JPH0748890A - 複合型枠建材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 折損、脱落又はその結果起こる飛散防止をし
耐衝撃性を向上させる。 【構成】 図１の複合型枠建材１において、セメント型
枠建材１１には、その裏面に取り付け金具用凹部２が設
けられ、またその表面には補強材５を保持する凹部６を
有する凹凸部が設けられている。この凹部６に補強材と
してガラスロービング材５１を充填した後、この表面に
はセラミック建材からなるタイル４が全面に設けられ、
このタイルは接着剤であるモルタル８で接着されてい
る。７は目地材である。このように補強材５を設けるこ
とにより耐衝撃性に優れた複合型枠建材１が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複合型枠建材に関し、
更に詳しくはセメント型枠建材とセラミック建材とから
なる建材に補強材を用いて補強した複合型枠建材に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、押出成形セメント建材を下地材と
し、その表面にタイル等を粘着した建築用内外装板材が
知られている。一方、一般に建築物等の型枠工法に用い
られる型枠構造としては、コンクリート用合板、通常コ
ンパネと呼ばれる合板が使用されているが、近年環境破
壊の問題、木材資源の削減等により、これに代る型枠建
材が求められるようになった。この場合これは外壁とし
て利用することができるもので、この押出成形セメント
型枠建材は、両サイドに接続用凹部を有し、裏面には蟻
足凹部２と凸部３を有するもので、この裏面にコンクリ
ートが打設され、そのまま残されて外壁となる打込み型
枠である。

【０００３】そこで、押出成形セメント型枠建材は、前
記建築用内外装板材の場合と同様に、図５に示される如
く、この型枠建材１１の表面にタイル等の化粧板を複合
することにより複合型枠建材１として外壁に使用するこ
とができ、これにより建築物等の型枠がそのまま外壁と
なるので、コンクリート打設後、外装板材の張り付けの
工程が必要でなくなり施工期間が短縮されるようになっ
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この複
合型枠建材１は、施工中に振動、衝撃等によりタイルの
剥離やタイルが折損して飛散する等の問題があり、した
がって耐衝撃性の改良が要望されている。更に複合型枠
建材１の製造時、運搬時に振動等により破損する恐れが
多々あった。

【０００５】そこで、本発明者は、前記問題点を検討
し、複合型枠建材１を補強することにより製造時や運搬
時に振動等により破損することがなく、また施工時に折
損、脱落して飛散することがないように、耐衝撃性を向
上させることができることを見出し、ここに本発明をな
すに至った。したがって、本発明の目的は、折損、脱落
又はその結果起こる飛散防止がされて耐衝撃性の向上し
た複合型枠建材を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の上記各目的は、
下記の構成要件の各発明によって達成される。 （１）裏面に蟻足部を有するセメント型枠建材の表面と
セラミック建材の裏面とを合わせて複合してなる複合型
枠建材において、該セメント型枠建材とセラミック建材
との間に補強材を有することを特徴とする複合型枠建
材。

【０００７】（２）補強材がガラスロービング材、アラ
ミドロービング材、合成繊維の少なくとも１つからなる
ことを特徴とする前記（１）に記載の複合型枠建材。

【０００８】（３）補強材がセメント型枠建材の表面に
有することを特徴とする前記（１）又は（２）のいづれ
かに記載の複合型枠建材。

【０００９】（４）セメント型枠建材の表面及びセラミ
ック建材の裏面のうち少なくとも一面が凹凸状に形成さ
れていることを特徴とする前記（１）、（２）又は
（３）のいづれかに記載の複合型枠建材。

【００１０】（５）セメント型枠建材の表面及びセラミ
ック建材の裏面に凹凸が形成されており、これらが互い
に嵌合関係にあることを特徴とする前記（１）、
（２）、（３）又は（４）のいづれかに記載の複合型枠
建材。

【００１１】（６）セメント型枠建材の表面の凹部に補
強材を有することを特徴とする前記（１）、（２）、
（３）、（４）又は（５）のいづれかに記載の複合型枠
建材。

【００１２】以下に、本発明を更に詳しく説明する。本
発明は、セメント型枠建材の表面とセラミック建材の裏
面とを合わせて複合してなる複合型枠建材において、該
セメント型枠建材とセラミック建材との間に補強材を有
することにより、製造時や運搬時に振動等により破損す
ることがなく、また施工時に折損、脱落して飛散するこ
とがないように、耐衝撃性を向上させることができる。
本発明に用いられるセメント型枠建材は、好ましくは通
常用いられるセメント系のものが使用され、特にこれに
限定されないが、その構造としては、押出成形により形
成されたセメント型枠建材を用いることが特に好ましい
が、中空セメント型枠建材であってもよい。

【００１３】このセメント型枠建材の裏面は、蟻足凹部
が形成されており、打設時にコンクリートが入り込み、
コンクリートとの付着強度が高い。またこのセメント型
枠建材の表面は凹凸形状を有するもので、この凹凸は、
セラミック建材と複合する時の嵌合用のものと係合用の
ものと補強材を保持するためのものとを有し、通常はこ
の補強材保持用凹部に補強材により充填された後、セラ
ミック建材を複合する。この凹部に補強材を充填し、接
着剤で接着した後、セラミック建材を複合してもよい。

【００１４】これらの複合には接合材料である接着剤で
セラミック建材を接着して複合するが、セメント型枠建
材とセラミック建材とが凹凸により嵌合関係にある場合
には、通常は、嵌合と接着剤との両方により複合する。
またセメント型枠建材とセラミック建材とが凹凸により
嵌合関係にある場合には、補強材用凹部を設けないで、
嵌合関係にある凹凸の間に供給されてもよく、あるいは
その両方でもよい。

【００１５】本発明に用いられる補強材としては、ガラ
スロービング材、アラミドロービング材、合成繊維の少
なくとも１つからなるが、ガラスロービング材及びアラ
ミドロービング材は、それぞれガラス繊維又はアラミド
繊維の糸状体を複数本束ねて紐状体を形成したものであ
る。また合成繊維を用いる場合には、ポリアミド系、ポ
リプロピレン系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の
各繊維をガラス繊維やアラミド繊維と同様にしてロービ
ング材としても、メッシュ状にして用いてもよい。この
他、ロービング材として用いられるものは、炭素繊維、
ビニロン等が上げられる。

【００１６】本発明に用いられるセラミック建材は、セ
ラミック系材料で構成されているものであれば、特に限
定されるものではなく、好ましくは通常この分野で用い
られるタイル等のものが用いられる。本発明に用いられ
るセメント型枠建材の表面及び又は裏面、及びセラミッ
ク建材の裏面には、凹凸形状が設けられているが、凹溝
が設けらる場合は、この凹溝の形状は、特に形状を限定
するものではないが、好ましくは側面が垂直の凹溝、蟻
形凹溝、片側蟻形凹溝、断面コの字形凹溝あるいは横Ｈ
型等である。これらの凹溝には接合材料を充填して接着
するが、特に側面が垂直の凹溝の場合には溝の側壁に凹
凸を設けて接合材料の接着性を向上させてもよい。本発
明に用いられる接合材料としては、接着剤が用いられ、
好ましくはモルタル、エポキシ樹脂系、エマルジョン
系、弾性系等の接着剤、ポリマーセメント等が使用され
る。

【００１７】

【作用】本発明において、セメント型枠建材とセラミッ
ク建材との間に補強材を介在させることにより複合型枠
建材が振動等の衝撃を受けてもその衝撃が吸収され、か
りにセメント型枠建材が破損しても補強材が付着してい
るので、飛散しない。また補強材がセラミック型枠建材
の裏面の取り付け金具用凹部に設けられた場合には、セ
ラミック型枠建材の耐衝撃性が改善される。

【００１８】

【実施例】以下、本発明を実施例で更に詳しく説明する
が、本発明は、この例によって限定されるものではな
い。

【００１９】実施例１ 図１は、本発明の複合型枠建材を示す部分斜視図であ
り、図１において、セメント型枠建材１１には、その裏
面に取り付け金具用凹部２が設けられ、またその表面に
は補強材５を保持する凹部６を有する凹凸部が設けられ
ている。この凹部６に補強材としてガラスロービング材
５１を充填した後、この表面にはセラミック建材からな
るタイル４が全面に設けられ、このタイルは接着剤であ
るモルタル８で接着されている。７は目地材である。こ
のように補強材５を設けることにより耐衝撃性に優れた
複合型枠建材１が得られる。

【００２０】また図２は、本発明の複合型枠建材の別の
実施態様を示す部分斜視図である。この複合型枠建材１
は、セメント型枠建材１１の表面に波形の凹凸部６を設
け、更に補強材５としてメッシュの合成繊維であるビニ
ロンを接着剤８であるエポキシ系接着剤で接着する。こ
のように補強材５としてメッシュの合成繊維であるビニ
ロン５３を設けることにより耐衝撃性に優れた複合型枠
建材１が得られ、仮にタイルが破損してもタイルが飛散
することがない。

【００２１】図３は、本発明の複合型枠建材の更に別の
実施態様を示す部分斜視図であり、この複合型枠建材１
は、セメント型枠建材１１の表面に蟻形凸部６１が設け
られ、またタイル４にはその裏面に蟻形凹部６２が設け
られており、これらが互いに嵌合して複合されるが、こ
の際アラミドロービング材５１をその隙間に充填した
後、タイル４を係合して複合型枠建材１とする。更にこ
の複合型枠建材１はタイル４を接着剤で接着してタイル
４の結合を補強してもよい。

【００２２】図５は、本発明に用いられる補強材の形状
を示す斜視図であり、図５の（ａ）は棒状５１のもので
ある。図５の（ｂ）は、石綿状５２のものであり、更に
図５の（ｃ）は、メッシュ状（網状）５３のものであ
る。これらの補強材５はセメント型枠建材１１の表面形
状により種々選択して任意に用いることができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の複合型枠建材は、セメント型枠
建材とセラミック建材からなり、これを補強材で補強す
ることにより、耐衝撃性が向上し、製造時や運搬時に振
動等により破損することがなく、また施工時に折損、脱
落して飛散することがないという優れた効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の複合型枠建材を示す部分斜視図であ
る。

【図２】本発明の複合型枠建材の別の実施態様を示す部
分斜視図である。

【図３】本発明の複合型枠建材の更に別の実施態様を示
す部分斜視図である。

【図４】本発明に用いられる補強材の形状を示した斜視
図である。（ａ）は、棒状であり、（ｂ）は、石綿状で
あり、（ｃ）は、メッシュ状（網状）である。

【図５】通常のセメント型枠建材を示す部分斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 複合型枠建材 ６ 凹凸部 １１ セメント型枠建材 ６１ 凸嵌合
部 ２ 凹部 ６２ 凹嵌合
部 ３ 凸部 ７ 目地材 ４ セラミック建材 ８ 接着剤

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 裏面に蟻足部を有するセメント型枠建材
   の表面とセラミック建材の裏面とを合わせて複合してな
   る複合型枠建材において、該セメント型枠建材とセラミ
   ック建材との間に補強材を有することを特徴とする複合
   型枠建材。
2. 【請求項２】 補強材がガラスロービング材、アラミド
   ロービング材、合成繊維の少なくとも１つからなること
   を特徴とする請求項１に記載の複合型枠建材。
3. 【請求項３】 補強材がセメント型枠建材の表面に有す
   ることを特徴とする請求項１又は請求項２のいづれかに
   記載の複合型枠建材。
4. 【請求項４】 セメント型枠建材の表面及びセラミック
   建材の裏面のうち少なくとも一面が凹凸状に形成されて
   いることを特徴とする請求項１、請求項２又は請求項３
   のいづれかに記載の複合型枠建材。
5. 【請求項５】 セメント型枠建材の表面及びセラミック
   建材の裏面に凹凸が形成されており、これらが互いに嵌
   合関係にあることを特徴とする請求項１、請求項２、請
   求項３又は請求項４のいづれかに記載の複合型枠建材。
6. 【請求項６】 セメント型枠建材の表面の凹部に補強材
   を有することを特徴とする請求項１、請求項２、請求項
   ３、請求項４又は請求項５のいづれかに記載の複合型枠
   建材。