JPH075091A - 生コンクリートのスランプ値の推定方法 - Google Patents

生コンクリートのスランプ値の推定方法

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JPH075091A
JPH075091A JP17228493A JP17228493A JPH075091A JP H075091 A JPH075091 A JP H075091A JP 17228493 A JP17228493 A JP 17228493A JP 17228493 A JP17228493 A JP 17228493A JP H075091 A JPH075091 A JP H075091A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 混練工程中にある生コンクリートのスランプ
値を、混練材料の放出状況等の変動に影響されることな
く、精度良く推定することができる生コンクリートのス
ランプ値の推定方法を提供すること。 【構成】 生コンクリートの混練に使用されるミキサー
駆動モーターの負荷値の無負荷状態からの偏差量(SM
L)と、該偏差量(SML)の単位時間当たりの変化量
(ΔSML)との関係から、混練工程中にある生コンク
リートのスランプ値を推定することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生コンクリートのスラ
ンプ値の推定方法に関し、特に混練工程中にある生コン
クリートのスランプ値の推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製造途中にある生コンクリートの
スランプ値を推定する方法としては、生コンクリートの
製造オペレータが、混練を完了して積込ホッパーに排出
された生コンクリートを目視し、スランプ値を推定する
方法と、生コンクリートの混練に使用されているミキサ
ー駆動モーターの負荷を、電力、電流或いは油圧の時系
列データとして捉え、該時系列データをスランプ値推定
の基準となるミキサー駆動モーターの負荷の時系列デー
タと比較し、スランプ値を推定する方法とがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先ず前
者の方法にあっては、熟練者は相当高い精度でスランプ
値を推定することができるが、未熟練者にとっては正確
なスランプ値の推定は困難な作業となり、また混練途中
にある生コンクリートはその状況を目視できないことか
ら、この方法では混練工程中にある生コンクリートのス
ランプ値の推定は不可能であった。
【0004】また、後者の方法は、混練途中にある生コ
ンクリートのスランプ値を推定することが可能となる
が、その方法は上述したようにミキサー駆動モーターの
負荷データを時間軸上で基準データと比較するのもであ
るため、計量ホッパーからの混練材料の該ミキサーへの
放出が、混練材料の表面水率或いは形状等の変化により
変動した場合、その変動が上記ミキサー駆動モーターの
時系列的な負荷データの値に大きく、しかも混練完了付
近にまで影響するため、基準データとの時間軸上での比
較が曖昧なものとなり、スランプ値の推定精度が著しく
低下すると共に、該方法はスランプ値の推定開始条件
が、不明確であるという課題があった。
【0005】本発明は、上述した従来の生コンクリート
のスランプ値の推定方法が有する課題に鑑み成されたも
のであって、その目的は、混練工程中にある生コンクリ
ートのスランプ値を、混練材料の放出状況等の変動に影
響されることなく、精度良く推定することができる生コ
ンクリートのスランプ値の推定方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を進めた結果、生コンクリートの
配合及び混練量が同じ場合には、ミキサー内に投入した
混練材料の混ざり具合の程度は、ミキサー駆動モーター
の負荷の単位時間当たりの変化量(ΔSML)と強い相
関関係にあり、ミキサー駆動モーターの負荷の単位時間
当たりの変化量(ΔSML)が同じ場合の該ミキサー駆
動モーターの負荷値の無負荷状態からの偏差量(SM
L)は、スランプ値と強い相関関係にあることを見出
し、本発明を完成させた。
【0007】即ち、本発明は、生コンクリートの混練に
使用されるミキサー駆動モーターの負荷値の無負荷状態
からの偏差量(SML)と、該偏差量(SML)の単位
時間当たりの変化量(ΔSML)との関係から、混練工
程中にある生コンクリートのスランプ値を推定すること
とした。
【0008】また、本発明は、上記生コンクリートのス
ランプ値の推定を、上記ΔSMLが最大値となった以降
のSMLとΔSMLとの関係から推定することとした。
【0009】上記した本発明にかかる生コンクリートの
スランプ値の推定方法によれば、配合及び混練量が同じ
生コンクリートについて、そのスランプ値推定の基準と
なる上記SMLとΔSMLとの関係を予め把握しておけ
ば、同一のΔSMLの値に対応するSMLの値を前記基
準データと比較することによって、混練工程中にある生
コンクリートのその時点におけるスランプ値を推定する
ことができ、その推定に時間軸上でデータを比較するこ
とがなされていないため、混練材料の放出状況等の変動
に全く影響されないスランプ値の推定方法となる。
【0010】また、本発明においては、上記方法による
生コンクリートのスランプ値の推定を、上記ΔSMLが
最大値となった以降のSMLとΔSMLとの関係から推
定することとしたため、良好な精度でスランプ値を推定
することが可能となる。これは、一般的に混練材料の放
出完了以降の上記ΔSMLの値、即ちミキサー駆動モー
ターの負荷の単位時間当たりの変化量は、最初はゼロで
次第に増加し、ある時点で最大となり、その後は減少し
てゼロに近づく変化を示す。この変化中ΔSMLが最大
となる点以降では、上記SMLとΔSMLのグラフはほ
ぼ直線となり、その直線の位置がスランプ値によって上
下に平行移動し、スランプ値との強い相関関係が見られ
る。この事実より、SMLとΔSMLとの関係からスラ
ンプ値を精度良く推定するためには、ΔSMLが最大値
となった以降にその推定を開始することが必要となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を挙げ、本発
明を詳細に説明する。
【0012】ここで、図1は本発明の実施例装置を示
し、図中1は生コンクリートを混練するミキサー、2は
該ミキサー1を回転駆動させるモーターである。該モー
ター2には、その負荷電力を検出する負荷電力検出器3
が接続されており、該負荷電力検出器3が検出した信号
は、信号変換器4によりディジタル値に変換され、コン
ピュータ5に取り込まれる。
【0013】コンピューター5では、後記する方法によ
ってスランプ推定部8でスランプ値を推定し、表示器6
にその推定結果を表示すると共に、記憶装置9におい
て、設定器7により入力されたデータ及びプログラムを
記憶する。また、コンピューター5のプラント制御部1
0では、上記スランプ推定部8で推定されたスランプ値
が目標とするスランプ値からズレている場合等に、混練
材料の配合補正等のプラント制御を行う。
【0014】上記コンピューター5のスランプ推定部8
におけるスランプ値の推定は、次のように行われる。
【0015】先ず、配合番号別及び混練量別にスランプ
値推定の基準となるデータを、上記設定器7よりスラン
プ目視値或いは実測値を入力することによって、該入力
値に対応するSML及びΔSMLのデータと共にコンピ
ューター5の記憶装置9に記憶させる。
【0016】ここで、上記スランプの目視値或いは実測
値と共に記憶装置9に記憶されるSML及びΔSML
は、各々生コンクリートの混練に使用される上記ミキサ
ー駆動モーター2の負荷値の無負荷状態からの偏差量、
及び該偏差量の単位時間(例えば2秒)当たりの変化量
であり、これらは上記信号変換器4からコンピューター
5内に取り込まれるミキサー駆動モーター2の負荷電力
から算出される。
【0017】このミキサー駆動モーター2の負荷電力
は、ミキサー2の回転による周期的微振動を伴って変動
している(図2参照)ため、この入力信号を平滑化して
周期的微振動を除去し、無負荷状態のミキサー駆動モー
ターの負荷平滑値を引いた値を上記SMLとし、また、
該SMLの単位時間当たりの変化量をΔSMLとして記
憶装置9に記憶している。
【0018】上記算出したSMLの時間的変化、及びS
MLとΔSMLとの関係をグラフ化すると、図3及び図
4のようになる。即ち、図3はSML(t)を縦軸に、
時間tを横軸にとったグラフである。また図4の左側の
グラフは、上記図3と同じくSMLの時系列変化を示し
たグラフであり、図4の右側のグラフは、tをパラメー
タとして前記SML(t)を縦軸に、ΔSML(t)を
横軸にして、SML(t)がピークになる点以降のSM
LとΔSMLとの関係を表したグラフである。
【0019】ここで、例えば混練材料の放出状況が変動
すると、当然上記算出されたSML(t)のピークの高
さや時間が変動するが、図3或いは図4の左側のグラフ
では、このSML(t)のピークの点が変動すると、そ
の影響が混練完了付近まで及んでSMLの値を変動させ
るが、図4の右側のグラフでは、ピークの点が変動して
もその影響を受けない。その理由は、図4の左側のグラ
フから右側のグラフへ変換する際に、時間(t)が除去
されるためである。
【0020】次に、記憶装置9にスランプ値推定の基準
となるデータが記憶された上記コンピューター5のスラ
ンプ推定部8に、スランプ値を推定する生コンクリート
の上記SML及びΔSMLの値が取り込まれと、上記ス
ランプ目視値或いは実測値の入力値をSLXとし、該S
LXに対応する記憶装置9に記憶されたSML及びΔS
MLを、各々SMLX、ΔSMLXとし、ΔSMLXの
最大値をΔSMLX1とすると、上記スランプ推定部8
に取り込まれたΔSMLが非増加状態となり、ΔSML
≦ΔSMLX1となった時にスランプ値の推定を開始
し、次の手順でスランプ値を推定する。
【0021】(1)スランプ推定部8に取り込まれたΔ
SML(t)に対応するスランプ値推定基準データのS
MLXの値を下記により計算し、MLX(t)とする。
【0022】 ΔSMLXのデータのΔSMLX1以
降の時系列データを、ΔSMLX(τ)(τ=1,2,
……)とし、ΔSMLX(τ)≧ΔSML(t)>ΔS
ML(τ+1)となるτを決定する。
【0023】 算出するMLX(t)は、上記決定さ
れたτにおけるSMLX(τ)とSMLX(τ+1)の
間の値をとるが、その値を直線補完法を用いて次式によ
り計算し、MLX(t)とする。
【0024】
【式1】
【0025】(2)次に、次式によりスランプの推定値
(SL)を計算する。 SL=SLX−(SML(t)−MLX(t))/DM
L 但し、上式においてDMLはスランプ1cm当たりの変
化に対応するミキサー駆動モーターの負荷値の変化量で
あり、このDMLはスランプ値領域、混練量やその他要
因によって異なった値をとるため、事前に各要因別の値
を指定しておく必要がある。
【0026】スランプ推定部8で推定された上記スラン
プ推定値(SL)は、表示器6にその値が表示される共
に、該スランプ推定値(SL)が目標とするスランプ値
からズレている場合等には、コンピューター5のプラン
ト制御部10からの信号により、混練材料の配合補正等
のプラント制御が行われる。
【0027】以上、本発明の一実施例装置、及び該装置
におけるスランプ値推定の一例につき説明したが、本発
明は既述の実施例に限定されるものではなく、本発明の
技術的思想に基づいて、各種の変形及び変更が可能であ
ることは当然である。
【0028】
【発明の効果】以上、説明した本発明にかかる生コンク
リートのスランプ値の推定方法によりば、生コンクリー
ト混練中にスランプ値の推定が可能となり次第、スラン
プ値を精度よく推定することができ、この推定値によっ
ていち早くスランプ値の変動を把握でき、生コンクリー
トの品質管理を効率的且つ効果的に行うことができるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例装置を示す概念図である。
【図2】ミキサー駆動モーターの負荷電力の時系列変化
を示したグラフである。
【図3】図2のミキサー駆動モーターの負荷電力を平滑
化したグラフである。
【図4】SMLの時間軸上の変化を、ΔSML上の変化
に変換したグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生コンクリートの混練に使用されるミキ
    サー駆動モーターの負荷値の無負荷状態からの偏差量
    (SML)と、該偏差量(SML)の単位時間当たりの
    変化量(ΔSML)との関係から、混練工程中にある生
    コンクリートのスランプ値を推定することを特徴とす
    る、生コンクリートのスランプ値の推定方法。
  2. 【請求項2】 上記生コンクリートのスランプ値の推定
    が、上記ΔSMLが最大値となった以降のSMLとΔS
    MLとの関係から推定されることを特徴とする、請求項
    1記載の生コンクリートのスランプ値の推定方法。
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