JPH0749484A - 液晶光変調構成体 - Google Patents

液晶光変調構成体

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JPH0749484A
JPH0749484A JP19458993A JP19458993A JPH0749484A JP H0749484 A JPH0749484 A JP H0749484A JP 19458993 A JP19458993 A JP 19458993A JP 19458993 A JP19458993 A JP 19458993A JP H0749484 A JPH0749484 A JP H0749484A
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JP
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liquid crystal
polymer
polymer resin
transparent
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JP19458993A
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English (en)
Inventor
Tatsuichiro Kin
辰一郎 金
Akihiko Uchiyama
昭彦 内山
Satoshi Igarashi
聡 五十嵐
Kenji Nakatani
健司 中谷
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】圧力を印加すると光散乱状態になり電場を印加
すると透明状態となり得て、これらの2つの光学的な状
態をメモリ−する機能と、圧力の印加と電場の印加を繰
り返すことにより光散乱状態と透明状態とを可逆的に繰
り返す機能を有する液晶光変調構成体を得る。 【構成】少なくとも一方が透明な2枚の基板上の透明電
極間に、高分子樹脂と液晶との混合層が挟持された液晶
光変調構成体において、高分子樹脂は、高分子形成性単
官能モノマ−を95重量%以上と、分子内に2つ以上の
官能基を有する高分子形成性モノマ−とを混合した物
を、重合硬化して形成したものであり、かつ高分子樹脂
は室温における液晶垂直配向度の値が7〜50のもので
あることを特徴とする液晶光変調構成体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】少なくとも一方が透明な2枚の基
板上の透明電極間に、高分子樹脂と液晶との混合層が挟
持された液晶光変調構成体に関する。
【0002】
【従来技術】高分子樹脂と液晶との混合体による光変調
構成体としては、液晶を高分子樹脂中に分散した高分子
分散液晶が挙げられる。この例として、NCAPやPD
LC等の各種のものが提案されている。これらのものは
印加電圧のみによって光の散乱、透明状態を制御しよう
とするものである。
【0003】例えばPDLCは、液晶が高分子樹脂中に
滴状あるいは3次元網目状に分散している構造をとる。
そして電場の無印加状態では、高分子樹脂と液晶との屈
折率の相違等によって、光を散乱する状態となる。そし
てこれに一定の電場を印加すると、透明な状態となる。
さらにその電場を印加し続けることで、透明状態を維持
することができる。そして電場の印加を停止すれば、再
び光散乱状態へと戻る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のPDLCのよう
な光変調構成体では、電場を連続的に印加しないでいる
と透明状態を維持できない、言い換えれば透明状態をメ
モリ−することができないという課題がある。
【0005】また、高分子分散液晶の中には、電場を印
加しながら加熱冷却を行って透明状態を得て、電場を印
加せずに加熱冷却を行って光散乱状態を得ることが可能
なものがある。しかしこれは熱的過程を必要とするため
動作速度が遅く、また構成体と組み合わせてのサ−マル
ヘッド等の熱印加手段の走査を必要とするため、構造が
複雑化してしまうという課題がある。
【0006】本発明はかかる課題を解決して、構造が簡
単ながら、圧力を印加すると光散乱状態になり電場を印
加すると透明状態となり得て、これらの2つの光学的な
状態をメモリ−する機能と、圧力の印加と電場の印加を
繰り返すことにより光散乱状態と透明状態とを可逆的に
繰り返す機能を有する液晶光変調構成体を得ることを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶光変調構成
体構成体は、少なくとも一方が透明な2枚の基板上の透
明電極間に、高分子樹脂と液晶との混合層が挟持された
液晶光変調構成体において、高分子樹脂は、下記一般式
(I)
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 は水素原子またはメチル基
を、R2 は炭素数2ないし3のアルキレン基を、R3
炭素数1〜20のアルキル直鎖もしくは末端に炭素数1
〜20のアルキル直鎖を有するベンゼンを、nは0〜1
2の整数を示す。)で示される高分子形成性単官能モノ
マ−を95重量%以上と、分子内に2つ以上の官能基を
有する高分子形成性モノマ−とを混合した物を、重合硬
化して形成したものであり、かつ高分子樹脂は室温にお
ける液晶垂直配向度の値が7〜50のものであることを
特徴としている。
【0010】ここで液晶垂直配向度は次のようにして測
定する。まず、表面に電極層としてITO膜を形成した
2枚基板上に、高分子形成性モノマ−混合液をスピンコ
−ト法、バ−コ−ト法等によりそれぞれ塗布する。その
後、紫外線等の活性光線の照射もしくは加熱等により重
合硬化を行い、50〜200nmの厚さの、均一な高分
子樹脂膜を形成する。この時樹脂膜にはラビング等の表
面処理はいっさい施さない。
【0011】続いてスペ−サ−が分散された封止剤を用
いて、これら2枚の基板を樹脂膜形成面を向い合わせに
して、7〜11μmの一定の空隙を介して貼り合わせて
固定してセルを作製する。その後、液晶を注入する。液
晶注入後、場合によっては液晶の相転移温度以上にセル
を加熱し、その後徐冷することによって、液晶の安定な
配向状態を得る。
【0012】こうして得られた試料を、市販のインピ−
ダンスメ−タ−(例えば、Schlumberger社
インピ−ダンスアナライザ−SI1260タイプなど)
を用い、周波数1KHzにおいてセルの誘電率を測定す
る。セル内で液晶層と樹脂膜層の各電気容量成分が直列
に接続した等価回路を用いて、樹脂膜層の誘電率への寄
与分を補正すれば、セルの誘電率の測定値を用いて液晶
層のみの正確な誘電率の値(εL )を測定できる。
【0013】こうして求まる液晶層の誘電率(εL )
と、公知の測定法による液晶の分子短軸方向の誘電率
(εV )および分子長軸方向の誘電率(εP )を用い
て、液晶垂直配向度=(εL −εV )÷(εP −εV )
×100 の計算式によって液晶垂直配向度の値を求め
る。
【0014】そして本発明においては、高分子樹脂と液
晶とは前述のようにそれぞれ多種類のものを用いること
が可能であるが、本発明の機能を充分に発揮するために
は、液晶垂直配向度の値が7〜50を示す高分子樹脂と
液晶との組合せを用いることが必要である。
【0015】ところで高分子樹脂と液晶との混合層は、
例えば高分子形成性モノマ−と重合開始剤および液晶と
の混合液を、透明な2枚の基板上の透明電極間に挟持し
た後に、高分子形成性モノマ−を重合硬化させ、液晶と
高分子樹脂とを相分離させることにより作製することが
できる。重合硬化の方法としては光硬化法、熱硬化法等
の公知の方法を用いることができるが、本発明において
は、液晶と高分子形成性モノマ−材料との相溶温度付近
の温度下で光硬化法を用いて相分離を行うことが好まし
い。
【0016】また高分子形成性モノマ−混合液を、例え
ば紫外線を照射して硬化する場合の重合開始剤として
は、例えばアセトフェノン系やベンゾイン系等の光重合
開始剤(メルク社製「ダロキュア1173」あるいはチ
バガイギ−社製「イルガキュア651」「イルガキュア
907」など)が挙げられる。さらに高分子形成性モノ
マ−混合液としては、もちろんこれらに限定されるだけ
ではなく、増感剤、連鎖移動剤、2色性色素、および染
料等を添加することもできる。
【0017】また本発明において用いられる液晶として
は、好ましくは常温でネマチック相を示すものが良く、
光散乱性を高めるために通常光屈折率と異常光屈折率の
屈折率差が大きい程良く、さらに低電圧での液晶配向を
促すために誘電率異方性が大きいことが望まれる。な
お、誘電率異方性及び屈折率異方性は正であることが望
ましいが負であっても構わない。
【0018】これらの点を考慮して、液晶層を構成する
液晶成分としては、誘電率異方性が大きく、かつ通常光
屈折率と異常光屈折率の屈折率差が0.2以上のシアノ
ビフェニル系の液晶成分が好適に使用される。もちろん
これに限定されることはなく例えばフェニルシクロヘキ
サン系やピリミジン系等の液晶を初めとした多種の液晶
を用いることができる。またこれらの液晶中に2色性色
素等を添加して用いることも可能である。
【0019】ここで、シアノビフェニル系液晶としては
例えば、メルク社製のE7,E8,BL007,BL0
09,BL011,BL012等を挙げることができ
る。
【0020】また透明電極を有する光学透明な基板とし
ては、ITO等の透明電極を表面に形成した、ガラス、
高分子樹脂フィルム(PET等)、高分子樹脂シ−ト、
高分子樹脂板(たとえばポリカ−ボネ−ト、アクリル樹
脂等)等を用いることができ、場合によっては基板表面
にハ−ドコ−ト層や反射防止層等を設けても構わない。
【0021】このような本発明の液晶光変調構成体は、
圧力を印加すると光散乱状態をとり、電場を印加すると
透明状態をとり得て、これらの2つの光学的な状態をメ
モリ−する機能と、圧力の印加と電場の印加を繰り返す
ことにより光散乱状態と透明状態とを可逆的に繰り返す
スイッチング機能とを有する。
【0022】従って、例えば本構成体全面が透明状態で
ある時に、本構成体上に局所的に圧力を加えることによ
り、圧力印加部分を光散乱状態とすることができる。こ
の時、本構成体上で、圧力が印加された部分だけを遮光
状態とするコントラストの高い表示を行うことができ
る。そしてこの表示状態は、本構成体内の透明電極間に
電場を印加して構成体を透明状態とすることによって消
去することができる。
【0023】また本構成体の基板として、高分子樹脂フ
ィルム(PET等)や高分子樹脂シ−ト等の、柔軟性を
有する材料を用いた場合には、構成体上を鉛筆、ボ−ル
ペン等の筆記用具類で文字や図形等をなぞれば、構成体
はなぞられた通りに正確にそれらを表示することができ
る。この時、構成体上に表示させるのに必要な筆圧は、
通常約50〜250gf程度である。この場合も同様
に、構成体に電場を印加することにより、これら文字や
図形等の表示状態を消去することができる。
【0024】このように本構成体は、一般の筆記行為等
によって情報の記録、表示等を行うことができ、加え
て、こうした記録、表示状態を簡単に消去することが可
能である為、書き替え可能な感圧紙、もしくは光記録材
料として、あるいはタッチパネル、入力タブレット、圧
力センサ等として応用することができる。
【0025】そうした際には、構成体上の表示状態を検
出する必要がある場合がある。構成体の表示状態の電気
的な検出方法としては、高分子樹脂と液晶との混合層の
誘電率、もしくは混合層の有効電極面積当りの電気容量
等の変化として、光散乱状態と透明状態を検出すること
ができる。すなわち構成体が透明状態時には、光散乱状
態時に比べて混合層の誘電率が大きくなる。例えば、構
成体に単純マトリクス方式の液晶デバイスと同様に、上
下基板上にそれぞれ複数の行電極あるいは列電極を設
け、構成体上で両電極が混合層を挟んで立体的に交差す
る部分の誘電率を順次走査していくことによって、構成
体全面にわたって表示状態を検出することができる。な
お、誘電率もしくは電気容量を測定する際には、該構成
体の表示状態を変化させることのないような充分低い交
流電圧を混合層に印加する。
【0026】また、構成体の表示状態の光学的な検出方
法としては、光検出器またはアレ−状の光検出器、及び
ビ−ムスプリッタ−等の光学部品等の光学系を、構成体
と組み合わせて用いることができる。光検出器として好
ましくはフォトダイオ−ド、あるいはそれがアレイ上に
形成されたフォトダイオ−ドアレイ、フォトマルチプラ
イヤ−、CCD等を用いることができ、光導電体等も用
いることができる。
【0027】また、本構成体を入力タブレット等の情報
入力機器として用いる場合、前述のような、構成体上の
表示状態を検出する手段を、構成体に組み合わせて設け
れば、情報の入力行為と入力情報の記録、表示を同時に
行うことができ、構成を非常に簡単にすることができ
る。特に表示状態の電気的な検出方法を組み合わせた場
合には、構成体上に複数の電極を設けておくだけでよい
ので、構成がより簡単になる。
【0028】また、本構成体は情報の表示を続ける為
に、特別な電力を必要としないメモリ−機能を有するた
め、機器の消費電力を減少させることもできる。
【0029】本構成体全面が光散乱状態である時に、透
明基板上に複数の透明電極群等を形成しておけば、公知
の方法(例えば単純マトリクス方式、アクティブマトリ
クス方式等)を用いて構成体に局所的に電場を印加する
ことが可能となり、電場が印加された部分のみを透明状
態としてコントラストの高い表示を行うことができる。
【0030】こうした表示状態は、構成体に圧力を印加
して構成体を光散乱状態とすることによって消去するこ
とができる。
【0031】本構成体上に電気的手段によって構成体に
局所的に圧力を印加できる機構と、構成体に局所的に電
場を印加できる機構を別々に設ければ、2入力の電気的
制御によって、構成体上で局所的に2つの表示状態を可
逆的に制御することができる。
【0032】構成体上に電気的手段によって局所的に圧
力を印加することのできる機構としては、例えば、Ba
TiO3 ,LiNbO3 ,CdS,ZnO,PbZrO
3 ,PbTiO3 ,水晶等の圧電性無機化合物層あるい
はポリふっ化ビニリデン等の圧電性高分子層等と、これ
らの圧電層に電場を印加する為の複数の電極群を構成体
上に形成し、公知の方法(例えば単純マトリクス方式、
アクティブマトリクス方式等)等を用いて、構成体に局
所的に圧力を印加できるようにした機構が好ましく用い
られる。
【0033】このように圧電層等への電気的制御によっ
て構成体に局所的に圧力を印加できる機構と、構成体に
局所的に電場を印加できる機構を別々に設けることによ
って、2入力の電気的制御手段によって構成体上で局所
的に、光散乱状態と透明状態の2つの表示状態を可逆的
に制御する機構を本構成体は有する。
【0034】すなわち電気的な制御だけによって、構成
体上に情報の記録、表示を行うことができ、また、こう
した記録、表示を簡単に消去することができる為、書き
替え可能な光記録材料として、あるいは光シャッタ−、
調光材、ディスプレイパネル等として応用することがで
きる。
【0035】前述のような、2入力の電気的制御手段に
よって構成体上で局所的に、光散乱状態と透明状態の2
つの表示状態を可逆的に制御する機構を持つ構成体を用
いれば、構成体の表示状態を用いて、2つの演算入力も
しくは2つの演算子による2値関数の演算を、本構成体
上で行うことができる。
【0036】例えば、構成体上のある領域において、こ
の領域の示す光散乱状態と透明状態をそれぞれ0と1と
する2値関数として考え、この領域への圧力の印加行為
と電場の印加行為をそれぞれ演算入力Aと演算入力Bと
すると、前述のような本構成体の機能を用いて、構成体
上で次のような4つの演算が可能である。0・A=0、
0・B=1、1・A=0、1・B=1。
【0037】この演算において、演算入力Aおよび演算
入力Bは演算子として働き、0と1の2値関数が演算出
力を示す。演算子Aは2値関数に作用させると2値関数
を0にさせる演算子であり、演算子Bは2値関数に作用
させると2値関数を1にさせる演算子である。
【0038】こうした演算は、何回でも連続的に行うこ
とができ、この領域の表示状態を本文中に記した方法に
より検出する手段と組み合わすことによって、2つの演
算入力を持ち、0と1の2値関数を演算出力とする光演
算素子として用いることができる。
【0039】またこうした演算は構成体上の複数の領域
において、同時に平行して行うことができ、本構成体は
並列演算可能な光演算素子として光情報処理等に用いる
ことができる。
【0040】なお、こうした演算の原理を利用すれば、
構成体上で2種以上の図形、画像パタ−ンの重なり部分
の抽出等の画像処理行為も簡単に行うことができる。
【0041】ところで本発明の光変調構成体を、圧力感
応性を有するディスプレイパネルに応用することもでき
る。その際には例えば、透明基板/画素電極層/液晶と
高分子樹脂混合層/画素電極層/透明基板/圧電層駆動
電極層/圧電層/圧電層駆動電極層/透明基板の構成を
用いることができる。その際に、画素電極と圧電素子駆
動用電極に挟まれた透明基板は、非常に薄い絶縁層で代
用可能である。また画素電極と圧電素子駆動用電極を兼
用し、これらに挟まれた透明基板をはぶくことも可能で
ある。
【0042】
【実施例1】液晶材料としてメルク社製の「BL00
9」液晶68重量%、高分子形成性モノマ−としてノニ
ルフェノキシポリエチレングリコ−ルアクリレ−ト(東
亜合成化学工業社製「アロニックスM111」)とペン
タエリスリト−ルテトラアクリレ−ト(共栄社油脂化学
工業社製「PE4A」)の重量比100:1の混合物3
1.85重量%、及び重合開始剤としてベンジルジメチ
ルケタ−ル(チバガイギ社製「イルガキュア651」)
0.15重量%から成る構成材料を、10μmの空隙を
有する2枚のITO電極付きガラス基板中に挟持した
後、基板全体を45℃に保ちながら光強度10mW/平
方cmの紫外光を約3分間照射し、厚みが約10μmの
液晶、高分子樹脂混合層を形成した。
【0043】ここで、本実施例1の構成材料における高
分子形成性モノマ−を用いて作製した高分子樹脂膜と液
晶との組合せによる垂直配向度の測定値は約11であっ
た。
【0044】このようにして得られた構成体は、電場無
印加の光散乱状態において光透過率2.3%と測定され
た。なお光透過率の測定は、波長633nmを有するH
e−Neレ−ザ−を光源とし、該構成体内の液晶、高分
子樹脂混合層面から30mm後方に固定した3mm径の
フォトダイオ−ドに到達する光量を測定することにより
行った。
【0045】続いて、透明電極間に50Hzの交流電圧
18Vを印加した後、電場無印加状態に戻して再び光透
過率を測定すると22.0%を示し、構成体は透明状態
になった。この透明状態においてガラス基板上から圧力
を加えると再び構成体は光散乱状態となり、光透過率は
2.3%と測定された。この構成体はこのような圧力の
印加と電場の印加を繰り返すことによって、光散乱状態
と透明状態を繰り返し、光学的特性等に変化は観られな
かった。
【0046】
【実施例2】実施例1のガラス基板の代わりに、表面に
透明導電性層を形成した厚さ125μmの2枚のポリエ
ステルフィルム間に、10μm径のスペーサ(積水ファ
インケミカル社製「ミクロパール210」)0.3重量
%をよく分散した前記構成材料を挟持した後、構成材料
層を挟む2枚のフィルム上にローラーを用いて均一な圧
力を加え構成材料層の厚みが10μmになるようにした
後、フィルム基板全体を45℃に保ちながら10mW/
平方cmの光強度の紫外光を約3分間照射し、厚みが約
10μmの液晶、高分子樹脂混合層を形成した。
【0047】このようにして得られた構成体は実施例1
記載の構成体とほぼ同様の機能及び光学的特性を有して
いた。そして透明導電性層間に50Hzの交流電圧18
Vを印加した後、電場無印加状態に戻して構成体全面を
透明状態とした時、この構成体上すなわちポリエステル
フィルム基板上を鉛筆、ボ−ルペン等の筆記用具類を用
いて文字や図形等を書くが如くになぞると、なぞられた
部分のみが光散乱状態となり、なぞられた文字や図形等
が明確に浮かび上がり表示される。なお、この時の筆圧
は約100gf程度であった。
【0048】この表示状態は透明導電性層間に再び50
Hzの交流電圧18Vを印加した後、電場無印加状態に
戻すことにより構成体全面を透明状態とすることにより
消去することができる。この透明状態において鉛筆等で
ポリエステルフィルム基板上をなぞることにより、なぞ
られた部分のみを再び明確に表示することができる。こ
の過程は何回でも繰り返して行うことができ、表示のコ
ントラスト等の光学的特性に変化は観られなかった。
【0049】
【比較例1】液晶材料としてメルク社製の「E8」液晶
70重量%、高分子形成性モノマ−としてノニルフェノ
キシポリエチレングリコ−ルアクリレ−ト(東亜合成化
学工業社製「アロニックスM111」)とペンタエリス
リト−ルテトラアクリレ−ト(共栄社油脂化学工業社製
「PE4A」)の重量比100:1の混合物29.85
重量%、及び重合開始剤としてベンジルジメチルケタ−
ル(チバガイギ社製「イルガキュア651」)0.15
重量%から成る構成材料を10μmの空隙を有する2枚
のITO電極付きガラス基板中に挟持した後、基板全体
を25℃に保ちながら10mW/平方cmの光強度の紫
外光を約3分間照射し、厚みが約10μmの液晶、高分
子樹脂混合層を形成した。なお、本構成材料における高
分子形成性モノマ−を用いて作製した高分子樹脂膜と液
晶との組合せによる垂直配向度の測定値は約64であっ
た。
【0050】このようにして得られた構成体は光透過率
1.4%と測定された。この光散乱状態において透明電
極間に50Hzの交流電圧18Vを印加した後、電場無
印加状態に戻して再び光透過率を測定すると4.1%を
示し、構成体の示す光散乱状態はほとんど変化しなかっ
た。
【0051】
【比較例2】液晶材料としてメルク社製の「BL01
2」液晶68重量%、高分子形成性モノマ−としてノニ
ルフェノキシポリエチレングリコ−ルアクリレ−ト(東
亜合成化学工業社製「アロニックスM111」)とペン
タエリスリト−ルテトラアクリレ−ト(共栄社油脂化学
工業社製「PE4A」)の重量比100:1の混合物3
1.85重量%、及び重合開始剤としてベンジルジメチ
ルケタ−ル(チバガイギ社製「イルガキュア651」)
0.15重量%から成る構成材料を10μmの空隙を有
する2枚のITO電極付きガラス基板中に挟持した後、
基板全体を25℃に保ちながら10mW/平方cmの光
強度の紫外光を約3分間照射し、厚みが約10μmの液
晶、高分子樹脂混合層を形成した。なお、本構成材料に
おける高分子形成性モノマ−を用いて作製した高分子樹
脂膜と液晶との組合せによる垂直配向度の測定値はほぼ
0であった。
【0052】このようにして得られた構成体は光透過率
1.6%と測定された。この光散乱状態において透明電
極間に50Hzの交流電圧18Vを印加した後、電場無
印加状態に戻して再び光透過率を測定すると4.4%を
示し、構成体の示す光散乱状態はほとんど変化しなかっ
た。
【0053】
【発明の効果】本発明は、光変調構成体は構造が簡単な
がら、圧力を印加すると光散乱状態をとり、電場を印加
すると透明状態をとり得て、これらの2つの光学的な状
態を長時間にわたって変化なく維持を行う機能と、圧力
の印加と電場の印加を繰り返すことにより光散乱状態と
透明状態とを可逆的に繰り返す機能を有する。従って、
該構成体は書き替え可能な感圧紙や光記録材料、タッチ
パネル、入力タブレット、圧力センサ、光シャッタ−、
調光材、ディスプレイパネル、光演算素子、画像処理装
置等の広い応用範囲を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中谷 健司 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明な2枚の基板上の
    透明電極間に、高分子樹脂と液晶との混合層が挟持され
    た液晶光変調構成体において、高分子樹脂は、下記一般
    式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を、R2 は炭素
    数2ないし3のアルキレン基を、R3 は炭素数1〜20
    のアルキル直鎖もしくは末端に炭素数1〜20のアルキ
    ル直鎖を有するベンゼンを、nは0〜12の整数を示
    す。)で示される高分子形成性単官能モノマ−を95重
    量%以上と、分子内に2つ以上の官能基を有する高分子
    形成性モノマ−とを混合した物を、重合硬化して形成し
    たものであり、かつ高分子樹脂は室温における液晶垂直
    配向度の値が7〜50のものであることを特徴とする液
    晶光変調構成体。
JP19458993A 1993-08-05 1993-08-05 液晶光変調構成体 Pending JPH0749484A (ja)

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JP19458993A JPH0749484A (ja) 1993-08-05 1993-08-05 液晶光変調構成体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7248318B2 (en) 2002-05-31 2007-07-24 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device and method of producing the same

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