JPH0750707Y2 - 酸素センサの自己診断装置 - Google Patents

酸素センサの自己診断装置

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JPH0750707Y2
JPH0750707Y2 JP1989083842U JP8384289U JPH0750707Y2 JP H0750707 Y2 JPH0750707 Y2 JP H0750707Y2 JP 1989083842 U JP1989083842 U JP 1989083842U JP 8384289 U JP8384289 U JP 8384289U JP H0750707 Y2 JPH0750707 Y2 JP H0750707Y2
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行博 西川
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ
の自己診断装置に関し、特に、排気ガス中に含まれる鉛
等の有害成分が酸素センサの表面に付着して応答性が悪
くなったとき等に、これを簡単に自己診断できるように
した酸素センサの自己診断装置に関する。
〔従来技術〕
一般に、自動車等のエンジンにあっては、空気と燃料と
の混合気を燃焼室内で燃焼(爆発)させて所望の出力を
得るようにしているから、空気と燃料との混合比、即ち
空燃比が小さく(燃料が濃く)なると不完全燃焼を起
し、逆に、空燃比が大きく(燃料が薄く)なると出力が
低下してしまう。
このため、最近の自動車等には、排気管等に酸素センサ
(O2センサ)を取付けて、排気ガス中の酸素濃度を検出
し、これによって、前記空燃比をフィードバック制御す
るようにしている。
そこで、第5図および第6図に従来技術の酸素センサを
示す。
図において、1はステンレス鋼等の金属材料によって筒
状に形成させたセンサ本体を示し、該センサ本体1は、
先端部外周側に取付け部としてのおねじ部2Aが形成さ
れ、基端側が嵌合部2Bとなった段付筒状のホルダ2と、
先端側が該ホルダ2の嵌合部2B外周側にカシメ部3A,3A,
…により固定され、基端側に環状の段部3Bを介して縮径
部3Cが設けられた段付筒状のキャップ3とからなり、ホ
ルダ2の先端部内周側には後述のジルコニアチューブ5
と係合する肩部2Cが形成されている。そして、該センサ
本体1はホルダ2のおねじ部2Aを車両の排気管(図示せ
ず)に螺着することにより、ジルコニアチューブ5等を
排気管内に径方向に突出させた状態で配設するようにな
っている。
4はセンサ本体1内に配設された絶縁筒体を示し、該絶
縁筒体4はアルミナ等のセラミック材料によって段付筒
状に形成され、その一端側はキャップ3の縮径部3C内に
挿入され、他端側はホルダ2の嵌合部2B内に嵌挿されて
いる。そして、該絶縁筒体4はセンサ本体1と後述のコ
ンタクトプレート10との間を絶縁状態におくようになっ
ている。
5は一端側がホルダ2の肩部2Cにリング状のワッシャ6
を介して係合され、他端側がホルダ2外に軸方向に突出
したジルコニアチューブを示し、該ジルコニアチューブ
5は酸化ジルコニウム等のセラミック材料によって断面
U字形状に形成され、その一端側は大径の開口部5Aとな
り、突出端は閉塞端5Bとなっている。そして、該ジルコ
ニアチューブ5はその内側と外側との酸素に濃度差が生
じると、酸素イオンが通り抜けるようになり、後述の外
側電極7、内側電極8間に第6図に示す検出信号として
の起電力を発生させるようになっている。なお、該ジル
コニアチューブ5の内,外面には多孔質の白金(図示せ
ず)がコーティングされ、前記起電力の増幅作用(触媒
作用)を行うようになっている。
7,8はジルコニアチューブ5の外面、内面にそれぞれ設
けられた外側電極、内側電極を示し、該外側電極7、内
側電極8は白金等の金属材料をジルコニアチューブ5の
外面、内面に塗布等の手段を用いて付着させることによ
り形成され、外側電極7はホルダ2の肩部2Cにワッシャ
6を介して接続され、アースされるようになっている。
また、内側電極8はジルコニアチューブ5の閉塞端5B内
面側から開口部5Aの端面側まで引出し部8Aとなって伸
び、該引出し部8Aはコンタクトプレート10に接続されて
いる。また、9はジルコニアチューブ5の突出端側を保
護すべく有蓋筒状に形成れたプロテクタを示し、該プロ
テクタ9はその基端側がホルダ2の先端側にカシメ固定
され、ジルコニアチューブ5とほぼ同軸に位置決めされ
ている。また、該プロテクタ9にはその周面に複数の長
孔9A,9A,…が形成され、該各長孔9Aは排気管中の排気ガ
スをジルコニアチューブ5の外面側に導入するようにな
っている。
10は絶縁筒体4内を軸方向に伸長して配設されたコンタ
クトプレートを示し、該コンタクトプレート10はステン
レス鋼等からなる一枚の金属板をプレス等の手段で曲げ
加工することにより形成され、その一端側には後述のリ
ード線11用の接続部10Aが、他端側には円板状のコンタ
クト部10Bがそれぞれ設けられている。そして、該コン
タクト部10Bはジルコニアチューブ5の開口部5A端面と
絶縁筒体4の先端側端面との間で後述するディスクスプ
リング12のばね荷重により強く挟持され、前記内側電極
8と接続されている。
11は先端側がコンタクトプレート10の接続部10Aに接続
され、センサ本体1外へと導出されたリード線を示し、
該リード線11はジルコニアチューブ5で発生する起電力
を検出信号として、内側電極8およびコンタクトプレー
ト10を介して外部のコントロールユニット(図示せず)
へと出力するようになっている。12はキャップ3の段部
3Bと絶縁筒体4の一端側との間に配設されたディスクス
プリングを示し、該ディスクスプリング12は皿ばねによ
って形成され、絶縁筒体4を介してジルコニアチューブ
5の開口部5A外周側をホルダ2の肩部2Cに押付けると共
に、コンタクトプレート10のコンタクト部10Bに挟持力
等を与えるようになっている。
さらに、13はリード線11の周囲をシールしているラバチ
ューブを示し、該ラバチューブ13はフッ素ゴム等によっ
て形成され、リード線11と絶縁筒体4の一端側、キャッ
プ3の縮径部3Cとの間に介挿されている。そして、該ラ
バチューブ13はリード線11の周囲からセンサ本体1およ
び絶縁筒体4内に雨水等が浸入するのを防止するように
なっている。
従来技術による酸素センサ14は上述の如き構成を有する
もので、センサ本体1はホルダ2のおねじ部2Aを介して
車両の排気管に螺着され、ジルコニアチューブ5の先端
側をプロテクタ9と共に排気管内へと突出させた状態で
固定される。そして、排気管中の排気ガスはプロテクタ
9の各長孔9Aを介してジルコニアチューブ5の周囲に導
入される。このとき、排気ガスは空気と燃料との混合気
を燃焼させた廃ガスであるから、この排気ガス中の酸素
濃度は低下しており、ジルコニアチューブ5内側の大気
と外側の排気ガスとの間には酸素濃度に大きな差が生じ
る。
このため、該ジルコニアチューブ5の外側電極7、内側
電極8間には起電力が生じ、この起電力は検出信号とし
て、コンタクトプレート10、リード線11を介してコント
ロールユニットへと出力され、空燃比をフィードバック
制御するのに用いられる。この場合、前記検出信号は第
6図に示すように、空燃比が小さい(リッチ)ときには
燃料が過濃となって、不完全燃焼を起すから、排気ガス
中の酸素濃度は大幅に低下し、700〜900mV程度まで上昇
し、逆に、空燃比が大きくなった(リーン)ときには燃
料が希薄となって、燃焼に関与しない酸素が排気ガス中
に残留するから、酸素濃度はそれ程低下せず、50〜60mV
程度まで急激に降下する。そして、この空燃比はコント
ロールユニットにより検出信号が450mV程度に維持され
るようにフィードバック制御される。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、上述した従来技術では、例えば北米等の諸外
国市場にあっては、鉛等の有害成分を多量に含んだガソ
リンを燃料として使用しているため、この鉛等の有害成
分が排気管内に排気ガスと共に排出されてしまい、ジル
コニアチューブ5の外側面に鉛等が付着して、酸素セン
サ14の応答性が悪くなるという不都合が発生している。
即ち、通常酸素センサ14は空燃比がリッチからリーンへ
と変化するとき、第6図中に実線で示す特性線の如く検
出信号が、例えば600mVから300mVへと100mS程度の応答
時間tをもって低下する。しかし、鉛等の付着により応
答性が悪くなると、検出信号は点線で示す特性線のよう
に変化し、例えば200mS以上の応答時間t1をもって600mV
から300mVへと低下するようになる。
然るに、上述した従来技術では、酸素センサ14の自己診
断機能を備えていないため、応答性が悪くなったか否か
を判定できず、コントロールユニットで空燃比のフィー
ドバック制御を行うときに、実際の空燃比がリッチとな
っているにもかかわらず、応答性の遅れによってさらに
空燃比をリッチ化(燃料噴射量を増量)することがあ
り、大気汚染の原因になるという問題がある。
本考案は上述した従来技術の問題に鑑みてなされたもの
で、本考案は鉛等の付着によって酸素センサの応答性が
悪化したとき等に、これを簡単に自己診断できるように
した酸素センサの自己診断装置を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上述した課題を解決するために本考案が採用する構成
は、排気管の途中に設けられ、排気ガス中の酸素濃度を
検出する酸素センサと、該酸素センサの上流側に位置し
て前記排気管の途中に設けられ、該排気管内で排気ガス
の流れを増速させる絞り部と、該絞り部の近傍に位置し
て前記排気管の途中に設けられたエア導入口と、該エア
導入口を介して前記排気管の途中に設けられ、前記絞り
部により増速された排気ガスの流れを利用して前記排気
管内に大気を導入させるエアバルブと、エンジンの運転
領域が前記酸素センサによる空燃比の制御領域にあるか
否かを判定する運転領域判定手段と、該運転領域判定手
段によって空燃比の制御領域外であると判定したとき
に、前記エアバルブを開弁させて排気管内に大気を導入
するエアバルブ作動手段と、該エアバルブ作動手段によ
ってエアバルブを開弁させたときに、前記酸素センサの
応答時間が所定時間を越えるか否かを判定することによ
り、前記酸素センサの故障診断を行う応答時間判定手段
とからなる。
〔作用〕
上記構成により、エンジンの運転領域が酸素センサによ
る空燃比の制御領域外であると運転領域判定手段で判定
したときに、エアバルブ作動手段がエアバルブを開弁さ
せ、エア導入口から排気管内に大気を導入するようにな
る。そして、排気管内を流れる排気ガスの速度は絞り部
によって増速されているから、前記エアバルブの開弁に
よりエア導入口から導入される大気は、排気ガスの流れ
に引っ張られるように比較的大きな流量で排気管内に流
入するようになる。
この結果、酸素センサの周囲には排気ガスと共に大流量
の大気が導びかれ、空燃比はリッチからリーンへと急激
に変化するようになり、酸素センサが正常なときには検
出信号が短時間(例えば100mS程度)で変化する。ま
た、酸素センサが異常となったときには検出信号が、例
えば200mS以上の応答時間をもって変化するようになる
から、このときの応答時間に基づき応答時間判定手段で
酸素センサが異常(故障)となっているか否かを簡単に
判定することができる。また、この判定処理はエンジン
の運転領域が酸素センサによる空燃比の制御領域外にあ
るときに行うので、空燃比のフィードバック制御を妨害
したりするのを防止することができる。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を第1図ないし第4図に基づいて
説明する。なお、実施例では前述した従来技術と同一の
構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するも
のとする。
而して、第1図ないし第3図は本実施例の第1の実施例
を示している。図中、21はエンジン本体を示し、該エン
ジン本体21は、シリンダ22と、該シリンダ22上に搭載さ
れたシリンダヘッド23と、シリンダ22内を往復動し、該
シリンダヘッド23との間に燃焼室24を画成したピストン
25と、該ピストン25の往復動に応じてシリンダヘッド23
内の吸気ポート23A、排気ポート23Bを開、閉する吸気弁
26、排気弁27とから大略構成されている。28はエンジン
本体21の吸気ポート23Aと接続された吸気マニホールド
等からなる吸気管を示し、該吸気管28には吸気ポート23
Aと近接した位置に噴射弁29が設けられ、該噴射弁29は
燃料ポンプ(図示せず)からの燃料を噴射し、吸入空気
との混合気を燃焼室24内に吸入させるようになってい
る。
30はエンジン本体21の排気ポート23Bと接続された排気
マニホールド等からなる排気管を示し、該排気管30には
その途中に酸素センサ14が取付けられ、燃焼室24からの
排気ガスをマフラー(図示せず)等を介して外部に排出
するようになっている。また、該排気管30の途中には酸
素センサ14の上流側に位置してエア導入口30Aが径方向
に突出形成され、該エア導入口30Aは後述のエアバルブ3
2を開弁したときに、排気ガスの矢示A方向の流れを利
用して、外側の大気(エア)を矢示B方向に吸こませる
ようになっている。
31はエア導入口30Aよりも僅かに上流側に位置して排気
管30内に設けられた絞り部で、該絞り部31は排気管30の
上流側から下流側に向けて漸次縮径する筒状の截頭円錐
形状に形成され、例えばエンジン本体21の高回転,高負
荷時等に排気管30内を矢示A方向に流れる排気ガスに絞
り作用を与え、その流れを増速させることにり、エア導
入口30Aから矢示B方向にエアを効果的に吸引させるよ
うになっている。また、エンジン本体21の低回転,低負
荷時等では排気ガスの流量も減少しているから、絞り部
31はこの排気ガスに絞り作用を与えることはなく、この
排気ガスを矢示A方向にスムーズに流通させるようにな
っている。
32はエア導入口30Aの先端に設けられたエアバルブで、
該エアバルブ32はソレイノド弁等からなり、常時は閉弁
してエア導入口30Aを閉じ、後述のコントロールユニッ
ト33から開弁信号が出力されたときに開弁して時間T、
例えば1秒間程度だけ大気を排気管30内に導入し、排気
ガス中の酸素濃度を瞬間的に高めて、空燃比をリーン化
傾向するようになっている。
次に、33は例えばマイクロコンピュータによって構成さ
れるコントロールユニットを示し、該コントロールユニ
ット33は第2図に示す如く、その入力側がエンジンスイ
ッチ34、クランク角センサ35、エアフロメータ36および
酸素センサ14等と接続され、出力側が噴射弁29、エアバ
ルブ32および運転室内の警報手段としての警告灯37等と
接続され、電源としてはバッテリ(図せず)と接続され
ている。そして、該コントロールユニット33はクランク
角センサ35によるエンジン回転数Nとエアフロメータ36
による吸入空気量Qとから基本噴射量Tpを、 Tp=K×Q/N ……(1) ただし、K:定数 として演算すると共に、噴射弁29による燃料の噴射量Ti
を Ti=Tp×α×α′×COEF+Ts ……(2) ただし、α:空燃比フィードバック補正係数 α′:基本空燃比学習補正係数 COEF:各種補正係数 Ts:バッテリ電圧補正係数 として演算し、その演算結果に基づき、所定のパルスデ
ューティをもった噴射パルスを噴射弁29に出力して燃料
噴射量を制御するようになっている。
ここで、空燃比フィードバック補正係数αは酸素センサ
14からの検出信号に基づき、空燃比(λ=1)となるよ
うに制御するものであり、これによって、噴射弁29から
の燃料噴射量は常に増減され、酸素センサ14からの検出
信号を従来技術で述べた如く第6図に示す特性線に沿っ
て、例えば450mV程度の値を常に上、下するようにな
る。また、空燃比のフィードバック制御領域、即ち酸素
センサ14を用いた制御領域はエンジンの運転領域にあっ
て、所定の運転状態を満たした通常走行時等に対応する
ものであり、このときには前記(2)式中の空燃比フィ
ードバック補正係数αを酸素センサ14からの検出信号に
基づいて常に変化させている。
そして、エンジン本体21の高回転、高負荷時等では空燃
比を理論空燃比よりもリッチ化傾向として、エンジン出
力等を高める必要があるから、この場合にはコントロー
ルユニット33はクランク角センサ35によるエンジン回転
数Nや前記(1)式による基本噴射量Tp等からエンジン
の運転領域がフィードバック制御領域外にあると判定し
て、前記(2)式中の空燃比フィードバック補正係数α
を一定値に固定し、基本空燃比学習補正係数α′や各種
補正係数COEF等によって噴射量Tiを、例えば増加させ
る。
また、該コントロールユニット33はその記憶回路内に第
3図に示すプログラム等が格納され、後述の酸素センサ
診断処理により酸素センサ14の応答時間が所定時間を越
えたか否かを判定し、越えたと判定したときには警告灯
37を点灯させて、運転者に酸素センサ14が異常となって
いることを警告させる機能を有している。
本実施例による酸素センサ14の自己診断装置は上述の如
き構成を有するもので、次に第3図を参照して酸素セン
サ14の診断処理動作について説明する。
まず、エンジンスイッチ34のONにより酸素センサ診断処
理をスタートさせ、ステップ1で所定のサンプリング時
間、例えば10分程度を経過する度毎にステップ2に移
り、クランク角センサ35からのエンジン回転数Nが所定
の高回転数N1、例えば3500rpm程度を越えたか否かを判
定し、ステップ2で「YES」と判定されたときにはステ
ップ3に移り、前記(1)式による基本噴射量Tpが所定
値βを越えたか否か、即ちエンジンの運転状態が高負荷
状態にあるか否かを判定する。
そして、ステップ3で「YES」と判定されたときには、
エンジン本体21が高回転、高負荷状態にあるから、エン
ジンの運転領域は酸素センサ14によるフィードバック制
御領域外にあると判定できる。そこで、ステップ4に移
ってエアバルブ32をT時間、例えば1秒間程度開弁さ
せ、エア導入口30Aから排気管30内に大気(エア)を矢
示B方向に導入して排気ガス中の酸素濃度を瞬間的に高
める。この場合、エンジン本体21は予めステップ2、ス
テップ3に基づき高回転、高負荷状態にあり、空燃比は
リッチ化傾向となっているから、エアバルブ32によるエ
アの導入によって空燃比を瞬間的にリーン化傾向とし、
酸素センサ14からの検出信号を第6図に示した如く、例
えば800mV程度から100mV程度以下の出力電圧レベルまで
低下させる。
そして、この間の出力電圧をステップ5で酸素センサ14
から読み込み、ステップ6に移ってこの出力電圧が600m
Vから300mVまで低下する時間を応答時間tとして計測
し、ステップ7でこの応答時間tが、例えば200mS程度
の所定時間toを越えているか否かを判定する。そしてス
テップ7で「YES」と判定したときには、応答時間tが2
00mS程度の所定時間toを越え、第6図に点線で示した特
性線の如く応答性が悪くなっており、酸素センサ14に鉛
等が付着していると診断できるので、ステップ8に移っ
て警告灯37を点灯させ、運転者に酸素センサ14を取換え
るべきことを警報し、ステップ9で酸素センサ診断処理
を終了させる。また、ステップ1、ステップ2、ステッ
プ3またはステップ7のいずれかで「NO」と判定したと
きには、再びステップ1に戻って前述したステップ1以
降の処理を続行させる。
而して本実施例では、エンジン本体21が高速回転し、高
負荷状態にあって、運転領域が酸素センサ14によるフィ
ードバック制御領域以外にあると判定したときに、エア
バルブ32を開弁させて排気管30内に大気(エア)を導入
し、空燃比がリッチからリーンへと変化するのを酸素セ
ンサ14からの出力電圧の変化として読込み、このときの
応答時間tが200mS程度の所定時間toを越えたか否かを
判定すう構成としたから、酸素センサ14の応答性が鉛等
の付着により悪くなっているか否かを簡単に診断でき、
応答性が悪化しているときには警告灯37等を点灯させる
ことによって、運転者に酸素センサ14を取換えるべきこ
とを即座に警報でき、大気汚染等の問題を解消できる。
また、上記診断処理は運転領域が酸素センサ14による空
燃比の制御領域外にあるときに行うので、通常時での空
燃比制御等を妨害したりするのを防止できる。
さらに、排気管30の途中にはエア導入口30Aよりも僅か
に上流側に位置して絞り部31を設け、エンジン本体21の
高回転、高負荷時等に矢示A方向に流れる排気ガスに絞
り作用を与え、排気ガスの流れを増速させるようにした
から、エアバルブ32の開弁時には矢示A方向に流れる排
気ガスの高速流れを利用して、エア導入口30Aからエア
を効果的に吸引させることができ、排気ガス中の酸素濃
度を大幅に高めることができる等、種々の効果を奏す
る。
なお、前記第1の実施例では、第3図中のステップ2,3
が運転領域判定手段の具体例であり、ステップ4がエア
バルブ作動手段の具体例であり、ステップ7が応答時間
判定手段の具体例であるが、本考案はこれらの各ステッ
プに限定されるものではなく、差動増幅器、電圧比較回
路等のハード回路によって構成してもよい。
次に第4図は本考案の第2の実施例を示し、本実施例の
特徴は排気管41の途中に酸素センサ14よりも上流側に位
置して絞り部42を設け、該絞り部42の途中にエア導入口
43を開口させたことにある。ここで、絞り部42は排気管
41の内周側に凸湾曲状に形成され、軸方向両端側が大径
となり、軸方向中間部に向けて漸次縮径されている。そ
して、エア導入口43は絞り部42の軸方向中間部に開口
し、該エア導入口43の突出端には前記第1の実施例と同
様にエアバルブ32が設けられている。
かくして、このように構成される本実施例でも前記第1
の実施例とほぼ同様の作用・効果を得ることができる
が、特に本実施例では、絞り部42の途中にエア導入口43
を開口させたから、絞り部42内を矢示A方向に流れる排
気ガスの流れを利用して、エア導入口43から矢示B方向
により効果的にエアを吸引させることができる。
なお、前記第2の実施例では、絞り部42の最狭部となる
軸方向中間部にエア導入口43を開口させるものとして述
べたが、これに替えて、エア導入口43を第4図に示す位
置から僅かに前,後にずらして開口させてもよく、この
場合でもほぼ同様の作用,効果を得ることができる。
〔考案の効果〕
以上詳述した通り、本考案によれば、酸素センサの上流
側に位置して排気管の途中に、該排気管内で排気ガスの
流れを増速させる絞り部と、該絞り部の近傍に位置した
エア導入口と、前記絞り部により増速された排気ガスの
流れを利用して前記排気管内にエア導入口から大気を導
入させるエアバルブとを設け、さらにエンジンの運転領
域が前記酸素センサによる空燃比の制御領域にあるか否
かを判定する運転領域判定手段と、該運転領域判定手段
によって空燃比の制御領域外であると判定したときに、
前記エアバルブを開弁させて排気管内に大気を導入する
エアバルブ作動手段と、該エアバルブ作動手段によって
エアバルブを開弁させたときに、前記酸素センサの応答
時間が所定時間を越えるか否かを判断することにより、
前記酸素センサの故障診断を行う応答時間判定手段とを
備える構成としたから、前記運転領域判定手段でエンジ
ンの運転領域が酸素センサによる空燃比の制御領域外に
あると判定したときに、エアバルブを開弁させることに
より前記絞り部で増速された排気ガスの流れを利用して
前記排気管内にエア導入口から大気を大きな流量で導入
でき、酸素センサ周囲の空燃比をリッチからリーンへと
急激に変化させることができる。
そして、例えば排気ガス中に含まれる鉛等の成分が酸素
センサに付着し、該酸素センサの応答性が悪くなったよ
うな場合には、前記応答時間判定手段で酸素センサの応
答時間が所定時間を越えるか否か判定することにより、
該酸素センサの故障診断を簡単に、かつ正確に行うこと
ができ、応答性の悪い故障時には警告灯等によって酸素
センサを取替えるべきことを即座に知らせることができ
る。また、正常時には酸素センサによる空燃比の制御を
続行させ、空燃比制御の信頼性を向上できると共に、大
気汚染の問題を解消できる等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本考案の第1の実施例を示し、第
1図はエンジンの吸、排気側等を示す縦断面図、第2図
は自己診断装置等のブロック図、第3図は診断処理を示
す流れ図、第4図は第2の実施例を示し、排気管等を示
す縦断面図、第5図および第6図は従来技術を示し、第
5図は酸素センサの縦断面図、第6図は検出信号の特性
線図である。 14……酸素センサ、21……エンジン本体、28……吸気
管、29……噴射弁、30,41……排気管、30A,43……エア
導入口、31,42……絞り部、32……エアバルブ、33……
コントロールユニット。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気管の途中に設けられ、排気ガス中の酸
    素濃度を検出する酸素センサと、該酸素センサの上流側
    に位置して前記排気管の途中に設けられ、該排気管内で
    排気ガスの流れを増速させる絞り部と、該絞り部の近傍
    に位置して前記排気管の途中に設けられたエア導入口
    と、該エア導入口を介して前記排気管の途中に設けら
    れ、前記絞り部により増速された排気ガスの流れを利用
    して前記排気管内に大気を導入させるエアバルブと、エ
    ンジンの運転領域が前記酸素センサによる空燃比の制御
    領域にあるか否かを判定する運転領域判定手段と、該運
    転領域判定手段によって空燃比の制御領域外であると判
    定したときに、前記エアバルブを開弁させて排気管内に
    大気を導入するエアバルブ作動手段と、該エアバルブ作
    動手段によってエアバルブを開弁させたときに、前記酸
    素センサの応答時間が所定時間を越えるか否かを判定す
    ることにより、前記酸素センサの故障診断を行う応答時
    間判定手段とから構成してなる酸素センサの自己診断装
    置。
JP1989083842U 1989-07-17 1989-07-17 酸素センサの自己診断装置 Expired - Lifetime JPH0750707Y2 (ja)

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