JPH0747603A - ラミネ−ト管状体の製造方法 - Google Patents

ラミネ−ト管状体の製造方法

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JPH0747603A
JPH0747603A JP21525793A JP21525793A JPH0747603A JP H0747603 A JPH0747603 A JP H0747603A JP 21525793 A JP21525793 A JP 21525793A JP 21525793 A JP21525793 A JP 21525793A JP H0747603 A JPH0747603 A JP H0747603A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 容器の壁に設けられた第1口部の容器内部側
に、開口部の一端が閉鎖された第1管状体が取りつけら
れた後、容器の壁に設けられた第2口部に連通した減圧
手段により容器内部を減圧にすることによって第1管状
体を膨張させ、次いで前記第1口部から開口部の一端が
閉鎖された第2管状体を第1管状体の内部に挿入し、第
2管状体の開口部から加圧ガスまたは液体を注入して第
2管状体を膨張させることを特徴とするラミネ−ト管状
体の製造方法。 【効果】 簡単な装置で夫々の管状体の組み合わせが限
定されないで、自由な組み合わせでラミネ−ト管状体を
製造することができる。そして、得られたラミネ−ト管
状体は膨張させたり、収縮させて使用するとき、夫々の
管状体が剥離したり、破裂したりすることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラミネ−ト管状体の製造
方法に関し、更に詳しくは予め成形された2つの管状体
を使用してラミネ−ト管状体を製造する方法であって、
特にバル−ン内に加圧状態で貯蔵した薬液を一定速度で
患者に注入する薬液注入器具のバル−ンとして使用され
るラミネ−ト管状体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ラミネ−ト管状体は溶融した少な
くとも2の樹脂を共押出しで成形したり、管状体の外面
または/および内面に他方の樹脂を溶融押出または溶剤
に溶解した溶液をコ−チングしたりして成形していた。
しかしながら、これらの方法は製造装置が複雑になるば
かりでなく、ラミネ−ト管状体を構成する管状体材料が
夫々相溶性のあるもの同士であるとか、あるいは相溶性
がない場合には接着剤が必要であったりして、自ずから
管状体同士の組み合わせが限定されることがあった。ま
た、その外にこれらのラミネ−ト管状体は成形された状
態で使用するときには問題はないが、これを膨張させて
使用する際には、ラミネ−ト管状体を構成する2つの管
状体の伸長時または収縮時の応力差によって、管状体同
士が剥離したり、一方の管状体が破裂したりすることが
あった。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、これら従来
のラミネ−ト管状体を製造するときの欠点を改良するも
のであり、その目的はラミネ−ト管状体を膨張させた
り、収縮させて使用するときラミネ−ト管状体が剥離し
たり、破裂したりすることのないラミネ−ト管状体の製
造方法を提供することである。また他の目的は簡単な装
置でラミネ−ト管状体を製造する方法を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は容器
の壁に設けられた第1口部の容器内部側に、開口部の一
端が閉鎖された第1管状体が取りつけられた後、容器の
壁に設けられた第2口部に連通した減圧手段により容器
内部を減圧にすることによって第1管状体を膨張させ、
次いで前記第1口部から開口部の一端が閉鎖された第2
管状体を第1管状体の内部に挿入し、第2管状体の開口
部から加圧ガスまたは液体を注入して第2管状体を膨張
させることを特徴とするラミネ−ト管状体の製造方法で
ある。また、本発明は前記ラミネ−ト管状体の製造方法
において、膨張した第1管状体の収縮応力が、膨張した
第2管状体の収縮応力より大きいことを特徴とするラミ
ネ−ト管状体の製造方法である。
【0005】以下、図面にて本発明の一例を説明する。
図1〜図5は本発明のラミネ−ト管状体の製造方法の説
明図であり、図6は本発明で製造したラミネ−ト管状体
を使用した一例を示す薬液注入器具の説明図である。図
中、1は容器、2はキャップ、3は第1口部、4は第2
口部、5は第1管状体、6は第2管状体、7は三方活
栓、8は薬液流出チュ−ブ、9は流量制御部、10は接続
具、11は容器本体、14は二方活栓を示す。
【0006】図1〜図5を使用して本発明の一例を説明
する。容器1は容器本体11とキャップ2とからなる。容
器本体11は減圧手段(図示せず)に連通した第2口部4
を有しており、開口端部の外壁にはキャップ2の雌ねじ
と螺合する雄ねじが形成されている。一方、キャップ2
は第1管状体5の空気流入口であり、第2管状体6の挿
入口である第1口部3を有しており、開口端部の内壁に
は容器本体11の雄ねじと螺合する雌ねじが形成されてい
る。開口部の一端が閉鎖された第1管状体5の開口端部
の内面は、円筒状の第1口部3のキャップ2の内側の円
筒の外面に被せられ、O−リング12で嵌着されている。
第1口部3のキャップ2の外側の円筒の外面には雄ねじ
13が形成されており、三方活栓7の口部19の内面に形成
された雌ねじと螺合するようになっている。そして、容
器本体11の雄ねじとキャップ2の雌ねじとを螺合するこ
とによって、内部に第1管状体5を収容した密閉された
容器1が形成される(図1)。
【0007】次いで、容器本体11の第2口部4に連通さ
れた減圧手段を作動することによって、容器1の内部が
減圧状態になり、第1管状体5の内部に第1口部3から
空気が流入し第1管状体5が膨張する。容器内の真空度
は−500mmHg 以下、好ましくは−1000〜−650mmHg であ
る。第2口部4と減圧手段との間には、二方活栓14が設
置されており、減圧状態になった容器1の減圧を保持す
るために閉鎖される(図2)。その後、両端が開口した
硬直性パイプ15に第2管状体6を被せ、第2管状体6の
一端が閉鎖された側を先端にして、第1口部3から第2
管状体6を第1管状体5の内部に挿入する(図3)。
【0008】次に、硬直性パイプ15を取り除き、第2管
状体6の開口端を第1口部3の端部で折り曲げて、その
折り畳み部を第1口部3のキャップ2の外側の円筒の外
面に形成された雄ねじ13に被せた後、三方活栓7の一端
の内面に形成された雌ねじと第2管状体6のフイルムを
介して螺合することによって、第2管状体6の開口端が
固定されるとともに、第1口部3に三方活栓7が設置さ
れる(図4)。図4において、加圧ガスまたは液体の注
出入の開閉を三方活栓7で説明したが、二方活栓を使用
してもよい。次いで、三方活栓7から加圧ガスまたは液
体を注入することによって、第2管状体6は第1管状体
5の内面にまで膨張し、三方活栓7を閉じてこの状態を
保持する。引き続き、第2口部4の二方活栓14を開放し
て容器1内部を徐々に常圧に戻すことによって、第1管
状体5の内面は膨張している第2管状体6の外面に密着
する。その後、三方活栓7を少し開いて第2管状体6内
部の加圧ガスまたは液体を徐々に放出することによっ
て、第1管状体5の内面と第2管状体6の外面とは、ほ
ぼ密着した状態で収縮していき第1管状体5と第2管状
体6とがラミネ−トしたラミネ−ト管状体が製造される
(図5)。キャップ2と容器本体11との螺合をはずして
夫々を分離し、キャップ2の第1口部3に嵌着している
ラミネ−ト管状体を取り外すと、ラミネ−ト管状体を得
ることができる。この際、膨張した第1管状体5の収縮
応力が、膨張した第2管状体6の収縮応力より大きいと
第1管状体5の内面と第2管状体6の外面とが完全に密
着したラミネ−ト管状体が得られ好ましい。
【0009】第1管状体5と第2管状体6は、予め一端
が閉じたインフレ−ションフイルムで説明したが、両端
が開口した管状体を使用し一端を閉じて使用しもよい
し、球状の形状でもよい。第1管状体5としては弾性ゴ
ムが好ましく、弾性ゴムとしてはシリコ−ンゴム、ブチ
ルゴム、アクリロニトリルブタジェンゴム、ブタジェン
ゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジ
ェンゴム、ペルプレン、クレイトンゴムなどの弾性重合
体または天然ゴム、これらの重合体混合物、またはこれ
らの物質の添加剤を除去したのち人体に無害の酸化防止
剤を添加した加工物質、またはラミネ−ト等が挙げられ
る。また、第2管状体6としては、第1管状体5で使用
された弾性ゴムより収縮応力の小さい弾性ゴムや熱可塑
性樹脂が使用される。熱可塑性樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリアミド等の未延伸、1軸延伸または2軸延伸フ
イルムが挙げられる。
【0010】三方活栓7から注入する液体が薬液の場合
には、三方活栓7の一方の注出口16に図6に示す薬液流
通チュ−ブ17を連結し、第2管状体6の内部に充填され
た薬液を人体に一定速度で注入する。薬液流通チュ−ブ
17は、その基端に設置された三方活栓7、薬液量を制御
するための流量制御部9、薬液流出チュ−ブ8および接
続具10とで構成されており、第2管状体6から流出した
薬液は流量制御部5を経て接続具10に接続された穿刺針
またはカテ−テルから人体に注入される。このとき、容
器1の内部は減圧状態であってもよいし、また常圧に戻
した状態であってもよい。薬液を第2管状体6の内部に
注入するには、図4で薬液流通チュ−ブ17を連結した三
方活栓7を第1口部3に設置した後、三方活栓7の他方
の流入口18に注射器のシリンジ先端口を嵌合または螺合
して必要量の薬液を第2管状体6の内部に流入させる。
【0011】流量制御部9は薬液の流量を制御する箇所
であり、例えば内径10〜 500μの微細内径のパイプを設
置すると、第2管状体6内の薬液の流出速度が遅くな
り、人体への薬液注入時間を長くすることができる。パ
イプの長さは1cm以上で外径は内径の5〜 500倍の大き
さである。パイプの長さが30mmを越えると、特開平2-1
1160号公報の第6図に示すような捲縮構造をした微細内
径パイプを収納したケ−スを使用すると薬液流通チュ−
ブ17の長さが短くなって好ましい。流量制御部9として
は、本出願人が既に出願した特開平3-140163号公報に記
載された金属製パイプ、合成樹脂製パイプ、ガラス製パ
イプなども用いることができる。
【0012】流量制御部9は薬液流通チュ−ブ17の任意
の位置に設置されうるが、接続具10から離れた位置に設
置されるのが操作上好ましい。三方活栓7と流量制御部
9との間には、第2管状体6内の薬液に含有されている
微小物質を除去するためのフイルタ−が設けられていて
もよい。フイルタ−は流量制御部9の先端部に設置され
るのが好ましく、繊維状物、焼結物等が使用される。薬
液流通チュ−ブ17としては、軟質ポリ塩化ビニル、ポリ
プロピレン、ポリエステルなどが挙げられ、その先端に
はルア−テ−パ−状の接続具10が設けられ、接続具10を
介して静脈針やPSVセット、カテ−テルなどが接続さ
れる。接続具10には静脈圧などにより薬液が逆流するの
を防止するための逆止弁(図示せず)を装備してもよ
い。
【0013】
【実施例】以下実施例にて本発明の一例を説明する。一
端が閉鎖した加硫された天然ゴム製管状体(小峰ゴム社
製)をアセトン・ヘキサン混合溶剤(混合容積比1:
2)でソックスレ−抽出を3時間行い、天然ゴム製管状
体中の添加剤を抽出除去した。次いで該管状体を1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(以
下BHTという)のアセトン・ヘキサン混合溶剤(混合
容積比1:2)の溶液(濃度0.01g/ml)中に25℃の温度
で24時間浸漬し、該管状体中に酸化防止剤であるBHT
を含浸させた。その後管状体をエタノ−ルで洗浄し25℃
の温度で12時間乾燥させた。この処理済天然ゴム製管状
体(内径 5.0mm、外径 7.0mm、長さ43mm)の開口端を図
1に示す第1口部に嵌め込みO−リングで嵌着した。次
いで、キャップを容器本体と螺合して密閉された容器と
し、真空ポンプを作動させて第2口部に取りつけられた
二方活栓で開閉度を調節しながら容器内を徐々に減圧に
し、真空度−760mmHg に保持した。容器内を減圧にする
ことによって、天然ゴム製管状体は第1口部から空気を
管状体内部に注入し容器内部で膨張した。
【0014】次に、硬直性パイプ(外径3.0mm)に一端が
閉鎖したポリエチレン製管状体(内径 4.3mm、外径 4.6
mm、長さ82mm)を巻きつけ、それを第1口部から膨張し
ている天然ゴム製管状体の内部に挿入した後、硬直性パ
イプのみを取り除く。ポリエチレン管状体の開口部は、
第1口部の端部で折り返して雄ねじの外面を覆うように
する。次いで、図6に示す薬液流通チュ−ブに連結した
三方活栓の口部に形成された雌ねじをポリエチレン製管
状体を介して第1口部の雄ねじと螺合した。更に、三方
活栓の薬液注入口から60mlの水を注射器のシリンジによ
ってポリエチレン製管状体の内部に注入した。天然ゴム
製管状体の外面がポリエチレン製管状体の内面に密着す
るように、第2口部の二方活栓の開閉度を調節して容器
内部に空気を若干流入させて真空度を調節する。引き続
き、三方活栓を薬液流通チュ−ブ側へ連通するように作
動することによって、ポリエチレン製管状体内部に充填
された水は薬液流通チュ−ブへ流出した。流量制御部は
捲縮構造をした極細のポリ塩化ビニル製パイプ(外径1.
00mm、内径 0.10mm 、長さ250mm)をケ−スに収納したも
のを使用した。ポリエチレン製管状体の薬液流出側を下
方にして該管状体内の水を接続具に取りつけた静脈針か
らヘッド差約50mmにして滴下した。ポリエチレン製管状
体内の水は平均流出速度2.3ml/時でほぼ均一に流出し約
24時間で流出は完了した。
【0015】
【発明の効果】本発明のラミネ−ト管状体の製造方法
は、簡単な装置で夫々の管状体の組み合わせが限定され
ないで、自由な組み合わせでラミネ−ト管状体を製造す
ることができる。そして、得られたラミネ−ト管状体は
膨張させたり、収縮させて使用するとき、夫々の管状体
が剥離したり、破裂したりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラミネ−ト管状体の製造方法の説明
図。
【図2】本発明のラミネ−ト管状体の製造方法の説明
図。
【図3】本発明のラミネ−ト管状体の製造方法の説明
図。
【図4】本発明のラミネ−ト管状体の製造方法の説明
図。
【図5】本発明のラミネ−ト管状体の製造方法の説明
図。
【図6】本発明で製造したラミネ−ト管状体を使用した
一例を示す薬液注入器具の説明図
【符号の説明】
1 容器 2 キャップ 3 第1口部 4 第2口部 5 第1管状体 6 第2管状体 7 三方活栓 8 薬液流出チュ−ブ 9 流量制御部 10 接続具 11 容器本体 12 O−リング 14 二方活栓 17 薬液流通チュ−ブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の壁に設けられた第1口部の容器内
    部側に、開口部の一端が閉鎖された第1管状体が取りつ
    けられた後、容器の壁に設けられた第2口部に連通した
    減圧手段により容器内部を減圧にすることによって第1
    管状体を膨張させ、次いで前記第1口部から開口部の一
    端が閉鎖された第2管状体を第1管状体の内部に挿入
    し、第2管状体の開口部から加圧ガスまたは液体を注入
    して第2管状体を膨張させることを特徴とするラミネ−
    ト管状体の製造方法。
  2. 【請求項2】 膨張した第1管状体の収縮応力が、膨張
    した第2管状体の収縮応力より大きいことを特徴とする
    請求項1記載のラミネ−ト管状体の製造方法。
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