JPH0748376A - 1H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,4〕トリアゾール誘導体の製造方法 - Google Patents

1H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,4〕トリアゾール誘導体の製造方法

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JPH0748376A
JPH0748376A JP21219493A JP21219493A JPH0748376A JP H0748376 A JPH0748376 A JP H0748376A JP 21219493 A JP21219493 A JP 21219493A JP 21219493 A JP21219493 A JP 21219493A JP H0748376 A JPH0748376 A JP H0748376A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に写真用シアンカプラーとして有用な1H
−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,4〕トリアゾール
誘導体の簡便、かつ安価な製造方法を提供する。 【構成】 下記一般式(I)で表されるトリアゾール誘
導体を分子内で縮合・閉環させることにより、下記一般
式(II)で表される1H−ピロロ−〔1,2−b〕
〔1,2,4〕トリアゾール誘導体を合成する。式中、
1 は例えば、アリール基、R2 は例えば、アルコキシ
カルボニル基、R3 は例えば、シアノ基、Yは例えば、
カルボキシル基、Zは例えば、ピバロイルオキシ基を表
す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬、農薬等の生理活性
物質の合成中間体、写真用カプラー、あるいは熱転写色
素供与性材料用色素や各種染料の前駆体として有用な1
H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,4〕トリアゾー
ル誘導体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,
2,4〕トリアゾール誘導体は、Ukrainskii Khimiches
kii Zhurnal,第41巻、第2号、第181〜185頁
(1975年)やKhimiya Geterotsiklicheskikh Scedi
nenii,第2号、第261〜267頁(1974年2月)
において反応性が論じられ、米国特許第4,358,4
57号、同第4,962,202号において医薬等とし
て知られている。また、日本写真学会昭和60年度年次
大会講演要旨集、特開昭62−2778552号、同6
2−279339号、特開平1−288835号、米国
特許第4,910,127号、欧州特許EP0,49
1,197A1号にて、写真用マゼンタカプラーやマゼ
ンタ染料として知られている。さらに、欧州特許EP
0,491,197A1号には、1H−ピロロ−〔1,
2−b〕〔1,2,4〕トリアゾール誘導体の6位及び
7位に電子吸引基を導入することにより写真用シアンカ
プラーとして有用な化合物が得られることが開示されて
いる。しかしながら、これらに記載されている1H−ピ
ロロ−〔1,2−b〕〔1,2,4〕トリアゾール誘導
体の合成方法は必ずしも効率的であるとは言い難い。特
に、写真用シアンカプラーとして有用な6位及び7位が
電子吸引基で置換されたものについては合成が困難であ
り、さらに、6位及び7位が電子吸引基で置換され、か
つ、カプラーのpKa を高くすることが予想される5位
がアシルオキシ基やスルホニルオキシ基等の酸素官能基
で置換された1H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,
4〕トリアゾール誘導体の公知の合成方法は、現実的な
収率で合成する方法とは言い難かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、6位
及び7位が電子吸引基で置換された1H−ピロロ−
〔1,2−b〕〔1,2,4〕トリアゾール誘導体の収
率の高い製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式
(I)で表されるトリアゾール誘導体を分子内で縮合さ
せることにより、下記一般式(II)で表される1H−ピ
ロロ−〔1,2−b〕〔1,2,4〕トリアゾール誘導
体に変換する方法が、6位及び7位が電子吸引基で置換
された1H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,4〕ト
リアゾール誘導体の合成に有用であることを見出した。
【化2】
【0005】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明の分子内縮合反応は、塩基の存在下、各種の酸ハラ
イドを用いることで有効に閉環反応として進行する他、
中性条件下で加熱することで、脱水反応、脱アルコール
反応、付加反応として閉環が進行する。尚、塩基性条
件、酸性条件下で反応させることにより、反応を加速す
ることもできる。R1 は、アルキル基又はアリール基を
表す。R1 で表されるアルキル基は、炭素数1から36
の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であり、例え
ば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−
ブチル、n−オクチル、n−ヘキサデシル、2−エチル
ヘキシル、2−ヘプチルウンデシル、シクロヘキシル、
2−メチルシクロヘキシル基が挙げられる。
【0006】R1 で表されるアルキル基は、置換基で置
換されていてもよい。好ましい置換基としては、ハロゲ
ン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、アルケニル基(例え
ば、ビニル、ヘキセニル)、アルキニル基(例えば、ア
セチニル、プロパルギル)、アリール基(例えば、フェ
ニル、ナフチル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、
エトキシ、n−ブトキシ)、アリールオキシ基(例え
ば、フェノキシ、ナフチルオキシ)、アルキルチオ基
(例えば、メチルチオ、n−プロピルチオ)、アリール
チオ基(例えば、フェニルチオ)、アルキルスルホニル
基(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル)、
アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニ
ル)、ホルミル基、アシル基(例えば、アセチル、ベン
ゾイル、プロピオニル)、アシルオキシ基(例えば、ア
セチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボ
ニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、n−オクチルオキシカルボニル)、アリールオキ
シカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、カ
ルボンアミド基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニ
ルアミノ、ベンゾイルアミノ)、スルホンアミド基(例
えば、メタンスルホニルアミド、エタンスルホニルアミ
ド、ベンゼンスルホニルアミド)、カルバモイル基(例
えば、ジメチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボ
ニル、ジオクチルアミノカルボニル)、スルファモイル
基(例えば、メチルアミノスルホニル、ジエチルアミノ
スルホニル、n−ブチルアミノスルホニル)、ウレイド
基(例えば、ジメチルアミノカルボニルアミノ、アニリ
ノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基
(例えば、メトキシカルボニルアミノ、i−ブトキシカ
ルボニルアミノ)、アミノ基(例えば、アミノ、ジエチ
ルアミノ、ジヘキシルアミノ)、イミド基(例えば、フ
タルイミド)、複素環基(例えば、フリル、チエニル、
モルホリノ)が挙げられ、これらの置換基はさらに置換
されていても良い。
【0007】R1 で表されるアリール基は、炭素数6か
ら45のアリール基であり、例えば、フェニル、1−ナ
フチル、2−ナフチル基が挙げられる。R1 で表される
アリール基は、置換基で置換されていてもよい。好まし
い置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニ
トロ基、アルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブ
チル、t−オクチル)、アルケニル基(例えば、ビニ
ル、ヘキセニル)、アルキニル基(例えば、アセチニ
ル、プロパルギル)、アリール基(例えば、フェニル、
ナフチル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ、n−ブトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェ
ノキシ、ナフチルオキシ)、アルキルチオ基(例えば、
メチルチオ、n−プロピルチオ)、アリールチオ基(例
えば、フェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例え
ば、メタンスルホニル、エタンスルホニル)、アリール
スルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル)、ホルミ
ル基、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、プロ
ピオニル)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキ
シ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(例
えば、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、n−
オクチルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニ
ル基(例えば、フェノキシカルボニル)、カルボンアミ
ド基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、
ベンゾイルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタ
ンスルホニルアミド、エタンスルホニルアミド、ベンゼ
ンスルホニルアミド)、カルバモイル基(例えば、ジメ
チルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、ジオ
クチルアミノカルボニル)、スルファモイル基(例え
ば、メチルアミノスルホニル、ジエチルアミノスルホニ
ル、n−ブチルアミノスルホニル)、ウレイド基(例え
ば、ジメチルアミノカルボニルアミノ、アニリノカルボ
ニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(例え
ば、メトキシカルボニルアミノ、i−ブトキシカルボニ
ルアミノ)、アミノ基(例えば、アミノ、ジエチルアミ
ノ、ジヘキシルアミノ)、イミド基(例えば、フタルイ
ミド)、複素環基(例えば、フリル、チエニル、モルホ
リノ)が挙げられ、これらの置換基はさらに置換されて
いても良い。
【0008】R2 及びR3 はそれぞれ、ハメットの置換
基定数σp 値が0.20以上の電子吸引性基を表す。ハ
メット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換
基の影響を定量的に論ずるために1935年に L. P. H
ammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広
く妥当性が認められている。ハメット則によりもとめら
れた置換基定数にはσp 値とσm 値があり、これらの値
は多くの一般的な成書に記載があるが、例えば、J. A.
Dean編「 Lange's Handbook of Chemistry」第12版、
1979年( McGraw-Hill)や「化学の領域増刊」、1
22号、96〜103頁、1979年(南江堂)に詳し
い。本発明においてR2 及びR3 はハメットの置換基定
数σp 値により規定されるが、これらの成書に記載の文
献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味で
はなくその値が文献未知であってもハメット則に基づい
て測定した場合にその範囲内に含まれる限り包含される
ことは勿論である。
【0009】σp 値が0.2〜1.0の電子吸引性基で
あるR2 及びR3 の具体例としては、アシル基、アシル
オキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジ
アルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリー
ルホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリール
スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルフ
ァモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハ
ロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲ
ン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、
ハロゲン化アルキルチオ基、σp 値が0.20以上の他
の電子吸引性基で置換されたアリール基、複素環基、ハ
ロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基があげら
れる。
【0010】R2 及びR3 を更に詳しく述べると、σp
値が0.2〜1.0の電子吸引性基としては、アシル基
(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベン
ゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アシルオキ
シ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例え
ば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−フェ
ニルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N
−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−
(4−n−ペンタデカンアミド)フェニルカルバモイ
ル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−{3
−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル}カ
ルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例えば、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブチルオキ
シカルボニル、i−ブチルオキシカルボニル、n−ブチ
ルオキシカルボニル、t−オクチルオキシカルボニル、
ジイソプロピルメチルメトキシカルボニル、ドデシルオ
キシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチル−シクロヘキシルオキ
シカルボニル、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル
オキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例
えば、フェノキシカルボニル)、シアノ基、ニトロ基、
ジアルキルホスホノ基(例えば、ジメチルホスホノ)、
ジアリールホスホノ基(例えば、ジフェニルホスホ
ノ)、ジアリールホスフィニル基(例えば、ジフェニル
ホスフィニル)、アルキルスルフィニル基(例えば、3
−フェノキシプロピルスルフィニル)、アリールスルフ
ィニル基(例えば、3−ペンタデシルフェニルスルフィ
ニル)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホ
ニル、オクタンスルホニル)、アリールスルホニル基
(例えば、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニ
ル)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ、
トルエンスルホニルオキシ)、アシルチオ基(例えば、
アセチルチオ、ベンゾイルチオ)、スルファモイル基
(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロ
ピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチ
ル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルフ
ァモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、チオシ
アネート基、チオカルボニル基(例えば、メチルチオカ
ルボニル、フェニルチオカルボニル)、ハロゲン化アル
キル基(例えば、トリフロロメチル、ヘプタフロロプロ
ピル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えばトリフロロメ
チルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えばペ
ンタフロロフェニルオキシ)、ハロゲン化アルキルアミ
ノ基(例えば、N,N−ジ−(トリフロロメチル)アミ
ノ)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメ
チルチオ、1,1,2,2−テトラフロロエチルチ
オ)、σp 値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換
されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニ
ル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタクロロフ
ェニル)、複素環基(例えば、2−ベンゾオキサゾリ
ル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズ
イミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、1−ピ
ロリル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原
子)、アゾ基(例えばフェニルアゾ)またはセレノシア
ネート基を表す。
【0011】好ましくは、R2 及びR3 は、シアノ基又
は−CO2 23である。ここで、R23は、アルキル基又
はアリール基を表す。R23で表されるアルキル基、アリ
ール基は、R1 で表されるところのアルキル基、アリー
ル基と同義であり、−CO223は前述のアルコキシカ
ルボニル基とアリールオキシカルボニル基である。R2
及びR3 は、同じであっても異なっていても良い。
【0012】さらに好ましくは、R3 はシアノ基であ
り、R2 は−CO2 23である。ここで好ましいR23
アルキル基であり、さらに好ましいR23は3級アルキル
基(例えば、t−ブチル、t−オクチル、ジイソプロピ
ルメチルメチル)又は、少なくとも2位及び6位がアル
キル基で置換されたシクロヘキシル基(例えば、2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキシル、2,
4,6−トリメチルシクロヘキシル)である。
【0013】Yは分子内のトリアゾール環と縮合して1
H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,4〕トリアゾー
ル誘導体を生成しうる基を表す。ZはYと分子内のトリ
アゾール環とが縮合して1H−ピロロ−〔1,2−b〕
〔1,2,4〕トリアゾール誘導体を生成した結果生じ
た基又はその誘導体を表す。Yは例えば、シアノ基や−
CORで表される置換基(Rは例えば、水素原子、ハロ
ゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルキル基、アリール基を表す。)が挙げられる。具体
的には、シアノ基、ホルミル基、−COCl、−COO
H、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、アセチ
ル、ベンゾイル等が挙げられる。このときZは以下の基
を表すことになる。Yがシアノ基を表すとき、Zはアミ
ノ基又はその誘導体を表す。Yが−COR(R=水素原
子)を表すとき、Zは水酸基を表す。Yが−COR(R
=ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基)を表すとき、Zは水酸基又はその誘導体を表す。
Yが−COR(R=アルキル基)を表すとき、Zはアル
コキシ基を表す。Yが−COR(R=アリール基)を表
すとき、Zはアリールオキシ基を表す。
【0014】本発明の分子内縮合反応においては、一般
式(I)のYが−COOHである場合が最も好ましく、
一般式(I)のYが、−COOHであるトリアゾール誘
導体を、酸ハライドR4 −Xを用いて、一般式(II)の
Zが−OR4 である1H−ピロロ−〔1,2−b〕
〔1,2,4〕トリアゾール誘導体に導く方法に特に有
効である。一般式(II)のZが−OR4 である該誘導体
にすることによって、高収率で単離することができる。
スキームにて示すと以下の通りである。
【化3】
【0015】本発明において、酸ハライドとは、一般式
4 −Xで表される化合物であって、R4 が、−COR
41、−CO2 42、−CONR4344、−SO2 45
は−P(O)R4647を表し、R41〜R45がそれぞれ水
素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R46、R47
がそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、アルコ
キシ基又はアリールオキシ基を表し、Xがハロゲン原子
を表す化合物の全てを包含するものである。以下に、ス
キームについて詳しく説明する。
【0016】前記スキームIにおいてR1 、R2 、R3
は、一般式(I)、(II)におけるR1 、R2 、R3
同義である。R4 は、−COR41、−CO2 42、−C
ONR4344、−SO2 45又は−P(O)R4647
表す。ここでR41〜R45はそれぞれ水素原子、アルキル
基又はアリール基を表し、R46、R47はそれぞれ水素原
子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基又はアリー
ルオキシ基を表す。Xはハロゲン原子を表す。R41〜R
47で表されるアルキル基、アリール基はR1 で表される
ところのアルキル基、アリール基と同義である。R46
47で表されるアルコキシ基は、炭素数1から36の直
鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシ基であり、R1
アルキル基が有してもよい置換基で置換されていてもよ
い。例えば、メトキシ、エトキシ、i−ブトキシ、t−
ブトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、シクロヘキシル
オキシ等の基である。R46、R47で表されるアリールオ
キシ基は、炭素数6から45のアリールオキシ基であ
り、R1 のアリール基が有してもよい置換基で置換され
ていてもよい。例えば、フェノキシ、o−メチルフェノ
キシ、p−エチルフェノキシ等の基である。R43、R44
は同じであっても異なっていても良く、互いに環を形成
していても良い。R46、R47は同じであっても異なって
いても良く、互いに環を形成していても良い。Xで表さ
れるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特に塩素原子が好ま
しい。R4 は好ましくは、−COR41〔好ましいR41
3級アルキル基(例えば、t−ブチル、t−アミル、t
−オクチル)又は、少なくとも2位及び6位がアルキル
基で置換されたフェニル基(例えば、2,4,6−トリ
メチルフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、
2,4,6−トリイソプロピルフェニル)〕、−CO2
42、−CONR4344が好ましい。本発明に用いられ
る酸ハライドの具体例は、R41COXとしては、例え
ば、アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、ピバロ
イルクロリド、ベンゾイルクロリド、2,4,6−トリ
メチルベンゾイルクロリド、2,6−ジイソプロピルベ
ンゾイルクロリド、アセチルブロミド、ピバロイルブロ
ミド、ヨウ化アセチル、R42OCOXとしては、例え
ば、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸
イソブチル、クロロギ酸フェニル、クロロギ酸−p−ニ
トロフェニル、クロロギ酸オクチル、ブロモギ酸イソブ
チル、R4344NCOXとしては、例えば、ジメチルカ
ルバミン酸クロリド、ジエチルカルバミン酸クロリド、
ジ−n−ブチルカルバミン酸クロリド、R45SO2 Xと
しては、例えば、メタンスルホニルクロリド、エタンス
ルホニルクロリド、n−ブタンスルホニルクロリド、ベ
ンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルク
ロリド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルク
ロリド、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホ
ニルクロリド、メタンスルホニルブロミド、メタンスル
ホニルフルオライド、R4647P(O)Xとしては、例
えば、ジエチルクロロホスフェイト、ジブチルクロロホ
スフェイト、ジフェニルクロロホスフェイト、クロロジ
フェニルホスフェンオキシド等が挙げられる。
【0017】本発明において、用いられる塩基として
は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、
ピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン、1,8−ジ
アザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5
−ジアザビシクロ〔4,3,0〕−5−ノネン、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等が挙げられる。好ましくは、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジ
ン、ピコリン、コリジンである。本発明において用いら
れる塩基及び酸ハライドの一般式(I)で表される化合
物に対するモル比は、それぞれ0.01〜100、好ま
しくは0.1〜10、更に好ましくは2〜5である。本
発明において用いられる溶媒としては、塩化メチレン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリ
ル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N
−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、四塩化炭素、ベンゼン、ピリジン等が挙げられる。
本発明における反応温度は、−78℃〜150℃、好ま
しくは−40℃〜50℃、さらに好ましくは−10℃〜
30℃である。本発明における反応時間は、1分〜72
時間、好ましくは15分〜48時間、さらに好ましくは
30分〜36時間である。なお、スキームIの閉環反応
は、下記スキームIIのように進行すると考えられる。
【0018】
【化4】
【0019】すなわち、塩基存在下、各種酸ハライドと
一般式(Ia)で表される化合物との反応により、混合
酸無水物Aができる。混合酸無水物Aは分子内のトリア
ゾール環と速やかに反応し、化合物Bとなる。化合物B
は、互変異性により化合物Cとなり、発生した水酸基が
さらに酸ハライドと反応することにより、一般式(II
a)で表される化合物となる。次に、一般式(I)で表
される化合物の合成法について説明する。一般式(I)
は、Yがシアノ基又は−COR6 (ここでR6 は、水素
原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、
アリール基を表す)であるような場合、例えば、スキー
ムIII {ステップ1:一般式(Ib)で表される化合物
のハロゲン化、ステップ2:一般式(Ic)で表される
化合物と活性メチレン化合物との求核置換反応。}に示
すルートにより合成することができる。
【0020】
【化5】
【0021】さらに、一般式(I)のYが−COOHで
ある場合は、前記スキームIII に、エステル部分のカル
ボキシル基への変換であるステップ3が加わり、例え
ば、下記スキームIV{ステップ1:一般式(Ib)で表
される化合物のハロゲン化、ステップ2:一般式(I
c)で表される化合物と活性メチレン化合物との求核置
換反応、ステップ3:一般式(Id)で表される化合物
のエステル部分(−CO25 )のカルボキシル基への
変換反応。}に示すルートにより合成することができ
る。
【0022】
【化6】
【0023】また、Yが−COR7 (ここで、R7 はハ
ロゲン原子を表す。)である場合は、前記スキームIVに
おける一般式(Ia)の化合物から、常法により容易に
誘導することができる。以下に、前記スキームIII 及び
スキームIVの各ステップについて詳細に説明する。ま
ず、ステップ1について詳しく説明する。ステップ1に
おいて、一般式(Ib)で表されるトリアゾール化合物
は公知の方法、例えば、J.C.S.,1961年、第518
頁、J.C.S.,1962年、第5149頁、Angew,Chem.
,第72巻、第956頁(1960年)、Berichte.
,第97巻、第3436頁(1964年)等に記載の
方法及びそれらに引用されている文献または類似の方法
によって合成することができる。ステップ1のハロゲン
化におけるハロゲン化剤の例としては、塩素、塩化スル
フリル、塩化銅(II)、N−クロロこはく酸イミド、N
−ブロモカプロラクタム、N−ブロモフタルイミド、
1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、臭
素、N−ブロモこはく酸イミド、フェニルトリメチルア
ンモニウムトリブロミド、ピリジニウムブロミドペルブ
ロミド、ピロリドンヒドロトリブロミド等が挙げられ
る。好ましくは、塩化スルフリル、N−クロロこはく酸
イミド、臭素、N−ブロモこはく酸イミド、ピリジニウ
ムブロミドペルブロミドである。ステップ1におけるハ
ロゲン化剤の一般式(Ib)で表されるトリアゾール化
合物に対するモル比は、0.01〜100であり、好ま
しくは0.5〜10、更に好ましくは1.0〜3.0で
ある。
【0024】ステップ1で用いられる溶媒としては、塩
化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、
アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N
−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、水、四塩化炭素、酢酸、メタノール、エタノール、
ベンゼン、ピリジン等が挙げられる。ステップ1の反応
温度は、−78℃〜150℃、好ましくは−20℃〜8
0℃、さらに好ましくは−10℃〜30℃である。ステ
ップ1の反応時間は、1分〜72時間、好ましくは15
分〜48時間、さらに好ましくは30分〜36時間であ
る。
【0025】ステップ2について詳しく説明する。ステ
ップ1で得られた一般式(Ib)で表されるトリアゾー
ル誘導体のハロゲン化体(一般式(Ic))と活性メチ
レン化合物R3 CH2 1 (好ましくはスキームIVのR
3 CH2 CO2 5 :R5 はアルキル基又はアリール基
であり、好ましくは、メチル、エチル又はベンジル基で
ある。)との求核置換反応(ステップ2)で用いられる
塩基としてはn−ブチルリチウム、t−ブチルリチウ
ム、リチウムジイソプロピルアミド、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム、水素化リチウム、t−ブトキシカ
リウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、
リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウ
ムアミド等が挙げられる。好ましくは、リチウムジイソ
プロピルアミド、n−ブチルリチウム、水素化ナトリウ
ム、t−ブトキシカリウム、ナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシドである。ステップ2で用いられる塩
基の一般式(Ic)で表される活性メチレン化合物に対
するモル比は、0.1〜10であり、好ましくは0.5
〜2.0、更に好ましくは0.9〜1.1である。ステ
ップ2で用いられる活性メチレン化合物の一般式(I
c)で表される化合物に対するモル比は、0.01〜1
00であり、好ましくは0.1〜10、更に好ましくは
0.5〜2.0である。
【0026】ステップ2で用いられる溶媒としては、塩
化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジク
ロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、石油エーテル、ジエチルエー
テル、n−ヘキサン等が挙げられる。好ましくは、塩化
メチレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエ
ン、ジエチルエーテルである。ステップ2の反応温度
は、−78℃〜150℃、好ましくは−40℃〜50
℃、さらに好ましくは−20℃〜30℃である。ステッ
プ2の反応時間は、1分〜72時間、好ましくは15分
〜48時間、さらに好ましくは30分〜36時間であ
る。
【0027】ステップ3について詳しく説明する。一般
式(Id)で表される化合物のエステル部分(−CO2
5 :R5 はアルキル基又はアリール基であり、好まし
くはメチル、エチル又はベンジル基)のカルボキシル基
への変換反応(ステップ3)は常法(例えば、W,Green,
Protective Groups in Organic Synthesis, Jhon Wile
y and Sons,inc. New York 1981,p152 〜p178に記載の
方法)によって容易に達成することができる。
【0028】前記スキームIII 及びスキームIVによって
得られ、本発明の製造方法に用いられる一般式(I)で
表されるトリアゾール誘導体の具体例を示すが、これら
に限定されるものではない。
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】次に本発明の製造方法によって合成するこ
とのできる1H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,
4〕トリアゾール誘導体の具体例を示すが、これらに限
定されるものではない。さらに、代表的化合物につい
て、M+ は質量スペクトルの親ピークの値(M+ )を表
す。また、一部のものは融点(m.p.)を表1に記載
する。
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【表1】
【0042】
【実施例】次に本発明の具体的合成例を述べる。 化合物II−1の合成 スキームVに従ってII−1を合成した。
【0043】
【化18】
【0044】化合物dの合成 エタノール100ml中で、o−2−エチルヘキシルオ
キシ安息香酸のヒドラジドa(40g、151ミリモ
ル)とシアノ酢酸エチルのイミダートb(25g、15
5ミリモル)を5時間攪拌還流した。減圧にてエタノー
ルを留去した。残渣に水酸化ナトリウム(12.2g、
306ミリモル)水溶液350mlを加え、2時間攪拌
還流した。反応液に濃塩酸31mlを加え、酢酸エチル
200mlで抽出した。有機相を水洗し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、溶媒を減圧にて留去した。残渣を酢酸
エチル/ヘキサン(1:1)から再結晶することによ
り、化合物d(20g、60.4ミリモル、40%)を
得た。
【0045】化合物eの合成 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキサノー
ル(17g、75ミリモル)のアセトニトリル200m
l溶液に0℃にて、無水トリフルオロ酢酸(10.6m
l、75ミリモル)を滴下し、引続き、化合物d(20
g、60.4ミリモル)をゆっくり添加した。反応液を
室温にて2時間攪拌した後、水300mlを加え、酢酸
エチル300mlで抽出した。有機相を重曹水、水、食
塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒
を減圧留去して粗化合物e(19g)を得た。粗化合物
e(19g)は精製することなく次工程に用いた。
【0046】化合物fの合成 粗化合物e(19g)のテトラヒドロフラン200ml
溶液に、室温にてピリジニウムブロミドペルブロミド
(12.7g、40ミリモル)を加え8時間攪拌した。
反応液に亜硫酸ナトリウム2g水溶液200mlを加え
た後、酢酸エチル300mlで抽出した。有機相を水及
び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒
を減圧留去して粗化合物f(20g)を得た。粗化合物
f(20g)は精製することなく次工程に用いた。
【0047】化合物gの合成 シアノ酢酸メチル(9.5g96ミリモル)のテトラヒ
ドロフラン50ml溶液に、0℃にて水素化ナトリウム
(3.2g、80ミリモル)をゆっくり加え、室温にて
30分攪拌した(溶液s)。粗化合物f(20g)のテ
トラヒドロフラン100ml溶液に、0℃にて溶液sを
滴下して室温にて1時間攪拌した。反応液に1N塩酸2
00ml及び酢酸エチル200mlを加え抽出した。有
機相を水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥
した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をカラムク
ロマトグラフィーにて精製することにより化合物g(1
0.5g、16.5ミリモル、3工程で27.5%)を
得た。
【0048】化合物hの合成 化合物g(10.5g、16.5ミリモル)のメタノー
ル100ml溶液に水酸化ナトリウム5g水溶液50m
lを加え、50℃にて2時間攪拌した。反応液に1N塩
酸200ml及び酢酸エチル200mlを加え抽出し
た。有機相を水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムに
て乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られたオイルに
ヘキサン100mlを加えると結晶化した。結晶をろ
過、乾燥することにより化合物h(9.5g、92%)
を得た。
【0049】化合物II−1の合成 化合物h(0.8g、1.28ミリモル)の酢酸エチル
10ml溶液に0℃にてクロロギ酸イソブチル(0.5
ml、3.85ミリモル)を滴下し、引続き、トリエチ
ルアミン(0.55ml、3.85ミリモル)を滴下し
た。0℃にて15分攪拌した後、1N塩酸10ml加え
た。有機相を水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムに
て乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をアセトニト
リルから再結晶することにより化合物II−1(0.6
g、67%)を得た。
【0050】化合物II−2の合成 化合物h(2.0g、3.2ミリモル)のピリジン20
ml溶液に0℃にてジエチルカルバミン酸クロリド
(1.0ml、l.8ミリモル)を滴下した。室温にて
20時間攪拌した後、酢酸エチル100ml及び1N塩
酸100ml加えた。有機相を1N塩酸、水及び食塩水
で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒を減圧
留去した。残渣をアセトニトリルから再結晶することに
より化合物II−2(1.2g、l.7ミリモル、53
%)を得た。
【0051】化合物II−3の合成 化合物h(0.31g、0.5ミリモル)のピリジン3
ml溶液に0℃にてピバロイルクロリド(0.185m
l、l.5ミリモル)を滴下した。室温にて2時間攪拌
した後、酢酸エチル10ml及び1N塩酸10ml加え
た。有機相を1N塩酸、水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナ
トリウムにて乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣を
アセトニトリルから再結晶することにより化合物II−3
(0.15g、0.22ミリモル、44%)を得た。
【0052】化合物II−4の合成 化合物h(3.0g、4.8ミリモル)のピリジン30
ml溶液に0℃にてメタンスルホニルクロリド(1.0
ml、12.9ミリモル)を滴下した。室温にて1時間
攪拌した後、酢酸エチル100ml及び1N塩酸100
ml加えた。有機相を1N塩酸、水及び食塩水で洗浄
し、硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒を減圧留去し
た。残渣をアセトニトリルから再結晶することにより化
合物II−4(2.2g、3.22ミリモル、67%)を
得た。
【0053】化合物II−5の合成 化合物h(2.0g、3.18ミリモル)の酢酸エチル
30ml溶液に0℃にてジエチルホスホン酸クロリド
(1.1ml、1.8ミリモル)を滴下し、引続き、ト
リエチルアミン(1.15ml、1.8ミリモル)を滴
下した。室温にて4時間攪拌した後、1N塩酸30ml
加えた。有機相を水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウ
ムにて乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をアセト
ニトリルから再結晶することにより化合物II−5(1.
3g、55%)を得た。
【0054】化合物II−6の合成 化合物h(2.0g、3.18ミリモル)のピリジン2
0ml溶液に0℃にて1,2,5−トリメチル安息香酸
クロリド(1.5ml、1.8ミリモル)を滴下した。
室温にて5時間攪拌した後、酢酸エチル100ml及び
1N塩酸100ml加えた。有機相を1N塩酸、水及び
食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒
を減圧留去した。残渣をアセトニトリルから再結晶する
ことにより化合物II−6(1.6g、2.13ミリモ
ル、67%)を得た。
【0055】化合物II−7の合成 スキームVIに従って、化合物II−7を合成した。なお、
化合物iは、化合物hと同様の方法によって合成した。
【0056】
【化19】
【0057】化合物i(2.25g、3.18ミリモ
ル)の酢酸エチル30ml溶液に0℃にてクロロギ酸イ
ソプロピル(1.1ml.8ミリモル)を滴下し、引続
き、トリエチルアミン(1.15ml、8ミリモル)を
滴下した。0℃にて30分攪拌した後、1N塩酸30m
l加えた。有機相を水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリ
ウムにて乾燥した後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラ
ムクロマトグラフィーで精製することにより化合物II−
7(1.3g、53%)を得た。
【0058】
【発明の効果】本発明により、医薬、農薬等の生理活性
物質の合成中間体、写真用カプラー、あるいは熱転写色
素供与性材料用色素や各種染料の前駆体として、特に写
真用シアンカプラーとして有用な1H−ピロロ−〔1,
2−b〕〔1,2,4〕トリアゾール誘導体を簡便にか
つ安価に製造することが可能となった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるトリアゾー
    ル誘導体を分子内で縮合・閉環反応させることにより、
    下記一般式(II)で表される1H−ピロロ−〔1,2−
    b〕〔1,2,4〕トリアゾール誘導体を合成すること
    を特徴とする1H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,
    4〕トリアゾール誘導体の製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記分子内縮合・閉環反応が、塩基の存
    在下、酸ハライドを用いて行われることを特徴とする請
    求項1記載の1H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,
    4〕トリアゾール誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)におけるYが、−CO
    OH基である前記トリアゾール誘導体を前記酸ハライド
    4 −Xを用いて、前記一般式(II)におけるZが−O
    4 である1H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,
    4〕トリアゾール誘導体を合成することを特徴とする請
    求項2記載の1H−ピロロ−〔1,2−b〕〔1,2,
    4〕トリアゾール誘導体の製造方法。ここで、R4 は、
    −COR41、−CO2 42、−CONR4344、−SO
    2 45又は−P(O)R4647を表す。ここでR41〜R
    45はそれぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を表
    し、R46、R47はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリ
    ール基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表す。X
    はハロゲン原子を表す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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