JPH07279162A - 鋼矢板 - Google Patents

鋼矢板

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JPH07279162A
JPH07279162A JP10188694A JP10188694A JPH07279162A JP H07279162 A JPH07279162 A JP H07279162A JP 10188694 A JP10188694 A JP 10188694A JP 10188694 A JP10188694 A JP 10188694A JP H07279162 A JPH07279162 A JP H07279162A
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JP
Japan
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steel sheet
sheet pile
joint
flange
rolled
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Application number
JP10188694A
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English (en)
Inventor
信昭 ▼榊▲
Nobuaki Sakaki
Hisatoshi Shimaoka
久壽 島岡
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要な耐力を得るに必要な鋼材の重量が少な
く、製作や組立のコストを低く抑えることができ、且
つ、建て込み時等、施工に有利で止水性良好な嵌合継手
を自由に選択でき、経済性、施工性を向上させる鋼矢板
を得る。 【構成】 鋼矢板1は、通常の圧延H形鋼2からなって
おり、上下フランジ3、4の一方側縁部3a、4aに
は、嵌合継手の雄継手5a、5bが、他方側縁部3b、
4bには、雌継手6a、6bが、それぞれ各上下フラン
ジ3、4の各外面よりも内方に位置させて溶接接合され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、土木および建築等の
分野において、土留め、基礎、地中壁および井筒等の構
造体の構築に用いる鋼矢板に係り、特に大きな耐力が要
求される構造体の構築に適した鋼矢板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、角形鋼矢板の第1の例として、全
周に亘って板厚の等しい角形鋼管等の平行フランジ部に
直線形鋼矢板の半截等からなる嵌合継手を接合し、角形
鋼矢板を形成したものがある(特公平3−76370号
公報、特開昭63−312413号公報、特開昭63−
312414号公報、実開昭63−71241号公報、
実開平2−15635号公報)。これら従来例におい
て、継手部は、直線形鋼矢板の側縁部に膨出形成され、
その一部が、直線形鋼矢板を含むフランジの外面よりも
外方に突出している(以下、「先行技術1」という)。
【0003】また、従来の第2の例として、直線形鋼矢
板をフランジ部材とし、ウェブを直線形鋼矢板に十分な
溶接接合により取り付け、角形鋼矢板を形成したものが
ある(特開昭57−151725号公報)。この従来例
においても、前述の従来例同様、継手部は直線形鋼矢板
からなるフランジ部材の両側縁部に膨出形成され、その
一部が、フランジ面よりも外方に突出している(以下、
「先行技術2」という)。
【0004】また、従来の第3の例として、フランジ両
側縁部に雄継手を膨出形成してなる特殊な圧延H形鋼矢
板の複数個を、それぞれの雄継手を互いに突合せ接合し
て角形鋼矢板を形成したものがある(実開昭63−45
844号公報)。この従来例においては、角形鋼矢板同
士をつなぐため、フランジ先端に嵌合する双係合型雌継
手を用いる。双係合型雌継手は、断面H形に形成され、
その一方の溝を、溶着される側の雄継手に、他方の溝を
接続される側の雄継手に、それぞれ密嵌入させるように
構成されているため、雌継手の一部が前述の各従来例同
様、フランジ外面よりも外方に突出している(以下、
「先行技術3」という)。
【0005】また、従来の第4の例として、角形鋼矢板
のフランジの一側縁部に半筒状の雌継手を、フランジ他
側縁部に突条からなる雄継手を、それぞれフランジ外面
よりも内方に突出させて設け、角形鋼矢板相互の接続時
には、一方の角形鋼矢板の半筒状雌継手と他方の角形鋼
矢板の突状雄継手とを係合させるようにしたものがある
(特開昭55−165320号公報)。この従来例にお
いて、半筒状雌継手と突条雄継手とは、圧延により成形
される(以下、「先行技術4」という)。
【0006】次に、上述した従来の角形鋼矢板を用いて
地中壁を構築する場合の一例について説明する。まず、
オーガで地中を掘削すると同時にソイルセメントと土砂
とを攪拌してソイルセメント壁を作る。次いで、ソイル
セメントが固まらないうちに、ソイルセメント壁中に複
数の角形鋼矢板を立て込み、地中壁を構築する。このよ
うにして連続した地中壁を構築した後、地中壁で囲まれ
た地盤、即ち、角形鋼矢板で囲まれた内側を、必要な深
さまで掘削する。この掘削時、掘削する側の地中壁面
(角形鋼矢板)に付着したソイルセメントを同時に剥ぎ
取る。掘削が進むにつれて土圧、水圧等の地中壁にかか
る外力が増加するので、地中壁を支えるため、ある間隔
で切梁を設置する。その際、地中壁に沿って水平に腹起
こしを設置し、腹起こしを介して切梁を設ける。このよ
うに、腹起こしおよび切梁により補強しつつ地中壁で囲
まれた地盤の内側を掘削していく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、全周に
亘って板厚の等しい角形鋼管等の平行フランジ部に直線
形鋼矢板の半截等からなる嵌合継手を接合した先行技術
1は、フランジとウェブの板厚が等しくなる。外力であ
る曲げモーメント、剪断力および軸力のうち、フランジ
は主に曲げモーメントと軸力に抵抗し、ウェブは主に剪
断力と軸力に抵抗する。このため、最適な断面設計を行
うと、通常、フランジの板厚とウェブの板厚とが異な
る。従って、上述の如く、フランジとウェブとの板厚を
等しく設定することは、不経済な設計となる。
【0008】また、直線形鋼矢板からなるフランジ部材
にウェブを溶接接合した先行技術2は、ウェブおよびフ
ランジは構造部材として応力を十分伝達できるようにす
るため、接合部の溶接は入念に行ない、十分なサイズや
のど厚を確保する必要があり、溶接費用が大きなものと
なるのを避けられ得ない。
【0009】また、フランジ両側縁部に雄継手を膨出形
成してなる特殊な圧延H形鋼矢板の複数個を突合せ接合
した先行技術3は、特殊な圧延H形鋼矢板そのものの製
作費用が大きなものとなるばかりでなく、接合部の厚さ
をフランジ部以上にするため、コスト高となる。更に、
係合型雌継手は、断面H形の溝の一方を雄継手に係合溶
着し、断面H形の溝の他方に、接続される側の雄継手を
密嵌入させるようにしているため、継手の嵌合に余裕が
なく、建て込み時に嵌合がスムースにいかない危険性が
ある。更にまた、特殊な圧延H形鋼矢板の雄継手形状に
より、継手形状および継手の取付位置等が制約され、自
由に継手の形状やサイズおよび取付位置を選択できない
難点がある。
【0010】また、上述の先行技術1〜3は、いずれも
継手部の一部がフランジの外面よりも外方に突出してい
るため、これらの角形鋼矢板を用いて地中壁を構築する
場合、継手部が突出している分、ソイルセメント壁の厚
さを厚くしなければならない。従来の角形鋼矢板におい
て、フランジの外面よりも外方に突出している継手の部
分は、数センチであるが、都市部等の密集地域では設計
上しばしば問題になることがある。更に、腹起こしや切
梁による地下壁補強作業の際に、継手部が突出している
角形鋼矢板に直接腹起こしを設置すると、角形鋼矢板に
かかった外力が継手部に集中し、継手部が変形して地下
壁が倒れる危険があるため、腹起こしと角形鋼矢板との
隙間に間詰めコンクリートと呼ばれる特別な施工を施こ
し、角形鋼矢板に加わった外力が腹起こしに均等にかか
るようにしなければならず、特別な施工工程数が増え、
その作業性も悪く、施工費用が大きなものとなるのを避
けられない。
【0011】また、角形鋼矢板のフランジの一側縁部に
半筒状の雌継手を、フランジ他側縁部に突条からなる雄
継手を、それぞれ圧延によりフランジ外面よりも内方に
突出させて成形した先行技術4は、継手部がフランジ外
面よりも内方に位置しているため、角形鋼矢板に直接腹
起こしを設置することができ、間詰めコンクリート等の
特別な施工を不要とすることができる利点を有するもの
の、圧延による雌雄継手の成形に困難が伴い、雌雄継手
を成形するための圧延費用が大きなものとなるのを避け
られ得ないばかりでなく、複雑な形状(ラビリンス形
状)の継手を得ることができず、止水性が悪いという難
点がある。
【0012】従ってこの発明の目的は、上述の点に鑑
み、必要な耐力を得るに必要な鋼材の重量が少なく、製
作や組立のコストを低く抑えることができ、且つ、建て
込み時等、施工に有利で止水性良好な嵌合継手を自由に
選択でき、経済性、施工性を向上させることができる鋼
矢板を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の鋼矢板
は、通常の圧延H形鋼のフランジの一方側縁部に嵌合継
手の雌継手を、他方側縁部に雄継手を、それぞれフラン
ジ外面よりも内方に位置させて溶接接合したことに特徴
を有するものである。
【0014】請求項2記載の鋼矢板は、通常の圧延H形
鋼のフランジの両側縁部の各々に嵌合継手の雌継手を溶
接接合してなる第1鋼矢板と、前記雌継手に替えて雄継
手を溶接接合してなる第2鋼矢板とを用い、前記第1鋼
矢板の雌継手と前記第2鋼矢板の雄継手とを嵌合し前記
第1鋼矢板と前記第2鋼矢板とを連結させたことに特徴
を有するものである。
【0015】請求項3記載の鋼矢板は、請求項1または
2記載の発明において、前記雌継手の内面と前記雌継手
内に挿入した前記雄継手との間にラビリンス通路を形成
したことに特徴を有するものである。
【0016】請求項4記載の鋼矢板は、請求項1、2ま
たは3記載の発明において、前記圧延H形鋼の上下フラ
ンジの幅を異ならせたことに特徴を有するものである。
【0017】請求項5記載の鋼矢板は、請求項1、2、
3または4記載の発明において、前記嵌合継手を前記圧
延H形鋼の上下フランジのうちの一方のみに取り付けた
ことに特徴を有するものである。
【0018】
【作用】請求項1記載の鋼矢板は、施工にあたり、通常
の圧延H形鋼のフランジの両側縁部の一方に設けた雌継
手または雄継手に、隣接するH形鋼矢板の雄継手または
雌継手を嵌合連結し、地中壁等を構築すればよく、鋼矢
板の連結に溶接等の手間を必要としない。
【0019】請求項2記載の鋼矢板は、施工にあたり、
通常の圧延H形鋼のフランジの両側縁部の各々に嵌合継
手の雌継手を溶接接合してなる第1鋼矢板と、前記雌継
手に替えて雄継手を溶接接合してなる第2鋼矢板とを用
い、第1鋼矢板と第2鋼矢板とを交互に隣接配置して雌
継手と雄継手とを嵌合連結し、地中壁等を構築すればよ
く、鋼矢板の連結に溶接等の手間を必要としない。
【0020】また、上下フランジの幅を異ならせた圧延
H形鋼からなる鋼矢板や、嵌合継手を圧延H形鋼の上下
フランジの一方のみに取り付けた鋼矢板を使用したとき
は、円形などの曲面を持った地中壁等を構築することが
できる。
【0021】また、嵌合継手はフランジ外面よりも内方
に位置させて設置されているため、地中壁を構築する場
合の掘削溝幅は、構築される地中壁そのものの厚さを薄
くすることができるとともに、鋼矢板に直接腹起こしを
設置することができ、間詰めコンクリート等の特別な施
工を不要とすることができる。
【0022】
【実施例】次に、この発明を図面を参照しながら説明す
る。
【0023】〔実施例1〕図1はこの発明の第1の実施
例に係る鋼矢板の全体構成を示す正面図である。図1に
おいて、1は本実施例に係る鋼矢板で、通常の圧延H形
鋼2からなっており、上下フランジ3、4の一方側縁部
3a、4aには、嵌合継手の雄継手5a、5bが、他方
側縁部3b、4bには、雌継手6a、6bが、それぞれ
各上下フランジ3、4の各外面よりも内方に位置させて
溶接接合されている。
【0024】これを更に詳述すると、雌継手6a、6b
は、それぞれスリット付角形鋼管からなっている。ま
た、雌継手6a、6bは、そのスリット6c、6dがフ
ランジ幅方向外方に臨ませて配置され、その一側面が上
下フランジ3、4の内面に溶接接合されている。
【0025】また、雄継手5a、5bは、それぞれ角形
鋼管の2つの側面の各一部を切り欠いた基本的に断面L
字形の部材からなり、雄継手の一つの側面を隣接する鋼
矢板の雌継手(図示せず)のスリットと嵌合し、他の側
面は鋼矢板のフランジ先端端面に溶接接合されている。
雄継手が溶接接合されているフランジの外面から雄継手
側面(雌継手と嵌合する部分)までの高さは、隣接する
鋼矢板のフランジの外面から雌継手のスリットまでの高
さに等しくなるようにする。各雄継手5a、5bの先端
部には切欠残存部5c、5dがあり、雄継手と雌継手と
が嵌合した際、スリット付角形鋼管(雌継手)内面と切
欠残存部との間にラビリンス通路が形成されるようにな
っている。
【0026】上記のように構成した本実施例の鋼矢板
は、通常の圧延H形鋼2を用いて形成されているため、
フランジとウェブとの溶接が不要で、曲げモーメント、
剪断力、軸力等の外力に必要な耐力を備えた圧延H形鋼
を、豊富なサイズの中から選択でき、入手も容易であ
る。また、この外力に対してフランジとウェブとの板厚
が最適で、且つ、鋼材重量が最少になるものを選択すれ
ばよい。これによって、従来より軽量で、取扱や施工性
がよく、安価な鋼矢板が得られる。
【0027】また、嵌合継手は構造部材ではなく、建て
込み時にH形の鋼矢板をガイドする機能と必要な場合の
止水機能を有していれば十分で、且つ、その雌雄継手に
よる鋼矢板相互の連結も予め掘削された溝の泥水中やソ
イルセメント中で行なわれるため、建て込み時に嵌合継
手には大きな力が作用することはなく、従って嵌合継手
の圧延H形鋼2への溶接も止水が保たれ建て込み時に圧
延H形鋼2から分離しない程度の簡易なものでよく、嵌
合継手の溶接費用のコストを下げることができる。
【0028】また、鋼矢板相互の接続は、スリット付角
形鋼管からなる雌継手6a、6b内に雄継手5a、5b
の切欠残存部5c、5d付き側面を嵌入することにより
行なわれるため、雌継手6a、6b内にモルタル等を注
入でき、更に、雌継手のスリット付角形鋼管内面と雄継
手の切欠残存部付き側面とでラビリンス通路を形成する
ので、継手部の止水を完全なものとすることができる。
【0029】〔実施例2〕図2はこの発明の第2の実施
例に係る鋼矢板の嵌合継手部の構成を示す正面図であ
る。本実施例の鋼矢板において、雄継手20は基本的に
断面L字形の部材から構成され、その雌継手6と嵌合す
る側面20aの先端に垂直にフランジ面20bを形成し
た点が実施例1のものと異なっており、それ以外の雌雄
継手6、20の各鋼矢板1への取付け構造等は実施例1
と同様である。
【0030】本実施例によれば、雄継手20を圧延によ
り容易に製作できるため、実施例1のように雄継手を角
形鋼管から切り欠いて製作するときのような切り欠き作
業を不要にできる。また、雄継手20の雌継手6と嵌合
する側面20aの先端にフランジ面20bが垂直に設け
られているので、雄継手20の側面20aが隣接する鋼
矢板1の雌継手6のスリット付角形鋼管内に嵌入した際
には、スリット付角形鋼管内面とフランジ面20b付き
の側面20aとの間に形成されるラビリンス通路をより
複雑なものとすることができ、これにより、継手部の止
水をより完全なものとすることができる。
【0031】〔実施例3〕図3はこの発明の第3の実施
例に係る鋼矢板の嵌合継手部の構成を示す正面図であ
る。本実施例の鋼矢板は、実施例2と同様の雌雄継手
6、20を用いているが、これら雌雄継手6、20のH
形鋼矢板1への取付け位置が実施例2のものと異なって
いる。即ち、雌継手6は、スリット6c側の面を鋼矢板
1のフランジ面と平行に設定され、その一側面の上部が
鋼矢板1のフランジ面と直交方向の内方に向けて設定さ
れ、その固定側の側面20cの先端端面が隣接する鋼矢
板1のフランジ先端端面31に溶接接合されている。本
実施例においても上述した実施例2と同様の作用効果を
奏する。
【0032】〔実施例4〕図4はこの発明の第4の実施
例に係る鋼矢板の嵌合継手部の構成を示す正面図であ
る。本実施例の鋼矢板は、嵌合継手の雌雄継手6A、6
Bをいずれもスリット付角形鋼管から形成した点が上述
した各実施例のものと異なっている。
【0033】これを更に詳述すると、雌継手6Aは、ス
リット6c側の面を鋼矢板1のフランジ面と平行に設定
され、且つ、スリット6c側の面の一方が鋼矢板1のフ
ランジの下面に溶接接合されている。また、雄継手6B
は、そのスリット6e側の面を雌継手6Aのスリット6
c側の面と対向されて配置され、その一側面の上部が隣
接する鋼矢板1のフランジ先端端面30に溶接接合され
ている。
【0034】本実施例によれば、雌雄継手6A、6Bが
いずれもスリット付角形鋼管から形成されているので、
雌継手6Aの外側にも、その内側から連続するラビリン
ス通路を形成することができる。その結果、ラビリンス
通路を複雑で且つ長くすることができ、これにより継手
部の止水を一層完全なものとすることができる。
【0035】〔実施例5〕図5はこの発明の第5の実施
例に係る鋼矢板の嵌合継手部の構成を示す正面図であ
る。本実施例の鋼矢板は、嵌合継手の雌雄継手40、4
1をいずれも渦巻き状部材から形成し、各渦巻き状部材
の固定側の雌継手先端面40a、雄継手41aを鋼矢板
1のフランジ先端の雌継手端面30、雄継手端面31に
それぞれ溶接接合した点が上述した各実施例のものと異
なっている。
【0036】本実施例によれば、各渦巻き状部材で形成
されるラビリンス通路を更に複雑で長くすることがで
き、これにより、継手部の止水を更に完全なものとする
ことができる。
【0037】〔実施例6〕図6はこの発明の第6の実施
例に係る鋼矢板を用いた施工状態を示す説明図である。
本実施例の鋼矢板は、鋼矢板1を上下フランジの幅が異
なる圧延H形鋼51により構成した点が上述した各実施
例のものと異なっている。
【0038】本実施例によれば、H形の鋼矢板1の雄継
手5a、5bを、隣接する鋼矢板1の雌継手6a、6b
内に順次嵌入することにより、図6に示す如く、円形の
地中壁等の構築に利用することができる。
【0039】〔実施例7〕図7は、この発明の第7の実
施例に係る鋼矢板を用いた施工状態を示す説明図であ
る。本実施例の鋼矢板は、嵌合継手の雌継手6と雄継手
5を鋼矢板1の上下フランジの一方のみに取り付けた点
が上述した各実施例のものと異なっている。本実施例に
おいても、上述した実施例6と同様の作用効果を奏す
る。
【0040】〔実施例8〕図8は、この発明の第8の実
施例に係る鋼矢板を用いた施工状態を示す説明図であ
る。図8において、11は第1鋼矢板で、2つの通常の
圧延H形鋼2からなっており、上下フランジ3、4の両
側縁部3a、3b、4a、4bには、嵌合継手の雌継手
6f、6a、6g、6bが、それぞれ嵌合の各上下フラ
ンジ3および4の各外面よりも内方に位置させて溶接接
合されている。12は第2鋼矢板で、2つの通常の圧延
H形鋼2からなっており、上下フランジ3、4の両側縁
部3a、3b、4a、4bには、嵌合継手の雄継手5
a、5e、5b、5fが、それぞれ嵌合の各上下フラン
ジ3および4の各外面よりも内方に位置させて溶接接合
されている。雌継手6a、6b、6f、6gおよび雄継
手5a、5b、5e、5fは、それぞれ図1に示す継手
と同一の継手からなっている。
【0041】本実施例によれば、第1鋼矢板11と第2
鋼矢板12とを交互に配置し、第1鋼矢板11の雌継手
6a、6bまたは6f、9g内に、隣接する第2鋼矢板
12の雄継手5a、5bまたは5e、5fを嵌入し、こ
のようにして順次鋼矢板を連結することにより、地中壁
等の構築に利用することができる。本実施例のように継
手を構成しても、実施例1と同様の作用効果を奏する。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
通常の圧延H形鋼を、フランジの溶接接合部を挟む両側
縁部の一方に嵌合継手の雌継手を、他方に雌継手と共に
ラビリンス通路を形成する雄継手を、それぞれフランジ
外面よりも内方に位置させて溶接接合し、または、第1
鋼矢板はフランジの両側縁部の端面の各々に嵌合継手の
雌継手を、第2鋼矢板は雄継手を、それぞれフランジ外
面よりも内方に位置させて溶接接合することにより、必
要な耐力を得るに必要な鋼材の重量を少なくさせること
ができるとともに、製作や組立のコストを低く抑えるこ
とができ、且つ、建て込み時等、施工に有利で止水性良
好な嵌合継手を自由に選択でき、経済性、施工性を向上
させることができ、また、嵌合継手を圧延H形鋼の上下
フランジの一方のみに取付け、または、圧延H形鋼の上
下フランジの幅を異ならせることにより、円形の地中壁
等を構築することができ、かくして、工業上有用な効果
がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の構成を示す正面図で
ある。
【図2】この発明の第2の実施例の要部示す正面図であ
る。
【図3】この発明の第3の実施例の要部を示す正面図で
ある。
【図4】この発明の第4の実施例の要部を示す正面図で
ある。
【図5】この発明の第5の実施例の要部を示す正面図で
ある。
【図6】この発明の第6の実施例の施工状態を示す説明
図である。
【図7】この発明の第7の実施例の施工状態を示す説明
図である。
【図8】この発明の第8の実施例の構成を示す正面図で
ある。
【符号の説明】
1 鋼矢板 2 通常の圧延H形鋼 51 上下フランジの幅が異なる通常の圧延H形鋼 3、4 フランジ 3a、4a、3b、4b フランジの縁部 5、5a、5b、5e、5f、41、20、6B 雄継
手 6、6a、6b、6f、6g、40、6A 雌継手 5c、5d、5g、5h 雄継手の切欠残存部 6c、6d、6h、6i 雌継手のスリット 6e 雄継手のスリット 20a 雌継手と嵌合する側面 20b 雄継手のフランジ面 20c 雄継手の側面 30 フランジ先端雌継手端面 31 フランジ先端雄継手端面 40a 雌継手先端面 41a 雄継手先端面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通常の圧延H形鋼のフランジの一方側縁
    部に嵌合継手の雌継手を、他方側縁部に雄継手を、それ
    ぞれフランジ外面よりも内方に位置させて溶接接合した
    ことを特徴とする鋼矢板。
  2. 【請求項2】 通常の圧延H形鋼のフランジの両側縁部
    の各々に嵌合継手の雌継手を溶接接合してなる第1鋼矢
    板と、前記雌継手に替えて雄継手を溶接接合してなる第
    2鋼矢板とを用い、前記第1鋼矢板の雌継手と前記第2
    鋼矢板の雄継手とを嵌合し前記第1鋼矢板と前記第2鋼
    矢板とを連結させたことを特徴とする鋼矢板。
  3. 【請求項3】 前記雌継手の内面と前記雌継手内に挿入
    した前記雄継手との間にラビリンス通路を形成したこと
    を特徴とする請求項1または2記載の鋼矢板。
  4. 【請求項4】 前記圧延H形鋼の上下フランジの幅を異
    ならせたことを特徴とする請求項1、2または3記載の
    鋼矢板。
  5. 【請求項5】 前記嵌合継手を前記圧延H形鋼の上下フ
    ランジのうちの一方のみに取り付けたことを特徴とする
    請求項1、2、3または4記載の鋼矢板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009046853A (ja) * 2007-08-17 2009-03-05 Ohbayashi Corp 土留壁の止水構造及び止水構造の構築方法
KR101156134B1 (ko) * 2009-06-08 2012-06-20 박성주 복합 파일 구조물 및 그 시공방법

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