JPH0748831A - 角形鋼矢板 - Google Patents

角形鋼矢板

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JPH0748831A
JPH0748831A JP10188894A JP10188894A JPH0748831A JP H0748831 A JPH0748831 A JP H0748831A JP 10188894 A JP10188894 A JP 10188894A JP 10188894 A JP10188894 A JP 10188894A JP H0748831 A JPH0748831 A JP H0748831A
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JP
Japan
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steel sheet
sheet pile
joint
flange
welded
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Application number
JP10188894A
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English (en)
Inventor
信昭 ▲榊▼
Nobuaki Sakaki
Hisatoshi Shimaoka
久壽 島岡
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要な耐力を得るに必要な鋼材の重量が少な
く、製作や組立のコストを低く抑えることができ、且
つ、建込時等、施工に有利で止水性良好な嵌合継手を自
由に選択でき、経済性、施工性を向上させることのでき
る角形鋼矢板を得ること。 【構成】 高さの差がフランジ4、5、6、7部で溶接
接合できる範囲内にある、複数の通常の圧延H形鋼2、
3を、互いのフランジ側縁部4a、5a、6a、7aを
突き合わせて溶接接合して両側にフランジが張り出した
箱形に形成するとともに、上記フランジの溶接接合部を
挟む両側縁部4b、5b、6b、7bの一方に嵌合継手
の雌継手9a、9bを、他方に10a、10bを、それ
ぞれ、フランジ外面よりも内方に位置させて溶接接合し
たもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、土木および建築等の
分野において、土留め、基礎、地中壁および井筒等の構
造体の構築に用いる角形鋼矢板に係り、特に大きな耐力
が要求される構造体の構築に適した角形鋼矢板に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、角形鋼矢板の第1の例として、全
周に亘って板厚の等しい角形鋼管等の平行フランジ部に
直線形鋼矢板の半截等からなる嵌合継手を接合し、角形
鋼矢板を形成したものがある(特公平3−76370号
公報、特開昭63−312413号公報、特開昭63−
312414号公報、実開昭63−71241号公報、
実開平2−15635号公報)。これら従来例におい
て、継手部は、直線形鋼矢板の側縁部に膨出形成され、
その一部が、直線形鋼矢板を含むフランジの外面よりも
外方に突出している。
【0003】また、従来の第2の例として、直線形鋼矢
板をフランジ部材とし、ウェブを直線形鋼矢板に十分な
溶接接合により取り付け、角形鋼矢板を形成したものが
ある(特開昭57−151725号公報)。この従来例
においても、前述の従来例同様、継手部は直線形鋼矢板
からなるフランジ部材の両側縁部に膨出形成され、その
一部が、フランジ面よりも外方に突出している。
【0004】また、従来の第3の例として、フランジ両
側縁部に雄継手を膨出形成してなる特殊な圧延角形鋼矢
板の複数個を、それぞれの雄継手を互いに突合せ接合し
て角形鋼矢板を形成したものがある(実開昭63−45
844号公報)。この従来例においては、角形鋼矢板同
士をつなぐため、フランジ先端に嵌合する双係合型雌継
手を用いる。双係合型雌継手は、断面H形に形成され、
その一方の溝を、溶着される側の雄継手に、他方の溝を
接続される側の雄継手に、それぞれ密嵌入させるように
構成されているため、雌継手の一部が前述の各従来例同
様、フランジ外面よりも外方に突出している。
【0005】また、従来の第4の例として、角形鋼矢板
のフランジの一側縁部に半筒状の雌継手を、フランジ他
側縁部に突条からなる雄継手を、それぞれフランジ外面
よりも内方に突出させて設け、角形鋼矢板相互の接続時
には、一方の角形鋼矢板の半筒状雌継手と他方の角形鋼
矢板の突状雄継手とを係合させるようにしたものがある
(特開昭55−165320号公報)。この従来例にお
いて、半筒状雌継手と突条雄継手とは、圧延により成形
される。
【0006】次に、上述した従来の角形鋼矢板を用いて
地中壁を構築する場合の一例について説明する。まず、
オーガで地中を掘削すると同時にソイルセメントと土砂
とを攪拌してソイルセメント壁を作る。次いで、ソイル
セメントが固まらないうちに、ソイルセメント壁中に複
数の角形鋼矢板を立て込み、地中壁を構築する。このよ
うにして連続した地中壁を構築した後、地中壁で囲まれ
た地盤、即ち、角形鋼矢板で囲まれた内側を、必要な深
さまで掘削する。この掘削時、掘削する側の地中壁面
(角形鋼矢板)に付着したソイルセメントを同時に剥ぎ
取る。掘削が進むにつれて土圧、水圧等の地中壁にかか
る外力が増加するので、地中壁を支えるため、ある間隔
で切梁を設置する。その際、地中壁に沿って水平に腹起
こしを設置し、腹起こしを介して切梁を設ける。このよ
うに、腹起こしおよび切梁により補強しつつ地中壁で囲
まれた地盤の内側を掘削していく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、全周に
亘って板厚の等しい角形鋼管等の平行フランジ部に直線
形鋼矢板の半截等からなる嵌合継手を接合した第1の例
のものは、フランジとウェブの板厚が等しくなる。外力
である曲げモーメント、剪断力、軸力のうち、フランジ
は主に曲げモーメントと軸力に抵抗し、ウェブは主に剪
断力と軸力に抵抗する。このため、最適な断面設計を行
うと、通常、フランジの板厚とウェブの板厚とが異な
る。従って、上述の如く、フランジとウェブとの板厚を
等しく設定することは、不経済な設計となる。
【0008】また、直線形鋼矢板からなるフランジ部材
にウェブを溶接接合した第2の例のものでは、ウェブお
よびフランジは構造部材として応力を十分伝達できるよ
うにするため、その接合部の溶接は入念に行ない、十分
なサイズやのど厚を確保する必要があり、溶接費用が大
きなものとなるのを避けられ得ない。
【0009】また、フランジ両側縁部に雄継手を膨出形
成してなる特殊な圧延H形鋼矢板の複数個を突合せ接合
した第3の例のものは、特殊な圧延H形鋼矢板そのもの
の製作費用が大きなものとなるばかりでなく、接合部の
厚さをフランジ部以上にするため、コスト高となる。更
に、係合型雌継手は、断面H形の溝の一方を雄継手に係
合溶着し、断面H形の溝の他方に、接続される側の雄継
手を密嵌入させるようにしているため、継手の嵌合部に
余裕がなく、建て込み時に嵌合がスムースにいかない危
険性がある。更にまた、特殊な圧延角形鋼矢板の雄継手
形状により、継手形状および継手の取付位置等が制約さ
れ、自由に継手の形状やサイズおよび取付位置を選択で
きない難点がある。
【0010】また、上述の第1乃至第3の例のものは、
いずれも継手部の一部がフランジの外面よりも外方に突
出しているため、これらの角形鋼矢板を用いて地中壁を
構築する場合、継手部が突出している分、ソイルセメン
ト壁の厚さを厚くしなければならない。従来の角形鋼矢
板において、フランジの外面よりも外方に突出している
継手の部分は、数センチであるが、都市部等の密集地域
では設計上しばしば問題になることがある。更に、腹起
こしや切梁による地下壁補強作業の際に、継手部が突出
している角形鋼矢板に直接腹起こしを設置すると、角形
鋼矢板にかかった外力が継手部に集中し、継手部が変形
して地下壁が倒れる危険があるため、腹起こしと角形鋼
矢板の隙間に間詰めコンクリートと呼ばれる特別な施工
を施こし、角形鋼矢板に加わった外力が腹起こしに均等
にかかるようにしなければならず、特別な施工工程数が
増え、その作業性も悪く、施工費用が大きなものとなる
のを避けられない。
【0011】また、角形鋼矢板のフランジの一側縁部に
半筒状の雌継手を、フランジ他側縁部に突条からなる雄
継手を、それぞれ圧延によりフランジ外面よりも内方に
突出させて成形した第4の例のものは、継手部がフラン
ジ外面よりも内方に位置しているため、角形鋼矢板に直
接腹起こしを設置することができ、間詰めコンクリート
等の特別な施工を不要とすることができる利点を有する
ものの、圧延による雌雄継手の成形に困難が伴い、雌雄
継手を成形するための圧延費用が大きなものとなるのを
避けられ得ないばかりでなく、複雑な形状(ラビリンス
形状)の継手を得ることができず、止水性が悪いという
難点がある。
【0012】この発明は叙上の点に鑑み、必要な耐力を
得るに必要な鋼材の重量が少なく、製作や組立のコスト
を低く抑えることができ、且つ、建て込み時等、施工に
有利で止水性良好な嵌合継手を自由に選択でき、経済
性、施工性を向上させることのできる角形鋼矢板を得る
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の角形鋼矢
板は、高さの差がフランジ部で溶接接合できる範囲内に
ある、複数の通常の圧延H形鋼を、互いのフランジ側縁
部を突合わせて溶接接合して両側にフランジが張り出し
た箱形に形成するとともに、前記フランジの溶接接合部
を挟む両側縁部の一方に嵌合継手の雌継手を、他方に雄
継手を、それぞれフランジ外面よりも内方に位置させて
溶接接合したことに特徴を有するものである。
【0014】請求項2記載の鋼矢板は、高さの差がフラ
ンジ部で溶接接合できる範囲内にある、複数の通常の圧
延H形鋼を、互いのフランジ側縁部を突合わせて溶接接
合して両側にフランジが張り出した箱形に形成するとと
もに、前記フランジの溶接接合部を挟む両側縁部の各々
に嵌合継手の雌継手を溶接接合してなる第1鋼矢板と、
前記雌継手に替えて雄継手を溶接接合してなる第2鋼矢
板とを用い、前記第1鋼矢板の雌継手と前記第2鋼矢板
の雄継手とを嵌合し前記第1鋼矢板と前記第2鋼矢板と
を連結させたことに特徴を有するものである。
【0015】請求項3記載の鋼矢板は、請求項1または
2記載の発明において、前記雌継手の内面と前記雌継手
内に挿入した前記雄継手との間にラビリンス通路を形成
したことに特徴を有するものである。
【0016】請求項4記載の鋼矢板は、請求項1、2ま
たは3記載の発明において、前記圧延H形鋼の上下フラ
ンジの幅を異ならせたことに特徴を有するものである。
【0017】請求項5記載の鋼矢板は、請求項1、2、
3または4記載の発明において、前記嵌合継手を前記圧
延H形鋼の上下フランジのうちの一方のみに取り付けた
ことに特徴を有するものである。
【0018】
【作用】請求項1記載の鋼矢板は、施工にあたり、フラ
ンジの溶接接合部を挟む両側縁部の一方に設けた雌継手
に、隣接する角形鋼矢板の雄継手を嵌合し、地中壁等を
構築する。
【0019】請求項2記載の鋼矢板は、施工にあたり、
フランジの溶接接合部を挟む両側縁部に雌継手を設けた
第1鋼矢板と、フランジの溶接接合部を挟む両側縁部に
雄継手を設けた第2鋼矢板とを用い、第1鋼矢板と第2
鋼矢板とを交互に隣接配置して雌継手と雄継手とを嵌合
し、地中壁等を構築する。
【0020】また、上下フランジの幅を異ならせた圧延
H形鋼や、嵌合継手を上下フランジの一方のみに取り付
けた圧延H形鋼を使用したときは、円形などの曲面を持
った地中壁等を構築することができる。
【0021】また、嵌合継手はフランジ外面よりも内方
に位置させて設置されているため、地中壁を構築する場
合の掘削溝幅や、構築される地中壁そのものの厚さを薄
くすることができるとともに、角形鋼矢板に直接腹起こ
しを設置することができ、間詰めコンクリート等の特別
な施工を不要とすることができる。
【0022】
【実施例】次に、この発明を図面を参照しながら説明す
る。
【0023】〔実施例1〕図1はこの発明の第1の実施
例に係る角形鋼矢板の全体構成を示す正面図である。図
において、1は本実施例に係る角形鋼矢板で、高さの差
がフランジ部で溶接接合できる範囲内にある2つの通常
の圧延H形鋼2、3を、互いの上下フランジ4、5、お
よび6、7の各一側縁部4a、5a、および6a、7a
を突合わせて溶接接合するともに、上下フランジの各他
側縁部4b、5bには嵌合継手の雄継手10a、10b
が、6b、7bには雌継手9a、9bが、それぞれ各上
下フランジ4、5、および6、7の各外面よりも内方に
位置させて溶接接合されている。
【0024】これを更に詳述すると、雌継手9a、9b
は、それぞれスリット付角形鋼管からなっている。ま
た、雄継手9a、9bは、そのスリット9c、9dがフ
ランジ幅方向外方に臨ませて配置され、その一側面が上
下フランジ6、7の内面に溶接接合されている。
【0025】また、雄継手10a、10bは、それぞれ
角形鋼管の2つの側面の各一部を切欠いた基本的に断面
L字形の部材からなり、雄継手の1つの側面は隣接する
角形鋼矢板の雌継手(図示せず)のスリットと嵌合し、
他の側面は角形鋼矢板のフランジ先端端面に溶接接合さ
れている。雄継手が溶接接合されているフランジの外面
から雄継手側面(雌継手と嵌合する部分)までの高さ
は、隣接する角形鋼矢板のフランジの外面から雌継手の
スリットまでの高さに等しくなるようにする。各雄継手
10a、10bの先端部には切欠残存部10c、10d
があり、雄継手と雌継手とが嵌合した際、スリット付角
形鋼管(雌継手)内面と切欠残存部との間にラビリンス
通路が形成されるようになっている。
【0026】上記のように構成した本実施例の角形鋼矢
板は、通常の圧延H形鋼2、3を用いて形成されている
ため、フランジとウェブとの溶接が不要で、曲げモーメ
ント、剪断力、軸力等の外力に必要な耐力を備えた圧延
H形鋼を、豊富なサイズの中から選択でき、入手も容易
である。また、この選択時に、外力に対してフランジと
ウェブとの板厚が最適で、且つ、鋼材重量が最少になる
ものを選択すればよい。(これによって、従来より軽量
で、取扱や施工性がよく、安価な角形鋼矢板が得られ
る。)
【0027】また、各圧延H形鋼2、3相互の接続は、
接続される側の縁部全域に亘り溶接する必要はなく、例
えば一方の溶接接合部8aは連続溶接、他方の溶接接合
部8bは断続溶接でよく、止水、建て込み時に分離しな
い程度の強度を持つ簡易な溶接(溶接幅4〜5mm程
度)でよいため、圧延H形鋼2、3相互の溶接費用のコ
ストを下げることができる。
【0028】また、嵌合継手は構造部材ではなく、建て
込み時に角形鋼矢板をガイドする機能と必要な場合の止
水機能を有していれば十分で、且つ、その雌雄継手によ
る角形鋼矢板相互の連結も予め掘削された溝の泥水中や
ソイルセメント中で行なわれるため、建て込み時に嵌合
継手には大きな力が作用することはなく、従って嵌合継
手の圧延H形鋼2、3への溶接も止水や建て込み時に圧
延H形鋼2、3から分離しない程度の簡易なものでよ
く、嵌合継手の溶接費用のコストを下げることができ
る。
【0029】また、角形鋼矢板相互の接続は、スリット
付角形鋼管からなる雌継手9a、9b内に雄継手10
a、10bの切欠残存部10c、10d付き側面を嵌入
することにより行なわれるため、雌継手9a、9b内に
モルタル等を注入でき、更に雌継手のスリット付角形鋼
管内面と雄継手の切欠残存部付き側面とでラビリンス通
路を形成するので、継手部の止水を完全なものとするこ
とができる。
【0030】〔実施例2〕図2はこの発明の第2の実施
例に係る角形鋼矢板の嵌合継手部の構成を示す正面図で
ある。本実施例の角形鋼矢板において、雄継手20は基
本的に断面L字形の部材から構成され、その雌継手9と
嵌合する側面20aの先端に垂直にフランジ面20bを
形成した点が実施例1のものと異なっており、それ以外
の雌雄継手9、20の各角形鋼矢板1への取付け構造等
は実施例1と同様である。
【0031】本実施例によれば、雄継手20を圧延によ
り容易に製作できるため、実施例1のように雄継手を角
形鋼管から切り欠いて製作するときのような切り欠き作
業を不要にできる。また、雄継手20の雌継手9と嵌合
する側面20aの先端にフランジ面20bが垂直に設け
られているので、雄継手20の側面20aが隣接する。
角形鋼矢板1の雌継手9のスリット付角形鋼管内に嵌入
した際には、スリット付角形鋼管内面とフランジ面20
b付きの側面20aとの間に形成されるラビリンス通路
をより複雑なものとすることができ、これにより、継手
部の止水をより完全なものとすることができる。
【0032】〔実施例3〕図3はこの発明の第3の実施
例に係る角形鋼矢板の嵌合継手部の構成を示す正面図で
ある。本実施例の角形鋼矢板は、実施例2と同様の雌雄
継手9、20を用いているが、これら雌雄継手9、20
の角形鋼矢板1への取付け位置が実施例2のものと異な
っている。即ち、雌継手9は、スリット9c側の面を角
形鋼矢板1のフランジ面と平行に設定され、その一側面
の上部が角形鋼矢板1のフランジ先端端面30に溶接接
合されている。また、雄継手20は、雌継手9のスリッ
ト付角形鋼管内への嵌入される側面20aが角形鋼矢板
1のフランジ面と直交方向の内方に向けて設定され、そ
の固定側の側面20cの先端端面が隣接する角形鋼矢板
1のフランジ先端端面31に溶接接合されている。本実
施例においても上述した実施例2と同様の作用効果を奏
する。
【0033】〔実施例4〕図4はこの発明の第4の実施
例に係る鋼矢板の嵌合継手部の構成を示す正面図であ
る。本実施例の角形鋼矢板は、嵌合継手の雌雄継手9
A、9Bをいずれもスリット付角形鋼管から形成した点
が上述した各実施例のものと異なっている。
【0034】これを更に詳述すると、雌継手9Aは、ス
リット9c側の面を角形鋼矢板1のフランジ面と平行に
設定され、且つ、スリット9c側の面の一方が角形鋼矢
板1のフランジの下面に溶接接合されている。また、雄
継手9Bは、そのスリット9e側の面を雌継手9Aのス
リット9c側の面と対向されて配置され、その一側面の
上部が隣接する角形鋼矢板1のフランジ先端端面30に
溶接接合されている。
【0035】本実施例によれば、雌雄継手9A、9Bが
いずれもスリット付角形鋼管から形成されているので、
雌継手9Aの外側にも、その内側から連続するラビリン
ス通路を形成することができる。その結果、ラビリンス
通路を複雑で且つ長くすることができ、これにより継手
部の止水を一層完全なものとすることができる。
【0036】〔実施例5〕図5はこの発明の第5の実施
例に係る角形鋼矢板の嵌合継手部の構成を示す正面図で
ある。本実施例の角形鋼矢板は、嵌合継手の雌雄継手4
0、41をいずれも渦巻き状部材から形成し、各渦巻き
状部材の固定側の先端端面40a、41aを角形鋼矢板
1のフランジ先端端面30、31にそれぞれ溶接接合し
た点が上述した各実施例のものと異なっている。
【0037】本実施例によれば、各渦巻き状部材で形成
されるラビリンス通路を更に複雑で且つ長くすることが
でき、これにより、継手部の止水を更に完全なものとす
ることができる。
【0038】〔実施例6〕図6はこの発明の第6の実施
例に係る角形鋼矢板を用いた施工状態を示す説明図であ
る。本実施例の角形鋼矢板は、角形鋼矢板1を上下フラ
ンジの幅が異なる圧延H形鋼51、52により構成した
点が上述した各実施例のものと異なっている。
【0039】本実施例によれば、角形鋼矢板1の雄継手
10a、10bを、隣接する角形鋼矢板1の雌継手9
a、9b内に順次嵌入することにより、図6に示す如
く、円形の地中壁等の構築に利用することができる。
【0040】〔実施例7〕図7は、この発明の第7の実
施例に係る角形鋼矢板を用いた施工状態を示す説明図で
ある。本実施例の角形鋼矢板は、嵌合継手の雌継手9と
雄継手10を角形鋼矢板1の上下フランジの一方のみに
取り付けた点が上述した各実施例のものと異なってい
る。本実施例においても、上述した実施例6と同様の作
用効果を奏する。
【0041】〔実施例8〕図8はこの発明の第8の実施
例に係る角形鋼矢板の全体構成を示す正面図である。図
8において、11は第1鋼矢板で、高さの差がフランジ
部で溶接接合できる範囲内にある2つの通常の圧延H形
鋼2、3を、互いの上下フランジ4、5、および6、7
の各一側縁部4a、5a、および6a、7aを突合わせ
て溶接接合するとともに、上下フランジの両側縁部4
b、6b、5b、7bには、嵌合継手の雌継手9i、9
a、9f、9bが、それぞれ嵌合の各上下フランジ4、
5および6、7の各外面よりも内方に位置させて溶接接
合されている。12は第2鋼矢板で、高さの差がフラン
ジ部で溶接接合できる範囲内にある2つの通常の圧延H
形鋼2、3を、互いの上下フランジ4、5、および6、
7の各一側縁部4a、5a、および6a、7aを突合わ
せて溶接接合するとともに、上下フランジの両側縁部4
b、6b、5b、7bには、嵌合継手の雄継手10a、
10e、10b、10fが、それぞれ嵌合の各上下フラ
ンジ4、5および6、7の各外面よりも内方に位置させ
て溶接接合されている。雌継手9a、9b、9i、9f
および雄継手10a、10b、10e、10fは、それ
ぞれ図1に示す継手と同一の継手からなっている。
【0042】本実施例によれば、第1鋼矢板11と第2
鋼矢板12とを交互に配置し、第1鋼矢板11の雌継手
9a、9bまたは9i、9f内に、隣接する第2鋼矢板
12の雄継手10a、10dまたは10e、10fを嵌
入し、このようにして順次鋼矢板を連結することによ
り、地中壁等の構築に利用することができる。本実施例
のように継手を構成しても、実施例1と同様の作用効果
を奏する。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
高さの差がフランジ部で溶接接合できる範囲内にある、
複数の通常の圧延H形鋼を、互いのフランジ側縁部を突
合わせて溶接接合して両側にフランジが張り出した箱形
に形成するとともに、上記フランジの溶接接合部を挟む
両側縁部の一方に嵌合継手の雌継手を、他方に雌継手と
共にラビリンス通路を形成する雄継手を、それぞれフラ
ンジ外面よりも内方に位置させて溶接接合し、または、
第1鋼矢板はフランジの両側縁部の端面の各々に嵌合継
手の雌継手を、第2鋼矢板は雄継手を、それぞれフラン
ジ外面よりも内方に位置させて溶接接合することによ
り、必要な耐力を得るに必要な鋼材の重量を少なくする
ことができるとともに、製作や組立のコストを低く抑え
ることができ、且つ、建て込み時等、施工に有利で止水
性良好な嵌合継手を自由に選択でき、経済性、施工性を
向上させることができ、更に、圧延H形鋼の上下フラン
ジの幅を異ならせることにより、また、嵌合継手を圧延
H形鋼の上下フランジの一方のみに取付けることによ
り、円形の地中壁等を構築することができ、かくして、
工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の構成を示す正面図で
ある。
【図2】この発明の第2の実施例の要部を示す正面図で
ある。
【図3】この発明の第3の実施例の要部を示す正面図で
ある。
【図4】この発明の第4の実施例の要部を示す正面図で
ある。
【図5】この発明の第5の実施例の要部を示す正面図で
ある。
【図6】この発明の第6の実施例の施工状態を示す正面
図である。
【図7】この発明の第7の実施例の施工状態を示す正面
図である。
【図8】この発明の第8の実施例の構成を示す正面図で
ある。
【符号の説明】 1 角形鋼矢板 2、3 通常の圧延H形鋼 4、5、6、7 フランジ 4a、5a、6a、7a フランジの溶接接合される側
縁部 4b、5b、6b、7b フランジの溶接接合部を挟む
両側縁部 8a、8b 溶接接合部 9、9a、9b、9i、9f、9A、40 雌継手 9c、9d、9g、9h 雌継手のスリット 9e 雄継手のスリット 9B、10、10a、10b、10e、10f、20、
41 雄継手 10c、10d、10g、10h 切欠残存部 20b 雄継手のフランジ面 51、52 上下フランジ幅が異なる圧延H形鋼 11 第1鋼矢板 12 第2鋼矢板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高さの差がフランジ部で溶接接合できる
    範囲内にある、複数の通常の圧延H形鋼を、互いのフラ
    ンジ側縁部を突合わせて溶接接合して両側にフランジが
    張り出した箱形に形成するとともに、前記フランジの溶
    接接合部を挟む両側縁部の一方に嵌合継手の雌継手を、
    他方に雄継手を、それぞれフランジ外面よりも内方に位
    置させて溶接接合したことを特徴とする角形鋼矢板。
  2. 【請求項2】 高さの差がフランジ部で溶接接合できる
    範囲内にある、複数の通常の圧延H形鋼を、互いのフラ
    ンジ側縁部を突合わせて溶接接合して両側にフランジが
    張り出した箱形に形成するとともに、前記フランジの溶
    接接合部を挟む両側縁部の各々に嵌合継手の雌継手を溶
    接接合してなる第1鋼矢板と、前記雌継手に替えて雄継
    手を溶接接合してなる第2鋼矢板とを用い、前記第1鋼
    矢板の雌継手と前記第2鋼矢板の雄継手とを嵌合し前記
    第1鋼矢板と前記第2鋼矢板とを連結させたことを特徴
    とする角形鋼矢板。
  3. 【請求項3】 前記雌継手の内面と前記雌継手内に挿入
    した前記雄継手との間にラビリンス通路を形成したこと
    を特徴とする請求項1または2記載の角形鋼矢板。
  4. 【請求項4】 前記圧延H形鋼の上下フランジの幅を異
    ならせたことを特徴とする請求項1、2または3記載の
    角形鋼矢板。
  5. 【請求項5】 前記嵌合継手を前記圧延H形鋼の上下フ
    ランジのうちの一方のみに取り付けたことを特徴とする
    請求項1、2、3または4記載の角形鋼矢板。
JP10188894A 1993-04-16 1994-04-14 角形鋼矢板 Pending JPH0748831A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111119159A (zh) * 2020-01-15 2020-05-08 保利长大工程有限公司 一种深水软弱淤泥地区的地连墙基础钢导墙结构

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