JPH0747971A - 車両用操作装置 - Google Patents

車両用操作装置

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Publication number
JPH0747971A
JPH0747971A JP19643293A JP19643293A JPH0747971A JP H0747971 A JPH0747971 A JP H0747971A JP 19643293 A JP19643293 A JP 19643293A JP 19643293 A JP19643293 A JP 19643293A JP H0747971 A JPH0747971 A JP H0747971A
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JP
Japan
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control lever
swing
shaft
lever
backward
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Pending
Application number
JP19643293A
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English (en)
Inventor
Masaake Sakai
征朱 酒井
Yasuhiro Sugimoto
康弘 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)
  • Non-Deflectable Wheels, Steering Of Trailers, Or Other Steering (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コントロールレバーの操作で車両の意図せぬ
旋回傾向を打ち消し直線性を維持する。 【構成】 回動軸143と共に前後揺動自在な第1揺動
部材145の上端にコントロールレバー121をピン1
49で左右揺動自在に支持し、回動軸143にピン16
3で左右揺動自在に支持した一対の第2揺動部材162
L,162Rを、中立付勢スプリング164でコントロ
ールレバー121の両側面に当接させる。コントロール
レバー121を前後方向に揺動させると車両が前後進
し、左右方向に揺動させると旋回する。コントロールレ
バー121を左右方向に僅かに揺動させると、ピン14
7と開口145a間の隙間分だけ、第1揺動部材145
及び第2揺動部材162L,162Rが一体で揺動し、
車両の意図せぬ旋回傾向が打ち消される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、左右の走行手段にそれ
ぞれ接続された左右の無段変速機の変速アームを、前後
進指令方向及び旋回指令方向に操作可能な1本のコント
ロールレバーに接続して各々独立に制御することにより
車両を前後進及び旋回させる車両用操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる車両用操作装置として、実公昭6
3−13978号公報に記載されたものが公知である。
【0003】上記公報に開示された車両用操作装置は、
一端を枢支した一対の変速アームの他端にそれぞれ形成
した長孔に1本のコントロールレバーを貫通させたもの
で、このコントロールレバーを前後左右に操作すること
により前記一対の変速アームを所定の方向に揺動させ、
各変速アームにロッドを介して接続した左右の無段変速
機の変速比を独立に制御して車両を前後進及び旋回させ
るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる車両
を直進走行させる場合、コントロールレバーを旋回操作
方向に操作していないにもかかわらず、左右の無段変速
機の僅かな出力駆動性能の差によって車両が右旋回又は
左旋回する場合がある。しかしながら、上記従来の車両
用操作装置は前述した車両の意図せぬ旋回傾向を打ち消
すための手段を備えていないため、コントロールレバー
で旋回傾向と逆方向の旋回指令を与えて車両を直進させ
る必要があり、長時間の運転を行う場合に作業者に疲労
を強いる問題がある。
【0005】本発明は、かゝる点に鑑みてなされたもの
で、車両の意図せぬ旋回傾向を補償して直進性を容易に
維持することが可能な車両用操作装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、左右の走行手段にそ
れぞれ接続された左右の無段変速機の変速アームを、前
後進指令方向及び旋回指令方向に操作可能な1本のコン
トロールレバーに接続して各々独立に制御することによ
り車両を前後進及び旋回させる車両用操作装置におい
て、前後進指令方向に回動可能な回動軸と、下端が回動
軸に支持されて該回動軸と共に前後進指令方向に揺動可
能であり、且つ上端にコントロールレバーを旋回指令方
向に揺動可能に支持する第1揺動部材と、回動軸に枢支
されてコントロールレバーの両側に接離可能に当接し、
コントロールレバーの旋回指令方向の揺動に応じて第1
揺動部材から離間する側の旋回指令方向に各々独立に揺
動可能な一対の第2揺動部材と、第2揺動部材の動きを
変速アームに伝達するプッシュプルロッドと、回動軸に
対する第1揺動部材の旋回指令方向の揺動を微小角度だ
け許容する揺動許容手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、一対の第2揺動部材を中立付勢スプ
リングで相互に接近する方向に付勢してコントロールレ
バーの両側に当接させたことを特徴とする。
【0008】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。
【0009】先ず図1において、作業車両としての動力
運搬車1は、荷台2を支持するフレーム3の後端にパワ
ーユニット4が取付けられ、このパワーユニット4の駆
動軸26から駆動される左右一対の駆動輪5,5と、フ
レーム3前部に軸支された左右一対の従動輪6,6との
間にクローラ7,7が巻装される。またフレーム3の中
間部には、各クローラ7の下側帯中間部の内面を押える
複数の案内輪8,8が軸支される。フレーム3に基端を
固着する操向ハンドル9は、パワーユニット4を囲んで
その上方及び後方まで延びる門形に形成され、この操向
ハンドル9の後端、即ち握り部9aの下方でステップ1
0がパワーユニット4に固着される。この動力運搬車1
は、パワーユニット4の出力により駆動輪5を介してク
ローラ7,7を駆動して走行させるもので、その際、走
行ハンドル9を操る作業者は通常歩行するが、ステップ
10に乗ることもある。
【0010】図1〜図3に示すように、フレーム3は左
右一対の主フレーム11,11と、両主フレーム11,
11間をその前方寄り中間部で連結するクロスメンバ1
2と、両主フレーム11,11間をその後方寄り中間部
で連結する支持枠13とからなっており、各主フレーム
11の後端にはパワーユニットブラケット14が溶接さ
れている。
【0011】支持枠13は、左右の主フレーム11,1
1との結合部から上方後向きの斜め方向に延出してお
り、クローラ7より高い中間部に段部13aを有し、そ
の段部13aに溶接された後部受台15rと、両主フレ
ーム11,11の前端に固着されてクローラ7の上方へ
延出する前部受台15f上に荷台2が取付けられる。
【0012】また支持枠13上部の左右両側壁には、操
向ハンドル9の左右の基端を支持する一対のハンドルブ
ラケット16,16がボルト17で固着される。
【0013】図2及び図3に示すように、パワーユニッ
ト4は、ミッションケース18と、このミッションケー
ス18の上部にボルト19で固着された断面コ字形の原
動機ベッド20と、この原動機ベッド20上に搭載され
る原動機としての内燃エンジン21とを備えており、ミ
ッションケース18は車両の後方上向きに一定角度傾斜
させた姿勢をもって左右の前記パワーユニットブラケッ
ト14,14にボルト22で固着される。またエンジン
21は、その出力軸としてのクランク軸23が駆動軸2
6の略直上でそれと平行となり、且つシリンダブロック
24がミッションケース18と同方向へ傾斜するように
配置される。
【0014】而して、ミッションケース18及びシリン
ダブロック24の後方傾倒配置は、パワーユニット4の
全高を低くして、車両の低重心化に寄与する。またクラ
ンク軸23の駆動軸26直上配置は、ミッションケース
18及びシリンダブロック24の後方傾倒配置と相俟っ
てパワーユニット4のコンパクト化に寄与する。
【0015】また原動機ベッド20は、前端部が前記支
持枠13にボルト32で固着される。したがって原動機
ベッド20、ミッションケース18、支持枠13及び主
フレーム11,11は、閉鎖された剛体枠を構成し、こ
れによってフレーム3が補強されると共に、パワーユニ
ット4の支持剛性が強化される。
【0016】図4に示すように、ミッションケース18
は、ボルト29で結合された左右一対のケース半体2
8,28と、これらケース半体28,28の下端部外側
面に通しボルト32で結合される左右一対のカップ状の
ブレーキカバー30,30からなっており、各ブレーキ
カバー30には前記パワーユニットブラケット14にボ
ルト22で固着される上下一対のボス30a,30aが
一体に形成されている。
【0017】またパワーユニット4は、ミッションケー
ス18の上部両外側面に装着された左右一対の静油圧式
無段変速機(以下、HSTという)25,25と、これ
らHST25,25の後述するモータ軸51,51とミ
ッションケース18の下端部に支承される左右一対の駆
動軸26,26との各間をミッションケース18内にお
いて連結する左右一対の減速機27,27とを備える。
【0018】各減速機27は、それと同側のモータ軸5
1の内端に固着された駆動ギヤ33と、この駆動ギヤ3
3に大径ギヤ34aを噛合させる第1段付ギヤ34と、
この第1段付ギヤ34の小径ギヤ34bに大径ギヤ35
aを噛合させる第2段付ギヤ35と、それを同側の駆動
軸26の内端に固着されて第2段付ギヤ35の小径ギヤ
35bと噛合する被動ギヤ36とからなっている。左右
の第1及び第2段付ギヤ34,34;35,35は左右
のケース半体28,28間に横架された共通の第1及び
第2アイドル軸37,38に回転自在に支承される。こ
れらアイドル軸37,38は駆動軸26,26と平行に
配置される。
【0019】而して、各減速機27は、同側のモータ軸
51の回転を第1及び第2段付ギヤ34,35により3
段階も減速して同側の駆動軸26に伝達するので、車両
の直進時、左右のモータ軸51,51間に多少の回転差
が生じても、駆動軸26,26への影響を小さく抑える
ことができる。
【0020】図5及び図6に示すように、左右のHST
25,25は同一構造のものを対称的に配置したもので
ある。各HST25は、同側のケース半体28外側面に
分離可能にボルト結合された分配板39と、この分配板
39にボルト41で結合されたハウジング40と、この
ハウジング40内に配設される油圧ポンプ42及び油圧
モータ43とを備えている。油圧ポンプ42は、分配板
39を貫通するポンプ軸44と、このポンプ軸44にス
プライン結合されて分配板39に回転摺動自在に密接す
るポンプ本体45と、ポンプ軸44を囲む環状の配列状
態でポンプ本体45に摺動自在に嵌装された多数のポン
ププランジャ46,46…と、これらポンププランジャ
46,46…の外端に当接するポンプ斜板47と、その
背面をスラストベアリング48を介して支承する斜板ホ
ルダ49とから構成され、その斜板ホルダ49は、軸線
がポンプ軸44の軸線と直交する一対のトラニオン軸5
0,50を介してハウジング40に支承されており、ポ
ンプ斜板47をポンプ軸44と直交する直立位置(中立
位置)を経て一方の最大傾斜位置(直進TOP位置)と
他方の最大傾斜位置(後進TOP位置)との間で傾動さ
せ得るようになっている。
【0021】他方、油圧モータ43は、分配板39を貫
通するモータ軸51と、このモータ軸51にスプライン
結合されて分配板39に回転摺動自在に密接するモータ
本体52と、モータ軸51を囲む環状の配列状態でモー
タ本体52に摺動自在に嵌装された多数のモータプラン
ジャ53,53…と、これらモータプランジャ53,5
3…の外端に当接するモータ斜板54とから構成され、
そのモータ斜板54の背面はモータ軸51に対し一定角
度傾斜した状態でハウジング40にスラストベアリング
55を介して支承される。左右の各斜板ホルダ49のト
ラニオン軸50の外端には変速レバー120のボス12
0aが嵌着され、この変速レバー120を回動すること
により各ポンプ斜板47の角度を調節することができ
る。この変速レバー120は、後から詳述するように操
向ハンドル9に設けられたコントロールレバー121
(図1参照)により操作される。
【0022】図19に示すように、各HST25におい
て、油圧ポンプ42及び油圧モータ43間は油圧閉回路
56により相互に接続される。油圧閉回路56には、そ
の高圧側及び低圧側間を接続するバイパス路57が設け
られ、これにマニュアル操作で開閉されるクラッチ弁5
8が介装される。油圧ポンプ42には、そのポンプ軸4
4により駆動される補給ポンプ59が連結される。この
補給ポンプ59は油溜60から作動油を汲上げて給油路
61へ圧送するもので、その給油路61は油圧閉回路5
6の高圧側及び低圧側にそれぞれ一方向弁62,62を
介して接続される。また給油路61は、互いに並列関係
のリリーフ弁63及び吸入弁64を介して油溜60に接
続される。
【0023】而して、クラッチ弁58の閉鎖時、前記ポ
ンプ斜板47の前進側への傾斜状態で油圧ポンプ42を
駆動すれば、油圧閉回路56を作動油が実線矢印方向へ
流れ、このときの油圧ポンプ42の容量と油圧モータ4
3の容量との比を変速比として油圧モータ43のモータ
軸51は正転し、反対にポンプ斜板47が後進側へ傾斜
していれば、油圧閉回路56を作動油が点線矢印方向へ
流れ、モータ軸51は逆転する。この間、油圧閉回路5
6に漏油を生じれば、そのときの低圧側に対応する一方
向弁62が開き、補給ポンプ59から油圧閉回路56に
作動油の補給が行われる。給油路61が一定値以上に昇
圧した場合には、リリーフ弁63が開いて給油路61の
過度の昇圧を防ぎ、またエンジンブレーキにより油圧閉
回路56において高圧側と低圧側とが急激に反転した場
合、その低圧側への補給ポンプ59による作動油の補給
が不足するときには、吸入弁64が開いて油溜60の油
を該低圧側へ吸入させ、これにより油圧閉回路56の空
気の吸込みを防ぐことができる。
【0024】以上、一方のHST25について説明した
が、他方のHST25についても同様のことがいえる。
尚、他方のHST25の各部材の符号は、一方のHST
25のそれに対応している。
【0025】再び図5において、前記油圧閉回路56、
補給ポンプ59、給油路61、一方向弁62,62、リ
リーフ弁63及び吸入弁64は分配板39に設けられ
る。尚、油圧閉回路57及び一方向弁62は図5には表
われていない。
【0026】また前記油溜60はミッションケース18
の両ケース半体28,28間に画成される。そして分配
板39の内側には、補給ポンプ59及び吸入弁64の各
吸入口を覆って油溜60に浸漬されるオイルフィルタ6
5が装着され、補給ポンプ59及び吸入弁64に供給す
べき作動油を濾過するようになっている。
【0027】ポンプ軸44及びモータ軸51は共に前記
駆動軸26と平行に配置される。そして左右の両ポンプ
軸44,44は油溜60においてジョイント66を介し
て直結され、また一方のポンプ軸44にはハウジング4
0外に突出する入力軸67が圧入結合される。したがっ
て、入力軸67を回転すれば、左右のポンプ軸44,4
4を同時に駆動することができる。
【0028】ところで、フレーム3から前後方向外方へ
傾倒したミッションケース18の上端部外側面に装着さ
れたHST25は、フレーム3やクローラ7から離隔し
た位置を占めることになるから、HST25のポンプ軸
44及びモータ軸51が駆動軸26と平行であることゝ
相俟ってHST25の分解、組立を容易に行うことがで
き、メンテナンス上、有利である。また、ミッションケ
ース18の内部を油溜60として、それに浸漬される補
給ポンプ59を装着した分配板39をミッションケース
18外側面に接合したことは、配管を不要にして構造を
簡素化すると共に、作動油漏れの減少を図る上に有効で
ある。
【0029】再び図3において、エンジン21のクラン
ク軸23及びHST25の入力軸67間はクラッチ機能
を有する伝動装置68を介して連結され、通常はカバー
78(図1参照)で覆われる。この伝動装置68は、ク
ランク軸23及び入力軸67にそれぞれ固着された駆動
プーリ69及び被動プーリ70と、これらプーリ69,
70間に巻掛けられたベルト71と、このベルト71の
緊締力を制御するベルトテンショナ72とから構成され
る。ベルトテンショナ72は、ミッションケース18に
軸支74されたアーム73の揺動端にベルト71の弛み
側に接するテンショナプーリ75とを備え、アーム73
にはコイルばね76を介してテンショナケーブル77が
接続される。而して、テンショナケーブル77を牽引し
てコイルばね76に引張力を加えると、この引張力がア
ーム73に伝達してテンショナプーリ75をベルト71
に圧接し、ベルト71は緊張状態となって動力伝達を可
能にし、反対にコイルばね76を緩めれば、ベルト71
は弛緩状態となって動力伝達を遮断する。
【0030】再び図4において、左右の各駆動軸26
は、同側のケース半体28及びブレーキカバー30にベ
アリング80,81を介して支承される。そして左右両
駆動軸26,26は、内端を相対回転可能に衝合させて
いる。各駆動軸26の外端部にはハブ82がキー83及
びボルト84により固着され、このハブ82に溶接され
た取付板85に駆動輪5がボルト86で固着される。こ
の駆動輪5に係合するクローラ7は、駆動輪5の内、外
側方へ張出しており、クローラ7の上側帯の内方張出部
7aは、HST25とブレーキカバー30によって画成
される空所87に突入させてある。こうすることによ
り、クローラ7をHST25に干渉されることなくミッ
ションケース18に接近させて所望のトレッドを設定す
ることができる。
【0031】左右の各ブレーキカバー30は、同側のケ
ース半体28との間に乾式のブレーキ室88を画成して
おり、このブレーキ室88に、対応する駆動軸26をそ
れぞれ制動するための内拡式ドラムブレーキ89が設け
られる。各ドラムブレーキ89は、対応する駆動軸26
にスプライン結合されたブレーキドラム90と、このブ
レーキドラム90内に配設されるブレーキシュー91と
を備え、そのブレーキシュー91の一端は、対応するケ
ース半体28に固設されたアンカピン92に揺動可能に
支持され、他端は同ケース半体28を貫通してそれに回
転可能に支承されるブレーキカム軸94のカム部94a
に係合される。したがって、ブレーキカム軸94を作動
方向に回動すれば、ブレーキシュー91を拡張させてブ
レーキドラム90の内周面に圧接させ、対応する駆動軸
26を制動することができ、またブレーキカム軸94を
戻し方向へ回動すれば、図示しない戻しばねの力でブレ
ーキシュー91は収縮して駆動軸26に対する制動を解
除することができる。
【0032】図7に示すように、ケース半体内28に突
入した左右の各ブレーキカム軸94の内端には作動レバ
ー95が固着される。またクローラ7の上方でこれと平
行な中継軸96が各ケース半体28を貫通してそれに回
転可能に支承される。この中継軸96の、ケース半体2
8外側に突出した外端には外側レバー98が、またケー
ス半体28内に突入した内端に内側レバー99がそれぞ
れ固着され、その内側レバー99とブレーキカム軸94
の作動レバー95とは連動リンク100を介して連結さ
れる。左右の各外側レバー98にはブレーキケーブル1
01が接続され、また該レバー98は戻しばね102の
力でブレーキカム軸94の戻り方向へ付勢されている。
【0033】こうして、クローラ7の上方位置を占める
中継軸96から下方のブレーキ89系統をミッションケ
ース18内に収めたので、クローラ7で掻上げられる土
砂から該ブレーキ系統を保護することができる。
【0034】図8及び図9において、操向ハンドル9の
左右両側部に固設されて下方へ突出したレバーブラケッ
ト103には、ハンドルレバー104の左右のアーム部
104bが水平方向の枢軸105を介して支持され、ハ
ンドルレバー104は、図9に示すように、その握り部
104aが操向ハンドル9の握り部9aに近接した走行
位置Aと、同握り部104aが操向ハンドル9の握り部
9aより前方下側に離隔した停止位置Bとの間を回動す
ることができる。このハンドルレバー104に前記テン
ショナケーブル77及び左右のブレーキケーブル10
1,101が次のように接続される。
【0035】即ち、ハンドルレバー104の右アーム部
104bには、枢軸105より握り部104a側に偏位
した第1接続軸106と、枢軸105より第1接続軸1
06と反対側へ偏位した第2接続軸107とが設けら
れ、第1接続軸106にテンショナケーブル77が接続
され、また第2接続軸107にはばね筒108が揺動可
能に連結される。
【0036】ばね筒108には、図9に示すように、該
筒108の先端壁を貫通するロッド109と、このロッ
ド109の内端に固定したリテーナ110に可動端を当
接させる圧縮コイルばね111とが収納される。そして
ロッド109の外端には主ブレーキケーブル112の一
端が接続され、その他端にはイコライザ113を介して
左右のブレーキケーブル101,101が接続される。
イコライザ113は、主ブレーキケーブル112の牽引
力を左右のブレーキケーブル101,101に均等に分
配する公知のものである。
【0037】またハンドルレバー104の右アーム部1
04bには、枢軸105から握り部104a側へ偏位し
た係止軸114が設けられ、この係止軸114と、操向
ハンドル9のクロスメンバ9bに固設した係止板115
との間にコイルばねからなるブレーキばね116が張設
される。このブレーキばね116の引張力はばね筒10
8内の圧縮コイルばね111の圧縮力よりも大きく設定
される。またこのブレーキばね116の作用線117
は、ハンドルレバー104の回動に伴い枢軸105の軸
線と交差する思案点Cを経て上方又は下方へ移動するよ
うになっており、上記思案点Cはハンドルレバー104
が走行位置Aから下方へ僅少角度回動した位置に設定さ
れる。したがって、ハンドルレバー104は思案点Cを
上方へ越えると、ブレーキばね116の引張力により走
行位置A側へ付勢され、反対に思案点Cを下方へ越える
と、ブレーキばね116の引張力により停止位置B側へ
付勢される。
【0038】尚、図8中、符号119は前記エンジン2
1の絞弁を制御するスロットルレバーを示す。
【0039】而して、図9に実線で示すように、ハンド
ルレバー104を停止位置Bから走行位置Aまで回動す
ると、第1接続軸106が後方へ移動してテンショナケ
ーブル77を牽引し、コイルばね76に引張力を加える
ので、前述のようにベルト71が緊締状態となって、ク
ランク軸23から入力軸67への動力伝達を可能にす
る。
【0040】一方、第2接続軸107は第1接続軸76
とは反対に前方へ移動することになるから、これにより
ばね筒108内の圧縮コイルばね111の反発力が弱め
られ、主ブレーキケーブル112及び左右のブレーキケ
ーブル101,101は弛緩状態となる。その結果、左
右の各外側レバー98は戻しばね102の力により連動
リンク100を介してブレーキカム軸94を戻し方向へ
回動するので、前述のように左右のブレーキ89,89
は共に解除状態となる。
【0041】次に、前記コントロールレバー121の操
作により動力作業車1を前後進及び左右旋回させるため
の操作装置122の構造を、図8及び図11〜図16に
基づいて詳述する。
【0042】図8に示すように、操向ハンドル9の握り
部9a及びクロスメンバ9b間に配設される操作装置1
22は、クロスメンバ9bに溶接した左右一対のステー
123,123の後端にボルト124,124を介して
固定される。操作装置122の左右両端から前方に延び
る左右のコントロールケーブル125L,125Rは、
それぞれクロスメンバ9bに溶接したブラケット12
6,126に設けたガイド部材127,127に案内さ
れ、それらの前端は左右のトラニオン軸50,50に設
けた変速レバー120,120に結着される(図6参
照)。コントロールレバー121によって左右のコント
ロールケーブル125L,125Rを独立に操作する
と、左右のHST25,25を介してクローラ7,7の
回転速度及び回転方向が変化し、動力作業車1を前後進
及び左右旋回させることができる。
【0043】図11〜図16に示すように、操作装置1
22の本体ハウジング128は板材を断面矩形状に屈曲
させて上面中央部を開口させた部材からなり、操向ハン
ドル9のクロスメンバ9bに溶接した左右一対のステー
123,123の後端にボルト124,124で固定さ
れる。本体ハウジング128の前部及び後部に溶接した
前後各一対のL字状のステー129,129;130,
130には、板材を上方に凸な断面U字状に湾曲させて
なるガイドプレート131がボルト132…で固定され
る。
【0044】ガイドプレート131に形成された開口部
には左右一対のガイド部材133,133が互いに対向
するように溶接されており、前記開口部とガイド部材1
33,133とによって、コントロールレバー121の
可動範囲を規制する前部ガイド孔134及び後部ガイド
孔135が画成される。共に五角形状をなす前部ガイド
孔134及び後部ガイド孔135の連通部はコントロー
ルレバー121が通過し得るだけの細幅に形成されてお
り、ここがコントロールレバー121のニュートラル位
置となる(図12参照)。
【0045】後から詳述するように、コントロールレバ
ー121が前部ガイド孔134内で操作されるときに動
力運搬車1は前進走行し、後部ガイド孔135内で操作
されるときに動力運搬車1は後進走行する。そして、コ
ントロールレバー121が前記ニュートラル位置にある
とき、動力運搬車1は走行を停止する。
【0046】図16から明らかなように、本体ハウジン
グ128の左側の側壁128aには、軸部136a、フ
ランジ部136b及び連結部136cを有するボス部材
136が回転自在に嵌合する。ボス部材136の軸部1
36aには3枚のワッシャ137,138,139及び
1枚のスプリングワッシャ140が嵌合し、軸部136
aの端面に当接するワッシャ141を介してボルト14
2で固定される。従って、本体ハウジング128の左側
の側壁128aはスプリングワッシャ140の弾発力に
よって2枚のワッシャ137,138間に挟持され、こ
れによりボス部材136は本体ハウジング128に対し
て所定の回転抵抗を与えられる。そして、ボス部材13
6の連結部136cにパイプ状の回動軸143の左端部
が嵌合してピン144で固定される。尚、回動軸143
の右端は本体ハウジング128の右側の側壁128aを
貫通して支持される(図11参照)。
【0047】図14〜図16から明らかなように、側面
視でU字状に形成された第1揺動部材145が回動軸1
43の中央部を挟むように嵌合しており、回動軸143
を貫通する下部枢支ピン146によって左右揺動自在に
枢支される。下部枢支ピン146の左右両側において回
動軸143を貫通する更に2本の揺動規制ピン147,
147は、第1揺動部材145に形成した開口145
a,145aに遊嵌する(図16参照)。従って、第1
揺動部材145は、揺動規制ピン147,147と開口
145a,145aとの間の隙間分だけ、下部枢支ピン
146回りに僅かに揺動することができる。第1揺動部
材145の上端にはブロック体148が上部枢支ピン1
49を介して左右揺動自在に枢支されており、このブロ
ック体148にコントロールレバー121の下端が圧入
により固定される。
【0048】コントロールレバー121の上部外周を覆
うグリップ121aの上端にはプシュボタン150が設
けられる。プシュボタン150に接続されたプッシュロ
ッド151はコントロールレバー121の内部を下方に
延びており、その下端と前記ブロック体148との間に
戻しばね152が縮設される。プッシュロッド151の
下端を左右方向に貫通する係止ピン153は、コントロ
ールレバー121の側壁に上下方向に形成した長孔12
1b,121bを介して外部に延出する。プシュボタン
150が押されていないとき、戻しばね152の弾発力
で係止ピン153は長孔121b,121bの上端に位
置しており、戻しばね152の弾発力に抗してプシュボ
タン150を押圧すると、係止ピン153は長孔121
b,121bの下端に移動する。
【0049】ガイドプレート131に設けたガイド部材
133,133の内面には、左右一対の規制部材15
4,154がそれぞれピン155,155を介して揺動
自在に吊り下げ支持される。各規制部材154は下向き
に突出して前記係止ピン153に当接可能な係止部15
4aを備えると共に、ガイド部材133の上部内面に当
接して規制部材154の前後揺動角を規制する一対のス
トッパ部154b,154bを備える(図14参照)。
【0050】而して、コントロールレバー121をニュ
ートラル位置に向けて移動させるとき、あるいはコント
ロールレバー121をニュートラル位置を通過させて移
動させるとき、コントロールレバー121に設けた係止
ピン153が規制部材154,154の係止部154
a,154aに係合するため、コントロールレバー12
1はニュートラル位置において一旦停止する。この状態
からプシュボタン150を押すと係止ピン153が下降
して規制部材154,154の係止部154a,154
aを乗り越えるため、コントロールレバー121はニュ
ートラル位置を通過して両ガイド孔134,135間を
行き来できるようになる。
【0051】上述のように、車両を停止させる場合にコ
ントロールレバー121をニュートラル位置に確実に停
止させることができるばかりか、コントロールレバー1
21をニュートラル位置を通過させて行き来させる場
合、すなわち動力運搬車1を前進走行状態から後進走行
状態に移行させる場合、あるいは逆に後進走行状態から
前進走行状態に移行させる場合に、動力運搬車1を必ず
一旦停止させて急激な慣性力の発生を抑えることができ
る。
【0052】尚、規制部材154の前後のストッパ面1
54b,154bの角度をそれぞれ変更することによ
り、或いは係止ピン153がニュートラル時に当接する
係止部154aの形状を変更することにより、ニュート
ラル時におけるコントロールレバー121の牽制位置を
容易に変更することができる。このように振子状の規制
部材154の形状を変えるだけの簡単な変更でニュート
ラル位置の設定を行うことが可能となり、しかも操作装
置のリンク系の誤差を容易に吸収することが可能とな
る。
【0053】図11〜図16から明らかなように、本体
ハウジング128の上面に植設した左右一対のピン15
6,156に、左右一対の変速アーム157L,157
Rの基端がカラー158,158を介して前後揺動自在
に支持される。各カラー158の外周に巻き付けられて
両端が本体ハウジング128の開口128b,128b
に係止されたニュートラル位置規制スプリング159に
より、両変速アーム157L,157Rはニュートラル
位置、すなわち一直線上を左右方向に延びる位置に安定
的に保持される。
【0054】変速アーム157L,157Rの先端には
該変速アーム157L,157Rの長手方向に沿って延
びる長孔157a,157aが形成されており、この長
孔157a,157aにピン160,160(図13参
照)を介して摺動自在に支持された外側ボールジョイン
ト161,161に、前記コントロールケーブル125
L,125Rがそれぞれ結着される(図12参照)。
【0055】一方、第1揺動部材145の左右両側にお
いて、一対の第2揺動部材162L,162Rの下端が
各々ピン163,163を介して回動軸143に左右揺
動自在に枢支される。一対の第2揺動部材162L,1
62Rは前後一対の中立付勢スプリング164,164
により相互に接近する方向に付勢されており、それらの
内端に形成された円弧状の凹部162a,162aがコ
ントロールレバー121の外周に当接し、且つそれらの
対向面が第1揺動部材145の左右外側面に当接するこ
とによりニュートラル位置に安定的に保持される(図1
3及び図16参照)。
【0056】一対の第2揺動部材162L,162Rの
外端には各々内側ボールジョイント165,165が設
けられており、これら内側ボールジョイント165,1
65と前記外側ボールジョイント161,161とがタ
ーンバックル式に長さを調節し得る一対のプッシュプル
ロッド166L,166Rで連結される。コントロール
レバー121がニュートラル位置にあるとき、プッシュ
プルロッド166L,166Rは変速アーム157L,
157Rの上部に重なっており、このとき外側ボールジ
ョイント161,161のピン160,160は変速ア
ーム157L,157Rの長孔157a,157aの外
端に当接している(図13参照)。
【0057】回動軸143、第1揺動部材145、第2
揺動部材162L,162R及びプッシュプルロッド1
66L,166Rは、コントロールレバー121と左右
の変速アーム157L,157Rとを接続する変速アー
ム駆動手段167L,167Rを構成する(図11参
照)。また、ピン160,160及び長孔157a,1
57aは、変速アーム駆動手段167L,167Rの動
きが変速アーム駆動手段167L,167Rに伝達する
のを一時的に規制するロストモーション機構を構成す
る。
【0058】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用について説明する。
【0059】エンジン21から入力軸67に伝達した動
力は左右のHST25,25に分配されて適宜変速され
た後、それぞれ減速機27,27を介して左右の駆動軸
26,26に伝達し、駆動輪5,5を介して左右のクロ
ーラ7,7を駆動することにより動力運搬車1を走行さ
せる。このとき、左右のコントロールケーブル125
L,125Rを共に図12の矢印F方向に移動させる
と、左右のHST25,25において両ポンプ斜板4
7,47が前進側へ傾動し、両モータ軸51,51が正
転して動力運搬車1を前進させることができる。また、
左右のコントロールケーブル125L,125Rを共に
図12の矢印R方向に移動させると、両ポンプ斜板4
7,47が後進側へ傾動し、両モータ軸51,51が逆
転して動力運搬車1を後進させることができる。更に、
左右のコントロールケーブル125L,125Rの移動
量を異ならせれば、左右のモータ軸51,51の回転速
度に差を生じさせて動力運搬車1を旋回させることがで
きる。更にまた、左右のコントロールケーブル125
L,125Rを互いに逆方向に移動させると、左右のモ
ータ軸51,51を互いに反対方向へ回転させて動力運
搬車1を超信地旋回させることができる。
【0060】前記左右のコントロールケーブル125
L,125Rの動きは、1本のコントロールレバー12
1を前後進操作方向(前後方向)及び旋回操作方向(左
右方向)に操作することによって制御される。以下、コ
ントロールレバー121とコントロールケーブル125
L,125Rとの連動関係を詳述する。
【0061】コントロールレバー121が図17のP0
位置(ニュートラル位置)にあるとき動力運搬車1は停
止している。このとき左右方向に真っ直ぐ延びた左右の
変速アーム157L,157Rの上部に左右のプッシュ
プルロッド166L,166Rが重なっており、左右の
プッシュプルロッド166L,166Rの先端に設けた
外側ボールジョイント161,161のピン160,1
60は、左右の変速アーム157L,157Rの長孔1
57a,157aの外端に位置している(図18(A)
参照)。
【0062】この状態から動力運搬車1を前進走行させ
るべくコントロールレバー121を前部ガイド孔134
の内部に向けて前方に揺動させると、コントロールレバ
ー121に第1揺動部材145を介して接続された回動
軸143が前方に揺動し、この回動軸143に支持され
た左右の第2揺動部材162L,162Rも前方に揺動
する。その結果、左右の第2揺動部材162L,162
Rの上端に設けた内側ボールジョイント165,165
が前方に移動し、この内側ボールジョイント165,1
65にプッシュプルロッド166L,166Rを介して
接続された外側ボールジョイント161,161が前方
内側に引っ張られる(図18(B)参照)。
【0063】しかしながら、当初外側ボールジョイント
161,161に設けたピン160,160は左右の変
速アーム157L,157Rの長孔157a,157a
の外端に位置しており、しかも変速アーム157L,1
57Rはニュートラル位置規制スプリング159,15
9でニュートラル位置に付勢されているため、前記ピン
160,160が長孔157a,157aの内端に達す
るまで変速アーム157L,157Rは揺動しない。す
なわち、コントロールレバー121を図17のP0位置
から僅かに前方に揺動させてP1位置に達するまでの
間、左右のコントロールケーブル125L,125Rは
移動せず、したがって動力運搬車1は停止状態にある。
【0064】コントロールレバー121をP1位置から
P2位置まで更に前方に揺動させると、内側ボールジョ
イント165,165が更に前進することにより、外側
ボールジョイント161,161のピン160,160
に長孔157a,157aの内端を引かれた左右の変速
アーム157L,157Rが、ニュートラル位置規制ス
プリング159,159に抗して等しい角度だけ前方に
揺動する(図18(C)参照)。その結果、左右のコン
トロールケーブル125L,125Rが矢印F方向に同
量だけ移動し、その移動量(すなわちコントロールレバ
ー121の前方揺動量)に応じた速度で動力運搬車1が
前進を開始する。
【0065】コントロールレバー121が図17のP2
位置にあって動力運搬車1が前進走行しているとき、例
えば動力運搬車1を右旋回させるべくコントロールレバ
ー121をP2位置からP3位置へ右側に揺動させたと
する。これにより、コントロールレバー121は上部枢
支ピン149を中心に右側に倒れ、右側の第2揺動部材
162Rを中立付勢スプリング164,164に抗して
ピン163回りに右側の揺動させる。このとき、左側の
第2揺動部材162Lは第1揺動部材145に当接して
原位置に保持される。
【0066】前述のようにして右側の第2揺動部材16
2Rが右側に倒れると、右側の内側ボールジョイント1
65及びプッシュプルロッド166Rを介して右側の外
側ボールジョイント161が外側に押し戻され、右側の
変速アーム157Rの前方揺動量が左側の変速アーム1
57Lの前方揺動量よりも小さくなる(図18(D)参
照)。その結果、右側モータ軸51の回転数が左側のモ
ータ軸51のそれよりも小さくなり、動力運搬車1はコ
ントロールレバー121の右側揺動量に応じた曲率で右
旋回する。
【0067】コントロールレバー121をP3位置から
P4位置まで更に右側に揺動させると、右側の変速アー
ム157Rはニュートラル位置を越えて後方に揺動し、
右側のコントロールケーブル125Rがニュートラル位
置を越えて矢印R方向に移動することにより右側モータ
軸51が逆転する。一方、左側モータ軸51は依然とし
て正回転しているため、動力運搬車1は右回りに超信地
旋回する(図18(E)参照)。
【0068】右側の変速アーム157Rが図18(D)
の位置から(E)に位置へ向けて後方に揺動する間にニ
ュートラル位置に達したとき、それまで長孔157aの
内端に当接していたピン160が長孔157aの外端に
当接する位置までスライドする。その間、後方に揺動し
つつあった変速アーム157Rはニュートラル位置にお
いて一旦停止するため、それまで正回転していた右側モ
ータ軸51は僅かなタイムラグを以て逆回転を開始す
る。これにより、モータ軸51の回転が減速から逆方向
への加速にスムーズに移行できるだけの時間的余裕を確
保され、通常旋回から超信地旋回へスムーズに移行させ
ることができる。
【0069】上述のようにして動力運搬車1が旋回して
いるとき、コントロールレバー121から手を離すと、
中立付勢スプリング164,164の弾発力によってコ
ントロールレバー121が自動的に左右方向中央位置に
復帰し、動力運搬車1は最初の前進走行状態に復帰す
る。コントロールレバー121から手を離したとき、コ
ントロールレバー121を支持する回動軸143と本体
ハウジング128との間にスプリングワッシャ140に
よる摩擦力が作用しているため(図16参照)、コント
ロールレバー121の前後方向位置が変化することはな
い。
【0070】以上、動力運搬車1を右旋回させる場合に
ついて説明したが、左旋回させる場合も左側の変速アー
ム157Lと右側の変速アーム157Rとの関係が入れ
代わるだけで、実質的な作用は同じである。また、動力
運搬車1を後進走行させる場合にはコントロールレバー
121をガイドプレート131の後部ガイド孔135の
内部で操作するが、その場合にも変速アーム157L,
157Rが前述した前進走行の場合と前後対称な動きを
するだけで、実質的な作用は同じである。尚、理解を容
易にするために図17ではコントロールレバー121を
前側及び右側にL字状の経路で操作する場合を例示した
が、コントロールレバー121を前部ガイド孔134及
び後部ガイド孔135の内部において任意の経路で操作
できることは勿論である。
【0071】また、コントロールレバー121を前部ガ
イド孔134から後部ガイド孔135に移動させて前進
走行から後進走行に切り換えるとき、あるいはコントロ
ールレバー121を後部ガイド孔135から前部ガイド
孔134に移動させて後進走行から前進走行に切り換え
るとき、コントロールレバー121に設けた係止ピン1
53が規制部材154,154の係止部154a,15
4aに係合してコントロールレバー121はニュートラ
ル位置において一旦停止するため、プシュボタン150
を押して係止ピン153と規制部材154,154との
係合を解除してからコントロールレバー121を再移動
させる必要がある。このように、前後進の切り換えを積
極的に遅らせることにより、モータ軸51,51の回転
が減速から逆方向への加速にスムーズに移行できるだけ
の時間的余裕を持たせ、慣性力によるショックの発生を
抑えることができる。
【0072】また、コントロールレバー121を前方又
は後方に揺動させて動力運搬車1を直進走行させると
き、左右の油圧モータ42,42間あるいは左右の油圧
ポンプ43,43間の僅かな特性の違いによって左右の
クローラ7,7の回転速度に差が生じ、作業者の意図に
反して動力運搬車1の進路が左右にずれる場合がある。
このような場合、コントロールレバー121を意図せぬ
旋回方向と反対側に軽く倒すことにより、動力運搬車1
を直進走行させることができる。
【0073】すなわち、例えば動力運搬車1の意図せぬ
旋回傾向を打ち消すべく、図20に示すようにコントロ
ールレバー121を左右何れかの方向に軽く倒すと、コ
ントロールレバー121の下部が中立付勢スプリング1
64,164で付勢された左右の第2揺動部材162
L,162Rによって挟持されているため、コントロー
ルレバー121は第1揺動部材145と一体化された状
態で下部枢支ピン146回りに揺動する。このとき、コ
ントロールレバー121及び第1揺動部材145の揺動
可能範囲は、回動軸143に植設した左右一対の揺動規
制ピン147,147と第1揺動部材145に形成した
左右一対の開口145a,145aとの間の隙間の範囲
に限られる。
【0074】尚、揺動規制ピン147,147が開口1
45a,145aの内周に当接して第1揺動部材145
の左右方向の揺動が規制された後、コントロールレバー
121を更に強く揺動させると、コントロールレバー1
21は中立付勢スプリング164,164に抗して何れ
か一方の第2揺動部材162L,162Rを揺動させな
がら上部枢支ピン149回りに揺動することになり、前
述した通常の旋回が行われることになる。このとき、他
方の第2揺動部材162L,162Rはその近傍に位置
する第1揺動部材145の側面に当接して揺動を規制さ
れ、他方側のHST25の前後進状態がそのまま維持さ
れる。
【0075】而して、コントロールレバー121を動力
運搬車1の意図せぬ旋回方向と逆方向に軽く倒すことに
より、該コントロールレバー121と第1揺動部材14
5とが一体で左右方向に僅かに揺動するため、左右の第
2揺動部材162L,162Rも同方向に僅かに揺動す
る。その結果、第2揺動部材162L,162Rの動き
がプッシュプルロッド166L,166R及び外側ボー
ルジョイント161,161を介して左右のコントロー
ルケーブル125L,125Rに伝達され、動力運搬車
1の意図せぬ旋回傾向が修正される。このとき、第2揺
動部材162L,162Rを連結する中立付勢スプリン
グ164,164の長さが変化しないため、作業者はコ
ントロールレバー121を軽く操作するだけで良く、長
時間の運転を行っても疲労することがない。
【0076】また、動力運搬車1を制動すべくハンドル
レバー104を図9の思案点Cより下方へ回動してやる
と、ハンドルレバー104はブレーキばね116の大な
る引張力をもって停止位置Bへ向って回動し、これに伴
い第1接続軸106は前方へ移動するの対して、第2接
続軸107は後方へ移動する。その結果、第1接続軸1
06は、テンショナケーブル77を緩めてコイルばね7
6の張力を弱めるので、前述のようにベルト71を弛緩
状態にしてクランク軸23から入力軸67への動力伝達
を遮断する。一方、第2接続軸107は、ばね筒108
を牽引するので、ばね筒108は内部の圧縮コイルばね
111を圧縮しつゝロッド109を介して主ブレーキケ
ーブル112を牽引し、その牽引力がイコライザ113
を介して左右のブレーキケーブル101,101に分配
させる。そして上記牽引力が所定値を超えると、左右の
各外側レバー98を戻しばね102の力に抗して回動
し、その回動力が内側レバー99及び連動リンク100
を介して作動レバー95に伝達し、各ブレーキカム軸9
4を作動方向に回動するので、前述のように左右の両ド
ラムブレーキ89,89を共に作動させて両駆動軸2
6,26、従って両駆動輪5,5を同時に制動すること
ができる。
【0077】上記実施例においては、本発明の要旨を逸
脱することなく種々の設計変更が可能である。例えば、
内燃エンジン21を電動モータに置き代えることもで
き、またクローラ7に代えて、駆動輪5にタイヤを装着
することもできる。またドラムブレーキ89を湿式のデ
ィスクブレーキに代えることもできる。さらに本発明を
除雪車やブルドーザに適用することもできる。
【0078】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発
明によれば、コントロールレバーを支持する第1揺動部
材が、揺動許容手段によって旋回指令方向に微小角度だ
け揺動し得るように回動軸に支持されているので、コン
トロールレバーを旋回指令方向に操作して第1揺動部材
を前記微小角度だけ揺動させることにより、コントロー
ルレバーに当接して揺動する第2揺動部材及びプッシュ
プルロッドを介して変速アームを操作し、車両の直進性
を容易に維持することができる。
【0079】また請求項2に記載された発明によれば、
一対の第2揺動部材を中立付勢スプリングで相互に接近
する方向に付勢してコントロールレバーの両側に当接さ
せたことにより、旋回中にコントロールレバーから手を
離すだけで車両を旋回状態から前後進状態に復帰させる
ことができる。しかも、車両を直進させるべくコントロ
ールレバーを微小角度だけ揺動させた場合に、一対の第
2揺動部材がコントロールレバー及び第1揺動部材と一
体で微小角度だけ揺動するために、前記中立付勢スプリ
ングは変形することがない。従って、中立付勢スプリン
グの弾発力に逆らうことなくコントロールレバーを微小
角度だけ揺動させることができ、作業者に疲労を強いる
ことなく車両の直進性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である動力運搬車の側面図
【図2】上記動力運搬車のフレーム及びパワーユニット
の一部の平面図
【図3】図1の要部の拡大図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図4における静油圧式無段変速機の拡大縦断面
【図6】図3の6−6線拡大断面図
【図7】図4の7−7線断面図
【図8】図1の8矢視図
【図9】図8の9−9線拡大断面図
【図10】図9の10−10線断面図
【図11】図8の11−11線拡大断面図
【図12】図11の12矢視図
【図13】図11の13−13線断面図
【図14】図12の14−14線断面図
【図15】図12の15−15線断面図
【図16】図15の16−16線拡大断面図
【図17】作用の説明図
【図18】作用の説明図
【図19】図5における左右の静油圧式無段変速機の油
圧回路図 作用の説明図
【図20】作用の説明図
【符号の説明】
1 動力運搬車(車両) 7 クローラ(走行手段) 25 静油圧式無段変速機(無段変速機) 121 コントロールレバー 145 第1揺動部材 145a 開口(揺動許容手段) 147 ピン(揺動許容手段) 143 回動軸 157a 長孔(ロストモーション機構) 160 ピン(ロストモーション機構) 162L 第2揺動部材 162R 第2揺動部材 164 中立付勢スプリング 166L プッシュプルロッド 166R プッシュプルロッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の走行手段(7)にそれぞれ接続さ
    れた左右の無段変速機(25)の変速アーム(157
    L,157R)を、前後進指令方向及び旋回指令方向に
    操作可能な1本のコントロールレバー(121)に接続
    して各々独立に制御することにより車両(1)を前後進
    及び旋回させる車両用操作装置において、 前後進指令方向に回動可能な回動軸(143)と、下端
    が回動軸(143)に支持されて該回動軸(143)と
    共に前後進指令方向に揺動可能であり、且つ上端にコン
    トロールレバー(121)を旋回指令方向に揺動可能に
    支持する第1揺動部材(145)と、回動軸(143)
    に枢支されてコントロールレバー(121)の両側に接
    離可能に当接し、コントロールレバー(121)の旋回
    指令方向の揺動に応じて第1揺動部材(145)から離
    間する側の旋回指令方向に各々独立に揺動可能な一対の
    第2揺動部材(162L,162R)と、第2揺動部材
    (162L,162R)の動きを変速アーム(157
    L,157R)に伝達するプッシュプルロッド(166
    L,166R)と、回動軸(143)に対する第1揺動
    部材(145)の旋回指令方向の揺動を微小角度だけ許
    容する揺動許容手段(145a,147)とを備えたこ
    とを特徴とする車両用操作装置。
  2. 【請求項2】 一対の第2揺動部材(162L,162
    R)を中立付勢スプリング(164)で相互に接近する
    方向に付勢してコントロールレバー(121)の両側に
    当接させたことを特徴とする、請求項1記載の車両用操
    作装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08253168A (ja) * 1995-03-16 1996-10-01 Yanmar Agricult Equip Co Ltd 油圧走行農作業機の操向制御装置

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