JPH075113A - 中空糸モジュールの検査装置 - Google Patents

中空糸モジュールの検査装置

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JPH075113A
JPH075113A JP5354194A JP5354194A JPH075113A JP H075113 A JPH075113 A JP H075113A JP 5354194 A JP5354194 A JP 5354194A JP 5354194 A JP5354194 A JP 5354194A JP H075113 A JPH075113 A JP H075113A
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修三 武田
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孝 長山
Isamu Kawada
勇 川和田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中空糸モジュールにおける樹脂剤層の端面に
生じた気泡跡等の凹部DPを高い精度で検出することを目
的とする。 【構成】 樹脂剤層C1 の端面C11に設定したスリッ
ト状照射部に、光照射装置2によりスリット光を照射
し、前記スリット状照射部での前記スリット光の反射光
を入射する測光装置3により、前記スリット状照射部に
対応する入射領域内に設定したウィンドゥ内の輝度を画
素ごとに測定する。前記スリット光の光強度は、前記ウ
ィンドゥ内の少なくとも一部の画素の輝度が飽和し始め
る時点の光強度の1〜4倍の範囲とする。前記画素ごと
の輝度を2値化処理部403で2値化することにより、
前記端面C11に生じた気泡跡等による凹部DPを検出す
る。 【効果】 樹脂剤層の端面に生じた凹部を光学的手段に
より精度よく検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、中空糸内を
通過する血液と前記中空糸外を通過する透析液間で物質
交換する透析器等に用いられる中空糸モジュールのため
の検査装置に関し、特に前記中空糸の糸束の端部を樹脂
剤で固めた端面に発生した気泡跡等の欠陥を検出するの
に好適な中空糸モジュールの検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、血液透析器は、半透膜に
よって血液と透析液とを仕切ってなるもので、透析器内
に導入した血液と透析液との圧力および濃度差によっ
て、前記血液と透析液の間で物質交換することによっ
て、血液内の不純物を除去し、この血液を浄化するよう
にしたものである。
【0003】このような血液透析器として、図12に示
すように、両端面開放でかつ左右対称形状の円柱状の透
析容器A内に、半透膜でなりかつ両端面開放の複数の中
空糸により構成されるほぼ円筒状の糸束Bを配設した中
空糸モジュールMを用いたものがある。この中空糸モジ
ュールMは、前記容器Aの両端部に、この容器Aの内周
面および前記糸束Bを構成する中空糸の外周面に密着す
るウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂剤からなる所定厚みの
樹脂剤層C1 ,C2 を有しており、この樹脂剤層C1 、
C2 によって、中空糸内の血液室と中空糸外の透析液室
を仕切るようにしている。すなわち、この図12に示す
ような中空糸モジュールMを用いた透析器では、中空糸
内を通過する血液と容器A内において前記中空糸外を通
過する透析液の間で物質交換が行われる。
【0004】図13に例示した透析器(中空糸モジュー
ルM)は、一般に次のように構成される。
【0005】まず、多数本の中空糸を束ねた円筒状の糸
束Bを図13に示すように、前記容器Aに対し容器Aを
貫通した状態に配設する。
【0006】次に、容器Aの両端面に樹脂剤層C1 、C
2 を形成する加工を行い、図12に示すモジュールMと
なし、次に容器Aの両端部にエンドキャップD1 、D2
を装着して構成する。これらエンドキャップD1 、D2
に予め形成したノズルd1 、d2 は血液導入部および血
液排出部であり、容器Aに予め形成したノズルd3 、d
4 は透析液排出部および透析液導入部である。
【0007】ところで、上記のようにして構成される中
空糸モジュールには、容器Aの端面に合わせて切断した
樹脂剤層C1 、C2 の端面に、微小な凹部が形成されて
いる場合がある。こうした微小な凹部は、前記樹脂剤層
C1 、C2 を形成する工程において樹脂剤中に混入した
気泡跡である場合が多い。これらの凹部の発生理由は必
ずしも上記の理由に限定されないが、以降においては、
たとえば、局部的な割れ傷等による小凹部も含め、樹脂
剤層C1 、C2 の端面に形成された全ての小凹部を「凹
部DP」と称するものとする。
【0008】前記凹部DPの存在は、透析器の治療性能に
大きな影響を与える虞はないが、治療終了後に患者体内
へ血液を回収する作業時に、この凹部DPに付着した微量
血液が回収されずに残るため、患者に不安感を与える要
因となる可能性があった。このため、治療現場からは、
透析器に対し、前記凹部DPのない中空糸モジュールを用
いたものとする要求が強い。
【0009】ところで、前記のような凹部DPは前記樹脂
剤層C1 、C2 の端面を光源にかざして見れば肉眼で発
見することができる。したがって、従来、前記のような
凹部DPは、検査員が目視によって検出するようにしてい
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、目視に
よる凹部DPの検出には、検査員によるばらつきがあるた
めに、さらに精度の高い検出手段を用いることを要求さ
れていた。また、前記のように目視による検査は、大量
の中空糸モジュールの検査を行う場合には、作業時間の
短縮を図る上でも支障となる。すなわち、製造工程を完
全に自動化しコストの低減を図るようにするためには、
前記の凹部DPの検出も自動的に行えるようにする必要が
ある。このように、凹部DPの検出を自動的に行う手段と
して、前記カット面に照明光を照射し、その反射光を受
光して画像処理する手段が考えられる。
【0011】画像処理により前記凹部DPを自動検出する
方法には、たとえば、図14(a) に矢符で示す如く、中
空糸モジュールMの端面C11全体を斜め方向から照明
し、端面C11に凹部DPが存在しない場合は正反射光を
受けない位置に2次元CCDカメラ501を設け、端面
C11に気泡跡のごとき凹部DPが存在していれば、前記
2次元CCDカメラ351がこの凹部DPの一部の曲面か
らの強い正反射光を受光する方法がある。この場合に
は、凹部DPの画像を構成する画素の輝度が他の部分の輝
度よりも高くなるため、画像全体の画素の輝度を2値化
することで凹部DPの存在を検出することが可能である。
しかし、この方法では、2次元CCDカメラ351を固
定していると、端面C11の中のどの位置に凹部DPが存
在しているかによって、前記2次元CCDカメラ351
が凹部DPによる正反射光を受光できる場合と受光できな
い場合が生じる。すなわち、この方法は、凹部DPの位置
や形状の違いに対応することが困難であり、実用には即
さないものである。
【0012】また、図14(b) に示す如く、拡散性光源
352で斜め方向から端面C11を照射することで凹部
DPに影を形成し、端面C11での正反射光を2次元テレ
ビカメラ353で把えることにより、前記凹部DPの影を
検出する方法も考えられる。しかし、端面C11には、
数千本の中空糸の先端が露出していることによる微細な
凹凸が存在するため、この図14(b) の照明方法では、
これらの凹凸も全て微細な影を作る。これら凹凸部の輝
度レベルは、前記凹部DP部分の輝度レベルとの差が小さ
く、検出対象である凹部DPをうまく分離して検出するこ
とができない。また、検出対象となる凹部DPは、通常、
図15に示す端面C11において、糸束Bが位置する中
央部(ほぼ円形〜楕円形の領域)には多く存在せず、そ
の外側であって中空糸の無い環状部分Sに発生すること
が多い。しかし、この環状部分Sには、端面C11を形
成する工程で種々の“歪み”が形成されることが多く。
この歪み部の反射光は、反射方向がズレるため、テレビ
カメラ353で把える反射光の強度は、正常な平面の場
合よりも下がる。このため、この歪み部分を検出すべき
凹部DPとして誤検出する可能性があり、前記環状部分S
にある凹部DPを精度よく検出することができない。
【0013】上記のほか、図14(a) 、(b) のように端
面11に照明光を照射する方法では、糸束Bが強い拡散
媒体となるため、一旦樹脂剤層に中に入り込んだ光が樹
脂剤層の内部から端面11全体に拡がり、画像が全体的
に明るくなって凹部DPの画像と他の部分の画像の輝度差
が小さくなることにより、凹部DPと他の部分を判別する
のが困難になる問題があった。
【0014】画像処理により前記凹部DPを自動検出する
他の方法として図14(c) で示すごとく、検出すべき凹
部DPとほぼ同じ幅かそれ以下の幅の細いスリット光を端
面C11に照射し、CCDカメラ354により端面C1
1上におけるスリット光像が凹部DPによって部分的に歪
むことを検出する、いわゆる光切断法と呼ばれる方法を
採用することが考えられる。しかし、この光切断法を用
いた場合も、上記環状部分Sに歪みがあると、スリット
光像が折れ曲り、この歪みをあたかも凹部DPであるかの
如くに誤検出する問題が生じる。また、この光切断法で
は、前記端面C11が前記図14の円筒容器Aの円筒中
心軸に直交する平面に形成されず傾いている場合に、C
CD素子で把えたスリット光像が傾き、ある種の欠点と
して誤検出する。さらに、検出素子として一次元CCD
素子を用いた場合には、軸に非直交である前記端面C1
1である場合に、スリット光像がCCD素子から外れた
位置に結像してしまうという問題も生じる。
【0015】本発明の目的は、複数の中空糸の端部を樹
脂剤により固めた樹脂剤層を有する中空糸モジュールに
関して前記樹脂剤層の端面に生じた欠陥を検出するため
の中空糸モジュールの検査装置であって、前記中空糸モ
ジュールの樹脂剤層の端面に生じた気泡跡等による凹部
を、容易にかつ精度よく検出できる中空糸モジュールの
検査装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の中空糸モジュ
ールの検査装置は、前記中空糸モジュールを支持する支
持手段と、前記樹脂剤層の端面上に設定したスリット状
の被照射領域に、前記端面に非直交で入射するスリット
光を照射する光照射手段と、前記端面に対する被照射領
域の位置を相対的に移動させる移動手段と、前記被照射
領域に対応する端面で反射した前記スリット光の反射光
が入射する位置で、前記被照射領域に対応する端面の画
像について画素ごとの光量を測定し、かつ、前記被照射
領域の画像内に設定したウィンドゥ内の画像に関する前
記測光量を出力する測光手段と、前記測光手段が出力し
た画素ごとの測光量を所定の閾値で2値化し、この2値
化信号を出力する2値化処理手段とを備え、かつ、前記
光照射手段が照射するスリット光による被照射領域の幅
が画素の大きさの10〜150倍であって、前記測光手
段において測定する画素ごとの測光量が少なくとも一部
の画素において飽和し始める時点の強度の1〜4倍の範
囲に設定されている。
【0017】請求項2の中空糸モジュールの検査装置
は、請求項1の検査装置において、さらに、前記2値化
処理手段による2値化信号に基づいて中空糸モジュール
が不良品であるか否かを判定する判定手段と、この判定
手段の判定結果に基づいて不良中空糸モジュールを分別
する分別手段とを備える。
【0018】請求項3の中空糸モジュールの検査装置
は、請求項1の検査装置における光照射手段が拡散性照
明であると共に、前記樹脂剤層端面上に遮光板を備えて
いる。請求項4の中空糸モジュールの検査装置は、請求
項1又は3の検査装置において、照明光および反射光の
方向を変える反射鏡を備える。
【0019】請求項5の中空糸モジュールの検査装置
は、請求項4の検査装置において、更に請求項2の検査
装置の判定手段と分別手段とを備える。
【0020】
【作用】請求項1の中空糸モジュールの検査装置では、
光照射手段により樹脂剤層の端面にスリット光を照射す
ることにより、測光手段により前記樹脂剤層の端面で反
射した前記スリット光の反射光を測定する。測光手段に
おいて測定する画素ごとの測光量が少なくとも一部の画
素において飽和し始める時点の1〜4倍の範囲に設定す
ることにより、樹脂剤層の端面に気泡跡等による凹部が
存在する場合に、少なくともこの凹部に対応する画素の
測光量は、飽和値に達しないようにすることができる。
2値化処理手段で測光量を2値化することにより、画素
を凹部に対応する画素とそれ以外の画素の分離すること
ができる。前記スリット光による照射領域の幅を画素の
大きさの10から150倍に設定することにより、前記
樹脂剤層端面の仕上がり状態およびモジュール取付位置
ズレによる検出エラーが発生しない。移動手段により、
光照射手段によるスリット光の照射領域を移動させるこ
とにより、樹脂剤層の端面全体を前記凹部に対応する箇
所とそれ以外の箇所に分離することができる。
【0021】請求項2の中空糸モジュールの検査装置に
よると、検査した中空糸モジュールが不良中空糸モジュ
ールであるか否かが判定手段において判定され、不良中
空糸モジュールと判定された中空糸モジュールは分別手
段により他の中空糸モジュールから分離される。
【0022】請求項3の中空糸モジュールの検査装置に
よると、前記樹脂材層端面を多方向から照明するので、
仮に前記樹脂剤層端面に傾きおよび歪があっても反射光
は、測光装置へ確実に入射してこれらを誤検出しない。
また、糸束Bは光拡散性が強いため前記樹脂剤層端面へ
の入射照明光は糸束で拡散して該端面全体の輝度を高め
凹部DPによる反射光のコントラストを弱めるように作
用するが、遮光板が不要な照明光を遮るので、前記コン
トラストの低下が無い。
【0023】請求項4の中空糸モジュールの検査装置に
よると、照明および反射光の方向を反射鏡で折り曲げる
ので、中空糸モジュールMの軸芯C0 に対して垂直な方
向の、光照射手段と測光手段の幅寸法を小さく出来る。
【0024】請求項5の中空糸モジュールの検査装置に
よると、請求項4の装置の作用に加えて、更に検査した
中空糸モジュールが不良中空糸モジュールであるか否か
が判定手段において判定され、不良中空糸モジュールと
判定された中空糸モジュールは分別手段により他の中空
糸モジュールから分離される。
【0025】
【実施例】本発明による、中空糸モジュールMの端面C
11の凹部DPの有無を検出するための検査装置(以下、
単に検査装置という。)の実施例を図1に示す。この図
1の検査装置は、中空糸モジュールMの支持装置1、光
照射装置2、測光装置3、検出信号形成装置4、判別装
置5、表示装置6および操作指令部7を備えている。
【0026】支持装置1は、図2にも示すように、支持
台101、駆動モータ102、駆動ローラ103、モジ
ュール支持ローラ104、105、従動ローラ106お
よびベルト107を備えている。前記駆動モータ102
および各ローラ103〜106は支持台101に取り付
けられている。駆動ローラ103は、駆動モータ102
によって回転駆動される。
【0027】支持装置1は、中空糸モジュールMをその
軸芯C0 を水平に維持した状態で搭載し、支持装置1に
搭載された中空糸モジュールMは、駆動モータ102を
作動させることにより、前記軸芯C0 を回転中心として
回転する。前記駆動モータ102の回転量の設定、起動
および停止は、駆動制御部108によって制御される。
この駆動制御部108は、後述する操作指令部7により
与えられる指令信号を受け、前記駆動モータ102を駆
動する。前記駆動モータ102によって回転駆動される
駆動ローラ103の回転角は、公知の光学式エンコーダ
等の回転角検出器109によって検出され、後述する操
作指令部7に与えられるようになっている。
【0028】また、前記支持装置1は、図示しない上下
動機構により、搭載した中空糸モジュールMを軸芯C0
を水平に維持したまま上下動させることができる。これ
によって、中空糸モジュールMの軸芯C0 を、この中空
糸モジュールMの径に関係なく所定位置に設定すること
ができる。
【0029】なお、この支持装置1に対する中空糸モジ
ュールMの着脱は、たとえば図9に概略構成を示すよう
な中空糸モジュール移載機構8によって自動的に行うこ
とができるようになっている。この中空糸モジュール移
載機構8は、オートハンド80によって、供給部81か
ら取り出した中空糸モジュールMを支持装置1へ装着す
るとともに、支持装置1から取り外した中空糸モジュー
ルMを、良品のための次工程移送部82と不良品のため
の欠陥中空糸モジュール収集部86とに仕分ける。オー
トハンド80によるこれら各部への脱着・仕分けは、操
作指令部7の指令で自動的に行う。このため、オートハ
ンド80は、ガイド83に沿って二点鎖線で示したごと
く移動できる。
【0030】光照射装置2は、光源201およびスリッ
ト光照射部202を備えている。
【0031】光源201は、ハロゲンランプ等によって
なり、後述する操作指令部7より与えられた指令に基づ
いて、発光のオン・オフおよび光強度の調整を行う。こ
の光源201は、前記光強度を、後述する測光装置3が
測定する輝度がいずれかの画素において飽和する光強度
となるように調整する。この光強度の調整については後
述する。
【0032】スリット光照射部202は、たとえば複数
本の光ファイバー203によって前記光源201と接続
されており、これらの光ファイバー203を横一列に配
列した後、これらの光ファイバー203の端末から照射
された光をシリンドカルレンズ(不図示)でスリット状
に集光し、このスリット状の光を出射する。図3に示す
ように、前記スリット状の光は、前記中空糸モジュール
Mの樹脂剤層C1 の端面C11がこの端面全域において
前記軸芯C0 と直角である理想的に形成された面である
場合には、この端面C11の直径上に入射角αで入射
し、この端面C11の直径を含む幅hのスリット状被照
射領域Hを照射する。以下においては、前記端面が理想
形成面である場合にこの端面C11に照射されるスリッ
ト光の被照射領域Hを、任意の端面C11に関する被照
射領域Hとして説明する。
【0033】端面C11が前記理想端面であるとき、こ
のスリット光発光部202から出射されたスリット光L
は、図4に実線で示すように、前記スリット状被照射領
域Hで反射角β1 で反射し正反射光R1 となる。
【0034】前記端面C11に気泡跡等による凹部DPが
存在すると、前記スリット光Lの正反射光R2 は、図4
に仮想線で示すように、凹部DP部分で前記反射角β1 と
異なる反射角β2 で反射する。反射光は、乱反射光を受
光せず、正反射光を受光するのが好ましい。
【0035】また、前記端面C11が理想端面に対し傾
斜してカットされていたり、歪みを有する端面であった
りする場合も、前記スリット光Lの正反射光R1'は、前
記反射角β1 と異なる反射角β1'で反射する。しかし、
この場合、被照射領域Hにおける端面C11の傾斜は、
前記凹部DPの場合に比べて小さく、したがって、正反射
光R1'の反射角β1'は前記正反射光R2 の反射角β2 に
比べて理想端面での反射角β1 に近似している。
【0036】なお、前記スリット状被照射領域Hの幅h
の設定方法については後述する。
【0037】測光装置3は公知の2次元テレビカメラを
主体とするものである。この測光装置3は、前記端面C
11の画像を2次元で撮像する。また、この測光装置3
は、前記端面C11の直径上に対応する、図3に仮想線
で示すようなウィンドゥW内の画像の画素ごとの光の輝
度を表すアナログの画像信号を出力する。
【0038】前記ウィンドゥWの幅wは、たとえば画素
の幅σの5倍以上に設定している。前記画素は、前記2
次元テレビカメラがCCD素子を使用する機種である場
合には、カメラの各CCD素子、レンズの焦点距離およ
びテレビカメラと前記端面C11間の距離等を条件とし
て決定される寸法分解能であって、画像上での前記端面
C11の最小構成単位である。すなわち、測光装置3が
2次元CCDカメラの場合、2次元に配列された多数の
CCD素子上に端面画像を結像させ、各CCD素子出力
より画像を形成する関係にあるので、画像上の各画素と
CCD素子の最小単位とは、それぞれ1対1に対応する
関係にある。前記画素の幅σは、好ましくは検出対象と
なる凹部DPのうち最も小さな凹部DPの幅dの1/3以
下、さらに好ましくは1/4以下とするのがよい。画素
の幅σを大きくして、凹部DPの画像に完全に含まれる画
素が発生しないようになると検出精度が低下する。図6
では、画素の幅σを検出すべき最も小さな凹部DPの幅d
の1/4としている。なお、図6では、画素を正方形と
しているが、長方形であってもよい。
【0039】前記ウィンドゥWの幅wは、この検査装置
の処理スピードに大きな影響を与える。前記処理スピー
ドを向上させるためには、前記ウィンドゥWの幅wを大
きくするのがよい。しかしながら、後述するように、ウ
ィンドゥWの幅wを大きくし過ぎると、端面C11の傾
斜や歪みが大きい場合にこのウィンドゥWの一部が均一
に照射されない場合が生じる問題が生じる。このため、
ウィンドゥWの幅wは、後述する被照射領域Hの幅hの
1/2以下とすることが好ましい。
【0040】なお、前記ウィンドゥWの幅は、中空糸モ
ジュールMの品種に応じて切り替えるようにしてもよ
い。
【0041】前記スリット状被照射領域Hの幅hは、こ
の測光装置3が受光する反射光が前記図4に示す正反射
光R1 若しくはR1'であるときには、前記ウィンドゥW
が前記正反射光R1 若しくはR1'の受光範囲に位置する
ことができる幅に設定する。この実施例では、図6に示
すように、前記最小凹部DPの幅dの2倍の幅(2d)の
両側にそれぞれ画素の幅σを補充した幅(2d+2σ)
を被照射領域Hの幅hとしている。既述のように、前記
最小凹部DPの幅dは画素の幅σの4倍であるから、前記
被照射領域Hの幅hは、10σすなわち画素の幅σの1
0倍の幅に設定されていることになる。
【0042】前記被照射領域Hの幅hは、好ましくは、
画素の幅σの10倍(図6の場合)、若しくはそれ以上
になるように設定するのがよい。実験によれば、被照射
領域Hの幅hが画素の幅σの10倍よりも小さいと、端
面C11が傾斜カットされていたり端面C11に歪みが
ある場合に、こうした歪み等が許容範囲であっても、前
記ウィンドゥWの一部から前記正反射光R1 若しくはR
1'がズレる場合が生じる。このような場合、検出対象と
なる凹部DPが存在しないにも拘らず、正反射光R1 若し
くはR1'がズレて照射されない部分の画素の輝度が、凹
部DPに対応する部分と同程度のレベルに下がる問題が発
生する。
【0043】また、前述のように、前記被照射領域Hの
幅hは前記ウィンドゥWの幅wの2倍以上とするのが好
ましい。これによって、中空糸モジュールMの端面C1
1の傾斜やこの中空糸モジュールMの支持装置1に対す
る取付誤差によって前記ウィンドゥWに正反射光R1 も
しくはR1'に照射されない画素部分が生じることを防止
できる。
【0044】以上のようにして前記スリット状被照射領
域Hを設定すると、前記端面C11が理想端面であれ
ば、前記ウィンドゥWは、図5(a) に示すように、前記
スリット状被照射領域Hで反射した正反射光R1 の受光
領域H1 の中央に設定される。すなわち、ウィンドゥW
はその全域が正反射光R1 によって照明される。
【0045】また、前記端面C11が傾斜カットされて
いる場合、その傾斜が許容範囲であれば、前記ウィンド
ゥWは、図5(b) に示すように、前記スリット状被照射
領域Hで反射した正反射光R1'の受光領域H1 の幅方向
に偏った位置H1'に設定されたり、図5(c) に示すごと
く傾いた位置に設定される。しかし、この場合も、前記
傾斜が許容範囲であるため、前記ウィンドゥWは正反射
光R1'によってその全域が照明される。
【0046】さらに、前記端面C11が歪んでいる場
合、歪み方によっては前記スリット状被照射領域Hで反
射した正反射光R1'の受光領域H1'は、たとえば図5
(d) に示すように湾曲した形状となる。しかし、その歪
みが許容範囲であれば、前記ウィンドゥWは、前記受光
領域H1'内に設定され、前記ウィンドゥWは正反射光R
1'によってその全域が照明される。
【0047】前記端面C11に気泡跡等による凹部DPが
存在すると、この凹部DPにおいて反射した前記反射光R
2 は、前記ウィンドゥWから外れた位置で受光される。
したがって、前記ウィンドゥWに対応する位置に凹部DP
が存在すると、その位置の輝度が低下する。
【0048】前記測光装置3は、前記ウィンドゥW内の
全ての画素についての輝度レベルを測定し、この輝度レ
ベルを検出信号形成装置4に与える。
【0049】検出信号形成装置4は、A/D変換部40
1、画像記憶部402、2値化処理部403、2値化画
像表示部404を備えている。
【0050】A/D変換部401は前記アナログ画像信
号をディジタル画像信号に変換して画像記憶部402に
与える。
【0051】画像記憶部402は、A/D変換部401
から与えられた前記ディジタル画像信号を一旦記憶す
る。
【0052】2値化処理部403は、後述する演算判定
部502からの指令により、前記画像記憶部402から
前記ディジタル画像信号すなわち図7(a) に示すウィン
ドゥWの領域のディジタル画像信号を読み出し、このデ
ィジタル画像信号を所定の閾値Sp で2値化する。すな
わち、この2値化処理部403は、前記閾値Sp よりも
レベルの高い画像信号を白色レベルに置換し、前記閾値
Sp よりもレベルの低い画像信号を黒色レベルに置換す
る。
【0053】ところで、従来知られている光による一般
的な凹部の検出方法では、光照射装置が照射する光の強
度を、その反射光の測光量である輝度が、前記測光装置
3による測光輝度レベルにおいて部分的に飽和すること
がないように設定している。このように、従来の方法に
よる光強度のスリット光を照射した場合、前記ウィンド
ゥW内の輝度レベルは、端面C11に露出している多数
の中空糸の端部による凹凸により、図7(b) に示すよう
に起伏の激しいプロフィールとなる。また、検査する中
空糸モジュールMを取り替えるごとに、端面C11の微
小な凹凸形状が変化し、それに伴って輝度レベルも上下
動する。このため凹部DPと正常部分の輝度レベル差が小
さく、前記2値化処理部403において画像信号を2値
化する場合に、検出対象となる凹部DP以外の箇所を黒色
レベルに置換してしまう検出エラーが発生する可能性が
高い。
【0054】上記のような検出エラーを防止するため、
この発明では、前記光照射装置2が照射するスリット光
の光強度を、画素ごとの輝度が一部の画素において飽和
し始める時点の光強度より大きな光強度に設定してい
る。図7(c) は、スリット光の光強度を最初に端面C1
1の一部が飽和し始めた時点の2倍程度に設定したとき
の前記図7(a) に対応する位置の輝度レベルを示してい
る。この図7(c) からも分かるように、前記端面C11
に露出している糸束Bの先端の光拡散性が強いため、ス
リット光の光強度を大きくしてゆくと、端面C11の輝
度はまず前記糸束Bがある中央部から飽和し始める。図
7(d) は、スリット光の光強度を最初に端面C11の一
部が飽和し始めた時点の4倍に設定したときの前記図7
(a) に対応する位置の輝度レベルを示している。この図
7(d) では、凹部DPに対応する位置以外の輝度レベルは
全て飽和値に達している。スリット光の光強度を最初に
端面C11の一部が飽和し始めた時点の何倍にするか
は、端面C11の成形精度や端面C11と測光装置3の
位置関係に依存するが、4倍を越える値に設定すると、
検出対象となる凹部DPに対応する部分の輝度レベルが飽
和値に接近するか若しくは飽和値に達してしまう上、C
CDカメラを用いている場合には、スミア現象やブルー
ミング現象といったCCDカメラ特有の異常現象が強く
発生する虞があるため、この発明では、スリット光の光
強度を最初に端面C11の一部が飽和し始めた時点の4
倍以内に規定している。
【0055】一方、光強度は、図8を用いて説明する以
下の理由により、なるべく大きく取ることが有効であ
る。
【0056】図8は、ほぼ理想的な端面C11内に径
0.8mmの凹部DPのある中空糸モジュールMと、欠点
凹部DPは無いが面歪みの大きい中空糸モジュールMにつ
いて、ランプ電圧と閾値Sp による2値化画像の変化を
説明するためのものである。図8に示す特性曲線K1
は、径0.8mmの凹部DPのみを単独に、前記2値化処
理部403において検出するための限界閾値Sp のラン
プ電圧に対する変化を示している。すなわち、端面C1
1が理想的な面であれば、特性曲線K1 よりも上の任意
の閾値Sp を採用することができる。一方、特性曲線K
1 よりも下の閾値を採用すると、凹部DP以外の低輝度部
を誤検出する。しかし、端面C11が歪みの強い端面で
あると、閾値Sp を高くするにつれて、検出対象となる
凹部DP以外の歪み箇所を検出するようになり、検出エラ
ーが発生し始める。図8の特性曲線K2 は、特に歪みの
強い中空糸モジュールについて、検出エラーが発生し始
める閾値Sp のランプ電圧に対する変化を示しており、
この特性曲線K2 より下側の閾値Sp を用いることによ
り、検出エラーの発生を回避できることがわかる。すな
わち、前述の径0.8mmおよびこれ相当の凹部DPをエ
ラーなく検出するためには、特性曲線K1 、K2 に挟ま
れた領域(図8における斜線部)Eを用いることが好ま
しい。そして、図8から明らかなように、領域Eは光強
度が大きくなるほど、使用できる閾値Sp の幅が広くな
っている。したがって、閾値Sp の選択幅を広げるため
には、前述したスリット光の光強度を最初に端面C11
の一部が飽和し始めた時点の4倍以内の光強度で、か
つ、大きな光強度とするのが好ましいといえる。光強度
を強くする程、2値化された凹部DPの画像径が小さくな
るので、最も強い光強度とすることは好ましくないが、
光強度を強くすることで上記のごとく凹部DPを検出し易
くなり、検出精度が向上する。
【0057】2値化閾値Sp を決定する方法は、図8の
データに基づく一定値(品種、ランプ電圧で変えてよ
い)を予め記憶部501に入力しておいて読み出す方法
の他、テレビカメラで影像したウィンドゥ内の輝度分布
の標準偏差ないしは範囲から演算して決定するなど一般
に知られた各方法を適用してもよい。
【0058】2値化画像表示部404は、前記2値化処
理部403によって白色レベルと黒色レベルに置換され
た画像信号により得られる画像、すなわち前記凹部DPの
みを黒色で示したウィンドゥW内の画像を表示する。
【0059】判別装置5は、記憶部501および演算判
定部502を備えている。
【0060】演算判定部502は、前記2値化処理部4
03において黒色レベルに置換した画素を検出し、ここ
の凹部DPを構成する画素の数、位置関係等に基づいて、
これらの画素が構成する凹部DPの寸法、面積等の特徴量
を演算する。
【0061】記憶部501は、演算判定部502の指令
を受けてあらかじめ記憶された中空糸モジュールMの品
番ごとの前記特徴量に関する基準値の中から、キーボー
ド等の記述していないデータ入力装置により入力された
品番の基準値を読み出し、演算判定部502に与える。
前記基準値は経験的に定めることができる。
【0062】演算判定部502は、また前記凹部DPの寸
法、面積等の特徴量を、記憶部501が出力する基準値
と比較し、中空糸モジュールMの良否を判定し、この判
定結果に基づいて前記支持装置1から取り外した中空糸
モジュールMと不良品に分別する分別機能を備えてい
る。すなわち、前記比較結果が基準値>演算特徴量値で
あるときは良品と判定し、基準値≦演算特徴量値である
ときは不良品と判定し、比較判定結果を表示部6および
操作指令部7に与える。
【0063】表示部6はCRTディスプレイおよびプリ
ンタを備えており、中空糸モジュールごとに演算判定部
502が出力する比較判定結果、すなわち前記凹部DPの
寸法、面積等の特徴量値が前記基準値よりも大きいか小
さいかについての比較判定結果を表示する。
【0064】操作指令部7は、演算判定部502からの
タイミング指令を受けて、駆動制御部108に指令信号
を与える。既述のように、この指令信号を受けた駆動制
御部108は、前記駆動モータ102を、前記軸芯C0
を中心として所定時間ないしは所定角度だけ一定スピー
ドで回転するように駆動し、停止させる。
【0065】また、この操作指令部7は、前記検出器1
09が検出する中空糸モジュールMの回転角が180度
以上に達するごとに既述の中空糸モジュール移載機構8
を作動させ、支持装置1上に搭載された中空糸モジュー
ルMを取り外すとともにこの支持装置1に新たな中空糸
モジュールMを搭載させる。
【0066】また、この操作指令部7は、前記記憶部5
01に与えた中空糸モジュールMの品番に関する情報に
基づいて、前記品番の中空糸モジュールMの軸芯C0 が
前記ウィンドゥWに対応する位置と一致するように、前
記支持装置1のための図示しない上下動機構を制御す
る。
【0067】上記操作指令部7は、さらに、前記演算判
定部502により与えられた比較判定結果に基づいて、
前記判定結果が支持装置1に搭載されている中空糸モジ
ュールMを良品とするものである場合には、図9に示す
中空糸モジュール移載装置8に対し、支持装置1から取
り外した中空糸モジュールMを次工程移送部82に移動
させる指令を出し、前記判定結果が前記中空糸モジュー
ルMを不良品とするものである場合には、中空糸モジュ
ール移載装置8に対し、支持装置1から取り外した中空
糸モジュールMを欠陥中空糸モジュール収集部86に移
動させる指令を出す。
【0068】以上のようにしてなる検査装置により、中
空糸モジュールMの樹脂剤層C1 もしくはC2 の端面に
発生した気泡跡等による凹部DPを検出し、この凹部DP部
が存在する中空糸モジュールを不良品として排除するこ
とができる。
【0069】以上の装置により、表1に示す条件A〜C
で凹部DPの検出を行う検査を行ったところ、以下のよう
な検出結果が得られた。
【0070】
【表1】 条件Aは、被照射領域Hの幅h/画素の幅σを「7」に
設定している。この条件Aでは、端面C11の仕上がり
が比較的良好な中空糸モジュールMについては直径1m
m以下の凹部DPを検出することができたが、端面C11
が傾斜カットされていたり端面C11に歪みがある場合
には、その程度が大きくなるとウィンドゥWの一部が正
反射光に照射されないために検出エラーが発生した。し
かし、この検出エラーは、被照射領域Hの幅hおよびウ
ィンドゥWの幅wの設定に問題があることによる。
【0071】このような検出エラーを抑制するために
は、被照射領域Hの幅hおよびウィンドゥWの幅wを、
関係を保って広げることが考えられる。ただし、被照射
領域Hの幅hを広げるに当たっては、端面C11の光拡
散効果が強いことにより、欠点像である凹部DPの像のコ
ントラストが悪化する可能性が高いことに留意する必要
がある。一方、ウィンドゥWの幅wは、既述のように、
検査エラーの発生を抑制するために被照射領域Hの幅h
の1/2以下とする一方、端面C11全域を検査するた
めの処理スピードを考慮してなるべく大きめに設定す
る。
【0072】条件Bは上のことを考慮して被照射領域H
の幅h/画素の幅σを50に設定している。実験の装置
では、この条件Bでは、前記端面C11の傾斜カットや
中空糸モジュールMの支持装置1に対する取付位置のず
れに対しては問題なく検出すべき径1mm以下の凹部DP
を検出できたが、面歪みの強い一部のワークで検出エラ
ーが発生した。
【0073】条件Cは、条件Bに比べ、被照射領域Hの
幅hを大きくするとともにウィンドゥWの幅wを小さく
している。これによって、条件Bで検出エラーが生じた
面歪みの強い中空糸モジュールMについても確実に凹部
DPを検出することができた。中空糸モジュールMは、い
くつかの品種が有り、中でも中空糸管肉厚さの厚いタイ
プでは、端面C11において各中空糸開口端が明瞭に突
き出して凹凸のある表面をつくり、端面C11の面歪が
一層強くなる傾向を有する。このような中空糸モジュー
ルMは、上記中空糸開口端の突き出し部分あるいはその
周辺の面歪み部分で検出エラーを発生し易い。また、製
造ラインの製造条件に依って、端面C11が極めて透明
(表面が非常に滑らか)になるものがあり、上記面歪み
部分で検出エラーを発生し易い。
【0074】端面C11のこれらの形態サンプルに適用
した実施例を図10に示す。
【0075】図10は、光ファイバー203により図示
していない光源の光をスリット光照射部202に導き、
その出射光を光拡散シートないしは光拡散板205で拡
散性照明に変えて端面C11を照明し、端面からの反射
光を測光装置3で検出するようにした検査装置を示して
いる。この場合、端面C11と光拡散板205との間、
好ましくはできるだけ端面C11上に近づけて遮光板も
しくはマスク206を設けて端面C11の照明範囲を規
制する。
【0076】光拡散シート205では、光照射部202
から照射されたスリット光の指向性を弱めるが指向性の
無い完全拡散光にはならないため、光強度の低下が比較
的少ない。また、拡散性照明を得る他の方法として、太
い径の蛍光灯を使う等指向性の少ない光源を使うことも
可能であるが、より強い光強度が得られることと光強度
の調節が可能な点から図10の方法が好ましい。端面C
11に対する照明方法・照明取付位置に依り遮光板20
6を設けなくても良い場合もあるが、遮光板を設ける方
が凹部Dpの検出精度が高いので好ましい。
【0077】図1および図10の実施例では、照明光の
入射角α・反射角βは45度を採用しており端面C11
の前方の照明系202、205および測光装置3が占有
する空間は比較的広く、実施例で示す検査装置を生産ラ
インの限られたスペースに設置する場合は小型化する必
要がある。
【0078】このために改良を加えたのが図11に示す
検査装置である。
【0079】すなわち、光照射装置2および測光装置3
のそれぞれに反射鏡207、208を設けて照明光およ
び反射光の方向を変え、照明・反射系の幅Lを短くした
のである。光照射部202はハロゲンランプ光を光ファ
イバーライトガイドで導き、光出射端を線状に配列して
スリット光を作り、光拡散シート205で拡散性照明光
に変える。また、光遮光板206を設けて端面C11を
幅広く照明しないように規制する。なお、遮光板は、図
11の如く遮光板206のみでなく、遮光板209、2
06を組み合わせても良く、あるいは図示していないが
照明範囲のみに切り欠き穴をあけた端面C11全体を覆
うマスクであっても良い。また、拡散シート205を設
けず、拡散シートと反射鏡207の作用を兼ねた拡散反
射板を反射鏡207に代えても良い。
【0080】なお、上記実施例では、測光装置3が、駆
動モータ102を駆動させて中空糸モジュールMを所定
量回転させることによって、端面C11全面の輝度レベ
ルを測定するようにしているが、図示しない上下動機構
により前記中空糸モジュールMをウィンドゥWの幅hづ
つ上方または下方に移動させることで、端面C11の輝
度レベルを測定するようにしてもよい。
【0081】また、上記実施例では、測光装置3の画素
ごとの測光量を高くする等の検出精度向上手段として、
スリット光の強度を強くする方法を例示しているが、測
光装置3に取り付けるカメラ用レンズの絞りを開放して
いくとか、明るいレンズと交換するようにしてもよい。
また、測光装置3が包含する信号増幅器による、増幅と
飽和特性機能による方法であってもよい。しかし、スリ
ット光の強度を強くする方法が使い易くより好ましい。
【0082】また、上記実施例では、測光装置3とし
て、ウィンドゥW内の画素の輝度レベルに関する情報を
一時に得ることができる2次元テレビカメラを用いてい
るが、発明による他の検査装置では、測光装置3とし
て、CCD素子を1次元に並べた1次元CCDカメラ等
のラインセンサを採用することもできる。
【0083】また、図1の検査装置では、中空糸モジュ
ールMの一端側のみの検査を行うようにしている。しか
しながら、発明による中空糸モジュールの検査装置は、
両端を同時に検査できる装置を含むことはもちろんであ
る。
【0084】また、光照射装置2として、レーザー光を
光学素子でスリット光に変換するようにした光照射装置
を用いてもよい。しかし、光強度が低下してもランプ電
圧によって定期的に光強度を管理して調節できるので、
実施例で用いたタイプの光照射装置を用いる方がより好
ましい。
【0085】なお、本実施例では、中空糸モジュールを
透析器に用いた例を示したが、これは一例であって、本
発明の検査装置は、同様に中空糸モジュールを用いる水
処理モジュール、浄水器モジュール等の発泡検査に対し
ても好適に適用することができる。
【0086】
【発明の効果】請求項1の中空糸モジュールの検査装置
によると、検査対象である樹脂剤層の端面に生じた気泡
跡等による凹部を、前記端面に傾斜や歪みがあっても確
実に検出することができる。
【0087】また、測光量強度を適宜に調整すること
で、信号のフィルタリング・微分処理などの複雑な前処
理を行うことなく前記凹部を検出できるようにしたか
ら、検出精度の高い装置を比較的安価に得ることができ
る。
【0088】請求項2の中空糸モジュールの検査装置に
よると、前記凹部を有する不良中空糸モジュールを分別
することにより、後工程でこうした不良中空糸モジュー
ルに加工作業を行うような不合理を解消することができ
る。
【0089】請求項3の中空糸モジュールの検査装置に
よると、中空糸モジュールの端面(C11)における中
空糸開口端の表面突き出しによる凹凸が大きい場合と
か、端面が非常に滑らかである等種々の表面形態を有す
る中空糸モジュールにおいて、確実にその凹部(Dp)
を検出できるので検査精度が高い。
【0090】請求項4の中空糸モジュールの検査装置に
よると、光照射手段及び測光手段を小形化できるので、
設置スペースの限られた生産現場では取付・調整がし易
い。請求項5の中空糸モジュールの検査装置によると、
判定手段と分別手段とを備えるので、上記請求項4の検
査装置の効果に加えて、更に検査作業の省力化が達成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施例による中空糸モジュールの検査装
置の概略構成図である。
【図2】支持装置の構成を説明する図である。
【図3】端面に対するスリット光の照射状態を示す図で
ある。
【図4】端面での反射状態を示す図である。
【図5】端面反射光の受光領域とウィンドゥの関係を示
す図である。
【図6】凹部と画素の関係を示す図である。
【図7】光強度に対応する測定輝度レベルを示す図であ
る。
【図8】光強度と2値化のための閾値の関係を示すグラ
フである。
【図9】中空糸モジュールの移載機構を示す平面概略図
である。
【図10】本発明の実施例による検査装置の光照射装置
と測光装置を示す図である。
【図11】本発明の実施例による検査装置の光照射装置
と測光装置を示す図である。
【図12】中空糸モジュールの断面図である。
【図13】中空糸モジュールの製造過程を説明する図で
ある。
【図14】公知の方法による検査方法例を説明する図で
ある。
【図15】端面の2値化画像を示す図である。
【符号の説明】
1…支持装置 2…光照射装置 3…測光装置 4…検出信号形成装置 5…判別装置 6…表示部 7…操作指令部 102…駆動モータ 103…駆動ローラ 104、105…モジュール支持ローラ 106…従動ローラ 107…ベルト 207、208…反射鏡 206、209…遮光板 A…透析容器 B…糸束 C11…端面 M…中空糸モジュール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の中空糸の端部を樹脂剤により固め
    た樹脂剤層を有する中空糸モジュールについて前記樹脂
    剤層の端面に生じた欠陥を検出するための中空糸モジュ
    ールの検査装置であって、 前記中空糸モジュールを支持する支持手段と、 前記樹脂剤層の端面上に設定したスリット状の被照射領
    域に、前記端面に非直交で入射するスリット光を照射す
    る光照射手段と、 前記端面に対する被照射領域の位置を相対的に移動させ
    る移動手段と、 前記被照射領域に対応する端面で反射した前記スリット
    光の反射光が入射する位置で、前記被照射領域に対応す
    る端面の画像について画素ごとの光量を測定し、かつ、
    前記被照射領域の画像内に設定したウィンドゥ内の画像
    に関する前記測光量を出力する測光手段と、 前記測光手段が出力した画素ごとの測光量を所定の閾値
    で2値化し、この2値化信号を出力する2値化処理手段
    と、を備え、かつ、 前記光照射手段が照射するスリット光による被照射領域
    の幅が画素の大きさの10〜150倍であって、前記測
    光手段において測定する画素ごとの測光量が少なくとも
    一部の画素において飽和し始める時点の強度の1〜4倍
    の範囲に設定されていること、を特徴とする中空糸モジ
    ュールの検査装置。
  2. 【請求項2】 前記2値化処理手段による2値化信号に
    基づいて中空糸モジュールが不良品であるか否かを判定
    する判定手段と、 この判定手段の判定結果に基づいて不良中空糸モジュー
    ルを分別する分別手段と、を備えることを特徴とする請
    求項1の中空糸モジュールの検査装置。
  3. 【請求項3】 前記光照射手段が拡散性照明であると共
    に、前記樹脂剤層端面上に遮光板を備えることを特徴と
    する請求項1の中空糸モジュールの検査装置。
  4. 【請求項4】 照明光および反射光の方向を変える反射
    鏡を備えることを特徴とする請求項1又は3の中空糸モ
    ジュールの検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項2の判定手段と分別手段とを備え
    ることを特徴とする請求項4の中空糸モジュールの検査
    装置。
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