JPH074837Y2 - メダルゲーム機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、メダル機 更に詳しくは、伝導性のメダルを使用するゲーム機のホ
ッパーに併設されるメダル貯蔵庫からメダルが溢れない
ようする 、という特徴を有するメダルゲーム機に関するものであ
る。

「従来の技術」 メダルを使用するゲーム機、例えばスロットマシン等の
メダルゲーム機の一部には、ゲームを開始するときにメ
ダルを投入するための投入口が設けられている。この投
入口から投入されるメダルは大抵金属製であって、伝導
性を有している。

またメダルゲーム機内部には、その投入口から投入され
たメダルを回収するホッパーが内蔵されている。このホ
ッパーは、投入されたメダルを回収するだけでなく、
「当たり」が出たときに投入されたメダルに応じてメダ
ルを払い出すことも行うので、ホッパーに貯蔵されるメ
ダルの数は増減が激しい。

そこで、メダルゲーム機本体の内部であってホッパーの
傍ら下方には、ホッパーに貯蔵しきれないメダルを貯蔵
するためのメダル貯蔵庫が設けられている。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、従来のメダルゲーム機については、以下
のような欠点があった。

メダル貯蔵庫のメダルがホッパーから送られてきたメダ
ルでいっぱいになり、メダル貯蔵庫からメダルが溢れる
ことがある。メダル貯蔵庫から溢れたメダルがメダルゲ
ーム機内部で散乱してしまうと、メダル貯蔵庫のメダル
を回収にきた係員等はその散乱した溢れたメダルを回収
しなければならず、その手間は大変なものであった。

更に、メダルは伝導性を有するので、その溢れたメダル
がメダルゲーム機の電気系統に悪影響を与えるような場
所に転がり落ちたりしたら、メダルゲーム機に異常をき
たしたり、故障の原因となったりする。

もしもメダルゲーム機が異常をきたしてしまった場合に
は、そのメダルゲーム機で遊んでいたプレーヤーはプレ
ーを中断して係員を呼び、ゲームが正常に行えるように
修理調整してもらわなければ、プレーを再開することは
できない。このことは、プレーヤーにとっても係員にと
っても好ましくない事態である。このような事態は、メ
ダル貯蔵庫からメダルが溢れそうであることを事前に検
知することができれば防ぐことができる。

しかしながら、メダル貯蔵庫からメダルが溢れそうであ
ることを事前に検知して、それを防ぐ有効な手段は存在
しなかった。

「課題を解決するための手段」 以上のような欠点を鑑みた本考案者は、メダル貯蔵庫か
らメダルが溢れそうである旨を事前に検知し、その旨を
受けてそのゲーム機でのプレーを中断させて点検を行え
るようにする手段がないかと考え、本考案に至ったもの
である。

即ち、本考案によれば、 メダルを使用するメダルゲーム機であって ホッパーとそのホッパーに貯蔵しきれなくなったメダル
を貯蔵するメダル貯蔵庫とを備えたメダルゲーム機にお
いて、そのメダル貯蔵庫内部に、下部端子とその下部端
子よりも高位に上部端子とを位置させ、貯蔵されるメダ
ルによって下部端子と上部端子とが導通した際には、そ
れらの端子が導通した旨を出力することを特徴としたメ
ダルゲーム機 、が提供される。

「作用」 本考案に係るメダルゲーム機の作用を説明する。

（１）プレーヤーがメダルゲームで遊び始める前には、
メダル貯蔵庫に貯蔵できるメダルをできるだけ多くする
ため、メダル貯蔵庫にはメダルは入っていない。

（２）プレーヤーがゲームを行い、投入されるメダルの
方が「当たり」によって払い出されるメダルよりも多い
場合には、投入されたメダルがホッパーに貯蔵される。
しかしホッパーに貯蔵しきれなくなったときには、メダ
ルがホッパーからメダル貯蔵庫へ溢れ始める。すると、
溢れたメダルはメダル貯蔵庫の底の方から積まれてゆ
き、下部端子はそれらのメダルに埋もれる。

しかし、それらのメダルが下部端子よりも高位に位置す
る上部端子にまで達していなければ、両端子は導通しな
い。

（３）更にホッパーからメダルが溢れてきて、上部端子
にまでメダルが達すると、上部端子と下部端子とは両端
子間にある伝導性のあるメダルを導体として導通する。

（４）両端子は、導通したこと即ちメダルがメダル貯蔵
庫から溢れそうである旨をメダルゲーム機の制御部等に
出力することができる。

（５）導通した旨の出力を受けたメダルゲーム機の制御
部等は、何等かの方法によって、そのメダルゲーム機に
よるゲームを中断してメダル貯蔵庫からメダルが溢れな
いようにする。

（６）メダル貯蔵庫からメダルが溢れそうであったメダ
ルゲーム機のゲームを中断した後、係員等が次のような
ことを行って、そのメダルゲーム機でのゲームを再開で
きるようにする。即ち、係員等は、そのメダルゲーム機
の盤面を開いてメダルゲーム機からメダル貯蔵庫を取り
外し、取り外したメダル貯蔵庫に貯蔵されたメダルを回
収し、両端子が両貫通孔を貫通するようにメダル貯蔵庫
をメダルゲーム機に取り付け、ゲームを再開できるよう
にする。

「実施例」 以下、本考案を実施例によって更に詳しく説明するが、
本考案が以下に記す実施例に限られないことは明らかで
あろう。

第１図は、本実施例のメダルゲーム機の内部を示すた
め、プレーヤーがメダルゲーム機に向かったときにゲー
ムを進行する表示等を行う盤面を取り外した状態のメダ
ルゲーム機の斜視図である。

第２図は、本実施例におけるメダル貯蔵庫を装着した様
子を示す断面図である。

以下に、本実施例の構成を第１図及び第２図に基づいて
説明する。

メダルを使用するゲーム機、例えばスロットマシン等の
メダルゲーム機10には、通常クロム鍍金などをかけた伝
導性を有するメダルが使用される。図示を省略した盤面
には、ゲームを開始するときにメダルを投入するための
投入口が設けられている。ここで、メダルゲーム機10内
部からみて、手前側に位置する盤面と相対する面を裏板
11とする。メダルゲーム機本体10の上面には、そのメダ
ルゲーム機10の異常を知らせるためのランプ12が設けて
ある。

また、メダルゲーム機10の内部であって投入口の下方に
は、投入口から投入されたメダルを回収するホッパー20
が内蔵されている。

更に、メダルゲーム機10の内部であってメダル貯蔵庫30
の傍ら下方には、ホッパー20に貯蔵しきれなくなったメ
ダルを貯蔵するためのメダル貯蔵庫30が、メダルゲーム
機10から着脱自在であるように設けられている。このメ
ダル貯蔵庫30は上面を開口した箱体である。このメダル
貯蔵庫30の着脱は、メダルゲーム機10の図示しない盤面
を開放し、その手前側から行う。

ホッパー20は、ホッパー20に貯蔵しきれないメダルをメ
ダル貯蔵庫30に落下させるための移送路21を有してい
る。この移送路21は、ホッパー20におけるメダル貯蔵庫
30側の側面の上部からメダル貯蔵庫30の上方に向かって
下方傾斜した筒状の通路である。

メダルゲーム機10の手前側からメダル貯蔵庫30を装着し
た際に、メダルゲーム機10の裏板11と相対するメダル貯
蔵庫30の周面には、２つの貫通孔31が設けられている。
この２つの貫通孔31のうちのひとつはメダル貯蔵庫30の
底面付近に、もうひとつはメダル貯蔵庫30の上部付近で
あって移送路21からメダルが落下してくるメダル出口22
の真下付近に相当する場所に設けられている。ここで底
面付近に設けた貫通孔31を下部貫通孔31B、上部付近に
設けた貫通孔31を上部貫通孔31Aとする。

メダルゲーム機10にメダル貯蔵庫30を装着した際に、メ
ダル貯蔵庫30の貫通孔31を有する周面と向かい合う裏板
11の内側であって２つの貫通孔31に対応する部分には、
２つの端子32が端子支持部33を介して固定されている。

この２つの端子32は、貫通孔31の直径よりも小さな直径
をした棒状のものである。ここで上部貫通孔31Aに対応
する端子32を上部端子32A、下部貫通孔31Bに対応する端
子32を下部端子32Bとする。メダルゲーム機10の手前側
からメダルゲーム機10の内部にメダル貯蔵庫30を装着し
た際には、上部端子32A及び下部端子32Bは各々が対応す
る上部貫通孔31A及び下部貫通孔31Bを貫き、その長さ方
向の大部分がメダル貯蔵庫30の内部空間に位置すること
となる。

尚、メダル貯蔵庫30が伝導性を有する材料によってつく
られている場合、メダル貯蔵庫30の装着時において、貫
通孔31の表面と端子32とは絶対に接触していてはならな
い。両端子32間に存在するメダルによって両端子32が導
通するのではなく、メダル貯蔵庫30によって導通してし
まうこととなるからである。この実施例では、端子32の
直径を貫通孔31の直径よりも小さいものとして貫通孔31
の表面と端子32とが接触することを防止した。

同様に、裏板11が伝導性を有する材料によってつくられ
ている場合、両端子32が裏板11によって導通してしまう
ことを防ぐため、端子支持部33はプラスチックなどの絶
縁体によってつくられている。

以下に、本実施例の作用について説明する。

（１）プレーヤーがメダルゲーム機10で遊び始める前に
は、メダル貯蔵庫30に貯蔵できるメダルをできるだけ多
くするため、メダル貯蔵庫30にはメダルは入っていな
い。

メダルゲーム機10の投入口からプレーヤーによって投入
されたメダルは、ホッパー20に貯蔵される。プレーヤー
の負けがこむとやがてホッパー20にメダルを貯蔵しきれ
なくなり、貯蔵しきれなくなったメダルは、移送路21を
伝ってメダル貯蔵庫30に貯蔵される。

（２）すると、溢れてきたメダルはメダル貯蔵庫30の底
の方から積まれていき、メダル貯蔵庫30の底面付近に位
置している下部端子32Bはホッパー20から送り込まれて
きたメダルに埋もれる。

この時点では、メダル貯蔵庫30に貯蔵されたメダルが上
部端子32Aに達していないので、２つの端子32はまだ導
通していない。

（３）更にホッパー20からメダルが溢れてくると、メダ
ル貯蔵庫30内に移送路21のメダル出口22の真下付近を頂
点とするメダルの山がつくられていく。やがて、そのメ
ダルの山の頂点付近の一部が上部端子32Aに触れると、
上部端子32Aと下部端子32Bとは上部端子32Aと下部端子3
2Bとの間にあるメダルを導体として導通する。

（４）両端子32は、導通した旨をメダルゲーム機10の制
御部等に出力する。

（５）導通した旨の出力を受けたメダル貯蔵庫30の制御
部等は、次に掲げるような方法のいずれかによって、そ
のメダルゲーム機10によるゲームを中断してメダル貯蔵
庫30からメダルが溢れないようにする。

メダルゲーム機本体10の上面に設けたランプ12が点滅
する。そのランプ12の点滅を見た係員がそのメダルゲー
ム機に駆けつけて、プレーヤーにゲームを中断するよう
にお願いする。

メダルの投入ができないように、メダルの投入口を閉
鎖する。

メダルゲーム機10の盤面に、プレーヤーに対してゲー
ムを続行しないよう促す表示を行う。

多数のメダルゲーム機10を管理する集中管理室に導通
した旨を伝え、そのメダルゲーム機10の電源を切るなど
する。

以上の方法が考えられるが、これらに限られるものでは
ない。

（６）メダル貯蔵庫30からメダルが溢れようであったメ
ダルゲーム機10のゲームを中断した後、係員がそのメダ
ルゲーム機10の盤面を開いてメダルゲーム機10からメダ
ル貯蔵庫30を取り外す。続いて係員は、取り外したメダ
ル貯蔵庫30に貯蔵されたメダルを回収し、両端子32が両
貫通孔31を貫通するようにメダル貯蔵庫30をメダルゲー
ム機10に取り付け、ゲームを再開できるようにする。

以下に、本実施例の効果について説明する。

（１）本実施例におけるメダル貯蔵庫30に、高さを変え
た２つの端子32を用いたため、 下部端子32Bにメダルに触れただけでは両端子32は導通
せず、上部端子32Aにメダルが触れたときに初めて両端
子32が導通する。両端子32はそのときに初めて導通した
旨、即ちメダル貯蔵庫30からメダルが溢れそうである旨
を出力することができる。これによって、メダル貯蔵庫
30からメダルが溢れることを事前に防止することができ
る。

（２）上部端子32Aを移送路21のメダル出口22の直下付
近に位置するようにしたため、 山のように積まれてゆくメダルの頂点が上部端子32Aに
達した旨を検知できる。従って、メダル貯蔵庫30からメ
ダルが溢れそうである旨をいち早く検知できる。

以下に、本実施例のバリエーションについて説明する。

（１）本実施例に用いる端子32は、下部端子32Bとその
下部端子32Bよりも高位に位置する上部端子32Aとを設
け、メダル貯蔵庫30内のメダルが上部端子32Aの高さに
まで達した旨を検知して出力するものである。そこで、
検知したい高さで両端子32を同位に併設することも考え
られるが、両端子32を同位に設けると次のような欠点が
ある。

メダル貯蔵庫30に貯蔵されるメダルは、メダル出口22
の真下付近を頂点としたメダルの山として積み上げられ
るものであるので、必ずしも水平に積まれない。する
と、同位に設けられた端子32のうち一方のみがメダルに
覆われたにも拘らず、もう一方は未だメダルに覆われ
ず、それ故両端子32は導通しないという場合があり得る
こととなる。その結果、一方の端子がメダルに覆われな
いままメダルの山の頂点がメダル貯蔵庫30の上端を超え
てしまい、メダル貯蔵庫30からメダルが溢れてしまう場
合が考えられる。

両端子32を同位に設け、且つこのような場合を防ぐため
には、メダルの山の頂点付近となりそうなところへ両端
子32を近接させれば良いと考えられる。しかし、そうし
た場合には次のような欠点がある。

両端子32間の距離が貯蔵されるメダルの直径よりも狭
いような場合、メダルが落ちてきてその両端子32間に載
ってしまったりすると、まだメダルが両端子32の高さに
まで達していないにも拘らず、両端子32は導通してしま
うこととなる。

両端子32間の距離をメダルの直径よりも広くしておいて
も何等かの外力、例えばメダル貯蔵庫30の着脱作業をす
る際などに加わる力などによって両端子32間距離がメダ
ルの直径よりも狭くなってしまったような場合は、その
両端子32間にメダルが載ってしまい、まだメダルが両端
子32の高さにまで達していないにも拘らず両端子32が導
通してしまうということは、有り得る事態である。

以上のような欠点が想定されるので、本考案における２
つの端子32は高さを変えて設置するものとして、実施例
を説明した。

（２）本実施例においては、ホッパー20は、ホッパー20
に貯蔵しきれないメダルをメダル貯蔵庫30に落下させる
ための移送路21を有しているものとして説明したが、こ
れに限られるものではない。例えば、箱状をしたホッパ
ーの上端縁をメダル貯蔵庫30の上方に向かって下方傾斜
させたものとして形成し、移送路21のないホッパー20と
してもよい。

（３）また本考案は、実施例に示した上部端子32Aと下
部端子32Bとの位置関係に限定されるものではない。例
えば、下部端子32Bを、メダル貯蔵庫30の高さ方向中央
付近に設けることもできる。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案によれば、 メダルを使用するゲーム機に使用されるメダル貯蔵庫内
部に、下部端子とその下部端子よりも高位に上部端子と
を位置させ、 貯蔵されるメダルによって下部端子と上部端子とが導通
した際には、それらの端子が導通した旨を出力できるよ
うにしたため、 ホッパーに併設されるメダル貯蔵庫からメダルが溢れそ
うである旨を事前に検知できる 、という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本実施例のメダルゲーム機の内部を示すた
め、プレーヤーがメダルゲーム機に向かったときにゲー
ムを進行する表示等を行う盤面を取り外した状態のメダ
ルゲーム機の斜視図である。 第２図は、本実施例におけるメダル貯蔵庫を装着した様
子を示す断面図である。 10:メダルゲーム機、11:裏板 12:ランプ 20:ホッパー、21:移送路 22:メダル出口 30:メダル貯蔵庫 31:貫通孔 31A:上部貫通孔、31B:下部貫通孔 32:端子 32A:上部端子、32B:下部端子 33:端子支持部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】メダルを使用するメダルゲーム機であって
   ホッパーとそのホッパーに貯蔵しきれなくなったメダル
   を貯蔵するメダル貯蔵庫とを備えたメダルゲーム機にお
   いて、 そのメダル貯蔵庫内部に、下部端子とその下部端子より
   も高位に上部端子とを位置させ、 貯蔵されるメダルによって下部端子と上部端子とが導通
   した際には、それらの端子が導通した旨を出力すること
   を特徴としたメダルゲーム機。