JPH0748106A - 窒化アルミニウム粉末及びその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム粉末及びその製造方法

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JPH0748106A JP5194800A JP19480093A JPH0748106A JP H0748106 A JPH0748106 A JP H0748106A JP 5194800 A JP5194800 A JP 5194800A JP 19480093 A JP19480093 A JP 19480093A JP H0748106 A JPH0748106 A JP H0748106A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属不純物と酸素による汚染を極力抑制し、
以て高熱伝導性の窒化アルミニウム焼結体の製造を可能
ならしめる窒化アルミニウム粉末及びその製造方法を提
供する。 【構成】 本発明に係る窒化アルミニウム粉末において
は、レーザー回折法により求めてなる粒度分布曲線の5
0%目に該当する粒子径(D50)が1.2μm以下であ
るとともに、上記曲線の90%目に該当する粒子径(D
90)と同曲線の10%目に該当する粒子径(D10)との
比が4以下であり、且つ陽イオンよりなる不純物の総量
が0.1重量%以下であり、さらに酸素の量が1.7重
量%以下である。その製造法は、有機重合体、99.5
%以上の純度のアルミナ、又はサイアロンよりなる内表
面を有する粉砕機と、99.5%以上の純度のアルミ
ナ、又はサイアロンよりなる粉砕具とを組み合せ、有機
溶剤中で湿式摩砕処理する。 【効果】 180W/m・K以上の熱伝導率の窒化アルミニ
ウム焼結体が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化アルミニウム粉末
及びその製造方法に関し、窒化アルミニウム焼結体の焼
結用原料に適用して有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウム(AlN)は、高強度
で耐熱性や耐食性に優れた高温材料であるとともに、熱
伝導性や電気絶縁性にも優れた特性を有している。それ
故、近年、電子機器、特に集積回路等に用いる基板材料
として注目されている。
【0003】ところで、窒化アルミニウムは難焼結性で
あるため、緻密な焼結体を得るには1800℃以上の温
度環境下、或は超高圧環境下において焼成を行なわなけ
ればならないが、焼結体の製造コストの低減、及びIC
基板やパッケージ等の製造時における窒化アルミニウム
と金属との同時焼成を行なうには、より低温(1800
℃以下)で焼成を行なうのが好ましい。一般に、焼結性
は主に焼結用原料粉の粒度などに依存するので、焼結性
を改善し、焼結時の粒成長速度を高めて焼結体における
構造欠陥の生成を防ぐには、サブミクロンオーダーの粒
径の微細な粉末で且つ粒度の揃っていることが条件とな
る。
【0004】一方、窒化アルミニウムは理論上300W
/m・K以上の高い熱伝導率を有することでも知られてい
るが、現状ではその焼結体においては良くても150W
/m・Kの程度の熱伝導率しか得られていない。これは、
窒化アルミニウム焼結体に酸素または金属不純物が固溶
することが原因であり、それによってフォノン散乱が起
こるからであると考えられている。また、これらの不純
物の存在は、焼結体の他の物性、例えば、外観や強度な
どにも悪影響を与えている。従って、窒化アルミニウム
焼結体の特性、特に熱伝導率を向上させるには、焼結用
原料として高純度の窒化アルミニウム粉末を使用するこ
とが条件となる。
【0005】一般に、窒化アルミニウム粉末の工業的製
造法として還元窒化法と直接窒化法が知られているが、
何れの方法によっても、粉末の粒度を調整して数μm以
下の粒径の細かい粉末を得るためには粉砕等を行なう必
要がある。窒化アルミニウムの粉砕方法としては、粉砕
具としてボールやロッド等と窒化アルミニウムの原料粗
粉とを粉砕機内にいれて行なう、ボールミルやロッドミ
ルを用いている。そして、それらボールミル等において
は乾式粉砕法や湿式粉砕法があるが、上述した微細で且
つ粒度が揃っているという条件を満たすためには、湿式
粉砕法が選択される。
【0006】その理由は、湿式粉砕法には、粒子の表面
エネルギーを低下させ、粒子の凝集を防ぐのに有効であ
るという利点があり、サブミクロンオーダーの粒径の粉
末を得るのに適しているからである。その反面、湿式粉
砕法には、粉砕過程中に粉砕機及びボール等の摩耗によ
り被粉砕物(原料粗粉)が汚染を受け易い、或いは被粉
砕物の表面の活性化によりその表面が酸化し易い、など
の欠点がある。従って、粉砕して得られた窒化アルミニ
ウム粉末においては、その粉末中の金属不純物および酸
素の量が増大してしまい、高熱伝導性は得られない。
【0007】そこで、上述した欠点を改善せんがため
に、低摩耗性材質のボールや粉砕機に関する研究がなさ
れている。例えば、特開昭61−146703号では、
粉砕機の内表面を構成する層を窒化アルミニウム層とす
ることが提案されており、それによるとその層が原料粉
末(窒化アルミニウム)と同じ成分であることから不純
物の混入をなくすことができるとしている。また、特公
平4−78563号及び特公平5−10298号では、
ボールの材質をジルコニア質とすることが提案されてお
り、それによると酸素と金属不純物の混入をなくすこと
ができるとともに、粉砕時間が短縮されて粉砕中の窒化
アルミニウムの表面酸化を抑制できるとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た技術には、次のような問題のあることが本発明者によ
ってあきらかとされた。すなわち、特開昭61−146
703号公報に記載されている技術においては、粉砕機
の上記窒化アルミニウム層の摩耗が激しく粉砕効率が悪
い、同窒化アルミニウム層の表面が酸化物で覆われてい
るため粉砕して得られた窒化アルミニウム粉末における
酸素量があまり低減されない、などの欠点があるという
ものである。また、特公平4−78563号公報又は特
公平5−10298号公報に記載されている技術におい
ては、粉砕して得られた窒化アルミニウム粉末にジルコ
ンの混入が起こり、その粉末を用いて得られた窒化アル
ミニウム焼結体の特性、特に色調に影響が生じる、など
の欠点があるというものである。
【0009】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、金属不純物と
酸素による汚染を極力抑制し、以て高熱伝導性の窒化ア
ルミニウム焼結体の製造を可能ならしめる焼結用原料粉
を提供することにある。また、本発明の他の目的は、サ
ブミクロンオーダーの粒径で且つ粒度の揃ってなる高純
度の焼結用原料粉の製造を可能ならしめる窒化アルミニ
ウム粉末の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、粉砕中における金属不純物及び酸素に
よる原料粉末の汚染を極力抑制し、窒化アルミニウムが
有する本来の高熱伝導性を焼結体においても十分に発揮
することができるサブミクロンオーダーの粒径の窒化ア
ルミニウム粉末を開発することを目的として、種々の方
法と条件を検討した結果、本発明の完成に至った。
【0011】本発明に係る窒化アルミニウム粉末におい
ては、レーザー回折法により粒径とその粒径に該当する
粒子の数を求めて表してなる粒度分布曲線の全粒子数の
50%目に該当する粒子の粒子径(D50)が1.2μm
以下であるとともに、上記曲線の全粒子数の90%目に
該当する粒子の粒子径(D90)と同曲線の全粒子数の1
0%目に該当する粒子の粒子径(D10)との比が4以下
であり、且つ陽イオンよりなる不純物の総量が0.1重
量%以下であり、さらに酸素の量が1.7重量%以下で
あることを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る窒化アルミニウム粉末
の製造方法においては、請求項1に記載した窒化アルミ
ニウム粉末を製造するにあたり、窒化アルミニウムより
なる原料粗粉単独、若しくはその原料粗粉に粘結剤、分
散剤、可塑剤及び焼結助剤よりなる群から選ばれた1種
以上の物質を混合してなる混合物を、有機重合体、9
9.5%以上の純度のアルミナ、又はサイアロンよりな
る内表面を有する粉砕機内に、99.5%以上の純度の
アルミナ、又はサイアロンよりなる粉砕具とともにい
れ、有機溶剤中で湿式摩砕処理するようにした。そし
て、上記有機溶剤中の水分の含有量は1000ppm以下
であるとした。
【0013】本発明の内容を更に詳細に説明する。本発
明においては、窒化アルミニウムの原料粗粉の粉砕に湿
式方式を採用する。粉砕機は回転円筒式ミル(ボールミ
ル)、振動ボールミル、遠心式ボールミル、溶媒攪拌式
ミル等であれば機種や大きさ(規模)などの制約を受け
ない。焼結用原料粉となる窒化アルミニウム粉末の純度
を上げるには、粉砕機やボール(粉砕具)等に、有害元
素を含まない耐摩耗性材料を使用する必要がある。
【0014】耐摩耗性材料として、例えば耐溶剤性及び
耐摩耗性を有する有機重合体が挙げられる。耐摩耗性有
機重合体は、原料粗粉の粉砕中に万一混入しても加熱時
に除去可能であるため理想的な材料であるが、その比重
が小さいので粉砕機の内壁材料の使用に限られる。その
材質を具体的に例示すれば、ナイロン、ポリエチレン、
ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、樹脂
類などである。或は、耐摩耗性材料として高純度アルミ
ナ(純度99.5%以上)、サイアロン(SiAlO
N:ケイ素とアルミニウムと酸素と窒素よりなる酸窒化
物系セラミックス)を用いてもよい。
【0015】上記有機重合体は上述したようにボールへ
の使用に付いては不適であるので、ボールに付いては上
記高純度アルミナまたはサイアロンを用いる。この高純
度アルミナボールは、汎用品のアルミナボール(純度9
9.5%未満)と比べて、高耐摩耗性、高強度、高靱性
という優れた特性を有している。また、サイアロンボー
ルは市販のボールの中で最も優れた耐摩耗性を有してい
る。なお、サイアロン中のシリコン(Si)成分は微量
であれば窒化アルミニウム焼結体の特性に何等影響を及
ぼさない。ボールの直径は、通常1mm位から最大でも2
0mm程度であり、好ましくは3mm以上10mm以下程度で
ある。
【0016】上記有機溶剤としては、含有する水分量が
低く且つ塩素など有害元素を含まないものが好ましく、
具体的に例示すれば、トルエン等の芳香族系、アセトン
等のケトン系、ヘキサン等のパラフィン系、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール系などである。原料粗粉の
粉砕が進むにつれて粉末はより化学的に活性となり、溶
剤中の水分と容易に反応してしまうため、予め溶剤中の
水分を極力除去しておく。その際の脱水処理方法は、特
に限定しないが、蒸留、脱水剤などの使用による。
【0017】なお、本発明で用いる窒化アルミニウムの
原料粗粉は直接窒化法、還元窒化法、或はその他の方法
で得られた窒化アルミニウムの粉末であり、特に制限は
ないが粉砕機の構造上、その平均粒径は好ましくは10
μmを越えない程度である。そして、粉砕機の機種に応
じて、粉砕機にその容積の5〜30%程度まで窒化アル
ミニウムの原料粗粉を充填するとともに、その容積の3
0〜70%程度までボールを充填する。粉砕処理におけ
る処理温度を室温とし、処理時間を1〜100時間と
し、特に制限しないが、処理雰囲気を好ましくは水蒸気
を含まないガス、例えば不活性ガス雰囲気とする。
【0018】
【作用】上記した手段によれば、有機重合体、99.5
%以上の純度のアルミナ、又はサイアロンよりなる内表
面を有する粉砕機内に、99.5%以上の純度のアルミ
ナ、又はサイアロンよりなる粉砕具(ボール)とともに
窒化アルミニウムの原料粗粉をいれ、有機溶剤中で湿式
摩砕処理するようにしたため、粉砕機やボールの耐溶剤
性及び耐摩耗性が著しく向上し、粉砕中におけるそれら
粉砕機やボールからの金属不純物の汚染が極力抑制され
る。また、有機溶剤中の水分含有量を1000ppm以下
としたため、粉砕中に窒化アルミニウム粉末の酸化が起
こるのが防止される。従って、サブミクロンオーダーの
粒径で且つ粒度の揃ってなる高純度の窒化アルミニウム
粉末が得られる。
【0019】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の
特徴とするところを明らかとする。 (実施例1〜4)内表面がナイロン樹脂質(有機重合
体)よりなる容積1lのボールミルに、脱水処理済みの
有機溶剤90gと窒化アルミニウム原料粗粉(平均粒径
5.71μm)100gと直径5mmのボール1000g
とを入れ、室温大気下で24〜36時間の湿式粉砕処理
を行った後、70℃で4時間の乾燥を行い、微細な窒化
アルミニウム粉末を得た。実施例1〜2では高純度アル
ミナ(純度99.9%)ボールを使用し、実施例3〜4
ではサイアロン(純度99.9%)ボールを使用した。
また、有機溶剤として、実施例1,3ではイソプロピル
アルコール(IPA)を使用し、実施例2,4ではアセ
トンを使用した。
【0020】ここで、有機溶剤の脱水処理にモレキュラ
シーブス(分子ふるい)を用い、ボールミルの回転数を
100rpmとした。実施例1〜4より得られた各窒化ア
ルミニウム粉末に付いて、その粒度、酸素量及び金属不
純物量などの粉末特性を測定した結果を表1に示す。な
お、参考として、粉砕処理前の窒化アルミニウム原料粗
粉の酸素量及び金属不純物量の粉末特性を測定した結果
も表1に併せて示す。表1において、「D50」は、レー
ザー回折法により粒径とその粒径に該当する粒子の数を
求めて表してなる粒度分布曲線の全粒子数の50%目に
該当する粒子の粒子径、即ち平均粒径のことを意味す
る。
【表1】
【0021】(比較例1〜3)比較例1では汎用品のア
ルミナ(純度93.0%)ボールを使用し、比較例2で
は窒化アルミニウム(純度99.5%)製のボールを使
用し、比較例3ではジルコニア(純度95.0%)質の
ボールを使用した。その他の粉砕条件は上記実施例1と
同じであった(但し、比較例2,3においては粉砕時間
は36時間である)。比較例1〜3より得られた各窒化
アルミニウム粉末に付いて、その粒度、酸素量及び金属
不純物量などの粉末特性を測定した結果を表1に示す。
【0022】(比較例4)汎用品の有機溶剤、即ち予め
脱水処理を行っていない溶剤を使用した。その他の粉砕
条件は上記実施例1と同じであった。得られた窒化アル
ミニウム粉末の粒度、酸素量及び金属不純物量などの粉
末特性の測定結果を表1に示す。
【0023】表1から明らかなように、本発明に係る実
施例1〜4においては、平均粒径が1.2μm以下であ
るとともに、陽イオンよりなる不純物の総量が0.1重
量%以下であり、さらに酸素の量が1.7重量%以下で
ある窒化アルミニウム粉末が得られ、それら粉末は比較
例1〜4より得られてなる粉末に較べて、平均粒径(D
50)、酸素量及び金属不純物量に付いて総合的に優れて
いた。
【0024】(実施例5〜6)高純度アルミナ(純度9
9.9%)ボール又はサイアロン(純度99.9%)ボ
ールを用いて夫々湿式粉砕して得られた上記実施例2又
は実施例4の各窒化アルミニウム粉末と5重量%の焼結
助剤Y203(平均粒径1.2μm)とを12時間にわ
たり湿式混合を行った後、70℃で4時間乾燥して混合
粉末を得た。それら各混合粉末を用いて1000kgf/c
m2の静水圧下でプレス成形した後、窒素雰囲気下におい
て1790℃で3時間常圧焼結を行った。得られた焼結
体の密度と熱伝導率を表2に示す。表2において、「D
10,D50,D90」は、レーザー回折法により粒径とその
粒径に該当する粒子の数を求めて表してなる粒度分布曲
線の全粒子数の夫々10%目,50%目,90%目に該
当する粒子の粒子径のことを意味する。
【表2】
【0025】(比較例5〜7)比較例5では汎用アルミ
ナ(純度93.0%)ボールによる湿式粉砕で得られた
上記比較例1の窒化アルミニウム粉末を使用し、比較例
6,7では振動ミルによる乾式粉砕で得られた窒化アル
ミニウム粉末を使用した。なお、比較例6では分級を行
った。その他の焼結条件は上記実施例5と同じであっ
た。得られた焼結体の密度と熱伝導率を表2に示す。
【0026】表2から明らかなように、本発明に係る実
施例5〜6においては、D90/D10比が4以下の窒化ア
ルミニウム粉末が得られ、またそれら粉末を用いて得ら
れた焼結体は比較例5〜7の焼結体に較べて、密度及び
熱伝導率に優れており、特に180W/m・K以上の高熱伝
導率が得られた。
【0027】なお、本実施例においては、窒化アルミニ
ウム粉末の粒度分布の測定には、レーザー回折法を用
い、窒化アルミニウム粉末中の酸素の定量分析には不活
性ガス融解法を用い、窒化アルミニウム粉末中の金属不
純物の定性及び定量分析にはICP発光分析(indu
ctively coupled plasma at
omic emission spectrometr
y)法を用い、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率の測
定にはレーザーフラッシュ法を用いた。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る窒化アルミニウム粉末及び
その製造方法によれば、粉砕機の内表面及び粉砕具に、
有害元素を含まない耐摩耗性材料を用いることによっ
て、粉砕処理中にそれら粉砕機や粉砕具から出る不純物
で窒化アルミニウム粉末が汚染されるのを極力抑制する
ことができる。また、予め有機溶剤を脱水処理しておく
ことによって、粉砕処理中の窒化アルミニウム粉末が水
和反応を起こすのを極力抑制することができる。従っ
て、金属不純物及び酸素の混入量の極めて少ない平均粒
径1.2μmの窒化アルミニウム粉末を容易に得ること
ができる。
【0029】また、この微細な粉末を用いた焼結におい
ては、その焼結性が改善され、より低温(1800℃以
下)での焼成が可能となる。従って、窒化アルミニウム
焼結体を製造するにあたって、その製造コストの低減が
図れ、且つ工業的量産性にも極めて優れている。また、
得られた窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率は180W
/m・K以上である。このような高熱伝導率は従来達成不
可能であり、本発明は極めて優れた実用価値の高いもの
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー回折法により粒径とその粒径に
    該当する粒子の数を求めて表してなる粒度分布曲線の全
    粒子数の50%目に該当する粒子の粒子径(D50)が
    1.2μm以下であるとともに、上記曲線の全粒子数の
    90%目に該当する粒子の粒子径(D90)と同曲線の全
    粒子数の10%目に該当する粒子の粒子径(D10)との
    比が4以下であり、且つ陽イオンよりなる不純物の総量
    が0.1重量%以下であり、さらに酸素の量が1.7重
    量%以下であることを特徴とする窒化アルミニウム粉
    末。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した窒化アルミニウム粉
    末を製造するにあたり、窒化アルミニウムよりなる原料
    粗粉単独、若しくはその原料粗粉に粘結剤、分散剤、可
    塑剤及び焼結助剤よりなる群から選ばれた1種以上の物
    質を混合してなる混合物を、有機重合体、99.5%以
    上の純度のアルミナ、又はサイアロンよりなる内表面を
    有する粉砕機内に、99.5%以上の純度のアルミナ、
    又はサイアロンよりなる粉砕具とともにいれ、有機溶剤
    中で湿式摩砕処理することを特徴とする窒化アルミニウ
    ム粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記有機溶剤中の水分の含有量は100
    0ppm以下であることを特徴とする請求項2記載の窒化
    アルミニウム粉末の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008280217A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Tokuyama Corp 射出成形用窒化アルミニウム粉末、射出成形用窒化アルミニウム組成物、窒化アルミニウム焼結体および窒化アルミニウム焼結体の製造方法
JP2009525254A (ja) * 2006-01-31 2009-07-09 オスラム シルヴェニア インコーポレイテッド 希土類活性化アルミニウム窒化物粉末およびその製造方法
JP2009179488A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Tokuyama Corp 射出成形用窒化アルミニウム組成物、窒化アルミニウム焼結体および窒化アルミニウム焼結体の製造方法

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