50重量%の範囲にあ
る炭酸根が存在し、更に水酸根及び/又はオキサイドハ
イドロオキサイド根が共存する触媒前駆体を還元処理し
てなる水素化反応用触媒及びその製造法並びに3−シア
ノ−3,5,5−トリアルキルシクロヘキサノンをアン
モニアの存在下、接触水素化して3−アミノメチル−
3,5,5−トリアルキルシクロヘキシルアミンを製造
するにあたり、該接触水素化を前記触媒を用いて行う事
を特徴とする3−アミノメチル−3,5,5−トリアル
キルシクロヘキシルアミンの製造法。 【効果】 反応速度が速く、効率的に還元生成物を与え
る効果的な水素化反応用触媒を提供出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素化反応用の触媒に
関するものである。更に本発明は該触媒を用いて3−シ
アノ−3,5,5−トリアルキルシクロヘキサノンをア
ンモニアの存在下で水素添加することにより、3−アミ
ノメチル−3,5,5−トリアルキルシクロヘキシルア
ミン、具体的には3−アミノメチル−3,5,5−トリ
メチルシクロヘキシルアミンを製造する方法に関するも
のである。3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル
シクロヘキシルアミンは、エポキシ樹脂硬化剤あるいは
ウレタンエラストマーの原料としてすぐれた性質を有す
る化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、水素化触媒における前駆体を得る
方法としては、沈澱法にて金属の不溶性の塩を得る手法
が良く用いられる。その中で、ヨーロッパ特許第496
448号では、ニッケルの担持型水素化触媒前駆体を得
るにあたり、ニッケルの塩の溶液に、アルカリ金属の水
酸化物とアルカリ金属の炭酸塩の1:3〜3:1の混合
溶液を加えて沈澱させ、さらに担体成分を可溶性の溶液
で加えて調製する製造法が開示されている。しかし、こ
の中では、触媒の組成に関してはなんら言及されてはい
ない。
【0003】一方、3−シアノ−3,5,5−トリメチ
ルシクロヘキサノンをアンモニア、水素化触媒および水
素の存在下還元して3−アミノメチル−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキシルアミンを製造する従来の方法と
しては、例えば特公昭39−10923号公報等により
公知であり、該公報では、珪酸担持コバルト触媒を用い
ることを開示している。また、特開昭62−12315
4号公報には、ラネーコバルトを反応触媒として使用す
る手法が述べられている。さらには、ヨーロッパ特許4
49089号にはアルミナ担持ルテニウム触媒を用いる
手法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は、効率よく目的化合物を得るには少なからず問
題を有していた。すなわち、珪酸担持コバルト触媒、お
よびアルミナ担持ルテニウム触媒を用いる方法では、反
応を非常に高圧下で行わなければならないという欠点が
あった。
【0005】一方、ラネーコバルトを使用する方法にお
いては、反応は比較的低圧で行うことができるものの、
副成物の生成が認められ、目的化合物の収率を低下させ
る原因となっていた。特に、この反応は、特開平3−4
7156号公報の実施例にも示されている様に、その原
料化合物の構造的な特徴により、反応の際、分子内環化
して生成する1,3,3−トリメチル−6−アザビシク
ロ[3,2,1]オクタン(以下TAOと略す)の副生
を避けることがきわめて困難で、目的物の収率を低下さ
せる主たる原因となっていた。
【0006】そこで、本発明者らの研究の目的は、3−
アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル
アミンを製造するにあたり、より温和な条件で、かつ環
化物等の副生物の生成を可能な限り抑制し、効率よく目
的化合物を生成するための新たなる触媒を見いだし、そ
してその製造法を確立する事であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決すべく鋭
意検討を行った結果、ルテニウム化合物をコバルト塩上
に担持した触媒前駆体で、還元処理する前のこれら2金
属の塩のアニオン根として、触媒前駆体の全重量に対し
て1−50重量%の範囲にある炭酸根が存在し、更に水
酸根及び/又はオキサイドハイドロオキサイド根が共存
する水素化反応用触媒の前駆体を還元処理して活性化し
た触媒の存在下に反応を行うと、低圧で、且つ速度が速
く、しかも非常に高い収率で目的化合物が得られること
が判明し、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、ルテニウム化
合物をコバルト塩上に担持した触媒前駆体で、これら2
金属の塩のアニオン根として、触媒前駆体の全重量に対
して1−50重量%の範囲にある炭酸根が存在し、更に
水酸根及び/又はオキサイドハイドロオキサイド根が共
存する触媒前駆体を還元処理して得られる水素化反応用
触媒に関する。さらには、この触媒前駆体の製造法に関
する。また、この触媒を用いて3−シアノ−3,5,5
−トリアルキルシクロヘキサノンをアンモニアの存在下
に接触水素化して3−アミノメチル−3,5,5−トリ
アルキルシクロヘキシルアミンを製造する製造法に関す
る。
【0009】以下、本発明の方法を詳細に説明する。本
発明の触媒の調製法は、例えば、ルテニウム化合物を塩
基性炭酸コバルトに担持した触媒前駆体をアルカリで処
理する事により塩基性炭酸コバルトの炭酸イオンを一部
水酸化物イオンに変換して得た触媒前駆体を還元処理し
て本発明の触媒を製造する方法が挙げられる。
【0010】ルテニウム化合物としては、硝酸、硫酸、
炭酸、塩酸等の鉱酸塩や水酸化物、アセチルアセトナー
ト塩等の錯塩や、酢酸塩等の有機酸塩などを使用するこ
とができる。担持方法は、一般に知られている共沈法、
エバポレーションやスプレー噴霧による強制担持法、含
浸法等が用いられるが、好適には、塩基性炭酸コバルト
の溶媒懸濁液に、溶媒に溶解させたルテニウム化合物を
添加して、塩基性炭酸コバルト上にルテニウム化合物を
担持させる。この時、ルテニウム化合物として、例えば
塩化ルテニウムなどの酸性を示すルテニウム化合物を使
用すると、塩基性炭酸コバルト上にルテニウム化合物が
吸着担持されるのが観察される。溶媒としては、水、有
機溶媒いずれも使用可能であるが、安全性とコストを考
えると、水が好適に用いられる。
【0011】この塩基性炭酸コバルトの懸濁液にルテニ
ウム化合物の水溶液を添加したものは、この後アルカリ
で処理される。このアルカリで処理する事により、ルテ
ニウムの対イオン(例えば、塩化物イオンや、硝酸イオ
ンなど)は、水酸化物イオンに置き代わり、ルテニウム
化合物の担持が強化される。そして更に過剰量のアルカ
リの使用により、塩基性炭酸コバルトの対イオンであ
る、炭酸イオンの一部も水酸化物イオンに置き代わり、
水酸化コバルトが生成する。この時の、炭酸イオンの残
留量は、この後還元して触媒とした時の反応活性に重大
な影響を及ぼすものである。なお、生成した水酸化コバ
ルトの一部がコバルトオキサイドハイドロオキサイド
(CoOOH)に酸化されるのが観察される。
【0012】アルカリとして使用される化合物として
は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸
化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチ
ウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属、およびアルカ
リ土類金属の水酸化物が好適に使用される。その使用量
は、使用されるコバルト金属のモル量に対して、アルカ
リの水酸根のモル比として0.01−5、好ましくは、
0.1−3の範囲から選択される。この範囲以上に、ア
ルカリを使用すると、炭酸根の残存量が少なくなりす
ぎ、本発明の効果が十分に得られなくなる。この炭酸根
の残存量は触媒前駆体の全重量に対して1−50重量%
の範囲であるが、好ましくは5−45重量%、更に好ま
しくは10−30重量%の範囲とするのが良い。
【0013】ルテニウム化合物の塩基性炭酸コバルトに
対する担持量としては、特に制限はないものの、ルテニ
ウムのコストを考えるとルテニウムのコバルトに対する
割合が金属として0.1−20mol%の範囲となるよ
うに使用されることが好ましい。このようにして得たア
ルカリ処理後の触媒前駆体の溶媒スラリーを次に乾燥さ
せる。
【0014】乾燥は、水酸化コバルトが酸化を受けて、
酸化コバルトにならない条件で行なう必要がある。酸化
が進行し、水酸化コバルトが消失し、酸化コバルト(C
34 ,CoO,Co2 3 など)が生じてしまう
と、水素化反応活性に重大な支障をきたす結果となるか
らである。水酸化コバルトの酸化の進行を抑制する乾燥
方法としては、減圧加熱乾燥(減圧度:0.1−100
mmHg、温度:20−120℃、好ましくは、50−
100℃)、窒素ガス等の不活性ガス下での加熱乾燥
(温度:20−120℃、好ましくは、50−100
℃)などが好適であるが、酸化コバルトが生成しない手
法であれば、この限りではない。空気下で乾燥する場合
は、特に温度に注意しなければならない。高温の空気雰
囲気下で乾燥すると、水酸化コバルトは酸化コバルトへ
と酸化される。従って、空気下雰囲気で乾燥を行う場合
は、温度を80℃以下、好適には、50℃以下で行う必
要がある。
【0015】これらの乾燥により、触媒を還元処理する
前の前駆体として、含水率を10%以下にする。このも
のは、反応使用前に還元して活性化する。還元は、公知
の液相還元または気相還元により行うことができるが、
水素気流下で加熱する気相還元が好適に用いられる。
【0016】水素気流還元の温度は、通常100−50
0℃、好ましくは150−400℃の範囲で行われる。
こうして得られた触媒の構造に関しては今のところ明確
ではないが、この還元処理により、一部または全てのル
テニウムとコバルトが金属にまで還元されているものと
思われる。本発明の触媒においては、触媒としての成形
性を付与し、触媒としての強度を向上させる為に、触媒
全重量に対して0.1−40重量%、好ましくは0.5
−30重量%、更に好ましくは0.5−10重量%のバ
インダー成分を使用しても良い。
【0017】これらのバインダー成分は多すぎても好ま
しくない。その理由は明らかではないが、バインダー成
分が多すぎると、触媒を還元して活性化処理した場合に
コバルトやルテニウムの還元が充分でない場合がある
為、触媒活性の面で好ましくない影響があるものと思わ
れる。該バインダー成分としては、例えばシリカ、アル
ミナ、タルク及びグラファイト等が挙げられる。中でも
シリカ、アルミナが好ましい。
【0018】これらのバインダー成分は、粉末状や水等
の溶媒の懸濁液で使用されるのが製造上好ましい。この
バインダー成分を触媒に使用する場合はルテニウム化合
物をコバルト塩に担持した触媒前駆体の溶媒懸濁液をア
ルカリ処理をする前あるいは処理後にバインダー成分を
加えて混合した後、乾燥したり、またアルカリ処理の
後、乾燥終了後に加えても良く、触媒前駆体の還元処理
以前であればどの段階でバインダー成分を添加して調製
したものであってもよい。
【0019】この後、通常の場合と同様に還元処理をす
ることによって目的の触媒を得ることができる。本発明
の他の目的である3−アミノメチル−3,5,5−トリ
アルキルシクロヘキシルアミンの製造法において、水素
化反応における本触媒の使用量は、好ましくは、原料の
3−シアノ−3,5,5−トリアルキルシクロヘキサノ
ンの重量に対して1〜30重量%の範囲から選ばれる。
【0020】尚、本触媒による、水素化反応の反応基質
として採用可能な3−シアノ−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサノンは、既知の方法、例えば特開昭57−
116038等によりイソホロンと青酸とから容易に合
成することが可能である。3−シアノ−3,5,5−ト
リアルキルシクロヘキサノンの還元アミノ化反応では、
副生成物を抑制するためにアンモニアが使用されるが、
アンモニアの使用量は、好ましくは3−シアノ−3,
5,5−トリアルキルシクロヘキサノンに対して1−1
00モル倍量の範囲、更に好ましくは1−20モル倍量
の範囲から選ばれる。
【0021】反応圧力(全圧)は1〜300kg/cm
2 ・G(kG)の範囲で実施することが可能であるが、
実用的な反応速度を得、かつ反応器にかかる建設コスト
を加味すると、好ましくは5−100kGの範囲、更に
好ましくは10−80kGの範囲で行うことが好まし
い。また、反応温度は20−200℃の範囲、好ましく
は50−150℃の範囲で行われる。この時、より低温
側では反応速度の低下が著しく、より高温側では副生す
る高沸点物質が増加するので不都合である。
【0022】反応には、溶媒を使用しても良い。この溶
媒は反応に使用されるアンモニアを溶媒を兼ねて用いて
もよいし、別の溶媒を添加して行っても良い。別に添加
する反応溶媒としては、メタノール、エタノール、2−
プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール
等のエーテル類が好適に使用される。その使用量は、3
−シアノ−3,5,5−トリアルキルシクロヘキサノン
に対して、1〜10重量倍の範囲、好ましくは3〜6重
量倍の範囲で行われる。
【0023】反応は、原料の3−シアノ−3,5,5−
トリアルキルシクロヘキサノン、溶媒、上記水素化触
媒、アンモニアを反応器に導入して行う。本発明の接触
水素化反応は、気相および液相のいずれでも行なうこと
ができるが、好ましくは液相で行なわれる。液相で接触
水素化を行なう場合、反応は、上記原料、溶媒、触媒、
アンモニアを同時に反応器に導入した後水素を導入して
行なうことができるが、また、あらかじめ溶媒に溶解さ
せた3−シアノ−3,5,5−トリアルキルシクロヘキ
サノンをアンモニアと適当な温度、すなわち、10−1
00℃、好ましくは、20−70℃で加熱処理し、その
後、水素化触媒及び水素を導入して水素化反応を行うこ
とによっても3−アミノメチル−3,5,5−トリアル
キルシクロヘキシルアミンを製造することができる。一
般的に後者の方法を採用すると、3−アミノメチル−
3,5,5−トリアルキルシクロヘキサノールなどの副
生物の生成を更に抑制することができる。この後者の方
法を採る場合、3−シアノ−3,5,5−トリアルキル
シクロヘキサノンをアンモニアで処理する工程は、特に
反応器を設ける必要はなく、配管等で混合するだけでも
副生成物抑制の効果は得られる。
【0024】反応方法としては、固定床方式、懸濁床方
式、移動床方式等が好適に採用される。かくして得られ
た3−アミノメチル−3,5,5−トリアルキルシクロ
ヘキシルアミンの反応粗液は周知の精製手段、例えば減
圧蒸留を利用すれば、純粋な目的化合物を得る事ができ
る。
【0025】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明の方法をより具体
的に説明するが、その要旨を越えない限り本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。以下に示す収率
は特にことわらない限りmol%を示す。また実施例中
では以下の略号を使用する。
【0026】IPDA:3−アミノメチル−3,5,5
−トリメチルシクロヘキシルアミン TMCA:3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアミ
ン IPAA:3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサノール TAO:1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ
[3,2,1]オクタン t−IPAN:トランス−3−シアノ−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキシルアミン
【0027】<触媒調製例1>塩基性炭酸コバルト3
4.5gを脱塩水300gに懸濁させ、これに塩化ルテ
ニウム(RuC13*nH2 O)4.5gを脱塩水50m
lに溶かした溶液を撹拌しながら30分かけて滴下す
る。滴下終了後、撹拌をさらに3時間続けた。この懸濁
液に、20mlの脱塩水中に水酸化ナトリウム2.5g
を加えて調製した溶液を5分間かけて滴下し、さらに室
温で1時間撹拌した。沈澱を濾別し、400ml脱塩水
で3回洗浄、濾別を繰り返した。このものを減圧下、7
0℃で6時間乾燥してルテニウム−コバルト触媒前駆体
を得た。
【0028】この触媒前駆体中に含まれる炭素の量を、
炭素イオウ分析装置(堀場製作所製)で分析したとこ
ろ、乾燥触媒前駆体全重量の41重量%の炭酸(CO3
2- )イオンが含まれていた。この触媒前駆体の粉末X
線回折の図を図1に示す。炭酸コバルトのみしか認めら
れなかった。
【0029】<粉末X線回折測定条件> 装置名 PHILIPS PW 1700(商品名、フ
ィリップス社製) 銅単色X線(グラファイト) 電圧:40kV 電流:30mA この触媒前駆体を水素気流下、200℃で2hr還元処
理して触媒1を得た。
【0030】<実施例1>3−シアノ−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキサノン8g、メタノール35g、ア
ンモニア15g、GC測定用内標としてのトリグライム
2gをオートクレーブに仕込み、40℃、2.5時間処
理し、室温まで冷却した反応液に、触媒1を1.1g加
え、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した。その後、
水素ガス20kg(室温)を導入し、120℃まで昇温
した。120℃に温度が達した時点でオートクレーブ内
の全圧が40kGとなるように水素ガスを導入し、吸収
される水素ガスを逐次補うことによりこの圧力を維持し
ながら1時間反応した。オートクレーブを室温まで冷却
したのち、放圧し、反応粗液をガスクロマトグラフィー
で分析した。その結果、IPDAが89.4%、TMC
Aが0.6%、IPAAが0.3%、TAOが3.0
%、t−IPANが1.8%生成していた。
【0031】<触媒調製2>使用する水酸化ナトリウム
の量を、10.0gとした以外は、<触媒調製1>と同
様にして触媒前駆体を調製した。この触媒前駆体中に含
まれる炭素の量を、炭素イオウ分析装置(堀場製作所
製)で分析したところ、乾燥触媒前駆体全重量の27重
量%の炭酸(CO3 2- )イオンが含まれていた。このも
のの粉末X線回折の図を図2に示す。炭酸コバルト、お
よび水酸化コバルトが空気で酸化されてできるコバルト
オキサイドハイドロオキサイドが含まれている事が解
る。この前駆体を触媒調製1と同様に還元処理して触媒
2を得た。
【0032】<実施例2>触媒2を用いる以外は実施例
1と同様にして水素化反応を行った。その結果、IPD
Aが91.8%、TMCAが0.6%、IPAAが0.
3%、TAOが2.2%、t−IPANが0.9%生成
していた。
【0033】<触媒調製3>使用する水酸化ナトリウム
の量を、15.0gとした以外は、触媒調製1と同様に
して触媒前駆体を調製した。この触媒前駆体中に含まれ
る炭素の量を、炭素イオウ分析装置(堀場製作所製)で
分析したところ、乾燥触媒前駆体全重量の16重量%の
炭酸(CO3 2- )イオンが含まれていた。このものの粉
末X線回折の図を図3に示す。炭酸コバルト、水酸化コ
バルトおよび水酸化コバルトが空気で酸化されてできる
コバルトオキサイドハイドロオキサイドが含まれている
事が解るが、炭酸コバルトのシグナルが小さかった。こ
の触媒前駆体を触媒調製1と同様に還元処理して触媒3
を調製した。
【0034】<実施例3>触媒3を用いる以外は実施例
1と同様にして水素化反応を行った。その結果、IPD
Aが90.3%、TMCAが1.0%、IPAAが0.
5%、TAOが2.2%、t−IPANが0.7%生成
していた。
【0035】<触媒調製4>使用する水酸化ナトリウム
の量を、30.0gとした以外は、触媒調製1と同様に
して触媒前駆体を調製した。この触媒前駆体中に含まれ
る炭素の量を、炭素イオウ分析装置(堀場製作所製)で
分析したところ、乾燥触媒前駆体全重量の5.2重量%
の炭酸(CO3 2- )イオンが含まれていた。このものの
粉末X線回折の図を図4に示す。水酸化コバルトおよび
水酸化コバルトが空気で酸化されてできるコバルトオキ
サイドハイドロオキサイドが含まれている事が解るが、
炭酸コバルトのシグナルは認められない。この前駆体を
触媒調製1と同様に還元処理して触媒4を調製した。
【0036】<実施例4>触媒4を用いる以外は実施例
1と同様にして水素化反応を行った。その結果、IPD
Aが85.7%、TMCAが1.5%、IPAAが0.
4%、TAOが2.3%、t−IPANが4.6%生成
していた。
【0037】<触媒調製5>水酸化コバルト30gを脱
塩水300gに懸濁させ、これに塩化ルテニウム(Ru
Cl3 *nH2 O)4.5gを脱塩水50mlに溶かし
た溶液を撹拌しながら30分かけて滴下する。滴下終了
後、撹拌をさらに3時間続けた。この懸濁液に、20m
lの脱塩水中に水酸化ナトリウム10gを加えて調製し
た溶液を5分間かけて滴下し、さらに100℃で1時間
撹拌した。室温まで冷却した後、生成した沈澱を濾別
し、400ml脱塩水で3回洗浄、濾別を繰り返した。
このものを減圧下、70℃で9時間乾燥してルテニウム
−コバルト触媒前駆体を得た。
【0038】この触媒前駆体中に含まれる炭素の量を、
炭素イオウ分析装置(堀場製作所製)で分析したとこ
ろ、乾燥触媒前駆体全重量の0.2%の炭素分が含まれ
ていた。しかし、炭素分を含む試薬は何も使用していな
いので、これは測定誤差、もしくは空気中の二酸化炭素
を吸着したものと考えられる。この触媒前駆体を触媒調
製1と同様に還元処理して触媒5を調製した。
【0039】<比較例1>触媒5を用いる以外は実施例
1と同様にして水素化反応を行った。その結果、IPD
Aが80.8%、TMCAが2.2%、IPAAが0.
4%、TAOが2.5%、t−IPANが5.1%生成
していた。
【0040】<触媒調製6>触媒調製2で得られたRu
−Co触媒前駆体7.2gにアルミナゾル(日産化学社
製、アルミナゾル−520、20%水サスペンジョン)
1.35g、および脱塩水4.05gを加え、良く練っ
た。このものを減圧下、70℃で7時間乾燥してルテニ
ウム−コバルト−アルミナゾル触媒前駆体を得た。この
触媒前駆体を触媒調製1と同様に還元処理して触媒6を
調製した。
【0041】<実施例5>触媒6を用いる以外は実施例
1と同様にして水素化反応を行った。その結果、IPD
Aが89.9%、TMCAが0.6%、IPAAが0.
5%、TAOが3.0%、t−IPANが0.3%生成
していた。
【0042】<触媒調製7>触媒調製2で得られたRu
−Co触媒前駆体7.2gにシリカゾル(触媒化成社
製、Cataloid SI−350、30%水サスペ
ンジョン)0.92g、および脱塩水4.14gを加
え、良く練った。このものを減圧下、70℃で7時間乾
燥してルテニウム−コバルト−アルミナゾル触媒前駆体
を得た。この触媒前駆体を触媒調製1と同様に還元処理
して触媒7を調製した。
【0043】<実施例6>触媒7を用いる以外は実施例
1と同様にして水素化反応を行った。その結果、IPD
Aが89.8%、TMCAが0.6%、IPAAが0.
6%、TAOが3.5%、t−IPANが1.4%生成
していた。
【0044】
【発明の効果】本発明は、反応速度が速く、効率的に還
元生成物を与える効果的な水素化反応用触媒を提供し、
この触媒を3−シアノ−3,5,5−トリアルキルシク
ロヘキサノンをアンモニアの存在下還元して3−アミノ
メチル−3,5,5−トリアルキルシクロヘキシルアミ
ンを製造する反応に適用する事により、より温和な条件
で、かつ環化物等の副生物の生成を可能な限り抑制し、
効率よく目的化合物を生産する方法を提供するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒調製1で得られた触媒前駆体の粉末X線回
折図を示す。
【図2】触媒調製2で得られた触媒前駆体の粉末X線回
折図を示す。
【図3】触媒調製3で得られた触媒前駆体の粉末X線回
折図を示す。
【図4】触媒調製4で得られた触媒前駆体の粉末X線回
折図を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルテニウム化合物をコバルト塩上に担持
    した触媒前駆体で、これら2金属の塩のアニオン根とし
    て、触媒前駆体の全重量に対して1−50重量%の範囲
    にある炭酸根が存在し、更に水酸根及び/又はオキサイ
    ドハイドロオキサイド根が共存する触媒前駆体を還元処
    理してなる水素化反応用触媒。
  2. 【請求項2】 ルテニウム化合物を塩基性炭酸コバルト
    上に担持した触媒前駆体を、アルカリで処理する事によ
    り、塩基性炭酸コバルトの炭酸イオンを一部水酸化物イ
    オンに変換した後、還元処理することを特徴とする水素
    化反応用触媒の製造法。
  3. 【請求項3】 3−シアノ−3,5,5−トリアルキル
    シクロヘキサノンをアンモニアの存在下、接触水素化し
    て3−アミノメチル−3,5,5−トリアルキルシクロ
    ヘキシルアミンを製造するにあたり、該接触水素化を請
    求項1の触媒を用いて行う事を特徴とする3−アミノメ
    チル−3,5,5−トリアルキルシクロヘキシルアミン
    の製造法。
  4. 【請求項4】 3−シアノ−3,5,5−トリアルキル
    シクロヘキサノンをアンモニアの存在下、接触水素化し
    て3−アミノメチル−3,5,5−トリアルキルシクロ
    ヘキシルアミンを製造するにあたり、該接触水素化を請
    求項2の手法で調製される触媒を用いて行う事を特徴と
    する3−アミノメチル−3,5,5−トリアルキルシク
    ロヘキシルアミンの製造法。
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