JPH0749076B2 - 根巻きボタン付けミシン - Google Patents

根巻きボタン付けミシン

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JPH0749076B2
JPH0749076B2 JP63281989A JP28198988A JPH0749076B2 JP H0749076 B2 JPH0749076 B2 JP H0749076B2 JP 63281989 A JP63281989 A JP 63281989A JP 28198988 A JP28198988 A JP 28198988A JP H0749076 B2 JPH0749076 B2 JP H0749076B2
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button
holder
sewing
neck
root
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俊彦 小島
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Yamato Sewing Machine Mfg Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、紳士・婦人服上衣やベストの前ボタン、内
ポケツト用ボタン、ズボンのピスポケツト用ボタンなど
のように、各種の縫製物にボタンを縫着する場合に用い
られるミシンで、特に根糸を介して生地に縫着されたボ
タンに根巻きを施す場合に使用される根巻きボタン付け
ミシンに関するものである。
[従来の技術] 生地にボタンを縫着した根糸に対して根巻きを施した場
合は、ボタンの縫い付け強度が高まるばかりでなく、生
地に対してボタンを浮かせた状態で堅固に保持すること
ができるため、ボタン孔への係合も容易になる等といつ
た利点を有する。
ところで、従来のこの種の根巻きボタン付きミシンにお
いて、生地に対する根巻きの開始位置を根糸の長手方向
に沿つて変更する場合、複数種類を準備したカムを変換
するといつた機械的な方法が採用されていた。
また、生地とボタンの間に亘る根糸の長さやその根糸の
径、材質等に応じて根巻きの運針数を変更することで、
手縫いと同様に風合いの良い、また高品質で丈夫な仕上
りの根巻きボタン付けが行なえるが、そのための根巻き
運針数の設定変更に関しても、従来のミシンでは、カム
等を変更していた。
[発明が解決しようとする課題] 従来の根巻きボタン付けミシンは、以上のように構成さ
れていたので、根巻き開始位置の変更や根巻き運針数の
変更を必要とするたびに、ミシンの一部を分解してカム
等を変更するといつた煩雑、面倒な手数を要し、ボタン
付け作業の能率面で好ましくない欠点を有していた。
この発明は上記実情に鑑みてなされたもので、生地に対
してボタンを浮かせる状態にして堅固に、かつボタン孔
に対する係脱が容易になるように根巻きすることができ
るのはもちろん、生地の厚みや根糸の径、材質等にかか
わらず、風合いがよく、また丈夫な仕上がりの根巻き縫
製を能率よく実行することができる根巻きボタン付けミ
シンを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この発明に係る根巻きボタン
付けミシンは、二つ折り生地の中間に挿入されてこの生
地を固定する生地ホルダーと、根糸を介して上記生地に
縫着されたボタンを上記根糸がほぼ水平面に沿って針板
の貫通孔上を横断する姿勢に保持するボタンホルダー
と、上記生地ホルダーおよびボタンホルダーを水平面内
の互いに直交する二次元方向に移動させる駆動装置とを
備え、ミシンの作動にともない上記駆動装置を介して生
地ホルダーおよびボタンホルダーを上記二次元方向に同
期移動させることにより、針落ち位置を上記根糸の長手
方向の両側に交互で、かつ、長手方向に所定ステップづ
つ変位させて根巻き縫製を行うように構成した根巻きボ
タン付けミシンにおいて、生地に対する根巻き縫製の開
始位置を根糸の長手方向に沿って変更し設定する手段
と、その設定された根巻き縫製の開始位置に上記生地ホ
ルダーおよびボタンホルダーを移動させるように上記駆
動装置を制御する手段とを具備したことを特徴とするも
のである。
上記構成の根巻きボタン付けミシンにおいて、請求項2
のように、根巻き工程の全運針数を設定する運針数設定
手段と、これにより設定された運針数の2分の1を生地
側からボタン側への運針数とし、かつ、残りの2分の1
をボタン側から生地側への運針数として上記駆動装置に
作動制御信号を出力する運針数演算手段とを付加するこ
とが好ましい。
〔作用〕
この発明によれば、ミシンの作動にともない生地ホルダ
ーおよびボタンホルダーを水平面内の互いに直交する二
次元方向に同期移動させることにより、針落ち位置を根
糸の長手方向の両側に交互で、かつ、長手方向に所定ス
テップづつ変位させて根巻き縫製を行なえ、これによっ
て、根巻き糸が根糸の一箇所に何重にも巻かれて、その
部分が局部的に大径化することなく、根巻き糸を根糸の
長手方向に分散させてボタンの縫い付け強度を高めなが
らも、ボタン孔への係合・離脱を容易なものとすること
が可能である。その上、根巻き縫製に先立って、生地の
厚みや根糸の径、材質などに応じて生地に対する根巻き
縫製の開始位置を簡単な操作により根糸の長手方向に沿
って任意に設定変更することが可能であるから、根巻き
縫製にともなって生地に皺が発生することを防げるとと
もに、手縫い感覚に近い状態の風合いよい仕上がりの根
巻き縫製を実現することができる。
また、請求項2のように構成すれば、根巻き工程の全運
針数を自由に設定できるとともに、その設定運針数の2
分の1づつを、根糸の長手方向に沿っての往復移動時の
根巻き運針数に振り分けることが可能となり、根巻き形
状を均一にしてより一層風合いのよい仕上がりを得るこ
とができる。
〔発明の実施例〕
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図および第2図はそれぞれ要部の斜視図であり、同
図において、(1)は縫針で、この縫針(1)はミシン
アーム(11)内に設けた昇降駆動機構(図示省略)など
を介して一定位置を上下に往復運動する。(12)は生地
ガイドで、この生地ガイド(12)の下側には、上記縫針
(1)が上下に通過移動する貫通孔(13a)をもつた針
板(13)が密接状態に配置され固定されている。(14)
はボタンホルダーで、ボタン(6)をその周部の両側か
ら弾性的に保持する一対の円弧状の挟持片(14a)、(1
4b)からなる。(15)はボタンホルダー回転用シリンダ
で、このシリンダ(15)の伸長収縮により連結杆(1
6)、(17)を介して上記ボタンホルダー(14)を、第
1図で示すようなボタン(6)の根付け縫製姿勢と第2
図で示すような根巻き縫製姿勢とに切換える。(18)は
ストツパーねじで、上記ボタンホルダー(14)の根付け
縫製姿勢および根巻き縫製姿勢を初期調節するためのも
のである。
(19)は生地ホルダーで、ボタン(6)を縫着する生地
(8)を二つ折りにして、その二つ折り生地(8)の中
間に挿入されて生地(8)を固定する。(20)は生地ホ
ルダー回転用シリンダで、このシリンダ(20)の収縮伸
長により連結杆(21)、(22)、軸(23)、ブラケツト
(24)を介して上記生地ホルダー(19)を生地(8)に
対して固定状態と解除状態とに切換える。(25)は生地
押え、(26)は生地押え作動シリンダで、この生地押え
(25)は上記生地ホルダー(19)により生地ガイド(1
2)上に載置される二つ折り生地(8)の上面に斜め上
方から当接して、この生地(8)を第3図で示すよう
に、針板(13)から遠ざかる前方(f)に向かつて押圧
することで生地(8)の撓みを防ぐものである。
(27)は可動テーブルで、この可動テーブル(27)は後
述する2つのステツピングモータ(28)、(29)および
タイミングベルト(38)、(39)を介して水平面内で互
いに直交する二次元方向、つまりX−Y軸方向に同期的
に往復駆動移動するように構成されている。(30)およ
び(31)は左右一対の生地ホルダー腕で、上記可動テー
ブル(27)の左右両側面に固定されている。上記一対の
生地ホルダー腕(30)および(31)間に亘つて上記生地
ガイド(12)が固定連結されているとともに、1方の生
地ホルダー腕(30)に上記軸(23)が支承されている。
(32)はボタンホルダー腕で、これは腕継手(33)を介
して上記可動テーブル(27)に支持されている。
以上の構成により、上記ボタンホルダー(14)および生
地ホルダー(19)が可動テーブル(27)を介してX−Y
軸方向に同期的に往復移動可能に構成されている。
(34)は生地ホルダー調節板で、上記1方の生地ホルダ
ー腕(30)の外側に沿つて設けられ、その下端部が軸
(23)の周りに揺動自在に取付けられている。(35)は
軸腕ストツパーで、上記連結杆(22)に固定され、上記
生地ホルダー調節板(34)の中間部の上辺に接当可能な
折曲辺(35a)を有している。(36)はストツパー調節
具で、上記生地ホルダー腕(30)に取付けられていると
ともに、その先端部が上記生地ホルダー調節板(34)の
上端部に支軸(37)を介して取付けられている。このよ
うな構成により、生地ホルダー回転用シリンダ(20)の
伸長状態でストツパー調節具(36)を回転操作すること
により、上記生地ホルダー(19)の先端部の縫針(1)
の上下運動面に対する位置を前後方向に移動させて根巻
き用第1針位置を調節する第1針位置調節機構を構成し
ている。
第4図は上記した構成の根巻きボタン付けミシンの制御
系の概要を示すブロツク図であり、同図において、(4
0)はマイクロコンピユータユニツト(以下、マイコン
ユニツトと称す)で、ボタン付けのための根付け縫製、
根巻き縫製といつた一連のシーケンス動作や縫い速度な
どをプログラム可能なプログラムメモリ(40A)と各種
データをアクセスメモリ可能なデータメモリ(40B)と
中央演算処理装置(以下、CPUと称す)(40C)とからな
る。(41)〜(48)は操作パネル(55)上に配列された
第1〜第8設定器であり、それぞれインターフエイス回
路(49)を介して上記マイコンユニツト(40)に接続さ
れている。
第1設定器(41)はX軸の原点位置(X=0)の微調節
を、また第2設定器(42)はY軸の原点位置(Y=0)
の微調節をおこなうもので、これら第1および第2設定
器(41)、(42)により可動テーブル(27)の原点位置
をボタン(16)の種類やボタン穴のピツチ等にそれぞれ
対応するように調節する。
第3設定器(43)は第5図(a)、(b)で示すよう
に、ボタン(6)の穴ピツチ(P)を設定し、第4設定
器(44)は根巻き工程時におけるX軸方向の可動テーブ
ル(27)の単位移動量(P+Δx)を設定するもので、
上記穴ピツチ(P)は第3設定器(43)によりセツトさ
れるので、実際はΔxのみを設定値とする。第5設定器
(45)は生地(8)に対してどの位置から根巻きを開始
するかを根糸(9)の長手方向に沿つて変更し設定する
もので、たとえば、第6図で示すように、「0」から
「9」までおよび「A」から「F」までの16段階の目盛
を付したダイヤル式の操作具(45a)を有し、目盛
「8」の位置を標準にして時計方向に回すことにより、
生地(8)から離れた位置から根巻きを開始するよう
に、生地(8)に縫い込まれる第1針目の位置(0)か
ら第2針目の根巻き開始位置(A)までのY軸方向の可
動テーブル(27)の移動量(Δy)を設定する。
第6設定器(46)は根巻き工程時、つまり第2針目以降
におけるY軸方向の可動テーブル(27)の単位移動量
(y)を設定する。第7設定器(47)はボタン(6)の
根付け工程時の運針数(n)を設定し、かつ第8設定器
(48)は根巻き工程時の運針数(N)を設定するもので
ある。
上記第8設定器(48)は、たとえば、第7図で示すよう
に、プツシユボタン(48a)の押し操作により「0」か
ら「9」までの数字を表示するカウンタ(48b)を有
し、「0」は根巻きなし、「1」は8針、「2」は10
針、「3」は12針、「4」は14針・・・「9」は24針と
いつた往復路の運針数(N)を設定するものである。た
とえば、「1」に設定した場合、生地(8)側からボタ
ン(6)側への往路およびボタン(6)側から生地
(8)側への復路において、それぞれ8針づつで合計16
回の運針がおこなわれるように、CPU(40C)が全運針数
を2分の1に演算する演算手段を備えている。そして、
上記CPU(40C)による演算結果に基づいて、上記可動テ
ーブル(27)のY軸方向の移動を司るステツピングモー
タ(29)の回転方向を自動的に正逆切換え制御するよう
に構成している。
(50)はセンサで、このセンサ(50)は上記第7設定器
(47)により設定された運針数(n)を減算し、その計
数値がゼロになつたときにCPU(40C)からI/Oポート(5
1)を介してシリンダドライバ(52)に出力される根付
け工程終了信号(S)によりボタンホルダー回転用シリ
ンダ(15)が収縮したことを検知するものである。この
センサ(50)としてはリードスイツチなどが使用され、
その検知信号(S1)をインターフエイス回路(53)を介
して上記マイコンユニツト(40)に入力することによ
り、次の根巻き工程への移行を許容する信号を出力す
る。
(54)は縫針(1)が上死点にあることを検知するセン
サで、このセンサ(54)は上記運針数(n)がゼロにな
つたときの縫針(1)の上死点位置を検出して、その検
出信号(S2)をインターフエイス回路(53)を介して上
記マイコンユニツト(40)に入力するものである。この
センサ(54)としてはリードスイツチなどが使用され、
その検出信号(S2)と上記センサ(50)による検知信号
(S1)との論理和演算に基づいて、I/Oポート(51)を
介してモータドライバ(56)に作動信号(S3)が出力さ
れ、2つのステツピングモータ(28)、(29)が同時に
作動して、可動テーブル(27)が上記第3〜第5設定器
(43)〜(45)により設定された量だけX−Y方向に移
動する。
また、上記マイコンユニツト(40)におけるプログラム
メモリ(40A)には、根付け工程および根巻き工程のい
ずれの場合にも、第8図で示すように、第1針目の縫い
速度(V1)と第2針目の縫い速度(V2)を定常時の縫い
速度(V3)に対して、V1<V2<V3の関係になるように設
定した第1モードと縫い始めから縫い終りまで一定の高
速縫い速度(V3)に設定した第2モードとに選択可能な
速度プログラムが予め記憶されている。
つぎに、上記構成の動作について、第9図のフローチヤ
ートを参照しながら説明する。
第1図のように、シリンダ(15)の伸長により根付け縫
製姿勢にあるボタンホルダー(14)にボタン(6)を弾
性的に保持するとともに、生地ホルダー(19)に生地
(8)を二つ折りにしてセツトする。次に、図示省略し
たペダルの踏み込みによりシリンダ(20)を伸長させ
て、生地ホルダー(19)を生地ガイド(12)の上面に二
つ折り生地(8)とともに押圧し固定するとともに、シ
リンダ(26)の伸長により生地押え(26)が二つ折り生
地(8)の上面を上方から押えて生地(8)の撓みなど
を防ぐ。この状態で、ミシンの作動が開始されて、第3
設定器(43)により予め設定されたピツチ(P)量だけ
Y軸方向に可動テーブル(27)を往復移動させながら、
第7設定器(47)により予め設定された運針数(n)で
の根付け縫製が行なわれる(ステツプ100)。
この根付け工程が完了した時点で、縫針(1)が上死点
に達してミシンの作動が停止する(ステツプ101)。こ
のミシンの作動停止にともなつて、図示省略した糸切り
メスが作動して糸切りをおこなうとともに、センサ(5
4)による検出信号(S2)がインターフエイス回路(5
3)を介してマイコンユニツト(40)に入力され、かつ
上記運針数(n)がゼロになつたときにCPU(40C)から
I/Oポート(51)を介してシリンダドライバ(52)に出
力される根付け工程終了信号(S)により、シリンダ
(15)が収縮してボタンホルダー(14)が回転し第2図
で示すように、根巻き縫製姿勢に切換えられる(ステツ
プ102)。このボタンホルダー(14)の回転、つまりシ
リンダ(15)の収縮がセンサ(50)により検知され(ス
テツプ104)、その検知信号(S1)がインターフエイス
回路(53)を介してマイコンユニツト(40)に入力され
る。このマイコンユニツト(40)では、第3〜第6設定
器(43)〜(46)および第8設定器(48)を介して、予
めデータメモリ(40B)に入力されているデータ、つま
り、可動テーブル(27)のX軸方向の単位移動量(P+
Δx)、根巻き開始時の第1針目の位置(0)から第2
針目の位置(A)までの可動テーブル(27)のY軸方向
の移動量(Δy)、第2針目以降の可動テーブル(27)
のY軸方向の移動量(y)および根巻き工程の運針数
(N)を読み出し(ステツプ105)、これらデータにも
とづいて、CPU(40C)が可動テーブル(27)に対する移
動データを作成する(ステツプ106)。
ついで、マイコンユニツト(40)からI/Oポート(55)
を経てモータドライバ(56)に出力される作動信号(S
3)に基づいて、まず可動テーブル(27)がモータ(2
8)、(29)を介して第1針目の縫い込み位置(0)に
移動する(ステツプ107)。つづいて、ミシンが作動開
始するが、このとき、プログラムメモリ(40A)に記憶
されている速度プログラムのうちの第1モードおよび第
2モードのいずれが選択されたのかを判断し(ステツプ
108)、第1モードが選択されたのであれば、V1なる速
度で根巻き工程の作動を開始し(ステツプ109)、かつ
第2モードが選択されたのであれば、V3なる速度で根巻
き工程の作動を開始する(ステツプ110)。
そして、上記ステツプ106で作成されたテーブル移動デ
ータが終了したか否かを判定して(ステツプ111)、全
てのデータが終了したならば、ミシンの作動を停止し
(ステツプ112)、第1および第2設定器(41)、(4
2)により予め設定された原点位置を可動テーブル(2
7)を復帰させ(ステツプ113)て根巻き工程を完了す
る。
一方、上記ステツプ111において、テーブル移動データ
が未だ終了していない状態では、テーブル移動信号の有
無を判断し(ステツプ114)、テーブル移動信号が有の
ときで、かつ選択された速度プログラムが第1モードの
ときは、第1針目の縫い込みの終了および第2針目の縫
い込みの終了にともなつて速度切換えの必要の有無を判
断し(ステツプ115)、V2またはV3なる速度に変更(ス
テツプ116)しつつ、上記可動テーブル(27)をX−Y
軸方向に設定された量ごとに移動させて、1針分の根巻
きを行なう(ステツプ117)。この1針分の根巻きが終
了した時点で、次のテーブル移動データへの変更を行な
つて(ステツプ118)、ステツプ111に復帰し、所定の運
針数(N)での根巻きを行なう。
以上のような動作によつて、第10図の(A)〜(N)で
示すような運針位置での根巻きが行なわれて、11図で示
すように、ボタン(6)が生地(8)から浮いた状態で
しっかりと生地(8)に保持されたボタン付けが得られ
るのであるが、この根巻き縫製に先立つて、上記第5設
定器(45)におけるダイヤル式の操作具(45a)の回転
操作により、生地(8)に対する根巻き開始位置(A)
を生地(8)の厚さや根糸(9)の長さ等に応じて変更
することで、第2針目が生地(8)に縫い込まれると
か、生地(8)に非常に近い位置での根巻きによつて根
糸(9)に無理や力を加え、その根糸(9)が切断した
り、生地(8)にしわが生じるなどの不都合をなくし、
常に風合いの良い仕上がりの根巻きボタン付けが得られ
る。
また、上記第5設定器(48)におけるカウンタ(48b)
を操作することにより、根巻きの全運針数を根糸(9)
の長さや径、材質等に応じて変更することで、根巻き径
が不必要に大きくなつてボタン孔への係合が困難になる
とか、根巻き数の不足によるボタン付け強度の低下など
を防止できる。しかも、設定された全運針数を2分の1
にして根糸(9)の長手方向に沿つて往復とも同数ずつ
の根巻きが行なえるので、根巻き形状を均一にでき、風
合いが良くて丈夫な仕上りの根巻きを得ることができ
る。
なお、上記実施例では、1台のミシンで根付けと根巻き
とを連続的に行なえるように構成したものを示したが、
根巻き専用のボタン付けミシンであつてもよい。
また、第9図のフローチヤートに示すステツプ103は、
糸の締りを調節するために設けられた糸調子器(図示は
省略している)を、根巻きに使用する糸の太さや素材に
応じて調節する工程である。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、針落ち位置を
根糸の長手方向の両側に交互で、かつ、長手方向に所定
ステップづつ変位させながら根巻き縫製を行なうことに
よって、根巻き糸が根糸の一箇所に何重にも巻かれて、
その部分が局部的に大径化することなく、多数の根巻き
糸を根糸の長手方向に分散させてボタンの縫い付け強度
を高めながらも、ボタン付け糸全体の径を小さく保っ
て、ボタン孔への係合・離脱を容易なものとすることが
できる。その上、根巻き縫製に先立って、生地の厚みや
根糸の径、材質などに応じて生地に対する根巻き縫製の
開始位置を簡単な操作により根糸の長手方向に沿って任
意に設定変更することが可能であるから、根巻き縫製に
ともなって生地に皺が発生することを防止できるととも
に、手縫い感覚に近い状態の風合いよい仕上がりの根巻
き縫製を実現することができる。
また、請求項2のように構成すれば、根巻き工程の全運
針数を自由に設定できるとともに、その設定運針数の2
分の1づつを、根糸の長手方向に沿っての往復移動時の
根巻き運針数に振り分けることが可能となり、根巻き形
状を均一にしてより一層風合いのよい仕上がりを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ、この発明の一実施例に
よる根巻きボタン付けミシンの要部の斜視図、第3図は
要部の拡大側面図、第4図は制御系の概要を示すブロツ
ク図、第5図(a)、(b)はテーブル移動量の設定を
説明するための正面図および平面図、第6図は根巻き開
始位置変更用の設定器の1例を示す正面図、第7図は根
巻き用運針数の設定器の1例を示す正面図、第8図は速
度プログラムを示すグラフ、第9図は動作を説明するフ
ローチヤート、第10図は根巻き位置の説明図、第11図は
ボタン付け完了状態を示す要部の斜視図である。 (1)……縫針、(6)……ボタン、(7)……根糸、
(8)……生地、(12)……生地ガイド、(13)……針
板、(14)……ボタンホルダー、(19)……生地ホルダ
ー、(25)……生地押え、(27)……可動テーブル、
(28),(29)……ステツピングモータ、(40)……マ
イコンユニツト、(40A)……プログラムメモリ、(40
B)……データメモリ、(40C)……CPU、(41)〜(4
8)……第1〜第8設定器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二つ折り生地の中間に挿入されてこの生地
    を固定する生地ホルダーと、根糸を介して上記生地に縫
    着されたボタンを上記根糸がほぼ水平面に沿って針板の
    貫通孔上を横断する姿勢に保持するボタンホルダーと、
    上記生地ホルダーおよびボタンホルダーを水平面内の互
    いに直交する二次元方向に移動させる駆動装置とを備
    え、ミシンの作動にともない上記駆動装置を介して生地
    ホルダーおよびボタンホルダーを上記二次元方向に同期
    移動させることにより、針落ち位置を上記根糸の長手方
    向の両側に交互で、かつ、長手方向に所定ステップづつ
    変位させて根巻き縫製を行うように構成した根巻きボタ
    ン付けミシンにおいて、生地に対する根巻き縫製の開始
    位置を根糸の長手方向に沿って変更し設定する手段と、
    その設定された根巻き縫製の開始位置に上記生地ホルダ
    ーおよびボタンホルダーを移動させるように上記駆動装
    置を制御する手段とを具備したことを特徴とする根巻き
    ボタン付けミシン。
  2. 【請求項2】根巻き工程の全運針数を設定する運針数設
    定手段と、これにより設定された運針数の2分の1を生
    地側からボタン側への運針数とし、かつ、残りの2分の
    1をボタン側から生地側への運針数として上記駆動装置
    に作動制御信号を出力する運針数演算手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の根巻きボタン付けミシ
    ン。
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