JPH0751089A - 光学活性ヒドロキシカルボン酸類の製造法 - Google Patents

光学活性ヒドロキシカルボン酸類の製造法

Info

Publication number
JPH0751089A
JPH0751089A JP19947293A JP19947293A JPH0751089A JP H0751089 A JPH0751089 A JP H0751089A JP 19947293 A JP19947293 A JP 19947293A JP 19947293 A JP19947293 A JP 19947293A JP H0751089 A JPH0751089 A JP H0751089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
optically active
added
acetylene
acids
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19947293A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Kusumoto
哲生 楠本
Hafuyuuzu Ansari Mohamado
モハマド・ハフューズ・アンサリ
Tamejirou Hiyama
爲次郎 檜山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Sagami Chemical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp, Sagami Chemical Research Institute filed Critical Nissan Chemical Corp
Priority to JP19947293A priority Critical patent/JPH0751089A/ja
Publication of JPH0751089A publication Critical patent/JPH0751089A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】HMG−CoA還元酵素阻害剤の共通な新規合
成中間体として有用な光学活性β,δ−ジヒドロキシヘ
プチン酸及びその原料である光学活性γ−アセチレン−
β−ヒドロキシカルボン酸類を提供する。 【構成】γ−アセチレン−β−ケトカルボン酸〔I〕を
パン酵母により還元し、化合物〔II〕又は〔III〕で表
される光学活性γ−アセチレン−β−ヒドロキシカルボ
ン酸の製造法及び化合物〔II〕又は〔III〕よりそれぞ
れ化合物〔IV〕又は〔V〕を経由しそれぞれ化合物〔V
I〕又は〔VII〕を製造する方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性なγ−アセチ
レン−β−ヒドロキシカルボン酸類の新規な製造法、及
びそれを用いた光学活性なβ、δ−ジヒドロキシヘプチ
ン酸類の製造方法に関するものである。光学活性なγ−
アセチレン−β−ヒドロキシカルボン酸類は、医農薬及
び各種機能性材料等に有用な化合物であり、それから誘
導される光学活性なβ、δ−ジヒドロキシヘプチン酸類
は、コレステロ−ル低下剤として注目されているHMG
−CoA還元酵素阻害剤の共通な新規合成中間体として
有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光学活
性なβ−ヒドロキシカルボン酸類の合成法は数多く知ら
れているが、中でも対応するβ−ケトカルボン酸をパン
酵母により不斉還元する方法は、簡便で広く研究されて
いる。しかしながら、γ−アセチレン−β−ケトカルボ
ン酸をパン酵母で不斉還元した例はなく、光学活性なγ
−アセチレン−β−ヒドロキシカルボン酸類の具体的な
合成例としては、別法として下記の2例が知られてい
る。
【0003】1)不斉アルドール反応を利用する方法
(G.Solladieら,Synthesis,19
91,979)(スキーム1)、 2)凍結乾燥酵母を
用いる光学分割法(B.I.Glanzerら、Tet
rahedron,43,5791(1987))(ス
キーム2)。
【0004】
【化7】
【0005】1)の方法は、化学的合成であるため不斉
源の立体を代えることで、両方の立体異性体を作り分け
ることができるが、特殊な不斉源や試薬を用いる等、安
価な方法とは言えない。2)の方法は、操作・試剤等は
簡便であるが、光学分割法であるため、理論最大収率は
50%であること、反応率によリ生成物の光学純度が大
きく変動するため、反応率を厳密に制御する必要がある
こと、両方の生成物を分離生成する必要があること等の
欠点がある。
【0006】さらに、光学活性なβ、δ−ジヒドロキシ
ヘプチン酸類は、新規化合物であるため、従来有効な合
成法は明かにされていない。
【0007】
【課題を解決するための手段及び効果】本発明者らは、
γ−アセチレン−β−ヒドロキシカルボン酸類の新規な
製造法を開発すべく検討した結果、γ−アセチレン−β
−ケトカルボン酸をパン酵母で不斉還元するという、き
わめて簡便な方法を見いだすと共に、その立体選択性に
ついて新規な知見を見いだすに至った。さらには、得ら
れた光学活性なγ−アセチレン−β−ヒドロキシカルボ
ン酸類から、その光学純度を損なうことなく光学活性な
β、δ−ジヒドロキシヘプチン酸類を合成するルートを
開発することに成功した。
【0008】すなわち、本発明により、式[I]
【0009】
【化8】
【0010】(式中、R1は水素原子又は三重結合の保護
基を表し、R2は水素原子又はC1−20のアルキル基を
表す。)で表されるγ−アセチレン−β−ケトカルボン
酸類を、パン酵母により還元することにより、R1の種類
に応じて、式[II]又は[III]
【0011】
【化9】
【0012】(式中、R1,R2は前記に同じ。)で表され
る光学活性なγ−アセチレン−β−ヒドロキシカルボン
酸類が得られる。さらには、得られたγ−アセチレン−
β−ヒドロキシカルボン酸類[II]又は[III]
を、それぞれ酢酸エステルのアニオンと反応させ、式
[IV]又は[V]
【0013】
【化10】
【0014】(式中、R1は前記に同じ。R3は水素原子又
はC1−8のアルキル基を表す。)で表されるβ−ケト
−δ−ヒドロキシカルボン酸類とし、これを選択還元し
て、式[VI]又は[VII]
【0015】
【化11】
【0016】(式中、R1、R3は前記に同じ。)で表され
るβ、δ−ジヒドロキシカルボン酸類とし、必要に応じ
水酸基を保護することにより、式[VIII]又は[I
X]
【0017】
【化12】
【0018】(式中、R1、R3は前記に同じ。Z1、Z2は水
酸基の保護基を表す。)で表される光学活性なβ、δ−
ジヒドロキシヘプチン酸類が得られる。
【0019】原料であるγ−アセチレン−β−ケトカル
ボン酸[I]は、(スキーム3)に示したごとく、アセ
チレンカルボン酸エステルに酢酸エステルのアニオンを
反応させる方法、(スキーム4)に示したごとく、マロ
ン酸の一酸クロリドとアセチレンアニオンとを反応させ
る方法等で合成することができる。
【0020】
【化13】
【0021】R1は水素原子又は三重結合の保護基を表
し、保護基としては、特に置換シリル基、具体的にはト
リメチルシリル、トリエチルシリル、トリ−n−プロピ
ルシリル、トリ−i−プロピルシリル,トリ−n−ブチ
ルシリル、トリ−i−ブチルシリル、トリ−n−ヘキシ
ルシリル、ジメチルエチルシリル、ジメチル−n−プロ
ピルシリル、ジメチル−n−ブチルシリル、ジメチル−
i−ブチルシリル、ジメチル−t−ブチルシリル、ジメ
チル−n−ペンチルシリル、ジメチル−n−オクチルシ
リル、ジメチルシクロヘキシルシリル、ジメチルテキシ
ルシリル、ジメチルベンジルシリル、ジメチルフェニル
シリル、ジメチル−p−トリルシリル、メチルジフェニ
ルシリル、ジフェニル−t−ブチルシリル、トリフェニ
ルシリル等を挙げることができる。
【0022】R2は水素原子又はC1−20のアルキル基
を表し、具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、i
−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシ
ル、オクタデシル等を挙げることができる。
【0023】還元反応は、通常市販の各種パン酵母(サ
ッカロマイセス セレビシエ)を用いて、ブドウ糖、糖
蜜などの栄養源を共存させた醗酵条件下で行なうことが
できる。反応溶媒としては水でよく、必要に応じて基質
を溶かすために、メタノール、エタノール、酢酸エチル
などの有機溶媒、望ましくはエタノールを少量加えても
よい。反応温度は、0〜80℃、好ましくは、20〜4
0℃である。反応時間は条件によって異なるが、2〜5
0時間、通常10時間程度でよい。
【0024】反応液からの生成物の取り出しは、パン酵
母をろ別した後、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素
系、ベンゼン、トルエン等の芳香族系、エーテル、イソ
プロピルエーテル等のエーテル系、酢酸エチル等のエス
テル系、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系等
の、水と分離する有機溶媒で抽出することにより行なう
ことができる。この際、必要に応じて水層に食塩等の無
機塩を加えることにより、抽出効率を上げることができ
る。有機層の溶媒を留去し、必要に応じて蒸留、カラム
クロマト等で生成することにより、光学活性なγ−アセ
チレン−β−ヒドロキシカルボン酸類が得られる。
【0025】得られてくる光学活性なγ−アセチレン−
β−ヒドロキシカルボン酸類の立体は、R1、R2の種類及
び組み合せで異なってくる。例えば、R1が水素原子でR2
がメチルである化合物[Ia]の場合、生成物は式[I
Ia]で表される立体であり、一方、R1がトリメチルシ
リルでR2がメチルである化合物[Ib]の場合、生成物
は式[IIIb]で表される立体であった(スキーム
5)。
【0026】
【化14】
【0027】このことは、従来の知見からは予期できぬ
ことであり、本発明により初めて明かとなったことであ
る。すなわち、従来ケトンのパン酵母による還元反応に
おいて、生成物の立体は、(スキーム6)に示すごと
く、RS(立体的により小さな基)とRS(より大きな
基)の関係で一義的に決定されるとされていた(Pre
log則;V.Prelog,Pure Appl.C
hem.,9,119(1964))。事実、β−ケト
エステルの場合も、化合物[1]ではメチルがR Sであ
り、化合物[2]ではエチルがRLであると解釈される
(E.Santanielloら,Chem.Re
v.,92,1071(1992))。
【0028】
【化15】
【0029】しかるに、本発明の場合、化合物[Ia]
の結果より、アセチレン基はRLであると推測される
が、より大きな置換基であるトリメチルシリル基のつい
た化合物[Ib]では、生成物の立体は逆転しており、
アセチレン基があたかもRSであるような結果を与えて
いる。このことは、予測不可能であると同時に、本発明
の有用性を示すものである。すなわち、本来、パン酵母
還元のような生物学的手法では、一方の立体異性体のみ
を与えるため、他方の異性体を同様の手法で得ることは
不可能であった。本発明の方法によれば、簡単に脱着可
能な保護基を導入することで、光学活性なγ−アセチレ
ン−β−ヒドロキシカルボン酸類の両方の異性体を、パ
ン酵母還元という簡便な方法でどちらも製造することが
可能であり、きわめて有用である。
【0030】得られた光学活性なγ−アセチレン−β−
ヒドロキシカルボン酸類[II]又は[III]はそれ
ぞれ、そのままあるいはR1が保護基である場合は必要に
応じてはずして、光学活性原料として種々の用途に用い
ることができる。例えば、スキーム7のルートで光学活
性なβ、δ−ジヒドロキシヘプチン酸類に導くことがで
きる。
【0031】
【化16】
【0032】すなわち、光学活性なγ−アセチレン−β
−ヒドロキシカルボン酸類[II]又は[III]を通
常の条件下、酢酸エステルのアニオンと反応させ、光学
活性なβ−ケト−δ−ヒドロキシカルボン酸類[IV]
又は[V]とする。
【0033】R3は水素原子又はC1−8のアルキル基を
表し、具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、i−
プロピル、n−ブチル,i−ブチル、t−ブチル、ヘキ
シル、ヘプチル、オクチル等を挙げることができる。
【0034】続いて、低温下、ジエチルメトキシボラン
−水素化ホウ素ナトリウムで還元する等、β−ケト基を
選択還元することにより、光学活性なβ、δ−ジヒドロ
キシカルボン酸類[VI]又は[VII]とする。
【0035】必要に応じて、水酸基に保護基Z1、Z2を導
入することにより、光学活性なβ、δ−ジヒドロキシヘ
プチン酸類[VIII]又は[IX]が合成できる。
Z1、Z2は、具体的にはメトキシメチル、2−メトキシエ
トキシメチル、テトラヒドロピラニル、4−メトキシテ
トラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、1−メチル
−1−メトキシエチル、アリル、ベンジル、p−メトキ
シベンジル、トリフェニルメチル、トリメチルシリル、
t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリ
ル、ベンゾイル、p−ニトロベンゾイル及びアセチル等
を挙げることができる。また環状の保護基としては、メ
チリデン、イソプロピリデン、シクロペンチリデン、シ
クロヘキシリデン、ベンジリデン、ジメチルシリル、ジ
エチルシリル及びジフェニルシリル等を挙げることがで
きる。
【0036】なお三重結合の保護基としてのR1(水素原
子である場合を除く)は、必要に応じて、上記どの段階
ででもはずして、対応するR1が水素原子の化合物とする
ことができる。以上のようにして、R1が水素原子である
光学活性なβ,δ−ジヒドロキシヘプチン酸類[VII
I]又は[IX]が得られることとなり、どちらの立体
の異性体も作り分けることができる。
【0037】光学活性なβ、δ−ジヒドロキシヘプチン
酸類は、スキーム8のようにして,コレステロール低下
剤として注目されているHMG−CoA還元酵素阻害剤
を合成する共通な新規合成中間体として利用できる。
【0038】
【化17】
【0039】
【実施例】
参考例1 3-オキソ-4-プロピン酸メチルの合成
【0040】
【化18】
【0041】ジイソプロピルアミン(14.1 g, 140 mmo
l)のテトラヒドロフラン(THF)100 ml溶液に-78℃
でブチルリチウム(1.62 Mヘキサン溶液, 80 ml, 129 m
mol)を加え、0℃で15分間撹拌した。-78℃に冷却し、
酢酸メチル(9.9 g, 134 mmol)を加え、1.5時間撹拌し
たした後、プロピン酸エチル(4.06 g, 41.3 mmol)の
THF(12 ml)溶液を加え、16時間撹拌した。この反
応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(300 ml)を加え、
室温まで昇温した。1M塩酸を加えpH4〜5にした後、エ
ーテル抽出(200 ml×3)し、有機層を水および飽和食
塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣
をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチ
ル=19/1)で精製して、3-オキソ-4-プロピン酸メ
チル(2.4 g, 47%)を得た。
【0042】無色油状物質 Rf 0.45 (ヘキサン/酢酸エチル=4/1) IR (neat) 3275, 2975, 2125, 1745, 1695, 1620, 144
5, 1330, 1240, 1100, 1020, 815 cm-1 1 H-NMR(CDCl3, δ) 3.22(s, 0.4H), 3.35(s, 0.6H),
3.76(s, 3H), 3.63(s, 0.6H), 5.43(s, 0.2H), 11.8(br
oad s, 0.2H) MS m/z (相対強度) 126(M+, 4), 95(17), 94(11), 68(1
3), 66(14), 59(12), 53(10), 42(15)
【0043】実施例1 (S)-3-ヒドロキシ-4-プロピン酸メチルの合成
【0044】
【化19】
【0045】パン酵母(オリエンタル酵母(株)、ドラ
イイースト、9.0 g)のブドウ糖(30 g)水溶液(400 m
l)に3-オキソ-4-プロピン酸メチル(495 mg, 3.92 mmo
l)のエタノール(2 ml)溶液を加え、30〜31℃で12.5
時間撹拌した。反応液を0℃に冷やし、セライト5.2 g
を加え、2時間撹拌した。セライトをろ別し、セライト
層を酢酸エチルで洗浄した。ろ液と酢酸エチル層を合わ
せ、飽和食塩水を加え、酢酸エチル抽出(50 ml×5)
後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣
をエーテルに溶かし、0℃でジアゾメタン−エーテル溶
液をジアゾメタンの黄色が消えなくなるまで加えた。反
応液を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、
(S)-3-ヒドロキシ-4-プロピン酸メチル(234 mg, 46%,
80% e.e.)を得た。
【0046】無色油状物質 Rf 0.33 (ヘキサン/酢酸エチル=2/1) [α]D 20-19.2 (c=0.71, CHCl3) IR(neat) 3437, 3291, 2957, 2118, 1736, 1441, 1364,
1281, 1171, 1047, 1000, 864, 664 cm-1 1 H-NMR(CDCl3, δ) 2.48(d, J= 2.2Hz, 1H), 2.77(d, J
=5.9Hz, 2H), 3.03(d, J=6.3Hz, 1H), 3.74(s, 3H), 4.
76(dtd, J=2.2, 5.9, and 6.3Hz, 1H) MS m/z (相対強度) 129(M++1, trace), 127(M+-1, 4),
113(9), 97(16), 74(98), 68(24), 59(13), 55(100), 4
3(90)
【0047】実施例2 (S)-5-ヒドロキシ-3-オキソ-6-ヘプチン酸 t-ブチルの
合成
【0048】
【化20】
【0049】ジイソプロピルアミン(165 mg, 1.3 mmo
l)のTHF(2 ml)溶液に-78℃でブチルリチウム(1.62
M ヘキサン溶液, 0.8 ml, 1.3 mmol)を加え、0℃で1
5分間撹拌した。-78℃に冷却し、酢酸 t-ブチル(190 m
g, 1.6 mmol)を加え、30分間撹拌したした後、(S)-3-
ヒドロキシ-4-プロピン酸メチル(31 mg, 0.24 mmol)
のTHF(1.2 ml)溶液を加え、7時間撹拌した。この
反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(10 ml)を加
え、室温まで昇温した。1M塩酸を加えpH4〜5にした
後、エーテル抽出(20 ml×3)し、有機層を水および飽
和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸
エチル=4/1)で精製して、(S)-5-ヒドロキシ-3-オ
キソ-6-ヘプチン酸 t-ブチル(35 mg, 69%)を得た。
【0050】無色油状物質 Rf 0.36 (ヘキサン/酢酸エチル=2/1) [α]D 20-34.4 (c=0.71, CHCl3) IR(neat) 3289, 2982, 2110, 1715, 1640, 1370, 1325,
1256, 1150, 1047, 953, 841, 661 cm-1 1 H-NMR(CDCl3, δ) 1.46(s, 9H), 2.47(d, J=2.1Hz, 1
H), 2.97(m, 3H), 3.39(s, 2H), 4.76(m, 1H) MS m/z (相対強度) 213(M++1, trace), 97(18), 87(1
1), 57(100)
【0051】(3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-6-ヘプチン酸
t-ブチルの合成
【0052】
【化21】
【0053】(S)-5-ヒドロキシ-3-オキソ-6-ヘプチン酸
t-ブチル(25 mg, 0.11 mmol)のTHF(0.8 ml)と
メタノール(0.2 ml)混合溶液に-78℃でジエチルメト
キシボラン(20μl, 0.13 mmol)を加え、15分間撹拌し
た。さらに、水素化ホウ素ナトリウム(20 mg, 0.5 mmo
l)を加え、5.5時間撹拌した。反応液に酢酸(0.3 ml)
を加え室温にもどし、エーテルを加えた後、有機層を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸
マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣にメタノール
を加え、常圧下加熱濃縮を5回繰り返した。この残渣を
シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル
=2/1)で精製して、(3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-6-
ヘプチン酸 t-ブチル(21 mg, 83%)を得た。
【0054】無色油状物質 Rf 0.16 (ヘキサン/酢酸エチル=4/1) [α]D 20 -18.1 (c=1.1, CHCl3) IR(neat) 3450, 3310, 3000, 2950, 2125, 1720, 1375,
1300, 1260, 1155, 1080, 845, 760, 660 cm-1 1 H-NMR(CDCl3, δ) 1.46(s, 9H), 1.82(dddd, J=1.0,
3.0, 4.9, and 14.1Hz, 1H), 1.97(ddd, J=8.2, 9.9, a
nd 14.1Hz, 1H), 2.44(d, J=6.1Hz, 2H), 2.48(d,J=2.2
Hz, 1H), 3.14(d, J=3.3Hz, 1H), 3.63(dd, J=1.0 and
3.2Hz, 1H), 4.26(m, 1H), 4.68(m, 1H) MS m/z( 相対強度) 158(M+-C4H8, 1), 98(10), 89(17),
57(100), 43(27) CIMS m/z 215(M++1)
【0055】(3R,5S)-3,5-イソプロピリデンジオキシ-6
-ヘプチン酸 t-ブチルの合成
【0056】
【化22】
【0057】(3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-6-ヘプチン酸
t-ブチル(11 mg, 0.05 mmol)の2,2-ジメトキシプロパ
ン(0.3 ml)溶液にp-トルエンスルホン酸(1 mg)を加
え、室温で2.5時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム
(0.5 ml)を加えた後、エーテルを加え、有機層を水お
よび飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧
濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ
サン/酢酸エチル=4/1)で精製して、(3R,5S)-3,5-
イソプロピリデンジオキシ-6-ヘプチン酸 t-ブチル(13
mg, 96%)を得た。
【0058】無色油状物質 Rf 0.55 (ヘキサン/酢酸エチル=4/1) [α]D 20-3.6(c=0.88, CHCl3) IR (neat) 3300, 2980, 2930, 2110, 1730, 1458, 138
1, 1315, 1260, 1201, 1155, 1123, 1099, 1051, 1011,
980, 951, 922, 872, 845, 760, 670 cm-1 1 H-NMR(CDCl3, δ) 1.42(s, 3H), 1.44(s, 9H), 1.47
(s, 3H), 1.65(td, J=11.7and 13.0Hz, 1H), 1.82(td,
J=2.6 and 13.0Hz, 1H), 2.32(dd, J=6.1 and 15.4Hz,
1H), 2.45(dd, J=7.0 and 15.4Hz, 1H), 2.46(d, J=2.1
Hz, 1H), 4.26(m,1H), 4.68(ddd, J=2.1, 2.6, and 11.
7Hz, 1H) MS m/z (相対強度) 239(M+-CH3, 16), 183(15), 123(6
2), 81(17), 59(46), 57(100), 43(71) CIMS m/z 255(M++1)
【0059】参考例2 3-オキソ-5-トリメチルシリル-4-プロピン酸メチルの合
【0060】
【化23】
【0061】ジイソプロピルアミン(339 mg, 3.4 mmo
l)のTHF(7 ml)溶液に-78℃でブチルリチウム(1.
62 M ヘキサン溶液, 2 ml, 3.2 mmol)を加え、0℃で1
5分間撹拌した。-78℃に冷却し、酢酸メチル(276 mg,
3.7 mmol)を加え、2時間撹拌したした後、3-トリメチ
ルシリルプロピン酸エチル(425 mg, 2.5 mmol)のTH
F(1 ml)溶液を加え、3時間撹拌した。この反応液に
飽和塩化アンモニウム水溶液(10 ml)と1M塩酸(5
滴)を加え、室温まで昇温した。エーテル抽出(25 ml
×3)後、有機層を水および飽和食塩水で洗い、硫酸マ
グネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=19/1)で精
製して、3-オキソ-5-トリメチルシリル-4-プロピン酸メ
チル(418 mg, 85%)を得た。
【0062】無色油状物質 Rf 0.66 (ヘキサン/酢酸エチル=4/1) IR(neat) 2975, 2150, 1750, 1685, 1660, 1615, 1440,
1385, 1325, 1250, 1150, 1100, 1030, 950, 910, 85
0, 810, 760, 650 cm-1 1 H-NMR(CDCl3, δ) 0.20(s, 4.5H), 0.21(s, 4.5H), 3.
56(s, 1H), 3.73(s, 3H), 5.36(s, 0.5H), 11.8(broad
s, 0.5H) MS m/z (相対強度) 198(M+, 3), 183(34), 151(37), 14
1(23), 127(36), 125(100), 123(53), 97(46), 89(27),
73(31), 43(26)
【0063】実施例3 (R)-3-ヒドロキシ-5-トリメチルシリル-4-プロピン酸メ
チルの合成
【0064】
【化24】
【0065】パン酵母(12 g)のブドウ糖(50 g)水溶
液(500 ml)に3-オキソ-5-トリメチルシリル-4-プロピ
ン酸メチル(1.45 g, 7.3 mmol)のエタノール(1.5 m
l)溶液を加え、30〜31℃で17時間撹拌した。反応液を
0℃に冷やし、セライト6.5gを加え、2時間撹拌した。
セライトをろ別し、セライト層を酢酸エチルで洗浄し
た。ろ液と酢酸エチル層を合わせ、飽和食塩水を加え、
酢酸エチル抽出(200ml×5)後、有機層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製
して、(R)-3-ヒドロキシ-5-トリメチルシリル-4-プロピ
ン酸メチル(705 mg, 48%, 82% e.e.)を得た。
【0066】無色油状物質 Rf 0.30 (ヘキサン/酢酸エチル=4/1) [α]D 20+19.1 (c=0.93, CHCl3) IR (neat) 3470, 2950, 2175, 1740, 1440, 1360, 125
0, 1170, 1060, 1000, 840, 760, 700 cm-1 1 H-NMR(CDCl3, δ) 0.16(s, 9H), 2.73(dd, J= 5.5 and
16.4Hz, 1H), 2.77(dd,J= 6.6 and 16.4Hz, 1H), 2.93
(d, J= 5.0Hz, 1H), 3.73(s, 3H), 4.76(ddd, J= 5.0,
5.6 and 6.6Hz, 1H)
【0067】実施例4 (R)-5-ヒドロキシ-3-オキソ-7-トリメチルシリル-6-ヘ
プチン酸 t-ブチルの合成
【0068】
【化25】
【0069】ジイソプロピルアミン(172 mg, 1.7 mmo
l)のTHF(3.5 ml)溶液に-78℃でブチルリチウム(1.
62 M ヘキサン溶液, 0.8 ml, 1.3 mmol)を加え、0℃
で15分間撹拌した。-78℃に冷却し、酢酸 t-ブチル(18
5 mg, 1.6 mmol)を加え、30分間撹拌したした後、(R)-
3-ヒドロキシ-5-トリメチルシリル-4-プロピン酸メチル
(64 mg, 0.32 mmol)のTHF(1.5 ml)溶液を加え1
時間撹拌し、さらに-20〜-15℃で40分間撹拌した。この
反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(10 ml)を加
え、室温まで昇温した。1M塩酸を加えpH4〜5にした
後、エーテル抽出(20 ml×3)し、有機層を水および飽
和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸
エチル=4/1)で精製して、(R)-5-ヒドロキシ-3-オ
キソ-7-トリメチルシリル-6-ヘプチン酸 t-ブチル(66
mg, 73%)を得た。
【0070】無色油状物質 Rf 0.30 (ヘキサン/酢酸エチル=4/1) [α]D 20+19.3 (c=1.45, CHCl3) IR (neat) 3450, 2975, 2200, 1730, 1650, 1420, 137
5, 1330, 1255, 1150, 1050, 850, 765 cm-1 1 H-NMR(CDCl3, δ) 0.16(s, 9H), 1.47(s, 9H), 2.82-
3.11(m, 3H), 3.40(s, 2H), 4.81(m, 1H) MS m/z (相対強度) 285(M++1, 7), 284(M+, trace), 22
9(27), 211(27), 169(11), 109(13), 75(25), 73(20),
59(100), 43(24), 41(27)
【0071】(3S,5R)-3,5-ジヒドロキシ-7-トリメチル
シリル-6-ヘプチン酸 t-ブチルの合成
【0072】
【化26】
【0073】(R)-5-ヒドロキシ-3-オキソ-7-トリメチル
シリル-6-ヘプチン酸 t-ブチル(28mg, 0.10 mmol)の
THF(0.8 ml)とメタノール(0.2 ml)混合溶液に-7
8℃でジエチルメトキシボラン(15 μl, 0.11 mmol)を
加え、15分間撹拌した。さらに、水素化ホウ素ナトリウ
ム(15 mg, 0.4 mmol)を加え、5時間撹拌した。反応
液に酢酸(0.2 ml)を加え室温にもどし、エーテルを加
えた後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮し
た。残渣にメタノールを加え、常圧下加熱濃縮を5回繰
り返した。この残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、(3S,5
R)-3,5-ジヒドロキシ-7-トリメチルシリル-6-ヘプチン
酸 t-ブチル(23 mg, 82%)を得た。
【0074】無色油状物質 Rf 0.40 (ヘキサン/酢酸エチル=2/1) [α]D 20+9.62 (c=1.6, CHCl3) IR (neat) 3408, 2965, 2174, 1728, 1370, 1306, 125
2, 1153, 1082, 1016, 957, 845, 762, 700, 648 cm-1 1 H-NMR(CDCl3, δ) 0.17(s, 9H), 1.46(s, 9H), 1.82(d
ddd, J= 0.9, 3.1, 4.5,and 14.2Hz, 1H), 1.96(ddd, J
=8.3, 9.6, and 14.2Hz, 1H), 2.44(d, J=6.2Hz, 1H),
3.01,(d, J=3.3Hz, 1H), 3.60(dd, J=0.7 and 3.1Hz, 1
H), 4.24(m, 1H), 4.66(ddd, J=3.3, 4.7, and 8.1Hz,
1H) MS m/z (相対強度) 230(M+ -C4H8, trace), 211(M+-C4H
9-H2O, 2), 195(M+-SiMe 3-H2O, 8), 155(11), 27(10),
111(12), 109(15), 86(13), 75(52), 73(55), 57(100),
43(14), 41(26) CIMS m/z 287(M++1)
【0075】(3S,5R)-3,5-ジヒドロキシ-6-ヘプチン酸
t-ブチルの合成
【0076】
【化27】
【0077】(3S,5R)-3,5-ジヒドロキシ-7-トリメチル
シリル-6-ヘプチン酸 t-ブチル(21mg, 0.073 mmol)の
THF(1.5 ml)溶液に0℃でフッ化テトラブチルアン
モニウム(1M-THF溶液, 15 μl)を加え、2.5時間
撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.5 ml)、
さらにエーテルを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗
い、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=
2/1)で精製して、(3S,5R)-3,5-ジヒドロキシ-6-ヘ
プチン酸 t-ブチル(12.3 mg, 78%)を得た。
【0078】無色油状物質 Rf 0.16 (ヘキサン/酢酸エチル=2/1) [α]D 20+18.9 (c=0.7, CHCl3) IR (neat) 3400, 3305, 3000, 2950, 2125, 1720, 137
5, 1300, 1260, 1155, 1080, 845, 760, 665 cm-1 1 H-NMR(CDCl3, δ) 1.46(s, 9H), 1.82(dddd, J=0.8,
3.0, 4.8, and 14.1Hz, 1H), 1.97(ddd, J=8.2, 9.9, a
nd 14.1Hz, 1H), 2.44(d, J=6.1Hz, 1H), 2.48(d,J=2.2
Hz, 1H), 3.11(d, J=3.1Hz, 1H), 3.62(broad d, J=2.3
Hz, 1H), 4.26(m,1H), 4.68(m, 1H) MS m/z (相対強度) 158(M+-C4H8, 1), 89(14), 57(10
0), 43(36), 41(62)
【0079】(3S,5R)-3,5-イソプロピリデンジオキシ-6
-ヘプチン酸 t-ブチルの合成
【0080】
【化28】
【0081】(3S,5R)-3,5-ジヒドロキシ-6-ヘプチン酸
t-ブチル(11 mg, 0.05 mmol)の2,2-ジメトキシプロパ
ン(0.3 ml)溶液にp-トルエンスルホン酸(1 mg)を加
え、室温で2.5時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム
(0.5 ml)を加えた後、エーテルを加え、有機層を水お
よび飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧
濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ
サン/酢酸エチル=4/1)で精製して、(3R,5S)-3,5-
イソプロピリデンジオキシ-6-ヘプチン酸 t-ブチル(13
mg, 98%)を得た。
【0082】無色油状物質 Rf 0.55 (ヘキサン/酢酸エチル=4/1) [α]D 20+3.25 (c=0.8, CHCl3) IR (neat) 3300, 3000, 2100, 1735, 1380, 1320, 120,
1205, 1160, 1010, 850, 760, 670 cm-1 1 H-NMR(CDCl3, δ) 1.42(s, 3H), 1.44(s, 9H), 1.47
(s, 3H), 1.65(td, J=11.6and 12.9Hz, 1H), 1.82(td,
J=2.6 and 12.9Hz, 1H), 2.31(dd, J=6.1 and 15.4Hz,
1H), 2.45(dd, J=7.0 and 15.4Hz, 1H), 2.46(d, J=2.1
Hz, 1H), 4.26(m,1H), 4.68(ddd, J=2.1, 2.6, and 11.
6Hz, 1H) MS m/z (相対強度) 239(M+-CH3, 12), 183(12), 123(5
9), 81(17), 59(43), 57(100), 43(63) CIMS m/z 255(M++1)
【0083】参考例3
【0084】
【化29】
【0085】3,5−O−イソプロピリデン−3,5−
ジヒドロキシ−6−ヘプチン酸t−ブチル(50mg, 0.20m
mol)、ジメチルクロロシラン(23mg, 0.24mmol)の混合物
に、封管中、室温にてt-Bu3PPt(η-CH2CHSiMe2)2O(0.6m
g, 0.5mol%)を加え、1時間撹拌した。過剰のジメチル
クロロシランを減圧下に除去すると、7−(ジメチルク
ロロシリル)−3,5−O−イソプロピリデン−3,5
−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸t−ブチルが得られ
た。
【0086】
【化30】
【0087】1H-NMR(200MHz, CDCl3, δ) 0.48(s,6H),
1.42(s, 3H), 1.45(s, 9H), 1.48(s,3H), 1.55-1.74(m,
2H), 2.31(dd, J=15.3, 6.3Hz, 1H), 2.46(dd, J=15.
3, 6.8Hz, 1H), 4.24-4.49(m, 2H), 5.95(d, J=18.8Hz,
1H), 6.22(dd, J=18.8Hz, 4.4, 1H)
【0088】これを封管中、THF(0.8ml) に溶かし、
2−シクロプロピル−3−ヨード−4−(4−フルオロ
フェニル) キノリン(77mg, 0.20mmol)、アリル塩化パラ
ジウム二量体(2mg, 2.5mol%)、フッ化テトラブチルアン
モニウム(1.0M THF 溶液, 0.39ml, 0.39mmol) を順次加
えた。60℃にて30分間撹拌したのち、反応混合物を室温
に冷却してエーテル(8ml)及び酢酸エチル(2ml)を加えて
15分間撹拌した。これをセライト濾過して不溶物を除去
し、濃縮した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1により精製し
て、(6E)−7−〔2−シクロプロピル−4−(4−
フルオロフェニル)−キノリン−3−イル〕−3,5−
イソプロピリデンジオキシ−6−ヘプテン酸t-ブチル(8
4mg, 83%)を得た。
【0089】
【化31】
【0090】IR(CHCl3, cm-1) 3000, 1720, 1605, 151
0, 1490, 1380, 1230, 1165, 1090, 1025, 8401 H-NMR(CDCl3, δ) 1.04(dd, J=8.1, 3.3Hz, 2H), 1.25
-1.31(m, 2H), 1.37(s,3H), 1.35-1.40(m, 2H), 1.46
(s, 12H), 2.35(dd, J=15.6, 6.4Hz, 1H), 2.43(m, 1
H), 2.54(dd, J=15.6, 6.7Hz, 1H), 4.25-4.32(m, 1H),
4.33-4.38(m, 1H),5.57(dd, J=16.3, 6.1Hz, 1H), 6.5
5(dd, J=16.3, 1.2Hz, 1H), 7.15-7.37(m, 6H), 7.58(d
d, J=6.6, 1.6Hz, 1H), 7.95(d, J=8.4Hz, 1H) MS m/z 517(M+, 6), 461(3), 448(8), 402(12), 386(2
2), 290(52), 288(56), 275(50), 57(100)
【0091】
【化32】
【0092】7−(2−シクロプロピル−4−(p−フ
ルオロフェニル)キノリン−3−イル)−3,5−O−
イソプロピリデン−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテ
ン酸t−ブチル(259mg)を塩化メチレン(3ml)に溶かし、
約15当量のトリフルオロ酢酸を加え終夜攪拌した。反
応液を酢酸エチル抽出し、重曹水洗浄、飽和食塩水洗浄
後、溶媒を留去し残渣をシリカゲルカラムクロマト(エ
ーテル:ヘキサン=5:1)で精製すると、7−(2−シク
ロプロピル−4−(p−フルオロフェニル)キノリン−
3−イル)−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸の
ラクトン体151mg(収率75%)が得られた。
【0093】
【化33】
【0094】m.p. 201℃ IR(CHCl3, cm-1) 3440, 3005, 1730, 1600, 1560, 151
0, 1490, 1410, 1230, 1155, 1060, 970, 830, 7301 H-NMR(CDCl3, δ) 1.03-1.08(m, 2H), 1.30-1.40(m, 2
H), 1.56-1.60(m, 1H),1.78(m, 1H), 2.38(m, 1H), 2.6
0(ddd, J=7.4, 4.0, 1.5Hz, 1H), 2.70(dd, J=13.0, 4.
8Hz, 1H), 4.25(m, 1H), 5.18 and 4.66(m, 1H, ratio
64:36), 5.62(dd, J=16.1, 6.2Hz, 1H), 6.72(dd, J=1
6.1, 1.4Hz, 1H), 7.17-7.25(m, 4H), 7.30-7.37(m, 2
H), 7.61(dd, J=6.1, 1.4Hz, 1H), 7.17-7.25(m, 4H),
7.30-7.37(m, 2H), 7.61(dd, J=6.1, 2.1Hz, 1H), 7.96
(d, J=8.3Hz, 1H) MS (m/z) 403(M+, 9), 316(11), 288(100), 274(12)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 檜山 爲次郎 神奈川県相模原市西大沼4−4−1 財団 法人相模中央化学研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[I] 【化1】 (式中、R1は水素原子又は三重結合の保護基を表し、R2
    は水素原子又はC1−20のアルキル基を表す。)で表
    されるγ−アセチレン−β−ケトカルボン酸類を、パン
    酵母により還元することを特徴とする式[II]又は
    [III] 【化2】 (式中、R1,R2は前記に同じ。)で表される光学活性な
    γ−アセチレン−β−ヒドロキシカルボン酸類の製造
    法。
  2. 【請求項2】 式[II]又は[III] 【化3】 (式中、R1は水素原子又は三重結合の保護基を表し、R2
    は水素原子又はC1−20のアルキル基を表す。)で表
    されるγ−アセチレン−β−ヒドロキシカルボン酸類
    を、酢酸エステルのアニオンと反応させ、式[IV]又
    は[V] 【化4】 (式中、R1は前記に同じ。R3は水素原子又はC1−8の
    アルキル基を表す。)で表されるβ−ケト−δ−ヒドロ
    キシカルボン酸類とし、これを選択還元して、式[V
    I]又は[VII] 【化5】 (式中、R1、R3は前記に同じ。)で表されるβ、δ−ジ
    ヒドロキシカルボン酸類とし、必要に応じ水酸基を保護
    することにより、式[VIII]又は[IX] 【化6】 (式中、R1、R3は前記に同じ。Z1、Z2は水酸基の保護基
    を表す。)で表される光学活性なβ、δ−ジヒドロキシ
    ヘプチン酸類を製造する方法。
JP19947293A 1993-08-11 1993-08-11 光学活性ヒドロキシカルボン酸類の製造法 Pending JPH0751089A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19947293A JPH0751089A (ja) 1993-08-11 1993-08-11 光学活性ヒドロキシカルボン酸類の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19947293A JPH0751089A (ja) 1993-08-11 1993-08-11 光学活性ヒドロキシカルボン酸類の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0751089A true JPH0751089A (ja) 1995-02-28

Family

ID=16408372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19947293A Pending JPH0751089A (ja) 1993-08-11 1993-08-11 光学活性ヒドロキシカルボン酸類の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0751089A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20040077883A (ko) 유기 화합물의 제조 방법
WO2008053334A2 (en) An improved process for preparing rosuvastatin calcium
US8269001B2 (en) Process for the synthesis of HMG-CoA reductase inhibitors
US6340767B1 (en) Processes for the preparation of 5-hydroxy-3-oxopentanoic acid derivatives
US4645854A (en) Process for preparing HMG-CoA reductase inhibitors with a 3,5-dihydroxypentanoate subunit
JPH0751089A (ja) 光学活性ヒドロキシカルボン酸類の製造法
EP0164049B1 (en) Process for preparing hmg-coa reductase inhibtors with a 3,5-dihydroxypentanoate subunit
WO2014094511A1 (zh) 一种制备曲前列尼尔的中间体、其制备方法以及通过其制备曲前列尼尔的方法
JP2709807B2 (ja) 3−クロロ−4−シリルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン類の製造法
JP2958834B2 (ja) アゼチジン−2−オン誘導体
JP3481325B2 (ja) 光学活性な3−オキシ−5−オキソ−6−ヘプテン酸誘導体の製法
AU2001293726B2 (en) Process for preparing discodermolide and analogues thereof
JP2958835B2 (ja) 4−(1−カルボキシアルキル)アゼチジン−2−オン誘導体の製造法
JP3965704B2 (ja) 光学活性な5−ヒドロキシ−3−オキソ−6−ヘプチン酸エステル誘導体の製造方法
WO1994006746A1 (en) 6-heptynoic and heptenoic acid compounds
JP4811547B2 (ja) 光学活性シクロヘキセン化合物の製造法及びこの製造に用いる光学活性シクロヘキセン誘導体
JP3319069B2 (ja) 光学活性化合物とその製造法
JPH10101614A (ja) α,α−ジフルオロ−β−ヒドロキシエステルの製造方法
JP3163795B2 (ja) シクロヘキセン誘導体
JPH0351694B2 (ja)
JPH0351695B2 (ja)
JPH0798796B2 (ja) イソカルバサイクリン類の製造方法
JPH06316584A (ja) 6−ヘプチン酸及びヘプテン酸化合物
JPH1087575A (ja) 光学活性アミノアルコール誘導体、中間体およびそれらの製造法
JPH06335398A (ja) シクロヘキセンジオール誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040127