JPH0749439A - 光ファイバ−ケーブル - Google Patents

光ファイバ−ケーブル

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JPH0749439A
JPH0749439A JP5215225A JP21522593A JPH0749439A JP H0749439 A JPH0749439 A JP H0749439A JP 5215225 A JP5215225 A JP 5215225A JP 21522593 A JP21522593 A JP 21522593A JP H0749439 A JPH0749439 A JP H0749439A
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JP
Japan
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wire
optical fiber
fiber cable
tension member
tensile strength
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JP5215225A
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Inventor
Hiroshi Ichige
博 市毛
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Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd
Tokyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd
Tokyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光ファイバー数の増加が可能であると共に軽量
化と良好な可撓性を実現でき、かつすぐれた耐久性と耐
食性、耐侯性を備えた光ファイバーケーブルを提供す
る。 【構成】中心にテンションメンバーを有し、その外周に
光ファイバーを内包した複数の補強管を配し、該補強管
の外周にラッピング層を施し、該ラッピング層の外周に
シース補強層とキャプタイヤシースを設けた光ファイバ
ーケーブルにおいて、前記テンションメンバーが、炭素
含有量が0.82%以上の炭素鋼にCrとSiを所定量
添加し表面にZn-Al合金めっきを施した高抗張力、高耐
蝕性めっきワイヤの単線または撚り線により構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバーケーブルに
関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその技術的課題】近年、通信技術の発
達は目覚ましく、大量の情報を伝達するための手段の一
つとして、光ファイバーケーブルが実用化されつつあ
る。この光ファイバーケーブルは伝送損失が少なく長距
離のデータ伝送に適しているため、大陸間を結ぶ海底ケ
ーブル等において実用化されている。ところで、光ファ
イバーは石英や多成分ガラスなどが用いられているため
曲げに弱く、また起伏に富む海底に敷設されたり空中に
架線されて過酷な環境に曝されるため、かかる光ファイ
バーを多数本集合させたケーブルには良好な可撓性と引
っ張り強度が要求される。そこで一般に、光ファイバー
ケーブルは、芯にテンションメンバーを配置し、その外
周に光ファイバーを内包した補強管を配し、その外周に
ラッピング、シース補強層、シースを設けた構造として
いる。
【0003】しかし、この従来の光ファイバーケーブル
においては、テンションメンバーとして炭素含有量が
0.4〜0.7%の炭素鋼線に亜鉛めっきを施したもの
が使用されていた。このため、例えば線径が1.00m
mφにおいて、引っ張り強さが1600〜2000N/
mm2程度と低く、繰り返し曲げの疲労性も550N/
mm2程度と低く、耐食性も十分とはいえなかった。こ
れらのことから、ケーブル内でのテンションメーバーの
断面積比が大きく、比強度(引っ張り強さ/単位重量)が
低くなるため、光ファイバー数の増加に制限が生じて通
信容量を増加できなくなったり、吊線の支点間隔や電柱
間隔を狭くすることが必要となったり、可撓性が乏しく
なって耐久性が低下するなどの問題があった。また、テ
ンションメンバーとして、アラミド繊維で代表される高
強度繊維と熱硬化性樹脂との複合材も使用されている
が、衝撃力を受けると折れやすいためケーブルとして重
要な可撓性が損なわれ、耐久性が乏しくなるという問題
があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記のような問
題点を解消するために発明されたもので、その目的とす
るところは、光ファイバー数の増加が可能であると共に
軽量化と良好な可撓性を実現でき、かつすぐれた耐久性
と耐食性、耐侯性を備えた光ファイバーケーブルを提供
することにある。
【0005】上記目的を達成するため本発明は、テンシ
ョンメンバーとして特殊なものを使用したもので、すな
わち、中心にテンションメンバー有し、その外周に光フ
ァイバーを内包した複数の補強管を配し、該補強管の外
周にラッピング層を施し、該ラッピング層の外周にシー
ス補強層とキャプタイヤシースを設けた光ファイバーケ
ーブルにおいて、前記テンションメンバーを、炭素含有
量が0.82%以上の炭素鋼にCrとSiを所定量添加
し表面にZn-Al合金めっきを施した高抗張力、高耐蝕性
めっきワイヤの単線または撚り線により構成したもので
ある。また本発明は、上記に代えて、テンションメンバ
ーを炭素含有量が0.92%以上で表面にZn-Al合金め
っきを施した高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤの単線ま
たは撚り線で構成したものである。このようなテンショ
ンメンバーは、強度が高く、良好な可撓性があり、さら
に耐疲労性と耐食性があるため、前記した目的を達成す
ることができる。
【0006】以下本発明を添付図面に基いて詳細に説明
する。図1は本発明による光ファイバーケーブルの第1
実施例を示している。図1において、1はテンションメ
ンバーであり、該テンションメンバー1を中心としてそ
の外周にそれぞれ複数本の光ファイバー3を内包した材
質が合成樹脂やゴムの複数本(図面では6本)補強管2が
互いに隣接するように配され、撚り合わされており、そ
れらの補強管2の外周に止水コンパウンドテープ類によ
ってラッピング4が施され、さらにラッピング4の外周
には止水用の合成樹脂やゴムからなるシース補強層5を
設け、最外層にプラスチック製のキャプタイヤシース6
を被覆している。光ファイバー3は図示しないがコアと
クラッドとからなっている。図1においてテンションメ
ンバー1は、炭素含有量が重量比で0.82%以上の高
炭素鋼にCrとSiを所定量添加した化学的成分組成の
鋼線材を伸線し表面にZn−Al合金めっきを施した高
抗張力、高耐蝕性めっきワイヤか、または、炭素含有量
が重量比で0.92%以上の鋼線材を伸線し、表面にZ
n−Al合金めっきを施した高抗張力、高耐蝕性めっき
ワイヤを複数本撚り合わせることで構成されている。こ
の例では、前記高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤ10を
中心に1本配しその周りに同径または異なる径の高抗張
力、高耐蝕性めっきワイヤ10を側として複数本(図面
では6本)配して撚合した2層撚り構造からなってい
る。この場合の撚り方向は通常Zよりであり、撚りピッ
チは例えばテンションメンバー直径の10倍である。こ
れに代えて、3層以上の多層構造でもよいし、あるいは
芯なしの一層撚りであってもよい。さらには図2のよう
に高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤ10をさらに細径の
素線100の複数本を撚り合わせたストランドとして構
成し、そうしたストランドからなる高抗張力、高耐蝕性
めっきワイヤ10を一層または多層撚りしたものも含ま
れる。その例としては(1×3)+6×(1×3)の構造式のも
のが挙げられる。このストランドの場合、ストランドと
テンションメンバーの撚りと撚りピッチは、心側のスト
ランドはSよりテンションメンバーはZよりとし、ストラ
ンドピッチは側及び心ともテンションメンバーのピッチ
の0.6〜0.9倍たとえば0.82倍程度の関係とす
ることが好ましい。
【0007】図3は本発明による光ファイバーケーブル
の第2実施例を示している。この図2においては、中心
に単線からなるテンションメンバー1を配し、その外周
にコンパウンド被覆7を施し、その外周にそれぞれ単数
または複数本の光ファイバー3を内包した複数本(図面
では12本)の補強管2を撚合し、その外周にラッピング
4を施し、シース補強層5を介してキャプタイヤシース
6を被覆したものである。この実施例におけるテンショ
ンメンバー1は、前記第1実施例と同様に、炭素含有量
が0.82%以上の高炭素鋼にCrとSiを添加した化
学的成分組成の鋼線材にZn−Al合金めっきを施した
高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤまたは、炭素含有量が
0.92%以上の硬鋼線材にZn−Al合金めっきを施
した高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤ10からなってい
る。
【0008】本発明において、テンションメンバー1を
構成する高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤ10とは、線
径0.3〜2.6mmφにおいて、引っ張り強さが200
0N/mm2以上、疲労限すなわち繰返し曲げ疲労限が62
0N/mm2以上、塩水噴霧試験による720時間後の腐限
量が0.5g以下の特性を備えたものをいう。上記テン
ションメンバー1を構成する高抗張力、高耐蝕性めっき
ワイヤ10は、線径がたとえば1.0mmを超える径の場
合、図4(a)に示すように、所定化学成分組成の硬鋼線
材を得、これをパテンティング処理し、最終線径に到る
まで冷間引抜き加工を行い、冷間引抜き加工後、Zn−
Al合金めっきを行い、単線として使用する場合にはそ
のままヒートストレッチ処理を行い、撚り線として使用
する場合にはクローサーなどの撚り線機で撚り合せてか
らヒートストレッチ処理を行うことによって製造され
る。線径が例えば1.0mm以下の細線の場合には、図4(b)
に示すように、所定化学成分組成の硬鋼線材を得、これ
をパテンティング処理し、中間の所定径(例えば最終線
径の約2.5倍の径)まで冷間伸線加工を施した時点で
溶融Zn−Al合金めっきを行う。
【0009】さらに詳しく説明すると、まず、炭素含有
量が重量比で0.82%以上の高炭素鋼を使用する理由
は、炭素含有量が0.82%未満では適正なパテンティ
ング処理条件下でも引張り強さは1160N/mm2未満であ
り、0.82%以上とすることによって1250〜1350N/mm
2まで引張り強さを向上させることができるからであ
る。 しかし、炭素量が0.82%以上の高炭素鋼を使
用するだけでは高い引張り強さが得られない。そこでC
rとSiを添加して高引張り強さするもので、これによ
ってめっき時の強度低下を抑制し、高炭素量を生かして
抗張力と耐疲労性の向上を図ることができる。すなわ
ち、めっき時の強度低下は主としてセメンタイトの層状
組織の崩壊によるものであるが、Siはセメンタイトに
はほとんど固溶しないのに対し、Crはセメンタイトに
きわめてよく高濃度に固溶する性質がある。したがって
セメンタイトの崩壊はSi、Crの拡散に律速され、セ
メンタイトの崩壊速度が低下するため強度の低下が抑制
されるものである。Crの添加量は重量比で0.1〜
0.6%、Siの添加量は重量比で0.8〜1.5%が
好適である。その理由は、Crの添加量が0.1%未満
では セメンタイトの崩壊速度の低下を期待できず、C
rの添加量が0.6%を超える量では強固な固溶セメン
タイトが次工程の伸線性に影響を及ぼし、また、Siの
添加量が0.8%未満ではフェライト相の強度アップに
寄与しないからである。しかし、Crの添加量が0.1
%を超えかつSiが0.8%を越えると、フェライト相
とセメンタイト相の両相の強度向上によって目標を達成
することができる。次に、パテンティングは引っ張り強
さが1300N/mm2程度を得るための熱処理であ
り、鉛などの加熱媒体を使用し、かつ鋼線材の表面の脱
炭を防止するため、雰囲気として還元性雰囲気を用い、
加熱温度を920〜970℃とし、冷却温度を540〜
600℃とし、処理時間を30〜70秒とすべきであ
る。次に、パテンティング後の硬鋼線材を冷間引抜きに
より所定の線径まで伸線加工を施す。この時の伸線条件
としては、伸線加工に用いるダイス(最終ダイス)のアプ
ローチ全角度を8°〜12°とする。これはシェブロン
クラック(内部割れ)を防止するためである。ダイス全ア
プローチ角が8°未満ではワイヤ断面に対して一様な加
工となるがダイスとの摩擦係数が大となり、潤滑性に問
題が生ずる。一方、12°を超える角度ではシェブロン
クラックの発生が助長され、疲労性も低下する。また、
伸線加工中の加工熱により鋼線材は脆化が生じる。これ
を極力押さえるためダイス出口付近に水冷装置を設置
し、その水冷装置により直接ワイヤを水冷することが好
ましい。
【0010】次に、伸線加工されたワイヤに一浴方式で
溶融亜鉛−アルミ合金めっきを行なう。この亜鉛−アル
ミ合金めっきの条件は、ワイヤを脱脂、酸洗、水洗処理
した後フラックス処理し、アルミニウム濃度が4〜6重
量%の亜鉛−アルミ合金めっき浴を使用し、めっき浴温
度395〜430℃、しかも適正なめっき量を得るた
め、好ましくは線速15〜45m/minでワイヤを通過さ
せることによって行う。この理由は、第1に亜鉛−アル
ミ合金めっきが溶融亜鉛めっきに比べてすぐれた耐食
性、耐侯性を有するからである。第2に高い疲労強度を
得ることができるからである。すなわち、溶融亜鉛めっ
きでは鉄素地と亜鉛との境界面上に硬くて脆い合金層が
成長し、かかる硬くて脆い合金層の存在によりワイヤに
曲げ応力がかかった場合や繰り返し曲げが与えられた場
合にワイヤ表面層から亀裂が発生しやすくなって疲労性
を低下させる。これは溶融亜鉛めっきを行って下地を作
り、その上に溶融亜鉛−アルミ合金めっきを施す二浴式
めっき法も同様である。これに対し、一浴式の亜鉛−ア
ルミ合金めっきによれば鋼とめっき層との間に硬くて脆
い合金層が生成されないため、疲労限が向上する。第3
に溶融亜鉛めっきにおいては、通常、亜鉛の溶融温度(4
19.4℃)プラス30℃の450℃前後で行われるため、ワ
イヤは加熱により軟化し、引張り強度が低下する。これ
に対し、溶融亜鉛−アルミ合金めっきは亜鉛とアルミと
の共晶点付近の温度の浴温で作業を行わうことができる
ため、その温度差分すなわち20〜40℃低い温度差分
だけ熱履歴温度が低下し、強度低下が少なくなるからで
ある。しかも、前記のようにワイヤの化学成分組成とし
てSiを0.8〜1.5%、Crを0.1〜0.6%を
含有していることによりセメンタイトの崩壊速度を低下
させることができ、めっき温度におけるワイヤの強度低
下を100〜200N/mm2程度抑制することができる。
【0011】アルミニウム濃度を4〜6重量%としたの
は、この範囲が最もよい耐食性を示し、かつめっき浴の
流動性を高くすることができ、またドロスの発生が少な
いためである。めっき浴温度の上限は430℃であり、
これを上回る温度では熱履歴温度が高くなるため不可で
ある。また、395℃を下回る温度では浴の流動性が悪
くなるため、やはり不可である。線速が15m/min未満
では加熱保持時間が長くなるとともにめっき厚が薄くな
り過ぎ、所期の耐食性が達成されず、50m/minを超え
る線速では加熱保持時間は短くて済むが、めっき厚が必
要以上になる。めっきはめっき浴上で絞り部により付着
量が調整された後、冷却装置により冷却され、凝固され
る。以上で高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤ10が得ら
れる。これを用いて撚り線の場合には複数本を撚り合
せ、この状態でヒートストレッチ処理を行う。単線で使
用する場合にはそのままヒートストレッチ処理を行う。
このヒートストレッチ処理は、250〜400℃の比較
的低い加熱温度条件下で、切断荷重の30〜50%の緊
張荷重を単線または撚り線を与え、数秒間保持すること
で行う。これにより単線または撚り線の内部残留応力の
分布状態が改善されると共に、直線性が改善される。テ
ンションメンバーは光ファイバーケーブルの中心部に存
在するため、直線でなく曲がりくせ等を有する場合は、
ケーブル自体の直線性が悪くなり、通信性等実用上大き
な問題となるが、こうした問題を解消することができ
る。しかも、このヒートストレッチ処理により亜鉛−ア
ルミ合金めっき表面が薄い酸化被膜で覆われ、シース材
料の樹脂との密着性を良好にすることができる。
【0012】なお、炭素含有量が0.92%以上の高抗
張力、高耐蝕性めっき線10を製造する工程は前記炭素
含有量が0.82%以上かつSi,Cr添加の高抗張
力、高耐蝕性めっき線10の場合と同様である。しか
し、この場合はSi,Crが通常の高炭素鋼と同一レベ
ルのため、めっき浴温度における強度の低下を抑制する
ことは期待できない。そこでこの高抗張力、高耐蝕性め
っき線10の場合には、パテンティング処理条件と冷間
伸線加工条件により強度アップを図る。パテンティング
処理条件としては、加熱温度を920〜950℃とし、
処理時間を33〜90と10〜30%程度長くする。こ
れにより未溶解炭化物を完全に溶解させることができ
る。また、冷間伸線加工条件は、1回のダイス伸線加工
減面率を15%以下とするものである。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。まず、好適なテ
ンションメンバーを得るべく、線径0.30〜2.60
mmの高抗張力、高耐蝕性めっき線を製造した。該高抗張
力、高耐蝕性めっき線は、化学成分組成がC:0.83%、Si:
1.0%、Cr:0.3%、Mn:0.50%、P:0.02%残部鉄および不可避
的不純物からなる高炭素鋼線材を原材料とし、これを還
元性雰囲気で加熱し、鉛温度:580℃、処理時間:40秒で
鉛パテンティング処理し、1300N/mm2の引張り強さに調
整した。該高炭素鋼線材を線径が1.0mmを超えるものに
ついては、アプローチ全角度が10°の伸線ダイスを使用
し、ダイス出口で直接水冷しながら目標径まで伸線加工
した。線径が1.0mm以下のものについては、線径が2.5〜
1.5mmまで上記条件で伸線した。次いで、一浴式にて溶
融亜鉛-アルミニウム合金めっきを施した。めっきはア
ルミニウム濃度5.5%、温度410℃の浴を用い、線速20〜4
0m/minで行った。次いで線径が1.0mmを超えるものにつ
いては、めっき後ヒートストレッチ処理を行い、線径が
1.0mm以下のものについては前記中間径段階でめっきを
行った状態で再び伸線加工を行い、ヒートストレッチ処
理を行った。ヒートストレッチ処理は、加熱温度:30
0℃、緊張荷重:切断荷重の40%で行った。得られた高
抗張力、高耐蝕性めっき線(単線)の機械的特性を従来
のテンションメンバー用鋼線と比較して示すと表1のと
おりである。従来のテンションメンバー用鋼線は化学成
分組成がC:0.63%、Mn:0.52、Si:0.3%の高炭素鋼線材で
あり、これを還元性雰囲気中で加熱し、処理温度:970
℃、処理時間:30秒で鉛パテンティング処理し、浴温
度:560℃の純溶融亜鉛浴でめっきしたものである。
【0014】
【表1】
【0015】表中、疲労限は中村式ワイヤ疲労試験機
(但し0.3mm径はハンター式疲労試験機)で行った結果で
あり、S.S.T.はJISZ 2371で規定される塩水噴霧試
験の結果であり、720時間後の腐減量を示している。
この表1から、本発明品はいずれの線径においても、引
張強さ、疲労限、および塩水噴霧試験後の錆の発生が大
幅に改善されていることがわかる。
【0016】実施例1 上記結果をもとに図1に示す光ファイバーケーブルを得
た。テンションメンバーは、1.0mmφの高抗張力、高耐
蝕性めっき線の7本をヒートストレッチ処理前に同ピッ
チ同撚り方向で撚りあわせて直径が3.0mmφの2層撚りと
したものである。該テンションメンバーは、降伏強度:9
750N、破断時伸び:5.5%、弾性係数:193 GPa、可撓度:1
3、耐疲労性2.4×104回の特性を示した。該テンション
メンバーの外周に10本の光ファイバーを内包した補強
管を6本より合わせ、その上にラッピングを施し、その
上にシース補強層を施し、最外層にキャプタイヤシース
を被覆した。比較のため、線径1.0mmφのめっき線を7
本より合わせて2層よりとしたテンションメンバーを作
り、これに上記構成の補強管、ラッピング、シース補強
層、キャプタイヤシースを施して光ファイバーケーブル
を得た。この2種の光ファイバーケーブルのテンション
メンバーの特性を比較すると、表2のとおりである。表
2において、発明品−1がこの実施例のものである。疲
労試験条件は、安全率5.0、D/d=40としたもの
であり、耐疲労性は破断までの繰返し回数で表した。
【0017】
【表2】
【0018】この表2から、本発明による光ファイバー
ケーブル用テンションメンバーは、降伏強度が従来品に
比べて1.8倍大きくなるため、ケーブル内でのテンシ
ョンメンバーの断面積比を約50%も下げることがで
き、また53%の軽量化を図ることができ、耐疲労性も
30%も向上し、耐食性、耐侯性も約4倍向上している
ことがわかる。なお、アラミド繊維をエポキシ樹脂をマ
トリックスとして複合化したテンションメンバー(直径
3.0mm)と比較すると、本発明のテンションメンバーは弾
性係数が193 GPaであり、上記高強度繊維複合体が54 GP
aであるのに対し、これよりも大きく安定しており、従
って光ファイバーケーブルに異常な曲げ応力が働いても
座屈を起すことがなかった。
【0019】実施例2 次に表1の線径2.3mmの単線をテンションメンバーとし
て使用した。該テンションメンバーは降伏強度1710N、
破断時伸び3.0%、疲労性680N/mm2の特性を示した。この
テンションメンバーを芯として外周に被覆を施し、その
周りに各々1本の光ファイバーを内包した補強管12本
をより合わせ、ラッピングを施し、防水テープによりシ
ース補強層を形成し、その上にキャプタイヤシースを被
覆して、図3に示す構造の光ファイバーケーブルを得
た。この光ファイバーケーブルは、テンションメンバー
として表1の直径2.3mmの亜鉛めっき鋼線を使用した場
合に比べ、比強度において29%、耐食性において4倍、耐
疲労性において46%向上していた。
【0020】実施例3 テンションメンバーとして、素線径0.7mmの高抗張力、
高耐蝕性めっきワイヤを7本2層撚りしたものを使用
し、直径2.1mmの光ファイバーケーブル用テンションメ
ンバーを得た。これを表2に発明品-2として示す。発明
品-2は降伏強度を従来品と同一にしている。高抗張力、
高耐蝕性めっきワイヤは、化学的成分組成がC:0.94%、S
i:0.23%、Mn:0.60%、P:0.020%、S:0.021%%残部鉄および
不可避的不純物の線材を原材料とし、これを還元性雰囲
気中で加熱し、処理温度:560℃、処理時間:50秒で鉛パ
テンティング処理し、アプローチ全角度が10°の伸線ダ
イスを使用し、ダイス出口で直接水冷しながら目標径ま
で伸線加工し、実施例1と同じ条件で一浴式の溶融亜鉛
-アルミニウム合金めっき、ヒートストレッチ処理を行
ったものである。この表2から本発明によれば、従来品
よりも細いテンションメンバー径でありながら引張り強
さ、耐疲労性、単位重量を著しく改善できている。な
お、このC92級高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤは、直
径が2.30mmの単線状態で、引張り強さ:2300N/mm2、疲労
限:680N/mm2、S.S.T.:0.55 grの特性を示し、テンショ
ンメンバーとした場合、降伏強度:1725 Nの特性を示
し、テンションメンバーとして表1の直径2.3mmの亜鉛
めっき鋼線を使用した場合に比べ、比強度において35
%、耐食性において約4倍、耐疲労性において51%向上し
ていた。
【0021】
【発明の効果】以上説明した本発明によるときは、光フ
ァイバーケーブルにおいて、炭素含有量が0.82%以
上でかつSiとCrを添加した高炭素鋼線材または炭素含有
量が0.92%以上の高炭素鋼線材を伸線し溶融亜鉛-
アルミニウム合金めっきしたワイヤ単線または撚り線を
テンションメンバーとして使用しているため、すぐれた
耐蝕性、耐候性を有し、しかも比強度と耐疲労性が著し
く向上し細径化が可能になるため、テンションメンバー
の断面積比を低減できることにより光ファイバーの素線
数を増加して通信容量の増加が可能になると共に吊持支
点間隔を広げることができるため敷設が容易となる。ま
た、同時に弾性係数が高く、良好な可撓性を有するため
耐久限が向上し、大きな曲げを受けても座屈を起さない
ため耐久性の良好な光ファイバーケーブルとすることが
できる。請求項4によれば、高抗張力、高耐蝕性めっき
鋼線の単線または撚り線が、炭素含有量が0.82%以
上の炭素鋼にCrを0.1〜0.6%とSiを0.8〜
1.5%添加した鋼線材を、温度540〜600℃、処
理時間20〜60秒でパテンティングし、伸線後または
伸線途中でアルミニウム濃度4〜6%の一浴式溶融亜鉛
−アルミニウム合金浴でめっきするため、強度低下が防
止されかつ鋼とめっき層との間に硬い合金層が形成され
ず耐疲労性をよくすることができ、さらにヒートストレ
ッチ処理するため、良好な直線性が得られると同時にめ
っき表面が薄い酸化被膜が被われているため、シース用
の樹脂との密着性が極めて良好で確実な一体化を図るこ
とができるなどのすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光ファイバーケーブルの一例を
示す断面図である。
【図2】本発明におけるテンションメンバーの一例を示
す拡大断面図である。
【図3】本発明にかかる光ファイバーケーブルの別例を
示す断面図である。
【図4】本発明におけるテンションメンバーの製造工程
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 テンションメンバー 2 補強管 3 光ファイバー 4 ラッピング 5 シース補強層 6 キャプタイヤシース 10 高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤ10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心にテンションメンバーを有し、その外
    周に光ファイバーを内包した複数の補強管を配し、該補
    強管の外周にラッピング層を施し、該ラッピング層の外
    周にシース補強層とキャプタイヤシースを設けた光ファ
    イバーケーブルにおいて、前記テンションメンバーが、
    炭素含有量が0.82%以上の炭素鋼にCrとSiを所
    定量添加し表面にZn-Al合金めっきを施した高抗張力、
    高耐蝕性めっきワイヤの単線または撚り線により構成さ
    れていることを特徴とする光ファイバーケーブル。
  2. 【請求項2】中心にテンションメンバーを有し、その外
    周に光ファイバーを内包した複数の補強管を配し、該補
    強管の外周にラッピング層を施し、該ラッピング層の外
    周にシース補強層とキャプタイヤシースを設けた光ファ
    イバーケーブルにおいて、前記テンションメンバーが、
    炭素含有量が0.92%以上で表面にZn-Al合金めっき
    を施した高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤの単線または
    撚り線により構成されていることを特徴とする光ファイ
    バーケーブル。
  3. 【請求項3】高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤが、線径
    0.3〜2.6mmφにおいて、引張り強さが2000N/
    mm2以上、疲労限が620N/mm2以上、塩水噴霧試験によ
    る720時間後の腐限量が0.5g以下の特性を備えて
    いる請求項1または請求項2に記載の光ファイバーケー
    ブル。
  4. 【請求項4】高抗張力、高耐蝕性めっきワイヤまたはこ
    れの撚り線が、炭素含有量が0.82%以上の炭素鋼に
    重量比でCrを0.1〜0.6%、Siを0.8〜1.
    5%添加した鋼線材を、温度540〜600℃、処理時
    間20〜60秒でパテンティングし、伸線後または伸線
    途中でアルミニウム濃度4〜6%の一浴式溶融亜鉛−ア
    ルミニウム合金浴でめっきし、ヒートストレッチ処理す
    ることで製造されたものである請求項1または3に記載
    の光ファイバーケーブル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002317388A (ja) * 2001-04-19 2002-10-31 Nippon Steel Corp 高耐食めっき撚り鋼線およびその製造方法
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