JPH07502645A - 有糸分裂後ヒトニューロンの純粋培養物の製造 - Google Patents
有糸分裂後ヒトニューロンの純粋培養物の製造Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
10 請求項5に記載の方法にしたかって製造された安定な有糸分裂後ヒトニコ
ーロン細胞。
11 前記プラスミドかβ−カラクトシダーセ発現プラスミドを含む請求項5に
記載の方法。
12、請求項11に記載の方法にし、たがって製造された安定な有糸分裂後ヒト
ニューロン細胞。
13 実質的に全部か少なくとも1種類のトランスフェクトされた外因性遺伝子
を含む安定なを糸分裂後ヒトニューロン細胞。
明 細 書
有糸分裂後ヒトニューロンの純粋培養物の製造卒論
本発明は、N I H認可番号N518616によって提供された研究中に得ら
れた。本発明の当然の権利は政府にある。
窪贋
成執哺乳動物ニューロンは細胞分裂することかできないし、しかも、嗅覚ニュー
ロンを除いては、成体神経系の幹細胞から発生することは有り得ない。したかっ
て、ニューロン特性を有する連続的に分裂するクローン細胞系は、神経生理学者
か神経系のはとんと全ての態様を研究するのに極めて有用であることか分かった
。
このような細胞系は、多数の同種細胞の発生および遺伝子転移によるこれらの細
胞の操作によって、異種遺伝子産物を発現する新規の誘導体の生成を可能にする
。
これらの利点は種々のニューロン細胞系の開発および特性決定をもたらし、その
いくつかは細胞生物学、生化学および分子生物学の研究に有用であった。これら
の異なる細胞系の有用性およびニューロン表現型の外観に近づくそれらの能力は
広範に変化する。しかしながら、過去十年間にわたって行なわれた研究は、細胞
系の有用さが、主として二つの特性、すなわち、(1)特定の細胞系か有糸分裂
後ニューロンに似ている程度、および(2)倍加時間に依ることを示した。しば
しば、これら二つの重要な特性は逆の関係にある。ニューロンの多数の分化した
性質は、幹細胞か有糸分裂後になるまではインヒポにおいて完全に明確になって
いるとは言えない。しかしなから、速やかに分裂するニューロン細胞系は、通常
、最終的に分化した非分裂性ニューロンの表現型性質を持たない代わりに、それ
らは、しばしばインヒポにおいて神経芽細胞または胚ニューロンに似ている。例
えば、多数のこれらの細胞系は未熟細胞骨格と一緒に未熟神経突起(neuri
te)を生成するか、有糸分裂後ニューロンの形態学および神経突起の分化かほ
とんと存在しない。それにもかかわらず、それらは速やかに分裂するので、これ
らの細胞系は生化学およびトランスフエクンヨン実験に有用である。中枢(CN
S)および末梢(PNS)神経系の多数のニューロン細胞種の天然に存在する新
生物形成誘導体は、通常、このall(例えば、神経芽細胞腫、クロム親和性細
胞腫および髄部細胞腫)に入る。もう一方の種類として、HCNIで例示された
細胞系かある(口不ツト(Ronnett)ら、1990.5cience、2
48603〜605)。これらの細胞は分化したニューロンの多数の特性を有す
るが、それらはゆっくりと分裂するので(すなわち、未分化の場合、倍加時間7
2時間)、それらは多数の実験操作で扱いにくい。ニューロン細胞系の古典的な
例であるPCI2細胞でさえも、NGFの除去によって、それらのより少ないニ
ューロンの速やかに分裂する表現型に逆戻りする(グリーン(Greene)お
よびティンニラ−(Tischler)、1982、Advances in
Ce1lular Neurobiolo 、S、フエデロフ(Fede ro
r f)および■、 ハーフ(Hertz)監修、アカデミツク・プレス(A
cademicPress)、 ニューヨーク)。
近年、開発中に一時的に見出される特定のニューロン前駆体を不死化するために
多大な努力か成された(最近の論評に関しては、セブコ(Cepko)、Ann
、Rev、Neuro、、12:47−65.1989;またはレンダール(L
endahl)およびマツケイ(McKay) 、TlN5.13 :132〜
137.1990を参照されたい、そして具体的な例に関しては、ハートレット
(Bartlett) ら、 Proc、Nat 1. Acad、Sci、
USA。
85:3255−3259.1988;フレデリクセン(F rede r i
cksen)ら、Neuron、1:439−448.1988:ピレン(B
irren)ら、Neuron、4:189−201 (1990);ハマング
(Hammang)ら、Neuron、4ニア75−782.1990;ライダ
ー(Ryder)ら、J、Neurobiol、、21.:356−375.1
990;o (LO)呟Dev、B i o 1.、]J5 :139−153
.1991を参照されたい)。このアプローチは、これらの細胞系か、発生の特
定段階での具体的な細胞種の特性に近いと考えられるので特に有効である。既に
、重要な発生機能を助けることかできる新規の分子は、これらの新規の細胞系を
用いて単離された(ノヨンソノ(Johnson)ら、Nature、346:
858−861.1990、レンダールら、Ce l 1.60 : 585〜
595.1990)。しかしながら、MAH細胞を例外として(ヒレンら、Ne
uron、4:189−201 (1990)、この方法を用いて生成された細
胞系の更にニューロン分化する能力には限界がある。むしろ、それらは、ニュー
ロン系統の発生において特定の分岐点を調へるのに一層有用であると考えられる
。
ニューロン表現型の決定に影響を与えるニューロン成熟の過程および固有因子の
分析に理想的な細胞系は、速やかに分裂する結果として多量に増殖し且つ外因性
遺伝子産物を発現する安定な細胞集団を生しるようにトランスフェクトすること
かできるものであると考えられる。分化を促進する物質による誘導の際に、この
理想的な細胞系は細胞周期を離れ、ニューロン表現型に対して不可逆的に委ねら
れ、そして安定な有量分裂後状態で存在する。次に、これらの細胞は広範な神経
突起を生成し且つ培養中の主要なニューロンと同様の状態まで成熟すると考えら
れる。
肝癌細胞系は上記基準のいくつかを満足させる。ネズミおよびヒト双方の胚腫瘍
に由来したこれらの細胞は、ある種の条件下(通常、レチノイン酸(retin
oicacid) [RA ]による処理を含む)におかれた場合に1種類また
はいくつかの細胞種に分化する未分化多能性細胞からなる。この過程は、インビ
ボにおいて見出される種々の表現型に対して実際に委ねられることに似ている。
これらの細胞種としては、しばしば、分化の様々な段階でのニューロン、ダリア
、筋および/または内皮細胞かある。したかって、神経生理学者にとってのそれ
らの有用性は、それらの異質性によって制限される。ヒト奇形癌細胞系であるN
Tera2/D1 (NT2)は、それらかRAに応答して表現型を変化するこ
とかできるという点で、そのネズミ対応物と共通の特性を有する。しかしながら
、大部分のネズミ胚癌細胞系とは異なり、NT2細胞をRA焙処理た後に見出さ
れる唯一の識別しInves t、、50 :147−162 (1984):
リー(Lee)およびアントルーズ、J、Neurosc±、、6:514−5
21 (1986))。残念ながら、従来の研究のいずれにおいても、これらの
ニューロンは一部分の細胞であるにすぎないし、そしてそれらは分裂性大型偏平
細胞の大型の未同定集団および残数の未分化幹細胞と共存していた(アンドルー
ズ、1984)。
発明犯盟!
レチノイン酸による処理および1次培養技術(組織培養プラスチックに対する分
別付着および有糸分裂阻害剤による処理を含む)を用いて、高度に精製されたニ
ューロン集団をヒト奇形癌細胞系から得る。この培養法は、高度に分化した有糸
分裂微細胞を生成することができる。未分化細胞をβ−カグラクトシダーゼ(β
−ga I)発現プラスミドでトランスフェクトした場合、β−ga1発現は、
未分化細胞および有量分裂後細胞双方において存在することが分かった。したか
って、未分化細胞中への発現プラスミドのトランスフェクシタンは、外因性遺伝
子産物の細胞中への導入を許し、次に、その細胞が安定な有糸分裂後ヒトニュー
ロンになるように誘導することができる。
区面凶税朋
図1は、RA焙処理れたNT2細胞からNT2−N細胞の純粋培養物を生成する
方法の略図である。
図2A−Fは、図1で示した方法の途中で起こる形態学的変化を示す位相差光学
顕微鏡写真である。A、未処理NT2細胞、B1リプレー)(Replate)
#1後のNT2細胞(下方の付着細胞上にある塊の丸い相明細胞に注目されたい
)、C1リブレート#11日(多数の細胞が多数のヒト神経芽細胞腫細胞系と同
様の痕跡突起を生成し始めたことに注目されたい)、D、リブレート#2後7日
(非ニューロン細胞は死滅し始め、ここで培養物はニューロン様NT2−N細胞
によって支配される)、E、リブレート#2後30日(大部分の細胞がニューロ
ンの形態学を示し且つ大型の凝集体に移行したこと並びに広範な突起成長が生じ
たことに注目されたい)、F、これらの細胞の典型的なニューロン形態学を示す
NT2−N細胞の高倍率光学顕微鏡写真。矢印は、図2Fでの細胞から出ている
軸索に似た長く細い先細でない突起を示している。くさび型は、樹状突起に似た
2本の主な突起を示している。Eにおける棒線はA−Eに対して適用され且つ2
00μmであり、モしてFにおける棒線は30μmである。
図3A−Cは、NT2およびNT2−N細胞のBrDU標識の結果を示す。A、
BrDLIて標識され且つBU−1で染色された未分化NT2細胞。B、BrD
Uで標識され且つBU−1で染色されたNT2−N細胞。C1抗NF−L抗血清
で標識されたBと同一の視野。Cにおける棒線は200μmである。
図4A−Fは、NT2−N細胞におけるニューロンマーカーの発現を実証する免
疫細胞化学的結果を示す。AおよびB、マウス抗N F −MmA bであるR
MO254と、NF−66に対して生したウサギ抗血清である抗NF−66とに
よる二重標識、ClIWM3G5、マウス抗MAP1b mAb;DSAP14
、マウス抗MAP2 mAb : E、A2 BS 、多数のニューロン上で見
出されたガングリオシドに特異的なマウスmAb:F、T14、マウス抗tau
mAb、Fにおける棒線は30μmである。
図5は、NT2−N細胞における細胞骨格マーカーの発現のイムノプロント分析
の結果を示す。列1〜6は6%5DS−PAGEケルにより、列7〜13は10
%5DS−PAGEケルによる。1、抗MAP1b mAbであるIWM 3G
5てプロットしたNTI−N細胞からの細胞骨格抽出物20μgおよび2、ウシ
NI A P S a 3、抗MAP2 mAbであるAP14でプロットした
細胞骨格抽出物20μgおよび4、ウシMAP2゜5、抗NF−MmAbである
RMO254てプロットした細胞骨格抽出物10μmおよび6、ヒト神経根IF
標品。7、ヒトNF−Lに対して生した抗血清である抗NF−Lでプロットした
細胞骨格抽出物20μgおよび8、ヒト神経根中間体フィラメント標品。9、ラ
ットN166に対して生した抗血清である抗NF−66でプロットした細胞骨格
抽出物20ugおよび10、ウシNF−66゜11、抗tau mAbであるT
14でプロットした精製成人tau:12、精製ヒト胎児tauおよび13、細
胞骨格抽出物60μg、MWマーカーは指示されたようにkDである。
図6 軸索および樹状突起に関するマーカーで染色されたNT2−N細胞の同焦
点顕微鏡検査。AおよびBは、HO14(緑色)およびRMd020 (赤色)
て染色された顕微鏡視野を示す。HO14は、高リン酸化状態のNF−Mに特異
的なラットmAbであり、RMd020は、低リン酸化状態のNF−Mに特異的
なマウスmAbである。Cは、HO14と、MAP2に特異的なマウスmAbで
あるAP14とて染色された細胞の高倍率視野を示す。これらの像は、各チャン
ネルの個別のデータを集めた後、それらを−緒にし、そして計算機で作成された
擬色をそれらに与えることによって作成された。Cにおる棒線は、Cに対して適
用された場合25μmであり、AおよびBに対して適用された場合50μmであ
る。
図7 リブレート#2の5週間後のNT2−N細胞培養物の3H−ウリジン標識
。A(低倍率)およびB(高倍率)は、ホフマン・モジュレーション・コントラ
スト(Hoffman Modulation Contrast)光学を用い
て作成されたNT2−N細胞の光学顕微鏡写真である。標識された細胞および突
起は、NTB−2エマルジヨンオートラジオグラフイーによる銀色粒子のために
暗灰色または黒色に見える。Aは、標識された細胞本体および樹状突起(くさび
形)を含む細胞の視野を示し、多数の未標識軸索突起(若干の例を矢印で示す)
が該視野および培養皿上の他の所の細胞塊から出ている。Bは、若干の細胞の高
□倍率写真を示す。これらの細胞の一つからの樹状突起をくさび形を用いて示
した。
Aにおける棒線は、Aに適用された場合50μmであり、Bに適用された場合1
00μmである。
図8A−Dは、リブレート#3後の神経突起再生を示す写真である。A、マトリ
ゲル(Ma t r i ge I)上でリブレート#3後1週間増殖させたN
T2−N細胞。B1ポリ−D−リシン上でリブレート#3後1週間増殖させたN
T2−N細胞。図6Dの矢印は偏平な非ニューロン細胞を示す。Dにおける棒線
はA、BおよびDに関し且つ200μmである。Cにおける棒線は30μmであ
る。
図9A−Cは、ホフマンモジュレーションコントラスト顕微鏡検査を用いるX−
ga 1組織化学によって可視化されたNT2−9PUD細胞のβ−ga1発現
を示す写真である。A、RA処理前のNT2−8PUD細胞。BおよびC1リブ
レート#2後のNT2−3PUD!II胞。Cにおける棒線は、AおよびCに適
用された場合100μmであり、そしてBに適用された場合50μmである。
問−q説朋
ヒト奇形癌細胞系(NTe r a 2/C1,D 1またはNT2細胞)を、
レチノイン酸(RA)による処理後に操作して、95%を越えて純粋なニューロ
ン細胞(NT2−N細胞)培養物を生成した。
これらの安定な合糸分裂後細胞の高度に精製された培養物の生成を図1において
模式図によって概説する。未分化NT2細胞を最初に平板培養した場合、それら
は粒状外観を有する相暗細胞(phase dark cells)として見え
た(図2A)。
RA処理の4週間後に、細胞は極度に密集した多層培養物を形成した。次に、こ
れらの培信物を分散させ且つより低密度でリブレートして、細胞の多数の層の中
央に埋没していたNT2−N細胞を解放した。この処理の後、NT2−N細胞は
偏平細胞層上に小型の川明細胞として見えた(リブレート#11図2B)。RA
処理後のこの時点まで(すなわち、リブレート#1)のNT2細胞の誘導、分化
パラダイムおよび初期の形態学的外観を予め詳細に検査した(アントルーズら、
1984年、アントルーズ、1984年)。リブレート#1後の細胞の約5%は
、ニューロン特異的マーカーの存在によって判定されるニューロンである。これ
らのニューロンを更に増加させるために、本発明者は、小型の相明NT2−N細
胞かりプレート#1培養後の偏平細胞層にゆるく付着していて、機械的に除去し
且つ増加させることかできるという利点を用いた。この処理(リブレート#2)
は、主として小型の丸い川明細胞から成る培養物を生し、そのいくつかはヒト神
経芽細胞腫細胞系を連想させる短い突起を何していた(図2C)。この工程は、
ニューロン特異的酵素の測定によって検定したところ、ニューロン細胞を約4倍
増加させた。これらの培養物は、更に、未検査で増殖させた場合に小型の川明細
胞(phase bright cells)を上部に有する単層を徐々に形成
した未分化NT2細胞に似た若干の偏平細胞を含んだ。リブレート#2後、相明
NT2−N細胞は2週間以内に多数の突起を生長させ且つ大型の細胞凝集体を形
成し、そしてニューロン特異的マーカーの継続的存在によって決定したところ、
いずれの表現型復帰し全く示すことなく最大5か月間まで生育可能であった。し
かしなから、これらの培養物は、偏平細胞を何する汚染単層の存在ゆえに、リブ
レート#1由来の混合培養物にまさる有意の改良ではなかった。これらの分裂性
偏平細胞を排除するために、リブレート#2の後に培養物を複数の有糸分裂阻害
剤の組合せで処理した。
この処理はNT2−N細胞に対して作用しなかったか、それは偏平細胞の増殖を
完全に抑制した。したかって、はぼ全部の偏平細胞は排除され、広範な細胞質を
何する極めて少数の有糸分裂に関して有害な細胞か後に残った。2週間の処理で
、約95%の細胞か分化した二1−ロン、すなわち、NT2−N細胞てあった。
本発明者は、位相差顕微鏡検査によって概略的に得られたこの観察を、未分化N
T2細胞に対して(ケラチン8および18と反応するCam5.2)かまたはN
T2−N細胞に対して(低分子壜ニューロフィラメントタンパク質と排他的に反
応するウザギ抗NF−L)特異的な単クローン性抗体(mAb)を用いる二重染
色細胞培養物によって確認した。これらの実験は、N F −L抗血清で染色さ
れた多数のNT2−N細胞および、極めて希にのみ、Cam5.2で染色された
広範な細胞質を有する偏平細胞を示(7た。これらの細胞に対してポリーD−リ
シンまたはポリーD−リシンおよびラミニン(lasinin)よりも優れた基
質として役立ったマトリケル上で培養した場合、これらのほぼ純粋なNT2−N
細胞培養物は約10週間生育可能であった。
位相差顕微鏡検査を用いて様々な時間にこれらの培養物を検査した場合(図2D
およびE)、培養皿全体を覆う広範な神経突起網状構造の漸進的発生が観察され
た。初代ニューロン培養において記載した軸索突起と同様の細く先細でない長い
突起もまた明らかであった。図2Fで示されたように、これらの培養物中の単細
胞は、基部で太く且つ細胞本体から漸進的に先細りした突起を生成した(図2F
のくさび形)。更に、細く先細でない突起はこれらの細胞から出ていた(図2F
の矢印)。これら二つの形態学的に異なる種類の突起は、CNSおよびPNSニ
ューロンの初代培養の樹状突起および軸索にそれぞれ似ていた。これら2種類の
突起の樹状突起および軸索としての同一性は、それらが発現した軸索および樹状
突起の分子マーカーによって確証された(図6および7を参照されたい)。広範
な突起成長のこの期間中に、NT2−N細胞は、神経系の様々な部分からのニュ
ーロンの切代培養物に典型的な成長コーンを示した。純粋なNT2−N細胞のも
う一つの一貫した特徴はそれらの連動性であった。最初に、NT 2−NIll
胞は培養皿の全表面上に均一に分散していたか(図20)、時間か経つと、それ
らは互いに移動して大型の相互に連結した軸索の東を何する細胞凝集体を形成し
た(図2D)。単独かまたはラミニン含ず1のポリーD−リンン上て細胞を平板
培養した場合、それらは、体外培養されたガングリアに似た一層大型の凝集体を
形成した。
本発明者は、一連の実験においてリブレート#2から採集された細胞数を記録す
ることによって、多数のNT2−Ni胞を生成するこの新規の方法の再現性を検
査した。NT2細胞2xlO6個を播種したT75培養フラスコで開始する多数
の実験(n=9)に対して、1xlO−5M RAて4週間処理した後、リブレ
ート#1およびリブレート#2を行ない、そして本発明者は、平均48.9xl
O6個(s、e、 m、3. 3xlO’ 、n =9)の細胞を回収した。N
T2−N細胞数を推定するのに利用可能な技術の限界にもかかわらず、本発明者
の定量的データは、リブレート#2の後に回収された細胞の約20%かNT2−
N細胞であったことを示している。したかつて、T75当りの東向収量は細胞層
1− Ox106個であった。これまでのところ、この培養法は1週間間隔でほ
ぼ2年間再現されてきた。
NT2−N細胞か細胞分裂することかできなかったことを実証するために、NT
2−NW胞および未分化NT2細胞双方の培養物をプロモデオキシウリンン(B
rDU)と−緒にインキュベートし、そしてDNA中に取込まれたBrDUに対
するmAbを用いる間接免疫蛍光法によって、標識された核を可視化した。未分
化細胞からの50%を越える核か、BrDU標識の3時間後にmAbによって免
疫染色された(図3A/)。対照的に、純粋なリブレート#2培養物中には標識
されたN T 2、− N核か存在しなかったしく図3B)、20時間の暴露後
にも標識されなかった。史に、NT:2−N細胞か視野の中に存在することを示
すために、同冊胞をN F −Lに対する抗血清で染色した(図3C)、更に、
有糸分裂阻害剤から回収後の純粋な培養物中かまたは混合培養物中のNT2−N
細胞の可視検査ては、ニューロン細胞数の増加は全く検出されなかった。実際に
、本発明者は、NT2−N細胞の単−塊を3か月間にわたって追跡(7たか、全
培養期間中、培地中に有糸分裂阻害剤か不存在であり且つ10%ウシ胎児血清か
存在したにもかかわらす、細胞数の増加は検出されなかった。総合すると、これ
らのデータは、NT2−N細胞か有余分裂後であることを強く示唆している。
従来の研究により、NT2−N細胞の通塔の培養物(即ち、リブレート#1由来
の培養物−図1を参照されたい)か全細胞集団の少量成分から成ることか予想さ
れたくアントルーズ、1984年、リ−およびアントルーズ、1986年)。
従来、これらの細胞は、A2B’、にニューロンおよび若干のダリア細胞に特有
の細胞表面糖脂質を認識するmAb)によって認識された抗原であるニューロフ
ィラメントタンパク質を発現しくアントルーズ、1984年、リーおよびアント
ルーズ、1986年)Flつテトロトトキンン感受性Na”チャンネルを有する
ことか知られていた(レット(Rend t) 呟1989年)。本発明者は、
インヒポおよびイノヒドロでのニューロンの典型的ないくつかのマーカーの発現
を検査するように設計された実験においてNT2−N細胞の純粋な培養物を用い
て多数のこれらの知見を確証し且つ拡大した(表1)。周知の二、−ロフイラメ
ントトリブレントタンパク質(表11図30、・1Δおよび図5)に加えて、N
T2−N細胞は、ニューロン中間体フィラメント系列の2種類のより最近記載さ
れたメンバーであるNF−66(α−インターネキンンとしても知られている1
図4B)を発現したか、ベリフェリン(peripberin) (表1)を発
現しなかった。したかつて、NT2−N細胞は、NF−66かCNSにおいての
み豊富であるのてCNSニューロンに似ていてよいし、そしてベリフェリンは実
質的に全部のPNSニューロンにおいて見出される。NT2−N細胞は、更に、
いくつかのニューロン微小管関連タンパク質(MAP)、即ち、MAPIA、M
APIBSMAP2およびtauを発現した(表11図4C,DおよびF)。更
に、ニューロン膜または膜関連抗原はNT2−N細胞によって発現された。これ
らとしては、A2B5によってg1識された抗原(図4E)、NCAMにニュー
ロンおよびニューロン新生物によってしばしば発現されるもう一つの細胞表面分
子)およびGAP43 (成長コーン中で濃縮された成長関連タンパク質)があ
った。本発明者は、更に、NT2−N細胞が、ニューロンおよび神経内分泌細胞
の典型的な分泌活性のマーカーを発現したことを発見した(例えば、シナブトフ
ィシン(synaptophysin)および知モグラニン(chromogr
anin) ;表■)。シナブトフィシンは、古典的神経伝達物質を貯蔵し且つ
放出する小型の透明なノナブス小胞のマーカーであり、そしてクロモグラニンは
、神経ペプチドおよびカテコールアミン生合成に関与する更に大型の濃密−中空
の小胞に関するマーカーである。
表1は、その第一列に示したタンパク質に特異的な多数の抗体を用いてN72−
N細胞を検査した場合に得られた結果を示す。記号(+)は、NT2−N細胞中
の放出タンパク質を抗体が染色しおよび/またはプロットしたことを示す。記号
(−)は、適切な抗体がNT2−N細胞を染色しないことを示す。
表■
NT2ユゴリ旺D(D三ニューロン 現型のマーカータンパク質 抗体 結果
参考文献または抗体源NF−L ウサギ抗NF−L + トロヤノウスキ(Tr
o janowsk i)呟
Am、J、Patho1.135
747〜758 (1989)
、7:3474〜3488
ヒメンチン ウサギ抗ビメン +* プレシャー(Pleasure)チン ら
、J、Neurosci、。
10・2428〜2437
ベリフェリン ウサギ抗ペリフ バリセフ(parysek)ら、ニリン −J
、Neurosci、、g:55〜63 (1988)
GFAP 2.2B10 − クーら、J、Neurochem、。
42.25〜32 (1984)
ケラチン8 Cam5゜2 − ヘクトン・ディキンマンおよび18 (Bec
ton
Dickinson)
MAPIA HMI + ツーバー(Huber)およびマドウス(Matus
)、丈。
Neurosci−,4:151
〜160 (1984)
MAPIB IWM3G5 + L、バインダー(Binder)、未公開
MAP2 AP14 + ガイサート(Geisert)ら、Proc、Nat
1.Acad
Sci、USA、87:396
7〜3971 (1990)
209〜21.5(1989)
シナブトフィ 5Y−38+ ヘーリンガー・マンハイムノン (Boehri
nger
Mannheim)
クロモグラニン LKHIIO+ ヘーリノヵー・マンハイムGAP−439−
IEIO+ −fスリン(Goslin)ら、J、Neurosci、、10
588〜602 (1990)
カングリオノ/11?[35+ デュホア(Dubois)呟F’GT3 、J
、B i o 1.Chem、、。
265 : 2797〜2803
N−CAM ERIC−1+ パテル(Patel)ら、Biochem、So
c。
P S A−M e n B + テオトーシスNCAM (Theodos
i s)呟Proc、Nat 1.Acad。
Sc i、USA、(1991)
L 1 モルモント抗 + り一呟Neurosci、。
(NILE) NILE 6:2773〜2786*ウサギ抗ヒメンチンはNT
2−N細胞抽出物のウェスタンプロットで陽性であるか、間接免疫蛍光法によっ
てこれらの細胞を染色しない。この抗血清は池の細胞(未分化NT2細胞を含む
)中のヒメンチンを染色することができないので、ヒメンチンを有する同一フィ
ラメント中に集合した多量のNFタンパク質がNT2−N細胞中のヒメンチンの
反応性を隠していると考えられる。
免疫化学的研究を行って、上述のいくつかのマーカーの発現を確認しく図5)、
更には、生化学実験にNT2−N細胞を用いる可能性を実証した。NT2−N細
胞骨格抽出物のケルレプリカを用いて、本発明者は、MAPIB、MAP2、t
au、NF−L、NF−MおよびNF−66がこれらの細胞中に実際に存在した
ことを確認した。クーマン−ブルー(Coos+assie blue)染色さ
れたゲルは、図5のイムノプロット(i+n+aunoblot)と共に、NT
2−N細胞中のMAP2がウシMAP2の2種類のイソ型の下方と一緒に同時移
行することを示している。タンパク質分解に対するその感受性ゆえに、MAP2
がヒト組織から生化学的に同定されたことはなかった。それにもかかわらず、本
発明者は、NT2−N細胞がらのMAP2が、低リン酸化状態のMAP2である
MAP2bであるらしいと考えており、それは、発生の際に優勢であり且つウシ
MAP2標品中の2種類のMAP2ポリペプチドの更に迅速な移動に対応してい
る。図5は、更に、NT2−N細胞中で見出されたtauが、tauの成体型よ
りもむしろ胎児型に対応することを示している。胎児tauは、胚期間中に優勢
である分化によってスプライスされた形のtau mRNAから翻訳されている
。MAPIB (MAP5としても知られている)は胚MAPでもあり、成体中
にてはあるが大きく減少した濃度で持続している。NT2−N細胞は、低濃度の
MAPIAおよびNF−Hを発現しく表■)、これら2種類のタンパク質は発生
の際のそれらの発現においてアップレギュレートされるが、ヒトの神経系を含む
成体神経系におけるそれらの最高濃度を達成するにすぎない。この知見は、3種
類の胚MAPsおよびNF−66の発現と共に、NT2−N細胞の細胞骨格が胚
CNSニューロンのそれと似ていることを示唆する。
ニューロンの大部分の識別しつるおよび高度に分化した特徴の一つとしてそれら
の高度に分極した表現型がある。ニューロンは、典型的に、単一の軸索および多
数の樹状突起を有し、それらの形態学、それらが含む細胞小器官およびいくつか
の示差的に分布した分子マーカーによって区別することができる。例えば、細胞
本体および樹状突起(体−樹状突起トメイン)はリポソームを有する(したがっ
て、RNAを含む)が、軸索(軸索ドメイン)にはリポソームが存在しない。更
に、樹状突起中の微小管は両方向に配向されているか、軸索中のこれらは禾梢部
に配向(7たそれらの(+)末端を有する。最後に、軸索は高すン酸化NFタン
パク質およびtauに富むが、細胞本体および樹状突起は主として低リン酸化種
のNFタンパク質を有する。これらの相違はいずれも、主としてノナジス後突起
としての樹状突起および突出するシナプス前突起としての軸索の独特の機能の原
因となっていると考えられる。
培養中の3〜4週間後のNT2−N細胞の高度に分極した形態学ゆえに、本発明
者は、NT2−N細胞の突起か軸索および樹状突起に分化することかできるかど
うかを検査することにした。実際に、本発明者か同焦点顕微鏡検査を用いてNT
2−N細胞中のNF−Mのポスホーイソ型の分布を検査した場合、本発明者は、
高リン酸化NF−MはNT2−N細胞から出た長く細い突起中に優先的に見出さ
れるか、低リン酸化NF−Mは細胞本体および短い先細の突起中に見出されるこ
とを全県した(図6Aおよび6B)。更に、MAP2はNT2−N細胞の細胞体
および短突起中に独占的に局在している(図6C)。これらのタンパク質の非重
複分布は、図6の計算機で作成した重層擬色映像を用いると極めて明瞭に見える
。
細胞の体−樹状突起トメインは、低リン酸化NF−M (RMd020−図6A
および6B)およびMAP2 (AP14−図6C)に対するmAbで(赤色に
)染色されたか、高リン酸化N1−Mに特異的なmAbであるHO14ては(緑
色に)染色されなかった。逆に、図6に示された視野を通過する軸索はl−10
14によってのみ染色された。
NT2−N細胞か機能性樹状突起を有するかとうかを決定するために、樹状突起
の更に直接的な機能特性を検査をした。前述のように、樹状突起は、タンパク質
合成の変化によるシナプスシグナルに対してそれらか速やかに応答できるように
リポソームを蓄積する。これは、培養中のニューロンの樹状突起を標識するのに
311−ウリシンを用いることを可能にする。この技法を用いてNT2−N細胞
を標識し、そしてエマルションオートランオグラフィー後に、樹状突起に似た突
起は実際に銀粒子によって暗く標識されるか、長い突出した先細でない突起は標
識されないまま残ることが分かった(図7)。これは、NT2−N細胞か実際に
いくつかの基準によって決定されるような識別しうる樹状突起および軸索を有す
ることを実証する。一つの興味深い点は、NT2−N細胞中の細胞本体、樹状突
起および軸索のいたるところにtauが局在していることである(図4F)。こ
れは、培養中の交感神経および大脳ニューロンにおける知見とは異なるが、海馬
ニューロンにおいて観察されたことと全く同様である。したかって、培養中のあ
る種のニューロン(おそらく、tauが軸索に限定されているところにおいての
み)の軸索伸長にtauか不可欠であることは明らかであるが、軸索におけるt
auの機能的役割を決定するには更に別の実験が不可欠である。NT:2−N細
胞および海馬ニューロンのこの特性は、成体tauよりもむしろ胎児tauの発
現に関係しているかもしれない。
NT2−N細胞は未熟CNSニューロンのモデルでありうるので、それらの適応
性を評価する実験を実施した。NT2−N細胞の純粋培養物(リブレート#2後
1〜3週間増殖させた細胞)を酵素によって分離し且つリブレート(リプレー1
−#3)した場合、それらは神経突起を速やかに再伸長した。これらの突起は、
神経突起の緻密な網状構造かりプレート後1週間で形成されるまで伸長し続けた
(図8A)。神経突起の急速な生成および突起の網状構造の最終的な形成は、用
いられた生存基盤に大きく依存していることが分かった。例えば、急速な成長は
ポリーD−リジンおよびラミニンまたはマトリゲル基質上の細胞増殖で生じたが
、ポリーD−リンンのみては生じなかった。図8Bは、ポリーD−リノンのみて
増殖した細胞塊を図示する。7日後でも、これらの細胞は、先端が偏平な広い成
長コーンになっている極めて短い突起を有していた。20時間目に、マトリゲル
上のNT2−N細胞はそれらの突起を伸長し始めた(図8C)。NT2−N細胞
における神経突起再成長に対するマトリケル(またはラミニン)およびポリーD
−リノンのこれらの示差的作用は、培養中の種々のPNSおよびCNSニューロ
ン細胞に対するラミニンの周知の神経突起成長促進作用と一致する。多数のリブ
レート後の神経突起を再生するNT2−N細胞の能力は、それらが未熟ニューロ
ンの適応性を保持することを示す。更に、リブレート#3は、より純粋な培養物
の利用可能性に応した将来の実験の追及を可能にするNT2−N細胞の一層純粋
な培養物を得る手段を我々に与える。
下層(substratum)に加えて、非ニューロン細胞は神経突起成長促進
においである役割を果たしており、これはリブレート#3培養物において最も明
らかである。本発明者は、ポリーD−リノンのみてリブレートされたNT2−N
細胞が、これらの培存物中で見出される極めて希な非ニューロン細胞の回りに密
集したことおよびNT2−N細胞塊からの多数の神経突起か非ニューロン細胞の
方へまっすくに伸長したことを観察した。この現象の劇的な例を図8Dに示し、
そこにおいていくつかの突起は、非ニューロン細胞に向かって成長するように劇
的に方向を変えたように9える。図8Dの細胞を繰り返し観察することにより、
神経突起は非ニューロン細胞の死滅後に完全に収縮したことか分かった。この結
果は、残留する非ニューロン細胞か、NT2−N細胞に関して化学属性である拡
散性物質を放出しうろことを暗示する。同様に、非ニューロン細胞の存在は、純
粋なNT2−N細胞培養物(8〜10週間)と比較して延長された非ニューロン
細胞単層上のNT2−Nの生育可能性(最大5か月間まで)を説明することがで
きる。総合すると、これらの実験は、NTI−N細胞の生存および神経突起伸長
双方を促進する場合の非ニューロン細胞の役割を示唆する。
遺伝子転移実験のためのNT2.−N細胞の有用性を評価するために、本発明者
は、未分化NT2細胞を、β−ガラクトンダーゼ(β−ga l)発現プラスミ
ドである5PUDIによって安定してトランスフェクトした。これらの実験は、
NT2−N細胞かRAによる分化後に外因性タンパク質生成物を発現し続けるが
どうかを決定するように設計された。5PUD1が(選択しうるマーカーとして
用いられる)pSV2neoc!ニー緒に未分イヒNT2細胞中に同時トランス
フェクトされた場合、本発明者は、組織化学的染色によって検定されるβ−ga
lを発現したG41.8ii4性細胞集団を誘導した(図9A)。図1に記載し
たのと同様のプロトコル後に、RAてこれらのNT2−3PUD細胞を刺激する
ことにより、本発明−Wi1、β−gal陽性N T 2−N細胞の純粋培養物
を誘導することができた(図98jjよびC)。β galタンパク質の存在を
示す青色反応生成物は細胞体に集中しており、若干のNT2−N細胞の突起には
単に伸長されただけてあまた(図9Bの矢印を参詔されたい)。β−ga1反応
生成物は、細胞本体のいたるところで粒状凝集体に集中して見えた(図9B)。
この知見は、NT2−N細胞か、NT2細胞中に導入された外因性遺伝子産物を
発現し続けることを示唆する。
本発明者は、NTI−N細胞か理想的なニューロン細胞系の探求基準に極めて近
いことを示した。本発明者のNT2−N細胞についての観察およびそれらの培養
物用に開発された新規の方法は、RA処理後に速やかに分裂するNT2奇形癌細
胞から有糸分裂後ヒトニューロンの純粋培養物を生成することか可能であること
を明らかにした。これらの非分裂性NT2−N細胞は安定なニューロン表現型を
有し、そしてそれらは、血清中にあるもの以外の何等かの外因性分化促進または
同性因子の連続的存在を伴うことなく培養中に8〜10週間生存しうる。実際に
、本発明の方法を用いて、本発明者は1週間間隔てほぼ2年間−貫してNT2−
N細胞を製造しており、十分な数のこれらの細胞が生化学実験用に容易に生成さ
れた。更に、有余分裂後ニューロン様NT2−N細胞か、未分化NT2細胞中に
トランスフェクトされたプラスミドによってコートされたタンパク質を発現し続
けることも極めて重要である。この特徴の組合せは独特であり、それは、完全に
分化したニューロン表現型を有する培養されたヒト細胞か、時限の神経突起成長
、神経突起両極性の基準および発展、細胞骨格成熟並びにニューロン適応性を含
む神経生理学における基本的な問題の研究用に始めて多量に利用可能であるこN
T2細胞は、RAか何等かの他の4因的影響を必要きすることなく幹細胞を前駆
ニューロンに分化させることかできる機序を研究するための重要なシステムであ
る。レチノイド(特に、RA)は、胚形成の際に奇形発生作用を有することか知
られており、神経堤およびCNS欠損をもたらす。更に、RAおよびおそらくは
他のレチノイドは、神経系以外の発生において重要なインヒポの生理学的役割を
何するということか最近明らかになった。ニコーロン発生の際のレチノイド作用
の研究は、実験用の発育する神経システムか比較的利用しにくいことによって妨
ケラれてきた。NT2細胞は、レチノイドの細胞性作用並びにそれらの神経の誘
導および分化における役割を研究するために利用可能なインビトロシステムを提
供する。
NT2−N細胞は、本発明者が検査した重要なニューロンマーカーを全て発現し
た。更に、それらは、それらがCNS (PNSではない)ニューロンであるこ
とを示す具体的な特徴を有する(すなわち、それらは66kD NFタンパク質
を発現するが、ベリフェリンを発現しない1表1])。培養中の初代ニューロン
と同様に、NT2−N細胞は、成熟型のMAPおよびNFタンパク質によって支
配された細胞骨格を有するか(例えば、それらは主として胎児tauSMAPI
b、MAP2bを発現する)、それらは一層低量のMAP laおよびNF−H
を合成し且つ維持する。NT2−N細胞によって考えられる安定なニューロン表
現型と、トランスフェクトされた遺伝子の産物を発現するようにそれらを遺伝子
工学的に処理することかできるという事実とか与えられることにより、これらの
細胞は、ヒトニューロンにおける細胞生物学およびニューロンタンパク質の機能
を検査するのに極めて有用である。リプレーティング後の迅速な神経突起再生(
図8を参照されたい)および十分に特性決定された細胞接着分子の発現(表1を
参照されたい)は、神経突起成長を調節する因子を研究するのにNT2−N細胞
を用いることを可能にする。NT2−N細胞は血清の存在下でも分裂しないし、
しかもそれらは高度に精製されたヒトニューロン培養物の再現可能な源であるの
で、それらは、宿主環境中に取込まれるそれらの能力を決定するためのヌードマ
ウスおよび他の哺乳動物への移植実験に有用な細胞でありうる。実際に、引続き
安定な有糸分裂後ニューロンに分化するNT2細胞中への向性因子または他のタ
ンパク質のトランスフェクションは、ヒト神経変性疾患における生物活性分子の
ための新規の供給システムとして有用でありうる。
本発明は、有糸分裂後ヒトニューロンの純粋な培養物を製造する方法であって、
未分化ヒト奇形癌細胞をレチノイン酸と一緒に培養して多層培養物を得:該培養
細胞を分散させ、そして該分散細胞を有糸分裂阻害剤または有糸分裂阻害剤組合
せと一緒に培養することを含む上記方法を提供する。本発明は、更に、上記方法
の未分化細胞かNTera2/Di細胞を含むことを考慮する。更に、本発明は
、有糸分裂阻害剤組合せがシトシンアラビノラド、フルオロデオキシウリジンお
よびウリジンを含んでいるこの方法を含む。更に、上記方法の分散細胞はマトリ
ゲル上で培養することかできる。
本発明は、更に、外因性遺伝子産物を発現する有糸分裂後ヒトニューロンの安定
な集団を製造する方法であって、1種類またはそれ以上のプラスミド(選択しう
るマーカーを含む)を培養された未分化ヒト奇形癌細胞中にトランスフェクトし
、該未分化ヒト奇形癌細胞をレチノイン酸と一緒に培養して多層培養物を得;該
培養細胞を分散させ、そして該分散細胞を有糸分裂阻害剤または有糸分裂阻害剤
組合せと一緒に培養することを含む上記方法を提供する。単一の選択された発現
ヘクターを、安定な有余分裂後細胞集団においてトランスフェクトし且つ発現さ
せることかできるということが考えられる。更に、2種類以上の選択された発現
ヘクターを、安定な有余分裂後細胞集団においてトランスフェクトし且つ発現さ
せることかできるということが考えられる。更に、選択された発現プラスミドは
β−ガラクトシダーセ発現プラスミドを含むということか考えられる。本発明は
、このトランスフェクション法の未分化細胞がNTera2/Di細胞を含むこ
とを考慮する。更に、本発明により、このトランスフェクション法の有糸分裂阻
害剤の組合せがシトンンアラビノシド、フルオロデオキシウリジンおよびウリジ
ンを含むことを提供する。更に、このトランスフェクション法の分散細胞はマト
リケル上で培養することかできる。
本発明は、更に、上記に記載した方法にしたがって製造された安定な有糸分裂後
ヒトニューロン細胞であって、制限されないが、実質的に全部が少なくとも1種
類のトランスフェクトされた外因性遺伝子を含む安定な有糸分裂後ヒトニューロ
ン細胞またはトランスフェクトされていない安定な有糸分裂後ヒトニューロン細
胞を含む上記細胞を提供する。
本発明を、いずれにせよ制限するためのものではない以下の実施例によって更に
例証する。
火施例
大施例↓
NT2細胞を、前に記載されたように(アントルーズ、1984年)10%0%
ラン血清およびペニシリン/ストレプトマイシンを含むDMEM HG中で維持
した。分化に関して、細胞2xlO’個を75cm2フラスコ中1こ播種し且つ
1x10−2M RA (DMSO中に溶解した1xlO−2M原液を毎月新し
く調製した)で1週間に2回4週間処理した。RA処理後、細胞を161こりプ
レートシた(リブレート#13図1を参照されたい)。2日後に、細胞を機械約
6こ除去し、すなわち、培養フラスコをとちらの側にも10回打ちつけ、浮遊し
た細胞を培地5mlで洗浄し且つ製造者の指示にしたがって(マトリケルに用0
られた希釈度はロフトごとに多少異なった)1:20(カノ−−スリ・ンプ用)
または160(ITII用)に希釈したマトリゲル(コラホレーテイブ・リサー
チ(Coilaborative Re5earch))上で再度リブレートし
た(リブレート421図1を参照されたい)。細胞を、細胞密度0.2xlO’
個/12mmカバースリンブまたは7.5xlO’個/100mm皿で、1MM
ントンンアラビノノト、10MMフルオロデオキシウリジンおよび10MMウリ
ジンを補足した10%血清およびペニシリン/ストレプトマイシン含有DMEM
HG中に播種した。ントシンアラヒノンドは培養の最初の1週間継続し、フル
オロデオキシウリジンおよびウリジンは最初の4週間継続した。神経突起再生実
験に関して、3退会培養物を0025%シスパーセまたは0.025%トリプシ
ン(こよって酵素的に取出し且つマトリケル、ポリーD−リッツ(10Mg/m
l)まtこζよ、ポリーD−リノ> (10u g / m l )およびラミ
ニン(10Mg/ml)上でIノブレートした(リブレート439図1を参照さ
れたい)。マトリケル(よ、コラーゲン、ラミニンおよびニドジエン(nido
gen)を含む基底膜抽出物である(クラインマン(K l e i nman
)呟1986年)。図1に概説され且つここで詳細に記載のこの方法を、同様の
結果を有する3種類の異なるNTera2サブクローン(NT2/Di、NT2
103およびNT2/B9)lこ適用しjこ。
ここで示した結果はいずれもNT/D1から得た。実験の途中で、NT2細胞番
よ5%ウン胎県血清(FBS)含有Op t i −MEM Cギlコ(GI
BCO))を好むことか観察され、そして次に、未分化NT2細胞の維持用にこ
の培地を用いた。
未分化NT2細胞および分化したNT2−N細胞を有糸分裂阻害剤不含で4日間
増殖させた後、BrDU3mg/mlで3時間(または若干の場合最大20時間
まで)標識した。次に、細胞を洗浄し、固定し、そして以下に記載したように、
変性することなくDNAに取込まれたBrDUを認識するmabであるBU−1
を用いて間接免疫蛍光法のための処理をした。
細胞をハンクスの([1ank’s)緩衝塩類溶液で洗浄し且つ0.15M N
aC1含有70%エタノールを用いて室温で10分間固定した。細胞を一次抗体
と一緒に室温で1時間インキュベートし、PBSで1時間に4回洗浄し、二次抗
体(ローダミンに結合したロバ抗マウスIgG、フルオレセインに結合した口l
へ抗ラットおよびフルオレセインに結合したロノー抗ウサギ、ンヤクソン・イム
ノリサーチ(Jackson Immunoresearch))と−緒に1時
間インキュベートし、そして最後に、アクアマウント(Aquamoυnt)(
レーナー・ラブズ(Lerner Labs))中に固定する前に、PBS中に
おいて1時間に4回洗浄した。同焦点顕微鏡検査に関して、その手順は、テキサ
ス・レッド結合二次抗体をローダミンの代わりに用い且つカバースリップを5%
DABCOを用いて固定して漂白を防止したことを除き、本質的に同様であった
。カッ1−スリ7プを、バイオ・ラド(B i o−Rad)MRC−600レ
一サー走査同焦点顕微鏡上においてクリプトンレーザーを用いて検査した。
PAP免疫細胞化学を実施して、間接免疫蛍光法と比較した場合のこの技術の大
きな感受性によって低濃度の胎児tauを可視化した。カバースリップを上記の
ように固定し、そして2%仔ウシ血清およびo、25%冷水魚セラチン含有の0
、IMI−リス pH7,0で30分間ブロックした。この後、カバースリップ
を、本発明者の実験室においてPAP免疫細胞化学に関して前に記載したように
処理した(カーテシ(Carden)ら、J、Neuroscl、、7 : 3
489〜3504 (1987))。
大施珂5
免凝化字
MAPに富む細胞骨格試料を、0.5mM Mg5O< 、1mM EGTA、
2mM DTT、2mM GTP、20μM タキソール(Taxol)、1%
トリトン(Tri ton)X−100およびプロテアーゼインヒヒターの反応
混液を含むO,IM MES pH6,8を用いて細胞を室温で15分間抽出す
ることによって調製した。ペレットを、TL100超遠心機において30.00
Orpmで30分間の遠心分離によって回収し、染料不含の試料緩衝液中に可溶
化し、そして試料のタンパク質濃度をクーマノ−ブルー染料結合検定(ピアス(
Pierce))を用いて決定した。これらの試料を5Ds−PAGEゲル上に
流した後、本発明者の実験室において前に記載された方法(クーら、1987年
)を用いて抗体でプローブするためにニトロセルロース膜に対してエレクトロプ
ロットした。
実施撚旦
NT2−N栂胞p二1し/υしベイ儂禅60mm皿のNT2−N細胞を[5,6
−’H]ウリ/ン(1,70TBQ/ミリモル)50μCiと一緒に16〜24
時間インキュベートした。次に、これらの皿を10μM非標識ウリジン含有PB
Sて洗浄し且っブヮンの(Bouin’ s)固定液で固定した。次に、水で1
1に希釈したNTB−2エマル/ヨンで皿を被覆し、−晩中乾燥させ、そして4
℃で4日間貯蔵した。皿をコダック(Kodak)Dl、9中で1分間現像し且
つコダソク・ラピツド・フィツス(Rapid−Fix)で定着させた。
実施珂ユ
にjラー久上ングニセのトライ人工と久>gン耘側び朶暗未分化NT2細胞に、
リボフエクチン(Lipofectin)(ヘセスダ・リサーチ・ラホラトリー
ズ(Bethesda Re5earch Laboratories))を用
いるリポフエクションによって5PUDIを100μgおよびpsV2neoを
10μgトランスフェクトした。完全培地中において2日後に、G418(ギブ
コ)200μg/mlを7日間用いてトランスフェクタントを選択した。リン酸
緩衝溶液pH7,4中の2%パラホルムアルデヒド、0゜2%グルタルアルデヒ
ド中での固定後に、PBS中においてX−galを1mg/ml、5mMフエロ
ンアン化カリウム、5mMフェリシアン化カリウム、2mM MgCl2を用い
て細胞をβ−ガラクトシダーセ活性に関して染色した。β−ga l陽性培養物
を2回サブクローン化し、そのサブクローンを更に別の実験に用いた。5PUD
I (C,セブコ(Cepko)博士によって快く提供された)は、SV40プ
ロモーターを用い且つモロネーネズミ白血病ウィルス(Moloneymuri
ne leukemia virus)長末端反復を上流および下流に有するβ
−ガラクトシダーセ発現ベクターである。ホフマンモシュレーンヨンコントラス
トを用いて細胞の写真を撮り、青色反応生成物および突起の同時可視化を可能に
した。
+2 3456 78910111213FIG、 6A FIG、 6B
FIG、 7A FIG、 7B
FIG、 9A FIG、 9B
フロントページの続き
(72)発明者 プレジャー、サミュエルアメリカ合衆国ペンシルバニア州19
104゜フィラデルフィア、セント・マークス・スフウェア 211
Claims (13)
- 1.有糸分裂後ヒトニューロンの純粋な培養物を製造する方法であって、未分化 ヒト奇形癌細胞をレチノイン酸と一構に培養して多層培養物を得:該培養細胞を 分散させ; 該分散細胞を単一の有糸分裂阻害剤または複数の有糸分裂阻害剤の組合せと一緒 に培養することを含む上記方法。
- 2.前記未分化細胞がNTera2/D1細胞を含む請求項1に記載の方法。
- 3.前記複数の有糸分裂阻害剤の組合せがシトシンアラビノシド、フルオロデオ キシウリジンおよびウリジンを含む請求項1に記載の方法。
- 4.前記分散細胞をマトリゲル上で培養する請求項1に記載の方法。
- 5.外因性遺伝子産物を発現する有糸分裂後ヒトニューロンの安定な集団を製造 する方法であって、 選択しうるマーカーを含む少なくとも1種類のプラスミドを培養された未分化ヒ ト奇形癌細胞中にトランスフェクトし:該未分化ヒト奇形癌細胞をレチノイン酸 と一緒に培養して多層培養物を得;該培養細胞を分散させ;そして 該分散細胞を単一の有糸分裂阻害剤または複数の有糸分裂阻害剤の組合せと一緒 に培養することを含む上記方法。
- 6.前記未分化細胞がNTera2/D1細胞を含む請求項5に記載の方法。
- 7.前記複数の有糸分裂阻害剤の組合せがシトシンアラビノシド、フルオロデオ キシウリジンおよびウリシンを含む請求項5に記載の方法。
- 8.前記分散細胞をマトリゲル上で培養する請求項5に記載の方法。
- 9.請求項1に記載の方法にしたがって製造された安定な有糸分裂後ヒトニュー ロン細胞。
- 10.請求項5に記載の方法にしたがって製造された安定な有糸分裂後ヒトニュ ーロン細胞。
- 11.前記プラスミドがβ−ガラクトシクーゼ発現プラスミドを含む請求項5に 記載の方法。
- 12.請求項11に記載の方法にしたがって製造された安定な有糸分裂後ヒトニ ューロン細胞。
- 13.実質的に全部が少なくとも1種類のトランスフェクトされた外因性遺伝子 を含む安定な有糸分裂後ヒトニューロン細胞。
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