JPH07500904A - 試料中の検体の量の測光インビトロ決定法及びそのための分析器 - Google Patents

試料中の検体の量の測光インビトロ決定法及びそのための分析器

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 試料中の検体の量の測光インビトロ決定法本方法は、試料中の検体の量の測光イ ンビトロ(試験管内)決定法である。試料は、測定室を備えた測定室装置の中に 位置される。この測定室は、定った長さの放射路長と、少な(とも1カ所の少な くとも部分的に透明な壁部分を備える。
この測定室は、検体のために調節される光システムと光で通信し、また、放射源 と放射検知器を備える。
試料室内に位置される試料中の検体量の測光分析において、放射伝送路に位置さ れる複数の測定室壁部分を非常に薄くすることが、ある場合には、たとえば血液 測定と関連して、希望される。このことは、たとえば、測定室の壁部分が測定用 放射を著しく吸収する材料からなるならば、要求されるかもしれない。しかし、 ある場合には、これらの薄い壁部分は、検体量の決定において誤差を生じるかも しれない。たとえば、この状況は、放射の波長が測定室の壁の光学的厚さと同じ 程度であるときに起こる。(なお、光学的厚さは、壁の物理的厚さと壁材料の屈 折率との積として定義される。)したがって、この問題は、主に、赤外放射や近 赤外放射などの長波長の測定用放射と関連する。
測定室の壁が、滑らかで面状の平行な表面を備えるとき、放射は、外部と測定室 の外壁との間の界面で、そして、測定室の内壁と試料との間の界面で、それぞれ 、反射および/または屈折される。放射が反射および/または屈折される大きさ は、壁材料、外部および試料の屈折率に依存する。反射および/または屈折され た放射は、測定スペクトルを重畳するサイン波状の干渉スペクトルを生じる。
特に検体により生じさせられる吸収が比較的小さい場合、上記の干渉スペクトル は、測定スペクトルに優っている。
干渉スペクトルは、壁の厚さに極端に依存し、厚さの小さな変化も、スペクトル をかなり変位する。そのような小さな変化は、自動的大量生産において、非常に 高い費用を使うのでなければ避けることがほとんど不可能である。したがって、 各測定室装置は、固有の特徴的な干渉スペクトルを有する。
箔に関連する干渉効果は、フンメル/ンヨウQlumIIIel/5chou) 著の「プラスチック分析の地図J (Atlas der Kunststof f−Analyse) (1968年、64〜65頁)に記載されている。この 文献において、上記の問題に対する可能な解決も与えられている。すなわち、反 射された放射ビームが干渉しないが拡散して散乱されるように、平行な側面の一 方に微細な粗さを与える。しかし、干渉を完全に避けるには粗さが非常に微細で なければならないため、この方法は、多数の一様な製品が生産されるべきときに は、非常に好ましくない。箔を粗くすることは、余分な高価な生産工程を必要と し、さらに、全製品が同じ粗さ、したがって同じ放射透過特性を備えることを保 証するのは困難である。
本発明の目的は、測定室内に位置される試料の測光分析に関する上記の問題を除 く方法を提供することである。
このことは本発明の方法により達成される。本発明の方法の特徴は、形状の調節 が可能な測定室を用い、この形状の調節が、測定室を通る放射路長の設定の調節 であり、第1の測定ステップにおいて、測定路を通る第1の放射路長が設定され 、少なくとも1つの波長の放射が放射源から測定室を通り放射検知器に伝送され 、次に第2測定ステツプで、測定室の形状を調整することにより、測定室を通る 第2の放射路長を設定し、第1ステツプと同じ波長での放射は、ふたたび放射源 から測定室を通って放射検知器に達せられ、検体の量を各測定ステップにおいて 検知された放射を基に決定することである。
この文脈において、「測光測定」という用語は、制御された条件で放射され、伝 送され、吸収され、反射される電磁波放射の変化の測定に基づくすべての決定法 を含む。測光測定と光学的分析器の一般的な説明は、スクーグ(D、A、 Sk oog)およびウェスト(D、 M、 West)著の分析化学の基礎(Fun damentals of Analytica]Chemistry)第20 章501〜524頁に記載される。
第1の放射路長の設定は、測定室を通る放射路長を当初の長さくすなわち最初の 未調節の形状での放射路長)に等しくさせることであってもよい。または、測定 室の形状を調節することにより第2の放射路長を設定してもよい。
2つの放射路長の一方は、全試料が測定室において放射伝送路から流れ出るよう に、0に設定できる。この放射路長で検知された放射は、光学的システムと測定 室だけからの吸収と干渉を表す。試料の測定は、0でない長さの放射路で実行さ れる。
放射源からの放射は、広帯域の放射でも単色の放射でもよ(、また、紫外範囲で も、可視範囲でも、近赤外範囲でも、赤外範囲でもよい。放射源は、個々の波長 で放射を伝送する1部品または多部品からなる。
また、放射検知器は、ある波長範囲で放射を検知する1つの部品からなり、ある いは、それぞれの波長範囲で放射を検知する複数の部品からなる。放射源が複数 の部品からなる場合、これらの部品は一体化されたユニットであるか、または、 複数の物理的に分離したユニットからなる。同じことが、放射検知器についても いえる。
先に述べたように、本発明の方法は、測定する放射の波長が測定室内の1以上の 壁部分の光学的厚さと同じぐらいであるときに、特に有用である。光学的厚さと 測定波長との比が通常は約0.50を越えると、許容出来ない干渉が起こる範囲 を越えていることがわかった。
測定室装置は、複数の実施例で提供される。1つの実施例は、分析器の固定部品 として備えられた測定室ブロックを有し、この測定ブロックは、多数の試料で連 続的に測定するための測定室を備える。他の実施例は、特定の測定室装置に適合 された光学的分析器に挿入可能な単独用途の装置からなる。
上述の種類の単独用途の装置を備えた分析システムは、たとえば、本出願人によ る国際特許出願W090107106号に開示される。この出願は、血液試料中 の血液ガスパラメータの測光インビトロ(試験管中)決定のための方法とシステ ムを開示する。血液試料は、直接に患者から、試料容器内の測定室に移される。
測定室は、次に光システムと光通信を行う。血液ガスパラメータすなわちCO2 の測定は、固定した放射路長を備えた測定室に位置される試料に放射を伝送する ことにより実行される。
本出願人の国際特許出願wo90107109号は、全体が血液の試料の中の検 体の量の測光インビ)−口決定のための方法と装置を開示する。試料は、直接に 患者から、透明ボディを有する測定室に移される。この透明ボディの放射透過特 性は、試料中の検体の濃度に依存する。測定室を満たした後で、透明ボディは、 試料と平衡にされ、その後で、測定室は、試料のための放射伝送路に位置される 測定室の部分を流し出して、制御された方法で変形される。検体の量は、測定室 と透明ボディを透過する放射の検知の基礎の上に決定される。測定が行われる前 に試料が放射透過路から流し出されているために、測定は、このシステムにおい て試料に直接には行われない。
本発明の好ましい実施例では、使用される測定室において、放射伝送路に位置さ れる測定室の壁部分の光伝送特性は、測定室の調節に本質的に依存しない。
測定室の形状が変化されるときに放射伝送路に位置される測定室壁部分が光透過 特性を変えないという事実のため、壁部分の表面で発生される干渉スペクトルは 、測定室を通る2つの放射路長で同様である。このため、この2つの異なった伝 送路長からの測定結果を比較することにより、検体の量の決定において干渉スペ クトルからの寄与が完全に除去できる。
本発明の他の好ましい実施例では、使用される測定室が、放射伝送路に位置され る2つの少なくとも部分的に透明な壁部分からなる。
本発明の別の実施例では、使用される測定室が、1つの少なくとも部分的に透明 な壁部分と、入射する放射を反射する対向壁部分からなり、これらの壁部分が放 射伝送路に位置される。
好ましい実施例では、測定室の形状の調整が、放射伝送路に位置される少なくと も1つの測定室壁部分の変位によりなされる。
試料中の1つのある検体の量は、少な(とも1つの波長での試料の透過特性の測 定を基に計算され、この波長は、この検体が吸収する範囲内にあるべきである。
溶媒が測定波長で強く吸収している試料中の検体の測光決定において、通常は、 エネルギ損失、試料中の熱発生などを減少するために、試料を通る放射路長を非 常に短くすることが試みられている。しかし、放射路長を短く設定することは、 分析器の機械的精度についての重い要求であり、放射路長の小さな不正確さでさ え、測定結果に重大な影響を与えるかもしれない。この問題は、各測定で放射路 長を決定することにより克服できる。
本発明の好ましい実施例において、上記の少なくとも1つの波長に追加する別の 波長での放射が、放射源から測定室を通り放射検知器まで伝送され、各測定ステ ップでの各波長で検知された放射を基に、第1と第2の放射路長の差が決定され る。第1と第2の放射路長の差は、本明細書の詳細な説明においてさらに詳しく 説明されるように、有効放射路長に等しい。
本発明の方法の実施例において、測定ステップにおいて追加の波長での放射試料 中の他の検体の量は、第1の検体と同時に決定できる。この追加の波長は、上記 の他の検体が吸収をする波長でなければならない。また、多数の別の検体が、少 なくともこの検体の数の波長を含むことにより測定出来る。
本発明による方法は、溶媒、分析器、および/または測定室に比べて測定波長で 弱く吸収する検体に関連して特に有用である。この場合、検体に関連する測定ス ペクトルは、これらの他の構成部品の干渉スペクトルに比べてかなりの掃度に重 畳される。
本発明の好ましい実施例において、試料中のCO2成分が、約4228nm。
4268nmおよび4308nmの付近の20nmのバンド幅の波長での放射に 対して試料の透過特性の検査を基に決定される。これらの波長での放射を用いて 照射することによるCO2成分の決定は、たとえば、上記の本出願人による国際 特許出願W09010716号に開示される。米国特許第4509522号にお いて、マヌチア(Manuccia)等は、血液中の血液ガスの量の生体内での (in vivO)決定のための測光法を開示する。すなわち、CO2は、約4 .2μmでの波長の放射で照射することにより決定される。約4.2μmでの波 長での透過測定によるCO2測定の基本的原理は、C,A、モッセ(Mosse )およびP、J、ヒルジン(Hillson)の英l特許第GB2160646 号の明細書や、J、R,ネスタ(Nester)の欧州特許出願第EP2535 59号の明細書に開示される。
これらの出願の内容は、これらの出版物を引用することにより本出願に組み込ま れる。
さらに、本発明は、本発明による方法において使用される分析器に関するもので ある。この分析器は、放射源と、放射検知器と、測定室を備えた測定室装置とを 備え、上記の測定室は、定った長さの放射路長を有し、上記の測定室は、少なく とも1つの少なくとも部分的に透明な壁部分を備え、上記の測定室は、上記の放 射源と放射検知器を備える光システムと光を通信し、上記の測定室は、形状が調 整可能であり、上記の分析器は、測定室の形状を制御された形で調整する手段を 備え、この手段は、起動されたときに、測定室での第1と第2の放射路長を設定 し、上記の放射源は、少なくとも1つの波長での放射を第1と第2の放射路で測 定室を通って放射検知器に伝送するように適合されることを特徴とする。
好ましくは、本発明による分析器は、試料中の検体を導出するために、検出され た放射を変換する手段と、変換された放射データを処理する手段とを備える。
あるいは、このデータ処理手段は、上記の分析器に結合可能な別のデータ処理ユ ニットの中にあってもよい。
さらに、好ましくは、この分析器は、検体量を表示する手段を備える。あるいは 、分析器は、データスクリーン、ディスプレイ、プリンタ、プロッタなどの表示 手段に結合するように調節出来る。
さらに、本発明は、本発明による分析器において使用される測定室を備えた測定 室装置に関するものであり、上記の測定室は、測定室を通る第1と第2の放射路 長を設定するように制御可能な形で形状が調節可能であることを特徴とする。
測定室装置の好ましい実施例において、上記の放射伝送路に位置されるように調 節される測定室の壁部分の光伝送特性は、測定室の形状の調節に本質的に依存し ない。
好ましくは、上記の測定室が、2つの対向する少なくとも部分的に透明な壁部分 からなる。しかし、上記の測定室が、1つの少なくとも部分的に透明な壁部分と 、入射する放射を反射する対向壁部分を備えていてもよい。
本測定室装置は、1つの測定室または直列または並列に配置される複数の測定室 からなっていてもよい。好ましくは、測定室装置は、射出成型が可能なポリマ基 礎材料から製造される。好ましい基礎材料は、ポリエチレンテレフタレート(P FTP)であり、たとえば、オランダ、アーネムのAKZO社から商標ARNI TEの下で販売される。
上記の部分的に透明な壁部分と測定室装置は、材料が異なっていてもよい。壁材 料は、測定波長での透過特性と、全測定室装置の製造過程での使用可能性とに主 に基いて選択される。
単独用途の部品の形の測定室装置を用いるとき、放射源、放射検知器および測定 室装置の間の光通信は、分析器の1つのステーションに測定室装置を位置するこ とにより開設できる。あるいは、この光通信は、測定室装置での接触素子を分析 器に結合する1本または複数本の光ファイバを用いて開設できる。
本発明は、以下に、図面と実施例を参照して説明される。
図1aと図1bは、本発明による方法において使用される測定室装置の斜視図で ある。
図10は、図1aの1−1線での拡大断面図である。
図2は、2つの面状平行表面を備えた箔へ放射を伝送することにより得られた干 渉を示す。
図3は、ポリエチレンテレフタレート(PETP)の23μmの箔の吸収スペク トルを示す。
図4は、試料中の検体の測光決定のための本発明による分析器における光ユニッ トと本発明による測定室装置の部分断面図を示し、光ユニットの部品は図式的に 示される。
図5aと図5bは、本発明による測定室装置と、本発明による分析器における光 ユニットの部分との部分断面図を示し、測定時には、測定室装置は両者の間に固 定され、測定室装置と固定部分は、相互に関連した2つの異なった位置に示され る。
図6は、約100mmHgのCO2成分を有する水の吸収スペクトルを示す。
図7は、トノメトリより約419mmHgのCO2成分に調製された全血液の吸 収スペクトルを示す。
図8は、全血液の試料におけるCO2成分の決定に用いられる本発明による測定 室装置の好ましい実施例の図を示す。
異なった図における同じ部分は、同じ参照番号で示される。
図1aと図1bは、試料中における検体の決定において使用される測定室装置の 1実施例を示す。この一般的に4000で示される測定室装置は、図4に関連し て後でさらに説明される光ユニットを備えた分析器の1部である。測定室装置4 000は、2つの同じ手部分4001.4002からなる。これらの手部分は、 透明な「軟らかい」プラスチック材料、たとえばオランダ、アーネムのAKZO 社からの商標ARNITEのポリエチレンテレフタレート、から射出成型により 製造される。この2つの手部分の組立において、手部分4001におけるピン4 005.4006は、手部分4002における図示されない凹部に組合わされ、 手部分4002における図示されないピンが手部分4001における凹部400 7.4008に組合わされる。その後、この2つの手部分は、超音波溶接により 相互に溶接される。
図において示される上記の手部分4001における材料4009の線は溶接の後 で溶接シームを形成する。この線は、縦の開いた導管4010の端にそって存在 する。この導管4010は、中央で横方向に広がり、導管4010に垂直な方向 の開口4012を備えた測定室4011を形成する。開口4o12は、イギリス 、チェシャーのICI社からのMelinex S型のポリエチレンテレフタレ ート(PETP)の23μmの箔から製造された窓4004により覆われる。
手部分4002における対応する開口は、同様な窓4003により覆われる。
窓4003.4004は、組立の前に手部分4001.4002に取り付けられ る。窓4004は、手部分4001の開口4012に張られた上記の23μmの 箔により取り付けられる。その後で、箔は、超音波溶接ヘッドを用いて、手部分 4001に、開口4012に隣接した境界領域4013において溶接される。
次に、余った箔は、穴あけパンチによりパンチされて、固定された溶接窓400 4のみを残す。穴4012に箔を張ることにより、窓4004が超音波溶接の後 で平面であることが保証される。窓4003は、同様に、キュベツト(cuve tte)である手部分4002に固定される。窓4003.4004は、導管4 010に垂直な方向に弾性的に変位可能である。
図ICは、図1aのI−I線での図であり、窓4003.4004により境界が 定められた測定室4011を備えた測定室装置4000の中心部分を示す。
図2は、屈折率n。の箔fの1区分を示し、箔fは、平面状の平行な滑らかな表 面SI+ s2を備える。ある測定波長の放射ビーム1゜は、表面S、の方に透 過される。入射放射ioの入射角が全反射の臨界角より小さいと仮定して、入射 する放射は、箔fの外部の滑らかな表面S、に当たるとき、隣接する材料の屈折 率n、、n2に依存して反射ビームr1と透過ビ=ムt!に分離する。透過され たビームt1は、内部の滑らかな表面S2に当たるとき、透過ビームjHと反射 ビームjl+に分離され、反射ビームj1+は、ふたたび、反射ビームr2と透 過ビームt2に分離する。
箔fの光学的厚さが入射放射の波長10と同じぐらいであるとき、反射ビームr 1. r2. r3+ は、位相差に依存して強めるようにまたは弱めるように 干渉する。このことは、透過ビームについてもいえる。干渉は、サイン波干渉ス ペクトルを生じ、これは、箔の透過スペクトルに影響する。次の関係式は、箔の 厚さdと、面状平行表面S1、S2で得られた干渉スペクトルとに適用される。
ここに、dは、箔の厚さであり、 noは、箔の屈折率であり、 λ1、λ、は、干渉スペクトルにおける波長であり、λゎ−λ、は、干渉スペク トルでの1周期に対応する波長間隔である。
式(1)から分かるように、箔dの厚さの変化は、れのλゎに対する変化を生じ 、したがって、干渉スペクトルの周期の変化を起こす。実際には、箔窓4003 .4004を一連の測定室装置において完全に同じ厚さにすることは不可能であ るので、各測定室装置は、箔窓からの特徴的な干渉スペクトルを有する。この意 味は、分析器が、干渉スペクトルを前もって補償するように設定できないこと図 3は、測定室装置の測定室4011における窓4003.4004に使用される 箔に対応するPETPの23μmの箔の2500〜5000μmの波長範囲での 吸収スペクトルを示す。このスペクトルは、パーキン・ニルマー社の157型の スペクトル測光装置により記録される。図から分かるように、材料PETPに関 連する特定の吸収バンド(たとえば約3380μmの波長)を無視すると、透過 された放射の約80%が箔を通って透過されるので、箔は、上記の範囲における 放射に対して比較的透明である。さらに、図3から分かるように、材料のスペク トルは、見かけがサイン波状の干渉スペクトルと重畳する。この重畳したスペク トルは、箔の滑らかな表面で屈折/反射される放射の干渉から生じる(上記の図 2についての説明を参照)。
図4は、試料中の検体の決定のために使用される光ユニット400のプロトタイ プを示す。試料は、測定室装置4000内に位置され、測定室装置4000は、 可動部分410と固定部分412の間に固定される。可動部分410は、電磁石 411により中心線C1にそって変位できる。光ユニット400は、熱放射ユニ ットの形態の放射源401、より詳細には、約1050℃の温度に加熱されたC rNiフィラメントを備える。放射源401は、本出願人によりこの目的のため に特に製造された。さらに、光ユニット400は、ドイツ、ミュンヘンのシーメ ンス社の5FH225型の基準ダイオード413を備え、このダイオード413 は、フィラメント401の放射を制御する。
放射源401からの放射は、本出願人によりこの目的のために特に製造されたバ ラホラミラー402(φ10mm5 f=3mm)に透過される。このパラボラ ミラー402は、フィラメント401からの放射を、スエーデン、タビのスベク トロゲン社製のバンドパス・フィルタ403(中心値4240nm、バンド半値 幅200nm)を通して透過し、そこから、測定室装置4000における血液試 料を通る。放射は、測定室装置4000から、サファイア窓(φ10X0.4m m)に位置されるスリット404 (0,5X3mm)を通り、チョッパ408 を通る。チョッパ408は、直流モータ409により約800Hzのチョッパ周 波数を与える。チョッパ408を通った後で、放射は、本出願人により特に製造 された、軸をずらしたパラボラミラー405 (f=65mm)に当たる。この ミラー405は、放射を平行な光束として、イギリス、リーズのオプトメトリッ クス社製のグレーティング(約4.3μmに最適化された300ラインのグレー ティング)406に反射する。グレーティング406は、放射をパラボラミラー 405の方にそらし、パラボラミラー405は、放射を、日本、浜松市、浜松社 製の検知器407の方にピントを合わす。この検知器407は、TO5ハウジン グに組み込まれた3個のPb5eダイオード(0,5X 2mm、中心間隔1m m)からなるダイオードアレーからなり、バンドパスフィルタ(中心値4400 nm。
半値バンド幅650nm)を備える。ダイオードアレー407におけるダイオー ドは、グレーティング406とパラボラミラー405を用いて分離される3つの 測定波長でのそれぞれの放射の大きさを記録する。ダイオードに入射する放射の 強度を表す電気信号は、ダイオードからアナログ/デジタル変換器(図示しない )に送られ、そこからデータ処理ユニット(図示しない)に送られる。データ処 理ユニットは、受信された信号を基に試料中のCO2の量の計算を実行する。
図5aと図5bは、本発明による測定室装置4000を通る、図1cに対応する 部分断面図を示す。測定室装置4000は、試料中のCO2成分の測定のための 光ユニットの可動部分410と固定部分412の間に位置される。図4に関連し て説明したように、測定用の放射は、可動部分410におけるバンドパスフィル タ403を通り、測定室装置4000を通り、固定部分412のスリット404 に向かう。
測定室装置)24000が分析器内に配置されるとき、光ユニットの可動部分4 1Oは、測定室装置の1つの窓4003の方に動かされ、測定室装置4000と 反対側の窓4004とを、光ユニットの固定部分412の方に押す。こうして、 測定室装置4000は、可動部分410に隣接する窓4003と、固定部分41 2に隣接する窓4004とを用いて光ユニツト内に固定される。可動部分410 を、予め定めた若干の複数位置に移動することにより、窓4003.4004は 、測定室4011と測定導管4010とに垂直に移動され、これにより、窓の間 隔を予め定めたように変化する。測定室4011の形状のこの調節は、測定室を 通っての放射路の長さを設定することになる。
1の放射路長を定義し、たとえば100μmである。図5bにおいて、可動部分 410は、第2位置に移動され、たとえば50μmの第2の放射路長が定義され る。光ユニットにおける可動部分410と固定部分412とを用いることにより 、窓4003.4004と接触する面積での同じ外部形状や、窓4003.40 04の、したがって測定室4011の一様で対称的な変位が保証される。
図1a〜図ICに関連して説明されたように、窓4003.4004の箔は、測 定室装置の半部分4001.4002に取り付けるときに引っ張られて、超音波 溶接の後での平面状の窓を保証する。窓4003.4004を2つの測定位置の 間で移動するとき、窓の厚さは変化する。しかし、この変化は、非常に小さいの で、検体の決定への影響は無視できる。これは、以下の例で明らかにされる。
窓4003.4004に対応する箔窓が、静止位置から100μm移動され、こ の位置からさらに25μm移動されるとき、窓での張力は、重要でない厚さの変 化、すなわち約120m、を生じる。この大きさは、大量生産の測定室装置にお ける窓の厚さの変化よりかなり少ない。この変位による窓の厚さ変化は、上記の サイン波干渉スペクトルの周期において無視できる約Q、 l nmの変化を生 じる。窓4003.4004の厚さ変化が移動の間に無視できるという事実から 、図5aと図5bにおいて示される測定状況において窓4003.4004によ り生じる干渉は、同様にみることができる。
図6は、約100mm1−1gのCO2成分を有する水の、約100μmの放射 路長での3300〜6000nmの波長範囲での吸収スペクトルを示す。このス ペクトルは、ベックマン社のIR9型のIRスペクトル測光計で記録された。図 から分かるように、CO2成分の量は、約4268nmの波長で吸収を起こす。
しかし、この吸収は、図に見られるように、水により生じる吸収に比べて小さい 。
Co2による吸収が水により生じる吸収に比べて小さいという事実より、たとえ ば測定室装置、光システム、周囲などにより生じる干渉は、測定結果に大きな影 %の透過スペクトルの変化を起こしていて、箔窓からの干渉スペクトルは、実際 の測定スペクトルに強く影響することがわかる。したがって、試料中のCOz成 分の計算において不要な干渉を除去するか補償することが必要である。
図7は、眼底検査により約419mmHgのCCh成分に調製された全血液の吸 収スペクトルを示す。このスペクトルは、前のスペクトルと同様に、べ・ツクマ ン社IRQ型のIRスペクトル測光器で記録された。この吸収スペクトルから、 定置装置40の好ましい実施例を示す。測定室装置40は、血液試料が直接に患 者から測定室装置に移送されるサンプリング装置として設けられる。
測定室装置40は、2つの部分からなるボディ41からなり、この2つの部分は 、組み立て後に、0.3X2mmの断面の内部の連続的なサンプル導管44を疎 水性のフィルタ48を備え、この端で、ボディ41は、特殊な状況でサンプリン グ用に使用できる伝統的なピストン注射と結合するように適合される。
7bは、図1a〜図10に関連して先に説明したように、超音波溶接を用いて取 り付けられる。こうして、測定室45は、2つの窓47a、47bにより導管4 4に垂直に境界が定められる。
本発明による方法の理論的背景は、以下に説明される。ここで、CO2を検体の 例とする。
光システムにおいて波長λ、強度I□の放射を伝送するとき、測定室は、放射路 長lを有し、透過放射の強度り、+を測定するとき、光システムと試料の全吸収 AI+Jは、次のように決定できる。
A1.l = +og(xi/I+、i) (2)この吸収は、種々の成分の和 からなり、次のように書くことができる。
A1.J=AI、J (H2O)+A+、□(CO2) +AI、J (ib) +AJ (i+) +AJ (ia) +AJ (i。) (3)ここに、λは 、透過される放射の波長であり、lは、測定室を通る放射路長であり、 Abλ(H2O)は、試料中の水により生じる吸収であり、A+、λ(CO2) は、試料中のCO2により生じる吸収であり、AI、λ(l、)は、試料中の他 の検体により生じる吸収であり、A1.a(i+)は、測定室の窓により生じる 吸収であり、A1−(i、)は、大気により生じる吸収であり、AI、λ(10 )は、光システムにより生じる吸収である。
式(3)の最初の3項は、試料の組成と測定室を通る放射路長とに依存する。
一方、最後の3つの項は、測定室装置、光システム、大気に依存するが、試料に 依存しない。
測定室を通る2つの放射路長11、!2でそれぞれ放射強度■3,1、IJ、2 の放射を用い2つの測定ステップをそれぞれ実行するとき(図5a、図5b参照 )、全吸収A11ot、A、□1.が各ステップで得られる(式(3)参照)。
これらの吸収の差ΔA J = A 1+ 、よ−A + 2−を計算すること により、式(3)の最後の3つの項が残される。
ΔAl=A11.I AI2.+=lOg(It、+/In、i) log(I t、a/In、x)=10g(It、+/Ia、z)+10g(11□、x/I ll、J=AI+、+ (I(20)−AI2.1 (H2O)+A11. r  (CO2) AI2. a (CO2) 十AH,i (i−) AI2.1  (i−) (4)入射放射の強度’ 2.+/ I J+ 2が2つの放射路 長11、IJ2で同じであるとき、log(IJ、I/I□、2)の項が0であ るため、計算は、強度に依存せずに行われる。
こうして、この計算において、透過された放射の強度11□11、I ll、  lを知ることだけが必要である。ランベルト・ベールの法則により、所定波長λ で所定検体に関連する吸収Aよは、次のように決定される。
A=(CO2)= ε−(CO2) ・j!−C(CO2) (5)ここに、ε !(Cow)は、波長λでのCo2の分子吸収係数であり、lは、CO2を含む 試料を通る放射路長であり、CCC02)は、試料中のCO2の分子濃度である 。
ΔA、の式(式(4)参照)にランベルト・ベールの法則(式(5))を導入す ることにより、次の式が得られる。
ΔA+=lOg(IJ2.a/I++、a)= C1(H2O) ・(A1−7 !2)−C(H2O)十εI(CO2)・(fl−N2)・C(CO2)十ε、 (i、)・(1−12)・C(i、)=ε、(H2O)・Δ1−C(H2O)十 ε、(CO2)・Δ12−C(CO2)十ε、(1ゎ)・Δ(! −C(i、)  (6)ここに、ΔA=4’1−f2は、試料を通る有効放射路長として考える ことができる。
式(6)の最後の項は、試料中の他の検体から得られる吸収に対応する。この項 を、ただ1つの検体l、から得られるとして考えることも許されることがわかっ た。そこで、そのモル濃度C(ih)は、理論値になる。
血液について測定するとき、CO2の量を分圧により表現することが通常型まれ る。液体試料中のCO2の濃度と試料中のCO2の分圧の間の関係は、次のよう に書ける。
C(CO2)=α、(CO2)”pcO2(7)ここに、α、(CO□)は、温 度tでの試料中のCO2の溶解度係数であり、pco2は、試料中のCO2の分 圧である。
式(6)の第2項に式(7)を導入すると、次の式が得られる。
ΔA、=ελ(H2O)・Δp −C(H2O)十ε、(CO2)・C1(CO 2)・Δ1−pCO2十εI(15戸ΔA−C(jb) =ε+’(HzO)”Δj’+εi’(CO2)−AA−pco2+ε、(i  l、)・Δ1−C(]b) =ε、’(H2O)・Δl+ε、’(CO2)・C’(CO2)+ελ(ib) ・C’(i、) (8) ここに、ε、“(H20) =ε、(H2O)・C(f(20)ε=’(CO2 )=ε、(CO2)・C1(CO2)C’(Co□)=Δj!−pCO2 C’ (i b)=Δ1c(i、) 各放射路長11.12に対し、測定が3波長λ1、A2、A3でなされるとき、 次の3方程式が成立する(式(8)参照)。
△A、I=ε−+’(H2O)・△l十ε□’(Co2)・c’cco□)+ε 1l(ib)・C’ (i b) ΔA、2=ε−2’(H2O)・Δl十ε、2’(CO2)・C’(Co2)十 ε12(i b)・C’(i、) (9)ΔAJ3−ε−3’(H2O)・Δl 十ε、3°(Co□)・C’(CO2)十ε13(j b)・C’ (i b) これらの3方程式から3個の未知量Δn、C’(CO2)、C’ (i b)が 計算でき、試料中のCo2の分圧が、次のように決定できる。
りCO2=C’(CO2)/Δj! (10)本発明による方法が実際に実施さ れるとき、吸収係数行列は、実験的に、ある既知の組成の試料を各波長λ1、A 2、A3で測定することにより決定される。吸収係数行列Eの決定は、以下の例 で説明される。
図8に示される測定室装置に対応する、試料を含む測定室装置は、光システムに 挿入される。ここに、放射路長は、正確に設定でき、したがって既知である。
放射は、放射源から測定室をとおり放射検知器まで伝送される。測定は、約20 nmのバンド幅の3波長λ1=4228nm、λ2=4268nm、λ3=43 Q8nmの各々で、放射路長zl=100μm、1’2=50μmで行われる。
この3波長での伝送された放射の強度は、一定に保たれる。
各波長λ1〜λ3において、測定は、CO2や他の検体のない純水の試料につい てなされる。各波長で測定された吸収を基に、水に関連した吸収係数が、ランベ ルト・ベールの法則(式(5)参照)を用いて決定される。波長λ1=4228 nm、λ3=4308nmでCO2から得られる吸収は、波長λ2=4268n mでのCO2吸収に比べて重要でないので、吸収係数ε□、’(Co2)、ε□ 3°(C02)は領Oに設定される。吸収係数ελ2’(Cox)は、既知量の CO2を有するが他の検体を含まない水の試料を測定することにより決定される 。前に決定された水の吸収係数、測定室を通っての放射路長および試料中のCO 2量を基に、ε、2゜(CO2)が決定できる。
試料中のCO□量の決定において、試料中の他の検体により生じる吸収(ε+( +、)・C’(j、))を考慮することが本質的である。ε□(i、)とC’  (i −)のそれぞれの値は重要でない。前に説明したように、C’ (i b )は、単に、実際の物理的重要性のない理論的な量である。したがって、吸収係 数ε1t(ib)、εx20b)、ε、3(i、)の決定は、これらの係数をは っきりと決定するという問題ではなく、それらの間の比を決定することである。
吸収係数ελ+(tb)、εJ2(l b)、εJ3(1b)は、既知量の水と CO2を有する全体が血液の試料を3つの波長λ1、λ2、λ3で測定すること により決定される。
式(9)に対応して設定される式ができる。水とCO2から得られる項は、前に 得られた吸収係数を基に計算でき、方程式から得られる。3波長の各々で他の検 体により生じた吸収の間の関係を表す3つの方程式が、残される。C’ (i  h)が3波長で同じなので、これらの吸収の間の関係は、吸収係数ε1l(IJ 、ε12(i b)、ε+3(1b)の間の関係に対応する。
吸収係数の最小値は、水の吸収係数と同じ大きさである1、0X10−”μmに 設定され、他の係数は、これに対して相対的に決定される。
吸収係数行列は、次のように決定される。
全体が血液の試料について測定するとき要求されることは、前に述べたように、 試料中の水成分が比較的大きな吸収を生じるので、試料を通る短い放射路長で測 定することである。全体が血液の試料についての測定のための適切な放射路長は 、約Oから最大で200μmまでの範囲にある。しかし、放射路長は、測定室の 壁の内側の間に定在波が生じるほど短くてはだめであり、実際は約0.25μm より小さくない。
測定結果を改善するために、好ましくは、測定ステップは、3度実行される。
こうして、1つの測定で、最初に放射路長を約100μmに設定し、次に50μ mに設定し、ふたたび100μmに設定し、次に50μmに設定し、ふたたび1 00μmに設定し、次に50μmに設定する。各放射路長で、測定室をとおって 伝送される放射の強度が5秒間測定される。得られた「3組」の吸収を基にpC 02の3つの値が得られ、試料中のCO2の量が平均値として計算される。
本発明の方法では、異なった放射路長で測定がなされるが、従来の方法では、放 射路長は一定である。本発明の方法の長所は、以下の比較例から明らかに分かる 。
気体試料中のCO2量の決定は、2つの実験でなされた。第1の実験で用いられ た方法ては、放射路長は、測定の全体にわたって65μmに保たれた。第2の実 験で用いられた方法では、放射路長は、前に述べたように、50μmと100μ mの間で変化された。
各実験において、測定は、それぞれ異なった組成のCO2,0□、N2を有する 3つの気体からなる1組の気体についてなされた。全くは同じでない2つの気体 の組が使用された。同一性がないことは、いまの状況では重要ではない。表1に 、これらの気体の組成が示される。記号Aは第1実験で使用された気体を表し、 記号Bは第2実験で使用された気体を表す。
表1 測定気体の組成 各組の気体において、1つの気体(気体2Aまたは2B)は、血液において普通 の量のCO2と02を有する。他の気体は、これと異なる組成を有する。1つ( 気体IA、IB)は、より大きい量のCO2と、より小さい量の02を有し、他 方(気体3A、3B)は、より小さい量のCO2と、より大きい量の02を有す る。
気体IA、IB、3A、3Bの各々に対し、気体中のCO2の量は、同じ測定室 での5回の連続測定を基に決定された。5つのCO2の決定の平均値と標準偏差 が計算された。
気体2A、2Bの各々に対し、気体中のCO2の量は、3つの異なった測定室を 用いて3回決定された。5回の測定が3つの測定室の各々でなされ、平均値と標 準偏差が、上記の気体IA〜3Bについて説明されたように、計算される。
測定の結果は、下の表2と表3に示される。ここに、表2は、第1実験の結果を 示し、表3は、第2実験の結果を示す。
これらの表において、X a−は、同じ測定室におけるpCO2の5回の測定の 平均値であり、Sは、標準偏差である。
表2 従来方法の測定結果 表3 本発明による方法の測定結果 2つの実験の結果(表2と表3)を比較すると、測定室を通る2つの放射路長で の本発明による測定が大きく有利であることが、明らかである。
表2かられかるように、気体2Aについての結果は、全く許容できない。平均値 は大変異なり、同じ測定室でなされる測定から得られる標準偏差は大きい。
第2実験において、気体2Bについて測定するとき、異なった測定室から得られ る平均値は、大きく変化せず、標準偏差は、かなり小さくなる。
また、他の気体(気体IA、IB、3A、3B)の測定結果を調べると、本発明 の方法が従来法に比べて優れていることが明らかである。
もちろん、以上に説明した本方法は、CO2の他の検体の決定にも使用でき、ま た、溶媒が水であることはその条件でない。他の検体および/または溶媒につい ても、個々の場合において、吸収係数行列(式(11)参照)を決定することが 要求される。
試料を分析するために使用される分析器は、測定室を通る放射路長が正確に設定 できるように設計され、試料中の所定の検体の上述の決定は、2つの波長だけで 測定することにより実行できる。これにより、検体の量を決定する基となる方程 式の組は、2つの未知量を有する2つの方程式を含む。
上述の例において、溶媒(水)は、選択された波長で強く吸収をする。溶媒が測 定波長で吸収をしないとき、試料中の検体の量を決定したい場合、計算のための 方程式の組(式(9)参照)は2つの方程式のみを含む。さらに、放射路長が正 確に設定できる分析器を用いるとき、方程式の組はさらに減らすことができる。
この場合、1波長でだけ測定することが必要であり、したがって、検体の量は、 1つの未知量の1つの方程式から決定できる。
同様に、1試料中のより多くの検体の量は、同じ測定室で測定することにより決 定できる。方程式(3)において、1つまたは複数の検体の吸収への寄与が組み 込まれ、測定は、1つのまたは複数の波長でなされる。従って、この方程式の組 は、決定される他の検体の数に依存して、1つまたは複数の他の方程式を含む。
本発明による測定室装置における測定室の一様な調節を確保するために、好まし くは、測定室は対称的に設計される(図1a〜lc、図8参照)。さらに、その 場合、測定室装置は、光システムに対して特定の方向に向ける必要はない。
しかし、もし希望ならば、測定室は、非対称的に設計できる。たとえば、部分的 に透明な複数の領域が厚さや面積が異なっていてもよく、および/または、異な った材料から製造されてもよい。さらに、測定室の1つの側部だけが調節可能で ある必要がある。この非対称的な設計を用いると、測定室装置は、この測定室装 置のために特に製造された光システムに対して特定の方向に向けられる。
さらに、測定室は、測定室の1つの側部で部分的に透明な壁部分と、放射を反射 する対向する壁部分とを備えていてもよい。対応する光システムにおいて、測定 室装置の方へ透過する放射のための、また、測定室装置から透過される放射のた めの複数の放射透過路は、それぞれ、測定室装置の同じ側にある。
もし測定室が、対応する光システムと相互作用するように適合され、測定室の形 状を調節して測定室を通っての放射路長の設定を調整するならば、測定室は、他 のいくつかの実施例に変形できる。
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Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)測定室を備えた測定室装置の中に位置される試料における検体の量の測光 インビトロ決定法であって、上記の測定室は、定った長さの放射路長を有し、少 なくとも1カ所の少なくとも部分的に透明な壁部分を備え、上記の測定室は、光 システムとの光通信において、検体のために調節され、また、放射源と放射検知 器を備え、さらに、測定室は、形状が調整可能であり、形状の調節が可能な測定 室を用い、この形状の調節が、測定室を通る放射路長の設定の調節であり、 第1の測定ステップにおいて、測定路を通る第1の放射路長が設定され、少なく とも1つの波長の放射が放射源から測定室を通り放射検知器に伝送され、次に第 2測定ステップで、測定室の形状を調整することにより、測定室を通る第2の放 射路長を設定し、 第1ステップと同じ波長での放射が、ふたたび放射源から測定室を通って放射検 知器に達せられ、 検体の量を各測定ステップにおいて検知された放射を基に決定することを特徴と する方法。
  2. (2)請求の範囲第1項に記載された方法において、放射伝送路に位置される測 定室の上記の壁部分の光伝送特性が、測定室の上記の調節に本質的に依存しない ことを特徴とする方法。
  3. (3)請求の範囲第1項または第2項に記載された方法において、上記の測定室 が、上記の放射伝送路に位直される少なくとも部分的に透明な2つの壁部分から なることを特徴とする方法。
  4. (4)請求の範囲第1項または第2項に記載された方法において、上記の測定室 が、1つの少なくとも部分的に透明な壁部分と、入って来る放射を反射する対向 壁部分を備え、これらの壁部分が上記の放射伝送路に位置されることを特徴とす る方法。
  5. (5)請求の範囲第1項〜第4項に記載された方法において、測定室の上記の形 状の調整が、上記の放射伝送路に位置される1つの上記の測定室壁部分の変位に よりおこなわれることを特徴とする方法。
  6. (6)請求の範囲第1項〜第4項に記載された方法において、測定室の上記の形 状の調整が、上記の放射伝送路に位置される2つの対向する測定室壁部分の変位 によりおこなわれることを特徴とする方法。
  7. (7)請求の範囲第1項〜第6項に記載された方法において、上記の伝送される 放射が、検体が吸収する少なくとも1つの波長からなる広帯域放射であることを 特徴とする方法。
  8. (8)請求の範囲第1項〜第7項に記載された方法において、上記の少なくとも 1つの波長に追加する別の波長での放射を、放射源から測定室を通り放射検知器 まで伝送し、 各測定ステップにて上記の複数の波長の各々で検知された放射を基に、第1と第 2の放射路長の差を決定する ことを特徴とする方法。
  9. (9)請求の範囲第1項〜第8項に記載された方法において、上記の検体がCO 2であることを特徴とする方法。
  10. (10)請求の範囲第9項に記載された方法において、4228nm、4268 nmおよび4308nmの付近の波長での約20nmのバンド幅の放射を用いる ことを特徴とする方法。
  11. (11)放射源と、放射検知器と、測定室を備えた測定室装置とを備えた分析器 であり、上記の測定室は、定った長さの放射路長を有し、上記の測定室は、少な くとも1つの少なくとも部分的に透明な壁部分を備え、上記の測定室は、上記の 放射源と放射検知器とを有する光システムと光を通信し、上記の測定室は、形状 が調整可能であり、上記の分析器は、測定室の形状を調整するために適合する手 段を備え、この手段は、起動されたときに、測定室での第1と第2の放射路長を 設定し、上記の放射源は、少なくとも1つの波長での放射を第1と第2の放射路 長で測定室を通って放射検知器に伝送するように適合されることを特徴とする分 析器。
  12. (12)請求の範囲第11項に記載された分析器において、測定室を通る上記の 放射路長が、測定室の少なくとも1つの壁部分と相互に作用しこの壁部分を移動 する形状調節手段により設定されることを特徴とする分析器。
  13. (13)請求の範囲第11項または第12項に記載された分析器において、上記 の測定室は、測定室を通る第1と第2の放射路長を制御可能に設定できるように 形状が調節できることを特徴とする分析器。
  14. (14)請求の範囲第13項に記載された分析器において、上記の放射伝送路に 位置されるように調節される測定室の壁部分の光伝送特性が、測定室の上記の形 状の調節に本質的に依存しないことを特徴とする分析器。
  15. (15)請求の範囲第13項または第14項に記載された分析器において、上記 の測定室が、2つの対向する少なくとも部分的に透明な壁部分からなることを特 徴とする分析器。
  16. (16)請求の範囲第13項または第14項に記載された分析器において、上記 の測定室が、1つの少なくとも部分的に透明な壁部分と、入射する放射を反射す る対向壁部分とからなることを特徴とする分析器。
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