JPH0749320A - 核磁気共鳴装置 - Google Patents

核磁気共鳴装置

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JPH0749320A
JPH0749320A JP5194475A JP19447593A JPH0749320A JP H0749320 A JPH0749320 A JP H0749320A JP 5194475 A JP5194475 A JP 5194475A JP 19447593 A JP19447593 A JP 19447593A JP H0749320 A JPH0749320 A JP H0749320A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来に代わる新方式クァドレーチャ検波により
ゴーストピークの発生を防ぎ正確な観測核の磁気共鳴ス
ペクトルが得、測定時間の短縮化を図る。 【構成】単一のアナログ受信系2,5,8,9により核
磁気共鳴信号を検出し、この測定データをA/D変換し
てプロセッサ12に送る。共鳴励起用送信信号の周波数
を核磁気共鳴スペクトル分布領域の中に、一方、共鳴信
号検出用参照信号の周波数をスペクトル分布領域から外
れるように設定する。前記アナログ受信系の後段には、
フェイズジェネレータ11で求めた正弦値,余弦値を基
に共鳴励起用送信信号・検出用参照信号の周波数差,位
相差の一方又は両方をディジタル補正して核磁気共鳴信
号に90°位相差を持たせた複素数のディジタル演算を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルスフーリエ変換型
の核磁気共鳴装置に係わり、特に核磁気共鳴検出系に起
因する不要信号(ゴースト信号)の出現を抑える技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】パルスフーリエ変換型の核磁気共鳴装置
の検出法として、クァドレーチャ検波法が最も一般的に
使用されている。この方式では相互に90度位相の異な
る2チャンネルのアナログ受信系を備え、核磁気共鳴信
号を実数部,虚数部の複素数の信号としてサンプリング
する。その後複素フーリエ変換により周波数スペクトル
を得る。
【0003】クァドレーチャ検波法によれば、複素フー
リエ変換により受信信号の周波数の正負の成分を判別分
離でき、このため核磁気共鳴励起用送信信号(以下、共
鳴励起用送信信号と称する)の周波数を観測核のスペク
トル分布領域(ケミカルシフト)の中に設定できる。こ
れにより送信器出力パワーを効率良く利用できるという
大きな長所を持ち、周波数スペクトルの均一な励起がで
き定量性が改善される。
【0004】また、この種の核磁気共鳴装置では、デー
タ積算や各種の位相干渉性の測定のため、受信信号の位
相は常に一定であることが要求される。このため、共鳴
励起用送信信号の周波数と核磁気共鳴信号検出用参照信
号(以下、共鳴信号検出用参照信号と称する)の周波数
は同一であることが要求されていた。
【0005】ところで、クァドレーチャ検波法では、装
置に起因する望ましくないゴースト信号を発生し易すい
という問題があった。
【0006】ゴースト信号には二種類あり、(1)一つ
は、相互に90度の位相差を持つ2つの受信系チャンネ
ル間での信号増幅器,周波数変換器,フィルタ等の振幅
特性・位相特性のずれや、検波器の90度位相差にずれ
等が生じることに起因するゴースト信号で、この場合に
は、本来の信号と中心周波数を挟んで対称の位置に現れ
る。(2)もう一つは、共鳴信号検出用参照信号や共鳴
励起用送信信号が受信器入力に結合(信号漏れ)して検
出されるゴースト信号で、この場合には、共鳴信号検出
用参照信号と共鳴励起用送信信号との周波数が同一であ
るため、受信部に入る漏れ信号が周波数差零の信号成分
(直流成分)として、結果的にはスペクトル分布領域の
中心位置に現れる。
【0007】(1)のタイプのゴースト信号について
は、2チャンネルの受信器間で、データ積算中交互に0
度・90度の位相を交換する方法で、また(2)のタイ
プについては、共鳴励起用送信信号の位相をデータ積算
中交互に反転することで軽減される(位相サイクリング
方式)。これらを踏まえて従来装置では通常4回のデー
タ積算を測定の最小単位としている。このことは同一の
情報を得るのに原理的な最小時間の4倍の測定時間を要
求するもので、例えば二次元NMR法のように多数の測
定データから総合的に情報を抽出する場合、大きな時間
のロスとなる。一例として5秒間隔で500種類のデー
タの測定を実行する場合、1データ1回のデータ収集で
よければ計2500秒の測定時間で済むのに対し、1デ
ータ4回のデータ積算をする場合、10000秒の測定
時間を必要とする。このような長い測定時間の要求は、
大きな時間のロスとなるばかりでなく、特に変化し易い
試料では分解能や試料濃度などの測定限界にたいして大
きな制約を加えることになる。
【0008】クァドレーチャ検波法の長所・短所につい
ては”Journal of magnetic re
sonance 14,160−169(1974)”
などに記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上、従来技術の項で
述べたように、従来使用されているクァドレーチャ法で
は、被測定試料に由来する本来のピークの他に、測定装
置の検出系(受信系)に起因するゴースト信号ピークを
生じやすい。
【0010】本発明の目的は、クァドレーチャ法の利点
を残しつつ、しかも測定時間のロスをなくしつつゴース
ト信号の発生しない新しい検出技術を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、基本的には次のような課題解決手段を提案
する。
【0012】すなわち、本発明は、直流磁場を発生する
磁石を備え、該磁石の磁場内に置かれた被測定試料に高
周波磁場を照射して核磁気共鳴を励起し、該核磁気共鳴
信号を検出するように構成された核磁気共鳴装置におい
て、前記核磁気共鳴信号を検出する単一のアナログ受信
系を有し、共鳴励起用送信信号の周波数を核磁気共鳴ス
ペクトル分布領域の中に、一方、共鳴信号検出用参照信
号の周波数を前記スペクトル分布領域から外れるように
設定し、前記アナログ受信系の後段には、前記共鳴励起
用送信信号と共鳴信号検出用参照信号の両信号の位相差
及び周波数差のいずれか一方または両者をディジタル的
に補正して前記単一アナログ受信系から出力される核磁
気共鳴信号に90°位相差を持たせた複素数のディジタ
ル演算を行う手段を設けて成ることを特徴とする。
【0013】
【作用】上記構成によれば、共鳴励起用送信信号の周波
数については核磁気共鳴スペクトル分布領域の中に設定
することにより、効率よく核磁気共鳴を励起できる。そ
して、この核磁気共鳴信号は、単一のアナログ受信系で
検出される〔具体的には、例えば核磁気共鳴信号(高周
波数)を1チャンネルの受信系で中間周波数,低周波数
に段階的に変換した後、特定周波数の帯域幅をバンドパ
スフィルタにより選択して通過させる〕るため、上記従
来の(1)の問題点〔すなわち、相互に90度の位相差
を持つ2つの受信系チャンネル間での信号増幅器,周波
数変換器,フィルタ等の振幅特性・位相特性のずれや、
検波器の90度位相差にずれ(誤差)等が生じることに
起因するゴースト信号の問題〕を解消できる。
【0014】一方、共鳴信号検出用参照信号の周波数に
ついては共鳴励起用送信信号の周波数と異ならせて、観
測核の核磁気共鳴スペクトル分布領域外に設定すること
が可能となるので、共鳴励起用送信信号や共鳴信号検出
用参照信号が漏れによりアナログ受信系に入力しても、
観測核の核磁気スペクトル分布領域の中心に表れるゴー
スト信号が除去され、上記従来の(2)の問題点を解消
できる。
【0015】ただし、共鳴励起用送信信号と共鳴信号検
出用参照信号の周波数が異なるため、検出スペクトルの
位相が一定せず、このままでは位相干渉性の実験や、複
数のスペクトルを積算してS/N改善することができな
い。また、単一のアナログ受信系だけでは、90°位相
差検波を実行することはできない。この問題に対処する
ため、本発明では、アナログ受信系の後段にデジタル演
算手段を接続して、前記共鳴励起用送信信号と共鳴信号
検出用参照信号の両信号の位相差及び周波数差のいずれ
か一方または両者をディジタル的に補正し、これによ
り、共鳴検出用参照信号の周波数を最終的(アナログ受
信系の信号処理の後)に共鳴励起用送信信号と一致さ
せ、且つ前記単一アナログ受信系から出力される核磁気
共鳴信号に90°位相差を持たせた複素数のディジタル
演算を行う。また、このように90°位相差検波を従来
の2チャンネルのアナログ受信系に代えてディジタル演
算で行うことで、正確な90°位相差検波を可能にす
る。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明する。
【0017】図1は本発明の一実施例に係る核磁気共鳴
装置のブロック図で、1は直流磁場を発生する磁石、2
はプローブで、磁場内に置かれ、中に挿入された被測定
試料の核磁気共鳴を励起し検出する。3はマスタークロ
ック発生器で、装置内で使用される全ての周波数成分は
この出力から合成される。4はトランスミッタで、核磁
気共鳴励起用送信信号を発生し、その出力はプローブ2
に送られて核磁気共鳴を励起する。プローブ2で検出さ
れた核磁気共鳴信号を高周波増幅器5で増幅する。
【0018】6は核磁気共鳴信号の検出用参照信号発生
器で、この検出用参照信号は、観測核のスペクトル分布
領域外の周波数となるように上記共鳴励起用送信信号と
異ならせている。7は周波数混合器で、検出用参照信号
発生器6の出力を受け、核磁気共鳴信号の周波数を例え
ば300MHzから500kHzに変換する。
【0019】8はバンドパスフィルタで、所望のスペク
トル帯域のみ(ここでは、500kHz)を通過させ、
スペクトル帯域外の成分を阻止する。バンドパスフィル
タ8を通過した信号は図示されない周波数変換器により
最終的に50kHzに変換され、低周波増幅器9で増幅
され、この増幅されたアナログ信号(低周波信号)がA
/D変換器10によりにサンプリングされて、ディジタ
ル信号としてデータ収集プロセッサ(ディジタル演算手
段)12に入力される。
【0020】上記構成要素のうち、プローブ2,高周波
増幅器5,周波数混合器7,バンドパスフィルタ8,低
周波増幅器9,A/D変換器10が単一チャンネルのア
ナログ受信系を構成し、その後段のデータ収集プロセッ
サ12がディジタル演算系を構成する。
【0021】11はフェイズジェネレータで、マスター
クロック発生器3からの合成信号の成分から、共鳴励起
用送信信号と共鳴信号検出用参照信号の差の周波数の位
相情報を発生する(例えば、マスタークロック発生器3
で周波数ωAとωBを合成して共鳴励起用送信信号ωO
生成し、このうち、ωAを検出用参照信号とした場合、
ωBが共鳴励起用送信信号と検出用参照信号の差の周波
数となり、本実施例では、この差の周波数の位相情報を
後述する如く正弦値sinΔωt、余弦値cosΔωt
として発生している)。なお、フェイズジェネレータ1
1の具体的構成例は図2を用いて後述する。
【0022】データ収集プロセッサ12は、A/D変換
器10からのディジタル信号(核磁気共鳴信号)とフェ
イズジェネレータ11の出力を受け(フェイズジェネレ
ータの出力は核磁気共鳴信号の検出と同期してサンプリ
ングする)、前記共鳴励起用送信信号と共鳴信号検出用
参照信号の両信号の周波数差をディジタル的に補正して
前記単一アナログ受信系から出力される核磁気共鳴信号
に90°位相差を持たせたディジタル演算を行い、さら
に複素フーリエ変換により観測核の共鳴スペクトルを得
る。
【0023】本実施例ではトランスミッタ4の出力信号
(共鳴励起送信信号)の周波数は、検出される核磁気共
鳴スペクトルの分布領域の中に設定され最も効率良く核
磁気共鳴を励起する。一方、共鳴信号検出用参照信号の
周波数は、上記スペクトルの分布領域外に設定してある
ため、従来のように共鳴励起送信信号と共鳴信号検出用
参照信号とを同一とした場合に共鳴スペクトル分布領域
の中に生じるゴーストピークの発生を避けることができ
る。また、単一のアナログ受信系を構成するため、従来
のクァドレーチャ法のような2チャンネル受信系間の位
相・周波数特性のずれによるゴースト信号の発生を防止
できる。
【0024】図3は本実施例において検出された核磁気
共鳴信号のスペクトルと各種周波数設定値の関係の例を
示す(周波数変換後の周波数関係を示す)。
【0025】ここでは、観測核のスペクトルとしてHス
ペクトルを例示し、Hスペクトルの分布領域(検出信号
帯域幅)は、図3ので示され、この帯域幅は典型的
には10ppm程度(H共鳴周波数300MHzの時3
kHz)で、は共鳴励起用送信信号の周波数で検出信
号帯域幅の中心位置にあり、共鳴信号検出用参照信号
はスペクトル帯域の中心から50kHz離れた周波
数に設定されている。この時、上記バンドパスフィルタ
8は、検出信号帯域幅が含まれる500kHz成分を通
過させ、検出に不要な400kHz成分をカットオフす
るように設定されている。最終的にスペクトロメータの
出力としてサンプリングされる信号は、周波数変換され
た周波数50kHzを中心に3kHzの帯域に分布する
スペクトルである。本実施例ではこの信号をに示すよ
うに200kHzのサンプリングレート(100kHz
の帯域幅に相当)でサンプリングする。
【0026】しかるにこの状態では共鳴励起用送信信号
と共鳴信号検出用参照信号の周波数が異なるため、検出
スペクトルの位相が一定せず、積算によりS/N改善す
ることや、位相干渉性の実験ができない。この点を解決
するため本実施例では、共鳴励起用送信信号と共鳴信号
検出用参照信号の差の周波数の正弦項及び余弦項を発生
する差信号発生器をフェイズジェネレータとして利用す
る。
【0027】図2に差信号発生器の構成例を示す。13
は位相増分アドレスレジスタで各クロックサイクル毎の
位相増分値に対応するアドレス増分値を持つ。14は加
算器で現在の位相アドレスと位相増分アドレスを加えて
クロックサイクル毎に新しい位相アドレスを発生する。
15はこの位相アドレスを保持する位相アドレスレジス
タ。16,17はそれぞれサインジェネレータ,コサイ
ンジェネレータで、位相アドレスに対応する正弦値,余
弦値をそれぞれ出力する。この値はデータ収集プロセッ
サ12により、データ(核磁気共鳴信号)収集に同期し
てサンプリングされ次のようなディジタル演算がなされ
る。
【0028】この正弦値,余弦値をsinΔωt,co
sΔωtとし、サンプリングされた測定スペクトルをf
〔(ω+Δω)t〕とすると、gr(ωt)=f〔(ω
+Δω)t〕cos(Δωt),gi(ωt)=f
〔(ω+Δω)t〕sin(Δωt)のディジタル演算
により周波数変換を行う。ここで、gr(ωt)は実数
部、gi(ωt)は虚数部に相当し、gr(ωt),g
i(ωt)は、励起用送信信号と検出用参照信号の周波
数差,位相差が補正されて、結果的に共鳴励起用送信信
号に検出用参照信号の周波数が一致するように補正さ
れ、これらの周波数がスペクトル分布領域の中心に位置
する相互に正確に90°位相の異なる核磁気共鳴の検出
信号となる。
【0029】本実施例によれば、ディジタル演算により
クァドレーチャ位相検波を可能にすると共に、核磁気共
鳴信号にディジタル演算により正確に90°位相差を持
つように設定できるため、従来のアナログ式クァドレー
チャ検波のように検波器の特性のずれによってスペクト
ル領域の中心対象位置に生じていたゴーストピークが表
れない。また、既述したように、単一アナログ受信系で
あるために、従来の2チャンネル受信器間の増幅器,周
波数変換器,バンドパスフィルタ等の位相・周波数特性
のずれによる中心対象のゴーストピークの発生を防止で
き、またアナログ回路による検出用周波数と最終的なス
ペクトル中心周波数(共鳴励起送信信号)が異なるた
め、スペクトル中心のゴーストピークの発生もない。
【0030】なお、本実施例では測定ポイント毎に差周
波数のサンプリングをしているが、各FID信号(核磁
気共鳴信号)のサンプリングスタートに同期して差周波
数の位相情報のみのサンプリングを行い、これを初期値
として、その後に続く測定点に関する周波数・位相の補
正は、データ収集プロセッサでこれらのパラメータを計
算しながら、ディジタル演算により補正しても、本実施
例と同様の効果が得られる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、従来のクァドレーチャ
位相検波方式に較べて、ゴーストピークの発生が無く、
正確な観測核の磁気共鳴スペクトルが得られる。また、
従来の位相サイクリングも不要となり、測定に要する時
間が従来の方法に比べて1/4に短縮される。この測定
時間の短縮効果は、変化しやすい試料などについても2
次元NMRのような長時間の測定を要する手法の適用を
可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図
【図2】上記実施例に用いる差周波数発生器の一実施例
を示すブロック図
【図3】スペクトルと各種周波数の関連図
【符号の説明】
1…磁石、2…プローブ、3…マスタークロック発生
器、4…トランスミッタ、5…高周波増幅器、6…検出
用参照信号発生器、7…周波数混合器、8…バンドパス
フィルタ、9…低周波増幅器、10…A/D変換器、1
1…フェイズジェネレータ、12…データ収集プロセッ
サ(ディジタル演算手段)、13…位相増分アドレスレ
ジスタ、14…加算器、15…位相アドレスレジスタ、
16…サインジェネレータ、17…コサインジェネレー
タ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 8105−2J G01N 24/02 530 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流磁場を発生する磁石を備え、該磁石
    の磁場内に置かれた被測定試料に高周波磁場を照射して
    核磁気共鳴を励起し、該核磁気共鳴信号を検出するよう
    に構成された核磁気共鳴装置において、 前記核磁気共鳴信号を検出する単一のアナログ受信系を
    有し、核磁気共鳴励起用送信信号の周波数を核磁気共鳴
    スペクトル分布領域の中に、一方、核磁気共鳴信号検出
    用参照信号の周波数を前記スペクトル分布領域から外れ
    るように設定し、前記アナログ受信系の後段には、前記
    核磁気共鳴励起用送信信号と核磁気共鳴信号検出用参照
    信号の両信号の位相差及び周波数差のいずれか一方また
    は両者をディジタル的に補正して前記単一アナログ受信
    系から出力される核磁気共鳴信号に90°位相差を持た
    せた複素数のディジタル演算を行う手段を設けて成るこ
    とを特徴とする核磁気共鳴装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記核磁気共鳴信号
    のサンプリングに同期して前記核磁気共鳴励起用送信信
    号と核磁気共鳴信号検出用参照信号の差の周波数の信号
    をサンプリングする機構を備えて、該差信号と核磁気共
    鳴信号のディジタル演算により前記核磁気共鳴励起用送
    信信号と核磁気共鳴信号検出用参照信号の位相差及び周
    波数差を補正するように構成された核磁気共鳴装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記核磁気共鳴信号
    のサンプリングのスタートに同期して前記核磁気共鳴励
    起用送信信号と核磁気共鳴信号検出用参照信号の差の周
    波数の位相を検出する機構を備え、該差信号の位相を初
    期値としてその後にサンプリングされる核磁気共鳴信号
    について、前記核磁気共鳴励起用送信信号と核磁気共鳴
    信号検出用参照信号の位相差及び周波数差を補正するよ
    うに構成された核磁気共鳴装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    において、前記単一のアナログ受信系は、励起・検出用
    のプローブに生じた前記核磁気共鳴信号を増幅する高周
    波増幅器と、高周波の核磁気共鳴信号を検出用参照信号
    を基に中間周波数,低周波数と段階的に変換する周波数
    混合器と、所望のスペクトル帯域のみを通過させるバン
    ドパスフィルタと、低周波増幅器と、前記バンドパスフ
    ィルタを通過した帯域選択信号をアナログからディジタ
    ルに変換するA/D変換器とを有し、 前記アナログ受信系に接続されるディジタル演算手段
    は、前記A/D変換器のサンプリングに同期して核磁気
    共鳴励起信号と核磁気共鳴信号検出用参照信号との周波
    数差をサンプリングし正弦値,余弦値として出力するフ
    ェイズジェネレータと、前記A/D変換器及びフェイズ
    ジェネレータからのデータを基に実数部,虚数部の複素
    数演算を行うマイクロプロセッサを有して成ることを特
    徴とする核磁気共鳴装置。
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JP3114955B2 (ja) 2000-12-04

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