JPH0747755B2 - 鋼板用冷間圧延油 - Google Patents

鋼板用冷間圧延油

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JPH0747755B2
JPH0747755B2 JP63262050A JP26205088A JPH0747755B2 JP H0747755 B2 JPH0747755 B2 JP H0747755B2 JP 63262050 A JP63262050 A JP 63262050A JP 26205088 A JP26205088 A JP 26205088A JP H0747755 B2 JPH0747755 B2 JP H0747755B2
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秀男 山本
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えばステンレス鋼板の冷間圧延に用いる圧
延油に係り、耐ヒートスクラッチ性に優れ、かつ圧延荷
重を低減することができ、しかも圧延後の鋼板の光沢を
向上することができる圧延油に関するものである。
(従来の技術) ステンレス鋼板は変形抵抗が高いため、冷間圧延は一般
にφ100mm以下の小径ワークロールを有した多段式圧延
機を用いて、圧延油をニート(原液)のままで供給して
行っている。
ところで、圧延油に要求される性能は、 低圧延荷重で高圧下率が得られること、 高速圧延および高圧下率圧延など過酷な条件で圧延
してもヒートスクラッチ(焼付疵)がロールおよび鋼板
に発生しないこと、 圧延後の鋼板の光学が優れること、 である。
このうち、前記およびの特性は潤滑性に優れるこ
と、即ち、ロールバイト内(圧延材がロールにて変形さ
れている所)で圧延材とロールとの直接接触を防ぎ、摩
擦を低減させる性能である。この性能に優れるために
は、油膜が厚いこと、または潤滑剤が圧延材やロールに
化学吸着し、高温まで維持されること、つまり油膜強度
が高いことが必要となる。
しかし、ステンレス鋼板の表面には安定な酸化皮膜が形
成されているため潤滑剤が反応し難く、化学吸着し難
い。
従って、優れた潤滑性を得るためには高粘度の圧延油を
用い、油膜厚さを高めて圧延することが行われている。
ところが、油膜厚さが厚いと圧延後の鋼板表面に油溜り
(オイルピット)が生じ光沢が低下する。即ち前記の
特性が犠牲になる。
しかして近年、ステンレス鋼板に対して従来以上に光沢
が優れていることが要求されだしたため、潤滑性をある
程度犠牲にした圧延油を用いて低速で圧延し、優れた光
沢を得ているのが実状である。
現在広く用いられている圧延油はラウリルアルコールや
オイレルアルコールなどの高級アルコール類、ブチルス
テアレートやオクチルパルミテートなどのモノエステル
類、アジピン酸やセバシン酸などの低炭素二塩基酸と高
級アルコールとのジエステル、トリメリト酸と高級アル
コールとのトリエステルなどを基油に配合したものであ
るが、これらはいずれも前記したの特性は優れるが、
、の特性は劣るものである。
また、特開昭62-201994号公報には前記、、の特
性全てに優れる潤滑油として、分枝鎖を有する炭素数12
〜28の脂肪族ジカルボン酸と炭素数1〜6の直鎖脂肪族
アルコールとのジエステルと炭素数13〜48のモノエステ
ルを配合した潤滑油が開示されている。
しかしこの循環油が優れた性能を示すのは圧延速度が10
0m/minまでであり、100m/minをこえると潤滑性は不良と
なり特に、200m/min以上の圧延速度では急激に潤滑性不
足となってヒートスクラッチが発生し、およびの特
性を満足することができず、十分なものではない。
(発明が解決しようとする課題) 以上説明したように、圧延油に要求される性能の、
ととは基本的には相反する性質のものであり、、
を満足する圧延油はに劣り、を満足する圧延油は
、が劣る。そのため、200/min以上の圧延速度で、
〜までの性能を全て満足する圧延油は現在までに得
られていない。
従って、従来の圧延油を用いた圧延の場合で優れた光沢
の鋼板は低速度でかつ、圧延パス回数が多く、非能率で
あり、エネルギー消費も多く製造価格が高いという問題
があった。
本発明は、圧延油に要求される性能の、、の全て
を満足させ、優れた光沢のステンレス鋼板を高能率、低
価格で圧延することを可能にする圧延油を提供すること
にある。
(課題を解決するための手段) 潤滑性は圧延油に用いる油性剤の分子構造と関係があ
り、吸着基が多いこと、アルキル基の炭素数が大きいこ
と、粘度が高いと潤滑性が優れること、は従来より知ら
れている。
しかし、これらの化学構造の油性剤は、融点が高く基油
中に均一に溶解し難く、粘度が高いため光沢を低下させ
るものが多い。そこで本発明者は潤滑性が良いと考えら
れる高炭素二塩基酸ジエステルについて、光沢を高める
ため、低融点、低粘度となる分子構造について検討し、
新発見に至った。
即ち、脂肪族カルボン酸を二量体化したダイマー酸にお
いて分子構造に単環構造を有したダイマー酸を用いたジ
エステルが他の構造のダイマー酸を用いたジエステルよ
り格別優れた潤滑性および光沢性を示すことが判り、本
発明を完成させたのである。
本発明は、炭素数16〜22の脂肪族カルボン酸を二量体化
したダイマー酸において、分子中に単環構造を有するも
のの比率が60wt%以上であるダイマー酸と、炭素数が4
〜18の脂肪族アルコール(ただし、ステアリルアルコー
ルを除く)とのジエステルを、基油に5〜30wt%配合
し、かつ、添加剤として分枝鎖を有する炭素数18〜26の
脂肪族アルコール類を1〜5wt%配合したものである。
(作用) 以下本発明の冷間圧延油の作用を詳細に述べる。
本発明において、ダイマー酸ジエステルと脂肪族アルコ
ールは本発明の冷間圧延油に不可欠な油性剤であり、こ
れにより優れた潤滑性と光沢性を同時に満足させること
ができる。
ところで、ダイマー酸は一般用語であって、不飽和脂肪
族カルボン酸の2分子が分子間重合反応による化合物を
示し、例えば炭素数18の不飽和酸が二量体化した炭素数
36の二塩基酸である。従って、原料となるカルボン酸の
種類によって生成したダイマー酸の分子構造が異なり、
非環,単環,双環状など多種類の構造のものがあるとさ
れている。しかし、従来はどの構造のものがどのような
特性を有しているかは知られていなかった。
そこで、本発明者は、このダイマー酸の分子構造に着目
して各種研究を行った結果、非環構造のものは粘性が高
くて光沢性が劣り、双環構造のものは潤滑性が劣ること
を知見した。これらに対して、単環構造のものは光沢
性,潤滑性ともに優れることが判明し、上記した本発明
を成立させた。
本発明において、ダイマー酸の原料となる脂肪族カルボ
ン酸の炭素数を16〜22としたのは、炭素数が15以下では
ダイマー酸ジエステルとした際の潤滑性が不足するから
である。また炭素数が23以上では、高粘度となり、光沢
が低下するため、好ましくないからである。本発明に用
いられるダイマー酸の原料となる脂肪族カルボン酸を例
示すると、ゾーマリン酸、オレイン酸、リノール酸、ガ
ドレイン酸、エルカ酸、リノレイン酸などの不飽和カル
ボン酸、および大豆油、ナタネ油、トウモロコシ油など
の植物油を加水分解して得られた脂肪酸などである。特
にトール油脂肪酸、オレイン酸、リノール酸が好まし
い。
また、単環構造を有するものの比率を60wt%以上とした
のは、60wt%以上、更に望ましくは70wt%以上のダイマ
ー酸が優れた潤滑性、光沢性を示すからである。
また、ダイマー酸ジエステルの基油への配合量を5〜30
wt%としたのは、5wt%未満ではその優れた潤滑性が発
揮されず、また30wt%を超えると潤滑性の向上効果が飽
和する一方、粘度が高くなって光沢が低下するからであ
る。
また、本発明においてジエステルを構成するアルコール
を脂肪族とし、その炭素数を4〜18としたのは、芳香族
より脂肪族の方が潤滑性が良いためであり、炭素数は3
以下では潤滑性が不足し、19以上では高粘度および高融
点となって光沢性が低下するため好ましくないからであ
る。なお、ステアリルアルコールは炭素数が18であるが
飽和アルコールであり、他の脂肪族アルコールと比較し
て融点が58℃と高く、エステル化してダイマー酸ジステ
アリルとなすと融点が40〜45℃となって前記したように
光沢性が低下するため本発明では除外する。
本発明に用いられるジエステルを構成する脂肪族アルコ
ールを例示すると、ブチルアルコール、ヘキシルアルコ
ール、オクチルアルコール、2エチルヘキシルアルコー
ル、デシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシ
ルアルコール、テトラデルアルコール、セチルアルコー
ル、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールな
どであり、潤滑性、光沢性からより好ましいのは炭素数
が6〜14の直鎖脂肪族アルコールである。
また分枝鎖を有する脂肪族アルコールを例示すると、イ
ソステアリルアルコール、イソオレイルアルコール、イ
ソアラキルアルコール、2−ノニルウンデカチルアルコ
ール、2−デカチルテトラデカチルアルコール、2−デ
カチルペンタデカチルアルコール、2−ウンデカチルテ
トラデカチルアルコール、2−ウンデカチルペンタデカ
チルアルコールなどである。
これら分枝鎖を有する脂肪族アルコールの圧延油中への
配合量が5wt%を超えると耐焼付性が低下するため好ま
しくない。また1wt%未満では摩擦係数を減少させる効
果や、光沢性を向上させる効果がないため本発明では1
〜5wt%とした。
なお、本発明では基油については特に限定しないが、鉱
油および合成油を用いることができる。鉱油について
は、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油などがあげられ
るが、引火点を150℃以上とすることが火災発生の危険
を回避することからも必要で、粘度は40℃で5〜15cSt
のものが好ましい。また、基油にダイマー酸ジエステ
ル、脂肪族アルコールを配合した本発明の圧延油の粘度
は40℃で6〜16cStであることが潤滑性、光沢性から望
ましい。
また、本発明の圧延油には請求項に記載した以外の従来
から用いられる添加剤を添加してもその性能は変わらな
い。
(実施例) 以下本発明の効果を確認するために行った実験について
説明する。
圧延時の油膜強度や摩擦係数は摩擦試験を行うことで相
対的に評価できるため、曽田式四球法(JIS K 2519)に
より耐荷重能および焼付が発生しない状態での摩擦係数
を測定した。
なお、ここでは固定球を被圧延材に、また回転球をロー
ルみ見立て、固定球材質をSUS 440C、回転球をSUJ−2
として温度100℃で、その他の試験条件や試験方法につ
いてはJISに準じて行った。また光沢性については下記
第1表に示す小型機による圧延試験を行い評価した。圧
延はステンレス鋼、熱延焼鈍材(SUS430、2.5t×50w×2
50L)を下記第2表のパススケジュールにより6パス実
施した。そして、6パス後の表面光沢を光沢度計で測定
し光沢性を判定した。
曽田四球試験および圧延試験に用いた本発明のダイマー
酸ジエステルを下記第3表に、また添加して使用したア
ルコールを同じく第4表に示した。更に、比較用に使用
したダイマー酸ジエステルを第5表に、アルコールを第
6表に夫々示した。
これらの油性剤は下記第7表に示す配合で40℃での粘度
が9.5cStのパラフィン系鉱油に添加して試験を行った。
試験結果は第7表に併記して示した。また第7表には従
来から用いられている油性剤の試験結果も示した。
上記第7表のうち、本発明例1〜5はダイマー酸ジエス
テルとアルコールを混合して使用した例で、比較例1〜
6と対比することで、混合して使用した際に摩擦係数が
低減し、光沢が向上する油性剤の量を限定した理由を説
明することができる。
第7表より比較例や従来例は、本発明例に比べ、耐荷
重、摩擦係数、光沢のいずれかにおいて劣り、本発明の
圧延油が優れていることは明らかである。
(発明の効果) 以上説明した構成よりなる本発明圧延油を使用すれば、
ステンレス鋼板を高速かつ高圧下率で圧延した際に発生
するヒートスクラッチを防止し、かつ低荷重で圧延で
き、しかも圧延後の鋼板の光沢を高めることができる。
したがってこの圧延油を使用することにより光沢の優れ
たステンレス鋼板を低価格で圧延することができるとい
う大なる効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:20 40:24 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数16〜22の脂肪族カルボン酸を二量体
    化したダイマー酸において、分子中に単環構造を有する
    ものの比率が60wt%以上であるダイマー酸と、炭素数が
    4〜18の脂肪族アルコール(ただし、ステアリルアルコ
    ールを除く)とのジエステルを、基油に5〜30wt%配合
    し、かつ、添加剤として分枝鎖を有する炭素数18〜26の
    脂肪族アルコール類を1〜5wt%配合してなることを特
    徴とする鋼板用冷間圧延油。
JP63262050A 1988-10-18 1988-10-18 鋼板用冷間圧延油 Expired - Lifetime JPH0747755B2 (ja)

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