JPH0748741A - 紡機のスライバ継ぎ方法及び装置 - Google Patents

紡機のスライバ継ぎ方法及び装置

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JPH0748741A
JPH0748741A JP19642093A JP19642093A JPH0748741A JP H0748741 A JPH0748741 A JP H0748741A JP 19642093 A JP19642093 A JP 19642093A JP 19642093 A JP19642093 A JP 19642093A JP H0748741 A JPH0748741 A JP H0748741A
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JP
Japan
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sliver
roller
pair
spliced
cans
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Application number
JP19642093A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Sekiya
茂樹 関谷
Takashi Ogiso
隆 小木曽
Yoshio Kurachi
喜男 倉知
Toshiyuki Kuzutani
敏之 葛谷
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Howa Machinery Ltd
Original Assignee
Howa Machinery Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2701/00Handled material; Storage means
    • B65H2701/30Handled filamentary material
    • B65H2701/31Textiles threads or artificial strands of filaments
    • B65H2701/311Slivers

Landscapes

  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はスライバ継ぎに関し、継ぐべきスラ
イバ先端を筆先状に形成することにより、スライバの重
合部位での品質の改善を図ることを目的とする。 【構成】 継ぐべきスライバS2 は一対のローラ機構70
8a,708b 間で挟持されながら送り出され、スライバ先端
切断部78の挟持体781a,781b の対向面781a-1,781b-1 間
でニップされ、ローラ機構708a,708b を逆転すること
で、対向面781a-1,781b-1 間のニップ点とローラ機構70
8a,708b 間のニップ点間の位置789 で切断され、かつロ
ーラ機構708a,708b による把持面と直交する方向のδの
幅のスリット間でスライバS2 は案内され、筆先状とな
り、継がれるべきスライバに供給され重合される。筆先
状の先端部分を継がれるべきスライバに供給する際にこ
の部位にドラフトを加え、重合されたときの太さが徐々
に変化するようにされる。切除された残余の部分屑S ″
は空ケンスに排出されケンス内の屑と一括処理される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は粗紡機等の紡機のスラ
イバ継ぎ方法及び装置に関するものであり、スライバの
継がれた部分の品質の向上を図ることができるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】粗紡機等の紡機において供給スライバの
ケンスが消費されたときこの消費されたケンスを満ケン
スと交換し、スライバ継ぎを行なう必要がある。スライ
バ継ぎを行なうため、消費されたケンスからの継がれる
べきスライバを複数のローラ対よりなる把持手段によっ
て把持し、スライバ供給手段に把持された満ケンスから
の継ぐべきスライバを把持手段に供給することにより継
がれるべきスライバと継ぐべきスライバとを重合させる
ものが公知である。供給手段は一対の回転ローラから構
成され、満ケンスからの継ぐべきスライバは一対の回転
ローラ間に挟持されつつ回転ローラの回転によって継ぐ
べきスライバは把持手段によって把持されつつ供給され
る継がれるスライバに重合される。例えば、特開平4-16
3328号公報参照。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術においては、
供給手段からの継ぐべき第2スライバを把持手段に導
き、把持手段に把持される空近くなったケンスからの第
1スライバに供給手段からの第2スライバを重合させ、
スライバ継ぎを行なっている。第2スライバの端部が第
1スライバと重合される部位では重合スライバはその太
さがスライバ1本分からスライバ2本分に急激に変化す
る。そのため、継がれたスライバの継ぎ部分の品質が良
好でなく、後工程での問題発生の原因となる。また、従
来技術では重合されたスライバに2倍のドラフトをかけ
ることで重合部分のスライバの太さを本来の太さに修正
しようとしているが、第1スライバに重合された第2ス
ライバの先端の部位では重合スライバの太さが1本分か
ら2本分に急変しているため2倍のドラフトをかけたと
しても本来の1本分のスライバ太さに均整に制御するこ
とは相当に困難である。
【0004】この発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、
第1スライバに第2スライバの先端が重合された部位で
の重合スライバの品質の改善を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明によれば、紡
機のスライバ継ぎ装置は、継がれるべき第1スライバを
挟持可能なローラ対から成るスライバ把持手段と、継ぐ
べき第2スライバをその端部から前記スライバ把持手段
に供給するための正逆転可能な一対の回転ローラを具備
するスライバ供給手段と、継ぐべきスライバをその端部
をその口だしノズルで吸引しながらスライバ供給手段に
導入する口出し手段と、前記口出しノズルによるスライ
バの吸着位置とスライバ供給手段との間で第2スライバ
を挟持可能な挟持手段とを具備する。口出しされた第2
スライバは第2スライバを挟持手段によって挟持しつつ
スライバ供給手段の回転ローラを逆転させることによっ
て把持手段とスライバ供給手段との間で牽引切断され
る。
【0006】第2の発明にあっては、空に近くなったケ
ンスから紡機へ供給されている第1スライバに予め準備
した満ケンスから引き出された第2スライバの端部を重
合させてスライバ継ぎする方法において、満ケンスから
第2スライバを口出しした後、その口出しされた第2ス
ライバの先端側の一部を切除し、切除された第2スライ
バの切断屑を空ケンスに導き空ケンス内の残りの第1ス
ライバと一緒に処理することを特徴とする。
【0007】第2の発明を実施するための第3の発明で
は、紡機のスライバ継ぎ装置は、空近くなったケンスか
ら紡機へ供給されている第1スライバを把持するための
複数のローラ対を構成する離間可能な一対のローラ機構
よりなるスライバ把持手段と、満ケンス内の第2スライ
バの端部を吸着して口出し可能な口出し手段と、口出し
手段による吸着位置よりケンス側の位置で第2スライバ
を挟持可能でかつ挟持した第2スライバをスライバ把持
手段に供給可能なスライバ供給手段と、口出し手段とス
ライバ供給手段との間で第2スライバの切断を行なう第
2スライバ切断手段と、切断時に口出し手段により保持
されるスライバ屑を空近くなったケンスに排出する排出
手段とを具備することを特徴とする。
【0008】第4の発明では、紡機のスライバ継ぎ方法
は、継がれるべき第1スライバを供給している状態で、
その第1スライバに新たに継ぐべき第2スライバの端部
を供給して重合させる際に第2スライバの端部の繊維減
少部をドラフトしながら第1スライバに供給し、その繊
維減少部を引き延ばしながら重合させて重合部分の外径
変化を緩やかにし、次に第1スライバと第2スライバと
の重合部の太さをスライバ1本分の太さにすることを特
徴とする。第4の発明を実施するための装置である第5
の発明では、スライバ継ぎ装置は、継がれるべき第1ス
ライバを把持するための複数のローラ対を構成する離間
可能な一対のローラ機構より成るスライバ把持手段と、
継ぐべき第2スライバの端部を挟持可能でかつ回転可能
な一対の供給ローラを有するスライバ供給手段とを備
え、該スライバ把持手段の少なくともスライバ送込み側
ローラ対を可変速可能に構成すると共に、スライバ供給
手段の供給ローラ対を変速可能に構成したことを特徴と
する。
【0009】
【実施例】図1は練条機1と粗紡機2とが満ケンスの搬
送用のコンベヤ4によって接続される練条−粗紡接続シ
ステムを模式的に示している。即ち、練条機1によって
得られたスライバはケンスに収納され、満ケンスとなっ
てコンベヤ4上を搬送方向aに向け搬送される。粗紡機
2の機台の背後には粗紡機2のドラフトパートに供給す
るためのスライバを収納したケンスが複数列(図では
A,B,C,Dの4列)粗紡機の長さ方向に配置されて
いる。粗紡機の長さ方向と直交する方向(行)ではA,
B,C,Dのケンス5A,5B,5C,5Dが直線状に
配置されており、各行のケンス5A,5B,5C,5D
からのスライバは図1には示されないクリールを介して
粗紡機2の4個のドラフトパートに供給されるようにな
っている。コンベヤ4は、ケンス列A及びBの供給及び
交換のため列AとBとの間に延びるケンス交換コンベヤ
6a並びにケンス列C及びDの供給及び交換のため列C
とDとの間に延びるケンス交換コンベヤ6bに接続され
る。ケンス交換コンベヤ6a,6bは、満ケンスと交換
された消費されたケンスを矢印bのように練条機1の側
に戻すための空ケンスコンベヤ7を具備する。
【0010】粗紡機2の運転はケンス列A,B,C,D
間でスライバの収納量は段階的に変化するように行わ
れ、空に近くなった列におけるケンスが満ケンス5Xに
交換される。コンベヤ4,6a,6b,7 は平行に配置される複
数のローラより構成されるローラコンベヤ等として構成
することができ、練条機1からの満ケンスはコンベヤ4
からケンス列AとBの間のケンス交換コンベヤ6a又は
ケンス列CとDとの間のケンス交換コンベヤ6bに運ば
れ、消費された列A,B,C又はDのケンスがケンス交
換機8によって後述のように満ケンスと交換される。図
1の状態は列A若しくはB、又はC若しくはDの一つの
ケンス列のスライバが消費され、満ケンスと交換するた
め、その列A若しくはB、又はC若しくはDの交換に必
要となる全ての満ケンス5Xが、列Xa又はXbをなし
て、ケンス列AとBとの間のケンス交換コンベヤ6a又
はケンス列CとDとの間のケンス交換コンベヤ6bに集
められた状態を示している。図1において4−1は満ケ
ンスの位置決めをおこなうためのストッパで、4−1は
ケンス列A,B用のケンス交換コンベヤ6a及びケンス
列C,D用のケンス交換コンベヤ6bの各々に設けら
れ、これらのストッパ4−1はソレノイド(図示しな
い)によって上下動され、ケンス移動軌道に対して出没
自在となっている。尚、ストッパ4−1はケンス列A〜
Dの各ケンスに対応する位置に設けて満ケンスを位置決
めするようにしてもよい。
【0011】図1において8はケンス列に沿って移動可
能な移動体を構成するケンス交換機であり、消費された
一つの列A,B,C又はDのケンスをその先頭より順次
ケンス交換コンベヤ6a又は6b上の満ケンス5Xと自
動的に交換するためのものであり、その詳細構成につい
ては後述する。ケンス交換機8はケンス交換コンベヤ6
a,6b上の満ケンス列Xa,Xbの満ケンスを消費さ
れたケンス列のケンスと先頭から順次交換を行うように
機能する。図示しないが、ケンス交換機8の向きを18
0°変化させるためのリフタが設けられ、ケンス交換機
8の作業機構は後述の実施例のように片側にのみ設けら
れているが、ケンス交換機8の姿勢を180°反転する
ことで、列Xa上の満ケンスをその両側のケンス列A,
Bの消費されたケンス5A,5Bと交換可能であり、列
Xb上の満ケンスをその両側のケンス列C,Dの消費さ
れたケンス5C,5Dと交換可能である。尚、ケンス列
B,Dの交換は図の右端から行うことになるので、満ケ
ンス列Xa,Xbの満ケンスは図示しないストッパによ
って左側へずれた位置に停止位置決めされる。
【0012】図2(a) 〜(f) は図1の実施例において列
Aの消費されたケンスを列AとBとの間に位置する満ケ
ンス列Xa上の満ケンスと交換する方式を模式的に示し
ている。図2(a) はケンス交換機8がコンベヤ6a上に
交換のため待機している満ケンス列Xaの先頭の少し手
前の位置P0 まで来たところを示す。満ケンス列Xaは
供給中のケンス列A,Bより約ケンス1つ分だけ手前に
ずれて位置されている。(b) ではケンス交換機8は更に
前進しその前半部に満ケンス列Xの先頭のケンス5X−
1を位置させたP1 の位置まで矢印ロの方向に前進した
ところを示す。後述のようにケンス交換機8は底無し構
造となっており、前進させるだけでケンス交換機8内に
ケンス5X−1を取り込むことができる。
【0013】図2(c) ではケンス列Aの先頭の消費され
たケンス5A−1がケンス交換機8内における既に取り
込まれた満ケンス5X−1の手前の位置に矢印ハのよう
に引き込まれた状態を示す。このときケンス5A−1か
ら粗紡機2の対応するドラフトパート(図示しない)へ
のスライバの供給、即ち、粗糸の紡出は継続されてい
る。消費されたケンスをケンス交換機8に取り込むため
の具体的な構成については後述する。
【0014】図2(c) の状態において消費されたケンス
5A−1から対応のドラフトパートへの切断されたスラ
イバの後端と満ケンスからの引き出されたスライバの前
端とのスライバ継ぎが行われる。このスライバ継ぎの詳
細については後述する。スライバ継ぎは後述のように消
費されたケンスからのスライバに満ケンスからのスライ
バを重合させつつ2倍のドラフトをかけ、かつ重合スラ
イバを狭窄部を通過させつつ、手揉み様の運動を付与し
て行われれる。このスライバ継ぎは粗紡機により紡出運
転中又は停止中(但し、停止中でもスライバの供給は行
われる)に行われる。
【0015】図2(d) ではスライバ継ぎされた後の消費
されたケンス5A−1がコンベヤ6a上をケンス交換機
8外へ矢印ニのように排出され、スライバ継ぎされた後
の満ケンス5X−1が消費されたケンスを引き込んだ位
置までケンス交換機8内を矢印ホのように前進される。
図2(e) ではケンス交換機8内から満ケンス5X−1が
矢印ヘのように送り出され、前に消費されたケンス5A
−1が占めていたケンス列Aの第1番目の位置に来た状
態を示す。
【0016】図2(f) はケンス列Aの第2番目のケンス
5A−2を満ケンスに交換する作業の開始部分を示す。
即ち、ケンス交換機8は前進によって満ケンス列Xaの
第2番目の満ケンス5X−2をその中に取り込み、P2
の位置まで1ピッチ分前進している。以下(c) から(e)
に説明した行程を繰り返すことにより、第2番目の空近
くなったケンス5A−2がケンス交換機8における満ケ
ンス5X−2の手前の位置に取り込まれ、スライバ継ぎ
を行った後消費されたケンス5A−2はコンベヤ6a上
をケンス交換機8外に排出され、満ケンス5X−2をケ
ンス5A−2が元に占めていた列A内の第2番目位置ま
で送り出すことができる。以下、列Aの全ての消費され
たケンスが列Xの満ケンスと交換完了するまで以上の行
程が繰り返される。
【0017】以上は消費された列Aのケンス5Aを列A
とBとの間の列Xaの満ケンス5Xに交換する方法を説
明しているが、反対側の遠い側の列Bのケンスを満ケン
スに交換する方法も同様に実施することができる。この
場合ケンス交換機8の向きは図示しないリフターによっ
て180°反転され、ケンス交換機の後述の作業機構を
共用することができる。なお、列A,C用とは別個に列
B,D用のケンス交換機を準備してもよい。
【0018】図1において、列C又はDの消費されたケ
ンス5C又は5Dは列CとDとの間の列Xb上の満ケン
ス5Xに交換されるが、この交換方式は図2と同様であ
る。次に、以上の原理によってケンス交換を行う装置の
具体的な構成の実施例を説明する。図3において粗紡機
2は機台12とクリール14とから成る。機台12はケ
ーシング121を備え、ケーシング121は各ケンスに
対応して設けられるドラフトパートを収納しており、各
ドラフトパートにおいて対応するケンス5からのスライ
バSにドラフトが付与され、機台12内の図示しないフ
ライヤを介してボビンへの粗糸の巻き取りが行われる。
図1において説明したように機台の長手方向(図3の紙
面に直交する方向)においてケンス5は列A,B,C,
Dをなし、列AとBとの間に満ケンス列Xaが列CとD
との間に満ケンス列Xbが位置している。クリール14
は下端が床面に固定され直立したピラー141と、ピラ
ー141の上端に固定されるビーム142と、ビーム1
42の下面に取り付けられるリフティングローラ143
と、ガイド144を具備し、各ケンス5からのスライバ
Sは対応するガイド144及びリフティングローラ14
3を介して各ドラフトパートに送られる。
【0019】ケンス交換機8は図3では供給ケンス列A
とBとの間に位置したところが図示されている。図2に
おいて説明したようにケンス交換機8は列Aと列Bとの
間又は列CとBとの間を機台12の長さ方向に移動する
ように設けられ、列Aと列Bとの間又は列Cと列Dとの
間のケンス交換コンベヤ6a,6b上の満ケンス列から
満ケンスを取り込み、スライバが消費された列のケンス
をその先頭のケンスから順次満ケンスに交換するように
作動する。
【0020】図4に示すようにコンベヤ6a(コンベヤ
6bも同様な構造)は平行に配置された複数のコンベヤ
ローラ61より構成される。各ローラ61はその軸線が
搬送方向(矢印c)と直交する方向に延びている。ケン
ス5は複数本(例えば図示のように4本)のローラ61
によって支持することができる。これらの一つのケンス
5を支えることができる4本づつのローラの組2-a, 2-
b, 2-c, 2-d等に区分され、各組のローラ毎に独立回転
駆動可能に構成されている。図5において床面はコンベ
ヤ6a(図5はコンベヤ6aのみ示すがコンベヤ6bに
ついても同様)を収納するための窪み62を形成してお
り、一方、機台の長手方向(図5の紙面に直交する方
向)に一対の支持枠63が形成され、各ローラ61はそ
の両端がこの支持枠63に軸支されている。ローラ61
の上面は床面と略面一に形成されるが、ケンス交換機8
によるケンス列を横切る方向でのケンスの円滑な受渡し
に支障がないように配慮されている。尚、ローラ61の
回転駆動手段は、ローラモータの使用やチェーンと小型
モータの使用等によって周知であり、簡明を図るため図
示を省略している。また、両側の支持枠63に満ケンス
5Xをまっすぐ案内するガイドを備えてもよい。
【0021】図5,6においてケンス交換機8は底無し
の台車部20と、満ケンスへの交換時に消費されたケン
スをケンス列に対して横方向にケンス交換機8中に引き
込むときにスライバを案内するためのスライバ移動手段
を構成するスライバ案内部30と、その消費されたケン
スを台車部20まで引き込み、ケンス交換後の満ケンス
をもとの供給列の位置に送り出すためのケンス交換部4
0と、台車部20内に位置された満ケンスよりスライバ
端を口出しする口出し部60と、口出し部60によって
口出しされたスライバの先端をニップすると共にニップ
されたスライバの先端を、満ケンスからのスライバに重
合するべく供給せしめる追継部70と、追継のため追継
部70から突出するスライバの先端をカットして筆先状
に形成するスライバ先端切断部78と、スライバ先端を
筆先状に形成したとき生成される残余の繊維屑を空ケン
スに落下せしめるシュート79と、交換するべき消費さ
れたケンスから対応のドラフトパートに供給されている
スライバを把持すると共に、この把持されたスライバに
追継部70により供給された満ケンスからのスライバの
先端を重合させる共に、接合部のスライバに太さむらが
発生しないように所定の期間に渡って所定のドラフトを
付与し、かつ重合後のスライバに手揉み様の運動を付与
するスライバ継部80と、スライバ継ぎ後に消費された
ケンスからのスライバを切断するスライバ切断部90
と、から構成される。
【0022】台車部20は底部が開放した矩形筐体とし
てのフレーム202を備え、図7に示すようにフレーム
202の下面4隅にホイール204が設けられている。
図5に示すように床面に形成される窪み62には機台の
長手方向に沿って一対のレール208が配置され、この
レール208上をホイール204が回転移動し、ケンス
交換機8の移動が行われる。両側のホイール204の軸
206上にプーリ211が夫々固定され、図5,6に示
すようにこれらのプーリ211はケンス交換機8の走行
用モータ213の回転軸に設けられるプーリ214にベ
ルト216を介して夫々連結され、両走行用モータ21
3の同期回転運動が駆動側ホイール204に伝達され、
台車部20はレール208上を走行することができる。
【0023】スライバ案内部30はフレーム202内に
おける上部に設けられ(図5)、図8に示すように第1
ロッドレスシリンダ302及び第2ロッドレスシリンダ
304を具備する。第1ロッドレスシリンダ302の本
体側下面に可動ブラケット305(図5)が固定されて
いる。第1ロッドレスシリンダ302の移動側は2個の
連結部材306を介して第2ロッドレスシリンダ304
の本体部に固定されるプレート308に連結される(図
8,9)。第2ロッドレスシリンダ304の移動部は連
結部材309を介してガイドロッド310の一端に固定
され、ガイドロッド310の他端にV断面のガイドロー
ラ312が回転可能に取り付けられる。図5において可
動ブラケット305はシリンダ302, 304の長手方向に延
びる板状部材であり、この可動ブラケットと直交する方
向に2本の平行なガイド314,316が摺動自在に嵌
合され、この2本のガイド314と316との間に中間
部にねじ部を形成した駆動ロッド318が設けられ、こ
のねじ部はブラケット305に形成されるねじ孔と係合
している。図8に示すようにガイド314及び316の
両端はフレーム202の上壁内面に適宜の手段で固定さ
れる不動ブラケット320,322に固定される。一
方、駆動ロッド318は不動ブラケット320,322
に対しては回転可能であり、一方のブラケット322か
ら突出する駆動ロッド318の先端は回転駆動モータ3
24の回転軸に連結される。モータ324の回転軸の回
転は駆動ロッド318に伝達され、駆動ロッド318と
ねじ係合する可動ブラケット305及びこの可動ブラケ
ット305に取り付けられる第1ロッドレスシリンダ3
02及び第1ロッドレスシリンダ302に取り付けされ
る第2ロッドレスシリンダ304はケンス交換機8の移
動方向(図8のX方向)に移動することができる。従っ
て、第2ロッドレスシリンダ304の移動部に固定され
るガイドロッド310の先端のガイドローラ312はモ
ータ324の回転に応じて図8のX方向(ケンス交換機
の移動方向)に移動される。このようなガイドローラ3
12のX移動は消費されたケンスをケンス交換機8に引
き出す際に、そのケンスから引き出し中のスライバに選
択的に係合させるときに必要となるものである。即ち、
ロッドレスシリンダ302,304に空気圧を供給する
ことによりその移動部に連結されたガイドローラ312
が機台長手方向に直交する方向(図8のY方向)に移動
され、モータ324の回転によるX方向の移動と組み合
わせることによって交換すべきケンスからのスライバに
対して係脱自在とすることができる。2段のロッドレス
シリンダ302,304を設けることにより、所望の大
きなストロークを得ることができる。図9は2段ロッド
レスシリンダが最大伸長位置に来た状態を示す。
【0024】図10,11に示すケンス交換部40は消
費されたケンスをその列A,B,C,Dからケンス交換
コンベヤ6a又は6b上においてケンス交換機8内に取
り込むとともに、満ケンスを消費されたケンスがもとに
あった位置に戻すために機能する。図示されたケンス交
換部40はサクションによってケンスの保持及び移動を
行うものであり、その構成は特開平1-55183 号において
この出願人によって開示されたものと同様である。即
ち、ケンス交換部40は保持枠402を備え、このケン
ス保持枠402はその上端部両側に夫々一対のガイドロ
ーラ404を具備する。複数の吸盤408が保持枠40
2に設けられ、この吸盤408は図示しない吸引源(ポ
ンプ)に接続され、ケンスの取り込み及び送り出しを行
うときは吸盤408によってケンスの保持を行うことが
できる。保持枠402は倍ストローク型のケンス移動機
構によってケンス列に直交する方向に移動させることが
できる。即ち、このケンス移動機構はケンス列に直交す
る方向に延びる断面コの字状の支持枠410と、同じく
ケンス列に直交する方向に延び、支持枠410に対して
移動可能な可動枠412とから構成される。可動枠41
2は支持枠410に対してケンス列と直交する方向に摺
動自在に支持されいる。保持枠402の上端に設けられ
るガイドローラ404は可動枠412にケンス列に直交
する方向に間隔をおいて形成される一対のガイドレール
412aに収容されている。そのため、可動枠412はケン
ス列に直交する方向において水平移動可能となってい
る。ケンス列と直交する方向における支持枠410の両
端にスプロケット414, 416が設けられ、このスプロケッ
ト間にチェーン418が張り渡される。チェーン418
は止着部材419に対向端が止着されることによって無
端ループを形成し、かつこの止着部材419は可動枠4
12に固定され、チェーン418の移動によって可動枠
412が移動されるようになっている。ケンス列と直交
する方向における可動枠412の両端にスプロケット42
2, 424が設けられ、このスプロケット422, 424間にチェ
ーン430が張り渡される。チェーン430は支持枠4
10に固定される止着部材432に対向端が連結され無
端ループを形成する。チェーン434は止着部材435
によって保持枠402に連結される。そして、スプロケ
ット416の回転軸は別のスプロケット437及びチェ
ーン438を介してモータ440に連結される。
【0025】モータ440を回転駆動させることにより
チェーン418は移動するが、チェーン418に止着さ
れる止着部材419が可動枠412に固定されているこ
とから、可動枠412はモータ440によるチェーン4
18の移動距離と同一の距離水平に移動される。一方、
この可動枠412に回転可能に設けられるスプロケット
422,424 に巻回されるチェーン430は止着部材432
によって支持枠410に取り付けられていることから、
可動枠412の移動によってチェーン430のスプロケ
ット422, 424の回りでの移動が惹起される。従って、チ
ェーン430の下側移行部はモータ440の回転による
可動枠412の移動量の2倍移動され、可動枠412の
移動量の2倍のストロークを保持枠402に加えること
ができる。そのため、保持枠402の効率的な移動が実
現され、小型の装置によってケンス交換時に必要となる
大きな移動量を得ることができる。図11は2段機構の
最大伸長位置を示す。
【0026】次に図6において、ケンス交換機8内に取
り込まれた満ケンスからスライバ端の口出しを行う口出
し手段を構成している口出し部60はロッドレスシリン
ダ601を具備し、ロッドレスシリンダ601の本体部
はフレーム202の適当な箇所に固定される。ロッドレ
スシリンダ601の移動部604はL型のノズル支持体
608に連結される。ノズル支持体608の上端にアー
ム610の一端が回動自在に取り付けられ、ノズル支持
体608の下端とアーム610の中間部との間にロッド
付シリンダ612が配置される。即ち、ロッド付シリン
ダ612の本体部は支持体608に枢着され、ロッド部
はアーム610に枢着される。アーム610の上端に口
出しノズル614が設けられる。口出しノズル614は
ケンス側面に対向するように先端が開口し、この開口部
にネット(図示しない)が設けられ、このネット付近に
はスライバの吸着を検出する検知器(図示しない)が設
けられている。この口出しノズル614は図20に示す
ホース616やバルブ(図示しない)を介してサクショ
ンブロア(図示しない)等の吸気源に連結されている。
更に、口出しノズル614の支持部自体は空気シリンダ
620によってケンス列と直交する方向(図20の矢印
1 ,e2 の方向)に往復移動可能である。図7に示す
ように、追継部70、スライバ継部80はケンス列の中
心線から外れたケンス交換機8の一側部に配置されてお
り、口出しノズル614によってスライバ端を吸引し、
持ち上げた場合ケンス中心からのスライバをその中心か
らずれて位置している追継部70のローラ機構間の正規
な位置に運ぶことができるようにガイドバー621がケ
ンス交換機8の移動方向と平行な方向に延びるように設
けられ、このガイドバー621の外側よりスライバをス
ライバ継ぎ機構側に向けて持ち上げるようにしている。
即ち、口出しノズル614によってスライバを継ぎ機構
側に運ぶ際にスライバ端を吸引した口出しノズル614
は図20の矢印e 1 の方向にガイドバー621の外側の
位置まで移動され、それから図6のシリンダ601, 612に
よって口出しノズル614が持ち上げられる。そのた
め、スライバはケンスの中心から繰り出されたとしても
ガイドバー621の外側を通るように規制を受け、スラ
イバをスライバ継ぎ機構の正しい位置にもってくること
ができる。
【0027】口出し部60により満ケンスからスライバ
端の口出しを行う際に、先ず図20の実線状態において
口出しノズル614に吸引力を作用させる。満ケンスか
らはスライバS2 の端部が垂れ下がっており、このスラ
イバ端部は口出しノズル614に正対位置するように予
め位置決めして配置されているので、口出しノズル61
4内に吸い込まれて吸着される。シリンダ620に圧縮
空気を供給することで口出しノズル614は矢印e1
方向に移動され、口出しノズル614がガイドバー62
1の外側に来たとき図6のシリンダ612に圧縮空気を
供給することでそのロッドは伸長し、アーム610は上
方に回動し、その後、ロッドレスシリンダ601に圧縮
空気を供給すると移動部604が上昇して支持体608
はノズル614にスライバを吸引保持した状態で上昇
し、シリンダ620(図20)の空気圧を制御すること
で口出しノズル614は矢印e2 の方向に移動し、図2
0の想像線位置(614´)に達する。この位置は追継
部70により満ケンスからのスライバを把持するときの
スライバS2 の待機位置である(図31参照)。なお、
口出し部60はケンスの中央部に位置されるスライバ端
を把持又は吸着して引き上げるように構成してもよく、
本発明は口出し手段に限定されない。次に図6におい
て、スライバ供給手段を構成する追継部70は口出し部
60の吸引ノズル614によって口出しされたスライバ
を把持し、スライバ継ぎ部80に供給することでスライ
バの重合を行わせるものである。追継部70は図12〜
図14に示すように口出しされたスライバを把持する回
転ローラ対を構成する一対のエプロン型ローラ機構702
a, 702bを備える。第1ローラ機構702aはローラ704a
と、断面L型のエプロン先端位置調整部材706と、ロ
ーラ704aとエプロン先端位置調整部材706との間を巡
るように張り渡されたエプロン708aとを具備する。第2
ローラ機構702bは第1ローラ704aに相当する径の大きい
第1ローラ704bと、径の小さい両端にフランジを有した
第2ローラ710と、第1ローラ704bと第2ローラ71
0との間を巡るように張り渡されたエプロン708bとを具
備する。第1ローラ704aの一端から軸部704a´(図1
2)が一体的に延びており、支持体714に一対の離間
したメタル715を介して軸支される。ローラ704bの一
端から軸部704b´が一体に延びており、揺動体718の
孔に挿入されて止めピン720によって固定支持されて
いる。支持体714はローラ704a, 704bの中心線と平行
な対向面を有した切欠716(図14)を形成してお
り、この切欠716に揺動体718が装着されている。
従動側のローラ704bは図示しない軸受によって軸部704b
´に回転自在に軸支され、この軸部704b´に対してフリ
ーに回転することができる。支持体718にローラ704
a, 704bの中心線と直交する軸線を有したピン724が
一対のメタル725(図15)を介して回転自在に設け
られ、揺動体718を支持体714に対してピン724
の軸線の回りに回動可能に軸支している。このような構
造によって第1ローラ機構702aに対して第2ローラ機構
702bはエプロン708a, 708bが相互に接触する図12の実
線の位置と、第2ローラ機構702bが外側に開放した2点
鎖線の開放位置702b´との間を矢印hのように回動可能
となっている。張力調整部材706はその両端から案内
板部706´がその間にエプロン708aを挟むように一体
に延び、エプロン708aを案内をすることができる。ま
た、張力調整部材706は調整用ボルト729によって
支持体714の面上に固定され、調整用ボルト729を
緩め張力調整部材706の位置を調節することによりエ
プロン708a, 708b間の最適位置関係を得ることができ
る。尚、第2ローラ機構702bの先端の第2ローラ710
を支持するため、同ローラ710は支持片726の一端
に嵌着され、支持片726の他端は支持体714に軸部
704b' とボルト727によって固定される(図13参
照)。
【0028】エプロン型ローラの駆動用のモータ730
が支持体714に固定され、その回転軸732の端部に
駆動側歯車734が固定され、一方、支持体714から
スペーサ733を介して突出する第1ローラ704aの軸部
704a´に歯車736が固定され、歯車734と736と
が噛合している。そのため、モータ730の回転が歯車
734, 736を介して第1ローラ704aに伝達され、第1ロー
ラ機構702aと第2ローラ機構702bとが実線の位置にある
ときエプロン708a, 708b間にスライバをニップすること
ができ、ニップ時のモータ730の回転によってニップ
しているスライバを送り出すことができる。モータ73
0はサーボモータ、ステッピングモータ、インバータ制
御モータ等の可変速モータである。モータ730の回転
速度は、通常エプロン708a, 708bの表面速度がスライバ
継部80によるスライバの引き込み速度と一致するよう
にされている。従って、追継部70とスライバ継部80
の引き込み側のローラ対との間でスライバ(満ケンスか
らの継ぐべきスライバ)にドラフトはかからない。後述
のように、満ケンスからのスライバが消費されたケンス
からのスライバに重合時に重合スライバに2倍のドラフ
トをかけ、このときスライバ継部80の引き込み側のロ
ーラ対の速度は半分となるが、同時に追継部70の速度
も半分となるので、この場合も追継部70とスライバ継
部80との間でスライバ(満ケンスからの継ぐべきスラ
イバ)にドラフトはかかならない。しかしながら、後述
の通り、継ぐべきスライバの先端部分に関しては追継部
70とスライバ継部80との間にドラフトがかけられ
る。即ち、継ぐべきスライバの先端部分がスライバ継部
80の引き込み側のローラにかかってからこの先端部分
が通過するまで、追継部70の速度はスライバ継部80
の引き込み側の速度に対して幾分低くされ、その結果、
スライバの先端部分にドラフトがかけられ、スライバの
先端部分の太さ変化が緩慢となり、スライバ継ぎ後の均
整度の改善を図ることができる。
【0029】第2ローラ機構702bを図12の実線位置と
2点鎖線位置との間で図12の矢印hのように揺動させ
るため、図14,15に示すようにロータリソレノイド
740等の回転駆動手段が設けられる。ロータリソレノ
イド740の回転軸742は揺動ピン724に止めねじ
744によって固定される。ロータリソレノイド740
の回転軸742の回転はピン724、揺動体718を介
して第2ローラ機構702bに伝達され、第2ローラ機構70
2bを揺動ピン724の軸線の回りで図12の実線位置と
想像線位置との間で回動させることができる。
【0030】支持体714の下面にスライバガイド76
0が水平面内に延びるように固設される。スライバガイ
ド760は満ケンスからのスライバをローラ機構702a,
702bの幅方向の中央部に確実に位置させるべく案内する
ものである。スライバガイド760はスロット760-1(図
12)を形成し、スロット760-1 の端部は略V字状に拡
開しており、スロット760-1 へのスライバの導入を確実
に行うことができる。
【0031】図15に示すように支持体714には光検
出手段を構成する光検知器(アンプ)771が取り付け
られ、その光検知器771に光ファイバガイド770が
設けられ、その先端770´はエプロン708a, 708bの先
端エッジを水平側方より臨むように配置される。光ファ
イバガイド770内には受投光器としての光ファイバが
挿通され、対向側の図示しない投光器からの光をアンプ
770に入力し、その光量変化によりローラ機構702a,
702bに把持されたスライバの先端位置の検出を行うこと
ができる。
【0032】追継部70の支持体714は図7に示すよ
うに台車部20のフレーム202に取り付けたロッドレ
スシリンダ701の可動部701aに固着され、図6の矢印
iに示すようにケンス列に沿う水平方向に往復可能に設
けられる。図6では追継部70は退避位置にあり、追継
部70は図16に示すように第1ローラ機構702aと第2
ローラ機構702bとを開いた状態で前進され、口出しされ
たスライバを位置させた状態で第1ローラ機構702aと第
2ローラ機構702bとを閉じることによりその間にその間
に口出しされたスライバをニップすることができる(図
31,32参照)。
【0033】スライバ先端切断部78は継ぐべきスライ
バ(満ケンスからのスライバ)の先端を筆先状に形成す
ることにより高品質のスライバ継ぎ動作をいつも確保せ
しめるために機能する。図6,16に示すようにスライ
バ先端切断部78は退避位置にある追継部70の直ぐ上
方に位置される。スライバ先端切断部78はシリンダ機
構786によって矢印i方向へ前後移動される支持本体
780を備えている。シリンダ機構786はフレーム2
02に挟持体787を介して取り付けた案内ロッド付き
シリンダ788によって構成され、そのピストンロッド
788aと案内ロッド788bに取り付けた可動体788cに支持本
体780が取り付けられている。この支持本体780の
前面には図17に示すように矢印b方向へ移動可能な一
対の爪783a, 783bが取り付けられ、これらの爪783a, 78
3bの移動のための空気圧シリンダとリンク機構が内部に
設けられる。この移動機構は周知のものであり、簡明を
図るため図示は省略される。一対の爪783a, 783bには図
18に示すように断面L字状の挟持体781a, 781bが夫々
固定され、この挟持体781a, 781bに一対の断面コの字状
の狭窄部材782a, 782bが固定される。狭窄部材782a, 78
2bはその断面コの字状の開口部が互いに向き合うように
配置される。挟持体781a, 781bは爪783a, 783bに固定さ
れ、この爪783a, 783bは支持本体780に対して相互に
対向する方向(図17の矢印b)に移動することができ
るように取り付けられている。挟持体781a, 781bは対向
面781a-1, 781b-1を形成し(図18)、この対向面781a
-1, 781b-1はスライバのニップ点となり、スライバの切
断時に図19に示すように対向面781a-1,781b-1 が接近
することによりスライバの把持が行われる。一方、狭窄
部材782a, 782bはその上部において前端が拡開して案内
部782a-3,782b-3 を形成し、その下部において間隔が狭
まって対向面782a-1, 782b-1を形成すると共に、それら
の対向面782a-1, 782b-1間へのスライバの導入を容易に
するため先端が拡開している案内部782a-2, 782b-2を形
成している。この下側の対向面782a-1, 782b-1はスライ
バニップ点を構成する上側の対向面781a-1,781b-1 の接
触時にも幾分の間隔δが残される。上下の対向面781a-
1,781b-1 及び782a-1,782b-1 は追継部70の第1及び
第2ローラ機構702a及び702bによるスライバの把持面
(図16では第2ローラ機構702bが第1ローラ機構702a
から拡開した位置にあり、第2ローラ機構702bが第1ロ
ーラ機構702aに対して閉じて満ケンスからのスライバを
把持した状態ではスライバ把持面は紙面に直交してい
る)と直交する方向に延びる。このスライバを上側の対
向面781a-1,781b-1 間にニップした状態で追継部70の
エプロン708a, 708bの回転方向を逆転させることで、ス
ライバはニップ点である上側の対向面781a-1,781b-1 と
エプロン708a, 708bの上端のニップ点との中間の箇所7
89(図19)で切断される。また、下側対向面782a-
1,782b-1 が僅かの間隔δを残しており、かつこの対向
面782a-1,782b-1 は、追継部70の第1及び第2ローラ
機構702a,702b のスライバ把持面と直交する方向に延び
ていることから、スライバの切断部を筆先状に形成する
ことができる。即ち、スライバは第1ローラ機構702aと
第2ローラ機構702bとの間で把持されることで把持面に
沿って拡開されるが、下側の対向面782a-1,782b-1 が第
1ローラ機構702aと第2ローラ機構702bとの間の把持面
に直交しているため、スライバの切断部先端はすぼめら
れ、スライバの切断部の形状は筆先状となる。
【0034】図16でシリンダ機構786のピストンロ
ッド788aは通常は収縮しているが、スライバ継ぎ時には
スライバに向かって前進され(図16の矢印iの右方
向)、スライバは狭窄部材782a, 782bの案内部782a-3,7
82b-3 (図17)に案内され、狭窄部材782a, 782b間に
スライバが位置され、ニップ及び筆先状の切断動作が行
われる。
【0035】図6において、シュート79は満ケンスか
らの継ぐべきスライバの先端を筆先状に切断したとき、
この切断部分から口出しノズル614までのスライバの
残余の部分を回収し、消費されたケンス内に落下するよ
うに導くものである。即ち、シュート79はスライバの
残余の部分S″(図19)をケンス交換機8の交換すべ
き空ケンスに導くべく下向きに傾斜している。図20に
おいて、仮想線614´は前述のように第1ローラ機構
702aと第2ローラ機構702bとの間にニップするため、満
ケンスからの継ぐべきスライバの先端を持ち上げたとき
の口出しノズル614の位置を示すが、このとき口出し
ノズル614がシュート79の上端における少し上方に
位置されるようになっている。
【0036】スライバ継部80は消費されたケンスから
のスライバを把持し、この把持されたスライバに追継部
70により追継される満ケンスからのスライバを重合さ
せ、かつ2倍のドラフトを掛けることでスライバ継ぎ動
作を実行する。スライバ継部80は図6に示すように不
動の第1ローラ組立体801と第1ローラ組立体801
に対して水平方向に可動な第2ローラ組立体802とか
ら構成される。図21において第1ローラ組立体801
は本体803を有し、本体803に対して第1ローラ8
04、第2ローラ806、第3ローラ808が相互に平
行に離間して直線上に整列して配置される(図25参
照)。第1ローラ804と第2ローラ806と比較して
第3ローラ808は径が大きくなっており、かつ第1ロ
ーラ804と第2ローラ806との間の間隔に比較し
て、第2ローラ806と第3ローラ808との間の間隔
は大きくなっている。これは後述の収束ノズル870を
第2ローラ806と第3ローラ808との間に配置する
ためである。第1ローラ804と第2ローラ806との
中心間の距離はスライバの繊維長より僅かに大きくして
両者間でスライバをドラフトすることができるようにし
てある。図25に示すように第1ローラ804、第2ロ
ーラ806、第3ローラ808の端部に歯車810,812, 8
14 が固定され、第1ローラ804の端部の歯車810
は歯車816(図21)を介して第1モータ818の回
転軸(図示しない)上の歯車820に噛合される。ま
た、第2ローラ806の端部の歯車812と第3ローラ
808の端部の歯車814とは共通の歯車822を介し
て第2モータ826の回転軸(図示しない)上の歯車8
28に噛合される。歯車812と814とのギヤ比は第
2ローラ806と第3ローラ808の周速が一致するよ
うに選定される。第1モータ818と第2モータ826
とはスライバ継ぎ時において追継開始までは第1ローラ
804の回転と第2ローラ806及び第3ローラ808
の回転とを実質的なドラフトが起こらないように制御
(ドラフト比=1に制御)し、追継時には第2ローラ8
06及び第3ローラ808に対する第1ローラ804の
回転を1/2に落とし、追継に係わらずスライバの不均
整が起こらないように制御(ドラフト比=2に制御)す
るべく設けられたものである。尚、第1ローラ804の
回転が1/2に減速されたとき、これに同期して追継部
70のモータ730の回転も1/2に減速される。上記
追継の際のスライバのドラフトは第2ローラ806と第
3ローラ808の回転に対して増速して行ってもよく、
この場合増速によるスライバのたるみ分をフレーム20
2上方で揺動レバー等によって一時的に吸収し、スライ
バ継ぎ完了後に満ケンスに戻すようにしたり、その後の
紡出運転中にたるみ分を吸収するようにしてもよい。
【0037】図21において、第1ローラ組立体801
の本体803に複数本(図面では2本)のガイドロッド
830が水平に延びており、第2ローラ組立体802の
水平運動を案内することができる。また、第1ローラ組
立体801の本体803にスライバ分離ガイド832が
適宜の手段によって固定される。スライバ分離ガイド8
32は後述の通りスライバ継ぎ後、後述の収束ノズルか
らスライバを確実に分離するため設けられたものであ
る。即ち、スライバはガイド832に対しては図24の
Sの相対位置をとり、この相対位置関係は第1ローラ組
立体801に第2ローラ組立体802を合体させ(図2
2、図23)、スライバの把持を行う位置でも変化しな
い。スライバ継ぎ後第2ローラ組立体802を第1ロー
ラ組立体801から図21、図24のように離脱させる
ときガイド832はスライバと係合し、第2ローラ組立
体802と一体で移動する収束ノズル(870)からス
ライバを確実に離脱させることができる。スライバ分離
ガイド832はその先端832−1が拡開しており、第
1ローラ組立体801と第2ローラ組立体802との間
へのスライバSのスムーズな導入が可能となっている。
【0038】図21において第2ローラ組立体802は
本体836を有し、本体836は第1ローラ組立体80
1の本体803から延びるガイドロッド830を摺動自
在に受け取るガイド孔837を有しており、第2ローラ
組立体802は第1ローラ組立体801に対して水平方
向に接近したり遠ざかったり移動することができる。第
2ローラ組立体802の本体836に第1ローラ84
4、第2ローラ846、第3ローラ848が相互に平行
に離間して回転自在に設けられる。第1ローラ844、
第2ローラ846、第3ローラ848は第1ローラ組立
体801の第1ローラ804、第2ローラ806、第3
ローラ808に夫々対向して設けられ、第1ローラ80
4と844、第2ローラ806と846、第3ローラ8
08と848とがローラ対を構成し、スライバ継ぎ時の
スライバへのドラフト制御を行う。第1ローラ844、
第2ローラ846、第3ローラ848は公知の弾性付与
型の位置調節機構860,862,864に連結されて
おり、相手方の第1ローラ804、第2ローラ806、
第3ローラ808に対するニップ圧力の調節が可能とな
っている。この位置調節機構860,862,864自
体の機構は周知であるので説明を省略する。第2ローラ
組立体802の本体836に収束ノズル870が設けら
れる。図24に示すように、収束ノズル870は支持片
871の一端のU字状部871-1 に嵌挿保持され、支持片
の他端は本体836の適当な箇所に固定される。図21
に示すように収束ノズル870は下端開口870-1 から上
端開口870-2 に向け絞られた円錐状をなしており、かつ
図24に示すように第1組立体801に対向した面にお
いて下端から上端にわたって第1組立体801に向けて
拡開された開口部872が形成される。従って、スライ
バ継ぎ時において図24の紙面に直交する方向の走行す
るスライバSを側面より収束ノズル870内に導入し、
スライバ継ぎ完了時においてスライバを収束ノズル87
0から離脱させることができる。図21において本体8
36は第1ローラ組立体801側が開放している空間8
79を形成しており、この空間879は第1ローラ組立
体801と第2ローラ組立体802との合体時に分離ガ
イド832を収納する(図23参照)。収束ノズル87
0の出口側の開口と、第3ローラの808, 848のニップ点
間の距離はスライバの繊維長より短くして両者間でのス
ライバの切断を防ぐようになっている。
【0039】図21において本体836に関して収束ノ
ズル870側とは反対側にロッド付シリンダ880が設
けられ、そのシリンダ本体側はケンス交換機8のフレー
ム202に適宜の手段で固定され、ロッド882は本体
836に連結されている。シリンダ880に圧縮空気を
導入することにより第2ローラ組立体802は図21の
分離位置と図22の合体位置との間を平行に移動され
る。即ち、スライバ継部80の作動を説明すると、消費
されたケンスを交換するときはケンス交換機8内にスラ
イバ交換部40によってスライバを引き込むとき、図2
1に示すように第2ローラ組立体802は第1ローラ組
立体801から離間して位置される。シリンダ880に
圧縮空気を供給すると第2ローラ組立体802は第1ロ
ーラ組立体801に向かって移動され図22の位置に来
る。このとき対となる第1ローラ804と844、第2
ローラ806と846、第3ローラ808と848との
間にスライバが保持され、かつスライバは収束ノズル8
70内に導入される。最初の段階では第1モータ818
により駆動される第1ローラ804の表面速度と、第2
モータ826により駆動される第2ローラ806及び第
3ローラ808の表面速度は均衡するように第1モータ
818と第2モータ826との回転速度が設定される。
【0040】スライバ継部80は、更に、消費されたケ
ンスからの継がれるべきスライバと満ケンスからの継ぐ
べきスライバとが重合された後にスライバに手揉み様の
運動を付与するためのスライバ揉み合わせ手段を具備し
ている。この手段は、基本的には、第1ローラ組立体8
01に具備された一方の回転体として例示する可撓性無
端挟持ベルト884と、第2ローラ組立体802に具備
されたに他方の回転体として例示する挟持ローラ886
とから構成される。挟持ベルト884は、一端は第3ロ
ーラ808に巻き掛けられ、他端は本体803に固定さ
れるステー888に取り付けられるローラ890に巻き
掛けられる。挟持ローラ886はその両端の小径部886a
が図25に示すように一対のブラケット891を挿通さ
れており、挟持ローラ886は自らの軸線の囲りを回転
可能であると共に、同軸線と平行な方向(矢印l)に往
復可能となっており、挟持ベルト884と挟持ローラ8
86との間に挟持されるスライバに手揉み様の運動を付
与することができる。この運動を実現するために、挟持
ローラ886の一端に固定される歯車892は、第1組
立体801の第3ローラ808の端部に固定されるスプ
ライン893に係合可能に設けられ、一方挟持ローラ8
86の他端の小径部886aは本体836に固着されて
いる支持腕898に軸支されいているクランク円板89
4にコネクティングロッド895と連結スリーブ897
によって連結される。即ち、第1組立体801と第2組
立体802とが離間した状態(図21)では、歯車89
2はスプライン893から離間しているが、第1組立体
801と第2組立体802とが合体した状態(図22)
では、歯車892はスプライン893と係合するに至
り、モータ826からの回転運動が挟持ローラ886に
伝達され、かつローラ886はその軸線方向に往復移動
が可能である。一方、クランク円板894は支持腕89
8に取り付けされいている回転駆動モータ896(図2
6)の駆動軸に連結され、回転運動(図25の矢印k)
がクランク円板894に付与される。このクランク円板
894の回転運動はコネクティングロッド895、連結
スリーブ897を介して挟持ローラ886に往復運動
(矢印l)として加えられ、スプライン嵌合はこの往復
運動を許容しつつ回転運動を挟持ローラ886に伝達
し、挟持ベルト884と挟持ローラ886との間でスラ
イバに手揉み様運動が付与されることになる。この際に
挟持ローラ886を押しつけることによって可撓性の挟
持ベルト884は変形し、挟持ベルト884と挟持ロー
ラ886はスライバの供給方向に幾分の幅をもった挟持
面を有することになり、その挟持面にてスライバを挟持
する。そのため、スライバに対して強力な揉み合わせ運
動を付与することができ、継がれたスライバの継ぎ部分
の良好な交絡状態を得ることができる。
【0041】図6においてスライバ切断部90はスライ
バ継ぎ後に消費されたケンスからのスライバを切断する
ためのものである。図27において、スライバ切断部9
0は櫛状の切断部材902と、切断部材902をケンス
列と直交する方向(矢印m)に往復駆動するシリンダ9
04とを具備する。シリンダ904のピストン棒906
の先端の支持部材908から支持棒910が延びてお
り、支持棒の先端の傾斜部分に切断部材902が固定さ
れている。追継部70の第2ローラ組立体702bは図27
では切断部材902と平行になるように幾分開いて位置
している。スライバ継ぎの際に後述の通り消費されたス
ライバS1 は第2ローラ組立体702bの背面(追継部70
の前進側)に位置しており、この状態で矢印mの方向に
切断部材902を移動させることにより、スライバS1
は第2ローラ組立体702bと切断部材902との間に挟ま
れ、スライバは部分的にすぬけるように切断される。こ
れによりスライバの切断された部分は太さ方向の幅を維
持した状態で細長くなり、このスライバの切断端が満ケ
ンスのスライバを囲むように付着し、重合した状態での
太さの変化が急にならないのでスライバ継ぎ部をより均
整とすることができる。
【0042】次に消費されたケンスからのスライバに満
ケンスからのスライバを継ぐ動作を説明する。(このと
きの追継部70とスライバ継部80とスライバ切断部9
0との位置関係は図22に図示されている)。図28は
追継動作及びスライバ継ぎ動作を模式的に説明するため
のものである。簡明のため追継部の第1及び第2ローラ
機構702a, 702bは一対のローラとして図示している。ま
た消費されたケンスからのスライバS1 はスライバ継部
80のローラ804, 806, 808 とローラ844, 846, 848 と
の間に挟まれて供給されている。(イ) は追継の開始時点
で、ローラ機構702a, 702bはその間に継ぐべきスライバ
2 を把持した状態で矢印iのようにローラ対804, 806
と正対する位置に既に移動されており、次にモータ73
0(図12)の駆動が開始され、満ケンスからのスライ
バS2 は第1ローラ804と844の対に向かって送り
出される。このときのローラ機構702a, 702bの表面速度
はドラフト部へのスライバの引き込み速度より幾分低く
なっており、スライバS2の先端の筆先の部分を引き込
み側のローラ804,844 を通過時にローラ機構702a,702b
とローラ804,844 との間にドラフトをかけることによ
り、スライバS2 の先端の太さ変化を緩慢にしてスライ
バS1 に集合される。即ち、図36の(イ) は追継部のロ
ーラ機構702a, 702bからのスライバS2 の先端がスライ
バ継部の引き込み側ローラ804, 844に達した時点を示し
ている。ローラ機構702a, 702bの表面速度はローラ804,
844の表面速度より遅くなっており、スライバS2 の先
端S2 ´にはローラ機構702a, 702bとローラ804,844 と
の間でドラフトがかかる。図36(ロ) はスライバS2
先端S2 ´がローラ804,844 を通過した直後の状態を示
しており、ドラフトがかかっていることによりスライバ
2 の先端S2 ´の太さ変化は緩慢になっている。図3
6(ロ) の想像線xはドラフトをかけなかった場合の先端
の太さ変化を示す。スライバS2 の先端S2 ´の太さ変
化を緩慢とするこにより継がれたスライバの太さの均整
化を図ることができる。追継部のローラ機構702a, 702b
とスライバ継部の引き込み側ローラ804, 844との間の前
記ドラフトはスライバS2 の先端S2 ´が通過するごく
短い時間のみ行われ、先端S2 ´の通過後はローラ機構
702a, 702bの表面速度と、ローラ804, 844の表面速度と
は均等化され、ドラフトは行われない。
【0043】再び図28において、消費されたケンスか
らのスライバS1 と満ケンスからのスライバS2 とはド
ラフト部内に重合して進められる(本来のスライバに対
して2倍の太さとなっている)。追継されたスライバS
2 が第1ローラ804,844と第2ローラ806,8
46との適当な位置(例えば中間位置)に到達する時点
をタイマ等によって設定して第1モータ818と追継部
70のモータ730との回転速度を減速し、第1ローラ
804とローラ702a, 702bの表面速度を第2ローラ80
6及び第3ローラ808の表面速度の半分となるように
する。そのためスライバS1 ,S2 に2倍のドラフトが
かかり、第2ローラ対806,846の出口では本来の
太さに修正される。(ロ) は重合後のスライバの状態を示
すが、重合されたスライバS1 ,S2 は第2ローラ80
6,846と第3ローラ808,848間の収束ノズル
870を通過する際にその上端開口870-2 が絞られてい
るため、この絞り部分でスライバS1 ,S2 どうしが圧
縮されて繊維どうしが交絡するように付勢され、完全に
1本のスライバSとして第3ローラ対808と848と
の間から送り出される。スライバは収束ノズル870の
先端のところで抵抗を受けても収束ノズル870の残り
の部分と第3ローラ対808と848との間の距離Dは
スライバの平均繊維長DS より相当に短くなっているた
め、このような抵抗に係わらずスライバ中の繊維は相互
にすり抜けることなく、第3ローラ対808及び848
に引き取られる。第3ローラ808及び848からの重
合されたスライバは挟持ベルト884と挟持ローラ88
6との間を通過し、この際挟持ローラ886が挟持ベル
ト884上を回転しながらベルト884の幅方向(紙面
に直交する方向)に往復することによりスライバに手揉
み様の運動が付与され、良好な重合状態を得ることがで
きる。そして、挟持ベルト884の可撓性により挟持ロ
ーラ886は挟持ベルト884に対して幾分食い込み、
供給方向で幾分の幅をもってスライバの挟持が行われ
る。そのため、スライバの揉み合わせが良好に行われ、
良好な継ぎ状態を得ることができる。
【0044】スライバ継ぎされて後の適宜のタイミング
を見計らって、第2ローラ機構702bは破線の位置矢印h
のように開かれ、スライバ切断部材902はその櫛状部
912がローラの背面と接触され、両者間に消費された
ケンスからのスライバS1 を挟み付ける。従って、スラ
イバS1 は第1ローラ804, 844によって供給されるのに
伴って櫛状部912と第2ローラ機構702bとによって部
分的にすぬけるように切断される。元のスライバS1
切断された端部が第1ローラ804,844と第2ロー
ラ806,846との間の適当な位置(例えば中間)ま
で来ると、第1モータ818の回転速度は元の速度まで
増速され、第1ローラ804の表面速度と第2ローラ8
06及び第3ローラ808の表面速度とは均衡化される
(ドラフト比=1)。そのため殆どむらの発生をみるこ
となく即座にスライバS2 の太さは本来の1本分の太さ
に安定化される。2倍のドラフトをかける期間は追継さ
れたスライバが第1ローラ804,844と第2ローラ
806,846との適当な位置に到達した後、切断され
たスライバが第1ローラ804,844と第2ローラ8
06,846との適当な位置に到達するまでと説明した
が、この期間は接合されたスライバのむらが最小となる
ように適宜調整される因子である。
【0045】図29〜35は図1〜29で説明した実施
例におけるケンス交換機8によるケンス交換作動の各段
階(1) 〜(6) を模式的な斜視図によって表す。(1) の段
階ではケンス交換機8はケンス列Aの先頭のケンスから
交換を開始するためケンス交換機8内に満ケンス列の先
頭のケンス5X−1を取り込んだところを示す(図2の
(b) に相当)。図29にはスライバ案内部30のガイド
ローラ312、追継部70の第1ローラ機構702a及び第
2ローラ機構702b、スライバ切断部90のスライバ切断
部材902、スライバ継部80の第1ローラ組立体80
1と第2ローラ組立体802が図示されている。第1ロ
ーラ機構702a及び第2ローラ機構702bとは開いて位置し
ており、また第1ローラ組立体801と第2ローラ組立
体802も開いて位置している。
【0046】(1) の状態から図10のケンス交換部40
の保持枠402がモータ440の回転によって交換すべ
き列(たとえば列A)の先頭のケンス5A−1の側面の
位置まで前進され(図11)、吸盤408によってケン
スを側面において吸着保持し、ついでモータ440を逆
転させることによってケンス5A−1は図29の矢印n
のように満ケンス5X−1の手前においてケンス交換機
8内に取り込まれ、図30の(2) の状態をとるにいた
る。ケンスの取り込みと同時にガイドローラ312の作
動も行われる。即ち、スライバ案内部30の2段ロッド
レスシリンダ302,304に圧縮空気が供給され、ガイドロ
ーラ312は矢印f1 の方向に前進され、図30に示す
ように交換すべき消費されたケンス列Aの先頭のケンス
5A−1からのスライバS1 のやや前方にこのスライバ
1 と干渉することなく前進位置される。図8のモータ
324を駆動することによってガイドローラ312は矢
印f 2 の方向に少し移動され、ロッドレスシリンダ302,
304を収縮させることでガイドローラ312は矢印f3
のように後退され、この後退の途中でケンス5A−1か
らのスライバS1 を引っかける。その結果、図30に示
すように交換すべきケンス5A−1がケンス交換機8内
に取り込まれる際、ケンス5A−1からのスライバS1
はガイドローラ312によって案内を受けて相互に離間
した第1ローラ組立体801(ローラ804, 806, 808 、
スライバ分離ガイド832、挟持ベルト884から成
る) と第2ローラ組立体802(ローラ844, 846, 848
、収束ノズル870 及び挟持ローラ886から成る) と
の間に位置される。スライバ分離ガイド832はローラ
804, 806, 808 より第2ローラ組立体802側に位置し
ているためローラ804, 806, 808 とスライバ分離ガイド
832との間にスライバS1 が位置される。
【0047】(2) の状態から第2ローラ組立体802
(ローラ844, 846, 848 収束ノズル870 及び挟持ローラ
886から成る) を図21のシリンダ880に圧縮空気
を供給することにより前進させると図31の(3) の状態
として示すように対となる第1ローラ804と844、
第2ローラ806と846、第3ローラ808と84
8、挟持ベルト884と挟持ローラ886とは相互に接
触し、消費されたケンス5A−1からのスライバS1
把持される。このとき第1ローラ804と844、第2
ローラ806と846、第3ローラ808と848の表
面速度は等しくスライバS1 にドラフトはかからない。
一方、満ケンス5X−1の上端周縁からはスライバS2
の端が垂れ下がっている(図29,30)。口出し部6
0の口出しノズル614に負圧源が接続され、口出しノ
ズル614から吸引が行われ、スライバ端は口出しノズ
ル614内に引き込まれる。口出しノズル614をスラ
イバ端に正対させるためコンベヤ6a,6bに対する満
ケンス供給コンベヤ4の接続部位には特開平2-251626号
公報等に示されている満ケンスの回転駆動手段(周知)
が具備され、スライバから一定のケンス角度位置でスラ
イバが垂れるようにした後、コンベヤ6a,6bへケン
スが送り出され、ケンス交換機8のところでは口出しノ
ズル614はスライバ端に対していつも正対することが
できる。
【0048】口出しノズル614とスライバ端が正対し
た状態で図20のシリンダ620に圧縮空気が供給さ
れ、口出しノズル614は矢印e1 のようにガイドバー
621の外側の位置まで移動され、次いで図6のシリン
ダ612に圧縮空気が供給され、ノズル614にスライ
バ端を吸い込んだ状態でアーム610は図6の想像線で
示す角度まで起こされる。このとき、追継部70の第1
ローラ機構702aに対して第2ローラ機構702bは開放した
位置(図12の想像線の位置)に維持される。そして、
図6のロッドレスシリンダ601に圧縮空気を供給する
と口出しノズル614は満ケンス5X−1からのスライ
バS2 の吸引を維持しながら上昇(図31の矢印f4
され、最後にシリンダ620を駆動することで、口出し
ノズルは図20の想像線の正規の位置に到達し、スライ
バS2 が第1ローラ機構702aの前方を通過することにな
る。そして、次に、ロッドレスシリンダ701を作動さ
せて追継部70の支持体714を僅かに前進させ、第1
ローラ機構702aと第2ローラ機構702b間にスライバS2
を位置させる。その後、図15のロータリソレノイド7
40を駆動することで第2ローラ機構702bを図31の矢
印f5 の方向に揺動して第1ローラ機構702aに接触せし
める(図12の実線)。すると、図32で示す(4) の状
態のように吸引ノズル614で吸引されたスライバS2
が第1ローラ機構702aと第2ローラ機構702bとの間にニ
ップされる。この際、ガイドプレート760(図12)
によってスライバS2 はスロット760-1 に導かれ、第1
ローラ機構702aと第2ローラ機構702bとの間のニップが
確実に行われる。この状態で図16のシリンダ786に
よって挟持体781a, 781bを開いた状態(図17)でスラ
イバS2 に向かって前進させ、その間にスライバS2
位置される。その後、爪783a, 783bを支持本体780内
の図示しないシリンダによって相互に向き合う方向(図
17の矢印b)に駆動することで、図19に示すように
スライバは挟持体781a, 781bの対向面781a-1,781b-1 間
で把持される。そして第1ローラ機構702aのエプロン70
8aを逆転することで、スライバS2 は対向面782a-1,782
b-1 間の把持点と、エプロン708a,708b 上端の把持点と
の間の位置789で素抜かれて切断される。この切断部
分はスライバS2 の太さによって幅広い状態となってい
る。そして、下側の対向面782a-1と782b-1との間に僅か
な隙間δのスリットが残され、この隙間は第1ローラ機
構702aと第2ローラ機構702bとの間のスライバ把持面と
直交する方向に延びており、この隙間δをスライバS2
の切断部分が通過されるので対向面782a-1と782b-1との
間の僅かな隙間δの部分でスライバS2 はすぼめられ、
スライバの切断端は筆先状を呈するようになる(図15
参照)。第1ローラ機構702aの逆転を継続し、先端がエ
プロン708a,708b の上端把持縁から僅かに突出した状態
は光ファイバガイド770内の光ファイバと光検知器7
71(図15)によって検出され、第1ローラ機構702a
は停止される。このようにスライバ先端位置を検出する
ことで、先端の飛びだし量を最小とすることができるた
め、繊維先端の曲がりを防止し、最適な継ぎ動作を行う
ことができる。スライバS2の先端を切断した後、挟持
体781a, 781bが離間されるとスライバS2 を開放し、そ
の後支持本体780が元の位置に戻される。口出しノズ
ル614の吸引を停止すると、口出しノズル614と挟
持体781a, 781bとの間のスライバの残りの部分S2
(図19)は落下され、シュート79(図6、図20)
より消費されたケンス5A−1内に矢印q(図6,2
0)のように収容され、そのケンス内の残りのスライバ
と一括処理される。その後、口出しノズル614は図6
に実線で示す元の位置に戻される。
【0049】次に、ロッドレスシリンダ701が再び作
動されて追継部70は第1ローラ機構702aと第2ローラ
機構702b間にスライバS2 を把持した状態で図33のf
6 の方向に移動され、(5) の状態をとるに至る。この状
態では、消費されたケンス5A−1からのスライバS1
を把持した第1ローラ804と844、第2ローラ80
6と846、第3ローラ808と848よりなるスライ
バ継部80の直下方に第1ローラ機構702aと第2ローラ
機構702bとの間に満ケンス5X−1からのスライバS2
の先端を把持した追継部70が位置する(この状態は図
22に相当する)。その後、第1ローラ機構702aにモー
タ730(図12)の回転駆動力を加えることで第1ロ
ーラ機構702aと第2ローラ機構702bは満ケンス5X−1
からのスライバS2 を前進させ、その先端は第1ローラ
804と844との間にスライバS1 と共に 把持さ
れ、つぎに第2ローラ806と846との間に把持され
る。満ケンスからのスライバS2 の前端が第1ローラ対
804, 844と第2ローラ対806,846の大体中間に来た時点
で図22の第1モータ818の回転数を減少させ、第1
ローラ804と844の表面速度が、第2ローラ806
と846、及び第3ローラ808と848の表面速度に
対して1/2となり2倍のドラフトがかかる。第2ロー
ラ対806, 846と第3ローラ対808, 848間の収束ノズル8
70において側面同志で交絡せしめるような付勢力がス
ライバS1 及びスライバS2 間に加えられ、両者は1本
のスライバに重合される。そして、挟持ベルト884と
挟持ローラ886との間で手揉み様の運動が付与され、
スライバの理想的な交絡状態を得ることができる。ま
た、追継部70のローラ702a, 702bとスライバ継部80
の引き込み側ローラ804,844 との間には基本的にはドラ
フトはかからないが、前述のようにスライバS2 の先端
の筆先部S2 ″がローラ804,844 を通過している間には
ローラ702a, 702bの表面速度をローラ804,844 の表面速
度より遅くし、これらの間にドラフトをかけ、これによ
り図36(ロ) に示すように先端繊維減少部S2´の太さ
変化を緩慢とし、これにより継がれたスライバの品質の
一層の向上を図ることができる。
【0050】このようにしてスライバ継ぎが完了した時
点でロータリソレノイド740(図14)を回転するこ
とにより図34の(6) で示すように第1ローラ機構702a
に対して第2ローラ機構702bは幾分開放され、図27の
シリンダ904に圧縮空気が供給され、スライバ切断部
材902は矢印f7 の方向に前進され、その櫛状部91
2(図27)が第2ローラ機構702bのエプロン708bにそ
の背面において接触し、消費されたケンス5A−1から
のスライバS1 はスライバ切断部材902と第2ローラ
機構702bとの間に把持され、スライバS1 は部分的にす
ぬくように切断される。スライバS1 の太さ領域の繊維
を部分的にすぬくような切断によってスライバの繊維減
少部が長くなり、スライバ継部分の太さ変化が緩慢とな
り、太さむらが小さくなり、スライバの品質を高めるこ
とができる。スライバS1 が切断されることによって消
費されたケンス5A−1から引き上げられたスライバS
1はケンス5A−1側方に落下される。そして、切断さ
れたスライバS1 の後端が第1ローラ対804, 844と第2
ローラ対806, 846の大体中間に来た時点で図22の第1
モータ818の回転数を元の回転数まで増速せしめるこ
とで、第1ローラ804と844の表面速度は、第2ロ
ーラ806と846、及び第3ローラ808と848の
表面速度と一致される。このようにして、1回のスライ
バ継ぎ動作が完了する。
【0051】図35に示す(7) の局面では図15のロー
タリソレノイド740の駆動によって第1ローラ機構70
2aに対して第2ローラ機構702bが完全に開かれている。
スライバS2 の把持を開放した後モータ730の回転が
停止される。図21のようにシリンダ880のロッド8
82を収縮させることで第1ローラ組立体801に対し
て第2ローラ組立体802が後退され、スライバS2
把持が解消され、その後モータ818, 826の回転が停止さ
れる。第2ローラ機構802の後退運動によって第2ロ
ーラ機構802のスライバ分離ガイド832がスライバ
を横移動させて収束ノズル870から離脱させる。一
方、ロッドレスシリンダ701(図7)が作動されて追
継部70が図7に示す待機位置に戻される。また、消費
されたケンス5A−1が載置されているローラ61より
ケンス移送方向側のローラ61が回転されてケンス5A
−1をケンス交換機8外へ移送すると共に、ケンス5X-
1,5A-1 が載置されているローラ61が回転されてケン
ス5X−1をケンス5A−1が位置された位置まで移送
する。その後、ケンス交換部40のモータ440が作動
されて保持枠402を前進させ、吸盤408がケンス5
X−1を吸着して押圧移動させ、そのケンス5X−1を
ケンス5A−1が最初に位置されていたケンス列Aの端
に位置させる。その後、吸盤408の吸引力を無くした
状態で保持枠402を元の位置に後退移動させる。
【0052】図37,38は口出しノズルにより口出し
された継ぐべきスライバS2 の先端をスライバ先端切断
部78によって切除した残余の部分S″(図19)の別
実施例による処理方式を示している。ケンスの片側にお
いてケンス交換機のフレーム202の壁面に固設される
垂直ガイド932に支持体921が昇降自在に設けら
れ、支持体921に水平シリンダ922が設けられ、こ
の水平シリンダ922にフレーム202の壁面に固設さ
れる垂直シリンダ920のピストンロッド920aが連結さ
れている。水平シリンダ922のピストンロッド922aの
先端に支持体923が設けられ、支持体923に口出し
ノズル614が設けられる。口出しノズル614はホー
ス616に接続される。ケンスの上方の位置には切替弁
924が配置される。切替弁924は筒状本体924aと、
スプール弁924bと、共通ポート924cと、第1切替ポート
924dと、第2切替ポート924eと、スプリング924fとを備
える。第1切替ポート924dは口出しノズル614へのホ
ース616に接続される。スプール弁924bはスプリング
924fによって図の左方向に付勢され、その結果、スプー
ル弁924bは共通ポート924cを第1切替ポート924dに連通
する第1位置をとる。スプール弁924bがスプリング924f
に抗して図の右方向に移動されると、スプール弁924bは
共通ポート924cを第2切替ポート924eに連通する第2位
置をとる。共通ポート924cはホース926を介して回収
ボックス927に接続され、回収ボックス927はホー
ス928を介して図示しない吸引ブロアに接続される。
回収ボックス927は底部が開口し、スライド蓋(開閉
手段)929によって開閉される。スライド蓋929は
フレーム202の固設された垂直ガイド932によって
円滑に案内される移動体931に取り付けされている。
【0053】図6,20において説明した第1実施例に
おける口出し方式と同様に、口出し開始時にシリンダ9
20は収縮した位置にあり、水平シリンダ923のピス
トン922aを伸長させ、ケンスから垂れているスライバS
2 の端に口出しノズル614を正対せしめる。このと
き、切替弁924は共通ポート924cが第1切替ポート92
4dに連通する第1位置をとり、口出しノズル614が回
収ボックス927を介して吸引ブロアに接続されるた
め、ケンスから垂れているスライバS2 の端は口出しノ
ズル614によって吸引される。
【0054】次に水平シリンダ922のピストンロッド
922aがガイドバー621と干渉しない位置まで収縮さ
れ、垂直シリンダ920のピストンロッド920aが伸長さ
れ、口出しノズル614は切替弁924の第2切替ポー
ト924eと同一高さ位置まで上昇され、口出しノズル61
4は図31で説明したように追継部70の水平移動軌道
のやや上方に位置される。そして、図16で説明したと
同様に追継部70及びノズル先端切断部78が水平移動
し、追継部70のローラ機構702a,702b 間にスライバS
2 が挟持され、かつノズル切断部78の挟持体781a, 78
1bの対向面781a-1, 781b-1間にスライバS2 がニップさ
れる(図19)。そして、追継部70のローラ機構702a
を逆転させることで、ローラ機構702a,702b による把持
部と対向面781a-1, 781b-1によるニップ点との間でスラ
イバS2 は切断され、筆先状に形成され、この筆先状に
形成されたスライバS2 がスライバ継部80に供給さ
れ、図1〜図35に関連して説明したスライバ継ぎ作動
が行われる。
【0055】切断された残余のスライバの部分S″(図
19)は口出しノズル614に吸引保持される。この状
態で水平シリンダ922のピストンロッド922aを前進さ
せると、スプール弁924aから突出する作動棒935と係
合され、スプール弁924bはスプリング924fに抗して図の
右方向に移動され、共通ポート924cが第2切替ポート92
4eに連通する第2位置となる。その結果、口出しノズル
614に吸引保持されていた残余のスライバ部分は第2
切替ポート924e、共通ポート924c、ホース926を介し
て回収ボックス927に回収される。回収ボックス92
7の上面に配置されるパンチングプレート937は回収
スライバ屑を回収ボックス927に保持する。回収スラ
イバ屑の処理のため空近くなったケンス5が回収ボック
ス927の下に位置されるときにシリンダ930が駆動
され、スライド蓋929は回収ボックス927の底部の
孔を開放し、回収ボックス927内のスライバ屑は空近
くなったケンス5に回収され、ケンス内のスライバ屑と
一括処理され、このスライバ屑のケンス5への排出はそ
の都度行ってもよいし、複数回或いはケンス列毎に行っ
てもよい。
【0056】尚、上記実施例においては、スライバ継ぎ
動作と平行してケンス交換動作を行っているが、スライ
バ継ぎ動作のみを自動機によって行い、ケンス交換を後
で行うものにも同様に実施できる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、複数のローラ対よりな
る把持手段によって第1スライバを把持しつつ、正逆回
転可能な一対の回転ローラよりなるスライバ供給手段に
よって第2スライバを供給するに先立ち、口出し手段に
よって口出しされた第2スライバを把持手段とスライバ
供給手段との間で挟持手段によって挟持しつつ供給手段
の回転ローラを逆転することで、第2スライバを牽引切
断しているため、スライバの切断部の形状を繊維数が徐
々に変化するようにすることができ、第1スライバと重
合させたときの重合されたスライバの部分の継ぎ状態を
良好とすることができる。スライバ把持手段におけるス
ライバ重合部分のドラフト精度を良くでき、スライバの
品質を高めることができる。また、第2スライバ先端部
の曲がりを防止することができ、第1のスライバを把持
するスライバ把持手段への第2スライバの供給状態が良
好となり、供給ミスを防止し、確実なスライバ継ぎを行
うことができる。
【0058】更に、本発明によれば、空近くになったケ
ンスから紡機への第1スライバに満ケンスからの第2ス
ライバの端部を重合させてスライバ継ぎする際に、第2
スライバの先端の一部を切断して第1スライバに重合さ
せているため、重合部の繊維の状態を良好に揃えること
ができ、スライバ継ぎ部の品質を改善することができる
とともに、切断したスライバの残余の屑部分を空近くに
なったケンスに搬出して、残スライバと同時に処理すよ
うにしたのでその処理の合理化を図ることができる。
【0059】また、本発明によれば、第1スライバに第
2スライバを供給して重合させるときに第2スライバの
先端をドラフトしながら供給させることによって、スラ
イバ先端の太さ変化を緩やかとすることができ、第1ス
ライバに第2スライバ端部を重合した部位での重合スラ
イバの太さ変化が小さくでき、後工程でのスライバ切れ
の防止を図ることができる。また、スライバ把持手段で
のスライバ重合部分のドラフト精度を高くでき、スライ
バ継ぎ部分の品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は練条機から粗紡機へのケンス搬送システ
ムの概略的平面図である。
【図2】図2は実施例のケンス交換方法を順をおって説
明する概略図である。
【図3】図3は実施例においてケンス交換機のケンス列
に対する配置をケンス列を横断する方向より見て示す図
である。
【図4】図4は満ケンス交換コンベヤの概略的構成図で
ある。
【図5】図5は図3におけるケンス交換機及びそれより
機台側のケンスを拡大して示す
【図6】図6はケンス交換機の側面図で図5のVI方向よ
りみた矢視図である。
【図7】図7はケンス交換機のフレームの一部を省略し
て示す平面図である。
【図8】図8はケンス交換機のスライバ案内部を示す平
面図である。
【図9】図9は図8におけるスライバ案内部のみをその
完全伸長状態において示す図である。
【図10】図10はケンス交換部の収縮状態における断
面図である。
【図11】図11は図10と同様であるがケンス交換部
が伸長状態にある。
【図12】図12は追継部の断面図である。
【図13】図13は図12のVIII方向よりみた矢視図で
ある。
【図14】図14は図12のXIV 方向よりみた矢視図で
ある。
【図15】図15は図12のXV-XV 線に沿って表す矢視
断面図である。
【図16】図16は追継部及びスライバ先端切断部の側
面図である。
【図17】図17は図16のXVII方向より見たスライバ
切断部の矢視図である。
【図18】図18は図17のXVIII-XVIII 線より見た矢
視断面図であり、ニップを開いた状態を示している。
【図19】図19は図18と同様であるがニップを閉じ
た状態を示す。
【図20】図20はスライバ切断端の回収シュートの配
置を示し、図6の大略XX線より見た矢視図である。
【図21】図21はスライバ継ぎ部の側面図(分離状
態)である。
【図22】図22は図21と同様であるが、合体状態を
示す。
【図23】図23はスライバ継部の断面図(合体状態)
である。
【図24】図24はスライバ継部の断面図(分離状態)
である。
【図25】図25は図21のXXV-XXV 線に沿って表す矢
視断面図である。
【図26】図26は図22のスライバ継ぎ機構の一部を
断面にして示す平面図である。
【図27】図27はスライバ切断部の平面図である。
【図28】図28はスライバ継ぎ動作の概略図である。
【図29】図29はスライバ交換作動の段階(1) を示す
概略的斜視図である。
【図30】図30はスライバ交換作動の段階(2) を示
す。
【図31】図31はスライバ交換作動の段階(3) を示
す。
【図32】図32はスライバ交換作動の段階(4) を示
す。
【図33】図33はスライバ交換作動の段階(5) を示
す。
【図34】図34はスライバ交換作動の段階(6) を示
す。
【図35】図35はスライバ交換作動の段階(7) を示
す。
【図36】図36は満ケンスからの継ぐべきスライバの
先端部の太さ制御動作を概略的に示す図である。
【図37】図37は第2実施例におけるスライバ屑の回
収方式を説明する概略側面図である。
【図38】図38は図37のXXXVIII 方向よりみた図で
ある。
【符号の説明】
2…粗紡機 4…満ケンスコンベヤ 6a,7a…ケンスコンベヤ 8…ケンス交換機 A,B,C,D…ケンス列 Xa,Xb…満ケンス列 20…台車部 30…スライバ案内部 40…ケンス交換部 60…口出し部 70…追継部(スライバ供給手段) 78…スライバ先端切断部 79…シュート 80…スライバ継部 90…スライバ切断部(スライバ切断手段) 702a…第1ローラ機構(回転ローラ) 702b…第2ローラ機構(回転ローラ) 771 …光検知器(検出手段) 781a,781b …挟持体(挟持手段) 801 …第1ローラ組立体(スライバ把持手段) 802 …第2ローラ組立体(スライバ把持手段) 870 …収束ノズル 884 …挟持ベルト 886 …挟持ローラ 924 …切替弁 927 …回収ボックス

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 継がれるべき第1スライバを挟持可能な
    ローラ対から成るスライバ把持手段と、継ぐべき第2ス
    ライバをその端部から前記スライバ把持手段に供給する
    ための正逆転可能な一対の回転ローラを具備するスライ
    バ供給手段と、継ぐべきスライバをその端部をその口だ
    しノズルで吸引しながらスライバ供給手段に導入する口
    出し手段と、前記口出しノズルによるスライバの吸着位
    置とスライバ供給手段との間で第2スライバを挟持可能
    な挟持手段とを具備し、口出しされた第2スライバの切
    断は第2スライバを挟持手段によって挟持しつつスライ
    バ供給手段の回転ローラ対を逆転させることによって行
    うことを特徴とする紡機のスライバ継ぎ装置。
  2. 【請求項2】 前記スライバ供給手段の回転ローラ対に
    よって把持された第2スライバ端部の回転ローラ対から
    の突出長を検出する検出手段と、該検出手段により検出
    される前記突出長さが所定値となるように回転ローラ対
    の逆回転を制御する制御手段を更に具備する請求項1に
    記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記供給手段の一対の回転ローラによる
    第2スライバの把持面は第2スライバの挟持手段による
    第2スライバの挟持面に対して略90度をなすことを特
    徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記挟持手段とスライバ供給手段との間
    に、供給手段の一対の回転ローラ対による第2スライバ
    の把持面に対して略90度の方向に延びる所定幅のスリ
    ットを形成した案内手段を設けたことを特徴とする請求
    項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】 空に近くなったケンスから紡機へ供給さ
    れている第1スライバに予め準備した満ケンスから引き
    出された第2スライバの端部を重合させてスライバ継ぎ
    する方法において、満ケンスから第2スライバを口出し
    した後、その口出しされた第2スライバの先端側の一部
    を切除し、切除された第2スライバの切断屑を空ケンス
    に導き空ケンス内の残りの第1スライバと一緒に処理す
    ることを特徴とする紡機のスライバ継ぎ方法。
  6. 【請求項6】 空近くなったケンスから紡機へ供給され
    ている第1スライバを把持するための複数のローラ対を
    構成する離間可能な一対のローラ機構よりなるスライバ
    把持手段と、満ケンス内の第2スライバの端部を吸着し
    て口出し可能な口出し手段と、口出し手段による吸着位
    置よりケンス側の位置で第2スライバを挟持可能でかつ
    挟持した第2スライバをスライバ把持手段に供給可能な
    スライバ供給手段と、口出し手段とスライバ供給手段と
    の間で第2スライバの切断を行なう第2スライバ切断手
    段と、切断時に口出し手段により保持されるスライバ屑
    を空近くなったケンスに排出する排出手段とを具備する
    ことを特徴とする紡機のスライバ継ぎ装置。
  7. 【請求項7】 前記排出手段はスライバ屑を空近くにな
    ったケンスに導くシュートより構成されることを特徴と
    する請求項6に記載の紡機のスライバ継ぎ装置。
  8. 【請求項8】 前記排出手段は、吸引ブロアへの吸引経
    路上に位置する回収ボックスと、口出し手段への吸引を
    遮断しつつ、スライバ屑を回収ボックスに吸引するよう
    に切り替える切替弁と、回収ボックス中のスライバ屑を
    空近くなったケンスに落下せしめる開閉手段とから成る
    ことを特徴とする請求項6に記載の紡機のスライバ継ぎ
    装置。
  9. 【請求項9】 継がれるべき第1スライバを供給してい
    る状態で、その第1スライバに新たに継ぐべき第2スラ
    イバの端部を供給して重合させる際に第2スライバの端
    部の繊維減少部をドラフトしながら第1スライバに供給
    し、その繊維減少部を引き延ばしながら重合させて重合
    部分の外径変化を緩やかにし、その第1スライバと第2
    スライバとの重合部の太さをスライバ1本分の太さにす
    ることを特徴とする紡機のスライバ継ぎ方法。
  10. 【請求項10】 継がれるべき第1スライバを把持する
    ための複数のローラ対を構成する離間可能な一対のロー
    ラ機構より成るスライバ把持手段と、継ぐべき第2スラ
    イバの端部を挟持可能でかつ回転可能な一対の供給ロー
    ラを有するスライバ供給手段とを備え、該スライバ把持
    手段の少なくともスライバ送込み側ローラ対を可変速可
    能に構成すると共に、スライバ供給手段の供給ローラ対
    を変速可能に構成したことを特徴とする紡機のスライバ
    継ぎ装置。
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